JP3564363B2 - 補強シート貼付装置及び貼付方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁等のコンクリート構造物の補強や補修等を行うために、その外面部に貼着して取り付けられる補強シートの貼付装置及びその貼付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート構造物には、軽量で化学的耐性と充分な耐力、靭性を有するストランド状の繊維束や幅のある連続繊維シート体等の補強シートを外面部に貼着して取り付ける補強・補修工事が施される。コンクリート構造物は、補強シートが貼り付けられることで、耐力、靭性の向上が図られるようになる。
【0003】
従来の補強シートの貼着工事としては、貼付装置を用いた機械的方法や、作業員による人為的方法が採用されていた。貼付装置は、例えばコンクリート構造物の外面部全体を覆う外装部に対して、その内部に補強シートを巻回した繰出ロールや、この繰出ロールをコンクリート構造物に沿って移動させる駆動機構等の種々の機構が備えられている。貼付装置は、所定幅の補強シートをコンクリート構造物に貼着すると、このコンクリート構造物の次の領域へと移動されて再設置される。また、人為的方法は、例えばコンクリート構造物の外面部に沿って作業用の足場が組み立てられ、運び上げられた補強シートが作業員によってコンクリート構造物の外面部に順次貼り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の貼付装置は、コンクリート構造物を取り囲むに足る大きさであることから、全体として極めて大がかりな装置となり、高額であるばかりでなくその設置と移動或いは解体に多くの時間と労力が費やされ効率が悪いといった問題があった。また、従来の貼付装置は、コンクリート構造物の形状に合わせた構造とされるために汎用性が無いといった問題があった。
【0005】
さらに、従来の貼付装置は、数十メートルにも達する橋梁等のコンクリート構造物に用いる場合に、補強シートが貼着されて大重量となった繰出ロールの運び上げて交換する作業が極めて困難であるとともに危険も大きいといった問題があった。従来の貼付装置は、このような問題から、結局現場でほとんど使用されず、人為的方法に代わられるようになっていた。
【0006】
一方、人為的方法においても、各コンクリート構造物に対して作業用の足場の組立、解体の手間が大きく、また繰出ロールや接着材等も設置されるために強固に組み立てられなければならないといった問題があった。また、人為的方法は、比較的小さなコンクリート構造物に対して好適ではあるが、数十メートルにも達する橋梁等への適用が困難であるといった問題があった。
【0007】
ところで、補強シートは、コンクリート構造物に対して充分な耐力、靭性の向上を図るようにするためには、途中での分断が無く均一な状態でその外面部に貼り付けられることが必要である。補強シートには、比較的高価であるがコンクリート構造物の全周に連続して貼り付けられて両端部で接合される一方向性の連続繊維シートが好適に用いられる。
【0008】
しかしながら、かかる連続繊維シートは、上述したように全体の重量が大きくなって特に人為的方法に用いる場合に取り扱いを困難とさせるといった問題があった。しかも、連続繊維シートは、コンクリート構造物の外面部に対して、皺が生じないように内部空気を排除しながら一定の張力を以って貼り付けることが必要であるが、人為的方法の場合にその実現が極めて困難であった。連続繊維シートは、途中で捩れが生じた状態の場合に、機械的強度が劣化してその特性が充分に発揮されないことから高精度に貼り付けが行われなければならず人為的方法での作業効率が悪くなるといった問題があった。
【0009】
したがって、本発明は、種々の形態のコンクリート構造物に対しても、その外面部の全面に簡易で効率的かつ安全性を保持して、連続した補強シートを皺や捩れを生じることなく一定の張力を以って貼り付けを可能とする補強シート貼付装置及び貼付方法を提供することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する本発明に係る補強シート貼付装置は、コンクリート構造物の外面部に架設された外面ガイド部と、この外面ガイド部に走行自在に支持されるとともに自走走行機構によりコンクリート構造物の外面部に沿って走行移動する走行部と、コンクリート構造物の外面部に対してその対向間隔を保持した状態で走行部に懸架された上下ガイド部と、補強シートを巻回したシート繰出ロールを有するシート繰出機構及びコンクリート構造物の外面部に対する圧着性が付与された圧着ローラを有するシート圧着機構とが搭載され上下ガイド部材に昇降自在に支持された貼付機構部とを備えて構成される。
【0011】
以上のように構成された本発明にかかる補強シート貼付装置によれば、走行部が、外面ガイド部に支持されて自走機構によって自走走行する。補強シート貼付装置においては、走行部の走行によって、貼付機構部がコンクリート構造物の外面部と対向間隔を保持された状態で移動する。補強シート貼付装置においては、貼付機構部の移動に伴って、シート繰出機構のシート繰出ロールから補強シートが繰り出される。補強シート貼付装置においては、シート圧着機構の圧着ローラによって補強シートがコンクリート構造物の外面部に圧着されることで、この補強シートを外面部に連続して貼り付ける。
【0012】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる補強シート貼付方法は、コンクリート構造物の外面部に沿って走行しながら補強シートを繰り出して、この補強シートを外面部に連続して貼り付ける補強シート貼付装置が用いられる。補強シート貼付装置は、コンクリート構造物に設けた外面ガイド部に走行自在に支持され、走行部と、上下ガイド部と、シート繰出機構とシート圧着機構とが搭載された貼付機構部とを備える。
【0013】
補強シート貼付方法は、外面ガイド部をコンクリート構造物に架設した後に補強シート貼付装置の各部の組み立てを行って取り付ける工程と、外面ガイド部に支持されて走行部が走行することにより貼付機構部をコンクリート構造物の外面部に沿って移動させる工程と、シート繰出機構から繰り出した補強シートの先端部をコンクリート構造物の外面部に固定する工程と、コンクリート構造物の外面部に対して走行部に先行してその走行方向に接着材を塗布する工程と、走行部の走行にしたがってシート繰出ロールから補強シートを繰り出すとともにこの補強シートをシート圧着機構の圧着ローラによって接着材が塗布されたコンクリート構造物の外面部に連続して圧着して貼り付ける工程とが施されてなる。
【0014】
補強シート貼付方法によれば、補強シート貼付装置が、補強シートをコンクリート構造物の外面部に貼り付けた後に上下ガイド部によりその貼付機構部を高さ方向に移動される。補強シート貼付方法によれば、補強シート貼付装置による上述した各工程が繰り返されることによって、コンクリート構造物の外面部の全体に補強シートを連続して貼り付けるようにする。
【0015】
以上の工程を経る本発明に係る補強シート貼付方法によれば、コンクリート構造物の外面部の全体を覆うような大規模な機械設備が不要とされ、廉価な装置によって連続した補強シートの貼付が皺や捩れを生じることなく簡易にかつ効率的に行われるようになる。補強シート貼付方法によれば、外面部に対して補強シートを連続かつほぼ均一な状態で貼付することで、充分な強度を付与するコンクリート構造物の補強が効率的に行われるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示す補強シート貼付装置1は、例えば橋脚等のコンクリート構造物2の外面部2aに、詳細を後述するように所定幅の補強シート3を均一な状態で1周分を連続して貼り付けする。コンクリート構造物2は、断面が円形ばかりでなく円筒形、楕円形、角形或いはその他の適宜の形状で成形されており、その外面部2aに補強シート3を巻回して貼着されることにより機械的強度の向上が図られるとともに表面からのコンクリート片の脱落が防止される。
【0017】
コンクリート構造物2は、橋脚ばかりでなく例えば建造物の煙突、タンク等であってもよく、また後述する補強シート貼付装置1が用いられることによって数十メートル以上の高いものもその対象となる。コンクリート構造物2には、その外面部2aの表面にプライマーや下塗り用含浸材(以下、接着材4と総称する。)が塗布された状態で、補強シート貼付装置1によって補強シート3が貼り付けられる。接着材4は、後述するように補強シート3が外面部2aに押し当てられる前に、作業員によって予め塗布される。
【0018】
補強シート3には、例えば炭素繊維やアラミド繊維等の連続繊維シートが用いられる。補強シート3は、その他補強用として従来一般に用いられている種々の連続シート材も用いられる。補強シート3は、コンクリート構造物2に対してその始端部3aを予め人力により所定の長さに貼り付けて固定された状態で、後述するように補強シート貼付装置1によって貼り付けられる。補強シート3は、コンクリート構造物2に対して、繊維間に下塗り用含浸材が含浸することでより強度が大きくなる。
【0019】
補強シート貼付装置1は、図1及び図2に示すように、コンクリート構造物2に架設された外面ガイド部10と、走行部11と、貼付機構部12と、上下移動ガイド部13等の各部によって構成されている。外面ガイド部10は、図2及び図3に示すように、コンクリート構造物2の上部に位置して互いに所定の間隔を以って打ち込まれた多数個のアンカーボルト14によって多数個のレールブラケット15を固定するとともに、これらレールブラケット15によって外面ガイドレール部材16をコンクリート構造物2を周回するようにして取り付けてなる。外面ガイドレール部材16は、図に示すように各レールブラケット15の先端部に取り付けられることによってコンクリート構造物2の外面部2aに対して一定の間隔に保持される。
【0020】
外面ガイドレール部材16は、素材に例えば9mm程度の鋼板が用いられ、コンクリート構造物2の外面部2aの形状に合わせて適宜加工されてなる。外面ガイドレール部材16は、鋼板を用いることによって耐力、靭性が保持されるとともに、加工性がよくかつ比較的軽量であることから作業性に優れている。外面ガイドレール部材16は、その他の適宜の材料によって形成するようにしてもよいことは勿論である。なお、外面ガイド部10は、工事終了後に構成各部材がコンクリート構造物2から撤去されるが、例えばアンカーボルト14をコンクリート構造物2内に埋設するようにしてもよい。
【0021】
補強シート貼付装置1は、上述した外面ガイド部10に対して、詳細を後述する自走走行機構17によって駆動されてコンクリート構造物2の外面部2aに沿って走行する走行部11を組み付けてなる。走行部11は、図1及び図2に示すよう、フレームを構成する左右一対の基台部材18(18a、18b)と、断面が略L字状とされた上部ブラケット部材19及び板状の下部ブラケット部材20とを備える。各基台部材18は、上下ブラケット部材19、20によって左右方向の対向間隔を保持されて組み合わされ、外面ガイドレール部材16の前方側に位置する。上部ブラケット部材19及び下部ブラケット部材20は、外面ガイドレール部材16の上方と下方とに互いに対向して位置する。
【0022】
自走走行機構17は、図1及び図2に示すように、上部ブラケット部材19上に取り付けられた駆動モータ21と、この駆動モータ21を駆動源として外面ガイドレール部材16を上下から挟み込んで走行する上部車輪22(22a、22b)と、下部車輪23(22a、22b)とを備えてなる。自走走行機構17には、回転出力を調整する変速機と、その方向を切り替える切替機構とが付設された駆動モータ21が用いられている。自走走行機構17は、駆動モータ21の回転出力をチェーン車24、チェーン25を介して一方の上部車輪22aに伝達する。
【0023】
なお、自走走行機構17は、上部車輪22を回転駆動するようにしてもよい。自走走行機構17は、チェーン車24に一対のチェーン25を掛け合わせて一対の上部車輪22a、22bを同時に駆動するようにしてもよい。
【0024】
各上部車輪22は、それぞれ基台部材18の上部と上部ブラケット部材19の側面部との間に支架された支軸に軸装されており、外面ガイドレール部材16からの脱輪を防止するフランジ部が周回りに一体に形成されてなる。一方の上部車輪22aは、その支軸が軸受けされた状態で基台部材18の前方側へと突出され、この突出端部にチェーン25が掛け合わされるチェーン車26が軸装されることによって駆動モータ21からの回転伝達を受ける。走行部11は、上部車輪22が外面ガイドレール部材16上を転動することにより、外面ガイド部10に支持されてコンクリート構造物2の外面部2aに沿って所定の速度で移動する。
【0025】
補強シート貼付装置1は、上述した走行部11に対して上下移動ガイド部13を介して貼付機構部12が組み合わされている。貼付機構部12は、図1及び図4に示すように、全体略枠体を呈するフレーム体27と、その両側にそれぞれ組み付けられた左右一対の補強シート繰出機構28(28a、28b)とを備えてなる。貼付機構部12には、詳細を後述するように各補強シート繰出機構28に対して、それぞれ補強シート3の繰出し張力を調整自在とする張力調整機構29(29a、29b)と、補強シート3をコンクリート構造物2の外面部2aに圧着して貼り付けるシート圧着機構30(30a、30b)と、その圧着力を調整する圧着力調整機構31(31a、31b)とがそれぞれ付設されている。
【0026】
貼付機構部12は、フレーム体27が、詳細を後述するように上下移動ガイド部13に対して昇降自在に支持されてなる。フレーム体27には、左右両側部の上下に位置してガイド車輪32(32a乃至32c)がその内部に設けられている。各ガイド車輪32は、図4及び図5に示すようにフレーム体27の内部を貫通する後述する上下移動ガイド部13の一対の上下ガイドレール部材33(33a、33b)に対して、それぞれ3方向からこれを挟み込むようにして当接している。各ガイド車輪32は、かかる構成によってフレーム体27が、上下ガイドレール部材33から脱落しないように保持する。各ガイド車輪32は、後述するように貼付機構部12が上下移動ガイド部13に沿って昇降移動される際に上下ガイドレール部材33を回転することで、円滑な移動が行われるようにする。
【0027】
なお、各ガイド車輪32については、これらを例えばビニオンとし、これらビニオンを上下ガイドレール部材33の3方側面に形成されたラックにそれぞれ噛み合わせるようにしてもよい。貼付機構部12は、かかる構造を採用することにより、耐荷重性の向上が図られるようになる。
【0028】
各補強シート繰出機構28は、図5及び図6に示すように、フレーム体27に設けた支軸34に揺動自在に支持した揺動ブラケット部材35と、この揺動ブラケット部材35に着脱されるとともに回転自在に支持されるシート繰出しロール36を有する。揺動ブラケット部材35は、平面形状が略クランク状を呈する上下支持部35a、35bを、その略中央部において高さ方向の軸受け部35cで一体化してなる全体が略コ字状の部材である。揺動ブラケット部材35には、軸受け部35cの近傍において上下支持部35a、35bから互いに上下に対向する略矩形のロール取付部35d、35eが一体に連設されている。
【0029】
ロール取付部35d、35eには、詳細を省略するがコーナ部の近傍に位置して取付孔37(37a、37b)が形成されており、この取付孔37にシート繰出しロール36がその両端を回転自在に取り付けられるようにする。取付孔37は、その孔壁が例えばロール取付部35d、35eの側端に開放された略半円を呈しており、シート繰出しロール36を側方から装着可能とする。なお、取付孔37は、シート繰出しロール36を装着した状態において開放部位がこのシート繰出しロール36の脱落を阻止する図示しないストッパによって閉塞される。
【0030】
補強シート繰出機構28は、例えば走行部11が図1において右側へと走行するにしたがって、始端部3aを固定されることによって補強シート3に引張り力が作用されることでシート繰出しロール36が同図反時計に回転する。補強シート繰出機構28は、これによってシート繰出しロール36から補強シート3を連続して繰り出すようにする。
【0031】
なお、補強シート貼付装置1においては、上述したように貼付機構部11のフレーム体27の両側にそれぞれ補強シート繰出機構28を設けたが、かかる構成に限定されるものでは無い。補強シート貼付装置1は、コンクリート構造物2に対して一方側に走行されて補強シート3の貼り付けを行う場合に、この走行方向側に貼付機構部11を付設するようにしてもよい。補強シート貼付装置1は、これによって全体構造が簡易化されるとともに軽量化が図られるようになる。
【0032】
補強シート繰出機構28は、揺動ブラケット部材35に装着されたシート繰出しロール36から繰り出された補強シート3を張力調整機構29へ導くようにする。張力調整機構29は、揺動ブラケット部材35の上下支持部35a、35bの一端側に、換言すれば走行部11の走行方向の前方側に形成したアーム部38(38a、38b)に設けられ、このアーム部38間にそれぞれ支架した支軸に軸装された一対のピンチローラ39(39a、39b)からなる。
【0033】
各ピンチローラ39は、それぞれステンレス等の防錆性と耐力、靭性を有する金属材によって補強シート3の幅よりもやや長軸とされて形成されている。各ピンチローラ39は、詳細を省略するが、少なくとも一方の支軸が他方の支軸に対して接離自在に支持されるとともにその間に弾性力が作用されるように構成されている。各ピンチローラ39は、補強シート3のセット時には可動側をずらした状態で補強シート3を導いた後に初期状態に復帰することで、この補強シート3を互いにの外面面により所定の圧接力を以って挟持する。
【0034】
補強シート3は、始端部がを固定されていることにより、走行部11の移動走行に伴ってシート繰出しロール36から繰り出される。張力調整機構29は、各ピンチローラ39が補強シート3の繰り出しに伴って回転してこれを送り出すようにするが、その圧接力によって補強シート3の繰出し動作を規制する。張力調整機構29は、各ピンチローラ39間の圧接力を調整することにより補強シート3に撓みや緩み或いは皺寄りを生じさせないようにする。
【0035】
シート圧着機構30は、補強シート繰出機構28から繰り出されて張力調整機構29によって張力を調整された補強シート3をコンクリート構造物2の外面部2aに圧着して貼り付ける。シート圧着機構30は、揺動ブラケット部材35のアーム部38に設けた支持ブラケット部40と、この支持ブラケット部40に支架した支軸に回転自在に軸装された圧着ローラ41とからなる。圧着ローラ41は、補強シート3の幅よりもやや長軸とされ、例えばゴム等の弾性を有する材料によって成形されてなる。その他適宜の材料によって形成されてよい。
【0036】
シート圧着機構30は、図5及び図6に示すように圧着ローラ41の外面部で補強シート3を走行部11の走行方向と反対側へと折り返すようにする。シート圧着機構30は、揺動ブラケット部材35が図5において反時計方向に付勢されることにより、圧着ローラ41が補強シート3をコンクリート構造物2の外面部2aに圧着する。シート圧着機構30には、その圧着ローラ41とピンチローラ39との間を走行する補強シート3に当接して走行張力を検出する張力センサ42が設けられている。
【0037】
シート圧着機構30は、圧着力調整機構31によって、圧着ローラ41が補強シート3をコンクリート構造物2の外面部2aに圧着する圧着力が調整される。圧着力調整機構31は、アーム部38と対向して揺動ブラケット部材35に一体に形成した掛止め凸部43とフレーム体27に形成した掛止め部44との間に装着したコイルスプリング45及び調整ロッド46等からなる。
【0038】
コイルスプリング45は、掛止め凸部43と掛止め部44との間に圧縮状態で装着されることによって、揺動ブラケット部材35を図5において時計方向へと付勢する。調整ロッド46は、コイルスプリング45を貫通するようにして組み合わされるとともに、その両端部が掛止め凸部43と掛止め部44とに固定されている。調整ロッド46は、コイルスプリング45の撓みを阻止してその弾性力が掛止め凸部43と掛止め部44との間に作用されるようにする。
【0039】
圧着力調整機構31は、掛止め凸部43と掛止め部44との間におけるコイルスプリング45の長さを調整することによって、揺動ブラケット部材35に対する付勢力を調整するようにする。したがって、圧着力調整機構31は、揺動ブラケット部材35を介して、圧着ローラ41のコンクリート構造物2に対する圧着力を調整する。
【0040】
なお、圧着力調整機構31は、例えば調整ロッド46がその外面部にねじ切りが施されてなり、一端部が掛止め凸部43或いは掛止め部44に固定されるとともに他端部が、筒状を呈するとともに内周ねじが形成された掛止め部44或いは掛止め凸部43にねじ合わせされるようにしてもよい。かかる圧着力調整機構31は、調整ロッド46を回転操作することによって揺動ブラケット部材35を支軸34を支点として両方向に調整回動させるようにする。かかる圧着力調整機構31は、揺動ブラケット部材35の回動量を精密に調整することが可能となる。
【0041】
貼付機構部12は、圧着力調整機構31によって揺動ブラケット部材35が図5において反時計方向に所定の角度を回動された状態、換言すれば圧着ローラ41がコンクリート構造物2に対して圧着した状態を保持されていることを検出する圧着検知センサ47が設けられている。圧着検知センサ47は、図5に示すように揺動ブラケット部材35の軸受部35cの側面に対向してフレーム体27に設けられている。圧着検知センサ47は、揺動ブラケット部材35が所定の角度に回動されている状態においてセンサ部の動作状態が保持される。
【0042】
貼付機構部12は、例えば図7に示すように揺動ブラケット部材35にデジタル表示器48を設置し、圧着ローラ41のコンクリート構造物2に対する圧着力を表示するように構成してもよい。デジタル表示器48は、圧着検知センサ47の出力が入力されることによって圧着力が表示される。また、デジタル表示器48は、詳細を省略するが表示切替によってピンチローラ39と圧着ローラ41との間に設置した張力センサ42の出力を入力するようにしてもよい。デジタル表示器48は、これによって補強シート3に作用する張力が表示される。
【0043】
貼付機構部12は、詳細を後述するように補強シート3をコンクリート構造物2の外面部2aに1周分巻回した状態において、上下移動ガイド部13を介して上方或いは下方へと移動される。貼付機構部12は、この場合に補強シート3の幅に応じた移動量を以って移動される。貼付機構部12は、コンクリート構造物2に対して補強シート3を隙間無く巻回する必要が無い場合には、適宜の移動量を以って移動される。
【0044】
上下移動ガイド部13は、図1及び図2に示すように、走行部11の下部ブラケット部材20にそれぞれ上端部を懸架された上述した互いに平行な一対の上下ガイドレール部材33と、この上下ガイドレール部材33の下端部に取り付けられた支持ブラケット部材49と、この支持ブラケット部材49の内面先端に取り付けられたキャスタ50等からなる。上下移動ガイド部13には、支持ブラケット部材49に図示を省略するが上述した走行部11の駆動モータ21に電源を供給する発電機或いはバッテリが搭載されいる。
【0045】
上下ガイドレール部材33は、貼付機構部12をコンクリート構造物2の高さ方向のほぼ全域に亘って昇降移動させるに足る長さを有している。支持ブラケット部材49は、キャスタ50を含む前後方向の高さが外面ガイド部10のレールブラケット15の張出し量とほぼ等しく、上下ガイドレール部材33をコンクリートコンクリート構造物2の外面部2aと平行に保持する。キャスタ50は、その外面部がコンクリート構造物2の外面部2aに接触している。支持ブラケット部材49は、レールブラケット15の張出し量を調節する機能を有している。
【0046】
上下移動ガイド部13は、上述した構成から、走行部11が自走走行機構17によって走行する際に、コンクリート構造物2の外面部2aに対して貼付機構部12を所定の間隔に保持して移動させるようにする。上下移動ガイド部13は、その際にキャスタ50が回転することで、上下ガイドレール部材33が下方部に撓み等を生じることなく円滑に移動される。上下移動ガイド部13は、上述したように各上下ガイドレール部材33に対してその3方から貼付機構部12のガイド車輪32で挟み込むことによって、横揺れや脱落等を確実に防止して貼付機構部12を昇降移動させる。
【0047】
補強シート貼付装置1においては、上述したように補強シート3を貼り付ける際に予めコンクリート構造物2の外面部2aに接着材4が塗布されるが、この塗布作業を作業員が行うようにする。作業員は、この接着材4の塗布作業とともに補強シート3の貼付状態を監視して万一撓みや皺寄りが生じた場合にこれを修復する作業も行う。作業員は、貼付機構部12に補強シート3を巻回したシート繰出しロール36を運び上げてこれをセットする作業を行う。
【0048】
補強シート貼付装置1においては、上述した各作業を行うために、貼付機構部12の下方部に作業ポート51が設置される。作業ポート51は、詳細を省略するが作業員が乗るステージ52と、このステージ52に対して組み立てられるパイプ材からなる防護柵53等によって構成される。作業ポート51は、例えば走行部11や貼付機構部12に対して懸架されて組み付けられるが、より強固とするために上下ガイドレール部材33に対しても結合部を設けることが好ましい。
【0049】
補強シート貼付装置1においては、上下移動ガイド部13に対して貼付機構部12を所定の高さ位置に保持する適宜のロック機構が、例えば上下ガイドレール部材33とフレーム体27との間に設けられる。ロック機構は、例えば各ガイド車輪32を上下ガイドレール部材33に対して圧接するブレーキ機構であってもよいが、上述したビニオンとラック構造或いはラチェットとラック構造等のより確実な機械的ロック機構を用いることが好ましい。
【0050】
補強シート貼付装置1においては、上下移動ガイド部13に対して貼付機構部12が昇降移動される。補強シート貼付装置1においては、例えば貼付機構部12をクレーン等で吊り上げ保持した状態で、走行部11とを連結する連結部材を付け替えてこの貼付機構部12を再取付するように構成してもよい。補強シート貼付装置1は、比較的小規模な補強シート貼付工事の場合にはかかる構成であっても特に支障は無いが、大規模な補強シート貼付工事等の場合には貼付機構部12の取付け、取外しのための工数により効率が悪くなる。
【0051】
したがって、補強シート貼付装置1においては、貼付機構部12を上下移動ガイド部13に沿って昇降移動させるようにするエレベータ機構が付設される。補強シート貼付装置1には、貼付機構部12を上下移動ガイド部13に対して所定位置に停止保持させる上述したロック機構がエレベータ機構に付設される。エレベータ機構は、例えば走行部11の上部ブラケット部材19に巻上げモータを取り付け、この巻上げモータによって多数本のチェーンやワイヤ等を巻き上げることによって貼付機構部12のフレーム体27を昇降移動させる。
【0052】
なお、エレベータ機構については、巻上げモータを例えば上下移動ガイド部13の支持ブラケット部材49に取り付けるようにしてもよい。エレベータ機構は、巻上げモータから走行部11の下部ブラケット部材20に設けたプーリ等に掛け合わせたワイヤ等を貼付機構部12のフレーム体27に連結する。かかるエレベータ機構は、より低トルクで貼付機構部12の巻き上げが可能とする。
【0053】
以上のように構成された補強シート貼付装置1を用いたコンクリート構造物2に対する補強シート3の貼付工事方法について、以下説明する。補強シートの貼付工事においては、表面のならし等の下地処理を施したコンクリート構造物2に対して、その外面部2aの上部に所定の間隔を以ってアンカーボルト14を打ち込んでレールブラケット15の取付が順次行われる。補強シートの貼付工事においては、これらレールブラケット15を介して、コンクリート構造物2の外面部2aに沿って外面ガイドレール部材16の取付を行う。外面ガイドレール部材16は、この際に一部が開放された状態とする。
【0054】
補強シートの貼付工事においては、外面ガイドレール部材16の開放部位からこの外面ガイドレール部材16を上部車輪22と下部車輪23とで挟み込むようにして走行部11の組付けが行われる。補強シートの貼付工事においては、走行部11を移動させた後に、外面ガイドレール部材16の開放部位をレールブラケット15に固定して無端レールを構成する。補強シートの貼付工事においては、走行部11に対して上下移動ガイド部13を懸架するとともに貼付機構部12の組み付けが行われる。なお、補強シート貼付装置1は、貼付機構部12がコンクリート構造物2の下端部に対応位置するようにして上下移動ガイド部13に対して位置決めされて組み付けられる。貼付機構部12には、作業ポート51が組み付けられている。
【0055】
補強シートの貼付工事においては、作業ポート51に補強シート3を巻回したシート繰出しロール36や接着材容器等の運び上げが行われ、このシート繰出しロール36が作業員によって貼付機構部12に装着される。補強シートの貼付工事においては、シート繰出しロール36から補強シート3の始端部3aが引き出され、この始端部3aを張力調整機構29のピンチローラ39間に挟み込みながらシート圧着機構30の圧着ローラ41に掛け合わすようにする。補強シートの貼付工事においては、補強シート3を圧着ローラ41で折り返してコンクリート構造物2の外面部2aに沿わせるとともに、始端部3aを予め人力によって所定の長さに貼り付けてロードセル5によって固定する。
【0056】
補強シートの貼付工事においては、詳細を後述するように圧着力調整機構31によって補強シート3に対する圧着ローラ41の圧着力の調整が行われる。補強シートの貼付工事1においては、駆動モータ21に電源を投入して走行部11を図4において右側に向かって走行させることで、補強シート貼付装置1の全体がコンクリート構造物2の外面部2aに沿って右側へと移動する。補強シートの貼付工事においては、補強シート貼付装置1の移動に先行して作業員によりコンクリート構造物2の外面部2aに接着材4を塗布する作業が行われる。
【0057】
なお、補強シートの貼付工事においては、補強シート貼付装置1の後方側で作業員により補強シート3の貼付状態が監視され、必要に応じて補強シート3を延ばす等の補正作業が行われる。また、補強シートの貼付工事においては、補強シート3の表面側から含浸樹脂を含浸又は塗布する場合には、補強シート貼付装置1の後方側で作業員による含浸又は塗布作業が行われる。
【0058】
補強シートの貼付工事においては、補強シート貼付装置1が走行移動するにしたがってシート繰出しロール36から補強シート3が連続して繰り出され、圧着ローラ41によってコンクリート構造物2の外面部2aに圧着することで貼付が行われる。補強シートの貼付工事においては、コンクリート構造物2に対して補強シート貼付装置1が1周回走行されて、圧着ローラ41が補強シート3の固定位置まで到達した状態で駆動モータ21が停止される。
【0059】
補強シートの貼付工事においては、始端部3aとの所定のラップ長を残して補強シート3の切断を施す。補強シートの貼付工事においては、両端部間のラップ処理を施すことによって、コンクリート構造物2に対する補強シート3の1周回分の貼付を終了する。
【0060】
補強シートの貼付工事においては、エレベータ機構によって貼付機構部12を上下移動ガイド部13を介して所定の高さ位置へと移動させるようにする。補強シートの貼付工事においては、この場合、既に貼付した補強シート3の下端縁に始端部3aを合わせるようにして貼付機構部12の高さ位置を設定する。勿論、補強シートの貼付工事においては、上下の補強シート3に若干の幅でラップ部分を取るようにして貼付を行う場合には、貼付機構部12が適宜の高さ位置に設定される。
【0061】
補強シートの貼付工事においては、上述した補強シート3の貼付作業が繰り返されてコンクリート構造物2に対して、その全長若しくは適宜の高さ位置まで補強シート3の貼付が行われる。補強シートの貼付工事においては、補強シート3の貼付を終了後、コンクリート構造物2から補強シート貼付装置1の取外し操作が行われる。
【0062】
補強シート貼付装置1は、補強シート3を皺寄りや捩れを生じることなくコンクリート構造物2に対して貼り付けるために、張力調整機構29及び圧着力調整機構31による調整が行われる。補強シート貼付装置1は、走行部11の走行速度が大きくなるにしたがって、シート繰出しロール36から補強シート3が強い引張り力で繰り出されるようになる。補強シート貼付装置1は、ピンチローラ39の圧接力が大きくなるにしたがい補強シート3に作用される引張り力に対する抗力が大きく作用する。補強シート貼付装置1は、補強シート3に対する圧着ローラ41の圧着力が大きくなるにしたがい補強シート3に作用される引張り力に対する抗力が大きく作用する。
【0063】
補強シート貼付装置1においては、上述したように張力調整機構29によって各ピンチローラ39の圧接力が調整される。補強シート貼付装置1においては、圧着力調整機構31によってコイルスプリング45の圧縮状態を調整して圧着力が調整される。補強シート貼付装置1においては、走行部11の走行速度と各ピンチローラ39間の圧接力とが、図8(a)に示す関係を保持するようにして調整される。補強シート貼付装置1においては、走行部11の走行速度とコイルスプリング45の弾性力とが、同図(b)に示す関係を保持するようにして調整される。補強シート貼付装置1においては、各ピンチローラ39の圧接力とコイルスプリング45の弾性力とが、同図(c)に示す関係を保持するようにして調整される。
【0064】
補強シート貼付装置1においては、具体的には、ピンチローラ39の圧接力を任意な状態に設定した状態で、シート繰出しロール36から引き出した補強シート3の始端部3aに例えばバネ秤等を取り付ける。補強シート貼付装置1においては、走行部11を任意の速度で走行させることによって、コンクリート構造物2に対する圧着ローラ41の圧着力をデジタル表示器48によって測定するとともにバネ秤により補強シート3の始端部3aに生じる張力を測定する。補強シート貼付装置1は、これらの測定結果から、張力調整機構29或いは圧着力調整機構31の調整操作が行われる。
【0065】
補強シート貼付装置1においては、上述した貼付機構部12の構成に限定されるものではなく、例えば図9に示すように構成された貼付機構部55を備えるようにしてもよい。貼付機構部55は、貼付機構部12と基本的な構成をほぼ同様としており、対応する部位については同一符号を付すことによって詳細な説明を省略する。貼付機構部55は、フレーム体27の側面部に腕状の繰出しロール装着部56が一体に突出形成されており、この繰出しロール装着部56の先端部にシート繰出しロール36を着脱する繰出しロール取付孔57が設けられている。
【0066】
貼付機構部55には、一対のピンチローラ39が、繰出しロール取付孔57の内側に位置して繰出しロール装着部56に支持されている。貼付機構部55は、シート繰出しロール36から繰り出した補強シート3をピンチローラ39間に挟み込んでその張力を調整するとともに、シート繰出しロール36に近接して圧接ローラ58を巻回された補強シート3の外面部に圧接させることでその張力を調整する。
【0067】
貼付機構部55には、繰出しロール装着部56の基端位置に支軸59が立設され、この支軸59に平面形状が略L字状とされた揺動ブラケット部材60がその略中央部を支持されて設けられている。揺動ブラケット部材60は、コンクリート構造物2に対して直交するようにして貼付機構部55に回動自在に支持されており、コンクリート構造物2側の端部に圧着ローラ41を支持する圧着ローラ支持部61が設けられている。揺動ブラケット部材60には、他端部側にコイルスプリング45の一端を掛け止めするスプリング掛止め部62が設けられている。
【0068】
以上のように構成された貼付機構部55においては、繰出しロール装着部56にシート繰出しロール36が装着されるとともに、このシート繰出しロール36から補強シート3が時計方向へと繰り出される。貼付機構部55においては、補強シート3がピンチローラ39に挟み込まれた後に、圧着ローラ41によって折り返されてコンクリート構造物2の外面部2aに圧着される。貼付機構部55においては、コイルスプリング45の弾性力によって揺動ブラケット部材60が支軸59を支点とした反時計方向の回動習性が付与される。貼付機構部55においては、これによって圧着ローラ41のコンクリート構造物2に対する圧着力が付与されるようにする。
【0069】
勿論、貼付機構部55においても、上述した走行部11と、圧着ローラ41の圧着力と、補強シート3の張力との調整が行われる。貼付機構部55は、補強シート3を巻回することで重量が大きいシート繰出しロール36を固定部のフレーム体27に一体に形成した繰出しロール装着部56に装着するようにしたことから、圧着ローラ41の圧着力調整がより感度良く行われるようになる。また、貼付機構部55は、全体的に剛性が高められる。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、細部の構成については種々展開されることは勿論である。
【0071】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、コンクリート構造物の外面部の全体を覆うような大規模な機械設備が不要とされた簡易な構成であることから、装置自体が極めて廉価に構成されるとともにその設置や解体も簡易に行われて工期の大幅な短縮が図られるようになる。また、本発明によれば、コンクリート構造物の外面部に対して補強シートを連続かつ皺や捩れを生じることなく均一な状態で貼付することで、充分な強度を付与し信頼性の高い補強工事が行われるようになる。さらに、本発明によれば、高所においても低所と同等の工程によって連続的にこの補強シートの貼付が行われることで作業効率、工期短縮或いは信頼性等がより顕著に奏されるようになる。さらにまた、本発明によれば、比較的重量のある補強シートの取り扱いも簡易であることから、作業の安全性も極めて高い等の種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す補強シート貼付装置の要部正面図である。
【図2】同補強シート貼付装置の要部側面正面図である。
【図3】コンクリート構造物と、これに架設された外面ガイド部材とを示し、同図(a)は平面図、同図(b)は要部側面図である。
【図4】同補強シート貼付装置を構成する貼付機構部の詳細を示す要部平面図である。
【図5】同貼付機構部に搭載されたシート繰出機構とシート圧着機構の詳細を示す要部平面図である。
【図6】同貼付機構部の詳細を示す要部側面図である。
【図7】他の圧着力調整機構の詳細を示す要部平面図である。
【図8】圧着力調整の説明図である。
【図9】他の貼付機構部の詳細を示す要部平面図である。
【符号の説明】
1 補強シート貼付装置
2 コンクリート構造物
2a 外面部
3 補強シート
3a 始端部
4 接着材
10 外面ガイド部
11 走行部
12 貼付機構部
13 上下移動ガイド部
15 レールブラケット
16 外面ガイドレール部材
17 自走走行機構
21 駆動モータ
27 フレーム体
28 補強シート繰出機構
29 張力調整機構
30 シート圧着機構
31 圧着力調整機構
33 上下ガイドレール部材
35 揺動ブラケット部材
36 シート繰出しロール
39 ピンチローラ
41 圧着ローラ
45 コイルスプリング
51 作業ポート

Claims (5)

  1. コンクリート構造物の外面部に架設される外面ガイド部と、前記外面ガイド部に走行自在に支持されるとともに、自走走行機構によりコンクリート構造物の外面部に沿って走行移動する走行部と、前記走行部に、コンクリート構造物の外面部との対向間隔を保持した状態で懸架された上下ガイド部と、補強シートを巻回したシート繰出ロールを有するシート繰出機構と、コンクリート構造物の外面部に対する圧着性が付与された圧着ローラを有するとともに圧着ローラの圧着を調整する圧着力調整機構が付設されたシート圧着機構とが搭載され、前記上下ガイド部材に昇降自在に支持された貼付機構部とから構成され、前記外面ガイド部に支持されて走行する前記走行部を介して前記貼付機構部がコンクリート構造物の外面部に沿って移動することにより、前記シート繰出機構のシート繰出ロールから前記補強シートが繰り出され、この補強シートを前記シート圧着機構の圧着ローラによってコンクリート構造物の外面部に圧着させて貼り付けることを特徴とする補強シート貼付装置。
  2. 前記自走走行機構によってコンクリート構造物の外面部に対して左右両方向の走行移動される前記走行部と、前記シート繰出機構と前記シート圧着機構とが、前記走行部の移動方向に対応して左右一対が設けられた前記貼付機構部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の補強シート貼付装置。
  3. 前記貼付機構部と一体に組み合わされた作業ステージが備えられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補強シート貼付装置。
  4. コンクリート構造物の外面部に架設された外面ガイド部と、前記外面ガイド部に走行自在に支持されるとともに、自走走行機構によりコンクリート構造物の外面部に沿って走行移動する走行部と、コンクリート構造物の外面部に対して対向間隔を保持した状態で前記走行部に懸架された上下ガイド部と、補強シートを巻回したシート繰出ロールを有するシート繰出機構と、コンクリート構造物の外面部に対する圧着性が付与された圧着ローラを有し、圧着ローラの圧着を調整する圧着力調整機構が付設されたシート圧着機構とが搭載されるとともに前記上下ガイド部材に昇降自在に支持された貼付機構部とから構成された補強シート貼付装置が用いられ、前記外面ガイド部をコンクリート構造物の外面部に架設した後に前記補強シート貼付装置の各部の組み立てを行って取り付ける工程と、前記走行部が自走走行することによって、前記貼付機構部をコンクリート構造物の外面部に沿って移動させる工程と、前記シート繰出機構のシート繰出ロールから繰り出した前記補強シートの先端部をコンクリート構造物の外面部に固定する工程と、コンクリート構造物の外面部に対して、前記走行部に先行してその走行方向に接着材を塗布する工程と、前記走行部の走行にしたがって前記シート繰出ロールから前記補強シートを繰り出すとともに、この補強シートを前記シート圧着機構の圧着ローラによって前記接着材が塗布されたコンクリート構造物の外面部に圧着させて連続して貼り付ける工程とが施され、前記補強シートがコンクリート構造物の外面部に貼り付けられた後に前記上下ガイド部を介して前記貼付機構部が高さ方向に移動され、上記工程が繰り返されることによって、コンクリート構造物の外面部に前記補強シートを貼り付けることを特徴とする補強シート貼付方法。
  5. 前記補強シート貼付装置のシート圧着機構に、前記補強シートをコンクリート構造物の外面部に圧着する前記圧着ローラの圧着力を調整する圧着力調整機構が付設され、前記走行部の走行速度と、前記シート繰出ロールからの前記補強シートの繰出量とによるコンクリート構造物の外面部に対する前記圧着ローラの圧着力の変動を調整して前記補強シートの貼り付けを行うことを特徴とする請求項4に記載の補強シート貼付方法。
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