JP3565735B2 - 鍛造プレス機のトランスファ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鍛造プレス機のトランスファ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、トランスファ装置付鍛造プレス機Aは、図1及び図2を参照して説明すると、下金型Q上に各プレス位置P、P、P、P、Pを定め、トランスファ装置Bの上下左右及び前後に動くビームFのフィンガーbで被加工物aを掴む動作(挟む動作)と離す動作を繰り返すことにより、被加工物aを各プレス位置P……に順々に移行させて、プレス加工をする。このとき、プレス位置P又は前位置Pに被加工物aが供給され、プレス位置Pからプレス完了品が運び出される(払い出される)。その運び出しは、適宜な手段によってコンベアに移されて所要の位置に移行される。
【0003】
この種の鍛造プレス機Aにおけるトランスファ装置Bは、鍛造プレス機Aの両端にそのフレームGをそれぞれ設け、その両フレームG、G間に上記対の前後のビームF、Fを渡し、そのフレームGに設けた駆動手段によって、両ビームF、Fを上下方向(Z方向)、前後方向(Y方向)及び左右方向(X方向)に、すなわち3次元に移動するのが一般的である。
【0004】
そのビームFの上下方向の動きによって、被加工物aを下金型Qに出し入れ(リフト・ダウン動作)、両ビームF、Fの前後方向の接離の動きによって、フィンガbを接離させて被加工物aを挟持したり離し(クランプ・アンクランプ動作)、ビームFの左右方向の動きによって、被加工物aを次工程に送って後退する(アドバンス・リターン動作)。
【0005】
その3次元移動(動作)の駆動系としては、大きく分類すると、以下の3タイプとなり、特殊のタイプとして、その▲1▼〜▲3▼の組合せのものがある。
▲1▼、油気圧を駆動源とするシリンダの構成による駆動系、
▲2▼、鍛造プレス機のクランクシャフトの回転をギアーの噛みあわせにより、フレームGに導いて、ビームF移動用カムを動かす構成による駆動系、
▲3▼、ボールネジとリニアガイドの組み合わせ、もしくはラックとピニオンの組み合わせによる駆動系。
【0006】
上記▲1▼の駆動系は、油圧式は、速度が遅い欠点があり、空気圧式は、速度のコントロールができない欠点がある。また、この油気圧式駆動系の共通の問題は、3次元動作のストローク量がシリンダ端で決められて固定であるため、フレキシブル性が無いうえに、シリンダの動き(ストローク)を同調させることは、極めて高度の技術を必要とする点である。
【0007】
▲2▼の駆動系の問題は、機械式連動によるので、駆動系が大掛かりとなって高価な装置となるうえに、駆動系が大掛かりのため、速度を早くできず、3次元動作のストローク量も固定にせざるを得ない。
【0008】
▲3▼の駆動系は、駆動源をサーボモータとして精密制御と3次元動作のフレキシブル性があり、今日最も多く採用されている。
【0009】
その▲3▼の駆動系による従来技術として、特開平6−31358号公報(公報1)、実公平7−47150号公報(公報2)及び特開昭61−99530号公報(公報3)、特公昭63−47525号公報(公報4)等に記載のものがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲3▼の駆動系によるトランスファ装置Bを鍛造プレス機Aに組み込む際、フレームGは鍛造プレス機Aの両端外側に設けられるため、ビームFの前後方向の移動範囲は、プレス機Aの前後コラムH、Hの間となる。一方、この駆動系における、ボールねじによるビームF、Fの接離機構は、一般に、回転軸の中央を境にしてその両側に逆ねじを切り、その各ねじにビームFの支持軸受をねじ合わせたものである。このため、ビームFの前後方向の移動量(ストローク)はコラムHの内側から回転軸の中央までとなり、回転軸中央には、軸受等が設けられるため、その軸受等の構造物の幅分、そのストロークは短くなる。このビームFのストロークが小さいことは、鍛造成形品の大きさ(外形)への対応がそれだけしにくいこととなる。
【0011】
また、ボールネジとリニアガイドの組合せは、ラックとピニオンの組合せより嵩が大きくなり、そのトランスファ装置も大型化する。このため、小型鍛造プレス機Aは前後のコラムH、Hの間隙が小さいので、トランスファ装置Bを設置できないことが起こる。特に、既設の鍛造プレス機は前記間隙が小さいものが多く、そのプレス機にトランスファ装置を取付けて自動化する場合、スペース的に困難となる場合が多い。
【0012】
さらに、ボールネジとリニアガイドの組合わせは、精密な駆動が保証されるが、その保証を得るためには、ボールネジとリニアガイドを取り付けるフレームG(ケーシング10)に、高精度の加工が要求されるので、自ずと高剛性のフレームGとなり、更に高度の運転調整が求められ、高価な装置とならざるを得ない。このボールねじとリニアガイドによる組合せに対しラックとピニオンの組合せは、安価であり、小型化し得る。
【0013】
このように、ラックとピニオンの組合せは、ボールねじとリニアガイドに対し、安価等の利点があるが、この種の3次元動作機構は、一般に、一動作機構に他の一の動作機構を設け、その他の一の動作機構にさらに他の一の動作機構を設けた構成とされ、最下段の動作機構は他の二つの動作機構をも一体に動かし、中段動作機構は他の一つの動作機構を一体に動かすこととなる。この他の機構を一体に動かす、すなわち他の動作機構を抱え込むことは、自己のみの動作に比べれば、負荷が大きくなり、その駆動源、例えば、サーボモータに大形のものを採用せざるを得ず、コストアップとなる。また、負荷が大きくなれば、慣性力も大きくなるため、制御性も悪くなる。
【0014】
この他の動作機構を抱え込むことをなくすには、各動作機構を相互に縁切りする構成とすればよく、一般的には、リフト・ダウン機構は、ビームFを左右及び前後に移動自在に支持し、クランプ・アンクランプ機構は、ビームFを上下及び左右に移動自在に支持し、アドバンス・リターン機構はビームFを上下及び前後に移動自在に支持するようにする。
【0015】
この考えに基づき、上記移動自在な支持構造が種々に考案され、その中で、スライド軸受が一般的であり、公報1の技術では、スライド軸受に加え、ラック上のピニオンの転動及びその転動による変動を補正することにより、上記縁切りを行っている。同技術では、そのピニオン・ラックによる手段は、リフト・ダウン機構に採用している。
【0016】
しかし、公報1記載の技術は、クランプ・アンクランプ用モーターを4台、リフト・ダウン用モーターを4台及びアドバンス・リターン用モーターを1台設けており、それらの計9台のモーターを同期制御しなければならない。その上、上記ピニオンの転動による変動を補正するために、8台のモータを制御しなくてはならないため、より複雑な制御となる。
【0017】
公報3、4記載の技術では、各動作機構が相互に縁切りされて、駆動モーターの削減が図られているが、その縁切りの構成が複雑であり、また、リフト及びクランプ用のイコライザシャフトが長尺であることから、ねじれが生じるので、精度的にも問題がある。
【0018】
また、上述の各公報におけるラックとピニオンギヤの噛合による駆動機構は、板金プレスに関するもので、鍛造プレス機の専用トランスファ装置としているものがないのが現状である。それは、板金加工の作業回数(ストローク数)が10〜20回/分と低速なのに比べ、鍛造加工の場合は40〜50回/分と高速であり、ラックとピニオン機構は、噛合部分が摩耗し易く、高速運転すると、その摩耗も激しいからである。特に、ラックを噛み合った状態でピニオンの軸方向に移動させて他の方向(該軸方向)の動きを吸収しようとすれば、その摩耗はより激しくなる。摩耗が激しければ、交換の頻度も多くなって煩らわしい。このような寿命の問題から、一般に、鍛造プレス機のトランスファ装置においては、その各動作機構を、クランクシャフトとギヤーの噛み合わせ、レバーとカム・ローラの組合わせ、又はボールネジ機構によって構成している。
【0019】
この発明は、上記実情の下、安価、かつ小型化し得るピニオン・ラック機構による駆動手段を採用し、その寿命を長くすることを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、鍛造プレス機のトランスファ装置において、ビームの上下の移動手段をラックとピニオンの組合せにより構成し、そのピニオンとラックの噛合位置を、ラックとピニオンの少なくとも一方の未摩耗部分に接触するようにずらし得るようにしたのである。
【0021】
この種のトランスファ装置において、そのビームの上下動は精度も要求されず、またストロークも比較的小さいため、一動作におけるラックとピニオンの噛み合い部分(範囲)はピニオンの周囲の一部に限ることができ、このため、その部分が摩耗すれば、他の未使用(未摩耗)部分に噛合位置をずらすことにより、新たな噛合を得ることができる。
【0022】
この種の装置は大型であり、部品の取替えは大がかりな作業となるが、前記ずらしは一般に部材の取外しなどもなく、簡単な作業のため、メンテナンスとして非常に有利である。そのずらしは、ピニオン側、ラック側及びその両者ともに行ってもよい。摩耗部分同士の噛合がなくなればよいからである。
【0023】
【発明の実施の形態】
上記の課題を達成するためのこの発明の一実施形態としては、直列した複数プレス位置のその列方向に沿う対のビームを、上下、左右及び前後に移動させ、そのビームのフィンガにより、被加工物を挟持する動作と、離す動作を繰り返して、被加工物を前記各プレス位置に順々に移行させる鍛造プレス機のトランスファ装置であって、
上記ビームの上下の移動手段が、その上下の移動方向にビームと一体に動くラックと、そのラックに噛み合って回転されるピニオンとから成って、そのピニオンの軸方向の長さを前記ビームの前後動の長さ以上として、ビームの前後動に応じて、前記ピニオンに対して前記ラックに噛み合った状態でピニオンの軸方向に移動し得るようにし、かつ、前記ピニオンをその軸の周りに回動かつ固定可能として、ピニオンとラックの噛合位置をずらすようにした構成を採用し得る。
【0024】
より具体的な一実施形態としては、同じく上述と同様な鍛造プレス機のトランスファ装置であって、鍛造プレス機の左右方向両端にトランスファ装置のフレームをそれぞれ設け、その両フレームの前後に、前後方向のみ移動自在な前後移動体をそれぞれ設け、その各前後移動体に上下方向にのみ移動自在な昇降体をそれぞれ設け、この各昇降体は上記ビームの端部をそれぞれその長さ方向にのみ移動自在に支持し、
上記ビームの上下移動手段は、上記フレームにサーボモータ駆動の前後方向の回転軸を設け、この回転軸のピニオンと上記昇降体の上下方向のラックを噛み合わせるとともに、そのピニオンの軸方向の長さを前記ビームの前後動の長さ以上として、ビームの前後動に応じて、前記ピニオンに対して、前記ラックを噛み合った状態でピニオンの軸方向に移動するようにしたものとし、
上記ビームの前後移動手段は、上記各フレームの両前後移動体にそれぞれ前後方向のラックを突出して設けて、その両ラックを並列するとともに、両ラックに対向する移動体に摺動自在に挿入され、その両ラックに噛み合うサーボモータ駆動のピニオンを回転させることにより、前記両ラックを相反対方向に移動させるものとし、
上記ビームの左右移動手段は、上記両フレームに上記両ビームの端を前後及び上下方向にのみ移動自在に支持する左右移動体をそれぞれ左右に移動自在に設け、一方のフレームにサーボモータ駆動のピニオンを設けて、このピニオンに前後左右移動体に設けた左右方向のラックを噛み合わせたものとし、かつ、上記各ピニオンの少なくとも一つは、その軸の周りに回動、かつ固定可能となって、ラックとの噛合位置が未摩耗部分に接触するようにずらし得るようになっている構成とし得る。
【0025】
この構成においては、上記対のビームを前後に移動させて接離させる手段を、各ビームのそれぞれにその長さ方向に直角に設けたラックを並列し、その両ラックの間に、その両者に噛み合うピニオンを設け、このピニオンを回転させることにより、前記両ラックを相反対方向に移動させる構成としたので、鍛造プレス機の前後のコラム間にビームの前後の動きが制限されても、その間隔一杯にビームを動かすことができ、ビームのストロークを十分にとり得る。このため、鍛造成形品の大きさへの対応の範囲が広くなる。このことは、小型の鍛造プレス機で前後のコラム間隙が小さい場合でも対応可能となる。
【0026】
また、ラックが両持ち梁状に支持されているため、強度及び移動精度の点ですぐれたものである。さらに、対のビームを左右フレームにそれぞれ設けた移動体で支持してその移動体を左右に動かしてビームを左右動させるため、上記公報4のもののように、その作用時の軸のねじれもなく、ストローク精度の高いものでもある。
【0027】
この構成において、上記前後移動体と、その前後移動体に設けた上記昇降体の間に、上方の付勢力を付与するバランスシリンダを設けて、上記昇降体の回転軸を回すサーボモータの負荷の軽減を図るとよい。バランスシリンダが昇降体(ビーム等)を上方に付勢してバランスをとっているため、昇降時の負荷が軽減され、この軽減は、駆動源、例えば、サーボモータの小型化を図り得るとともに、上下動機構のラックとピニオンの摩耗度合を減少させる。
【0028】
【実施例】
図1は一実施例に係るトランスファ装置付鍛造プレス機の概略一部切断平面図、図2は同概略一部切断正面図、図3は同トランスファ装置の正面図、図4は図3の左側トランスファ駆動部の概略斜視図、図5は図3の右側トランスファ駆動部の概略斜視図、図6は図4の切断正面図、図7は図6のI線切断平面図、図8は同II線切断平面図、図9(a)は同III線切断平面図、図9(b)は同(a)の要部拡大断面図、図10は図6のIV線切断右側面図、図11(a)は同V線切断右側面図、図11(b)は同(a)の要部拡大断面図、図12は図4の底面図、図13は図4の要部切断左側面図、図14は図5の切断正面図、図15、16は作用説明図である。
【0029】
この実施例に係るトランスファ装置B付の鍛造プレス機Aは、上述のように、5個の上下金型P〜P、Q〜Qを備え、トランスファフィード装置Bの上下左右及び前後に動くビームFのフィンガbで被加工物(ビレット)aを挟む動作と離す動作を繰り返すことにより、被加工物aを、各金型P、Q……P、Q間に順々に移行させて、プレス加工をする。以下、上金型P〜Pの下降位置をプレス(工程)位置として、P〜Pで示す。
【0030】
このプレス加工時、図示しないビレット供給装置により、インダクションヒータからのビレットaが鍛造プレス機Aの前位置Pにプレス動作に対応して送り込まれ、そのビレットaがトランスファ装置Bにより、各プレス位置P〜Pに順々に送られて、製品aとされる。すなわち、前位置Pのビレットaは、第1プレス位置Pでツブシ加工、第2プレス位置Pで荒仕上げ加工、第3プレス位置Pで成形加工、第4プレス位置Pで精密仕上げ加工、第5プレス位置Pで内外のバリの同時抜き加工がなされる。
【0031】
トランスファ装置Bは、鍛造プレス機Aの左右コラムHにそれぞれフレームGを設け、この両フレームG、G間に対のビームF、Fを渡している。このビームF、Fは図3乃至図14に示すように、フレームGのケーシング10内のクランプ・アンクランプ動作機構、リフト・ダウン動作機構及びアドバンス・リターン動作機構によって前後・上下及び左右に動かされる。なお、両側のケーシング10、10内は、アドバンス・リターン動作機構を除いて同一構成である。
【0032】
クランプ・アンクランプ動作機構は、ケーシング10の底板11の前後に、前後移動体21をガイドレール12を介して前後方向に移動自在にそれぞれ設け、この両前後移動体21に昇降体31が上下方向に移動自在に貫通している(図6、図14参照)。この昇降体31の下端にボールスプライン軸受32を介してビームFの一端がその長さ方向にのみ移動自在に支持されている。昇降体31の下方突出部には蛇腹33を設けて貫通部への塵埃の侵入を防止している。
【0033】
両前後移動体21、21には、図11に示すように、それぞれ前後方向のラック22、22が上下平行に一端を固定して設けられており、ラック22の他端は他方の前後移動体21に摺動自在に貫通している。そのラック22の一端の移動体21への固定は、同図に示すようにキー22aにより回り止めされ、抜け止め板22bをボルト止めすることにより行われている。また、ラック22の他端の移動体21への貫通は、ボールスプライン軸受22dによってその他端を摺動自在に支持することにより行われている。
【0034】
上記ラック22、22間にはそのラックに共に噛み合うピニオン23が設けられ、図8に示すように、このピニオン23はサーボモータM駆動の軸24に固着されている。軸24は軸受25a、25bで支持される。したがって、サーボモータMによりピニオン23が回転すると、両ラック22、22は重なり長さを長短するように動いて、両前後移動体21、21を前後方向において接離する。すなわち、ビームF、Fが接離して、そのフィンガbによる被加工物aの挾持(クランプ)又は開放(アンクランプ)が行われる。ラック22、22は横方向に並行でもよい。
【0035】
リフト・ダウン動作機構は、図9、10に示すように、上記昇降体31の上部にラック34が形成され、このラック34は、ケーシング10に掛け渡された回転軸35のピニオン36に噛み合っている。このため、サーボモータMによりピニオン36が回転されると、ラック34を介し昇降体31が昇降して、ビームFがリフト又はダウンする。すなわち、ビームFが下金型Qに接離する。
【0036】
また、ラック34とピニオン36は平歯からなり、上記クランプ・アンクランプ動作機構による前後移動体21の前後動に対しては、図15(a)において、実線から鎖線のようにラック34がピニオン36の軸方向に摺動して前後の動きを吸収する。このため、ピニオン36の軸方向の幅の長さは、そのラック34が動き得る長さとする。図中、37は回転軸35の軸受である。
【0037】
さらに、図9に示すように、ピニオン36は回転軸35にテーパ固定具36aを介して固着されており、このテーパ固定具36aは、そのねじ36bをねじ込むことによりピニオン36を軸35に固定し、弛めることによりピニオン36を軸35に対し回動可能として、ピニオン36を軸35の周方向任意の位置で固定可能とする。すなわち、ピニオン36は軸35に対し任意の回動位置に回動可能でかつ固定可能となっている(図15参照)。
【0038】
アドバンス・リターン動作機構は、L字状の左右移動体41をケーシング10の底板11下面にガイドレール42を介して左右方向に移動自在に設け、この左右移動体41の直立壁に軸受43、43がガイドレール43aを介して上下方向に移動自在に設けられている。軸受43には前後方向の支軸44が貫通し、この支軸44に、上記ボールスプライン軸受32を貫通したビームFの端が軸受45を介して揺動自在に連結されている。ビームFのボールスプライン軸受32から内側に突出する部分には一定長さの蛇腹46が被せられて、軸受32への塵埃の侵入が阻止されている。
【0039】
上記左右移動体41の水平壁上面にはラック47が設けられており、このラック47に底板11上のピニオン48が噛み合っている。ピニオン48は、サーボモータMにより駆動するピニオン49に噛み合っており、サーボモータMによりピニオン48、49が回転されると、ラック47を介して左右移動体41が左右方向に移動する。すなわち、ビームFが左右に動いて、そのフィンガbが隣接するプレス位置間を動いて、被加工物aを下金型Qに受け渡しする。なお、ビームFの右側端は、図14に示すように、ボールスプライン軸受32に筒51を設けて、筒51内にビームFの端を進退させている。この右側フレームGにアドバンス・リターン動作機構を設けて、左側フレームGはその機構を省略した従動側としてもよい。
【0040】
上記前後移動体21と昇降体31下端のボールスプライン軸受32の間にエアシリンダ55が設けられており(図4、5参照)、このシリンダ55にはビームFの重量とバランスさせる上向き付勢力の圧が印加されて、ビームFの昇降時の負荷の軽減が図られている。
【0041】
この実施例は以上のように構成されており、サーボモータM、M、Mを同期制御することにより、クランプ・アンクランプ動作機構、リフト・ダウン動作機構及びアドバンス・リターン動作機構を動かし、ビームF、Fを前後及び上下左右に動かして、そのフィンガbによる被加工物aを挟む動作と離す動作を繰り返して、被加工物aを各プレス位置P……に移行させる。
【0042】
この作用において、駆動源は、クランプ・アンクランプ用サーボモータMが2台、リフト・ダウン用サーボモータMが2台、アドバンス・リターン用サーボモータMが1台の計5台であり、その同期制御も容易である。
【0043】
また、図16(a)、(b)に示すように、リフトダウン用ラック34に対するピニオン36の噛合範囲はaからbまでである。このため、その噛合範囲の歯が摩耗すれば、テーパ固定具36aを緩めて、図15(b)のごとくピニオン36を軸方向に動かしてラック37との噛み合いを外した後、図16(c)に示すように、摩耗していないaからbの範囲の噛み合いにする。これにより、ピニオン36を取替えることなく、精度の高いリフトダウンを得ることができる。このとき、ラック34の停止時の位置は変わらないため、ラック34とピニオン36の噛合位置を変更しても、トランスファ装置の自動運転再開時点を調整する必要がない。なお、例えば、ピニオン36を、モジュール=5、歯数=20、PCD=100とすると、噛合部の全周は、314.16mmとなり、上下ストローク量を50〜70mmに設定すると、(314.16/50〜70)=4.5〜6.2となり、これから、3〜4倍の寿命を確保する事ができる。
【0044】
上記実施例において、アドバンス・リターンのストロークが一定(固定)の場合には、図17に示すように、その駆動源に油圧又は空気圧のシリンダ60を採用し、例えば、エアハイドロコンバータ式としてその速度コントロールを容易に可能とし、早い動作速度を確保するようにし得る。このとき、ストローク量は、固定であるが、ピストン61の前進端、後端端でそのストローク端が決められるので、被加工物aの送りストロークの精度も高いものとなる。トランスファ装置Bは、アドバンス・リターン(送りの前進・後退)の精度が最も重要であり、そのストロークが固定の場合には、この油気圧式シリンダ60が有効である。
【0045】
上記実施例では、テーパ固定具36aでピニオン36を回動固定し得るようにしたが、図18に示すように、軸35との嵌合部を多角断面として、その嵌まり合いをその角度分ずらすことにより、上記摩耗部分から未摩耗部分に噛合位置をずらすようにしもし得る。このとき、前記角度と同一間隔の溝35aを軸35に形成し、ピニオン36のキー35bをその溝35aに嵌合させるとよい。これらのピニオン36の回動・固定手段は、他のピニオン24、49においても採用できる。さらに、ラック22、34、47をその長さ方向に移動・固定可能にして、ラックの噛合位置もずらすようにもし得る。
【0046】
【発明の効果】
この発明は、ピニオンとラックの噛合位置をずらして寿命を長くし得るようにしたので、コストダウンにつながるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係るトランスファ装置付鍛造プレス機の概略一部切断平面図
【図2】同概略一部切断正面図
【図3】同トランスファ装置の正面図
【図4】図3の左側トランスファ駆動部の概略斜視図
【図5】図3の右側トランスファ駆動部の概略斜視図
【図6】図4の切断正面図
【図7】図6のI線切断平面図
【図8】図6のII線切断平面図
【図9】(a)は図6のIII 線切断平面図、(b)は同(a)の要部拡大断面図
【図10】図6のIV線切断右側面図
【図11】(a)は図6のV線切断右側面図、(b)は同(a)の要部拡大断面図
【図12】図4の底面図
【図13】図4の要部切断左側面図
【図14】図5の切断正面図
【図15】作用説明図
【図16】作用説明図
【図17】他の実施例の要部切断正面図
【図18】他の実施例の要部断面図
【符号の説明】
A 鍛造プレス機
B トランスファ装置
F ビーム
G フレーム
、M、M サーボモータ
、P、P、P、P プレス位置
a 被加工物
b フィンガ
10 フレームケーシング
21 前後移動体
22 対のラック
23 ラック用ピニオン
31 昇降体
32 ビーム用軸受
34 ラック
35 回転軸
36 ピニオン
36a テーパ固定具
41 左右移動体
43、45 軸受
47 ラック
49 ピニオン
55 バランスシリンダ

Claims (2)

  1. 直列した複数プレス位置P1 、P2 、P3 、P4 、P5 のその列方向に沿う対のビームF、Fを上下、左右及び前後に移動させ、そのビームFのフィンガbにより、被加工物aを挟持する動作と、離す動作を繰り返して、被加工物aを前記各プレス位置に順々に移行させる鍛造プレス機Aのトランスファ装置Bであって、
    上記ビームFの上下の移動手段が、その上下の移動方向にビームFと一体に動くラック34と、そのラック34に噛み合って回転されるピニオン36とから成って、そのピニオン36の軸方向の長さを前記ビームFの前後動の長さ以上として、ビームFの前後動に応じて、前記ピニオン36に対して、前記ラック34に噛み合った状態でピニオン36の軸方向に移動するようにしたものであり、
    かつ、上記ピニオン36をその軸35の周りに回動かつ固定可能として上記ラック34との噛合位置をずらして、そのピニオン36の噛合位置を未摩耗部分にずらし得るようにしたことを特徴とする鍛造プレス機のトランスファ装置。
  2. 直列した複数プレス位置P1 、P2 、P3 、P4 、P5 のその列方向に沿う対のビームF、Fを上下、左右及び前後に移動させ、そのビームFのフィンガbにより、被加工物aを挟持する動作と、離す動作を繰り返して、被加工物aを前記各プレス位置に順々に移行させる鍛造プレス機Aのトランスファ装置Bであって、
    鍛造プレス機Aの左右方向両端にトランスファ装置のフレーム10、10をそれぞれ設け、その両フレーム10の前後に、前後方向のみ移動自在な前後移動体21、21をそれぞれ設け、その各前後移動体21に上下方向にのみ移動自在な昇降体31をそれぞれ設け、この各昇降体31は上記ビームFの端部をそれぞれその長さ方向にのみ移動自在に支持し、上記ビームFの上下移動手段は、上記フレーム10にサーボモータM2 駆動の前後方向の回転軸35を設け、この回転軸35のピニオン36と上記昇降体31の上下方向のラック34を噛み合わせるとともに、そのピニオン36の軸方向の長さを前記ビームFの前後動の長さ以上として、ビームFの前後動に応じて、前記ピニオン36に対して、前記ラック34を噛み合った状態でピニオン36の軸方向に移動するようにしたものとし、
    上記ビームFの前後移動手段は、上記各フレーム10の両前後移動体21にそれぞれ前後方向のラック22、22を突出して設けて、その両ラック22を並列するとともに、両ラック22は対向する移動体21に摺動自在に挿入され、その両ラック22に噛み合うサーボモータM1 駆動のピニオン23を回転させることにより、前記両ラック22、22を相反対方向に移動させるものとし、
    上記ビームFの左右移動手段は、上記両フレーム10、10に上記両ビームFの端を前後及び上下方向にのみ移動自在に支持する左右移動体41をそれぞれ左右に移動自在に設け、一方のフレーム10にサーボモータM3 駆動のピニオン48を設けて、このピニオン48に前後左右移動体41に設けた左右方向のラック47を噛み合わせたものとし、
    かつ、上記各ピニオン36、23、48の少なくとも一つは、その軸の周りに回転かつ固定可能となって、上記ラック34、22、47との噛合位置をずらして、そのピニオン36、23、48の噛合位置を未摩耗部分にずらし得るようになっていることを特徴とする鍛造プレス機のトランスファ装置。
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