JP3563293B2 - セルラ通信信号受信器 - Google Patents
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- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルラ通信システムに関し、特に、別の変調された同一チャネル干渉(CCI(co−channel interfering))信号の存在下でディジタル変調信号を受信するために用いられる受信器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動無線通信では、無線スペクトルは貴重な資源である。その結果、ほとんどの移動無線通信システムはセルラ原理に基づいている。基本的には、ワイヤレスサービスが利用可能な地域がいくつかのセルに分割される。図式的には、各セルは六角形で表されるが、実際には、各セルは、とりわけ、システムによってサービスされる地形に依存する形状を有する。各セルは、ほぼその中心に配置された基地局を有する。各基地局は、ほぼ各セルによって規定されるエリア内の信号を送受信する。しかし、各基地局の実際の無線レンジは、各セルエリアを超えて広がることがあり得る。従って、干渉を避けるために、隣接するセルには異なる周波数セットを割り当てるのが好ましい。各セルエリア内に位置する加入者は、ワイヤレス端末(セルラ電話機、ワイヤレスローカルループ端末、一部のコードレス電話機、一方向および双方向のページャ、PCS端末およびパーソナルディジタルアシスタント(PDA(personal digital assistant)))を用いることによって他の加入者と通信する。セル内に位置する各ワイヤレス端末は、そのセルに位置する対応する基地局との間で、所定の周波数レンジ内の通信チャネルを通じて信号を送受信する。
【0003】
隣接するセルは異なる周波数セットを使用するため、同じ周波数セットを使用する2つのセル間の距離は設計上の重要な考慮事項である。この距離を、平均再使用距離Dという。単位面積あたりに利用可能なチャネルの総数を多くするために、セルのサイズを小さくすることが好ましい。セルのサイズを縮小することにより、同じ周波数セットを再使用する可能性が多くなる。従って、所定のエリア内で利用可能な周波数セットの増大のため、より多くの加入者がシステムを使用することが可能となる。しかし、各セルのサイズと、基地局および移動機の送信パワーに依存して、同じ周波数レンジを使用するセル間の同一チャネル干渉が重大になることがある。
【0004】
最尤シーケンス推定(MLSE(maximum likelihood sequential estimation))等化器が、受信器においてチャネルを等化して、最適性能を達成することができる。MLSE等化器は、特に、GSM(Global System for Mobile Communications)として知られる標準仕様を用いるような長距離の無線チャネルで有用である。同一チャネル干渉を低減するもう1つのアプローチは、アンテナアレイを使用するものである。所望の信号と同一チャネル干渉信号は空間的に離れていることが多いため、アンテナアレイは、ビーム形成により同一チャネル干渉信号を抑圧することができる。しかし、これらのアプローチは、最適な結果を得るために非常に複雑な信号処理を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、このようなシステムの複雑さを低減し、商業的に実現可能にし、同一チャネル干渉信号の効果を大幅に低減することが必要とされている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施例によれば、通信信号受信器は、複数のトレーニング信号サンプルを受信して、所望の信号と同一チャネル干渉信号の両方に対する有限インパルス応答を推定するチャネル推定器を有する。これらの有限インパルス応答推定値は、所望のチャネルの長さおよび同一チャネル干渉チャネルの長さをそれぞれ規定する所定数のチャネルタップを有する。チャネルタップ推定値は、ビタビ復号器に入力される。また、チャネルタップ推定値は、推定された各チャネルタップのパワーを推定するパワー計算器にも入力される。個々のタップパワー推定値は、結合(joint)チャネルトリマに入力される。結合チャネルトリマは、所望の信号のチャネル長と同一チャネル干渉チャネル長の和が固定サイズを有するように、最も弱いタップをチャネルタップの両端から切り落とすことによって、結合チャネル長を維持する。結合チャネル長は、所望のチャネルタップと同一チャネル干渉チャネルタップの間に動的に割り当てられる。トリムされたチャネルサイズはビタビ復号器に入力される。ビタビ復号器は、チャネル推定値と計算されたチャネルサイズに従って、受信信号を復号する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例による通信受信器のブロック図であるが、本発明はこれに限定されるものではない。受信器10は、アナログ−ディジタル(A/D)変換器26から信号サンプルXを受信する結合チャネル推定器12を有する。この信号サンプルは、アンテナアレイ22によって受信されダウンコンバータ24によってベースバンドへダウンコンバートされた信号をディジタル化したものである。
【0008】
アンテナアレイ22は、セル内の所望の信号と、セル外の地点からの同一チャネル干渉信号の両方を受信する。結合チャネル推定器12は、所望の信号と同一チャネル干渉信号の両方に対して、チャネルの有限インパルス応答を同じ推定する。
【0009】
ディジタルセルラ電話のシグナリング標準に関して、世界ではいくつかのアプローチが使用されている。そのような標準の1つはヨーロッパのGSMであり、ETSI/GSM Series 03 Air Interference Specification, GSM PN Paris、に記載されている。この標準の一部は、信号バーストの形での信号の伝送に関係する。
【0010】
図2に、時分割多元接続(TDMA)で用いられるような信号バースト(伝送バーストあるいは信号フレームともいう。)を示すが、本発明の技術的範囲はこの特定の形式あるいはフォーマットを有する信号バーストに限定されるものではない。今の場合、信号バースト、伝送バーストあるいは信号フレームという用語は互いに入れ替えて使用可能である。図2の信号(伝送)バーストは、所定数のディジタルシンボル(ビット)を有する。この特定実施例では、各バーストは、順に、一連の連続する所定の開始ビット27、所定数の情報ビット29、一連の所定のトレーニングビット31、第2の所定数の情報ビット33、および、一連の連続する所定の終了ビット35を有する。例えば、GSM方式では、3ビットの開始ビットおよび3ビットの終了ビットと、送信される2値ディジタル信号からなる信号バーストの両方の部分に57ビットと、「ミッドアンブル(midamble)」という26ビットのトレーニングビットとがあり、合計で信号バーストあたり148ビットである。トレーニングビットは、通信システムの受信端および送信端の両方で既知である。開始ビットおよび終了ビットも既知であり、一般に0の並びである。認識されるように、仕様に依存して、他の個数および分布のビットが可能である。
【0011】
GSM通信標準は、ガウシアン最小位相シフトキーイング(GMSK(Gaussian Minimum Phase Shift Keying))というベースバンドでの信号変調の形式を要求する。なお、GMSKは線形変調方式ではないが、線形で近似可能である。GMSKについてさらに詳細には、J. B. Anderson, T. Aulin and C. E. Sundburg, ”Digital Phase Modulation”, Plenum, 1986、に記載されている。もちろん、本発明の技術的範囲は、GMSK変調方式に限定されるものではない。
【0012】
チャネル推定器12は、図2のような入力バーストのトレーニングビットを用いて、伝送が行われたチャネルの推定値を計算する。このチャネル推定値は、バーストがセル内およびセル外の送信局から受信器10のような受信局へ伝送されてきたワイヤレスチャネルの有限インパルス応答である。受信信号は、ワイヤレスチャネルを通じての伝送に伴うノイズおよびシンボル間干渉(ISI(inter symbol interference))により歪みを受ける。エラー信号のノルムを最小にすることによって、所望のチャネルと同一チャネル干渉チャネルの推定値が得られる。インパルス応答の各項は複素数であり、この文脈ではタップ重みあるいはチャネルタップという。各タップ重みは、以下でさらに詳細に説明するように、送信信号に対するチャネル歪みの効果を表す。
【0013】
所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方に対応するチャネル推定値を得るために、以下で詳細に説明するようなチャネルモデルを使用する。
【0014】
線形変調方式を仮定すると、所望の信号および同一チャネル干渉信号はそれぞれ次のように表される。
【数1】
ただし、gsおよびgiはそれぞれ、所望の信号および同一チャネル干渉信号のパルス形成信号である。{sk}、{si,k}はそれぞれ、所望の信号および同一チャネル干渉信号のデータシーケンスであり、Tは各シンボル(信号サンプル)の期間である。従って、アンテナアレイ22のj番目のアンテナで受信される信号は次のように書くことができる。
【数2】
ただし、cs,j(t)およびci,j(t)はそれぞれ、所望の信号および同一チャネル干渉信号のj番目のアンテナの物理チャネルインパルス応答であり、n(t)は加法性ノイズである。式(1)および式(2)のバーs(t)およびバーsi(t)を代入すると、式(3)は次のように書くことができる。
【数3】
xj(t)をサンプリングした後、式(4)は次のような行列形式で書くことができる。
Xmxn=(Hs)mxlSlxn+(Hi)mxl(Si)lxn+Nmxn (5)
ただし、m×nなどの添字は行列のサイズを表す。mはアンテナアレイ22におけるアンテナの数である。lは、hs,jおよびhi,jのすべての非ゼロ項をカバーするように十分長くとる。nは、式(5)で考慮している時間サンプルの数である。Hの第i行は、[hs,j(t0),hs,j(t0−T),...,hs,j(t0−(l−1)T)]である。Sは、[sk,sk−1,...,sk−l+1]Tを第1列とし、[sk,sk+1,...,sk+n−1]を第1行とするテプリッツ行列である。同様に、Siは、[si,k,si,k−1,...,si,k−l+1]Tを第1列とし、[si,k,si,k+1,...,si,k+n−1]を第1行とするテプリッツ行列である。
【0015】
式(5)は次のように書くことができる。
【数4】
ただし、Xは、受信器によって受信された信号サンプルを表し、Nは、受信器によって受信された加法性ノイズである。ノイズNはガウシアン白色ノイズであると仮定すると、最小二乗解は次のように書くことができる。
【数5】
ただし、(・)+は、A+=(A*A)−1A*で定義される一般逆行列を表す。
【0016】
注意すべき点であるが、式(7)は、所望の信号チャネルHsと、1つの同一チャネル干渉チャネルHiの有限インパルス応答を与える。しかし、付近の複数のセルが同一チャネル干渉信号を生じる場合もある。認識されるように、上記の式(1)〜(7)は追加の同一チャネル干渉信号を含むように拡張可能である。その場合、式(7)は次のように拡張される。
【数6】
ただし、Hi,nは、n番目の(所望の信号が送信されているセルの付近のセルnからの)チャネルを通じて与えられる同一チャネル干渉信号の有限インパルス応答に対応し、Si,nは、セルnの基地局によって提供されるトレーニングシーケンスである。
【0017】
このように、結合チャネル推定器12は、式(7)あるいは(7a)に示されるように、トレーニングビットおよび実際の受信信号に基づいてチャネル推定値を導出する。
【0018】
次に、チャネルタップ推定値はビタビ復号器20に入力され、所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方が復調される。タップパワー計算器14の出力ポートは、タップパワー重みづけユニット16の入力ポートに接続される。タップパワー重みづけユニット16は、同一チャネル干渉タップに対応するチャネルタップに、ある重み係数を乗じる。その後、タップパワー重みづけユニット16の出力ポートは、結合チャネルトリマ18に接続される。結合チャネルトリマ18は、所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方のチャネル推定値を表すタップの総数を一定に維持する(詳細は後述)ように、両方の信号に対応する複数のチャネルタップを切り落とす。
【0019】
結合チャネルトリマ18の出力ポートは、結合ビタビ復号器20の入力ポートに接続される。結合ビタビ復号器20は、チャネルトリマ18によって指定されるタップ数に対応する一定数の状態を有する。
【0020】
タップパワー計算器14は、所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方に対する各有限インパルス応答タップの強度を計算する。所望の信号チャネルに対する有限インパルス応答タップの強度をPsで表し、同一チャネル干渉信号チャネルに対する有限インパルス応答タップの強度をPiで表す。すると、パワー信号Psおよびパワー信号Piは次のように書くことができる。
【数7】
ただし、11xmは各成分が1の列ベクトルであり、conj(・)は複素共役演算を表し、○の中に・の記号はアダマール積を表す。
【0021】
図3は、本発明の一実施例による受信器10の動作を説明する流れ図であるが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。動作中、ステップ110で、結合チャネル推定器12は、各受信バーストに対して、受信器10によって受信された所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方に対する結合チャネル推定値を得る。結合チャネル推定器12は、各バースト中のトレーニングビットを用いて、上記のように、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対する結合チャネル推定値を得る。このために、結合チャネル推定器12は、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応する複数のチャネルタップを備える。
【0022】
ステップ112で、タップパワー計算器14は、ステップ110で得られたチャネルタップのパワーPsおよびPiを、上記の式(8)に従って計算する。その後、ステップ114で、タップパワー重みづけユニット16は、同一チャネル干渉信号の効果を低減するように同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップパワー値に重み係数wを乗じる。これは、同一チャネル干渉信号に埋め込まれているデータビットは受信器10にとって重要ではないためである。好ましくは、重み係数wは1に近く1より小さい値に選ぶ。
【0023】
ステップ116で、結合チャネルトリマ18は、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップの合計数を、指定可能な一定数lcに切り落とす。注意すべき点であるが、lcの値が大きいことは、ビタビ復号器におけるチャネル推定エラーが比較的少なく、計算量(複雑さ)が比較的多いことを意味する。例えば、lcが1増大するごとに、受信器10で用いられるビタビ復号器の計算量は倍になる。
【0024】
結合チャネルトリマ18は、
min{Ps(ls,first),Ps(ls,last),wPi(li,first),wPi(li,last)} (9)
に基づいて最も弱いタップパワーを求めることにより、所望のチャネルおよび同一チャネル干渉チャネルの両方に対応するチャネルタップの終端部分を切り落とす。ただし、ls,firstおよびls,lastはそれぞれ、所望の信号の有限インパルス応答チャネルタップの最初および最後のタップであり、li,firstおよびli,lastはそれぞれ、同一チャネル干渉信号の有限インパルス応答チャネルタップの最初および最後のタップであり、ls,first≧ls,last、li,first≧li,lastである。チャネルトリマ18は、最初および最後のチャネルタップに対応するパワーを比較し、最も弱いパワーのタップを除去する。例えば、最初のチャネルタップのパワーPs(ls,first)が最も弱い場合、これはチャネルトリマによって切り落とされる。同様に、最後のチャネルタップのパワーPi(li,first)が最も弱い場合、これがチャネルトリマによって切り落とされる。チャネルトリマ18がステップ118で残りのチャネルタップの合計数すなわち(ls,first−ls,last)+(li,first−li,last)がlc(ただしlcは固定数)に等しいと判定するまで、ステップ116は繰り返される。なお、(ls,first−ls,last)の項は、所望の信号に対応するチャネルタップlsの残りの数に対応し、(li,first−li,last)の項は、同一チャネル干渉チャネルに対応するチャネルタップliの残りの数に対応する。
【0025】
注意すべき点であるが、キャリア対干渉比(CIR(carrier to interferenceratio))が高いバーストの場合、システムは、すべてのタップを用いて所望の信号チャネルを記述し、ビット誤り率の下限に到達する。逆に、キャリア対干渉比が低いバーストの場合、システムは、同一チャネル干渉の影響を軽減するために、より多くのタップを同一チャネル干渉チャネルに対して使用する。
【0026】
所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップが選択された後、ビタビ復号器20は、ls,first、ls,last、li,firstおよびli,lastによって示される残りのチャネルタップlsおよびliを用いて、アンテナアレイ22から入力された信号Xを復号する。
【0027】
こうして、ステップ120で、ビタビ復号器20は、所望のデータシーケンスおよび同一チャネル干渉データシーケンスの両方を復調する。ビタビ復号器20は、前方誤り訂正を備えた最尤復号器である。ビタビ復号器は、各シンボル時点での可能なビットシーケンスのうちの1つのシーケンスを逆に進み、いずれのビットシーケンスが送信された可能性が最も高いかを判定する。あるシンボル時点(状態)における信号ステータスから次のシンボル時点(状態)における信号ステータスへの可能な遷移は限られている。ある状態から次の状態への可能な各遷移は図示することが可能であり、この文脈では枝(ブランチ)という。互いに結合したブランチの系列をこの文脈ではパスという。各状態は、ビットストリーム中の次のビット(またはビットの集合)を受信すると、限られた数の次の状態のみに遷移することが可能である。復号プロセス中に、可能なパスは残り、他の可能なパスは除去される。こうして、許されないパスを除去することによって、送信された可能性が最も高いパスを判定する際の計算効率が改善される。
【0028】
本発明の一実施例によれば、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップはバーストごとに切り落とされるため、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するビタビ復号器内の状態の数はバーストごとに異なる可能性がある。例えば、本発明の一実施例によれば、チャネルタップの総数lcは、図4に示すように、5である。
【0029】
例示したデータバーストに対して、チャネル切り落としの後、チャネルトリマ18は、3個のチャネルタップを所望のチャネルに割り当て、2個のチャネルタップを同一チャネル干渉チャネルに割り当てる。図4に示すように、ビタビ復号器20は、所望の信号に対応する3タップチャネルメモリに対応する8状態トレリス210と、同一チャネル干渉チャネルに対応する2タップチャネルメモリに対応する4状態トレリス212で動作する。すなわち、図4に示すように、8状態トレリス210内の各ブランチは、4状態トレリス212に展開される。状態の総数は、所望の信号の状態の数と、同一チャネル干渉状態の数との積である。例えば図4の例では、状態の総数は32である。各状態は、4個の入力ブランチおよび4個の出力ブランチを有する。
【0030】
ステップ122で、ビタビ復号器は受信信号を復号する。各ブランチに対して、ビタビ復号器20は受信信号バーXを復元する。その後、ビタビ復号器20は、復元した受信信号と実際の受信信号の差のフロベニウスノルムの2乗‖バーX−X‖F 2を、各ブランチに対する増分メトリックとして使用する。ただし、演算子‖・‖Fはフロベニウスノルムを表す。ビタビアルゴリズムでノードメトリックを最小にすることによって、ビタビ復号器20は、トレリスにおいてもっとも可能性の高いデータシーケンスを探索する。
【0031】
1つのバースト分のデータが推定された後、次のバーストに対してステップ110が繰り返される。
【0032】
【発明の効果】
こうして、本発明によれば、ワイヤレス受信器は、非常に低いビット誤り率で信号を受信することができる。さらに、同一チャネル干渉信号に対応するチャネルパワータップの重みづけや、チャネルタップの総数の切り落としのような特徴により、構成は比較的簡単で安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による受信器のブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による受信器によって受信されるバースト信号の図である。
【図3】本発明の一実施例によるシステムの動作プロセスを説明する流れ図である。
【図4】本発明の一実施例によるビタビ復号器によって用いられるトレリス図である。
【符号の説明】
10 受信器
12 結合チャネル推定器
14 タップパワー計算器
16 タップパワー重みづけユニット
18 結合チャネルトリマ
20 結合ビタビ復号器
22 アンテナアレイ
24 ダウンコンバータ
26 アナログ−ディジタル(A/D)変換器
27 開始ビット
29 情報ビット
31 トレーニングビット
33 情報ビット
35 終了ビット
210 8状態トレリス
212 4状態トレリス
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルラ通信システムに関し、特に、別の変調された同一チャネル干渉(CCI(co−channel interfering))信号の存在下でディジタル変調信号を受信するために用いられる受信器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動無線通信では、無線スペクトルは貴重な資源である。その結果、ほとんどの移動無線通信システムはセルラ原理に基づいている。基本的には、ワイヤレスサービスが利用可能な地域がいくつかのセルに分割される。図式的には、各セルは六角形で表されるが、実際には、各セルは、とりわけ、システムによってサービスされる地形に依存する形状を有する。各セルは、ほぼその中心に配置された基地局を有する。各基地局は、ほぼ各セルによって規定されるエリア内の信号を送受信する。しかし、各基地局の実際の無線レンジは、各セルエリアを超えて広がることがあり得る。従って、干渉を避けるために、隣接するセルには異なる周波数セットを割り当てるのが好ましい。各セルエリア内に位置する加入者は、ワイヤレス端末(セルラ電話機、ワイヤレスローカルループ端末、一部のコードレス電話機、一方向および双方向のページャ、PCS端末およびパーソナルディジタルアシスタント(PDA(personal digital assistant)))を用いることによって他の加入者と通信する。セル内に位置する各ワイヤレス端末は、そのセルに位置する対応する基地局との間で、所定の周波数レンジ内の通信チャネルを通じて信号を送受信する。
【0003】
隣接するセルは異なる周波数セットを使用するため、同じ周波数セットを使用する2つのセル間の距離は設計上の重要な考慮事項である。この距離を、平均再使用距離Dという。単位面積あたりに利用可能なチャネルの総数を多くするために、セルのサイズを小さくすることが好ましい。セルのサイズを縮小することにより、同じ周波数セットを再使用する可能性が多くなる。従って、所定のエリア内で利用可能な周波数セットの増大のため、より多くの加入者がシステムを使用することが可能となる。しかし、各セルのサイズと、基地局および移動機の送信パワーに依存して、同じ周波数レンジを使用するセル間の同一チャネル干渉が重大になることがある。
【0004】
最尤シーケンス推定(MLSE(maximum likelihood sequential estimation))等化器が、受信器においてチャネルを等化して、最適性能を達成することができる。MLSE等化器は、特に、GSM(Global System for Mobile Communications)として知られる標準仕様を用いるような長距離の無線チャネルで有用である。同一チャネル干渉を低減するもう1つのアプローチは、アンテナアレイを使用するものである。所望の信号と同一チャネル干渉信号は空間的に離れていることが多いため、アンテナアレイは、ビーム形成により同一チャネル干渉信号を抑圧することができる。しかし、これらのアプローチは、最適な結果を得るために非常に複雑な信号処理を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、このようなシステムの複雑さを低減し、商業的に実現可能にし、同一チャネル干渉信号の効果を大幅に低減することが必要とされている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施例によれば、通信信号受信器は、複数のトレーニング信号サンプルを受信して、所望の信号と同一チャネル干渉信号の両方に対する有限インパルス応答を推定するチャネル推定器を有する。これらの有限インパルス応答推定値は、所望のチャネルの長さおよび同一チャネル干渉チャネルの長さをそれぞれ規定する所定数のチャネルタップを有する。チャネルタップ推定値は、ビタビ復号器に入力される。また、チャネルタップ推定値は、推定された各チャネルタップのパワーを推定するパワー計算器にも入力される。個々のタップパワー推定値は、結合(joint)チャネルトリマに入力される。結合チャネルトリマは、所望の信号のチャネル長と同一チャネル干渉チャネル長の和が固定サイズを有するように、最も弱いタップをチャネルタップの両端から切り落とすことによって、結合チャネル長を維持する。結合チャネル長は、所望のチャネルタップと同一チャネル干渉チャネルタップの間に動的に割り当てられる。トリムされたチャネルサイズはビタビ復号器に入力される。ビタビ復号器は、チャネル推定値と計算されたチャネルサイズに従って、受信信号を復号する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例による通信受信器のブロック図であるが、本発明はこれに限定されるものではない。受信器10は、アナログ−ディジタル(A/D)変換器26から信号サンプルXを受信する結合チャネル推定器12を有する。この信号サンプルは、アンテナアレイ22によって受信されダウンコンバータ24によってベースバンドへダウンコンバートされた信号をディジタル化したものである。
【0008】
アンテナアレイ22は、セル内の所望の信号と、セル外の地点からの同一チャネル干渉信号の両方を受信する。結合チャネル推定器12は、所望の信号と同一チャネル干渉信号の両方に対して、チャネルの有限インパルス応答を同じ推定する。
【0009】
ディジタルセルラ電話のシグナリング標準に関して、世界ではいくつかのアプローチが使用されている。そのような標準の1つはヨーロッパのGSMであり、ETSI/GSM Series 03 Air Interference Specification, GSM PN Paris、に記載されている。この標準の一部は、信号バーストの形での信号の伝送に関係する。
【0010】
図2に、時分割多元接続(TDMA)で用いられるような信号バースト(伝送バーストあるいは信号フレームともいう。)を示すが、本発明の技術的範囲はこの特定の形式あるいはフォーマットを有する信号バーストに限定されるものではない。今の場合、信号バースト、伝送バーストあるいは信号フレームという用語は互いに入れ替えて使用可能である。図2の信号(伝送)バーストは、所定数のディジタルシンボル(ビット)を有する。この特定実施例では、各バーストは、順に、一連の連続する所定の開始ビット27、所定数の情報ビット29、一連の所定のトレーニングビット31、第2の所定数の情報ビット33、および、一連の連続する所定の終了ビット35を有する。例えば、GSM方式では、3ビットの開始ビットおよび3ビットの終了ビットと、送信される2値ディジタル信号からなる信号バーストの両方の部分に57ビットと、「ミッドアンブル(midamble)」という26ビットのトレーニングビットとがあり、合計で信号バーストあたり148ビットである。トレーニングビットは、通信システムの受信端および送信端の両方で既知である。開始ビットおよび終了ビットも既知であり、一般に0の並びである。認識されるように、仕様に依存して、他の個数および分布のビットが可能である。
【0011】
GSM通信標準は、ガウシアン最小位相シフトキーイング(GMSK(Gaussian Minimum Phase Shift Keying))というベースバンドでの信号変調の形式を要求する。なお、GMSKは線形変調方式ではないが、線形で近似可能である。GMSKについてさらに詳細には、J. B. Anderson, T. Aulin and C. E. Sundburg, ”Digital Phase Modulation”, Plenum, 1986、に記載されている。もちろん、本発明の技術的範囲は、GMSK変調方式に限定されるものではない。
【0012】
チャネル推定器12は、図2のような入力バーストのトレーニングビットを用いて、伝送が行われたチャネルの推定値を計算する。このチャネル推定値は、バーストがセル内およびセル外の送信局から受信器10のような受信局へ伝送されてきたワイヤレスチャネルの有限インパルス応答である。受信信号は、ワイヤレスチャネルを通じての伝送に伴うノイズおよびシンボル間干渉(ISI(inter symbol interference))により歪みを受ける。エラー信号のノルムを最小にすることによって、所望のチャネルと同一チャネル干渉チャネルの推定値が得られる。インパルス応答の各項は複素数であり、この文脈ではタップ重みあるいはチャネルタップという。各タップ重みは、以下でさらに詳細に説明するように、送信信号に対するチャネル歪みの効果を表す。
【0013】
所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方に対応するチャネル推定値を得るために、以下で詳細に説明するようなチャネルモデルを使用する。
【0014】
線形変調方式を仮定すると、所望の信号および同一チャネル干渉信号はそれぞれ次のように表される。
【数1】
ただし、gsおよびgiはそれぞれ、所望の信号および同一チャネル干渉信号のパルス形成信号である。{sk}、{si,k}はそれぞれ、所望の信号および同一チャネル干渉信号のデータシーケンスであり、Tは各シンボル(信号サンプル)の期間である。従って、アンテナアレイ22のj番目のアンテナで受信される信号は次のように書くことができる。
【数2】
ただし、cs,j(t)およびci,j(t)はそれぞれ、所望の信号および同一チャネル干渉信号のj番目のアンテナの物理チャネルインパルス応答であり、n(t)は加法性ノイズである。式(1)および式(2)のバーs(t)およびバーsi(t)を代入すると、式(3)は次のように書くことができる。
【数3】
xj(t)をサンプリングした後、式(4)は次のような行列形式で書くことができる。
Xmxn=(Hs)mxlSlxn+(Hi)mxl(Si)lxn+Nmxn (5)
ただし、m×nなどの添字は行列のサイズを表す。mはアンテナアレイ22におけるアンテナの数である。lは、hs,jおよびhi,jのすべての非ゼロ項をカバーするように十分長くとる。nは、式(5)で考慮している時間サンプルの数である。Hの第i行は、[hs,j(t0),hs,j(t0−T),...,hs,j(t0−(l−1)T)]である。Sは、[sk,sk−1,...,sk−l+1]Tを第1列とし、[sk,sk+1,...,sk+n−1]を第1行とするテプリッツ行列である。同様に、Siは、[si,k,si,k−1,...,si,k−l+1]Tを第1列とし、[si,k,si,k+1,...,si,k+n−1]を第1行とするテプリッツ行列である。
【0015】
式(5)は次のように書くことができる。
【数4】
ただし、Xは、受信器によって受信された信号サンプルを表し、Nは、受信器によって受信された加法性ノイズである。ノイズNはガウシアン白色ノイズであると仮定すると、最小二乗解は次のように書くことができる。
【数5】
ただし、(・)+は、A+=(A*A)−1A*で定義される一般逆行列を表す。
【0016】
注意すべき点であるが、式(7)は、所望の信号チャネルHsと、1つの同一チャネル干渉チャネルHiの有限インパルス応答を与える。しかし、付近の複数のセルが同一チャネル干渉信号を生じる場合もある。認識されるように、上記の式(1)〜(7)は追加の同一チャネル干渉信号を含むように拡張可能である。その場合、式(7)は次のように拡張される。
【数6】
ただし、Hi,nは、n番目の(所望の信号が送信されているセルの付近のセルnからの)チャネルを通じて与えられる同一チャネル干渉信号の有限インパルス応答に対応し、Si,nは、セルnの基地局によって提供されるトレーニングシーケンスである。
【0017】
このように、結合チャネル推定器12は、式(7)あるいは(7a)に示されるように、トレーニングビットおよび実際の受信信号に基づいてチャネル推定値を導出する。
【0018】
次に、チャネルタップ推定値はビタビ復号器20に入力され、所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方が復調される。タップパワー計算器14の出力ポートは、タップパワー重みづけユニット16の入力ポートに接続される。タップパワー重みづけユニット16は、同一チャネル干渉タップに対応するチャネルタップに、ある重み係数を乗じる。その後、タップパワー重みづけユニット16の出力ポートは、結合チャネルトリマ18に接続される。結合チャネルトリマ18は、所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方のチャネル推定値を表すタップの総数を一定に維持する(詳細は後述)ように、両方の信号に対応する複数のチャネルタップを切り落とす。
【0019】
結合チャネルトリマ18の出力ポートは、結合ビタビ復号器20の入力ポートに接続される。結合ビタビ復号器20は、チャネルトリマ18によって指定されるタップ数に対応する一定数の状態を有する。
【0020】
タップパワー計算器14は、所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方に対する各有限インパルス応答タップの強度を計算する。所望の信号チャネルに対する有限インパルス応答タップの強度をPsで表し、同一チャネル干渉信号チャネルに対する有限インパルス応答タップの強度をPiで表す。すると、パワー信号Psおよびパワー信号Piは次のように書くことができる。
【数7】
ただし、11xmは各成分が1の列ベクトルであり、conj(・)は複素共役演算を表し、○の中に・の記号はアダマール積を表す。
【0021】
図3は、本発明の一実施例による受信器10の動作を説明する流れ図であるが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。動作中、ステップ110で、結合チャネル推定器12は、各受信バーストに対して、受信器10によって受信された所望の信号および同一チャネル干渉信号の両方に対する結合チャネル推定値を得る。結合チャネル推定器12は、各バースト中のトレーニングビットを用いて、上記のように、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対する結合チャネル推定値を得る。このために、結合チャネル推定器12は、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応する複数のチャネルタップを備える。
【0022】
ステップ112で、タップパワー計算器14は、ステップ110で得られたチャネルタップのパワーPsおよびPiを、上記の式(8)に従って計算する。その後、ステップ114で、タップパワー重みづけユニット16は、同一チャネル干渉信号の効果を低減するように同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップパワー値に重み係数wを乗じる。これは、同一チャネル干渉信号に埋め込まれているデータビットは受信器10にとって重要ではないためである。好ましくは、重み係数wは1に近く1より小さい値に選ぶ。
【0023】
ステップ116で、結合チャネルトリマ18は、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップの合計数を、指定可能な一定数lcに切り落とす。注意すべき点であるが、lcの値が大きいことは、ビタビ復号器におけるチャネル推定エラーが比較的少なく、計算量(複雑さ)が比較的多いことを意味する。例えば、lcが1増大するごとに、受信器10で用いられるビタビ復号器の計算量は倍になる。
【0024】
結合チャネルトリマ18は、
min{Ps(ls,first),Ps(ls,last),wPi(li,first),wPi(li,last)} (9)
に基づいて最も弱いタップパワーを求めることにより、所望のチャネルおよび同一チャネル干渉チャネルの両方に対応するチャネルタップの終端部分を切り落とす。ただし、ls,firstおよびls,lastはそれぞれ、所望の信号の有限インパルス応答チャネルタップの最初および最後のタップであり、li,firstおよびli,lastはそれぞれ、同一チャネル干渉信号の有限インパルス応答チャネルタップの最初および最後のタップであり、ls,first≧ls,last、li,first≧li,lastである。チャネルトリマ18は、最初および最後のチャネルタップに対応するパワーを比較し、最も弱いパワーのタップを除去する。例えば、最初のチャネルタップのパワーPs(ls,first)が最も弱い場合、これはチャネルトリマによって切り落とされる。同様に、最後のチャネルタップのパワーPi(li,first)が最も弱い場合、これがチャネルトリマによって切り落とされる。チャネルトリマ18がステップ118で残りのチャネルタップの合計数すなわち(ls,first−ls,last)+(li,first−li,last)がlc(ただしlcは固定数)に等しいと判定するまで、ステップ116は繰り返される。なお、(ls,first−ls,last)の項は、所望の信号に対応するチャネルタップlsの残りの数に対応し、(li,first−li,last)の項は、同一チャネル干渉チャネルに対応するチャネルタップliの残りの数に対応する。
【0025】
注意すべき点であるが、キャリア対干渉比(CIR(carrier to interferenceratio))が高いバーストの場合、システムは、すべてのタップを用いて所望の信号チャネルを記述し、ビット誤り率の下限に到達する。逆に、キャリア対干渉比が低いバーストの場合、システムは、同一チャネル干渉の影響を軽減するために、より多くのタップを同一チャネル干渉チャネルに対して使用する。
【0026】
所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップが選択された後、ビタビ復号器20は、ls,first、ls,last、li,firstおよびli,lastによって示される残りのチャネルタップlsおよびliを用いて、アンテナアレイ22から入力された信号Xを復号する。
【0027】
こうして、ステップ120で、ビタビ復号器20は、所望のデータシーケンスおよび同一チャネル干渉データシーケンスの両方を復調する。ビタビ復号器20は、前方誤り訂正を備えた最尤復号器である。ビタビ復号器は、各シンボル時点での可能なビットシーケンスのうちの1つのシーケンスを逆に進み、いずれのビットシーケンスが送信された可能性が最も高いかを判定する。あるシンボル時点(状態)における信号ステータスから次のシンボル時点(状態)における信号ステータスへの可能な遷移は限られている。ある状態から次の状態への可能な各遷移は図示することが可能であり、この文脈では枝(ブランチ)という。互いに結合したブランチの系列をこの文脈ではパスという。各状態は、ビットストリーム中の次のビット(またはビットの集合)を受信すると、限られた数の次の状態のみに遷移することが可能である。復号プロセス中に、可能なパスは残り、他の可能なパスは除去される。こうして、許されないパスを除去することによって、送信された可能性が最も高いパスを判定する際の計算効率が改善される。
【0028】
本発明の一実施例によれば、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップはバーストごとに切り落とされるため、所望の信号および同一チャネル干渉信号に対応するビタビ復号器内の状態の数はバーストごとに異なる可能性がある。例えば、本発明の一実施例によれば、チャネルタップの総数lcは、図4に示すように、5である。
【0029】
例示したデータバーストに対して、チャネル切り落としの後、チャネルトリマ18は、3個のチャネルタップを所望のチャネルに割り当て、2個のチャネルタップを同一チャネル干渉チャネルに割り当てる。図4に示すように、ビタビ復号器20は、所望の信号に対応する3タップチャネルメモリに対応する8状態トレリス210と、同一チャネル干渉チャネルに対応する2タップチャネルメモリに対応する4状態トレリス212で動作する。すなわち、図4に示すように、8状態トレリス210内の各ブランチは、4状態トレリス212に展開される。状態の総数は、所望の信号の状態の数と、同一チャネル干渉状態の数との積である。例えば図4の例では、状態の総数は32である。各状態は、4個の入力ブランチおよび4個の出力ブランチを有する。
【0030】
ステップ122で、ビタビ復号器は受信信号を復号する。各ブランチに対して、ビタビ復号器20は受信信号バーXを復元する。その後、ビタビ復号器20は、復元した受信信号と実際の受信信号の差のフロベニウスノルムの2乗‖バーX−X‖F 2を、各ブランチに対する増分メトリックとして使用する。ただし、演算子‖・‖Fはフロベニウスノルムを表す。ビタビアルゴリズムでノードメトリックを最小にすることによって、ビタビ復号器20は、トレリスにおいてもっとも可能性の高いデータシーケンスを探索する。
【0031】
1つのバースト分のデータが推定された後、次のバーストに対してステップ110が繰り返される。
【0032】
【発明の効果】
こうして、本発明によれば、ワイヤレス受信器は、非常に低いビット誤り率で信号を受信することができる。さらに、同一チャネル干渉信号に対応するチャネルパワータップの重みづけや、チャネルタップの総数の切り落としのような特徴により、構成は比較的簡単で安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による受信器のブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による受信器によって受信されるバースト信号の図である。
【図3】本発明の一実施例によるシステムの動作プロセスを説明する流れ図である。
【図4】本発明の一実施例によるビタビ復号器によって用いられるトレリス図である。
【符号の説明】
10 受信器
12 結合チャネル推定器
14 タップパワー計算器
16 タップパワー重みづけユニット
18 結合チャネルトリマ
20 結合ビタビ復号器
22 アンテナアレイ
24 ダウンコンバータ
26 アナログ−ディジタル(A/D)変換器
27 開始ビット
29 情報ビット
31 トレーニングビット
33 情報ビット
35 終了ビット
210 8状態トレリス
212 4状態トレリス
Claims (12)
- 少なくとも1つの同一チャネル干渉信号の存在下で所望の信号を受信するセルラ通信信号受信器において、
複数のトレーニング信号を受信して、前記所望の信号のチャネル長および前記同一チャネル干渉信号のチャネル長を規定する所定数のチャネルタップのチャネルタップ推定値を、前記所望の信号および前記同一チャネル干渉信号に対する有限インパルス応答として推定するチャネル推定器と、
前記チャネル推定器に接続され、前記所望の信号および前記同一チャネル干渉信号ならびに前記チャネル推定器によって生成されたチャネルタップ推定値を受信するビタビ復号器と、
前記チャネル推定器に接続され、前記チャネルタップ推定値のパワーを推定するパワー計算器と、
前記パワー計算器に接続され、前記所望の信号のチャネル長と前記同一チャネル干渉信号のチャネル長の和が、前記所望の信号および前記同一チャネル干渉信号に前記ビタビ復号器が割り当てる状態数を規定する固定サイズになるように結合チャネル長を維持する結合チャネルトリマとからなることを特徴とするセルラ通信信号受信器。 - 前記受信器によって受信される信号は信号バーストとしてフォーマットされ、前記チャネル推定器はバーストごとにチャネルを推定することを特徴とする請求項1に記載のセルラ通信信号受信器。
- 前記結合チャネルトリマは前記ビタビ復号器に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のセルラ通信信号受信器。
- 前記パワー計算器に接続され、同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップ推定値に重み係数を乗じるパワー重みづけユニットをさらに有することを特徴とする請求項3に記載のセルラ通信信号受信器。
- 前記重み係数は1より小さく、前記パワー重みづけユニットは前記結合チャネルトリマに接続されていることを特徴とする請求項4に記載のセルラ通信信号受信器。
- 前記結合チャネルトリマは、前記所望の信号のチャネルタップと前記同一チャネル干渉信号のチャネルタップの間の固定チャネル長を動的に割り当てることを特徴とする請求項5に記載のセルラ通信信号受信器。
- 少なくとも1つの同一チャネル干渉信号の存在下で所望の信号を受信する方法において、
a.複数のトレーニング信号サンプルを受信するステップと、
b.前記トレーニング信号サンプルに応答して、前記所望の信号のチャネル長および前記同一チャネル干渉信号のチャネル長を規定する所定数のチャネルタップのチャネルタップ推定値を、前記所望の信号および前記同一チャネル干渉信号に対する有限インパルス応答として推定するステップと、
c.各チャネルタップ推定値に対応するパワーを計算するステップと、
d.前記所望の信号のチャネル長と前記同一チャネル干渉信号のチャネル長の和が固定サイズになるように、結合チャネル長を維持するように前記チャネルタップを切り落とすステップと、
e.ステップdで切り落とされたチャネルタップを用いて、ステップaで受信した受信信号を復号するステップとからなることを特徴とする、少なくとも1つの同一チャネル干渉信号の存在下で所望の信号を受信する方法。 - バーストごとに前記ステップa〜eを繰り返すステップをさらに有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記ステップeは、前記受信信号をビタビ復号するステップからなることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 同一チャネル干渉信号に対応するチャネルタップ推定値に重み係数を乗じるステップをさらに有することを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記重み係数を1より小さい値に設定するステップをさらに有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記ステップdは、バーストごとに、前記所望の信号のチャネルタップと前記同一チャネル干渉信号のチャネルタップの間の固定結合チャネル長を動的に割り当てるステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
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