JP3564353B2 - 給電方法およびビーム走査アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アレー給電部のビーム形成回路として、給電するビームポートの位置により出力側の隣接ポート間の位相差が変化するマトリクス回路を用い、電子的にビーム方向を変化させるビーム走査アンテナにおいて、アレー給電部のアレー励振分布を制御する給電方法、およびこの給電方法を用いたアレー給電部を有するビーム走査アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子的にビーム方向を変化させるビーム走査アンテナとしては、直接放射型のフェーズドアレーアンテナと、反射鏡や誘電体レンズ等に比較的小規模なアレー給電部を組合わせたものとがある。
【0003】
図16は、直接放射型のフェーズドアレーアンテナを用いたビーム走査アンテナの構成を示す。図において、ビーム走査アンテナは、ビーム形成回路(BFN)10に素子アンテナ20を接続した構成である。矢印1〜4はビーム方向を示す。
【0004】
BFN10に入力された信号は、個々の素子アンテナに分配出力される。ここで、例えばアンテナの正面方向であるビーム方向3にビームを放射する場合は、BFN10で各素子アンテナを同位相で励振する。また、ビームをビーム方向1に向ける場合は、BFN10で位相差を与え、各素子アンテナから放射される電磁波がビーム方向1で同位相になるように各素子アンテナを励振する。
【0005】
このような機能を実現するには、大きく分けて2つの方法がある。第一は、BFN10が可変位相器によって各素子アンテナの位相を制御する構成である。第二は、固定位相器等によって各ビーム方向に対応した位相量が予め設定された複数のBFNを切り替えることにより、あるいは複数のBFNと等価な機能を有するマトリクス回路の入力ポートを切り替えることにより制御する構成である。以下、可変位相器を用いたBFN10aおよびマトリクス回路を用いたBFN10bの構成例について、図17,18を参照して説明する。
【0006】
図17は、可変位相器を用いたBFN10aの構成例を示す。図において、BFN10aは、入力信号を素子アンテナ数だけ分配する電力分配器11と、素子アンテナ数だけ用意された可変位相器12から構成される。矢印1〜5はビーム方向を示し、50はビーム方向4にビームを放射する場合の位相面を示す。
【0007】
BFN10aに入力された信号は、電力分配器11で素子アンテナ数に分配され、可変位相器12によって位相が調整された後に各素子アンテナに送られる。例えば、ビーム方向4にビームを放射する場合は、ビーム方向4と垂直な面50で位相が同位相となるように、可変位相器12によって素子アンテナ20の励振位相を調整する。
【0008】
図18は、Nポートの一次元マトリクス回路を用いたBFN10bの構成例を示す。図において、BFN10bは、信号入力ポートの位置によって出力側の隣接ポート間の位相差が変化するマトリクス回路13と、入力信号をマトリクス回路13の1つの入力ポートに接続するビーム選択用切替スイッチ14から構成される。
【0009】
BFN10bに入力された信号は、ビーム選択用切替スイッチ14によって所望のビーム方向に応じた位置(マトリクス回路13の入力ポート♯1〜♯Nのいずれか1つ)に選択的に給電される。マトリクス回路13に入力された信号は、入力ポートごとに異なる位相差をもって分配出力される。このとき、信号入力ポートの位置によって出力側で生じる位相の傾きが異なるため、給電を行うマトリクス回路13の入力ポートに応じてビーム方向が変化する。例えば、ビーム方向1〜5は、それぞれ入力ポート♯1,♯2,♯3,…,♯i,…,♯Nから信号を給電した場合のビーム方向である。
【0010】
このようなマトリクス回路13は、その出力ポートに素子アンテナ20を接続した場合、給電を行う入力ポートの位置によってビーム方向が変化することから、給電点切換走査型のフェーズドアレーアンテナとも呼ばれる。なお、信号給電を行う側のポートはビームポートと呼ばれ、これに対して素子アンテナが接続されるポートはエレメントポートと呼ばれる。マトリクス回路13としてはバトラーマトリクス等が用いられ、一般に走査の細かさ(個々のビーム間隔)はビーム幅程度である(参考文献:電子通信学会「アンテナ工学ハンドブック」、5章、オーム社)。
【0011】
以上示した直接放射型のフェーズドアレーアンテナを用いたビーム走査アンテナは、原理的に広い範囲にビームを向けることが可能である。しかし、一般にこのようなビーム走査アンテナは、反射鏡や誘電体レンズを用いたビーム走査アンテナと比較して、制御対象となる素子アンテナの数が多いことからBFNの回路規模が非常に大きく、かつ高コストになる問題がある。また、BFNの回路規模が大きくなると、その製造工程において、BFNを通過する信号位相の調整等に大きな手間と時間が必要になる。
【0012】
これに対して、反射鏡等に比較的小規模なアレー給電部(BFNと素子アンテナ)を組合せたビーム走査アンテナは、反射鏡等によってビームを絞ることにより、アレー給電部の規模(素子アンテナの数)を大幅に削減することが可能である。
【0013】
図19は、反射鏡に小規模アレー給電部を組合せたビーム走査アンテナの構成を示す。図において、ビーム走査アンテナは、比較的小規模なアレー給電部を構成するビーム形成回路(BFN)10および素子アンテナ20と、反射鏡31から構成される。素子アンテナ20は、反射鏡31の焦点位置または焦点位置の近傍に設置される。矢印1〜3はビーム方向を示し、51〜53はビーム方向1〜3に対応するアレー給電部の励振分布を示す。
【0014】
なお、1個のビームを形成するために複数の素子アンテナを励振するこの給電方法はクラスタ給電(またはアレー給電)とよばれており、ビーム方向が隣接している場合、素子アンテナの多くはそれぞれのビームで共用される。このようにアレー給電部にBFNを用いてクラスタ給電を行う理由は、ビーム幅と同程度(あるいはビーム幅以下)の角度刻みでビーム走査を実現するためである。もしも、1個のビームを形成するために1個のアンテナしか用いないとすると、その給電アンテナの大きさによりビーム幅の数倍程度の細かさの角度刻みでしかビーム走査が実現できないか、または給電アンテナの大きさが制約されて非常に小さな物となり、その一次放射ビームが拡散して反射鏡を重点的に照射することが不可能となり、アンテナ効率が劣化する。
【0015】
図20は、誘電体レンズに小規模アレー給電部を組合せたビーム走査アンテナの構成を示す。図において、ビーム走査アンテナは、比較的小規模なアレー給電部を構成するBFN10および素子アンテナ20と、誘電体レンズ32から構成される。素子アンテナ20は、誘電体レンズ32の焦点位置または焦点位置の近傍に設置される。矢印1〜3はビーム方向を示し、51〜53はビーム方向1〜3に対応するアレー給電部の励振分布を示す。誘電体レンズ32を用いたビーム走査アンテナは、反射鏡ではなく誘電体レンズによってアンテナから放射されるビームを絞っているということを除けば、反射鏡を用いたビーム走査アンテナと基本的な原理は同じである。
【0016】
図21,22は、図19および図20に示すビーム走査アンテナに用いられるBFN10の構成例を示す。図21に示すBFN10cは、入力ポートに応じた所定の出力ポートに接続される素子アンテナに電力を分配する電力分配回路15と、入力信号を電力分配回路15の1つの入力ポートに接続するビーム選択用切替スイッチ14から構成される。ビーム選択用切替スイッチ14に接続される電力分配回路15の入力ポートはそれぞれアンテナビームと対応し、電力分配回路15によって所定の素子アンテナが励振されるようになっている。
【0017】
図22に示すBFN10dは、入力信号を複数に分配する電力分配器16と、複数に分配された入力信号を所定の素子アンテナに給電する素子選択用切替スイッチ17から構成される。電力分配器16によって複数経路に分けられた信号は、素子選択用切替スイッチ17を介して所望のビームを形成するために励振すべき複数の素子アンテナに送られる。
【0018】
このように、図19および図20に示すビーム走査アンテナに用いられるBFN10c,10dに共通する点は、アンテナのビーム方向に応じた所定の素子アンテナを選択して励振するための手段として、スイッチが必要なことである。ここで、機械的なメカニズムによって信号経路を切り替える機械的スイッチは、一般的に大きく、重く、切り替え速度が遅い。また、ダイオード等を用いた電気的なスイッチは、一般的に信号損失が大きく、アイソレーション(信号分離)特性等が劣化する。なお、BFNの損失が大きくなるとアンテナ利得の低下につながり、アイソレーションが悪くなるとアンテナのS/N特性等の劣化につながる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のビーム走査アンテナのうち直接放射型のアンテナ構成の場合には、多くの素子アンテナの個々の位相を制御しているために、BFNの回路規模が非常に大規模かつ高コストになる問題点がある。
【0020】
また、反射鏡や誘電体レンズを用いたアンテナ構成の場合には、ビームの切り替えをスイッチによって行っているが、機械的なスイッチを用いた場合は大きく、重く、切り替え速度が遅い等の問題点があり、電気的なスイッチを用いた場合は信号損失が大きく、アイソレーション(信号分離)特性が悪い等の問題点があった。さらに、ビームの切り替えをスイッチによって行う構成では、ビーム方向が離散的にしか変えられない問題点がある。また、ビーム走査の角度刻みが小さい等でビームの数が多くなる場合は、切り替えるべき信号経路の数が多くなり、スイッチおよびBFN全体が大規模なものになる問題点がある。
【0021】
本発明は、アレー給電部のビーム形成回路をビーム切替スイッチを用いることなく実現し、回路規模の低減とスイッチを用いた場合の問題点を解決し、さらに連続的にビーム方向を変化させることができる給電方法およびビーム走査アンテナを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の給電方法は、アレー給電部のビーム形成回路として、給電するビームポートの位置によりビーム方向が決定されるマトリクス回路を用いたビーム走査アンテナにおいて、マトリクス回路は、複数の1次元のマトリクス回路を縦横に2次元的に接続した2次元のマトリクス回路とし、このマトリクス回路のビームポートの横方向の番号をi、ビームポートの縦方向の番号をjとしたときに、マトリクス回路の出力における中心位相を給電するビームポートの位置によらずに一定とし、マトリクス回路のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、横方向はsin(θi)を変数とするガウス関数により、縦方向はsin(φj)を変数とするガウス関数により、各々独立に求められる振幅分布と、横方向はsin(θi)を変数とする一次関数により、縦方向はsin(φj)を変数とする一次関数により、各々独立に求められる位相分布に従い、それぞれマトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートに信号を分配するか、またはその3つ以上のビームポートからの信号を合成する。
【0023】
請求項2に記載の給電方法は、アレー給電部のビーム形成回路として、給電するビームポートの位置によりビーム方向が決定されるマトリクス回路を用いたビーム走査アンテナにおいて、マトリクス回路は、複数の1次元のマトリクス回路を縦横に2次元的に接続した2次元のマトリクス回路とし、このマトリクス回路のビームポートの横方向の番号をi、ビームポートの縦方向の番号をjとしたときに、マトリクス回路の出力における中心位相を給電するビームポートの位置によらずに一定とし、マトリクス回路のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、横方向はsin(θi)を変数とする一次関数により、縦方向はsin(φj)を変数とする一次関数により、各々独立に求められる位相分布に従い、等振幅で、それぞれマトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートに信号を分配するか、またはその3つ以上のビームポートからの信号を合成する。
【0024】
請求項3に記載の給電方法は、請求項1または請求項2に記載の給電方法において、マトリクス回路のビームポートのポート数を横方向にN個(Nは1以上の整数)、縦方向にM個(Mは1以上の整数)とするとき、給電に用いるポート数を横方向に3以上N/2以下とし、かつ縦方向に3以上M/2以下とする。
【0025】
請求項4に記載の給電方法は、請求項1または請求項2に記載の給電方法において、マトリクス回路のビームポートのポート数を横方向にN個(Nは1以上の整数)、縦方向にM個(Mは1以上の整数)とするとき、給電に用いるポート数を横方向に3以上N/2以下または縦方向に3以上M/2以下のいずれか一方向とする。なお、これは横方向または縦方向のみのアンテナ特性の改善を図るものである。N=1またはM=1の場合は、1次元のマトリクス回路を用いたアンテナとなる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、アレー給電部のビーム形成回路として、給電するビームポートの位置によりビーム方向が決定されるマトリクス回路を用いたビーム走査アンテナにおいて、請求項1〜4のいずれかに記載の給電方法をとるアレー給電部を備える。
【0027】
請求項6に記載の給電方法は、請求項5に記載のビーム走査アンテナにおいて、アレー給電部のビーム形成回路は、マトリクス回路のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、マトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートで、横方向はsin(θi)を変数とするガウス関数により、縦方向はsin(φj)を変数とするガウス関数により、各々独立に求められる振幅分布または等振幅になるように信号分配または信号合成を行う電力分配器と、マトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートで、横方向はsin(θi)を変数とする一次関数により、縦方向はsin(φj)を変数とする一次関数により、各々独立に求められる位相分布になるように各信号位相を調整する可変位相器とを備える。
【0028】
請求項1,2の給電方法では、マトリクス回路のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、sin(θi) およびsin(φj) を変数とする一次関数により求められる位相分布に従い、それぞれマトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートに信号を分配(またはその3つ以上のビームポートからの信号を合成)する。すなわち、3つ以上のビームポートに給電する各信号の位相分布を制御することにより、BFNの構成要素としてスイッチを用いることなくビーム走査を行うことが可能となる。
【0029】
上述したように、マトリクス回路を用いたフェーズドアレーアンテナが給電するビームポートの位置に応じてビーム方向が変化するのは、入力信号がマトリクス回路で分配されると同時に、給電するビームポートの位置によりそれぞれの出力ポートにおける信号の位相が回転し、位相面に傾きを生じるためである。これは原理上、フーリエ変換を行っていると考えることができる。フーリエ変換
f(x) ←→F(w)
が成立する場合は、フーリエ変換の性質から
f(x+Δx)←→F(w) Exp(jwΔx)
が成立する。これは、給電するビームポートの位置が変化すると、出力側の位相が回転することを意味している。入力と出力を逆に考えれば、複数のビームポートにある位相傾きをもって信号を給電すれば、その位相傾きに対応して出力側に現れる信号の位置(励振される素子アンテナの位置)を変化させることが可能であり、本発明はこの性質を利用している。なお、この性質は、フーリエ変換における時間軸の推移と呼ばれるものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の給電方法をとるアレー給電部の実施形態を示す。図において、本実施形態のアレー給電部は、入力信号を分配する電力分配器16と、電力分配器16で分配された各信号の位相を制御する可変位相器12と、可変位相器12の各出力を所定のビームポートに入力するマトリクス回路18、マトリクス回路18の各エレメントポートに接続される素子アンテナ20から構成される。61はビームポートにおける信号の振幅分布を示し、62〜64はビームポートにおける信号の位相面を示し、65〜67は位相面62〜64に対応して現れるエレメントポートにおける信号の振幅分布を示す。
【0031】
ここで、マトリクス回路18のビームポート数(またはエレメントポート数)をN、素子アンテナ20を距離dλの等間隔配置とし、マトリクス回路18の給電するビームポートとビーム方向との関係を求める。なお、λは波長を意味する。マトリクス回路18の出力における隣接ポートの位相差は、ビームポートの位置により
(−(N−1)/N)・180 °〜(+(N−1)/N)・180 °
まで、(2 /N)・180 °刻みでN通りの値を取りうる。これらに対応するビームポートのポート番号を出力位相が小さい順に♯1,♯2,…,♯Nとする。一般に、素子アンテナの指向特性はアレーアンテナ全体の指向特性と比較して非常にブロードなものとなるので、ビーム方向を求めるにあたって素子アンテナの指向特性の影響はほとんど考えなくてよい。以上のことから、給電するビームポート♯iに対応するビーム方向θi は、マトリクス回路18の出力位相差より
θi =sin−1(−(2i−N−1)/2Nd)
と表される。よって、
sin(θi) =−(2i−N−1)/2Nd
であり、sin(θi) は給電するビームポート♯iと線形関係にあり、フーリエ変換の変数として考えることができる。
【0032】
(請求項1の給電方法)
請求項1の給電方法は、マトリクス回路18のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、sin(θi)およびsin(φj)を変数とするガウス関数により求められる振幅分布と、sin(θi)およびsin(φj)を変数とする一次関数により求められる位相分布に従い、それぞれマトリクス回路の3つ以上のビームポートに信号を分配(または3つ以上のビームポートからの信号を合成)するものである。
【0033】
ここで、ガウス関数aExp(−bx2) のフーリエ変換は、同じくガウス関数の形cExp(−dx2) になる。a,b,c,dは係数である。信号の振幅成分は電力成分の平方根に比例するので、電力分布がガウス関数で表される場合には、振幅分布もまたガウス関数になる。
【0034】
また、関数がx,yの2変数(マトリクス回路が2次元)となっても、フーリエ変換は各変数について独立に行われるので、1変数の問題に帰着する。すなわち、関数aExp(−bx2) 、eExp(−fx2) のフーリエ変換がそれぞれcExp(−dx2) 、gExp(−hx2) である場合、2次元のマトリクス回路において入力信号の横方向分布をaExp(−bx2) 、縦方向分布をeExp(−fx2) とすれば、出力の横方向分布および縦方向分布はそれぞれcExp(−dx2) 、gExp(−hx2) になり、アンテナが形成するビームパターンについても横方向、縦方向について1次元の場合に帰着する。
【0035】
図2は、本発明を適用した2次元的なビーム走査を行うアレー給電部の第1の構成例を示す。図において、アレー給電部は、電力分配器16−0と4つの電力分配器16−1〜16−4を縦続に接続し、電力分配器16−1〜16−4の各出力がそれぞれ可変位相器12を介して、2次元のマトリクス回路に接続される構成である。2次元のマトリクス回路は、1次元のマトリクス回路18−1〜18−4とマトリクス回路18−5〜18−12を2次元的に接続したものであり、2次元的なビーム走査が行われる。
【0036】
図3は、本発明を適用した2次元的なビーム走査を行うアレー給電部の第2の構成例を示す。図において、アレー給電部は、電力分配器16−0と、可変位相器12と、マトリクス回路18−0により横方向ビーム走査用のBFNを構成し、電力分配器16−1〜16−nと、可変位相器12と、マトリクス回路18−1〜18−nにより縦方向ビーム走査用のBFNを構成する。これは、1次元的なビーム走査を行うBFNを組み合わせることにより2次元的なビーム走査を可能にしたものであり、図2の構成に比べて電力分配器および可変位相器の数は多くなるが、マトリクス回路の規模を小さくすることができる。
【0037】
ここで、BFN全体の規模について、信号を給電するビームポートがいくつ必要かということが実用上重要になる。上述のように、素子アンテナの間隔をdλとしたとき、給電するビームポート♯iと、ビーム方向θi との間には、
sin(θi) =−(2i−N−1)/2Nd
の関係がある。素子間隔を 0.5λとしたとき、バトラーマトリクスの全てのビームポートを用いた場合は±90度の範囲にビームを放射可能であり、半分のビームポートを用いれば±30度の範囲をカバー可能である。すなわち、半分のビームポートを用いれば、見込み角60度の範囲に一次放射ビームを放射することができ、一般的なオフセットアンテナ構成では十分な値と考えられる。例えば、f/D=1、オフセット長(パラボラ軸と鏡面下端との距離)がf/4のオフセットパラボラアンテナにおいて、給電部からみた鏡面の見込み角は49.8度である。
【0038】
すなわち、本発明はすべてのビームポートを用いて給電しなくても、ビームポート数の半分(N/2)を用いることにより十分な効果を発揮する。さらに、ビームポート数の半分(N/2)以下しか給電に用いないことにより、スピルオーバー(反射鏡に当たらず無駄となる一次放射ビームの量)を低減することができ、アンテナ効率を改善することができる。これにより、ビーム走査を行うために用いる可変位相器の数も素子アンテナの数の半分以下に削減することができる。
【0039】
このように、請求項1の給電方法によりガウス関数の振幅分布でマトリクス回路の複数のビームポートに給電された信号は、励振分布もガウス関数とし、そのフーリエ変換で表される1次放射ビームパターンもガウス関数型の振幅テーパを有することになり、開口面はガウス関数型の振幅テーパで照射されることになる。ガウス関数で表される振幅テーパの開口面分布(ガウス分布)は、低サイドローブの指向性パターンを与えるものとして知られており、低サイドローブおよび高利得の指向性パターンを与える分布として代表的なテイラー分布と非常によく似ていることが知られている。したがって、開口面の振幅分布にガウス関数型のテーパが付くことにより、サイドローブ特性を改善することができる。
【0040】
(請求項2の給電方法)
請求項2の給電方法は、マトリクス回路18のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、sin(θi)およびsin(φj)を変数とする一次関数により求められる位相分布に従い、等振幅で、それぞれマトリクス回路の3つ以上のビームポートに信号を分配(または3つ以上のビームポートからの信号を合成)するものである。
【0041】
マトリクス回路の入力信号分布と出力信号分布との間にフーリエ変換の関係が成立することは上述した通りであり、アレーアンテナの励振分布と一次放射ビームパターンとの間にフーリエ変換の関係があることも周知事実である(参考文献:電子通信学会「アンテナ工学ハンドブック」、5章、オーム社)。また、フーリエ変換の性質より、フーリエ変換を2回行った場合は、元の関数分布に戻ることが知られている。このことから、マトリクス回路の複数のビームポートに等振幅で信号給電を行い、ビームポートの信号分布を矩形分布とした場合の一次放射ビームパターンは、角度を横軸とした場合に矩形分布となるフラットビームになることが予想される。フラットビームはファンビームとも呼ばれ、反射鏡のみを一様に照射することにより高いアンテナ利得が得られる一次放射ビームの形状である。
【0042】
このように、請求項2の給電方法により等振幅分布でマトリクス回路の複数のビームポートに給電された信号は、一次放射ビームがフラットビームとなり、アンテナ利得を改善することができる。
【0043】
(第1実施例)
第1実施例では、ガウス分布の振幅分布で複数のビームポートに給電した場合の結果について説明する。
【0044】
図4は、本発明のビーム走査アンテナの実施例構成を示す。図において、ビーム走査アンテナは、本発明の給電方法をとるアレー給電部100と反射鏡31により構成される。ここでは、焦点距離20λ、f/D=1、オフセット長(パラボラ軸と鏡面下端との距離)が5λの円形開口オフセットパラボラアンテナ構成とする。アレー給電部100は、反射鏡31に効果的にビームを向けられるように上方に39.2度傾け、アレーアンテナの中央部がパラボラ焦点位置にあるとした。なお、アレー給電部100から見た鏡面の見込み角は49.8度である。
【0045】
図5は、本発明のアレー給電部の実施例構成を示す。図において、アレー給電部は、複数のポートに給電するための電力分配器16と、可変位相器12と、マトリクス回路18と、縦方向にビームを絞るための電力分配器19と、素子アンテナ20から構成される。
【0046】
なお、説明を容易にするために、ビーム走査方向は横方向のみとし、マトリクス回路18のポート数Nは16、素子アンテナ20はマイクロストリップアンテナ、素子間隔は 0.5λとした。また、一次放射ビームパターンを縦方向に絞るために、素子アンテナ20を縦方向に4個配置し、電力分配器19の電力分配比は1:2:2:1とした。
【0047】
反射鏡端部において、一次放射ビームパターンを−20dBの振幅強度に落込むガウス分布(−20dBエッジのガウス分布)とした場合、マトリクス回路18のエレメントポートにおける励振分布は半値幅 3.8ポートのガウス分布となり、ビームポートにおける給電分布としては、中央部の6つのビームポートに電力の99.3%が集中するガウス分布となる。よって、給電に用いるビームポートは中央部6個のポートのみとし、周辺に位置する10個のポートは終端とした。
【0048】
図6は、第1実施例のビームポートにおける給電信号の振幅分布を示す。ビームポート♯6,♯7,♯8,♯9,♯10,♯11への給電電力比は、1: 5.1:11:11: 5.1:1である。図7は、第1実施例のビームポートにおける給電信号の位相分布を示す。隣接ポート間の位相傾きΔφは、15度,45度,75度, 105度の4通りとした。図8は、第1実施例のエレメントポートに現れるアレー励振分布の横方向における計算値を示す。給電信号の位相傾きΔφの変化に応じ、ガウス関数形の励振分布の位置が移動していることが分かる。
【0049】
図9は、第1実施例において、横方向のアレー励振分布から計算したアレーファクタを示す。これは、アレー給電部から見て横方向における一次放射パターンの変化を説明するためのものである。図10は、第1実施例のアンテナ放射パターン(アンテナから見て横方向のパターン)の計算値を示す。この結果より、良好な低サイドローブパターンが得られていることが分かる。この場合、アンテナ効率は約69%、ビーム幅は約 4.0度、スピルオーバーの最大値は8%である。
【0050】
本構成のアレー給電部は可変位相器(ビット位相器)を6個用いた構成となっているが、どれか一つのビームポートの位相を基準に他の位相値を設定するようにすれば、可変位相器の数を5個とすることができる。また、信号電力の33%が通過するビームポート♯8(または♯9)の位相を基準とすれば、同時に位相器に起因する損失を33%削減することも可能である。
【0051】
(第2実施例)
第2実施例では、複数のビームポートに等振幅で給電した場合の結果について説明する。
【0052】
等振幅でビームポートに給電する以外は、ビーム走査アンテナの全体構成およびアレー給電部の構成は、それぞれ図4,5に示す実施例構成のものと同じである。ここでは、焦点距離20λ、f/D=1、オフセット長5λの円形開口オフセットパラボラアンテナ構成とする。アレー給電部は、上方に39.2度傾け、アレーアンテナの中央部がパラボラ焦点位置に位置している。
【0053】
ビーム走査方向は横方向のみ、マトリクス回路のポート数Nは16、素子アンテナはマイクロストリップアンテナ、素子間隔は 0.5λとした。縦方向の4個の素子アンテナへの電力分配比は1:2:2:1である。給電に用いるビームポート数は6個であり、フラットビームの範囲は sin−1(±3/16)=±22.0度と計算される。放射器から見た反射鏡の見込み角は±24.9度であり、概ね反射鏡を一様に照射する計算となる。
【0054】
図11は、第2実施例のビームポートにおける給電信号の振幅分布を示す。ビームポート♯6,♯7,♯8,♯9,♯10,♯11への給電電力比は、皆同じ値である。図12は、第2実施例のビームポートにおける給電信号の位相分布を示す。隣接ポート間の位相傾きΔφは、15度,45度,75度, 105度の4通りとした。図13は、第2実施例のエレメントポートに現れるアレー励振分布の横方向における計算値を示す。給電信号の位相傾きΔφの変化に応じ、エレメントポートに現れる励振分布の位置が移動していることが分かる。
【0055】
図14は、第2実施例において、横方向のアレー励振分布から計算したアレーファクタを示す。これは、アレー給電部から見て横方向における一次放射パターンの変化を説明するためのものである。図15は、第2実施例のアンテナ放射パターン(アンテナから見て横方向のパターン)の計算値を示す。この結果より、一次放射パターンとして良好なフラットビーム、アンテナ放射パターンとして狭いビームが得られていることが分かる。この場合、アンテナ効率は約85%、ビーム幅は約 3.1度、スピルオーバーの最大値は13.6%である。素子アンテナの励振分布として、本アレー給電部を用いずにガウス分布として与えた場合、ビーム幅が4度の場合はスピルオーバーが20%、ビーム幅が 3.5度の場合はスピルオーバーが30%となり、アンテナ効率の最大値は75%である。
【0056】
このことから、本実施例のビーム走査アンテナは、スピルオーバーが小さくなり、10%程度のアンテナ利得を改善できることが分かる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反射鏡や誘電体レンズ等を用いて素子アンテナ数の削減をしたアレー給電部のビーム形成回路をビーム切替スイッチを用いることなく実現することができ、連続的にビーム方向を変化させることが可能である。
【0058】
また、ビーム方向を制御するために用いる回路素子は、ビームポート数の半数以下の可変位相器のみであり、アレー給電部全体の回路規模を小さくすることによりコスト低減を図ることができる。また、スイッチを必要としないため、機械的なスイッチを用いた場合の大きく、重く、切り替え速度が遅い等の欠点や、電気的なスイッチを用いた場合の信号損失が大きく、アイソレーション(信号分離)特性が悪い等の欠点が生じず、アンテナ性能を改善することができる。
【0059】
また、本発明を適用したアンテナはスピルオーバーを小さくすることが可能であり、アンテナ効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給電方法をとるアレー給電部の実施形態を示す図。
【図2】本発明を適用した2次元的なビーム走査を行うアレー給電部の第1の構成例を示す図。
【図3】本発明を適用した2次元的なビーム走査を行うアレー給電部の第2の構成例を示す図。
【図4】本発明のビーム走査アンテナの実施例構成を示す図。
【図5】本発明のアレー給電部の実施例構成を示す図。
【図6】第1実施例のビームポートにおける給電信号の振幅分布を示す図。
【図7】第1実施例のビームポートにおける給電信号の位相分布を示す図。
【図8】第1実施例のエレメントポートに現れるアレー励振分布の横方向における計算値を示す図。
【図9】第1実施例において、横方向のアレー励振分布から計算したアレーファクタを示す図。
【図10】第1実施例のアンテナ放射パターン(アンテナから見て横方向のパターン)の計算値を示す図。
【図11】第2実施例のビームポートにおける給電信号の振幅分布を示す図。
【図12】第2実施例のビームポートにおける給電信号の位相分布を示す図。
【図13】第2実施例のエレメントポートに現れるアレー励振分布の横方向における計算値を示す図。
【図14】第2実施例において、横方向のアレー励振分布から計算したアレーファクタを示す図。
【図15】第2実施例のアンテナ放射パターン(アンテナから見て横方向のパターン)の計算値を示す図。
【図16】直接放射型のフェーズドアレーアンテナを用いたビーム走査アンテナの構成を示す図。
【図17】可変位相器を用いたBFN10aの構成例を示す図。
【図18】Nポートの一次元マトリクス回路を用いたBFN10bの構成例を示す図。
【図19】反射鏡に小規模アレー給電部を組合せたビーム走査アンテナの構成を示す図。
【図20】誘電体レンズに小規模アレー給電部を組合せたビーム走査アンテナの構成を示す図。
【図21】BFN10cの構成例を示す図。
【図22】BFN10dの構成例を示す図。
【符号の説明】
10 ビーム形成回路(BFN)
11,15,16,19 電力分配器
12 可変位相器
13,18 マトリクス回路
14 ビーム選択用切替スイッチ
17 素子選択用切替スイッチ
20 素子アンテナ
31 反射鏡
32 誘電体レンズ
100 アレー給電部
Claims (6)
- アレー給電部のビーム形成回路として、給電するビームポートの位置によりビーム方向が決定されるマトリクス回路を用いたビーム走査アンテナにおいて、
前記マトリクス回路は、複数の1次元のマトリクス回路を縦横に2次元的に接続した2次元のマトリクス回路とし、このマトリクス回路のビームポートの横方向の番号をi、ビームポートの縦方向の番号をjとしたときに、
前記マトリクス回路の出力における中心位相を給電するビームポートの位置によらずに一定とし、
前記マトリクス回路のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、横方向はsin(θi)を変数とするガウス関数により、縦方向はsin(φj)を変数とするガウス関数により、各々独立に求められる振幅分布と、横方向はsin(θi)を変数とする一次関数により、縦方向はsin(φj)を変数とする一次関数により、各々独立に求められる位相分布に従い、それぞれ前記マトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートに信号を分配するか、またはその3つ以上のビームポートからの信号を合成することを特徴とする給電方法。 - アレー給電部のビーム形成回路として、給電するビームポートの位置によりビーム方向が決定されるマトリクス回路を用いたビーム走査アンテナにおいて、
前記マトリクス回路は、複数の1次元のマトリクス回路を縦横に2次元的に接続した2次元のマトリクス回路とし、このマトリクス回路のビームポートの横方向の番号をi、ビームポートの縦方向の番号をjとしたときに、
前記マトリクス回路の出力における中心位相を給電するビームポートの位置によらずに一定とし、
前記マトリクス回路のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、横方向はsin(θi)を変数とする一次関数により、縦方向はsin(φj)を変数とする一次関数により、各々独立に求められる位相分布に従い、等振幅で、それぞれ前記マトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートに信号を分配するか、またはその3つ以上のビームポートからの信号を合成することを特徴とする給電方法。 - 請求項1または請求項2に記載の給電方法において、
前記マトリクス回路のビームポートのポート数を横方向にN個(Nは1以上の整数)、縦方向にM個(Mは1以上の整数)とするとき、給電に用いるポート数を横方向に3以上N/2以下とし、かつ縦方向に3以上M/2以下とすることを特徴とする給電方法。 - 請求項1または請求項2に記載の給電方法において、
前記マトリクス回路のビームポートのポート数を横方向にN個(Nは1以上の整数)、縦方向にM個(Mは1以上の整数)とするとき、給電に用いるポート数を横方向に3以上N/2以下または縦方向に3以上M/2以下のいずれか一方向とすることを特徴とする給電方法。 - アレー給電部のビーム形成回路として、給電するビームポートの位置によりビーム方向が決定されるマトリクス回路を用いたビーム走査アンテナにおいて、
請求項1〜4のいずれかに記載の給電方法をとるアレー給電部を備えたことを特徴とするビーム走査アンテナ。 - 請求項5に記載のビーム走査アンテナにおいて、
前記アレー給電部のビーム形成回路は、前記マトリクス回路のビームポート(i,j)に給電したときのビーム方向を(θi , φj )とするとき、
前記マトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートで、横方向はsin(θi)を変数とするガウス関数により、縦方向はsin(φj)を変数とするガウス関数により、各々独立に求められる振幅分布または等振幅になるように信号分配または信号合成を行う電力分配器と、
前記マトリクス回路の横方向または縦方向の少なくとも一方向の3つ以上のビームポートで、横方向はsin(θi)を変数とする一次関数により、縦方向はsin(φj)を変数とする一次関数により、各々独立に求められる位相分布になるように各信号位相を調整する可変位相器と
を備えたことを特徴とするビーム走査アンテナ。
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