JP3563496B2 - 電解イオン水生成器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電気分解により電解イオン水を生成する電解イオン水生成器に関し、特に電解イオン水のpH値を調整する電解イオン水生成器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解イオン水生成器として特開平6−63550号公報に開示されるアルカリイオン水生成器があり、これを図5及び図6に示す。同図において従来のアルカリイオン水生成器は、浄水流量と電解電流の2つをデータとして与え、それぞれ水に関するデータ及び反応槽700の電圧に関するデータとし、これら2つのデータを内部に蓄積してあるpH判定基準と比較してpH表示するものである。具体的には、原水が通る水路810、原水をろ過する浄水部800、浄水が通る水路820、浄水をイオン化してアルカリ性水及び酸性水をつくる反応槽700、酸性水が通る水路711、アルカリ性水が通る水路721等を備えている。また、、水路820には、流量センサ900が設けてある。この流量センサ900は羽根車910の回転によって発生する電圧を信号としてとらえる流量電圧変換器920を有する。流量電圧変換器920は、pHチェックボタン930を介して後述の計数・比較部500に接続され、浄水流量のデータを計数・比較部500に送る。一方、反応槽700に電圧を加えるため図示のような回路が構成される。すなわち、電源電圧がトランス610によって降圧され、整流スタック620、平滑コンデンサ640で整流された直流の電解電流が反応槽700に流れる。この電解電流はpH調節ダイアル630によって調整することができる。さらに、この電解電流のデータが上記チェックボタン930を介して計数・比較部500に送られる。上記両データを送る際、pHチェックボタン930は連動して動作する。
【0003】
530はデータ蓄積部であり、pH判定基準が蓄積してある。例えば、浄水流量と電解電流は図のような関係があるので、図6(B)のように段差に変換したものをデータとして蓄積してある。計数・比較演算部500は、浄水流量のデータと電解電流のデータを取り込み、pH判定基準に基づいてpH値を求める。この計数・比較部500により求められたpH値は表示部520により表示される。表部520は、デジタル数字又はLEDの点灯等によって表示する。
【0004】
原水が水路810を通って浄水部800でろ過され、このろ過された浄水が水路820を通り流量センサ900の羽根車910を回転させると共に、二分されて反応槽700に送られ、酸性水が水路711、アルカリ性水が水路721から吐出する。ここで、pHチェックボタン930を押すと、浄水流量のデータと反応槽700の電解電流のデータが計数・比較部500で処理され、データ蓄積部530のデータをやりとり比較し、一致するものをpH値として表示部520に表示する。pH値が希望する値とずれているときには、pH調節ダイアル630によって調整することができる。以上のように構成されるので水の吐出量や原水の水質の影響でpH値が変動しないという効果がある。
【0005】
また、前記公開公報に開示される従来技術としては、前記反応槽700への浄水の流量と電解電流とで生成されるアルカリ性水のpH値を類推して制御するものの他に、反応槽700への浄水流量を一定に制御してこの一定流量の浄水の導電率と電解電流とで生成されるアルカリ性水のpH値を類推して制御する技術が公開されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電解イオン水生成器は以上のように構成されていたことから、反応槽700に流入する浄水の流量を検出する流量計又は一定の流量に制御するために定流量機構を必要とすることから、装置自体が複雑化するという課題を有する。特に、反応槽700の正・負の各電極710、720に印加される直流電圧の電解電流に重畳されるノイズ等の影響により、この電解電流の値から正確なpH値を類推することが困難となり、pH値を適正に制御することができないという課題を有する。さらに、反応槽700に供給される浄水の導電率に基づいてpH値を制御しようとすると、浄水中に含有される遊離炭酸の多い・少ないにより生成される電解イオン水のpH値が大きく変動することから、電解電流を所定値に制御したとしても正確なpH値の調整ができない。
【0007】
また、電解イオン水のpH値を検出する装置としてはペーハーメータが存在するが、このペーハーメータは被測定側の浄水中に浸したガラス電極と基準電極としてのカロメル電極との間で、その電位差を求めてpH値を検出するようにしている。このカロメル電極にはKCl溶液が使用されていることから、このKCl溶液が浄水中に漏れ出すことがあり、生成した電解イオン水を飲料水をして使用できなくなるという課題を有する。さらに、このペーハーメータは、検出の応答速度が遅く、被測定側の浄水が流水である場合には現実に使用できないという課題を有する。
【0008】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、簡略な構成でノイズ等の影響を排除して正確なpH値に電解イオン水を調整して生成できる電解イオン水生成器を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電解イオン水生成器は、反応槽内に隔膜を介して正・負の各電極が対向して配設され、当該各電極に直流電圧を印加して前記反応槽内に流入する原水からアルカリ性水及び酸性水を生成する電解イオン水生成器において、反応槽にアルカリ性水取水口と酸性水取水口とアルカリ性水吐出口と酸性水吐出口とを設け、該アルカリ性水取水口とアルカリ性水吐出口の間のアルカリ性水流路内の電極の前段に原水の導電率を検出する前段センサを、該電極の後段に生成されたアルカリ性水における導電率を検出する後段センサを、前記酸性水取水口と酸性水吐出口の間の酸性水流路内の電極の前段に原水の導電率を検出する前段センサを、該電極の後段に生成された酸性水における導電率を検出する後段センサを、それぞれ配設し、前記前段及び後段の各センサで検出された各導電率の偏差を演算する偏差演算部と、前記演算された導電率の偏差に基づいてpH値を演算するペーハー演算部とを備えるものである。
【0009】
発明に係る電解イオン水生成器は必要に応じて、各電極に印加する直流電圧を所定時間だけ出力を停止又は低下させると共に、当該直流電圧の出力を停止又は低下させた所定時間内に前記前段及び後段の各センサで検出された各導電率を偏差演算部へ出力するように制御する検出制御部を備えるものである。
【0010】
発明に係る電解イオン水生成器は必要に応じて、ペーハー演算部で演算されたpH値に基づいて生成するアルカリ性水及び酸性水のpH値を調整するペーハー調整部を備えるものである。
【0011】
本発明に係る電解イオン水生成器は必要に応じて、ペーハー調整部は演算されたpH値に基づいて前記正・負の各電極に印加する直流電圧又は電流の値を調整して生成するアルカリ性水又は酸性水のpH値を調整するものである。
本発明に係る電解イオン水生成器は必要に応じて、ペーハー調整部は演算されたpH値に基づいて前記反応槽内に流入する原水の流量を調整して生成するアルカリ性水又は酸性水のpH値を調整するものである。
【0012】
発明に係る電解イオン水生成器は必要に応じて、ペーハー演算部で演算されたpH値を表示する表示部を備えるものである。本発明に係る電解イオン水生成器は必要に応じて、表示部はペーハー調整部で調整する目標となるpH値を設定値として表示し、又はこの目標のpH値との偏差を表示するものである。
【0013】
【作用】
本発明においては、反応槽内のアルカリ性水、酸性水の各流路の電極前段及び後段にそれぞれ前段センサと後段センサを配設して各導電率を検出し、この検出した各導電率の偏差を偏差演算部で演算し、この導電率の偏差に基づいてペーハー演算部が生成されるアルカリ性水又は酸性水のpH値を演算することから、反応槽に流入する原水におけるアルカリ性又は酸性以外のイオン濃度が導電率に与える影響を相殺できることとなり、簡略な構成でアルカリ性水及び酸性水のpH値を正確且つ確実に検出する。
【0014】
また、本発明の参考となる実施例においては、各種のノイズ源に対して略同一距離に前段センサ及び後段センサを配設するようにしているので、外部からのノイズ例えば正・負の各電極間に印加される電解電流に重畳されたノイズ等を相殺できることとなり、簡略な構成でアルカリ性水及び酸性水のpH値を正確且つ迅速に検出する。
【0015】
また、本発明においては、ノイズ源の主要な原因となる正・負の各電極間に印加される電解電流を停止又は低下させて、この停止又は低下させている間に前段及び後段の各センサからノイズの少ない信号を検出できることとなり、簡略な構成でアルカリ性水及び酸性水のpH値を正確且つ確実に検出できる。
【0016】
また、本発明においては、反応槽のケーシング内に前段センサ及び後段センサを収納するように配設しているので、同一の条件で原水とアルカリ性水及び酸性水とを検出できることとなり、ノイズ、その他の影響を相殺して正確なpH値の検出ができる。また、反応槽のケーシング内における生成直後で導電率を検出することにより、他の原因、例えば遊離炭酸、炭酸カルシュウムの付着、塵埃等による影響を排除できることとなり、安定した導電率の検出ができる。さらに、電解イオン水の生成からデータの検出までのタイムラグがなくなり、制御特性を高感度に維持して短時間に目標値に収斂させることができる。
【0017】
また、本発明においては演算されたpH値に基づいてぺーハー調整部が生成されるアルカリ性水及び酸性水のpH値を調整するようにしているので、生成されるアルカリ性水及び酸性水のpH値を予め設定された所定値に維持できる。
また、本発明においては、演算されたpH値に基づいてペーハー調整部が正・負の各電極に印加する直流電圧又は電流を調整するようにしているので、アルカリ性水又は酸性水の導電率に対応させてpH値を所定値に制御できる。
【0018】
また、本発明においては、演算されたpH値に基づいてぺーハー調整部が反応槽に流入する原水の流量を調整するようにしているので、アルカリ性水及び酸性水のpH値を所定値に制御できる。
また、本発明においては、前段センサ及び後段センサをアルカリ性水及び酸性水の各流路に配設するようにしているので、各センサの検出値の平均値を求めることができ、より誤差の少ないpH値を検出できる。
【0019】
また、本発明においては、演算されたpH値を表示部に表示するようにしているので、表示されたpH値に基づいて各種調整が可能となる。
さらに、本発明においては、表示部に調整する目標となるpH値を表示するようにしているので、演算されたpH値から容易に調整できる。
【0020】
【実施例】
(本発明の一実施例)
以下、本発明の一実施例を図1及び図2に基づいて説明する。この図1は本実施例に係る電解イオン水生成器の全体概略構成図、図2は図1に記載の電解イオン水生成器の部分詳細回路図を示す。
【0021】
同図において本実施例に係る電解イオン水生成器は、所定周期の検出用パルスを生成する発振回路1と、この検出用パルスに基づいて反応槽に供給される浄水の導電率及び生成されるアルカリ性水の導電率を検出する導電率検出部2と、この各導電率から各種ノイズ成分を除去して真正な反応量を検出する反応量検出部3と、この反応量からアルカリ性水のpH値を演算すると共に、予め設定された設定pH値との偏差pH値を演算するpH演算制御部4と、この偏差pH値に基づいて電源部60で変換された直流電流を所定の電圧値に制御して電解電流を反応槽7の正・負の各電極73、74・75間へ供給する電源制御部6、この電源制御部6の制御により供給される電解電流の出力を所定時間停止させると共に、この所定時間の内に前記導電率検出部2が浄水及びアルカリ清水の各導電率を検出して反応量検出部3へ出力するように制御する検出制御部8とを備える構成である。
【0022】
前記発振回路1は、前記電源制御部6で変換された直流電流を抵抗R11、R12で所定の分圧比に分圧し、オペアンプOP1の比較結果により抵抗R13及びコンデンサC11で決定される所定のデューティ比の検出用パルスを出力する構成である。この検出用パルスは商用周波数と大きく異なる周波数の低インピーダンスで供給される。従って、反応槽7内において、正・負の各電極73、74・75間に印加される直流成分と前記検出用パルスの交流成分とのノイズが相殺され、さらに前記正・負の各電極73、74・75に発生する錆等によるアンバランスを防止できることとなる。このように特有なデューティ比の検出用パルスと低インピーダンスとを用いることにより、小さなアンバランスを無視できると共に、周波数の相違により信号成分を容易に検出できることとなる。
【0023】
前記導電率検出部2は、固定抵抗R21、R22とアルカリ電極21、22間のアルカリ性水の導電率により決定される可変抵抗R23及び浄水電極23、24間の浄水の導電率により決定される可変抵抗R24とによりブリッジ回路を形成し、このブリッジ回路の接続中点から偏差電圧を検出電圧として出力する構成である。前記固定抵抗R21、R22の電源側にはダイオードD21が接続され、このダイオードD21は反応槽7のサージ電流を吸収するように構成される。また、この固定抵抗R21、R22はブリッジ回路のインピーダンスを低下させるために、極力小さな値で構成されることが望ましい。
【0024】
前記反応量検出部3は、導電率検出部2から出力される偏差電圧に基づいて差動アンプOP3が反応槽7におけるアルカリ性水の反応量を検出して出力する構成である。この反応量検出部3は前段に配設される抵抗R31により差動アンプOP3のゲインを下げるように作用するように動作する。この差動アンプOP3と抵抗R31との間にはコンデンサC31、C32が接続され、このコンデンサC31、C32には商用周波数の60Hzを通しにくくすると共に、信号成分の数KHzを通し易い容量で構成される。
【0025】
前記pH演算制御部4は、反応量検出部3で検出された反応量の導電率偏差をアルカリ性水と酸性水との濃度差として求め、この濃度差をpH値に演算する構成である。また、このpH演算制御部4は、pH値設定部40で設定される設定pH値との偏差pH値を演算し、この偏差pH値を電源制御部6へ出力する構成である。また、このpH演算制御部4は演算したpH値をpH値表示部5へ出力し、このpH値表示部5は演算されたpH値を表示する構成である。
【0026】
前記反応槽7を図3及び図4に基づいて説明する。この図3は本実施例に係る反応槽の概略構成平面図、図4は図3におけるA−A線、B−B線、C−C線の断面図を示す。
前記各図において本実施例における反応槽7は、ケース本体70a内に正・負の各電極73、74・75が所定間隔を隔てて積層配設され、この正・負の各電極73、74・75の間に境界隔膜76、77が介装され、これらが配設・介装された状態で前記ケース本体70aに蓋体70bを密閉閉蓋して構成される。
【0027】
また、このケース本体70aの一側壁には浄水用の取水口78a、78bが穿設され、この取水口78a、78bから取水された浄水を浄水供給路72を介して正・負の各電極73、74・75及び境界隔膜76、78の隙間に浄水を供給する構成である。
【0028】
また、このケース本体70aの他側壁にはアルカリ性水を外部に吐出するアルカリ性水吐出口79a及び酸性水を外部に吐出する酸性水吐出口79bが各々穿設され、このアルカリ性水吐出口79aからアルカリ性水移送路71を介して移送されるアルカリ性水を外部に供給する構成である。
【0029】
前記浄水供給路72には一対の浄水電極23、24が配設され、この浄水電極23、24の端子23a、24aをケース本体70aの底面から突出させて構成される。また、前記アルカリ性水供給路71には一対のアルカリ電極21、22が配設され、このアルカリ電極21、22の端子21a、22aをケース本体70aの底面から突出させて構成される。このように前段センサとなる浄水電極23、24及び後段センサとなるアルカリ電極21、22とが各々ケース本体70a内に配設されていることから、アルカリ性水生成直後で導電率を検出することにより、他の要因例えば遊離炭酸、炭酸カルシュウムの付着、塵埃等による影響を排除して安定したデータ検出が可能となる。さらに、アルカリ性水生成からデータ検出までのタイムラグを極力少なくして制御特性を高感度に維持し、制御への目標値に短時間で収斂させることができる。
【0030】
さらに、前記ケース本体70aの底面からは正・負の各電極73、74・75の各端子73a、74a・75aを突出させて構成される。これらの各端子73a、74a、75a、21a、22a、23a、24aはそれぞれOリングを介して装着され、内部の浄水又はアルカリ性水がケース本体70aから漏れないように構成される。
【0031】
次に、前記構成に基づく本実施例のアルカリ性水を所定のpH値で生成する動作について説明する。
まず、前記正・負の各電極73、74・75間に電源部60で交流電流から変換された直流電流が電源制御部6の制御により所定の値で印加される。この状態で水道水がフィルタ70で浄化されて浄水として取水口78a、78bから取水され、この浄水が浄水供給路72を介して正・負の各電極間に供給される。この浄水供給路72に流れる浄水により特定される電気抵抗R24により浄水電極23、24が導電率を検出する。
【0032】
また、発振回路1からは電源部60で交流電流から交換された直流電流を所定のデューティ比で検出用パルスを生成して前記アルカリ電極21、22及び浄水電極23、24の各々に印加する。
前記直流電流が供給される正・負の各電極73、74・75の電解反応により、境界隔膜76、77の対向する間に正電極73により吸引されてアルカリ性水が生成されてアルカリ性水移送路71を介してアルカリ性水吐出口79aが外部に供給される。このアルカリ性水移送路71中においてアルカリ性水により特定される電気抵抗R23によりアルカリ電極21、22が導電率を検出する。
【0033】
前記浄水及びアルカリ性水により特定される電気抵抗R23、R24と、前記各固定抵抗R21、R22とによりブリッジ回路が形成され、このブリッジ回路の平衡条件が満足している場合、即ち浄水とアルカリ性水との電気抵抗R23、R24が一致している場合には、
R21×R24=R22×R23
が成立することとなり、導電率検出部2から検出電圧が零として出力される。
【0034】
また、前記ブリッジ回路の平衡条件が満足していない場合には、導電率検出部2から平衡条件からシフトした量に相当する検出電圧が出力される。なお、反応槽7の正・負の各電極73、74・75に印加される電解電流はコンデンサC21により遮断される。
【0035】
前記各検出電圧は検出制御部8の制御により電源制御部6から正・負の各電極73、75への供給が停止されている間にのみ検出されたデータが反応量検出部3へ出力される。このデータとしての各検出電圧の出力は、検出制御部8が電源制御部6に対して電解電流の出力を停止させる制御信号を出力し、その後に導電率検出部2のスイッチSW20を投入させる制御信号を出力することにより、この投入されたスイッチSW20を介して検出された各導電率(検出電圧)を反応量検出部3へ供給する。なお、検出制御部8により導電率検出部2のスイッチSW20を制御する構成としたが、スイッチSW20を常時投入状態とし、電源制御部6が電解電流の出力を停止している間のみでpH値を演算する構成とすることもできる。
【0036】
これらの検出電圧に基づいて反応量検出部3は、反応槽7内で発生する共通モードノイズが相殺され、アルカリ性(及び酸性)の真の反応量のみが検出される。この真の反応量がpH演算制御部4に入力され、このpH演算制御部4は真の反応量、即ち導電率差から濃度差を求め、この濃度差からアルカリ性水のpH値を演算する。この演算されたpH値とpH値設定部40で設定された設定pH値とを比較して偏差pHを演算して電源制御部6へ出力する。また前記演算されたpH値はpH値表示部5へ出力され、このpH値表示部5でpH値を表示して報知する。
【0037】
前記電源制御部6は、偏差pH値に基づいて反応槽7の正・負の各電極73、74・75の間に印加される直流電流を調整する。即ち、導電率検出部2のブリッジ回路が平衡条件を満足している場合には、偏差pH値も零であることから電源制御部6は現状を維持するように電解電流を調整する。また、前記ブリッジ回路の平衡条件が満足していない場合には、偏差pH値の大きさに応じて電源制御部6は電解電流を調整する。
【0038】
(本発明の他の実施例)
前記実施例に係る電解イオン水生成器においては、反応槽7のケース本体70a内に配設する構成としたが、前記ケース本体70aの外側、例えば浄水の取水路及びアルカリ性水の供給路のいずれかの箇所に配設する構成とすることもできる。
【0039】
また、前記実施例においてはアルカリ性水のpH値を検出してpH値を調整する構成としたが、酸性水のpH値を調整する構成とすることもできる。この場合には検出するpH値が平均化されてより安定した値が得られることとなる。
また、前記実施例においはpH演算制御部で演算された偏差pH値に基づいて反応槽7の正・負の各電極73、74・75に供給する電解電流の値を調整する構成としたが、偏差pH値に基づいて反応槽7に取水される浄水の流量を調整する構成とすることもできる。
【0040】
また、前記実施例においてはpH値の検出をアルカリ性水についてのみ行なう構成としたが、アルカリ性水及び酸性水の双方のpH値を検出し、各検出されたpH値に基づいて調整動作を行なう構成とすることもできる。この場合には検出される2つのpH値に基づいて演算されることから求めるpH値が平均化されてより安定した値が得られることとなる。
【0041】
また、前記実施例においては電源制御部6で偏差pH値によりpH値の調整動作を行なう構成としたが、pH値表示部5に表示されたpH値を参照して操作者が調整動作を行なうこともできる。
また、前記実施例においては検出制御部8が導電率検出部2から各検出電圧を出力する際に電源制御部6から電解電流の供給を停止するように制御する構成としたが、この電源制御部6からの電解電流を低く低下させてこの低下させている間に導電率検出部2から各検出電圧を反応量検出部3へ出力する構成とすることもできる。この場合には、低下して出力される電解電流の電流値により各種演算部がフィードバック制御を行う際のフィードバックデータの1つとして用いることができ、また他の演算要素として用いることができることとなる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、
反応槽内に隔膜を介して正・負の各電極が対向して配設され、当該各電極に直流電圧を印加して前記反応槽内に流入する原水からアルカリ性水及び酸性水を生成する電解イオン水生成器において、反応槽にアルカリ性水取水口と酸性水取水口とアルカリ性水吐出口と酸性水吐出口とを設け、該アルカリ性水取水口とアルカリ性水吐出口の間のアルカリ性水流路内の電極の前段に原水の導電率を検出する前段センサを、該電極の後段に生成されたアルカリ性水における導電率を検出する後段センサを、前記酸性水取水口と酸性水吐出口の間の酸性水流路内の電極の前段に原水の導電率を検出する前段センサを、該電極の後段に生成された酸性水における導電率を検出する後段センサを、それぞれ配設し、前記前段及び後段の各センサで検出された各導電率の偏差を演算する偏差演算部と、前記演算された導電率の偏差に基づいてpH値を演算するペーハー演算部とを備えるから、反応槽に流入する原水におけるアルカリ性又は酸性以外のイオン濃度が導電率に与える影響を相殺できることとなり、簡略な構成でアルカリ性水及び酸性水のpH値を正確且つ確実に検出するという効果を奏する。
また、本発明においては、ノイズ源の主要な原因となる正・負の各電極間に印加される電解電流を停止又は低下させて、この停止又は低下させている間に前段及び後段の各センサからノイズの少ない信号を検出できることとなり、簡略な構成でアルカリ性水及び酸性水のpH値を正確且つ確実に検出できるという効果を有する。また、本発明においては、反応槽のケーシング内に前段センサ及び後段センサを収納するように配設しているので、同一の条件で原水とアルカリ性水及び酸性水とを検出できることとなり、ノイズ、その他の影響を相殺して正確なpH値の検出ができるという効果を有する。また、反応槽のケーシング内における生成直後で導電率を検出することにより、他の原因、例えば遊離炭酸、炭酸カルシュウムの付着、塵埃等による影響を排除できることとなり、安定した導電率の検出によるデータが得られる。さらに、電解イオン水の生成からデータの検出までのタイムラグがなくなり、制御特性を高感度に維持して短時間に目標値に収斂させることができるという効果を有する。また、本発明においては演算されたpH値に基づいてぺーハー調整部が生成されるアルカリ性水及び酸性水のpH値を調整するようにしているので、生成されるアルカリ性水及び酸性水のpH値を予め設定された所定値に維持できるという効果を有する。また、本発明においては、演算されたpH値に基づいてペーハー調整部が正・負の各電極に印加する直流電圧又は電流を調整するようにしているので、アルカリ性水又は酸性水の導電率に対応させてpH値を所定値に制御できるという効果を有する。また、本発明においては、前段センサ及び後段センサをアルカリ性水及び酸性水の各流路に配設するようにしているので、各センサの検出値の平均値を求めることができ、より誤差の少ないpH値を検出できるという効果を有する。また、本発明においては、演算されたpH値を表示部に表示するようにしているので、表示されたpH値に基づいて各種調整が可能となるという効果を有する。さらに、本発明においては、表示部に調整する目標となるpH値を表示するようにしているので、演算されたpH値から容易に調整できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電解イオン水生成器の全体概略構成図である。
【図2】図1に記載の電解イオン水生成器の部分詳細回路図である。
【図3】本発明の一実施例に係る電解イオン水生成器の反応槽の概略構成平面図である。
【図4】図3におけるA−A線、B−B線、C−C線の断面図である。
【図5】従来の電解イオン水生成器の概略構成図である。
【図6】従来の電解イオン水生成器の動作特性図である。
【符号の説明】
1 発振回路
2 導電率検出部
3 反応量検出部
4 pH演算制御部
5 pH値表示部
6 電源制御部
7 反応槽
8 検出制御部
21、22 アルカリ電極
22、23 浄水電極
40 pH値設定部
60 電源部
70a ケース本体
70b 蓋体
71 アルカリ性水移送路
72 浄水供給路
73、74・75、23、24 電極
76、77 境界隔膜
78a、78b 取水口
79a、79b 吐出口
73a、〜、75a、21a、〜、24a 端子

Claims (7)

  1. 反応槽内に隔膜を介して正・負の各電極が対向して配設され、当該各電極に直流電圧を印加して前記反応槽内に流入する原水からアルカリ性水及び酸性水を生成する電解イオン水生成器において、反応槽にアルカリ性水取水口と酸性水取水口とアルカリ性水吐出口と酸性水吐出口とを設け、該アルカリ性水取水口とアルカリ性水吐出口の間のアルカリ性水流路内の電極の前段に原水の導電率を検出する前段センサを、該電極の後段に生成されたアルカリ性水における導電率を検出する後段センサを、前記酸性水取水口と酸性水吐出口の間の酸性水流路内の電極の前段に原水の導電率を検出する前段センサを、該電極の後段に生成された酸性水における導電率を検出する後段センサを、それぞれ配設し、前記前段及び後段の各センサで検出された各導電率の偏差を演算する偏差演算部と、前記演算された導電率の偏差に基づいてpH値を演算するペーハー演算部とを備えることを特徴とする電解イオン水生成器。
  2. 前記請求項1に記載の電解イオン水生成器において、前記各電極に印加する直流電圧を所定時間だけ出力を停止又は低下させると共に、当該直流電圧の出力を停止又は低下させた所定時間内に前記前段及び後段の各センサで検出された各導電率を偏差演算部へ出力するように制御する検出制御部を備えることを特徴とする電解イオン水生成器。
  3. 前記請求項1、2に記載の電解イオン水生成器において、前記ペーハー演算部で演算されたpH値に基づいて生成するアルカリ性水及び酸性水のpH値を調整するペーハー調整部を備えることを特徴とする電解イオン水生成器。
  4. 前記請求項3に記載の電解イオン水生成器において、前記ペーハー調整部は演算されたpH値に基づいて前記正・負の各電極に印加する直流電圧又は電流の値を調整して生成するアルカリ性水又は酸性水のpH値を調整することを特徴とする電解イオン水生成器。
  5. 前記請求項4に記載の電解イオン水生成器において、前記ペーハー調整部は演算されたpH値に基づいて前記反応槽内に流入する原水の流量を調整して生成するアルカリ性水又は酸性水のpH値を調整することを特徴とする電解イオン水生成器。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の電解イオン水生成器において、前記ペーハー演算部で演算されたpH値を表示する表示部を備えることを特徴とする電解イオン水生成器。
  7. 前記請求項6に記載の電解イオン水生成器において、前記表示部はペーハー調整部で調整する目標となるpH値を設定値として表示し、又はこの目標のpH値と演算されたpH値との偏差を表示することを特徴とする電解イオン水生成器。
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