JP3564822B2 - ポリベンザゾール繊維の製造方法 - Google Patents

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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/74Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polycondensates of cyclic compounds, e.g. polyimides, polybenzimidazoles

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンズオキサゾール若しくはベンズチアゾールのポリマー、またはこれらのコポリマーから構成されるポリベンザゾール繊維を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリベンザゾール繊維は、上記ポリマーやコポリマーと酸溶媒を含むドープを紡糸口金より押出した後、引伸ばしたり縮めたりしながら繊維状のドープ(便宜上、ドープフィラメントと呼ぶ場合がある)とし、次いで凝固性流体(水、または水と無機酸の混合液)中に浸漬して凝固させ、更に水洗浴中で洗浄して大部分の溶媒を除去した後、乾燥することによって得られる。この製造方法によれば、繊維束を1本のフィラメントに収束させることもできるが、紡糸から乾燥にわたる任意の段階で、種々のサイズのマルチフィラメントに収束させることも可能である。
【0003】
この様にして製造されるポリベンザゾール繊維は、強度等の力学特性に優れている為、ロープ、ケーブル、繊維強化プラスチック、防刃用布帛等の様々な用途に用いることができるが、近年、更にそれらの諸特性を高めて高性能化することが強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、光酸化による劣化や、高温下における強度や分子量等の低下を改善することによって、より優れた力学特性を備えたポリベンザゾール繊維を効率よく製造することのできる方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明は、溶媒としてポリリン酸を用い、ポリベンズオキサゾール若しくはポリベンズチアゾール、またはこれらのコポリマーから構成されるポリベンザゾール繊維を製造する方法において、下記(a)および(b)の脱溶媒処理を順次施すところに要旨を有するものである。
(a)紡糸されたフィラメントを、水、または水とポリリン酸の混合液と接触させることによって、該フィラメント中のリン原子濃度を重量で10,000 ppm以下に抑制する工程。
(b)該フィラメントを無機塩基溶液と接触させることにより、フィラメント中のリン酸の少なくとも50%を中和させる工程。
【0006】
本発明において、より優れた力学特性を得るには、ポリベンザゾール繊維中に残留する無機塩基とポリリン酸の化学量論比を、酸を1とした場合、塩基の下限を0.5 以上とすることが好ましく、より好ましくは0.75以上である。その上限として好ましいのは2 以下、より好ましくは1.5 以下である。最も好ましい上記塩基と酸の化学量論比は、1 :1 〜1.3 :1 である。
また、紡糸速度として好ましいのは50m/ 分以上、より好ましくは200 m/ 分以上である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、ライオトロピック液晶性(臨界濃度点以上で液晶ドメインを形成することができる)のポリベンザゾール、即ちポリベンズオキサゾール(PBO)若しくはポリベンゾチアゾール(PBT)のポリマー、またはこれらのコポリマーから構成されるポリベンザゾール(PBZ)を紡糸原液として使用する。本発明で使用するPBZは、下記▲1▼〜▲8▼の文献に記載されているPBO、PBT及びこれらのランダムコポリマー、シーケンシャルコポリマー、ブロックコポリマーを包含するものである。
【0008】
▲1▼Wolfe らの「Liquid Crystalline Polymer Compositions, Process, Process and Products」,U.S. Patent 4,703,103 (October 27, 1987)
▲2▼Wolfe らの「Liquid Crystalline Polymer Compositions, Process, Process and Products」,U.S. Patent 4,533,692 (August 6, 1985)
▲3▼Wolfe らの「Liquid Crystalline Poly(2,6−Benzothiazole)Compositions, Process and Products」,U.S. Patent 4,533,724 (August 6,1985 )
▲4▼Wolfe らの「Liquid Crystalline Polymer Compositions, Process, Process and Products」,U.S. Patent 4,533,693 (August 6, 1985)
▲5▼Evers 「Thermoxdatively Stable Articulated p−Benzobisoxazole p−Benzobisthiazole Polymers」,U.S. Patent 4,359,567 (November 16, 1982 )
▲6▼Tsaiらの「Method for Making Heterocyclic Block Copolymer Compositions, Process and Products 」,U.S. Patent 4,578,432 (March 25, 1986)
▲7▼11 Ency. Poly. Sci. & Eng., 「Polybenzothiazoles and Polybenzoxazoles 」, 601 (J.Wiley & Sons 1988 )
▲8▼W.W. Adamsら「The Materials Science and Engineering of Rigid−Rod Polymers 」(Materials Research Society 1989 )
【0009】
本発明に用いられるPBZは、下記の化学構造式1(a)に代表されるAB型単位、及び/または下記の化学構造式1(b)に代表されるAA/BB型単位で表すことができる。
【0010】
【化1】
Figure 0003564822
【0011】
【化2】
Figure 0003564822
【0012】
上記の各構造式中、ArおよびAr は、夫々同一または異なって、ライオトロピック液晶性のPBZの中から選択される芳香族基を表す。この芳香族基は、炭素のみで芳香環を形成していることが好ましいが、ピリジニレン基の様な少なくとも1個のヘテロ原子を有するものであってもよい。また、縮合系または非縮合系の多環式芳香族基であっても構わないが、環のうち少なくとも一個は、6員環であることが好ましい。分子量(大きさ)については特に限定されないが、炭素原子数の合計は18個以下が好ましく、より好ましくは12個以下、更により好ましくは6 個以下が推奨される。
【0013】
具体的には、上記構造式1(a)に代表されるAB型単位の場合、Arは1,3,4−フェニレン構造またはその類似体が好ましく、一方、上記構造式1(b)に代表されるAA/BB型単位の場合には、Ar は1,2,4,5−フェニレン構造またはその類似体が好ましい。
上記各式中、Zは、夫々同一または異なって、酸素原子または硫黄原子を意味する。
【0014】
また、DMは、夫々同一または異なって、直接結合、またはライオトロピック液晶性のPBZの中から選択される2価の有機基を意味する。この様な2価の有機基としては、上記芳香族基(Ar)が好ましく、特に1,4−フェニレン構造またはその類似体が推奨される。
【0015】
上記構造式1(a)及び/または1(b)における各アゾール環中の窒素原子とZは、夫々、隣接するAr(芳香族基)の炭素原子と結合し、5員環のアゾール環と芳香族基が縮合した形になっている。
【0016】
上記構造式1(b)に代表されるAA/BB型のアゾール環は、J. Wiley & Sons の文献(11 Ency. Poly. Sci. & Eng., Polybenzothiazoles and Polybenzoxazoles ,601, 1988 )に図示されているシス型またはトランス型のいずれであっても良い。
【0017】
本発明に用いられるPBZは、AB単位の繰り返し(AB−PBZタイプ)またはAA/BB単位の繰り返し(AA/BB−PBZタイプ)で構成されることが好ましく、より好ましいのは、実質的にAA/BB−PBZタイプからなるものである。ここで、上記ポリマー中のアゾール環は、Zが酸素原子であるオキサゾール環またはZが硫黄原子であるチアゾール環が好ましい。
【0018】
具体的には、本発明で用いられる繰り返し単位は、下記構造式2(a)〜2(h)で示されることが好ましく、より好ましくは2(a)〜2(f)、更により好ましくは2(a)〜2(d)である。
【0019】
【化3】
Figure 0003564822
【0020】
【化4】
Figure 0003564822
【0021】
【化5】
Figure 0003564822
【0022】
【化6】
Figure 0003564822
【0023】
【化7】
Figure 0003564822
【0024】
【化8】
Figure 0003564822
【0025】
【化9】
Figure 0003564822
【0026】
【化10】
Figure 0003564822
【0027】
本発明に用いられるPBZは、平均で25以上の繰り返し単位を有することが好ましい。より好ましくは50以上、更により好ましくは100 以上である。
この様なPBZおよび後記するドープは、下記に示す公知の手法によって合成することができる。
【0028】
▲1▼Wolfe らのU.S. Patent 4,533,693 (August 6,1985 )
▲2▼SybertらのU.S.Patent 4,772,678(September 20, 1988)
▲3▼HarrisのU.S. Patent 4,847,350 (July 11, 1989)
▲4▼Gregory のU.S. Patent 5,089,591 (February 18, 1992)
▲5▼Ledbetter らの「An Integrated Laboratory Process for Preparing RigidRod Fibers from Monomers ,The Materials Science and Engineering of Rigid−Rod Polymers の253−264 頁(Materials Research Society, 1989)」
【0029】
具体的には、上記AA/BB型モノマーまたはAB型モノマーを、非酸素雰囲気下、非酸化性且つ脱水性の酸溶媒中にて、高剪断速度で激しく攪拌させながら、約120 ℃〜190 ℃の範囲をステップワイズ法またはランプ制御法にて昇温させながら反応させることによって合成する。
【0030】
上記PBZのうちAA/BB−PBZタイプからなる剛直鎖の極限粘度数は、メタンスルホン酸(25℃)の測定下にて10 dl/g 以上が好ましく、より好ましくは15dl/g以上、更により好ましくは20dl/g以上である。尚、緊張材等の補強用途に使用する場合には、極限粘度数は25〜30dl/g以上とすることが推奨される。但し、その上限は60dl/gを超えないことが好ましく、より好ましくは40dl/g以下である。また、半剛直鎖のAB−PBZの場合には、極限粘度数は5dl/g 以上が好ましく、より好ましくは10dl/g以上、更により好ましくは15dl/g以上である。
上記PBZのポリリン酸溶液をドープとする。
【0031】
上記ドープ濃度は、引き続き施される紡糸工程による引き伸ばし、及び凝固工程によるフィラメントの形成を行うのに十分な濃度であることが好ましく、より好ましくはライオトロピック液晶相を形成するのに十分な濃度であることが推奨される。具体的には、7 重量%(以下、特に明記しない限り、「%」は重量%を意味するものとする)以上が好ましく、より好ましくは10%以上、更により好ましくは14%以上である。ドープ濃度の上限は、主に、PBZの溶解性やドープ粘度等によって決定されるが、実用上30%を超えることは殆どなく、通常は20%以下である。
【0032】
この様にして得られたドープを、紡糸口金から押出してフィラメントとした後、紡糸口金と凝固ゾーンの間の空隙で引き伸ばす。この工程は、通常エアギャップと呼ばれるが、用語通り必ずしもエア(空気)を必要とする訳ではなく、ドープを凝固させず且つ不都合な反応が生じないものであればよく、エアの他、窒素、空気、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等も含み得る。紡糸方法としては、例えばUSP 5,034,250 に記載の方法が用いられる。なお、紡糸口金には、複数の孔が設けられていることが好ましく、その孔数は特に限定されないが、経済的観点から言えば、孔数をできるだけ多くするのが良い。具体的には、紡糸口金1個当たりの孔数は100 〜1,000 程度であるが、それ以上であっても構わない。また、孔の配列の仕方は、円周状または格子状の他、好ましい配列を適宜選択することができる。紡糸口金は、ドープで分解され難い材質で構成されることが好ましく、例えば、耐薬品性に優れたステンレス鋼等の金属やセラミックス等が用いられる。
【0033】
上記エアギャップにおけるスピンドロー比(紡糸の引取速度と紡孔中の平均流速との比)は、好ましくは20以上、より好ましくは40以上、更により好ましくは50以上であり、最も好ましくは60以上である。紡孔(紡糸口金の孔)の壁面での剪断速度(/s)は1,800 〜6,500 が好ましい。エアギャップでは、所望の太さのPBZ繊維(以下、単に繊維と略記する)が得られるる様、引き伸ばしを十分行う必要がある。
【0034】
また、生産性向上の観点から、紡糸速度は50m/ 分以上が好ましく、より好ましくは200 m/ 分以上、更に好ましくは400 m/ 分以上である。或いは、800 m/ 分またはそれ以上の速度で紡糸することも可能である。
【0035】
次に、本発明における第1の工程(a)に入る。
まず、工程(a)では、上記ドープフィラメントを、水、または水とポリリン酸の混合液(洗浄液と呼ぶことがある)と接触させる。これによって、ドープフィラメント中のポリリン酸濃度の低下とポリマー濃度の増大が起こり、凝固が進行する。一旦、凝固したフィラメントは伸展性がほとんどなく、引き伸ばすことはできない。尚、この工程(a)に入る前には、ドープフィラメントが流動しない低い温度まで冷却されていることが好ましい。この凝固工程にて水洗・除去される溶媒の量は、凝固浴中の浸漬時間、凝固液温度および凝固液濃度に依存する。例えば、凝固液として温度23℃、20%リン酸を用い、該液に1秒間浸漬する場合には、フィラメント中の70%以上の溶媒を除去することができる。
【0036】
本発明の工程(a)では、上記フィラメントを洗浄液と接触させることによって、フィラメント中のリン濃度を10,000 ppm以下に減少させる必要がある。好ましくは8,000 ppm 以下、更に好ましくは6,000 ppm 以下、最も好ましくは4,000 ppm 以下である。フィラメント中の乾燥後の残留リン濃度は、Kevex 770 XRF や、Philips Electronic Instruments社製の測定装置(蛍光X線装置)等を用い、E. P. Bertinの方法(Principles and Practice of X−ray Spectrometric Analysis−Second Ed., Plenum Press, 1984)に準じて測定することができる。
【0037】
また、所望のレベルまでリン濃度を減少させる方法としては、上記洗浄液を含む1個の洗浄装置に1回浸漬する一段処理も可能であるが、好ましいのは、該フィラメントを、複数の洗浄浴または洗浄ボックス(以下、洗浄浴で代表させる場合がある)中に連続して浸漬する多段処理である。具体的には、フィラメントを洗浄液中に浸漬して凝固させた後、後方の洗浄浴に向かうにつれて濃度が順次低くなる様に設定した複数の洗浄浴からなる洗浄ラインにて連続的に水洗することが好ましい。最初の洗浄浴の濃度は、抽出速度の観点から40%以下にすることが好ましい。一方、洗浄液の使用量を極力減らすことを考慮すれば、0.2%以上のリン酸液とすることが好ましい。この様にして、フィラメント中のリン濃度を徐々に段階的に減少させることによって、経済効率の高い水洗プロセスにすることができる。
【0038】
洗浄ボックスを用いてフィラメントを洗浄するには、例えば液が飛び出さない閉塞構造からなるボックス中に1個以上のローラーを設置し、該ローラーにネルソン掛けした糸条に対して、スプレーノズルから洗浄液を吹き付ける等の方法が挙げられる。この様な洗浄ボックスでは、洗浄液は洗浄ボックスの底部に集められ、そこから連続的に排出される。
【0039】
尚、フィラメントの表面は、工程(a)の間は乾燥することのない様、ウエット状に保つことが好ましい。フィラメントの表面は比較的多孔性であるので、この孔が通り道になり、フィラメント内部からも、残留するリンを洗浄することができるからである。フィラメントが乾燥してしまうと、その孔が閉塞し、再度湿潤させたとしても元に戻らず、残留するリンを洗い出すことができなくなる。
【0040】
洗浄浴の温度は10℃以上が好ましく、より好ましくは25℃以上である。但し、その上限は50℃を超えないことが好ましく、より好ましくは40℃以下である。力学特性が優れた繊維を製造することを目的として、洗浄浴中へのフィラメント浸漬時間は、1秒間以上が好ましく、より好ましくは5秒間以上である。また、洗浄液としてポリリン酸を使用する場合、洗浄浴中の酸濃度は0.5 %以上が好ましく、より好ましくは20%である。但し、その上限は40%を超えないことが好ましく、より好ましくは25%以下である。上述した連続洗浄処理を行う場合には、実用上、浴温度を低くし且つ溶媒濃度を高くすることが好ましく、その結果、溶媒をできるだけゆっくり除去することができる。
【0041】
洗浄液の温度は25℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上である。但し、その上限は120 ℃を超えないことが好ましく、より好ましくは100 ℃以下である。この洗浄液は、通常、溶液状態にて使用するが、蒸気状態(スチーム)にて使用することも可能である。
【0042】
洗浄工程における水洗時間は、フィラメント中に残留するリン濃度によって決定されるが、通常、合計して180 〜300 秒間の範囲内である。そのうち、前記工程(a)における洗浄時間は200 秒を超えないことが好ましく、より好ましくは160 秒以下である。
【0043】
紡糸から連続して凝固・洗浄工程を行うに当たっては、ライン速度を高くし且つ少ない水洗回数にて実施することが好ましいが、良好な力学特性を備えた繊維を得るには、できるだけゆっくりと脱溶媒する方が好ましいと考えられている。従って、実用レベルの範囲にて、できるだけ時間をかけて凝固・水洗することが推奨される。
【0044】
この様にして得られたフィラメントは、製造工程上の任意の段階でマルチフィラメントに収束させることができるが、収束時期として好ましいのは、上記工程(a)の直前またはその間である。尚、本明細書において「フィラメント」とは、上記マルチフィラメントも包含するものである。
【0045】
フィラメントには、少なくとも水洗工程中、張力が加わった状態にすることが好ましい。とりわけ、フィラメントと接触する洗浄液の温度が高いときは、凝固から水洗に至る工程を通じて張力がかかっていることが好ましい。この張力の強さは、フィラメントの収縮やポリベンザゾール分子鎖の緩和を防ぐことができる程度に強くすることが好ましい。
【0046】
次に、本発明における第2の工程(b)に入る。
本発明では、前述した如く工程(b)に入る前に予めリン濃度が制御されたフィラメントを無機塩基溶液と接触させる(以後、中和処理と呼ぶ)ことによって、フィラメント中のリン酸の少なくとも50%以上を塩に変換することが必要である。好ましくは75%以上、より好ましくは95%以上である。繊維中に残留する酸基の割合は、核磁気共鳴スペクトル法やフーリエ変換赤外吸収スペクトル法等によって測定することができる。
【0047】
この工程は、単回操作から構成されていても良いし、或いは中和処理の前に、複数の洗浄浴や洗浄ボックスにて浸漬し、予め、リン濃度を好ましいレベルまで下げてから実施することも可能である。好ましくは、この中和処理は、1台の水洗ボックスにて実施することが推奨される。
上記中和処理に用いられるアルカリ溶液として好ましいのは、水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等である。
【0048】
上記アルカリ溶液の濃度は0.2 %以上が好ましく、より好ましくは0.4 %である。また、その上限は1.2 %以下が好ましく、より好ましくは0.8 %以下である。中和処理の時間は、使用するアルカリ溶液の濃度に依存し、低濃度の場合には、処理時間がやや長くなるが、概して約120 秒以下とすることが好ましく、より好ましくは60秒以下である。
【0049】
中和処理時間は、アルカリ水溶液のpHによっても変動し、pHが高い場合には処理時間は短く、pHが低い場合には処理時間が長くなる。好ましいpHの範囲は10〜14、より好ましくは11〜12である。
【0050】
上記中和処理後においても繊維中に残留する過剰な塩基は、繊維の強度を低下させるものであり、特に、熱処理後にその傾向が顕著に見られる。従って、繊維中に残留する酸と塩基の化学量論比によって、アルカリ溶液の濃度、中和処理の時間および中和処理後に残留する余剰アルカリ溶液の水洗条件が適宜決定される。上記塩基と酸の化学量論比は、酸を1とした場合、塩基を0.5 以上にすることが好ましく、より好ましくは0.75以上である。また、その上限については2 以下が好ましく、より好ましくは1.5 以下である。繊維中に残留する酸と塩基の最も好ましい化学量論比は1 :1 〜1.3 :1 であり、ポリリン酸の分解後の状態も含めて、全ての酸基が中和されていることが推奨される。繊維中の酸と塩基の化学量論比を測定するには、例えば中和後の繊維中のリンと共役酸の比を測定する方法の他、アルカリ溶液としてNaOHを使用する場合には繊維中のP:Naの比を中性子活性化分析法等によって確認することができる。
【0051】
上記中和処理に引き続き、余剰のアルカリ溶液を洗浄するのであるが、少なくとも1秒間以上水洗することにより、その大部分を洗浄することが好ましい。この水洗時間は、繊維束または繊維中に含まれるアルカリ量に依存し、残留するアルカリ量が多くなればなる程、水洗時間も長くする必要がある。
【0052】
水洗後は、繊維を乾燥した後、そのまま巻取っても良いし、或いは熱処理を行なってから巻取ることもできる。その方法としては、例えばU.S. Patent 5,296,185 に記載の方法を適用することができる。
【0053】
本発明の製造方法は、紡糸から連続的に処理することが好ましいが、バッチ処理で実施することも可能である。
この様にして得られたPBZを含むマルチフィラメントヤーンは、ロープ、ケーブル、繊維強化プラスチック、防刃用布帛等に好適に利用することができる。
【0054】
【実施例】
以下実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。尚、特に明記しない限り、「%」は重量%を意味する。
【0055】
実施例1〜5および比較例1〜5
極限粘度数30〜34dl/g(メタンスルホン酸にて23℃で測定)のシス−PBZを14%溶解したポリリン酸(Eastman Kodak Company 製の「PPA」)溶液を、165 ℃に保たれた紡糸口金(42ホール,孔径0.18mm)より押出してフィラメントとした後、凝固浴中に浸漬してマルチフィラメントヤーンとした。その際、紡糸口金と凝固浴表面との間をガラスチューブで覆い、これらの間で気流が発生するのを抑制した。紡糸口金壁面の剪断速度は約3,500/秒であり、スピンドロー比約40にて紡糸速度200 m/ 分で巻取った。この様にして巻取ったフィラメントの単糸デニールは1.5dpf(denier/filament )であり、その直径は11.5μmであった。
【0056】
次に、このフィラメントを、約20%リン酸水溶液を含む洗浄浴中に浸漬し凝固させた。洗浄浴中への浸漬時間は約0.5 秒、該洗浄浴温度は約10℃であった。次に、凝固した繊維をオフラインで水洗(液温23℃)するが、実施例では、水,0.05%の苛性ソーダ水溶液,水の3段階で順次水洗・中和・水洗するのに対し、比較例では水のみで水洗した。但し、いずれもトータルの水洗時間は同である。
【0057】
この様にして中和または水洗処理した繊維を、窒素雰囲気下にて常温で48時間乾燥し、乾燥後の試料とした。また、乾燥後の試料の一部を用い、窒素充満下にて600 ℃に調整した電気炉の中を2秒間かけて通過させることにより、熱処理後の試料を得た。尚、熱処理の際には、3.5g/dの一定張力がかかるようにした。
【0058】
繊維中の残留リン量は、試料をペレット状に固めて蛍光X線測定装置(フィリップスPW1404/DY685)を用いて測定し、Na濃度は中性子活性化分析法で測定した。また、繊維の引張試験、強度保持率(Tensile Strength Retention:TSR)および極限粘度数については、熱処理の前後にて下記の要領にて測定した。
繊維の引張試験は、ASTM−D−885M に準拠して行った。
【0059】
強度保持率は、キセノンランプ照射前の引張強度に対する該照射後の引張強度の比を百分率(%)で表した。具体的には、「Atlas Model Ci65A 」のウェザーオーメーターを用い、765 ワット/mm、300 〜800 nmの波長域にて100 時間照射を施した。引張強度の測定は、Instron 4201万能試験機を用いるASTM D−2101 法に準じて行った。即ち、10ポンドのロードセルを用い、糸長10インチ、クロスヘッド速度1 インチ/ 分にて42フィラメントのヤーンを撚り係数6 で測定した。試験は、1個の試料につき10回繰り返し行い、その平均値を算出した。
極限粘度数はメタンスルホン酸に溶解した後23℃で測定した。
この様にして得られた結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003564822
【0061】
尚、同じ番号の付与された実施例と比較例は、同一の紡糸した巻取りパッケージを試料として用いたものである。また、表中の「A−S」(As−Spun )とは乾燥後の試料を、「H−T」(Heat−Treated)とは熱処理後の試料を夫々表す。
【0062】
表の結果から明らかな様に、苛性ソーダによる中和処理を施してフィラメント中のリン酸の少なくとも50%以上を中和することにより、熱処理による強度保持率および極限粘度数の低下を極力抑えることができると共に、耐候性の大幅な向上が認められた。
【0063】
実施例6〜8
実施例1と同じ紡糸条件にて単糸デニール1.5dpf,42フィラメントからなる試料を得た。次いで凝固(1秒)、水洗(10分)処理した後、引き続き表2に記載のアルカリ溶液中に10分間浸漬した。尚、実施例7では中和処理に引き続き、常温で24時間の水洗処理を行った。各実施例において、乾燥後と熱処理後の各試料を用い、実施例1と同様にして、強度、極限粘度数、繊維中の残留P濃度およびNa濃度を測定すると共に、ASTM−D−885M に準拠して弾性率を測定した。
【0064】
尚、強度および弾性率の単位は、実施例1におけるg/d 単位ではなく、GPa 単位にて表した。g/d からGPa への換算は、下記の様にして行った。
1(g/d )=[密度]×0.0883(Gpa )
尚、密度は、A−Sの場合には1.54g/cm 、H−Tの場合には1.56g/cm を夫々用いた。その結果を表2および表3に示す。
【0065】
【表2】
Figure 0003564822
【0066】
【表3】
Figure 0003564822
【0067】
これらの表から明らかな様に、実施例7の如く中和処理後に更に水洗し、中和処理前のリン濃度をできるだけ少なくすることによって、繊維中に残留するリン濃度を大幅に減少させることができ、その結果、熱処理による強度の低下を格段に抑えることができる。
【0068】
実施例9〜12および比較例6〜8
ノズルの孔数を166 および紡糸速度を100 m/ 分としたこと以外は実施例1と同様の紡糸条件にて、単糸デニール1.5dpfの紡糸を行った。次いで、各試料を、表4に示すリン濃度になるまで十分水洗した後、実施例9〜12では、0.1 Nの苛性ソーダ液に約5分間浸漬した。比較例6〜8では、この中和処理を行わなかった。その後、窒素雰囲気下にて常温で乾燥し、乾燥後の試料を得た。更に、その試料の一部を545 ℃の水蒸気雰囲気中にて張力5.5 g/dで熱処理し、熱処理後の試料を得た。これらの試料について、実施例6と同様にして強度、弾性率および極限粘度数を測定した。その結果を表4に併記する。
【0069】
【表4】
Figure 0003564822
【0070】
表4から明らかな様に、本発明法を採用することによって、初期強度の改善のみならず、熱処理時の耐加水分解性も改善され、熱処理後においても、優れた強度や極限粘度数が得られることが分かる。
【0071】
実施例13〜16および比較例9、10
本実験にて採用した処理法を表5に示す。具体的には、孔数166 、孔径0.18mmのノズルからPBOドープ(濃度14%)を押出した後、該ノズルから23mm下方の無風帯(保温筒長23 mm )に設けられたクエンチ(長さ200mm ,温度70℃,風速0.50 m/s)中にて均一に冷却を行った。次いで、ノズルから450 mm下方に設けられた洗浄浴に浸漬し、水洗処理を2回に分けて行った(第1水洗および第2水洗)後、実施例13〜16では、約0.04%、0.44%、0.8 %および1.2 %の中和槽にて約20秒間水洗し(第3水洗)、引き続き水で20秒間水洗した(第4水洗)。この間、張力を約2.6g/dに保った。この様にして巻取られた試料を、更に水中で静置して十分水洗した後、窒素雰囲気下、25℃にて乾燥した。尚、熱処理後の試料については、上記の水洗工程を経た繊維を、直接巻取らずに加熱ロール上で乾燥した後に巻取り、実施例9〜12と同様に熱処理した。また、比較例9については、第3水洗にて中和処理を行わないこと以外は実施例13〜16と同様に処理した。比較例10は、第2水洗を行わずにリン酸で約20秒間処理したこと以外は比較例9と同様に処理した。この様にして得られた各試料について、繊維中に残留するリンとナトリウムの量(表中、P濃度およびNa濃度)およびNa/Pのモル比、並びに極限粘度数(IVf )を実施例1と同様にして測定すると共に、弾性率および強度については、実施例6と同様にして測定した。更に、ASTM−D−885M に準じて伸度を測定した。得られた結果を表6に示す。
【0072】
【表5】
Figure 0003564822
【0073】
【表6】
Figure 0003564822
【0074】
これらの結果から以下の様に考察することができる。
実施例13〜16は、中和処理に用いたアルカリ溶液の濃度を順次高くした例であるが、いずれも中和処理後に水洗処理を行っているので、所望のレベルにまで、リン濃度を低減することができ、得られる繊維の諸特性も非常に良好である。
これに対して、中和処理を行わない比較例9は、熱処理後の力学特性が非常に悪くなる。
また、比較例10は、中和処理前のリン濃度が10,000ppm を超える例であり、その結果、繊維の力学特性が非常に悪くなる。
【0075】
実施例17および18
本実施例は、繊維の物性に及ぼす紡糸速度の影響を調べたものであり、その処理方法は、表7に示す通りである。
即ち、孔数166 、孔径0.20 mm のノズルからPBOドープ(14%)を押出した後、該ノズルから35 mm 下方の無風帯(保温筒長590mm )に設けられたクエンチ(長さ400mm )中にて均一に冷却を行った。次に、ノズルから590 mm下方に設けられた洗浄浴中に浸漬し、水洗を3回に分けて行った(第1水洗、第2水洗および第3水洗)。引き続き中和処理(第4水洗)を行った後、更に水洗(第5水洗)し、220 ℃の加熱オーブン中にてローラーに3 分間(実施例18では4 分間)通して巻取った。尚、乾燥ローラーの出口における繊維の水分率は約1.5 %であった。
【0076】
この様にして得られた繊維について、残留するリンとナトリウムの量(表中、P濃度およびNa濃度)およびNa/Pのモル比、並びに極限粘度数(IVf )を実施例1と同様にして測定すると共に、実施例13と同様にして弾性率、強度および伸度を測定した。その結果を表8に示す。
【0077】
【表7】
Figure 0003564822
【0078】
【表8】
Figure 0003564822
【0079】
表の結果から明らかな様に、実施例18の如く紡糸速度を600 m/ 分まで高めても、オンラインでの中和処理が可能であり、熱処理後の強度は良好であった。
【0080】
【発明の効果】
本発明は上記の様に構成されているので、熱処理による強度や極限粘度数等の低下を極力抑えることができると共に、耐加水分解性や耐候性等を著しく向上することができる。その結果、従来に比べて、より優れた力学特性を有するポリベンザゾール繊維を効率よく製造できることができた。

Claims (4)

  1. 溶媒としてポリリン酸を用い、ポリベンズオキサゾール若しくはポリベンズチアゾール、またはこれらのコポリマーから構成されるポリベンザゾール繊維を製造する方法において、下記(a)および(b)の脱溶媒処理を順次施すことを特徴とするポリベンザゾール繊維の製造方法。
    (a)紡糸されたフィラメントを、水、または水とポリリン酸の混合液と接触させることによって、該フィラメント中のリン原子濃度を重量で10,000 ppm以下に抑制する工程。
    (b)該フィラメントを無機塩基溶液と接触させることにより、フィラメント中のリン酸の少なくとも50%を中和させる工程。
  2. ポリベンザゾール繊維中に残留する無機塩基とポリリン酸の化学量論比が0.5 以上:1 である請求項1に記載の製造方法。
  3. 紡糸速度が50m/ 分以上である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 紡糸速度が200 m/ 分以上である請求項3に記載の製造方法。
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