JP3565437B2 - 低融点金属材料用の金属射出成形装置 - Google Patents

低融点金属材料用の金属射出成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、ニッケル合金等の低融点金属材料から金属成形品を得る金属射出成形装置に関し、さらに詳しくは固体状の低融点金属材料を溶融する溶融部と、この溶融部で溶融された溶融金属材料を計量する計量部と、この計量部で計量される溶融金属材料を金型のキャビテイに射出する射出部とからなる金属射出成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マグネシウム合金、アルミニウム合金等の低融点合金材料から金属成形品を得る射出成形機は、一般に図5に示されているように構成されている。すなわち、図5は従来の低融点金属材料の金属射出成形機の一部を示す正面断面図であるが、同図に示されているように、金属射出成形機は、加熱筒70、この加熱筒70の内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュ72、スクリュ72の後端部に設けられている駆動装置80等から構成されている。加熱筒70の、図5において左方の前方端には、射出ノズル73が、そして後方部寄りには粒状、破砕片、切削片等の形状をした低融点金属材料の供給用のホッパ74が設けられている。このような加熱筒70と射出ノズル73の外周部には個々に発熱温度が制御される複数個の加熱ヒータ71、71、…が設けられている。
【0003】
駆動装置80は、回転モータ81と油圧ピストン・シリンダユニット82とを備えている。そして、これらの出力軸83は、図5には正確には示されていないが、従来周知のようにスプライン機構等によりスクリュ軸84に結合されている。したがって、スクリュ軸84は、回転方向と軸方向とに駆動可能であり、また、サックバックもできるようになっている。金型は、固定盤91に取り付けられている固定金型92と、可動盤に取り付けられている可動金型93とからなっている。そして、これらの金型92、93のパーテイングライン側にキャビテイ94が形成されている。
【0004】
したがって、次のようにして金属成形品を得ることができる。回転モータ81を起動する。そうすると、スプライン結合されているスクリュ軸84が回転駆動される。ホッパ74から低融点金属材料を加熱筒70に供給すると、低融点金属材料はスクリュ72により前方へ送られるが、このとき加熱ヒータ71、71、…から加えられる熱と、スクリュ72の回転による摩擦作用、剪断作用等により生じる熱とにより溶融され、そして加熱筒70の前方の計量室に蓄積される。スクリュ72は、蓄積される溶融金属材料の圧力、あるいは駆動軸83から引かれるサックバック力により後退する。所定量蓄積したら計量を終わり、油圧ピストン・シリンダユニット82により、駆動軸83を軸方向すなわち射出方向に駆動する。そうすると、駆動軸83の先端部がスクリュ軸84の後端部を押す。したがって、計量された溶融金属材料がスプル96およびランナ95から金型92、93のキャビテイ94に射出充填される。冷却固化を待って可動金型93を開くと、金属成形品が得られる。
【0005】
また、固体状の低融点金属材料を溶融する溶解炉、この溶解炉で溶融される溶融金属材料が供給されるチャンバ、チャンバ内の溶融金属材料を金型のキャビテイに射出充填するプランジャ等からなる金属成形品の製造装置も知られている。この製造装置の具体例として特開2001−1122に記載されている金属射出成形装置を挙げることができる。この金属射出成形装置は、図には示されていないが、固体状の金属材料を溶解する溶解炉、この溶解炉で溶解された溶融金属材料を貯留する貯留ホッパ、貯留ホッパ中の溶融金属材料が供給される縦型のチャンバ、このチャンバ内に回転方向に駆動可能に設けられているスクリュ、チャンバの下方に水平方向に配置されている計量シリンダ、この計量シリンダ内に射出方向に駆動可能に設けられている射出プランジャ等から構成されている。したがって、スクリュを回転駆動し、貯留ホッパ中の溶融金属材料をチャンバに供給すると、溶融金属材料は温度が制御されているチャンバ内で樹脂状晶に成長する。樹脂状晶はスクリュの回転による剪断作用により破砕され、そして半凝固状のスラリーとなって計量シリンダに計量される。そこで、射出プランジャを軸方向に駆動すると、計量された半凝固状のスラリーが金型のキャビテイに射出充填される。冷却固化を待って金型を開くと、金属成形品が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のいずれの金属射出成形装置によっても金属成形品を得ることはできるし、色々な利点も有する。しかしながら、欠点あるいは改良すべき問題点もある。例えば、前者の金属射出成形装置によると、固体状の金属材料は、スクリュ72を回転駆動するときに金属材料同志が接触する摩擦作用、金属材料に作用する剪断作用等により発生する熱によっても溶融されるが、加熱筒70の外周部に設けられている加熱ヒータ71、71、…から加えられる熱が加熱筒70の内周面に伝わり、この内周面からの伝導熱により、主として溶融される。したがって、加熱筒70の内周面から離れている例えばスクリュ72の谷付近の金属材料は溶融し難いという欠点がある。特に、図5にも示されているように、スクリュ72にはスクリュ径が大きくなっている圧縮部75があるが、この圧縮部75において圧縮された固体状のチップを安定的に且つ連続的に溶融することは困難で、溶融が充分でないときはスクリュ72の回転負荷圧の上昇、スクリュ72の回転速度の変化等が生じる。そうすると、加熱筒70の先端部に所定量の溶融金属材料が計量されなくなり、次のショットの射出工程時にショートショットとなる。また、マグネシウム合金のような粘性の小さい金属材料を計量するときは、サックバックして計量されることが多いが、サックバック量に応じて計量されないと空間部が生じ、計量された溶融金属材料中にガスが混入するようになる。そうすると、気泡を含んだ不良成形品となる。また、圧縮部75において圧縮された固体状のチップを早期に溶融することが難しいので、成形サイクルが長くなるという欠点もある。さらには、従来の加熱筒70による加熱、溶融は、上記したように一般に困難であるので、一度に多量の金属材料を溶融することはできない。したがって、容量の大きい大型金属成形品は成形できない。また、スクリュ72を軸方向に駆動して射出するとき、計量された溶融金属の一部が加熱筒70の方へ逆流する欠点もある。スクリュヘッドに逆流防止リングを設けると、逆流は防止できるが、金属射出成形装置のコストアップになる。
【0007】
また、後者の特開2001−1122に記載されている金属射出成形装置によると、固体状の金属材料は溶解炉で溶融されるので、チャンバ内における金属材料は、溶融状態であり、前述したような状態変化に伴う問題がない利点は認められる。しかしながら、溶解炉で溶融した高温の溶融金属材料をチャンバに供給しなければならなず、安全上必ずしも好ましくない。また、溶解炉周辺で発生する燃焼ガス、熱風等が作業環境を悪化させるという問題もある。さらには、射出プランジャ内で計量されるようになっているので、射出時に計量された溶融金属材料の一部がチャンバの方へ逆流し、所定重量の金属成形品が得られないこともあり得る。もっとも、この金属射出成形装置の流路には、逆止弁が設けられるので、逆流は阻止できるにしても、その構造は複雑になりコストアップになることが予想される。
【0008】
本発明は、上記したような従来の金属射出成形装置の欠点あるいは問題点を解消した低融点金属材料用の金属射出成形装置を提供することを目的とし、具体的には大量の低融点金属材料を安全に、しかも短時間に溶融することができると共に、気泡等を含まない高品質の金属成形品を得ることができる低融点金属材料用の金属射出成形装置を提供することを目的としている。また、構造が簡単で安価な金属射出成形装置を提供することも目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の、低融点金属材料を安全に溶融する目的を達成するために、加熱筒が適用される。しかしながら、上記したように、従来の構造の加熱筒では大量の低融点金属材料を短時間に溶融することはできない。そこで、本発明は加熱筒を比較的小径の第1の領域部と、この第1の領域部に連なり、前記第1の領域部よりも大径の第2の領域部とから構成し、前記第1の領域部を固体状の低融点金属材料を加熱する加熱部とし、第2の領域部を溶融金属材料で満たし、加熱された低融点金属材料を満たされている溶融金属材料で溶融するように構成される。また、気泡を含まない溶融金属材料を確実に計量するために、加熱筒と共に計量室も縦型に構成される。さらには、射出用のプランジャ・シリンダは、実質的に水平に配置され、そして計量室と射出室とは独立した別室として構成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、上記した目的を達成するために、固体状の低融点金属材料を溶融する溶融部と、この溶融部で溶融された溶融金属材料を計量する計量部と、この計量部で計量される溶融金属材料を金型のキャビテイに射出する射出部とからなる金属射出成形装置であって、前記溶融部は、その外周部に加熱ヒータが取り付けられている縦型の加熱筒と、この加熱筒内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュとからなり、前記加熱筒は、小径の第1の領域部と、この第1の領域部の下方に連なって配置され、前記第1の領域部よりも大径の第2の領域部とからなり、前記第2の領域部の下方の、計量部に連なる湯路にはスクリュのヘッドが着座する座が設けられ、前記スクリュは、実質的に前記加熱筒の第1の領域部内に位置する第1の部分と、前記加熱筒の第2の領域部内に位置する第2の部分とからなり、前記第1の部分のスクリュ外経は、前記加熱筒の第1の領域部の内径に略等しく、それによって低融点金属材料は前記加熱筒の第1の領域部内で加熱され、前記スクリュの第2の部分の外周部と前記加熱筒の第2の領域部の内周面部との間には所定の間隔があり、この間隔により溶融金属材料が一時的に貯留される貯留室が構成されていると共に、前記スクリュの先端部には前記加熱筒の第2の領域部の下方に形成されている座に着座するヘッドが設けられ、前記計量部は、その上部が前記加熱筒の第2の領域部の下方の湯路に、そして下部が射出部のプランジャ・シリンダに連なっている縦型の計量室からなり、前記射出部は、その一方が前記計量部の計量室に、そして他方が金型に連なっている横型のプランジャ・シリンダと、このプランジャ・シリンダ内に往復動自在に設けられている射出プランジャとからなり、前記射出プランジャは所定位置では前記計量部の計量室の下端部を閉鎖できる大きさに選定されているように構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の射出成形装置において、貯留室の容積が、計量室の容積の3〜10倍であるように、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の射出成形装置において、貯留室には、溶融金属材料の貯湯量を検知するレベルセンサが設けられ、このレベルセンサで検知される信号に基づいて前記貯留室の溶融金属材料が一定レベルに保たれるように、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の射出成形装置において、スクリュの先端部には、計量室内へ臨んで、計量室内の容積を調節する調節部材が取り付けられるように、そして請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の射出成形装置において、加熱筒の第1の領域部には、低融点金属材料の供給孔と関連して不活性ガス供給手段が設けられるように構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係わる金属射出成形装置は、図1に示されているように、固体状の低融点金属材料を溶融する溶融部1と、この溶融部1で溶融された溶融金属材料を計量する計量部30と、この計量部30で計量される溶融金属材料を金型のキャビテイに射出する射出部40とからなっている。
【0011】
溶融部1は、縦型の加熱筒2を備えている。そして、この加熱筒2の内部に回転方向と軸方向に移動可能にスクリュ10が設けられている。加熱筒2は、比較的小径の第1の領域部2aと、この第1の領域部2aの下方に連なっている第2の領域部2bとからなっている。第2の領域部2bの径は、第1の領域部2aの径よりも大きい。これにより、第2の領域部2bの内部に、詳しくは後述するように、貯留室3が構成されている。第2の領域部2bの下方は、テーパ状に縮経され、その下端部は、後述するスクリュ10のヘッド12が着座する座5となっている。座の符号「5」は、図2の(イ)に記入されている。そして、この座5の下方が垂直湯路6となっている。この垂直湯路6は、後述するように計量室33の一部を構成している。なお、垂直湯路の符号「6」も図2の(イ)に示されている。また、第2の領域部2bの上方すなわち貯留室3の上方には、レベルセンサ7が取り付けられ、このレベルセンサ7で検出される溶融金属材料の貯湯量は、信号ラインaにより制御装置CTに入力され、そして、スクリュ10を駆動する回転モータ21が制御されるようになっている。このように構成されている加熱筒2の外周部には、個々に発熱温度が制御される複数個の加熱ヒータ8,8,…が設けられている。一方、加熱筒2の第1の領域部2aの上方部分には、低融点金属材料を供給するための材料供給孔9が開けられ、この材料供給孔9には窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスがガスボンベGから供給されるようになっている。
【0012】
スクリュ10は、軸方向に駆動されるが、この駆動は溶融金属材料を射出するためではないので、そのストロークは短く、実質的に加熱筒2の第1の領域部2aに位置する第1の部分10aと、第2の領域部2bに位置する第2の部分10bとからなっている。第1の部分10aのスクリュの軸径は小さく、第2の部分10bのスクリュの軸径は大きくなっている。そして、小径の第1の部分10aから大径の第2の部分10bに移行するテーパ部が圧縮部11となっている。この圧縮部11は、スクリュの軸方向の移動量が小さいので、加熱筒2の第1、2の領域部2a、2bの境界近辺に位置することになる。このように、スクリュ10の軸径は異なるが、フライトの外経は軸方向に略等しく、第1の部分10aのフライトの外周面は、加熱筒2の第1の領域部2aの内周面に近接している。これにより、固体状の低融点金属材料は第1の領域部2a内で、加熱され、部分的ある程度溶融される。これに対し、第2の部分10bのフライトの外周面あるいはスクリュ軸と、加熱筒2の第2の領域部2bの内周面との間には所定の間隔がある。この間隔により、第2の領域部2bの内部に、後述する計量室の3〜10倍の貯留室3が確保される。このように構成されているスクリュ10の先端部あるいは下端部に、第2の領域部2bすなわち貯留室3の座5に着座して、シール作用を奏するヘッド12が取り付けられている。
【0013】
加熱筒2の上部にスクリュ駆動装置20が設けられている。スクリュ駆動装置20は、回転モータ21と油圧ピストン・シリンダユニット22、22とからなっている。図1には正確に示されていないが、回転モータ21の出力軸とスクリュ軸23は機械的に結合され、油圧ピストン・シリンダユニット22、22のシリンダは、回転モータ21の架台24に、そしてそのピストンロッドは加熱筒2のフランジにそれぞれ取り付けられている。したがって、回転モータ21が起動すると、スクリュ10は回転駆動され、油圧ピストン・シリンダユニット22、22のシリンダに作動油が給排されると、回転モータ21の架台24が加熱筒2に対して上下動し、回転モータ21の出力軸に結合されているスクリュ10が上下動あるいは進退することになる。
【0014】
計量部30は、加熱筒2の第2の領域部2bの下方の垂直湯路6からのみ構成することもできるが、図1に示されている実施の形態では、図2の(イ)に拡大して示されているように垂直湯路6と、この垂直湯路6に液密的に接続されている垂直管31とからなっている。すなわち、垂直湯路6と垂直管31とから所定容積の縦型の計量室33が構成されている。このように計量室33が縦型になっているので、また加熱筒2も縦方向に配置されているので、貯留室3にガスが侵入していても、あるいは発生していても、ガスは上方に浮き計量室33に混入するようなことはない。なお、垂直管31の外周部にも加熱ヒータ32が設けられている。
【0015】
射出部40は、実質的に水平方向に配置されているプランジャ・シリンダ41と、このプランジャ・シリンダ41内に往復動自在に設けられている射出プランジャ42と、この射出プランジャ42を駆動する油圧ピストン・シリンダユニット43とからなっている。プランジャ・シリンダ41の一方の端部には垂直管31が接続されている。プランジャ・シリンダ41の射出室48の先端部は、後述する金型に連通している。油圧ピストン・シリンダユニット43は、従来周知のように、シリンダ44と、このシリンダ44内に往復動自在に設けられているピストン45とからなり、そのピストンロッド46がプランジャ・ロッド47を介して射出プランジャ42に接続されている。射出プランジャ42は、軸方向に所定長さに形成され、計量時には垂直管31をカバーする長さになっている。すなわち、閉鎖できる大きさに選定されている。
【0016】
金型50は、従来周知のように、固定盤51に取り付けられている固定金型52と、可動盤53に取り付けられている可動金型54とからなり、これらの金型52、54のパーテイングライン側に金属成形品に形を与えるキャビテイ55が形成されている。そして、前記したプランジャ・シリンダ41の射出室58がランナ56およびゲート57を介してキャビテイ55に連通している。
【0017】
次に、上記金属射出成形装置を使用した成形例について説明する。本実施の形態に係わる金属射出成形装置も、制御装置CTを備えているので、自動成形もできるが、以下手動運転と、自動運転とが混在したような形で説明する。図1には示されていないが、温度調節装置を駆動して、加熱筒2および垂直管31内の各所の温度が設定温度になるように加熱ヒータ8,8,32、…で加熱する。また、油圧ピストン・シリンダユニット43を駆動して、射出プランジャ42により垂直管31の下端部を閉鎖する。さらには、スクリュ10を上方へ駆動してそのヘッド12を貯留室3の座5から離間する。離間することにより、スクリュ10を回転駆動できる状態になる。回転モータ21によりスクリュ10を回転駆動する。別途用意した粒状、破砕片、切削片等の形状をした低融点金属材料を材料供給孔9から加熱筒2内に供給する。このとき、低融点金属材料が化学的に活性なときはガスボンベGから不活性ガスも供給し、酸化を防止する。
【0018】
供給された低融点金属材料は、加熱筒2の第1の領域部2a内で、加熱ヒータ8,8,…から加える熱と、スクリュ10の回転による摩擦作用、剪断作用等により生じる熱とにより加熱される。そして、スクリュ10の圧縮部11において固相線温度以下で圧縮され、貯留室3へ供給される。供給された低融点金属材料は、貯留室3に貯えられている溶融金属材料Kにより加熱され、溶融金属材料Kとなる。このとき、スクリュ10の第2の部分10bが貯留室3内で回転しているので溶融金属材料Kは攪拌され、均一に溶融される。また、溶融金属材料K中のガスは分離され上方に浮く。このようにして、貯留室3内の溶融金属材料Kにより溶融されるとき、貯留室3の容積は計量室33の3〜10倍のように大きいので、貯えられている熱量も多く、供給される低融点金属材料を溶融しても温度低下は大きくはない。レベルセンサ7が所定量の溶湯を検知すると、制御装置CTからの信号によりスクリュ10は停止し、一旦溶融を終わる。
【0019】
図2の(イ)は、射出工程が終わり、プランジャ・シリンダ41の射出室48内も、計量室33内にも溶融金属材料がない状態を示している。次の計量工程を実施するために、射出プランジャ42により垂直管31の下端部すなわち計量室33の下端部を閉鎖する。そうして、図2の(ロ)に示されているように、油圧ピストン・シリダユニット22によりスクリュ10を上方へ駆動する。そうすると、スクリュ10のヘッド12が貯留室3の座5から離間する。貯留室3中の溶融金属材料Kが重力により計量室33に供給される。このとき、溶融金属材料Kは、貯留室3の下方部分から供給されるので、計量室33にガスが混入するようなことはない。油圧ピストン・シリダユニット22、22によりスクリュ10を下方へ駆動し、スクリュ10のヘッド12を貯留室3の座5にある程度の力で着座させ、シールする。これにより、溶融金属材料Kが計量室33に計量される。この状態が図2の(ハ)に示されている。
【0020】
射出プランジャ42を後退させる。そうすると、図2の(ニ)に示されているように、計量室33の下端部が開放され、計量室33中の溶融金属材料Kがプランジャ・シリンダ41の射出室48内に供給される。供給されたら、油圧ピストン・シリダユニット43により、図3に示されているように、射出プランジャ42を高速で射出方向に駆動する。そうすると、射出室48に供給された溶融金属材料Kは、ランナ56およびゲート57を介して型締めされているキャビテイ55に射出充填される。冷却固化を待って、可動金型54を開くと、従来周知のようにして金属成形品が取り出される。以下同様にして、金属成形品を得る。
【0021】
上記のようにして、金属成形品を得ていると、貯留室3内の溶融金属材料Kの貯湯量が減る。そうすると、レベルセンサ7がこれを検知し、制御装置CTからの信号により回転モータ21が起動しスクリュ10が回転駆動する。低融点金属材料も供給され、前述したようにして溶融されて貯留室3内に貯えられる。なお、このときも、図2の(ロ)に示されているように、スクリュ10のヘッド12が貯留室3の座5から離間した状態で溶融する。
【0022】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な形で実施できる。例えば、図1に示されている実施の形態によると、スクリュ10の第2の部分10bのスクリュ軸径は、スクリュ10に圧縮部11を形成するために大径になっているが、圧縮部11より先端部を小径にすることもできる。また、スクリュ10の第2の部分10bのフライトは、単なる攪拌用であるので、図示の形態に限定されないことは明らかである。
【0023】
さらには、上記実施の形態では、スクリュ10の先端部にヘッド12が取り付けられているので、ヘッド12が貯留室3の座5に着座しているときは、スクリュ10は回転駆動できないので、あるいは回転駆動することは望ましくないので、スクリュ10とヘッド12とを別体に構成することもできる。例えば、スクリュ10を内部が空洞の筒状体から構成し、この空洞に操作棒を挿入してヘッド12を外部から操作するように実施することもできる。そうすると、ヘッド12が貯留室3の座5に着座しているときも溶融することができるようになる。また、スクリュ10を、定位置で回転駆動するように実施できる利点も得られる。さらには、ヘッド12を計量室33内へ進退するピストンから構成すると、ピストンの挿入量を外部から制御して、計量室33の容積を調節することもできる。
【0024】
図1に示されている実施の形態では、計量室33の容積は変えられないが、変えられるようにした実施の形態が図4に示されている。本実施の形態によると、ヘッド12の先端部に、計量室33内へ侵入可能なコマ14が取り付けられるようになっている。したがって、コマ14を取り付けると、コマ14の容積分だけ、計量室33の容積は小さくなる。このようなコマ14をネジ機構によりスクリュ10の軸内へ進退可能に設けると、進退させる量により計量室33の容積を連続的に変更できることは明らかである。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、固体状の低融点金属材料を溶融する溶融部と、この溶融部で溶融された溶融金属材料を計量する計量部と、この計量部で計量される溶融金属材料を金型のキャビテイに射出する射出部とから構成され、前記溶融部は、縦型の加熱筒と、この加熱筒内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュとからなり、前記加熱筒は小径の第1の領域部と、この第1の領域部の下方に連なって配置され、前記第1の領域部よりも大径の第2の領域部とからなり、そして前記第1の領域部は加熱部となり、前記第2の領域部は溶融部となっているので、比較的大量の固体状の低融点金属材料を短時間に溶融することができる。したがって、本発明によると、大型の金属成形品を短いサイクルで成形できる、という効果が得られる。また、固体状の低融点金属材料を加熱筒内で溶融されるので安全でもある。さらには、燃焼ガス、熱風等により作業環境を悪化させるようなこともない。また、計量部はその上部が加熱筒の第2の領域部の下方の湯路に、そして下部が射出部のプランジャ・シリンダに連なっている縦型の計量室からなっているので、溶融金属材料は重力により計量室に供給され、ガスは上方へ逃げる。したがって、気泡を含まない溶融金属材料を精度良く計量することができる。また、射出部は、その一方が前記計量部の計量室に、そして他方が金型に連なっている横型のプランジャ・シリンダと、このプランジャ・シリンダ内に往復動自在に設けられている射出プランジャとからなっているので、すなわち計量室と射出プランジャとが別体として構成されているので、金型へ射出するとき、計量された溶融金属材料は、従来のように加熱筒の方へ逆流することなく、全量が射出される。したがって、重量精度の高い金属成形品を得ることができる。また、従来の金属射出成形装置のように逆止リング等を設ける必要がないので、構造が簡単で安価でもある。
請求項2に記載の発明によると、貯留室の容積が計量室の容積の3〜10倍であるので、貯留室に貯えられている溶湯金属材料の熱容量は充分に大きく、加熱された低融点金属材料が供給されても、溶融に支障をきたすような温度低下を招くことはない、という効果がさらに得られる。請求項3に記載の発明によると、貯留室には、溶融金属材料の貯湯量を検知するレベルセンサが設けられ、このレベルセンサで検知される信号に基づいて前記貯留室の溶融金属材料が一定レベルに保たれるように構成されているので、安定して連続的に計量し、そして金属成形品を得ることができる。請求項4に記載の発明によると、スクリュの先端部には、計量室内へ臨んで、計量室内の容積を調節する調節部材が取り付けられるように構成されているので、重量あるいは容積の異なる金属成形品に対応できる効果がさらに得られる。そして、請求項5に記載の発明によると、加熱筒の第1の領域部には、低融点金属材料の供給孔と関連して不活性ガス供給手段が設けられているので、化学的に活性な低融点金属材料からも安全に、しかも品質を劣化させることなく、高品質の金属成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる金属射出成形装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる金属射出成形装置の要部の作動状態を拡大して示す図で、その(イ)は計量前を、その(ロ)は計量中を、その(ハ)は計量終了後を、その(ニ)は射出前をそれぞれ示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる金属射出成形装置の要部の作動状態を拡大して射出中を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係わる金属射出成形装置の要部を、計量終了後の状態で示す断面図である。
【図5】従来の金属射出成形装置の断面図である。
【符号の説明】
1 溶融部 2 加熱筒
2a 第1の領域部 2b 第2の領域部
3 貯留室 5 座
7 レベルセンサ 10 スクリュ
10a 第1の部分 10b 第2の部分
30 計量部 31 垂直管
33 計量室 40 射出部
41 プランジャ・シリンダ 42 射出プランジャ

Claims (5)

  1. 固体状の低融点金属材料を溶融する溶融部と、この溶融部で溶融された溶融金属材料を計量する計量部と、この計量部で計量される溶融金属材料を金型のキャビテイに射出する射出部とからなる金属射出成形装置であって、
    前記溶融部は、その外周部に加熱ヒータが取り付けられている縦型の加熱筒と、この加熱筒内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュとからなり、
    前記加熱筒は、小径の第1の領域部と、この第1の領域部の下方に連なって配置され、前記第1の領域部よりも大径の第2の領域部とからなり、前記第2の領域部の下方の、計量部に連なる湯路にはスクリュのヘッドが着座する座が設けられ、前記スクリュは、実質的に前記加熱筒の第1の領域部内に位置する第1の部分と、前記加熱筒の第2の領域部内に位置する第2の部分とからなり、前記第1の部分のスクリュ外経は、前記加熱筒の第1の領域部の内径に略等しく、それによって低融点金属材料は前記加熱筒の第1の領域部内で加熱され、前記スクリュの第2の部分の外周部と前記加熱筒の第2の領域部の内周面部との間には所定の間隔があり、この間隔により溶融金属材料が一時的に貯留される貯留室が構成されていると共に、前記スクリュの先端部には前記加熱筒の第2の領域部の下方に形成されている座に着座するヘッドが設けられ、
    前記計量部は、その上部が前記加熱筒の第2の領域部の下方の湯路に、そして下部が射出部のプランジャ・シリンダに連なっている縦型の計量室からなり、
    前記射出部は、その一方が前記計量部の計量室に、そして他方が金型に連なっている横型のプランジャ・シリンダと、このプランジャ・シリンダ内に往復動自在に設けられている射出プランジャとからなり、前記射出プランジャは所定位置では前記計量部の計量室の下端部を閉鎖できる大きさに選定されている、ことを特徴とする低融点金属材料用の金属射出成形装置。
  2. 請求項1に記載の射出成形装置において、貯留室の容積が、計量室の容積の3〜10倍である低融点金属材料用の金属射出成形装置。
  3. 請求項1または2に記載の射出成形装置において、貯留室には、溶融金属材料の貯湯量を検知するレベルセンサが設けられ、このレベルセンサで検知される信号に基づいて前記貯留室の溶融金属材料が一定レベルに保たれる、低融点金属材料用の金属射出成形装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の射出成形装置において、スクリュの先端部には、計量室内へ臨んで、計量室内の容積を調節する調節部材が取り付けられている、低融点金属材料用の金属射出成形装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の射出成形装置において、加熱筒の第1の領域部には、低融点金属材料の供給孔と関連して不活性ガス供給手段が設けられている、低融点金属材料用の金属射出成形装置。
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