JP3567190B2 - 廃棄物処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空き缶又は空き瓶等の廃棄物を破砕する廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の廃棄物処理装置においては、廃棄物のリサイクルを効果的に行うために、破砕された砕片を廃棄物の材料毎に分別する必要がある。通常、空き缶又は空き瓶等の廃棄物は、アルミ又は鉄等の金属、ガラス、あるいは、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂といった夫々の材料毎に分別回収され、分別回収された後に夫々の材料毎に設けられた別々の処理装置により破砕されていた。このように処理装置を夫々の材料毎に設けていたのでは、設備費用が高くなるという問題点が生じてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した問題点を解消するためには、1体の処理装置において、廃棄物の材料を判定しておき、材料を判定した後の廃棄物を破砕し、破砕された砕片を材料毎に分別するように構成することが考えられる。廃棄物の材料を判定する方法としては、既存の金属センサを用いる、赤外線を照射して反射光をスペクトル分析する、あるいは、廃棄物に付与されたバーコードを読み取る等の方法が存在するが、いずれのものも高価ものとなってしまう。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、空き缶又は空き瓶等の廃棄物を破砕し、破砕された砕片を材料別に分別する廃棄物処理装置を安価に実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る廃棄物処理装置は、空き缶又は空き瓶等の廃棄物を破砕する廃棄物処理装置であって、廃棄物が挿入される廃棄物挿入口と、廃棄物挿入口から挿入された廃棄物を打撃する打撃手段と、廃棄物が打撃手段により打撃されたときに発生する打撃音の音特性に基づいて、廃棄物の材料を判定する判定手段と、判定手段により材料が判定された廃棄物を破砕する破砕手段と、判定手段により判定された材料別に、破砕手段により破砕されて生じる砕片を分別する分別手段と、分別手段により分別された砕片を、材料別に収容する収容手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
本発明に係る廃棄物処理装置では、廃棄物を打撃する打撃手段と、廃棄物が打撃手段により打撃された際の打撃音の音特性に基づいて廃棄物の材料を判定する判定手段とを備えているので、金属センサを用いる、赤外線を照射して反射光をスペクトル分析する、あるいは、廃棄物に付与されたバーコードを読み取る等の方法のものに比して、安価に廃棄物の材料を判断することができる。また、分別手段が判定手段により判定された材料別に砕片を分別し、収容手段が材料別に砕片を収容するので、廃棄物の砕片を材料別に確実に分別することができる。
【0007】
また、廃棄物挿入口から挿入された廃棄物を、所定の向きから破砕手段に案内する案内手段を更に備えることが好ましい。このような構成とした場合、案内手段により廃棄物を所定の向きから破砕手段に案内することになるので、たとえば先端が先細り形状とされた空き瓶等の廃棄物を、先端側からあるいは底部側からの、一定の方向から破砕手段に導くことができる。
【0008】
また、案内手段は、廃棄物挿入口から挿入された廃棄物を一時的に支承する支承手段と、支承手段により廃棄物の支承を解除する解除手段と、廃棄物挿入口から挿入され、廃棄物の挿入方向に見て先細り状に形成され、支承手段により支承される廃棄物の一端側と嵌合して、廃棄物の挿入する向きを規定する挿入方向規定手段と、挿入方向規定手段により廃棄物の挿入する向きが規定されたことを検知する検知手段と、検知手段が、挿入方向規定手段により廃棄物の挿入する向きが規定されたことを検知したときに、廃棄物の支承を解除するように解除手段の作動を制御する制御手段と、を有することが好ましい。このような構成とした場合、挿入方向規定手段が廃棄物の一端側と嵌合して、廃棄物の挿入する向きを規定し、検知手段が挿入方向規定手段により廃棄物の挿入する向きが規定されたことを検知したときに、制御手段が廃棄物の支承を解除するように解除手段の作動を制御するので、先端が先細り形状とされた所謂PETボトル等の空き瓶を、先端側から破砕手段に確実に導くことができる。この結果、廃棄物の押し込み手段等を新たに設けることなく破砕手段における空き瓶への食い付き性が向上し、空き瓶を確実に破砕することができると共に、装置の小型化、部品点数の削減、低コスト化が可能となる。
【0009】
また、廃棄物挿入口を開閉する扉部材を更に備え、検知手段は、扉部材が閉じた状態を検知しており、制御手段は、廃棄物挿入口から挿入され、扉部材が閉じた状態のときに、廃棄物の支承を解除するように解除手段の作動を制御することが好ましい。このような構成とした場合、挿入方向規定手段により廃棄物の挿入方向が規定されたことを検知するための手段として、廃棄物挿入口を開閉する扉部材を兼用することになり、部品点数の削減が可能となる。
【0010】
また、支承手段は、廃棄物挿入口から挿入された廃棄物が載置されると共に、揺動自在に支持された板部材を有しており、板部材の揺動支点が廃棄物挿入口側に設けられていることが好ましい。このような構成とした場合、解除手段により支承が解除されると、板部材が廃棄物挿入口側に設けられた揺動支点を中心に揺動し、空き瓶がその先端側から破砕手段に導かれることになり、廃棄物を破砕手段に確実に送出し得る構成が簡易且つ低コストで実現可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明に係る廃棄物処理装置の側面図、図2は同じく正面図、図3は廃棄物が廃棄物挿入口から正常な方向に挿入された状態を示し、同図(a)は逆挿入規制部材近傍の平断面図、同図(b)は逆挿入規制部材近傍の側断面図である。図4は廃棄物が廃棄物挿入口から逆方向に挿入された状態を示し、同図(a)は逆挿入規制部材近傍の平面図、同図(b)は逆挿入規制部材近傍の側面図である。図5はフラッパの揺動動作を説明するための側面図で、同図(a)は水平状態に支持した状態を示し、同図(b)は支持を解除した状態を示す。図6は同じくフラッパを支持する状態を説明するための正面図、図7は同じく破砕部の平面図である。
【0013】
廃棄物処理装置1は、図1に示されるように、略密閉状態の直方体状の筐体2が備えられ、この筐体2の前面板3の上部には、矩形状の廃棄物挿入口4が設けられている。前面板3には、図3(b)に示されるように、廃棄物挿入口4を開閉する扉部材5が設けられている。扉部材5は、ヒンジ部材6を介して前面板3の裏面側に設けた軸7を揺動中心として揺動可能に支持され、廃棄物挿入口4を外側から開閉するように構成されており、扉部材5の下部には把手8が設けられている。扉部材5の近傍にはマイクロスイッチ9が設けられている。このマイクロスイッチ9は、扉部材5の開閉状態を検知するためのものであり、扉部材5が廃棄物挿入口4を閉じると、ヒンジ部材6によりマイクロスイッチ9の接点が押圧されてON信号を出力し、扉部材5が廃棄物挿入口4を開くと、マイクロスイッチ9の接点が復帰してOFF信号が出力されるように構成されている。ここで、マイクロスイッチ9は各請求項における検知手段を構成している。
【0014】
本実施形態においては、廃棄物挿入口4から挿入される廃棄物として、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる瓶、いわゆるPETボトル10を図示している。このPETボトル10は、略各筒状に形成され、幅の大きい底部10a及び胴部10bと、先端部の径の小さい飲み口10cと、この飲み口10cと胴部10bとを連結する先細部10dとによって構成されている。廃棄物挿入口4に対応して、前面板3の内側には、逆挿入規制部材11が取り付けられており、この逆挿入規制部材11は、平面視においてPETボトル10の外形よりやや大きく形成されている。すなわち、逆挿入規制部材11は、PETボトル10の胴部10bに対応した幅広部11aと、PETボトル10の先細部10dに対応した先細部11bと、飲み口10cに対応した幅狭部11cとによって構成され、下方が開口している。ここで、逆挿入規制部材11は各請求項における挿入方向規定手段を構成している。
【0015】
この逆挿入規制部材11は、先細部11bと幅狭部11cとが、廃棄物挿入口4から離間した位置に配設されるように、筐体2の内側に向って指向して前面板3の内側に取り付けられている。したがって、図3(a)に示されるように、PETボトル10が飲み口10c側から廃棄物挿入口4に挿入された場合には、PETボトル10の先細部10dと飲み口10cとが、逆挿入規制部材11の先細部11bと幅狭部11cとに嵌入され、PETボトル10の底部10aが廃棄物挿入口4から突出しないように構成されている。一方、図4(a)に示されるように、廃棄物挿入口4から、PETボトル10の底部10a挿入された場合には、底部10aが逆挿入規制部材11の先細部11bによって係止されるので、PETボトル10の飲み口10cが廃棄物挿入口4から突出した状態となる。すなわち、逆挿入規制部材11の先細部11bと幅狭部11cとが、PETボトル10の挿入方向を識別する手段として機能することになる。
【0016】
逆挿入規制部材11の下方には、図1に示されるように、上下が開口した筒状のホッパー13が設けられ、このホッパー13の前面板の下部は、後面板13b側に傾斜したガイド部13aを形成している。すなわち、このガイド部13aと後面板13bとの間隔は、下方に向って漸次狭くなるように形成され、後述する対をなす回転刃39,40の互いに対向する部位F点に向って指向するように設けられている。このホッパー13の上方の開口には、逆挿入規制部材11内に挿入されたPETボトル10を一時的に支承する板部材としてのフラッパ14が設けられている。ここで、フラッパ14は各請求項における支承手段を構成している。
【0017】
すなわち、図5(a)及び図5(b)にも示されるように、フラッパ14は平板状に形成され、ホッパー13の上端部の廃棄物挿入口4側に横架された軸15を揺動中心として揺動可能に支持されている。ホッパー13にはフラッパ駆動ソレノイド16が固定されており、ロッド17がリンク部材18を介してフラッパ14の一端に横架された軸19に枢着されている。したがって、フラッパ駆動ソレノイド16を作動させロッド17を後退させると、図5(a)に示されるように、フラッパ14は軸15を揺動中心として図中反時計方向に揺動し、水平状態に保持され、逆挿入規制部材11の開口の下方に位置することになる。また、フラッパ駆動ソレノイド16を非作動状態にすると、図5(a)に示されるように、フラッパ14は自重により軸15を揺動中心として図中時計方向に揺動し、ロッド17の前進端限において停止し、斜め下方に垂下した状態となる。フラッパ14は、図1に示されるように、垂下した状態にあるフラッパ14の下端と、対をなす回転刃39,40の対向する部位F点までの鉛直方向の間隔LがPETボトル10の全長よりやや大きくなるように形成されている。
【0018】
フラッパ14の側方のホッパー13の上部の外側には、フラッパ14の水平状態を一時的に保持するためのフラッパ支持ソレノイド20が、ブラケット21を介して設けられている。このフラッパ支持ソレノイド20のロッド22には、図6に示されるように、ピン23が連結され、このピン23はブラケット21上に固定されたガイド部材24によって水平方向、すなわち図中矢印C−D方向に移動可能となるようにガイドされている。ホッパー13には嵌挿孔13cが設けられ、ロッド22が前進することにより、ピン23は嵌挿孔13cからホッパー13内に進出し、図5(a)に示されるように、フラッパ14の下端を支承し、フラッパ14の水平状態を保持している。ここで、フラッパ支持ソレノイド20、ロッド22及びピン23は、各請求項における解除手段を構成している。
【0019】
逆挿入規制部材11の側方には、図2に示されるように、廃棄物挿入口4から挿入された廃棄物(PETボトル10等)を打撃する打撃手段としての打撃機構部30が設けられている。打撃機構部30は、廃棄物を打撃する打撃部材31と、打撃部材31を駆動するための打撃部材駆動ソレノイド32とを有している。打撃部材31は、ホッパーの上部に固定されたブラケット33に対して揺動可能に支持されており、その一端部が逆挿入規制部材11の幅広部11aの一部を切り欠かいて形成された切欠部11dから逆挿入規制部材11内に進出するように構成されている。打撃部材駆動ソレノイド32は、フラッパ14の側方のホッパー13の上部の外側に固定されたブラケット34に取り付けられている。
【0020】
打撃部材駆動ソレノイド32のロッド35には、図2に示されるように、打撃部材31の他端部が連結されており、この打撃部材31の他端部は打撃部材駆動ソレノイド32の作動あるいは非作動より、水平方向、すなわち図中矢印A−B方向に移動することになる。打撃部材駆動ソレノイド32を作動させロッド35を後退させると、図2において一点鎖線で示されるように、打撃部材31は図中反時計方向に揺動し、打撃部材31の一端部が切欠部11dを通って逆挿入規制部材11内に進出して廃棄物を打撃する。また、打撃部材駆動ソレノイド32を非作動状態にすると、図2において実線で示されるように、打撃部材31は図中時計方向に揺動し、ロッド35の前進端限において停止し、打撃部材31の一端部が逆挿入規制部材11(切欠部11d)から退出した状態となる。
【0021】
逆挿入規制部材11の幅広部11aの上方の面には、廃棄物が打撃部材31により打撃されたときに発生する打撃音を集音する集音手段としてのマイク36が設けられている。また、逆挿入規制部材11の幅広部11aの側方の面には、廃棄物が廃棄物挿入口4から挿入されたことを検知するための近接センサ37が設けられている。近接センサ37は、廃棄物の所定高さの部分が近接したことを検知するように構成されており、既知の光電式近接センサ、あるいは、静電容量式近接センサ等を用いることができる。この近接センサ37は、廃棄物の所定高さの部分が近接するとON信号を出力し、廃棄物が近接していない場合にはOFF信号を出力する。
【0022】
ホッパー13の下部開口の下方には、図1に示されるように、互いに外周面が対向する対をなす回転刃39,40が、ブラケット38に回転可能に支持されている。これら回転刃39,40は、図7に示されるように、夫々が軸41,42にスペーサ43,44を介して軸線方向に等間隔に複数枚軸着されている。また、これら回転刃39,40は千鳥状になるように夫々がスペーサ43,44に対向している。夫々の軸41,42には、互いに噛合するギア45,46が軸着され、一方の軸41にはスプロケット47が軸着され、このスプロケット47と回転刃駆動モータ48のスプロケット49とにはチェーン50が張架されている。したがって、回転刃駆動モータ48を回転させると、チェーン50を介してスプロケット47が回転するので、ギア45,46が回転して、回転刃39,40は図1中矢印方向に回転する。ここで、回転刃39,40は各請求項における破砕手段を構成している。
【0023】
回転刃39,40の下方には、図1及び図2に示されるように、廃棄物が回転刃39,40により破砕されて生じる砕片を分別する分別手段としての分別部材51が設けられている。分別部材51には軸52が固定されており、分別部材51はこの軸52を揺動中心として揺動するように構成されている。軸52には、分別部材駆動モータ53が連結されており、分別部材駆動モータ53が作動することにより、分別部材51が揺動することになる。
【0024】
分別部材51の下方には、図2に示されるように、金属からなる破片を収容するための金属破片用収容部54と、PETからなる破片を収容するためのPET破片用収容部55とが並設されている。分別部材駆動モータ53により分別部材51が図2中反時計回りに揺動した場合、分別部材51は、図中実線にて示したように、回転刃39,40により破砕されて生じる砕片を金属破片用収容部54に導く状態となる。分別部材駆動モータ53により分別部材51が図2中時計回りに揺動した場合、分別部材51は、図中二点鎖線にて示したように、回転刃39,40により破砕されて生じる砕片をPET破片用収容部55に導く状態となる。ここで、金属破片用収容部54及びPET破片用収容部55は、各請求項における収容手段を構成している。
【0025】
廃棄物処理装置1には、図1及び図2に示されるように、筐体2内に、フラッパ駆動ソレノイド16、フラッパ支持ソレノイド20、打撃部材駆動ソレノイド32、回転刃駆動モータ48及び分別部材駆動モータ53の作動を制御し、後述する材料判定処理動作、分別処理動作及び廃棄物破砕処理動作を行うための制御ユニット部60が設けられている。図8は、制御ユニット部60の構成を示すブロック図であり、制御ユニット部60はROM及びRAMを含む制御用CPU(図示せず)等を有している。制御用CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを読み出して制御を行うことにより、図8に示されるように、材料判定部61、打撃制御部62、周波数解析部63、分別制御部64及び破砕制御部65を含むように構成されることになる。ここで、制御ユニット部60は、各請求項における判定手段及び制御手段を構成しており、特に、材料判定部61が各請求項における判定手段を、また、破砕制御部65が各請求項における制御手段を構成している。
【0026】
マイクロスイッチ9の出力は、図8に示されるように、制御ユニット部60の破砕制御部65に接続されることになり、マイクロスイッチ9からの検知信号がその破砕制御部65に送られるようになっている。同様に、近接センサ37の出力は、図8に示されるように、制御ユニット部60の破砕制御部65に接続されることになり、近接センサ37からの検知信号がその破砕制御部65に送られるようになっている。マイク36の出力は、図8に示されるように、増幅器(図示せず)、フィルター(図示せず)及びA/D変換部66を介して制御ユニット部60の周波数解析部63に接続されることになり、マイク36にて集音された音声信号はA/D変換部66にてA/D変換された後に、その周波数解析部63に送られるようになっている。周波数解析部63では、音特性として、たとえばA/D変換部66の出力をFFT(Fast Fourier Transform)分析し、得られたスペクトルに基づいて固有周波数を特定する。周波数解析部63にて特定された固有周波数に関する情報は、材料判定部61に送られる。FFT分析を用いる代わりに、DFT(Discrete Fourier Transform)分析を用いるよいに構成してもよい。
【0027】
フラッパ駆動ソレノイド16、フラッパ支持ソレノイド20及び回転刃駆動モータ48は、図8に示されるように、制御ユニット部60の破砕制御部65に接続されることになり、フラッパ駆動ソレノイド16、フラッパ支持ソレノイド20及び回転刃駆動モータ48の夫々は、破砕制御部65から出力される個々の制御信号に基づいて、その作動が制御されることになる。打撃部材駆動ソレノイド32は、図8に示されるように、制御ユニット部60の打撃制御部62に接続されることになり、打撃制御部62から出力される制御信号に基づいて、その作動が制御されることになる。また、分別部材駆動モータ53は、図8に示されるように、制御ユニット部60の分別制御部64に接続されることになり、分別制御部64から出力される制御信号に基づいて、その作動が制御されることになる。
【0028】
材料判定部61は、図8に示されるように、打撃制御部62、周波数解析部63、分別制御部64及び破砕制御部65に接続されることになる。この材料判定部61においては、図9に示されるように、材料判定処理動作が行われる。材料判定部61は、所定サイクルごとに周波数解析部63及び破砕制御部65からの出力を読み込んでいる。まず、S101において、破砕制御部65から後述する廃棄物挿入完了信号が入力されたか否かを判断する。破砕制御部65から材料判定部61に廃棄物挿入完了信号が入力された場合には(S101で「Yes」)、S103に進む。破砕制御部65から廃棄物挿入完了信号が入力されていない場合には(S101で「No」)、リターンされて、廃棄物挿入完了信号が入力されるなるまで待機状態となる。
【0029】
S103では、材料判定部61から打撃制御部62に打撃開始制御信号を出力する。打撃制御部62は、この打撃開始制御信号が入力されることにより、打撃部材31が廃棄物を打撃するように打撃部材駆動ソレノイド32に対して制御信号を出力することになる。S103にて打撃開始制御信号が出力されると、S105に進み、周波数解析部63から解析結果を表す信号が入力されたか否かを判断する。周波数解析部63から材料判定部61に解析結果を表す信号が入力された場合には(S105で「Yes」)、S107に進む。周波数解析部63から解析結果を表す信号が入力されていない場合には(S105で「No」)、リターンされて、解析結果を表す信号が入力されるなるまで待機状態となる。S107では、周波数解析部63から入力された解析結果を表す信号、すなわち固有周波数に基づいて、打撃された廃棄物の材料を特定する。材料判定部61は、固有周波数の違いに基づいて、廃棄物が金属であるか、PETであるか、あるいは、ガラスであるかを判定する。S107にて廃棄物の材料が判定されると、S109に進み、判定結果(材料)を表す信号を出力する。
【0030】
分別制御部64は、図8に示されるように、材料判定部61に接続されることになる。この分別制御部64においては、図10に示されるように、分別処理動作が行われる。分別制御部64は、所定サイクルごとに材料判定部61からの出力を読み込んでいる。まず、S201において、材料判定部61から判定結果(材料)を表す信号が入力されたか否かを判断する。材料判定部61から分別制御部64に判定結果を表す信号が入力された場合には(S201で「Yes」)、S203に進む。材料判定部61から判定結果を表す信号が入力されていない場合には(S201で「No」)、リターンされて、判定結果を表す信号が入力されるなるまで待機状態となる。
【0031】
S203では、入力された判定結果を表す信号に基づいて、廃棄物の材料が金属であるか否かを判断する。材料が金属である場合には(S203で「Yes」)、S205に進み、回転刃により破砕されて生じる破片が金属破片用収容部54に収容されるように破片を金属破片用収容部54に案内すべく、分別部材駆動モータ53に制御信号を出力する。これにより、分別部材駆動モータ53は図2中反時計回りに揺動し、分別部材51が図中実線にて示した状態となる。材料が金属でない場合には(S203で「No」)、S207に進み、廃棄物の材料がPETであるか否かを判断する。材料がPETである場合には(S207で「Yes」)、S209に進み、回転刃39,40により破砕されて生じる破片がPET破片用収容部55に収容されるように破片をPET破片用収容部55に案内すべく、分別部材駆動モータ53に制御信号を出力する。これにより、分別部材駆動モータ53は図2中時計回りに揺動し、分別部材51が図中二点鎖線にて示した状態となる。材料がPETでない場合には(S207で「No」)、たとえば材料がガラスである場合には、分別部材駆動モータ53に制御信号を出力することはない。
【0032】
破砕制御部65は、図8に示されるように、材料判定部61に接続されることになる。この破砕制御部65においては、図10に示されるように、廃棄物破砕処理動作が行われる。破砕制御部65は、所定サイクルごとにマイクロスイッチ9、近接センサ37及び材料判定部61からの出力を読み込んでいる。まず、S301において、読み込んだマイクロスイッチ9からの検出出力に基づいて、扉部材5が閉状態にあるか否かを判断する。マイクロスイッチ9からの検出出力が「ON」で、扉部材5が閉状態である場合には(S301で「Yes」)、S303に進む。マイクロスイッチ9からの検出出力が「OFF」で、扉部材5が開状態である場合には(S301で「No」)、リターンされて、扉部材5が閉じられ、マイクロスイッチ9からの検出出力が「ON」となるまで待機状態となる。
【0033】
S303では、読み込んだ近接センサ37からの検出出力に基づいて、廃棄物が挿入されたか否かを判断する。近接センサ37からの検出出力が「ON」で、廃棄物が挿入された状態である場合には(S303で「Yes」)、S305に進む。近接センサ37からの検出出力が「OFF」で、廃棄物が挿入されていない状態である場合には(S303で「No」)、リターンされて、廃棄物が挿入された状態となるまで、すなわち近接センサ37からの検出出力が「ON」となるまで待機状態となる。S305では、扉部材5が閉状態で且つ廃棄物が挿入された状態であるとして、廃棄物挿入完了信号を出力し、S307に進み、材料判定部61から判定結果(材料)を表す信号が入力されたか否かを判断する。材料判定部61から分別制御部64に判定結果を表す信号が入力された場合には(S307で「Yes」)、S309に進む。材料判定部61から判定結果を表す信号が入力されていない場合には(S307で「No」)、リターンされて、判定結果を表す信号が入力されるなるまで待機状態となる。
【0034】
S309では、入力された判定結果を表す信号に基づいて、廃棄物の材料が金属あるいはPETであるか否かを判断する。材料が金属あるいはPETである場合には(S309で「Yes」)、S311に進み、回転刃39,40を回転するように回転刃駆動モータ48に制御信号を出力する。続くS313では、フラッパ14の支承を解除するようにフラッパ支持ソレノイド20に制御信号を出力する。これにより、フラッパ支持ソレノイド20がロッド22を後退させ、ピン23がホッパー13内から退出し、ピン23によるフラッパ14の下端の支承が解除されて、フラッパ14が軸15を揺動中心として図1中時計方向に揺動し、フラッパ14に載置されている廃棄物が回転刃39,40に向けて送出されることになる。
【0035】
S313で、フラッパ支持ソレノイド20に制御信号を出力した後、S315に進み、垂下したフラッパ14の下端から廃棄物の底部が離間すると、これを図示を省略した検知手段によって検知し、フラッパ14を水平状態とするようにフラッパ駆動ソレノイド16に制御信号を出力する。これにより、フラッパ駆動ソレノイド16がロッド17を後退させ、フラッパ14が軸15を揺動中心として図5(a)中反時計方向に揺動し、水平状態とされ、逆挿入規制部材11の開口の下方に位置することになる。
【0036】
その後S317に進み、水平状態とされたフラッパ14を支承するようにフラッパ支持ソレノイド20に制御信号を出力する。これにより、フラッパ支持ソレノイド20がロッド22を前進させ、ピン23が嵌挿孔13cからホッパー13内に進出し、ピン23によりフラッパ14の下端が支承され、フラッパ14が水平状態に保持されることなる。材料が金属あるいはPETでない場合には(S309で「No」)、たとえば材料がガラスである場合には、回転刃駆動モータ48、フラッパ支持ソレノイド20及びフラッパ駆動ソレノイド16に制御信号を出力することはない。なお、回転刃駆動モータ48の回転は、タイマーを用いることにより、回転開始から所定時間経過した後に、停止するように構成されている。また、送出された廃棄物の裁断が終了(回転刃駆動モータ48の回転が停止)するまでは、次の廃棄物が逆挿入規制部材11内に正常の方向に挿入されたとしても、ピン23がホッパー13内から退出することがないようにフラッパ支持ソレノイド20を制御するように構成してもよい。
【0037】
次に、このような構成の廃棄物処理装置1の破砕動作を説明する。図6に示されるように、あらかじめ、フラッパ支持ソレノイド20のロッド22が前進し、ピン23によってフラッパ14が図5(a)に示されるように、水平状態に保持され、フラッパ駆動ソレノイド16は非作動状態になっている。この状態において、図1に示されるように、扉部材5の把手8を把持して扉部材5を開き、開放された廃棄物挿入口4に廃棄物として、たとえばPETボトル10を正常な方向、すなわち飲み口10c側から逆挿入規制部材11内に挿入すると、図3(a)に示されるように、PETボトル10が逆挿入規制部材11に嵌合する。したがって、PETボトル10の底部10aが廃棄物挿入口4から突出することがなく、図3(b)に示されるように、扉部材5が廃棄物挿入口4を閉じるので、ヒンジ部材6によってマイクロスイッチ9の接点が押圧され、ON信号が出力される。また、近接センサ37からは、PETボトル10の胴部10bの所定高さの部分が近接することにより、ON信号が出力される。マイクロスイッチ9及び近接センサ37からのON信号の出力を受けて、制御ユニット部60が打撃部材駆動ソレノイド32を作動させることにより、打撃部材31がPETボトル10の胴部10bを打撃する。
【0038】
PETボトル10の胴部10bが打撃部材31により打撃されたときに発生する打撃音がマイク36により集音されて、制御ユニット部60に送られる。制御ユニット部60の打撃音における固有周波数を解析し、解析された固有周波数に基づいて、PETボトル10の材料(PET)を判定する。PETボトル10の材料がPETであると判定されると、制御ユニット部60は分別部材駆動モータ53を制御して、分別部材51を図2中二点鎖線の状態とする。また、制御ユニット部60は、回転刃駆動モータ48を制御して回転刃39,40を回転させると共に、フラッパ支持ソレノイド20を制御して、ロッド22を後退させることにより、ピン23は図6中矢印C方向を移動し、フラッパ14の支承が解除され、フラッパ14の自重によって、図1において二点鎖線で示されるように、斜め下方に垂下する。したがって、逆挿入規制部材11の下方が開放され、PETボトル10は逆挿入規制部材11内からフラッパ14上を滑落し、ホッパー13内を下方に落下することで、回転している回転刃39,40に送出される。
【0039】
PETボトル10が回転刃39,40に送出されるとき、PETボトル10の飲み口10cと反対側、すなわち廃棄物挿入口4側の軸15を揺動中心としてフラッパ14が下方に揺動するので、PETボトル10は、確実に飲み口10c側を下方に指向させて落下し、このため飲み口10cが確実に回転刃39,40に喰い付き、PETボトル10が回転刃39,40により破砕される。回転刃39,40により破砕されて生じるPETボトル10の破片は、分別部材51によりPET破片用収容部55に案内されて、このPET破片用収容部55に収容される。
【0040】
次に、図4(a)に示されるように、廃棄物挿入口4にPETボトル10が逆方向に挿入された場合、すなわち、PETボトル10の底部10aから廃棄物挿入口4に挿入されると、底部10aが逆挿入規制部材11の先細部11bに係止されるので、飲み口10cが廃棄物挿入口4から突出する。したがって、図4(b)に示されるように、扉部材5がこの飲み口10cによって廃棄物挿入口4を閉じることができないので、ヒンジ部材6によってマイクロスイッチ9の接点が押圧されることはなく、マイクロスイッチ9からはOFF信号が出力される。このため、図6において、フラッパ支持ソレノイド20が作動することがなく、ピン23によってフラッパ14は支承された状態が保持されるので、逆挿入規制部材11内のPETボトル10が回転刃39,40に落下することはない。
【0041】
廃棄物挿入口4に廃棄物として、たとえば金属製の空き缶が挿入された場合には、PETボトル10の場合と同様に、マイクロスイッチ9及び近接センサ37からのON信号の出力を受けて、制御ユニット部60が打撃部材駆動ソレノイド32を作動させることにより、打撃部材31が空き缶の胴部を打撃する。空き缶の胴部が打撃部材31により打撃されたときに発生する打撃音がマイク36により集音されて、制御ユニット部60に送られる。制御ユニット部60では、打撃音における固有周波数を解析し、解析された固有周波数に基づいて、空き缶の材料(金属)を判定する。空き缶の材料が金属であると判定されると、制御ユニット部60は分別部材駆動モータ53を制御して、分別部材51を図2中実線の状態とする。また、制御ユニット部60は、回転刃駆動モータ48を制御して回転刃39,40を回転させると共に、フラッパ支持ソレノイド20を制御して、空き缶を回転している回転刃39,40に送出し、回転刃39,40により破砕する。回転刃39,40により破砕されて生じる空き缶の破片は、分別部材51により金属破片用収容部54に案内されて、この金属破片用収容部54に収容される。
【0042】
また、廃棄物挿入口4に廃棄物として、たとえばガラス製の空き瓶が挿入された場合には、PETボトル10あるいは空き缶の場合と同様に、マイクロスイッチ9及び近接センサ37からのON信号の出力を受けて、制御ユニット部60が打撃部材駆動ソレノイド32を作動させることにより、打撃部材31が空き瓶の胴部を打撃する。空き瓶の胴部が打撃部材31により打撃されたときに発生する打撃音がマイク36により集音されて、制御ユニット部60に送られる。制御ユニット部60では、打撃音における固有周波数を解析し、解析された固有周波数に基づいて、空き瓶の材料(ガラス)を判定する。空き瓶の材料がガラスであると判定されると、制御ユニット部60は、回転刃駆動モータ48及びフラッパ支持ソレノイド20を作動させることなく、この空き瓶が回転刃39,40に送出されることはない。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、制御ユニット部60が打撃部材駆動ソレノイド32を作動させることにより、打撃部材31が廃棄物を打撃し、この打撃部材31により打撃されたときに廃棄物から発生する打撃音がマイク36により集音されて、制御ユニット部60に送られ、制御ユニット部60にて打撃音における固有周波数を解析し、解析された固有周波数に基づいて、廃棄物の材料を判定するので、金属センサを用いる、赤外線を照射して反射光をスペクトル分析する、あるいは、廃棄物に付与されたバーコードを読み取る等の方法のものに比して、安価に廃棄物の材料を判断することができる。
【0044】
また、廃棄物の材料が判定され、廃棄物の材料がPETの場合には、制御ユニット部60は分別部材駆動モータ53を制御して、回転刃39,40により破砕されて生じる破片をPET破片用収容部55に案内するように分別部材51を揺動させて、破片をPET破片用収容部55に収容する。また、廃棄物の材料が金属の場合には、制御ユニット部60は分別部材駆動モータ53を制御して、回転刃39,40により破砕されて生じる破片を金属破片用収容部54に案内するように分別部材51を揺動させて、破片を金属破片用収容部54に収容する。これにより、分別部材51が判定された材料別に砕片を分別し、材料別に砕片を金属破片用収容部54あるいはPET破片用収容部55収容するので、廃棄物の砕片を材料別に確実に分別することができる。
【0045】
また、廃棄物としてPETボトル10を正常な方向、すなわち飲み口10c側から逆挿入規制部材11内に挿入すると、PETボトル10が逆挿入規制部材11に嵌合するため、PETボトル10の底部10aが廃棄物挿入口4から突出することがなく、扉部材5により廃棄物挿入口4を閉じ得る。一方、PETボトル10を底部10a側から逆挿入規制部材11内に挿入すると、底部10aが逆挿入規制部材11の先細部11bによって係止されるので、PETボトル10の飲み口10cが廃棄物挿入口4から突出した状態となり、扉部材5により廃棄物挿入口4を閉じ得ない。したがって、PETボトル10を底部10a側から逆挿入規制部材11内に挿入した場合には、扉部材5が閉じられることがないため、マイクロスイッチ9からON信号が出力されることはなく、制御ユニット部60が打撃部材駆動ソレノイド32、分別部材駆動モータ53、フラッパ駆動ソレノイド16、フラッパ支持ソレノイド20及び回転刃駆動モータ48等を作動させることはない。一方、PETボトル10を飲み口10c側から逆挿入規制部材11内に挿入した場合には扉部材5が閉じられ得るため、扉部材5が閉じられたときにマイクロスイッチ9からON信号が出力されることになり、マイクロスイッチ9及び近接センサ37からのON信号の出力により、制御ユニット部60が打撃部材駆動ソレノイド32、分別部材駆動モータ53、フラッパ駆動ソレノイド16、フラッパ支持ソレノイド20及び回転刃駆動モータ48等を作動させることになる。また、PETボトル10が回転刃39,40に送出されるとき、PETボトル10の飲み口10cと反対側、すなわち廃棄物挿入口4側の軸15を揺動中心としてフラッパ14が下方に揺動するので、PETボトル10は、確実に飲み口10c側を下方に指向させて落下することになる。この結果、先端が先細り形状とされたPETボトル10を、飲み口10c側から回転刃39,40に確実に案内することができ、押し込み手段等を新たに設けることなく回転刃39,40におけるPETボトル10の飲み口10cへの食い付き性が向上し、PETボトル10を確実に破砕することができると共に、装置の小型化、部品点数の削減、低コスト化が可能となる。
【0046】
また、廃棄物がガラスからなる場合には、制御ユニット部60が打撃部材駆動ソレノイド32、分別部材駆動モータ53、フラッパ駆動ソレノイド16、フラッパ支持ソレノイド20及び回転刃駆動モータ48等を作動させることはなく、ガラス製の廃棄物の破砕を禁止することができる。また、廃棄物として飲み物が入っている瓶あるいは缶が挿入された場合には、打撃音における固有周波数も変化するため、飲み物が入っている瓶あるいは缶を誤って破砕することはない。
【0047】
また、PETボトル10が飲み口10c側から逆挿入規制部材11内に挿入されたことを、扉部材5を閉じたときにヒンジ部材6がマイクロスイッチ9の接点を押圧することにより検知しており、逆挿入規制部材11内によりPETボトル10が正常の方向に挿入され、逆挿入規制部材11によりPETボトル10の挿入方向が規定されたことを検知するための手段として、廃棄物挿入口4を開閉する扉部材5を兼用することになり、部品点数の削減が可能となる。
【0048】
また、フラッパ14が、PETボトル10の飲み口10cと反対側、すなわち廃棄物挿入口4側の軸15を揺動中心として下方に揺動することにより、PETボトル10は飲み口10c側を下方に指向させて落下することになり、PETボトル10を回転刃39,40に確実に送出し得る構成が簡易且つ低コストで実現可能となる。
【0049】
また、回転刃39,40の対向した部位F点と、垂下したフラッパ14の下端との間隔LがPETボトル10の全長よりもやや長く設定されているので、飲み口10cがF点に落下したPETボトル10は、底部10aがフラッパ14から離間するので、ホッパー13のガイド部13aに倒れ込む。したがって、ガイド部13aによってPETボトル10が回転刃39,40の対向した部位F点に導かれるので、PETボトル10は飲み口10cから確実に回転刃39,40に食い付くので、食い付き性がより一層向上することができる。
【0050】
なお、本実施形態においては、制御ユニット部60(周波数解析部63、材料判定部61)にて打撃音の固有周波数を解析し、この固有周波数に基づいて廃棄物の材料を特定するようにしているが、固有周波数の代わりに、打撃音の減衰波形形状あるいは残響時間等の音響特性を解析し、この音響特性に基づいて材料を判定するように制御ユニット部60を構成してもよい。
【0051】
また、本実施形態においては、廃棄物がガラスからなるものの場合には、回転刃39,40による破砕を禁止していたが、ガラス破片用収容部を更に設け、ガラス製の廃棄物を破砕し、破砕されて生じる破片を分別手段よりガラス破片用収容部に案内するように構成してもよい。
【0052】
また、本実施形態においては、PETボトル10が逆挿入規制部材11内に正常な方向に挿入されたことを検知するのに、扉部材5が閉じられたことを検知するマイクロスイッチ9によって行うようにしたが、逆挿入規制部材11の先細部11bに光センサ又はリミットスイッチ等の検知スイッチを設けてもよい。また、PETボトル10が逆挿入規制部材11内に正常な方向に挿入されると、扉部材5が閉じ、これをマイクロスイッチ9によって検出することにより、制御ユニット部60がフラッパ14を揺動させるようにフラッパ支持ソレノイド20を制御していたが、これに限定されない。すなわち、扉部材5やマイクロスイッチ9を設けずに、フラッパ14を手動で揺動させる操作部材を設け、作業者がPETボトル10の底部10aが廃棄物挿入口4から突出していない正常な状態を確認したら、作業者自身が操作部材を操作して、フラッパ14を揺動させるように構成してもよい。
【0053】
また、本実施形態においては、PETボトル10の飲み口10cを下方に指向するように落下させるのに、廃棄物挿入口4側に設けた軸15を揺動中心として揺動可能なフラッパ14によって行ったが、これに限定されることはない。たとえば、PETボトル10をPETボトル10の下方を横切る進退可能な2本の軸によって支承し、廃棄物挿入口4から離間した側の軸を他方の軸よりも低く位置づけることによってもよい。また、逆挿入規制部材11を幅広部11a、先細部11b及び幅狭部11cによって形成したが、PETボトル10の飲み口10cを識別する先細部11b及び幅狭部11cが設けられていればよく、幅広部11aはフラッパ14側に設けるように構成してもよい。また、逆挿入規制部材11も、必ずしも設ける必要はない。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、空き缶又は空き瓶等の廃棄物を破砕し、破砕された砕片を材料別に分別する廃棄物処理装置を安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による廃棄物処理装置の実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明による廃棄物処理装置の実施形態を示す正面図である。
【図3】本発明による廃棄物処理装置の実施形態において、廃棄物が廃棄物挿入口から正常な方向に挿入された状態を示し、同図(a)は逆挿入規制部材近傍の平断面図、同図(b)は逆挿入規制部材近傍の側断面図である。
【図4】本発明による廃棄物処理装置の実施形態において、廃棄物が廃棄物挿入口から逆方向に挿入された状態を示し、同図(a)は逆挿入規制部材近傍の平面図、同図(b)は逆挿入規制部材近傍の側面図である。
【図5】本発明による廃棄物処理装置の実施形態において、フラッパの揺動動作を説明するための側面図で、同図(a)は水平状態に支持した状態を示し、同図(b)は支持を解除した状態を示す。
【図6】本発明による廃棄物処理装置の実施形態において、フラッパを支持する状態を説明するための正面図である。
【図7】本発明による廃棄物処理装置の実施形態に含まれる、破砕部の平面図である。
【図8】本発明による廃棄物処理装置の実施形態に含まれる、主制御部の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明による廃棄物処理装置の実施形態に含まれる、主制御部にて実行される材料判定処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明による廃棄物処理装置の実施形態に含まれる、主制御部にて実行される分別処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明による廃棄物処理装置の実施形態に含まれる、主制御部にて実行される廃棄物破砕処理動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…廃棄物処理装置、4…廃棄物挿入口、5…扉部材、6…ヒンジ部材、9…マイクロスイッチ、10…PETボトル、10a…底部、10b…胴部、10c…飲み口、10d…先細部、11…逆挿入規制部材、11a…幅広部、11b…先細部、11c…幅狭部、11d…切欠部、13…ホッパー、14…フラッパ、15…軸、16…フラッパ駆動ソレノイド、20…フラッパ支持ソレノイド、23…ピン、30…打撃機構部、31…打撃部材、32…打撃部材駆動ソレノイド、36…マイク、37…近接センサ、39,40…回転刃、48…回転刃駆動モータ、51…分別部材、53…分別部材駆動モータ、54…金属破片用収容部、55…PET破片用収容部、60…制御ユニット部、61…材料判定部、62…打撃制御部、63…周波数解析部、64…分別制御部、65…破砕制御部。
Claims (5)
- 空き缶又は空き瓶等の廃棄物を破砕する廃棄物処理装置であって、
前記廃棄物が挿入される廃棄物挿入口と、
前記廃棄物挿入口から挿入された前記廃棄物を打撃する打撃手段と、
前記廃棄物が前記打撃手段により打撃されたときに発生する打撃音の音特性に基づいて、前記廃棄物の材料を判定する判定手段と、
前記判定手段により前記材料が判定された前記廃棄物を破砕する破砕手段と、
前記判定手段により判定された前記材料別に、前記破砕手段により破砕されて生じる砕片を分別する分別手段と、
前記分別手段により分別された前記砕片を、前記材料別に収容する収容手段と、を備えることを特徴とする廃棄物処理装置。 - 前記廃棄物挿入口から挿入された前記廃棄物を、所定の向きから前記破砕手段に案内する案内手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
- 前記案内手段は、
前記廃棄物挿入口から挿入された前記廃棄物を一時的に支承する支承手段と、
前記支承手段により前記廃棄物の支承を解除する解除手段と、
前記廃棄物の挿入方向に見て先細り状に形成され、前記支承手段により支承される前記廃棄物の一端側と嵌合して、前記廃棄物の挿入する向きを規定する挿入方向規定手段と、
前記挿入方向規定手段により前記廃棄物の挿入する向きが規定されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段が、前記挿入方向規定手段により前記廃棄物の挿入する向きが規定されたことを検知したときに、前記廃棄物の支承を解除するように前記解除手段の作動を制御する制御手段と、を有することを特徴とする請求項2に記載の廃棄物処理装置。 - 前記廃棄物挿入口を開閉する扉部材を更に備え、
前記検知手段は、前記扉部材が閉じた状態を検知しており、
前記制御手段は、前記廃棄物挿入口から挿入され、前記扉部材が閉じた状態のときに、前記廃棄物の支承を解除するように前記解除手段の作動を制御することを特徴とする請求項3に記載の廃棄物処理装置。 - 前記支承手段は、前記廃棄物挿入口から挿入された前記廃棄物が載置されると共に、揺動自在に支持された板部材を有しており、
前記板部材の揺動支点が前記廃棄物挿入口側に設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の廃棄物処理装置。
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