JP3564196B2 - 排ガス中の有害物質の安定化処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は廃棄物の焼却処理時または溶融処理時等に発生する排ガス中の煤塵に含まれる有害物質の安定化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2によって従来技術による排ガス中の有害物質の安定化処理方法を説明する。図2において、2は焼却排ガス10または溶融炉排ガス11中の煤塵を捕集する集塵工程、3は前記集塵工程2で捕集された捕集煤塵12中のダイオキシンを分解するダイオキシン分解工程、4は工程3でダイオキシンが分解された煤塵中のダイオキシン以外の有害物質(重金属類等)を安定化させるための有害物質処理工程である。
【0003】
ここでダイオキシン分解工程3は、内部が窒素ガス等の不活性ガス雰囲気に保たれた攪拌装置により、集塵工程2で捕集された捕集煤塵12を約300℃に加熱しながら所定時間攪拌しダイオキシンを分解する工程である。
工程3でダイオキシンの分解処理を行った後、捕集煤塵は再度ダイオキシンが溶出しないように急速冷却した後に有害物質処理工程4へと送られる。
【0004】
有害物質処理工程4は、ダイオキシン以外の有害物質を安定化させるため、工程3を経た捕集煤塵を混練装置に入れ、水14および薬剤,重金属類固定剤,酸等の薬剤15、セメント16等を適宜添加して混練し、薬剤処理,溶融処理,酸性処理,セメント固化処理等の煤塵の各種中間処理を行う工程である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
廃棄物の焼却排ガス及び溶融処理排ガスなどの排ガス中には、重金属及びダイオキシン等の有害物質が含まれておりその処理方法は、前記したように従来、集塵処理装置で煤塵を捕集し、約300℃の還元性雰囲気で一定時間滞留攪拌して煤塵中のダイオキシンを分解する工程をもつ。
【0006】
また、従来は、ダイオキシン分解工程の後、重金属等の有害物質を安定化させるためにセメント固化処理や薬剤処理、溶融処理、酸その他の溶媒による処理等の煤塵の中間処理が行われている。従来技術では、このようにダイオキシン分解処理と重金属等の有害物質の安定化処理は別々に行われていた。
【0007】
本発明は、排ガス中に含まれるダイオキシンやその他の有害物質としての重金属の安定化処理をより効率的に行い、添加する薬剤等の量もより少なくする有害物質の安定化処理方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による安定化処理方法では、前記した課題を解決するため、まず、有害物質とし ての重金属を安定化させる300℃までの耐熱性を有する薬剤を150〜250℃の排ガス中に注入させて薬剤と排ガス中の有害物質を混練させる薬剤供給工程を採用し、薬剤供給工程を経たのち、集塵工程によって排ガス中から煤塵を捕集する。
【0009】
次いで、この捕集された煤塵を不活性ガス雰囲気中で、300℃以上で所定時間加熱攪拌することで有害物質としての重金属処理とダイオキシン分解を同時に行う有害物質処理工程によってダイオキシンと有害物質としての重金属を同時に処理する。本発明によって前記したように処理された煤塵に対しては加湿処理又はセメント固化処理等を実施する。
【0010】
【作用】
本発明による排ガス中有害物質の安定化処理方法においては、その薬剤供給工程において薬剤を燃焼排ガスもしくは溶融炉排ガス等の排ガス中に吹き込むことにより、薬剤はガス中に均一に拡散する。
【0011】
なお、この薬剤は集塵される煤塵量と有害物質濃度に応じた所定の添加率(例えば煤塵量に対しての重量比で1〜10%の比率)で排ガス中に供給される。その排ガス温度は約150〜250℃程度であり、ガス組成は例としてO2 が5〜15%、CO2 が5〜15%、HClが50〜5000ppm、SOx が50〜1000ppmである。
【0012】
排ガス中の煤塵に散布され均一に混じった薬剤は、その後の集塵工程においてフィルタ表面等によって煤塵とともに捕集される。ここで薬剤は煤塵中の有害物質としての重金属と接触し、重金属類を安定化させる反応を開始する。
【0013】
集塵工程で捕集された捕集煤塵は次に有害物質処理工程へと移され、その処理工程では不活性ガスの雰囲気中で、300℃以上で酸素を遮断して所定時間加熱攪拌することによりダイオキシンの分解を行い、これと同時に薬剤供給工程で添加された薬剤によりダイオキシン以外の有害物質としての重金属の安定化も同時に行われる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明による排ガス中の有害物質の安定化処理方法の実施の一態様を図1に基づいて具体的に説明する。
図1において、工程1はキレート化剤や重金属類固化剤等の有害物質としての重金属処理用の薬剤を一旦貯留するとともに、燃焼排ガス10もしくは溶融炉排ガス11等の排ガス中に該薬剤を吹き込むための薬剤供給工程を示している。
【0015】
薬剤は原液又は希釈したものを噴霧する。その薬剤は約300℃までの耐熱性を有するもので現在オリトールS−3000(オリエンタル技研)等がある。薬剤の添加率は、発生する煤塵量に対して有害物質の溶出基準値を満足するものとして1〜10%(重量比)で実施する。排ガスの温度は150℃〜250℃程度でその組成はCO2 が5〜15%、O2 が5〜15%、HClが50〜5000ppm、SOx が50〜1000ppm程度である。
【0016】
薬剤供給工程1のための設備は、薬剤貯留槽およびポンプ、ノズル等から構成される。薬剤供給工程1において前記薬剤を燃焼排ガス10もしくは溶融炉排ガス11等に吹き込むことにより、その薬剤はガス中に均一に拡散する。
【0017】
排ガス10の煤塵中に散布され均一に混じった薬剤は、後記する集塵工程2においてフィルタ等で該煤塵とともに捕集される。ここで薬剤は煤塵中の有害物質としての重金属と接触し、これらを安定化する反応を開始する。
【0018】
工程2は前記排ガス10もしくは11中の煤塵を捕集する集塵工程を示し、この集塵工程2により清浄化されたガスは煙突へ、またフィルタ等により集塵工程2で捕集された捕集煤塵12は次に有害物質処理工程6へと移される。有害物質処理工程6では不活性ガス13の雰囲気中で、300℃以上で酸素を遮断して所定時間加熱攪拌され、このときダイオキシンの分解と同時に有害物質としての重金属の安定化も並行して行われる。
【0019】
この有害物質処理工程における加熱温度は例えば300℃以上であり、加熱時間は例えば約2時間である。この加熱温度と時間の関係は、高温であるほど加熱時間は短くてよい。
【0020】
このようにして排ガス中の有害物質であるダイオキシンの分解が行われ、これと同時に薬剤供給工程で添加された薬剤によりダイオキシン以外の有害物質としての重金属の安定化も同時に行われる。
【0021】
【発明の効果】
本発明による排ガス中の有害物質の安定化処理方法は、前記したように薬剤供給工程、集塵工程及び有害物質処理工程からなり、ダイオキシン等の分解処理およびその他の有害物質としての重金属の安定化処理をより効率的に行うことができ、従来の方法では攪拌装置と混練装置が必要であったのが、一つの攪拌装置のみで処理することができるようになった。
【0022】
また、添加する薬剤等も従来のように捕集煤塵を混練する工程で添加するのではなく、排ガス中において添加するため、該ガス中に均一に拡散させることができ、添加薬剤の量もより少なくすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有害物質の安定化処理方法の実施の態様を示すフロー図。
【図2】従来技術による有害物質の安定化処理方法を示すフロー図。
【符号の説明】
1 薬剤供給工程
2 集塵工程
6 ダイオキシン分解および有害物質処理工程
10,11 排ガス
13 不活性ガス
Claims (1)
- 有害物質としての重金属を安定化させる300℃までの耐熱性を有する薬剤を150〜250℃の排ガス中に添加し均一に拡散させる薬剤供給工程と、該薬剤を混入した排ガス中の煤塵を捕集する集塵工程と、該捕集された煤塵を不活性ガス雰囲気中で、300℃以上で所定時間加熱攪拌することで有害物質としての重金属処理とダイオキシン分解を同時に行う有害物質処理工程とからなることを特徴とする排ガス中の有害物質の安定化処理方法。
Priority Applications (1)
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JP14607095A JP3564196B2 (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 排ガス中の有害物質の安定化処理方法 |
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JP14607095A JP3564196B2 (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 排ガス中の有害物質の安定化処理方法 |
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JPH09879A JPH09879A (ja) | 1997-01-07 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14607095A Expired - Fee Related JP3564196B2 (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 排ガス中の有害物質の安定化処理方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3564196B2 (ja) |
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1995
- 1995-06-13 JP JP14607095A patent/JP3564196B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09879A (ja) | 1997-01-07 |
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