JP3567325B2 - U字溝 - Google Patents
U字溝 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3567325B2 JP3567325B2 JP2001096719A JP2001096719A JP3567325B2 JP 3567325 B2 JP3567325 B2 JP 3567325B2 JP 2001096719 A JP2001096719 A JP 2001096719A JP 2001096719 A JP2001096719 A JP 2001096719A JP 3567325 B2 JP3567325 B2 JP 3567325B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaped groove
- main body
- bridging
- portions
- wall
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用及び工業用水路及び排水路、並びに一般土木用水路及び排水路に用いることができる合成樹脂製のU字溝に関する。
【0002】
【従来の技術】
山野の土木開発現場並びに一般道路の側溝および排水路として、従来コンクリート製のU字溝が用いられてきたが、近年、コンクリート製のU字溝に代えて合成樹脂製のU字溝が用いられるに至っている。
この合成樹脂製のU字溝は、従来のコンクリート製のU字溝よりも軽量であるため、輸送面や施工面で取扱いが容易であるが、一方合成樹脂製のものは、コンクリート製のものと比較して一般に、剛性が低いため、特に側壁外から大きな土圧がかかった場合には、側壁が内側に折れこんで変形しやすくなるという問題があった。
そこでこの問題を解決するべく、U字溝の底壁面から側壁面を波形もしくは類似の凹凸形状に成形することにより合成樹脂製U字溝の側壁外からの土圧に対する剛性の向上を達成する方法が提案され利用されていることが知られている(特開昭61−83731号公報、特開平11−1956号公報等)。なお、この種のU字溝において、その底部付近について上記の凹凸形状をあまりに大きな凹凸に設計することは、雨水や地下水等の流通を妨げ、本来の使用目的である流路としての機能を十分に果たすことはできなくなる。従って、U字溝の内壁面を平坦な面に保ちかつ凹凸形状を外側壁面にのみに付ける方法も検討されている(例えば特開平8−151677号公報等)が、剛性の格段の向上が期待できず、これは有利な手段とは必ずしもいえない。
【0003】
しかしながら、U字溝の側壁外からの土圧に対する剛性を高めるためにU字溝の形状に単に凹凸条を与えるのみでは自ずと限界があり、またその壁厚を厚くするとしても製造コストが上昇する。加えてU字溝の、使用時に左右の側壁を内側に押し変形させる土圧は側壁に対して垂直の方向に働く場合の他、側壁に対して斜めの方向にも働く。さらに、U字溝に加わる土圧の程度は、U字溝全体についてみると不均等なものとなりやすく、ねじれ応力がU字溝に作用する結果になり易い。従ってU字溝は、種々の荷重方向からの圧力にも耐える剛性を備えるように配慮する必要がある。そこで従来、U字溝の形状を工夫するほか、U字溝の一番弱い部分であるU字溝上部において、U字溝の両側壁を架け渡す補強材を幅方向に数カ所取り付けることにより、合成樹脂製U字溝の側壁への土圧に対して剛性を向上させる方法も知られている。
例えば、上記特開平11−1956号公報においてはより強度を確保するため両側壁部上端に沿ってあてがい補強材を配し、金属製の複数の架け渡し材をリベットやボルト・ナットによって前記補強材に固定することにより該両側壁部の間を架け渡した構造のU字溝を開示している。
また、特開2000−129768号公報は合成樹脂製のU字溝部材の対向する側壁の上端部に形成した受容部にその長手方向に形鋼からなる補強材を配設した上で、受容部間にボルト・ナットで固定した横架材により架け渡すようにしたU字溝部材を示す。さらにこの公報および特開2000−104326号公報は、U字溝の両側壁上端部に上方から跨ぐように成形された横架材を示し、該横架材はその両端部が逆U字形に折り曲げられて、嵌め込み可能な嵌込部を形成するものであり、U字溝に固定する横架材の止め具を必要としないものを開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、U字溝上部にU字溝の両側壁を架け渡す補強材は、主に、断面略L字形のアングル型鋼材等の金属製で、U字溝の壁側部上部にネジや、ボルト・ナット等の止め具(固定具)を使用するものであるか、固定具を要さなくても架け渡し補強材の両端が複雑な形状をなすものである。
しかしながら、U字溝に架け渡し材を架け渡すために、従来のようなネジや、ボルト・ナット等の固定具を使用することは、U字溝の敷設作業がとても煩雑な作業になる。また、特開2000−129768号公報や特開2000−104326号公報に示される架け渡し補強材の両端が複雑な形状をなすものでは、製造する際に、折り曲げ加工すべき箇所が多く、工程数を多く要し、製造コスト面で不利である。
さらに、上記従来のU字溝は、架け渡し材の補強材受容部として、U字溝の長手方向に延びる補強用の金属製の補助部材を併用するもの(特開平11−1956号公報および特開2000−104326号公報)であるか、または補強材としての金属を一体成形してU字溝の両側壁上部に直接埋込む形式のもの(特開2000−129768号公報)である。これは、金属製の補強材を長手方向と幅方向にはしご状に配置することが剛性の著しい向上を図る上で効果的であると考えられるためである。しかしながら、架け渡し材の配置のために、U字溝に補助部材を装着しなければならないことは、U字溝の敷設の作業性をより悪くする。また、一体成形にてU字溝に補強材を埋込む形式のものはU字溝の製造にあたって工程数が多くコスト高になる。
また、金属は腐食するので、金属製の架け渡し材は腐食による強度の減少および外観の悪化が生じるおそれがある。また、L字形のアングル型鋼材は、鋭利な部分が突出した状態で取り付けられることが多いため、作業者を負傷させたり、作業者の衣服が引掛かり破れるおそれもある。
従って、本発明の課題は、敷設時の作業を煩雑にする、取り付けのための補助部材やネジや、ボルト・ナット等を必要とせずに簡単に取付けられる架け渡し材であって、しかも、簡単な形状で製造費も安価な架け渡し材を横架することによって、十分な強度と高い剛性を確保し得る、架け渡し材を備えた合成樹脂製のU字溝を提供することにある。また、金属製部材を使用した場合と比較してそれに劣らない強度が得られ、しかも腐食による悪影響がなくかつ、作業者が負傷しがちな鋭利な部分が突出した形状をもたない溝構造からなり、設置作業を安全にかつ容易迅速に行い得るU字溝を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、凹条部位と凸条部位を交互にU字溝の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されたU字溝本体において、左右の側壁の上部において凹条部位を内方に反り成形させることにより剛性を高め、かつ、両壁側部の上端は各々、外方に延びて、平坦な面を有する架け渡し材受け部を形成し、該受け部上で、他に補助部材を使用せずにそのまま架け渡し材を左右の壁側部の間に横架することによって、従来の金属製の架け渡し材を用いたU字溝と同程度の剛性をもつことのできる、新しい形状を有する硬質合成樹脂または繊維強化樹脂製のU字溝を発明するに至った。すなわち、本発明は、
断面U字形状の壁を形成するU字溝本体であって、該本体の壁底部から左右の壁側部の上部へと延びる凹条部位および凸条部位を交互に、U字溝の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されたU字溝本体と、
該本体の左右の壁側部の間に横架される架け渡し材とを備えてなる、U字溝であって、
該本体の左右の壁側部は各々、壁底部より垂直にもしくは外開きに立ち上がるが、その上部において、剛性を高めるべく凹条部位は内方に反り成形され、そして両壁側部の上端は各々、外方に延びて、平坦な面を有する架け渡し材受け部を形成してなり、前記架け渡し材の両端部が該架け渡し材受け部上で固定されていることを特徴とする、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるU字溝に関する。
また、好ましくは、本発明は前記架け渡し材が、平板または平坦な上面を有する角アングル材からなるものであり、さらに前記架け渡し材の両端部は、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるリベットを用いて、前記架け渡し材受け部に鋲着されていることを特徴とするU字溝が好ましい。
また、本発明のU字溝は、剛性を高め、さらに浮上防止のためU字溝本体の左右の壁側部に外方に突出するリブ部を設けてなる態様も好ましい。
本発明の更に好ましい態様は、前記架け渡し材受け部上にU字溝の長手方向に沿って装着される、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなる補強材をさらに備えてなることを特徴とする。
【0006】
本発明の硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるU字溝本体は、壁底部から左右の壁側部の上部へと延びる凹条部位および凸条部位を交互に、U字溝の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されて剛性を図っている。これとともに、U字溝本体の左右の壁側部は各々は壁底部より垂直にもしくは外開きに立ち上がり、U字溝の壁側部上部付近の凸条部位についてはそのまま上端まで延び外方に延びて架け渡し材受け部を形成している。しかし凹条部位については上部において内方に反るよう延び、そしてその後上端にて外方に延びて前記架け渡し材受け部とつながるように成形される。この凹条部位の反りにより、本発明のU字溝本体の形状は両壁側部上部においては外方から内方に絞り込まれたような形状となるので、これは、従来の単に凹凸条を底面から側面にかけてのみ配した合成樹脂製のU字溝と比較して、特に左右の壁側部の上部付近において種々の荷重方向からの土圧に対し高い剛性が得られる。また、両壁側部の上端は各々、外方に延びて、平坦な面を有する架け渡し材受け部を形成するので、本発明のU字溝を構成する架け渡し材は、その両端部をそのまま該架け渡し材受け部上に固定でき、該架け渡し材を両壁側部の上部に配置するための補助部材を併用する必要がない。そして架け渡し材の固定には前記U字溝と同様の樹脂製のリベットを用いれば、ネジ止め等による煩雑な作業することなく容易に固定できる。
従って、本発明のU字溝はその部材のすべてが硬質合成樹脂または繊維強化樹脂から形成してなるが、前記U字溝本体の両壁側部上部の外方から内方に絞り込まれた形状と架け渡し材よりなる上記構成によって、金属製の補強材を使用しなくても、従来の金属製の補強材を使用する合成樹脂製U字溝に匹敵する剛性をもつものである。
さらにまた、本発明のU字溝本体は、左右の壁側部に外方に突出するリブ部を設けることによって、より一層高い剛性を達成し、また、このリブ部によって構成される壁側部から外側に突出した部分は、U字溝埋設の際に土砂が堆積しその荷重が負荷されるためU字溝をより効果的に固定し、地下水位の上昇によるU字溝の浮き上がりの防止に役立つ。
加えて、本発明のU字溝ではまたさらに、U字溝の長手方向に沿って、U字溝本体の両壁側上部の架け渡し材受け部上に硬質合成樹脂または繊維強化樹脂製の補強材を装着することもできる。この装着によって、架け渡し材を備えたU字溝にさらにより高い剛性を与えることも可能である。
【0007】
【実施例】
図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例は本発明を限定することを目的とするものではない。
【0008】
実施例1
本発明のU字溝の一態様を図1ないし図3に示す。図1は本実施例のU字溝1を説明する図であり、図2は本実施例のU字溝1の平面図であり、図3は、その側面図である。U字溝1は、例えば幅180mm、240mm、300mm、400mm、500mm、600mm、700mm、800mm、900mm、1000mmの寸法規格を有する各種製品よりなり、いずれも直壁タイプである。図1ないし図3から明らかなように本実施例において、ポリエチレン樹脂からなるU字溝本体2は、左右の壁側部4、4が各々、壁底部3から垂直に立ちあがった形状をなし、壁底部3から左右の壁側部4、4の上部へと延びる凹条部位5・・および凸条部位6・・を交互にU字溝1の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されている。
本発明のU字溝1は、本実施例のように左右の壁側部4、4が各々壁底部3から垂直に立ち上がった形状の他、U字溝は上部に向けてやや外開きに立ち上がった形状をとってもよい。また本発明におけるU字溝本体2の断面のU字形状とは、流体通路を形成する凹部空間を形成するもの一般を含み、本来のU字形の他、断面コの字形、あるいは上面が開放された断面半円状のものを含むものとする。また、本実施例では硬質合成樹脂としてポリエチレン樹脂を使用したが、他に、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド等が使用でき、また、不飽和ポリエステル等に、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維(ケブラー等)などを含有させた繊維強化樹脂(FRP、FRTP)等が利用できる。さらに、本発明のU字溝はブロー成形、回転成形等により成形できる。
図4は、図2中のA−A線で切断したU字溝本体2の凸条部位6・・の断面図を示すが、この図から明らかなように、凸条部位6・・についてはそのまま左右の壁側部4、4の上端まで延び、その上端から外方に延びて架け渡し材受け部8、8を形成する。しかし、図2中のB−B線で切断したU字溝本体2の凹条部位5・・の断面図である図5から明らかであるように、凹条部位5・・は左右の壁側部4、4の上部において、そのまま上端まで延びるのではなく、内方に反った形状5a・・をとりながら左右の壁側部4、4の上端まで延び、上端から外方に延びて前記架け渡し材受け部8、8に繋がっている。この結果、U字溝本体2の両壁側部4、4の上部は全体として、外方から内方へ絞り込まれたような形状の構造をとる。この構造によって、U字溝1の敷設時、U字溝本体2の強度の特に弱い部分である左右の壁側部4、4の上部付近に加わる種々の荷重方向からの土圧に対しより一層の剛性を与えるものである。
【0009】
次にU字溝本体の両壁側部4、4の上端についてより詳しく説明すると、図1及び図2に示すように、左右の両壁側部4、4の上端に形成された、平坦な面を有する架け渡し材受け部8、8には、凸条部位6・・の上方の位置に、長手方向に対して一定の間隔で孔8a・・が対となって穿設されている。
図7及び図8に示すように、この部分には、架け渡し材として図6に示す、U字溝本体2と同じ材質からなる樹脂製の断面略L字形の角アングル材7Aが両壁側部4、4の間に横架するように取付けられる。角アングル材7Aは両端に穿設された孔7a、7aをもち、この2つの孔7a、7aと、U字溝本体2の左右壁側部4、4上端である架け渡し材受け部の孔8a、8aとを位置合わせし、リベット9で鋲着することにより該角アングル材7AはU字溝本体2上端の架け渡し材受け部8、8に固定される。リベット9は図9に示す形状をもち、U字溝本体2と同じ材質からなる樹脂製である。また、図6(c)に示すこの断面略L字形の角アングル材7Aの孔7aの無い面は、その両端部が切り欠かれており、孔7aのある面(図6(b))よりも短く設計されている。従って、孔7aの無い面(図6(c))を下向きにU字溝本体2内に取り付けることができる。このため、角アングル材7AをU字溝本体2に取り付けた後、該角アングル材7AはU字溝1上面から突出しないので突出部によって作業者が負傷するというおそれはなく、見た目もきれいである。
もちろん、上記角アングル材7Aの横架によって、本発明のU字溝1は両壁側部4、4にかかる土圧に対し高い剛性を得ることができ、U字溝1の変形や倒壊が防止できる。また、上述したように本実施例のU字溝1ではU字溝本体2自体に架け渡し材を受ける、架け渡し材受け部8、8を有しているので架け渡し材を使用するにあたってそれを配置するための他の補助部材を必要としない。また架け渡し材の固定にはリベット9を使用しているため、ネジやボルト・ナットによる固定よりも作業が非常に簡便である。
また、架け渡し材である角アングル材7Aおよびリベット9はU字溝本体2と同じ樹脂製であるため、従来のような金属製の架け渡し材とは異なり、腐食による強度の減少や外観の悪化が生じることはなく、またその材質上作業者を負傷させるおそれが減少するという特徴がある。なお本実施例では架け渡し材およびリベットがU字溝本体2と同じ樹脂である例を述べたが、U字溝本体2と異なる硬質合成樹脂または繊維強化樹脂を使用してもよい。架け渡し材はまた、上記角アングル材の形状の他に、固定用の孔を両端に設けた平板の形状のものも使用できる。
【0010】
本発明のU字溝1では、上記角アングル材7Aのようなリベット9で固定可能な架け渡し材に代えてまたはそれと併用して、U字溝本体2の壁側部4,4内側上部に凹状または凸状の架け渡し受け部を設け、そこに嵌め止めることのみによって取り付けることのできる他の架け渡し材もまた使用できる。
他の架け渡し材の好ましい一態様は、図10に示すようなU字溝本体2と同じ材質で樹脂製の断面略L字形の角アングル材7Bである。本実施例のU字溝本体2は、この角アングル材7Bを単独でまたは角アングル材7Aと併用して使用できるように設計されている。即ち、図1、図2、図11ないし図13に示すように、本実施例のU字溝本体2には、前記角アングル材7Bの両端を受け収める部分として、略L字形の架け渡し材受け凹部10、10がその壁側部4、4内側上部で対になって形成されている。より詳細には、図1、図11及び図12に示すように、該U字溝本体2の左右の壁側部4、4上部の、凹条部位5・・における内方に反った形状5a・・の一部は、U字溝1の長手方向に対して一定の間隔で、より大きく内方に反り、隣接する両側の凸条部位6・・と一緒になって上端まで延びる平坦な壁側部5b・・を形成し、同時にこの平坦な壁側部5b・・に架け渡し材受け部として、角アングル材7Bの端部を受け収めることができる略L字形の受け凹部10・・が設けられている。図11(a)は受け凹部10に角アングル材7Bが嵌め込まれたU字溝本体壁側部4の外側から見た状態を示し、そして図11(b)は同じ状態を壁側部4の内側から見た図である(図11(a)中の丸枠A部分の拡大図)。受け凹部10の形状は角アングル材7Bの端部断面の形を取り囲む略L字形であり、またこの受け凹部10の上部には開口部10aが設けられている。この開口部10aは角アングル材7Bの嵌め込みをより容易にし、また、U字溝1の設置作業時、この受け凹部10に土砂等の異物が入った場合に除去し易い。
また、本実施例では、架け渡し材である角アングル材7Bを、その折れ曲がり部分の山側が上になるように使用するので、U字溝本体2に取り付けた後に該架け渡し材はU字溝1上面から突出しない。このため作業現場において架け渡し材の突出部によって作業者が負傷するというおそれはなく、見た目もきれいである。
【0011】
上記角アングル材7Aに代えて使用できる、またはそれと併用可能な他の架け渡し材の別の態様は、図14に示す管材7Cである。これを架け渡し材として使用する場合のU字溝1の構造を図15に示す。図15に示すU字溝本体2もまた、壁底部3から左右の壁側部4,4の上部に延びる凹条部位5・・および凸条部位6・・を交互に、U字溝1の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されており、また凹条部位5・・は左右の壁側部4、4の上部において、内方に反った形状5a・・をとる。本態様では、前記凹条部位5・・の内方に反った形状5a・・の一部は、その上部において、図15ないし図17に示すように、U字溝1の長手方向に対して一定の間隔で、該管材7Cの端部が嵌合し得る突部11a・・を対になるように形成し、かつ前記突部11a・・の下側に、嵌合された管材7Cを支持するための架け渡し材支持部11b・・を形成している。すなわち、架け渡し材である管材7Cの両端部を嵌め止める凸状の架け渡し材受け部11、11は突部11a、11aとその下側の架け渡し材支持部11b、11bとから構成される。
なお、この態様では、図14に示すようなU字溝本体2と同じ材質からなる中空の角形の管材7Cを使用するが、架け渡し材は他の形状の管材、筒材または両端部に差込み孔を形成する軸材等の形状もとることができ、また、これに対応するU字溝本体2の壁側部4、4上部内側の突部11a・・および架け渡し材支持部11b・・の形状は使用する架け渡し材の形状に合せて設計される。
上記の他の架け渡し材である角アングル材7Bおよび管材7Cの、それぞれ対応するU字溝本体2への取り付けは、ネジ、ボルト・ナットや、リベット等の固定具を一切必要としないので、極めて容易で迅速にできる。しかも各U字溝本体2の架け渡し材受け部は各U字溝本体2の構造の一部であり成形と同時に形成されるので、これら他の架け渡し材をU字溝本体2上部に配置するための他の補助部材は必要とならない。
また架け渡し材7Bおよび7Cも、硬質合成樹脂製または繊維強化樹脂製であるため従来のような金属製の架け渡し材とは異なり、腐食による強度の減少および外観の悪化は生じない。また、前記各架け渡し材は、U字溝本体2と同じ樹脂である例を述べたが、U字溝本体2と異なる樹脂を使用してもよい。
【0012】
上記実施例に挙げた本発明のU字溝本体2には、さらにまた、図1ないし図3等に示すように、左右の壁側部4、4のやや下部よりに、一定の間隔で、凹条部位5・・および凸条部位6・・にわたって外方に突出するリブ部15・・を設けており、U字溝本体2にさらに一層の剛性が与えられている。このリブ部15・・はまた、土中に埋設した場合にU字溝壁側部4、4よりも外側に突出するところの部分であり、ここに土砂が堆積しその荷重が負荷されるためU字溝本体2が浮上するのを防ぐ。
なお、U字溝本体2の一端部は、図2および図3に示すように、内壁の大きさが他の部分よりもやや大きく設計された外嵌接続部2aとなっており、他端部を内嵌接続部2bとして他のU字溝本体2が接続できるように設計されている。2つのU字溝本体2を接続する場合、外嵌接続部2aがリブ部15を含めて内嵌接続部2bを被うように嵌合される。また、接続方法は、接続部の水を漏れを最小にするため、水の流れ方向がU字溝の内嵌接続部2bから他のU字溝の外嵌接続部2aに向かう方向となるように接続することが好ましい。
【0013】
本発明のU字溝1はさらに、剛性を高めるため、U字溝本体2と同じ材質である、図18に示すような断面略L字形の角アングル材である補強材20をU字溝本体2の両壁側部上端である架け渡し材受け部8、8に長手方向に装着して使用することもできる。本実施例では、該補強材20をリベット9で架け渡し材である角アングル材7Aと同時に固定できるように、該補強材20の一方の面部にリベット9を通すための孔20a・・を設けている。
図21及び図22に示すように、補強材20は、その孔20a・・の無い面が下向きになるように、孔20a・・のある面をU字溝本体2の両壁側部上端の架け渡し材受け部8、8上に長手方向に沿って装着し、その上に角アングル材7Aを重ね、架け渡し材受け部8、8間に架け渡す。角アングル材7Aと補強材20は、それらに設けられた孔7a,7aと孔20a、20aとをU字溝本体2の架け渡し材受け部8、8の孔8a、8aに位置合わせして、リベット9により同時に鋲着され固定される。
【0014】
本実施例におけるU字溝1では、さらにU字溝本体2の壁底部3の下側に浮上防止材として図19に示すようなU字溝と同様の樹脂よりなる浮上防止角アングル材30を取り付けることもできる。U字溝本体2の中央部分の壁底部3には図20に示すように浮上防止材の両アングル面部を挟持する構造の浮上防止材支持溝部31が設けられているので、浮上防止角アングル材30をU字溝本体壁底部の溝部31に一方側から反対側にわたって挿通させ、U字溝の両壁側部4、4よりも外方に突出するように取りつける。U字溝の埋設時には、この浮上防止角アングル材30の部分に堆積する土砂によって浮上防止効果をより高めることができる。
なお、これらの補強材20および浮上防止角アングル材30もU字溝本体2とは異なる硬質合成樹脂または繊維強化樹脂を使用することも可能である。
【0015】
【発明の効果】
以上に説明した形状をもつU字溝本体と架け渡し材からなる本発明のU字溝はその部材の全てが硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるものである。しかしながら、本発明のU字溝本体は、壁底部から左右の壁側部の上部へと延びる凹条部位および凸条部位を交互に該U字溝の長手方向に連続形成することにより、壁底部から壁側部まで波形に成形され、また左右の壁側部がおのおの壁底部から立ちあがった形状であるが、凹条部位は左右の壁側部の上部において、剛性を高めるべく内方に反った形状をとる結果、両側壁部が外方から内方へ絞り込まれたような形状となっているので、U字溝への、特に左右の壁側部の上部付近に加わる種々の方向からの荷重に関してそれに対する剛性が高められている。
従って、U字溝の架け渡し材が樹脂製であっても、両側部にかかる土圧に対する剛性は補強材が金属製であるU字溝に匹敵し、変形し難いU字溝が提供できる。
また、本発明のU字溝は金属製の部材を全く使用しないので、従来技術のように金属製の架け渡し材を使用した場合と比べ腐食による強度の減少や外観の悪化が生じることがなく、また、鋭利な部分が突出しない構造であるので作業者を負傷させたり、作業者の衣服が引掛かり破れるおそれが減少する。さらに、これらの樹脂製の補強用部材も軽量であり、作業者の負担が軽減される。
さらに、本発明のU字溝では、U字溝本体の両壁側部の上端が各々外方に延びて平坦な架け渡し材受け部を形成しているので、架け渡し材を横架けする際には、U字溝本体上部に該架け渡し材を配置するための補助部材を併用する必要がない。架け渡し材はまた架け渡し材受け部に固定具である樹脂製のリベットを用いて直接鋲着でき、ネジ止め等の作業よりも作業が極めて容易である。また、本発明のU字溝の架け渡し材は従来技術のように複雑な形状でないのその製造が容易で、取扱いやすいという利点がある。
本発明のU字溝本体の左右の壁側部にはさらにまた、外方に突出するリブ部を設けることにより、該U字溝本体により一層の剛性を与え、また土中に埋設した場合にU字溝壁側部よりも外側に土砂が堆積しその荷重が負荷されるためU字溝本体の浮上を防止できる。
しかしなお、上記架け渡し材に加えてさらに、U字溝本体の両側壁部上端の架け渡し材受け部にU字溝の長手方向に沿う補強材を、架け渡し材と同時に使用すればよりよい剛性が得られる。
従って、本発明により、軽量であるが剛性が高く、敷設の作業効率と安全性の高いU字溝が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のU字溝の一態様を説明する図である。
【図2】本発明のU字溝の一態様を示す平面図である。
【図3】図2に示すU字溝の側面図である。
【図4】図2のA−A線で切断したU字溝本体の凸条部位の断面図である。
【図5】図2のB−B線で切断したU字溝本体の凹条部位の断面図である。
【図6】本発明のU字溝本体に横架けする架け渡し材である角アングル材の平面図(a)、正面図(b)および側面図(c)である。
【図7】U字溝本体の架け渡し材受け部において角アングル材を使用した状態を上方からみた部分図である。
【図8】図7のC−C線で切断した断面図である。
【図9】角アングル材を固定するためのリベットの平面図(a)および正面図(b)である。
【図10】他の架け渡し材の例としての角アングル材の正面図(a)および側面図(b)である。
【図11】受け凹部に角アングル材が嵌め込まれた状態をU字溝本体の壁側部外側から見た図(a)および同じ状態を壁側部内側からみた、丸枠A部分の拡大図(b)である。
【図12】図10の角アングル材をU字溝本体の受け凹部に嵌込んだ状態を上方からみた部分図である。
【図13】図12のD−D線で切断した断面図である。
【図14】他の架け渡し材の別の例としての管材の正面図(a)および側面図(b)である。
【図15】図14に示す管材を使用するために設計された他の態様のU字溝を説明する図である。
【図16】図14に示す管材をU字溝本体の突部に嵌合した状態を上方からみた部分図である。
【図17】図16のE−E線で切断した断面図である。
【図18】架け渡し材受け部上にU字溝の長手方向に沿って装着される補強材の平面図(a)および正面図(b)である。
【図19】浮上防止材としての角アングル材の平面図(a)および正面図(b)である。
【図20】U字溝本体壁底部において図19の浮上防止角アングル材が挿通された状態を示す図である。
【図21】図18の補強材が装着された、U字溝本体の架け渡し材受け部に図6の角アングル材を架け渡した状態を上方からみた部分図である。
【図22】図21のF−F線で切断した断面図である。
【符号の説明】
1 U字溝
2 U字溝本体
3 壁底部
4 壁側部
5 凹条部位
5a 内方に反った形状
6 凸条部位
7A 角アングル材
7B 角アングル材
7C 管材
8 架け渡し材受け部
9 リベット
10 受け凹部
11a 突部
11b 支持部
15 リブ部
20 補強材
Claims (5)
- 断面U字形状の壁を形成するU字溝本体であって、該本体の壁底部から左右の壁側部の上部へと延びる凹条部位および凸条部位を交互に、U字溝の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されたU字溝本体と、
該本体の左右の壁側部の間に横架される架け渡し材とを備えてなる、U字溝であって、
該本体の左右の壁側部は各々、壁底部より垂直にもしくは外開きに立ち上がるが、その上部において、剛性を高めるべく凹条部位は内方に反り成形され、そして両壁側部の上端は各々、外方に延びて、平坦な面を有する架け渡し材受け部を形成してなり、前記架け渡し材の両端部が該架け渡し材受け部上で固定されていることを特徴とする、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるU字溝。 - 前記架け渡し材は、平板または平坦な上面を有する角アングル材からなることを特徴とする、請求項1記載のU字溝。
- 前記架け渡し材の両端部は、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるリベットを用いて、前記架け渡し材受け部に鋲着されていることを特徴とする、請求項1または2記載のU字溝。
- 前記U字溝本体は、左右の壁側部に、剛性を高めるべく外方に突出するリブ部を設けてなることを特徴とする、請求項1記載のU字溝。
- 前記架け渡し材受け部上にU字溝の長手方向に沿って装着される、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなる補強材をさらに備えてなることを特徴とする、請求項1記載のU字溝。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001096719A JP3567325B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | U字溝 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001096719A JP3567325B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | U字溝 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002294850A JP2002294850A (ja) | 2002-10-09 |
JP3567325B2 true JP3567325B2 (ja) | 2004-09-22 |
Family
ID=18950603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001096719A Expired - Fee Related JP3567325B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | U字溝 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3567325B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9255394B2 (en) | 2009-06-05 | 2016-02-09 | Stormtech Llc | Corrugated stormwater chamber having sub-corrugations |
US8672583B1 (en) | 2009-06-05 | 2014-03-18 | Stormtech Llc | Corrugated stormwater chamber having sub-corrugations |
-
2001
- 2001-03-29 JP JP2001096719A patent/JP3567325B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002294850A (ja) | 2002-10-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101969127B1 (ko) | 파형 금속 플레이트 및 이 파형 금속 플레이트를 통합한 오버헤드 구조물 | |
KR20100117641A (ko) | 타워 요소 | |
KR101630777B1 (ko) | 림 결합식 말뚝 이음장치 | |
EP3282064B1 (en) | A connector set for use in a flashing assembly for roof windows mounted side-by-side | |
JP3567325B2 (ja) | U字溝 | |
JP3605724B2 (ja) | U字溝 | |
JPH0762375B2 (ja) | 縦葺き屋根構造及びその施工法 | |
JP4811631B2 (ja) | U字溝 | |
KR100545490B1 (ko) | 충전재를 이용한 2중 강상자형교 | |
JP3567326B2 (ja) | U字溝 | |
JP3511176B2 (ja) | U字溝 | |
KR101249007B1 (ko) | 와이어 타입 안전 펜스 | |
JP4811630B2 (ja) | U字溝 | |
JP2019148156A (ja) | 排水溝ユニット及びその施工方法 | |
JP3711736B2 (ja) | ガラスブロック組立て用目地材及び該目地材で組立てたガラスブロック構築体 | |
JP2001040782A (ja) | 補強材の接合構造 | |
JP3455913B2 (ja) | U字溝用補強枠 | |
KR200393766Y1 (ko) | 스노우 가드 장치 | |
KR200417103Y1 (ko) | 피에이치시 파일 | |
JP3713598B2 (ja) | U字溝 | |
KR200372703Y1 (ko) | 개량형 하우스 골조구조 | |
KR102370875B1 (ko) | 인도교용 행어브라켓 일체구조를 갖는 보강형 밀폐블럭 | |
KR200375628Y1 (ko) | 개량형 하우스 골조구조 | |
JP7349085B2 (ja) | 側溝ブロック | |
KR102593126B1 (ko) | 격자형 그레이팅의 하중보강 및 안전사고 방지를 위한보강판 설치방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040512 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040602 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |