JP3564553B2 - 床暖房装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式床暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の空気調和機では、室外機内に収納される圧縮機、室外熱交換器、四路切換弁および室内機内に収納される室内熱交換器により冷媒回路を構成している。四路切換弁を切り換えて、室外熱交換器が凝縮器として機能し、室内熱交換器が蒸発器として機能するように制御した場合には、冷房運転を行うことができる。また、四路切換弁を切り換えて、室外熱交換器が蒸発器として機能し、室内熱交換器が凝縮器として機能するように制御した場合には、暖房運転を行うことが可能となる。
【0003】
外管の内部に内管が挿入され、内管内を通過する液体やガスと、外管と内管との間を通過する液体やガスとの間で熱交換を行ういわゆる二重管熱交換器が知られている。このような二重管熱交換器の一方の経路に水を導入し、他方の経路に冷媒を導入して熱交換させ、熱交換後の温水を室内の床に設置された温水配管内に循環させることによって床暖房が可能となる。この場合、室外機の圧縮機、室外熱交換器などから冷媒回路を分岐して二重管熱交換器に接続し、二重管熱交換器が冷媒の凝縮器として機能するように制御することで床暖房を行うことが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
二重管熱交換器、温水配管を含む温水回路には、経路内の水を循環させるための循環ポンプと、経路内の水が温度差によって膨張する体積分を吸収するための膨張タンクが設けられる。この膨張タンクには、設置時における給水や蒸発などによって減少した水の補給を行うために、上面に給水口が設けられる場合が多い。
【0005】
また、膨張タンクは、二重管熱交換器や各部を制御するための制御回路を含む電装品とともに床暖房ユニットケーシング内に収納されている。したがって、膨張タンクの上面に設けられた給水口から給水を行う時に、給水口周辺にこぼれた水が他の部品を濡らしてしまうおそれがある。特に、制御回路などを搭載したプリント基板を含む電装品が侵水した場合には、制御回路が正常に動作しなくなる。
【0006】
本発明は、床暖房装置の膨張タンクを介して温水回路に給水する場合に、簡単な構造で他の部品の侵水を防止できる構成を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る床暖房装置は、床に配設される温水配管と、経路内を循環する水を加熱するための熱交換器と、経路内の水が温度差によって膨張する体積分を吸収するための膨張タンクと、経路内の水を循環させるための循環ポンプとを備える温水回路と、熱交換器、膨張タンク、循環ポンプを収納するケーシングと、を含む床暖房装置であって、膨張タンクは、上部から水の補給が可能な給水口と、給水口の周辺の所定位置を除いてケーシングの天板に近接する高さまで立設され、給水口の周辺にこぼれた水を所定位置に案内する侵水規制リブとを備える。
【0008】
この場合、侵水規制リブが設けられていない所定位置を、他の部品が配置されていない方向に設定することによって、膨張タンクへの給水時に給水口周辺にこぼれた水による他の部品の侵水を防止することができる。
本発明の請求項2に係る床暖房装置は、請求項1に記載の床暖房装置であって、膨張タンクは、各部の制御を行うための制御回路を含む電装品、熱交換器、循環ポンプなどとともに床暖房ユニットケーシング内に収納され、侵水規制リブは、給水口から電装品に対して遠ざかる位置を除いて設けられていることを特徴としている。
【0009】
この場合、侵水規制リブが給水口から電装品に対して遠ざかる位置を除いて設けられており、電装品の侵水を防止することができる。
本発明の請求項3に記載の床暖房装置は、請求項1または2に記載の床暖房装置であって、熱交換器は、水が通過する通水経路と、冷媒が通過する冷媒経路とを備える多重管熱交換器であり、多重管熱交換器の冷媒経路とともに冷媒回路を構成する圧縮機および室外熱交換器とをさらに有している。
【0010】
この場合には、圧縮機、室外熱交換器を備える空気調和機の冷媒回路を分岐させて、多重管熱交換器の冷媒経路に冷媒を導入し、温水回路内の水を加熱することが可能となる。
本発明の請求項4に記載の床暖房装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の床暖房装置であって、ケーシングは、膨張タンクの給水口に対応する位置に給水用開口を備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔全体構成〕
本発明の1実施形態が採用される床暖房装置の全体構成を図1に示す。
この装置は、空気調和機の冷媒回路を分岐して冷媒回路内の冷媒を利用して床暖房を行うものである。空気調和機は、通常のセパレートタイプのものが用いられ、屋外に設置される室外空調ユニット100と、室内に設置される室内空調ユニット300とを備えている。室内空調ユニット300は、図示したように、天井埋込カセット型の室内空調ユニット301、壁掛け型の室内空調ユニット302などを採用することができる。室内空調ユニット300は、この他にもビルトインタイプのものを用いることが可能であり、複数の室内空調ユニットを接続してマルチタイプに構成することも可能である。室外空調ユニット100内に収納されている圧縮機や室外熱交換器と、室内空調ユニット300内に収納されている室内熱交換器とが、冷媒配管150によって接続されることによって空調を行うための第1冷媒回路が構成されている。
【0012】
室外空調ユニット100の上部には、床暖房ユニット200が設置されている。床暖房ユニット200は、冷媒と水との間で熱交換を行うための熱交換器を備えており、前述した第1冷媒回路から分岐された冷媒配管がこの熱交換器に接続されて、床暖房のための第2冷媒回路を構成している。
室内の床には、たとえば、表面をフローリング仕上げ402とした床暖房パネル400が設けられている。この床暖房パネル400の内部には、温水を循環させるための温水配管401が配設されている。この温水配管401は、温水パイプ250によって床暖房ユニット200内の熱交換器と接続され、温水回路を構成する。
【0013】
〔冷媒回路〕
この実施形態における冷媒回路を図2に示す。
室外空調ユニット100には、圧縮機101と、圧縮機101の吐出側に接続される四路切換弁102と、圧縮機101の吸入側に接続されるアキュムレータ103と、四路切換弁102に接続された室外熱交換器104と、室外熱交換器104の出口側に接続される液分岐管107と、四路切換弁102に接続されるガス分岐管108と、液分岐管107に接続される電動膨張弁などで構成される減圧器109,110と、液閉鎖弁111,112と、ガス閉鎖弁113,114などを備えている。
【0014】
また、室外空調ユニット100には、室外熱交換器104の内部を通過する冷媒との間で熱交換を行うために、室外空気を取り入れて熱交換後の空気を排出する室外ファン115と、この室外ファン115を駆動するための室外ファンモータ116とを備えている。
室内空調ユニット300には、室内熱交換器303と、室内空気を吸い込んで室内熱交換器303との間で熱交換を行った後の空気を室内に排出するための室内ファン304と、室内ファン304を駆動するための室内ファンモータ305と、液管接続ポート306と、ガス管接続ポート307とが設けられている。
【0015】
室外空調ユニット100の液閉鎖弁112、ガス閉鎖弁114が、それぞれ冷媒配管150を介して、室内空調ユニット300の液管接続ポート306、ガス管接続ポート307に接続されることにより、空調用の第1冷媒回路を構成している。
床暖房ユニット200には、二重管熱交換器201と、液管接続ポート202と、ガス管接続ポート203とを備えている。
【0016】
二重管熱交換器201は、図5に示すように、外管501の内部に内管502を挿入した二重管500で構成されている。内管502の外表面は、鋸歯状の多数のフィン503を立設し、内管502の内外における熱交換効率を高めるように構成されている。この二重管500の内管502内部を水が通過する温水経路504とし、内管502と外管501との間を冷媒が通過する冷媒経路505とすることにより、冷媒と水との間で熱交換して通過する水を加熱することが可能となる。
【0017】
床暖房ユニット200内に収納するために、二重管500の長さ方向両端で屈曲し、螺旋状に重合して平面視長円形に沿った形状に構成した二重管熱交換器201を図6に示す。
この二重管熱交換器201は、中間部に位置する熱交換器本体部511と、内管の一端から引き出された水出口配管部512と、内管の他端から引き出された水入口配管部513と、外管の一端から引き出された液配管部514と、外管の他端から引き出されたガス配管部515とを備えている。
【0018】
図2において、二重管熱交換器201の液配管部514が液管接続ポート202に接続され、ガス配管部515がガス管接続ポート203に接続される。また、室外空調ユニット100の液閉鎖弁111、ガス閉鎖弁113が、それぞれ床暖房ユニット200の液管接続ポート202、ガス管接続ポート203に接続されることにより、床暖房用の第2冷媒回路を構成している。
【0019】
〔温水回路〕
この実施形態における温水回路を図3に示す。
床暖房ユニット200内には、二重管熱交換器201と、二重管熱交換器201の水出口配管部512に接続される膨張タンク210と、経路内に水を循環させる循環ポンプ211と、水の出口経路を分岐させる往きヘッダー212と、分岐経路毎に回路を閉鎖する温水閉鎖弁213と、分岐経路毎に設けられる出口ポート214と、分岐経路毎に設けられる入口ポート215と、入口ポート215と二重管熱交換器201の水入口配管部513の間に接続される戻りヘッダー216とを備えている。
【0020】
床暖房ユニット200の出口ポート214および入口ポート215は、それぞれ温水パイプ250を介して床暖房パネル400の温水配管401に接続されており、これらにより温水回路が形成されている。
循環ポンプ211によってこの温水回路内の水を循環させるとともに、第2冷媒回路内の冷媒を循環させる。このとき、室内空調ユニット100内の四路切換弁102(図2参照)を図点線位置となるように制御して、高温ガス冷媒を二重管熱交換器201に供給する。このことにより、二重管熱交換器201の温水経路504(図5参照)を通過する水が、冷媒経路505内を通過する高温ガス冷媒によって加熱されることとなる。加熱された温水は、出口ポート214、温水パイプ250を介して床暖房パネル400の温水配管401に供給されることとなる。
【0021】
〔床暖房ユニット〕
床暖房ユニット200の概略構成を示す分解斜視図を図4に示す。
床暖房ユニット200は、底板と側面板の一部が一体化されてなる底フレーム221と、配管カバー223と、天板224などからなるケーシング225を有している。このケーシング225の内部には、二重管熱交換器201、膨張タンク210、循環ポンプ211、往きヘッダー212、戻りヘッダー216などの温水回路部品が収納されている。
【0022】
膨張タンク210の上面には、施工時の温水回路への給水や水の補給を行うための給水口226が設けられており、この給水口226を閉塞するためのタンクキャップ227が取り付けられる。天板224には、膨張タンク210の給水口226に対応する位置に給水用開口228が設けられており、この給水用開口228を閉塞するための給水口蓋229が取り付けられる。
【0023】
循環ポンプ211は、底フレーム221に取り付けられて固定されている。
また、床暖房ユニット200の各部を制御する制御回路を搭載したプリント基板を含む電装品を収納する電装品箱231が底フレーム221内部に取り付けられる。電装品箱231は、上面に防滴板232が取り付けられることによって、外部からの水の侵入を防止するように構成される。
【0024】
二重管熱交換器201は、下部断熱部材241および上部断熱部材242からなる断熱材組立体によって覆われており、周辺と断熱されている。この断熱材組立体の構造について次に説明する。
〔断熱材組立体〕
二重管熱交換器201に取り付けられる断熱材の構造を図7の断面図に示す。
【0025】
断熱材組立体240は、下部断熱部材241と上部断熱部材242とから構成されている。
下部断熱部材241と上部断熱部材242は、二重管熱交換器201の形状に沿った長円ドーナツ形状に形成されており、それぞれ二重管熱交換器201を収納するための収納用凹所243,244が形成されている。また、下部断熱部材241および上部断熱部材242接合面には、それぞれ嵌合用段部245,246が形成されており、この嵌合用段部245,246を嵌合することによって、下部断熱部材241の収納用凹所243および上部断熱部材242の収納用凹所244によって形成される二重管熱交換器201の収納空間247を密閉状態とすることが可能となっている。
【0026】
下部断熱部材241と上部断熱部材242とは、それぞれ耐熱性および断熱性の高い合成樹脂の成型品で構成することが可能であり、たとえば耐熱性発泡ポリプロピレンの成型品で構成できる。
二重管熱交換器201をこのような断熱材組立体240で構成することにより、長円形状に沿って形成された二重管熱交換器201であっても周囲を包囲して断熱性を維持することが可能であり、二重管熱交換器201の熱交換効率を高く維持することが可能となる。
【0027】
また、断熱材組立体240は、下部断熱部材241の嵌合用段部245と上部断熱部材242の嵌合用段部246を嵌合することによって組み立てることが容易であり、製作時の組立作業が簡単になる。また、断熱材組立体240の取付は接着剤を用いないため、容易に取り外すことができ、メンテナンス作業が容易になるとともにリサイクルが可能となる。
【0028】
さらに、合成樹脂の成型品によって断熱材組立体240を作成する場合、二重管熱交換器201の形状に対応して任意の形状にすることが可能である。また、断熱材組立体240の内部に収納する二重管熱交換器201には、高温ガス冷媒が通過するが、耐熱性発泡ポリプロピレンの成型品により断熱材組立体240を構成する場合には、この高温ガス冷媒の温度に対しても劣化することがなく、加熱による寸法変化も著しく小さいため、熱変形による内部部品への影響を極力小さくすることができる。
【0029】
この実施形態では、上下に分割可能な断熱材組立体240を示しているが、左右方向に分割されたもの、前後方向に分割されたもの、3以上のピースに分割可能なものなどの様々な形態を取り得る。
〔膨張タンク〕
膨張タンク210は、温水回路内の水が温度差によって膨張する体積分を吸収するためのものであり、施工時の給水および水補給の際の給水部を兼ねている。この膨張タンク210の構成を図8,図9に示す。図8は、膨張タンク210の平面図、図9はその右側面図である。
【0030】
膨張タンク210は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの合成樹脂で構成される略直方体形状のケーシング251を有している。ケーシング251は、成型品である上部ケーシング252と下部ケーシング253とを熱溶着または超音波溶着によって一体化することで構成することができる。
ケーシング251の上面には、給水のための給水口226が設けられている。給水口226は、給水のためのホースが挿入可能な大きさおよび形状となっており、異物が温水回路に混入することを防止するためのフィルタを備える構成とすることができる。フィルタは、たとえば、不織布や化学繊維などで袋状の集塵ネットを構成し、これを給水口に取り付けることができる。
【0031】
このような床暖房装置は、新築時に施工される場合が多く、新築現場に設置されている水道から給水した場合には、温水回路内に砂や水道パイプの切りくず、その他のゴミが水と一緒に混入するおそれがある。給水口226にフィルタを設けた場合には、このような異物が温水回路内に混入することを防止でき、循環ポンプ211や温水閉鎖弁213などを損傷することがなくなる。このようなフィルタは、施工時の給水にのみ使用するように使い捨てのものを用いることができる。この場合、施工後にこのフィルタを取り外すことができるように、粘着剤などで給水口226に貼り付ける構成とすることができる。
【0032】
ケーシング251の側面には、温水回路内を循環する水をケーシング251内に導入する流入口254と、ケーシング251内の水を排出する流出口255とが設けられている。図3に示すように、膨張タンク210の流入口254は二重管熱交換器201の水出口配管部512に接続され、流出口255は循環ポンプ211の吸入側に接続される。
【0033】
〈侵水規制リブ〉
膨張タンク251の給水口226周辺にこぼれた水によって、電装品などの他の部品が侵水しないように、給水口226周辺に侵水規制リブ256が立設されている。侵水規制リブ256は、給水口226の図8左方向に位置する開放部257を除いて給水口226を取り囲むように設けられており、給水口226の周辺にこぼれた水を開放部257を介して外方に案内するように構成される。
【0034】
図10に示すように、膨張タンク210は、底フレーム221、天板224などを備えるケーシング内であって、少なくとも電装品箱231から遠ざかる方向に開放部257が位置するように収納される。このとき、膨張タンク210の給水口226に対応する位置となるように、天板224の給水用開口228が設けられている。
【0035】
天板224の給水用開口228には給水口蓋229が取り付けられ、膨張タンク210の給水口226にはタンクキャップ227が取り付けられて温水回路が密閉状態に維持される。
膨張タンク210に給水する場合には、天板224に取り付けられている給水口蓋229を外し、さらに給水口226に取り付けられているタンクキャップ227を外して、水道に接続されたホース先端を給水口226に挿入して給水作業を行う。
【0036】
このとき、ホース先端を給水口に挿入する際または抜き取る際にホース先端から給水口226周辺に水がこぼれた場合や給水量が多すぎることにより給水口226から水があふれる場合が考えられる。しかしながら、給水口226周辺に設けられている侵水規制リブ256によって、電装品箱231側に水が流れ出ることを規制し、開放部257より膨張タンク210の側面に沿って下方に水が案内されることとなる。膨張タンク210の下方に案内された水が底フレーム221(図4参照)上に到達する場合には、底フレーム221に水抜き穴を設けておくことで、外部に水を導出することが可能となる。
【0037】
したがって、給水口226周辺にこぼれた水によって、電装品箱231が侵水することが防止でき、制御回路などの電子部品の損傷を防止できる。
侵水規制リブ256や開放部257の位置や形状については、膨張タンク210および電装品箱231の形状や配置に基づいて適宜変更することが可能であり、図示したものに限定されるものではない。
【0038】
〈集塵用凹部〉
前述したように、施工時に給水する際に、温水回路内に砂や水道パイプの切りくず、その他のゴミが水と一緒に混入するおそれがある。また、温水配管401内部にも施工時にゴミなどの異物が入っている場合が考えられる。このような異物は、温水回路内を循環するうちに、循環ポンプ211などを損傷するおそれがある。
【0039】
図8,図9に示すように、膨張タンク210の底面には、温水回路内の水に混入した異物を回収するための集塵用凹部261が設けられている。この集塵用凹部261は、膨張タンク210内部から水を排出する流出口255の近傍に位置して設けられている。
集塵用凹部261は、図11に示すように、流出口255の下方に垂下される前壁部262と、最下部に位置する底壁部263と、膨張タンク210の底面から底壁部263になだらかに連続する傾斜壁部264とを備えている。膨張タンク210内を流入口254から流出口255に向けて流れる水は、概ね矢印Aのように、集塵用凹部261の上方を通過することとなる。ゴミなどの水よりも比重の大きな異物は、矢印Bに示すように、傾斜壁部264に沿って集塵用凹部261内に収集されることとなる。集塵用凹部261の下流側はほぼ垂直に切り立った前壁部262が形成されているため、集塵用凹部261内の水は矢印Aの水流にあまり影響を受けることなく、矢印Cのような対流となって集塵用凹部261内に留まることとなる。したがって、傾斜壁部264に沿って集塵用凹部261内に収集された異物は、流入口254から流出口255に向かう水流により流出口255側に引き込まれることなく、集塵用凹部261内に留まることとなり、この異物が温水回路内を循環することを防止できる。
【0040】
集塵用凹部261として、図12に示すように、前壁部262を流出口255の基底部よりも前方に位置させて設けることも可能である。この場合、流出口255の基底部よりも前方に位置する集塵用空間265内に異物を滞留させる効果が高くなり、温水回路内の異物を効率よく収集し、循環ポンプ211などの損傷を防止できる。
【0041】
〈集塵用フィルタ〉
図13,図14に示すように、膨張タンク210の集塵用凹部261に代えて、膨張タンク210内部に集塵用フィルタ271を設けることができる。
ここでは、前述の膨張タンク210と同様にして、成型品である上部ケーシング252と下部ケーシング253とを熱溶着または超音波溶着によって一体化することでほぼ直方体形状のケーシング251を構成している。
【0042】
ケーシング251の上面には、給水のための給水口226が設けられ、給水口226周辺には電装品などの侵水を防止するための侵水規制リブ256が立設されている。
ケーシング251の側面には、温水回路内を循環する水をケーシング251内に導入する流入口254と、ケーシング251内の水を排出する流出口255とが設けられている。
【0043】
ケーシング251の内部空間を、給水口226および流入口254が含まれる第1空間部272と、流出口255が含まれる第2空間部273とに分断するように集塵用フィルタ271が取り付けられている。この集塵用フィルタ271は、金属製ネットまたは合成樹脂製ネットなどで構成することが可能であり、たとえば、40〜60メッシュで防カビ処理を施したポリプロピレン製ネットを用いることが可能である。
【0044】
このような集塵用フィルタ271を取り付けた場合には、施工時や水補給時に給水口226を介して給水を行う際に、供給される水にゴミなどの異物が混入している場合であっても、集塵用フィルタ271に異物が引っかかることとなる。また、施工時に温水配管401内にゴミなどが残留している場合であっても、流入口254を介して膨張タンク210内に流入した異物が集塵用フィルタ271に引っかかって、再度温水回路内に流入することを防止できる。したがって、温水回路内を異物が循環することを防止することができ、このことから循環ポンプ211などの損傷を防止することができる。
【0045】
なお、前述した膨張タンク210の底面に設けられる集塵用凹部の構成を併用することも可能であり、故障の原因を極力減少させることが可能となる。
〈水面検出手段〉
図15に示すように、膨張タンク210内の水面位置を検出するためのフロートスイッチ281が設けられている。
【0046】
フロートスイッチ281は、膨張タンク210の上面に設けられるフロートスイッチ取付用開口284から内部に垂下して取り付けられるものであり、パッキン283を介して取付用開口284に取り付けられる上部フランジ部282と、上部フランジ部282の下面から垂下されるステム285と、ステム285を上下方向に摺動可能に取り付けられるフロート286と、フロート286が所定位置になったときに検出信号を発生するリミットスイッチ(図示せず)とを備えている。
【0047】
フロート286は、円柱状のステム285に嵌合する中空を備えたドーナツ形状であり、比重が水よりも小さく構成されている。このことにより、フロート286は、膨張タンク210内の水位に応じてステム285に沿って上下動する。また、フロート286は、内部に永久磁石などで構成された磁性体を備えており、ステム285に内装されているリミットスイッチの位置で、このリミットスイッチを作動させるように構成されている。
【0048】
たとえば、膨張タンク210の内部の水が、図15の補給水位Eに到達したときに、水の補給が必要である旨の信号を発生するように設定する場合、この補給水位Eの位置にリミットスイッチを配置し、フロート286がこの位置になったときにリミットスイッチが作動するように構成する。
フロートスイッチ281は、ケーシング251内の1つの角部であるフロートスイッチ取付部289に設けられている。このフロートスイッチ取付部289を流入口254から流入する水流による波から隔離するために、ケーシング251の底部から防波リブ287が立設されている。防波リブ287は、フロートスイッチ取付部289における水位を他の部分と同一にするための通水部288を除いて、フロートスイッチ取付部289を取り囲むように設けられている。また、防波リブ287の高さは、補給水位Eにおける誤検出やハンチングを防止するために、この補給水位Eを十分に超える高さに設定されている。
【0049】
フロートスイッチ取付部289では、通水部288を通じて膨張タンク210内部の他の部分と同一水位となっており、また、防波リブ287によって波立ちが抑制されるように構成されている。したがって、少なくとも補給水位E近傍におけるフロートスイッチ281の誤検出やハンチングの発生を抑制することができ、ユーザへの水補給の指示を正確に行うことが可能となる。
【0050】
また、防波リブ287は、フロートスイッチ281と、給水口226との間に位置して設けられている。したがって、給水口226にホース先端を挿入して給水を行う場合であっても、ホース先端が防波リブ287に当接して、フロートスイッチ取付部289側に突出することがなく、フロートスイッチ281を損傷することが防止できる。
【0051】
水面検出手段としては、フロートスイッチの他にも種々のものを使用することが可能であり、図示したものに限定されるものではない。
【0052】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る床暖房装置では、侵水規制リブが設けられていない所定位置を、他の部品が配置されていない方向に設定することによって、膨張タンクへの給水時に給水口周辺にこぼれた水による他の部品の侵水を防止することができる。
【0053】
本発明の請求項2に係る床暖房装置では、侵水規制リブが給水口から電装品に対して遠ざかる位置を除いて設けられており、電装品の侵水を防止することができる。
本発明の請求項3に記載の床暖房装置では、圧縮機、室外熱交換器を備える空気調和機の冷媒回路を分岐させて、多重管熱交換器の冷媒経路に冷媒を導入し、温水回路内の水を加熱することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態が採用される床暖房装置の模式図。
【図2】その冷媒回路の一例を示す回路図。
【図3】その温水回路の一例を示す回路図。
【図4】床暖房ユニットの分解斜視図。
【図5】二重管熱交換器に使用される二重管の断面図。
【図6】二重管熱交換器の斜視図。
【図7】断熱材組立体の断面図。
【図8】膨張タンクの平面図。
【図9】膨張タンクの側面図。
【図10】膨張タンクの設置状態を示す簡略縦断面図。
【図11】膨張タンクの一部縦断面図。
【図12】膨張タンクの他の例を示す一部縦断面図。
【図13】膨張タンクの他の例を示す平面図。
【図14】その側面図。
【図15】水面検出手段の一例を示す縦断面図。
【符号の説明】
210 膨張タンク
226 給水口
227 タンクキャップ
228 給水用開口
229 給水口蓋
231 電装品箱
256 侵水規制リブ
257 開放部
Claims (4)
- 床に配設される温水配管(401)と、経路内を循環する水を加熱するための熱交換器(201)と、経路内の水が温度差によって膨張する体積分を吸収するための膨張タンク(210)と、経路内の水を循環させるための循環ポンプ(211)とを備える温水回路と、前記熱交換器(201)、前記膨張タンク(210)、前記循環ポンプ(211)を収納するケーシング(225)と、を含む床暖房装置であって、
前記膨張タンク(210)は、上部から水の補給が可能な給水口(226)と、前記給水口(226)の周辺の所定位置(257)を除いて前記ケーシング(225)の天板(224)に近接する高さまで立設され、前記給水口(226)の周辺にこぼれた水を前記所定位置(257)に案内する侵水規制リブ(256)とを備えることを特徴とする床暖房装置。 - 前記膨張タンク(210)は、各部の制御を行うための制御回路を含む電装品(231)、前記熱交換器(201)、循環ポンプ(211)などとともに床暖房ユニットケーシング(225)内に収納され、
前記侵水規制リブ(256)は、前記給水口(226)から前記電装品(231)に対して遠ざかる位置を除いて設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の床暖房装置。 - 前記熱交換器(201)は、水が通過する通水経路(504)と、冷媒が通過する冷媒経路(505)とを備える多重管熱交換器であり、
前記多重管熱交換器の冷媒経路(505)とともに冷媒回路を構成する圧縮機(101)および室外熱交換器(104)とをさらに有する、請求項1または2に記載の床暖房装置。 - 前記ケーシング(225)は、前記膨張タンク(210)の給水口(226)に対応する位置に給水用開口(228)を備えている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の床暖房装置。
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