JP3562070B2 - 薄膜強度評価装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材上に形成される適宜厚みの薄膜に関する強度評価装置に係り、特に残留内部応力の影響を除外した薄膜の真の臨界応力を算出するに好適な薄膜強度評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の成膜技術の急速な進歩により、各産業界において高分子などからなる展延性の基材(フイルム)上に、セラミックスなどからなる脆性の薄膜を形成した複合材料が数多く使用されている。この種の複合材料に一般的に共通する問題点として薄膜が脆性のために使用時の変形に対して容易に破壊し易いことである。そのため、作成された複合材料の薄膜の破壊強度を正確に測定および評価することが前記複合材料の作成上不可欠となっている。この測定および評価方法は薄膜の厚みが広範囲に渡るため、すべてのものに適用されるものが必要である。
【0003】
以上の要請に応じて従来より行なわれている薄膜強度評価方法としては、まず、バルク材料と同様に引張り試験によって強度評価するものが挙げられる。然し乍ら、この方法は基材から分離し得る比較的厚い薄膜に対して適用されるものである。薄膜の厚みが薄い場合には基材から薄膜を分離しないで引張り試験を行ない基材込みの強度を測定した後、基材のみの引張り強度を求めて前記測定値から基材のみの強度を差し引いて薄膜自体の強度を推定する方法がとられていた。然し乍ら、これでは測定精度が十分でない。
【0004】
一方、基材から薄膜を分離しないでそのまま引張り試験を行ない、光学顕微鏡,電子顕微鏡,走査型プローブ顕微鏡等により薄膜の破壊自体をイメージ化し、その破壊パターンにより薄膜強度を推定する試みが行なわれていた。この方法は、例えば、「P.H.Wojciechowski and M.S Mendolia:〃Fracture and Cracking Phenomena in Thin Films Adhering to High−Elongation Substrates〃,PHYSICS OF THIN FILMS Vol.16(ACADEMIC PRESS,INC.,1992),p.271」の文献に示されている。このものは所謂〃Shear lag model〃を用いて説明されるものである。
【0005】
即ち、図8に示すように、膜厚bの基材2上に形成された膜厚dの薄膜1にFの引張力が作用すると、薄膜1内にσXXの引張り応力が発生すると共に基材2と薄膜1との間にτIのせん断応力が作用する。薄膜1が既に幅Lに破断されてセグメント化されると仮定し、この状態で幅Lのセグメント化された薄膜1の中央に作用する応力σFは前記τIの幅方向の積分値で表わされ、そのσFの値が薄膜の臨界応力σFCを越えたときに薄膜は更にL/2にセグメント化される。以下、同様のセグメント化が繰り返し行なわれる。以上のことを数式で表わすと(1)式のようになる。
σF=σ(L,σC,EF,ES,d,b)・・・(1)
ここでσCは引張り応力である。また、EF,ESは薄膜1および基材2のヤング率である。以上の(1)式においてσFの値が薄膜1の臨界応力σFCに達した場合(亀裂破壊が生じた時)のσCを測定すると、臨界応力σFCは薄膜1においてL長にかかわらず一定のためσFC=σFI=σ(L,σC1,EF,ES,d,b)=σF2=σ(L/2,σC1,EF,ES,d,b)となり、実測データのL,σC1およびσC2に基づいて臨界応力σFCを算出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、前記のShear lag modelを用いた臨界応力の算出の場合には薄膜1に働く残留応力の影響が考慮されていない。基材2上に薄膜1を成膜する場合、基材の温度をあまり上げると基材2にダメージを与える。そのため、比較的低温状態で成膜が行なわれる。従って、薄膜1には残留内部応力が残る。以上のことから、薄膜強度を正確に評価するには残留内部応力のファクタを取り除いて真の臨界応力を求めることが要請される。
【0007】
本発明は、以上の要請に鑑みて考えられたものであり、薄膜に残留内部応力が存在していても薄膜の破壊強度が測定でき、残留内部応力の影響を補正した真の臨界応力を正確に求め得る薄膜強度評価装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、基材に薄膜を形成した複合材料を対象とし、残留内部応力を含む前記複合材料の試験片に引張り応力を加えて歪み測定する引張り試験機と、引張り応力が加わった状態で前記薄膜に生じる亀裂を観測して画像化する顕微像観察手段と、前記試験片に含まれる残留内部応力を測定する計測手段と、前記引張り試験機から得られる引張り応力および歪みの測定データ,前記顕微像観察手段から得られる亀裂の形状データおよび前記計測手段から得られる残留内部応力の計測データを総合的に処理して前記薄膜の強度を算出する演算手段とを設けてなる薄膜強度評価装置を構成するものである。また、前記演算手段は、引張り応力の印加に対する亀裂の発生の依存性に基づいて前記薄膜の破壊強度を演算する際に、前記残留内部応力の影響を除く補正を行なって前記薄膜の真の臨界応力を算出する薄膜強度評価装置を特徴とするものである。
【0009】
本発明は、図1に示すように基材2上に薄膜1を形成した複合材料3を引張り、引張り応力と歪みを測定する引張り試験機4と、引張り応力が加わった状態で薄膜1に生ずる亀裂を観測して画像化する顕微像観察手段5と、薄膜内の残留応力を測定する計測手段6および演算手段7等からなる。引張り試験機4からは引張り応力(σC)や歪みεのデータが演算手段7に入力され、顕微像観察手段5からは薄膜1の亀裂セグメントの幅Lや、クラック数等のデータが演算手段7に入力され、計測手段6からは試験片の反りδのデータが演算手段7に入力される。演算手段7は次の(2)式,(3)式,(4)式等により臨界応力σFを演算する。
【0010】
まず、薄膜1の破壊が観測される以前の引張り試験において応力σCおよび歪εCが測定される。応力σCと薄膜1のヤング率EFとの間には(2)式の関係式が成立する。
σC(b+d)=EF(εS−σFI/EF)d+ESεSb・・・(2)
ここでεSは基材2の歪みであり、σFIは薄膜1の残留内部応力である。
【0011】
一方、残留内部応力σSIは(3)式により求められる。
σFI=ESb2δ/3(1−νS)K2d・・・(3)
ここでνSは基材2のポアソン比を表わし、Kは反りδの測定における基材2の自由長を示す。反りδは図2に示した計測手段6により測定される。図2において試験片の複合材料3を定盤8上に密着するように一端側を固定し、他端を自由にすると成膜時に発生した残留内部応力に比例するカールが生じ、反りδは変位測定手段9により容易に測定される。以上により残留内部応力σFIが求められる。
【0012】
(3)式によってσFIが求められると(2)式によりEFの値が求められる。一方、臨界応力σFの値は本発明による次の一般関係式(4a)に基づき、L,σC,σFI,EF等の測定データを代入することにより算出される。次式(4a)と従来の関係式(1)を比較すれば明らかなように、本発明では薄膜の臨界応力σFを算出するため新規に補正因子として残留内部応力σFIが導入されている。
σF=σ(L,σC,σFI,ES,EF,d,b)・・・(4a)
具体的には後に説明するが、前記一般式(4a)を具体化した以下の(4)式によりσF(L/2)の臨界応力が求められる。
【0013】
【数1】
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る薄膜強度評価装置を図面を参照して詳述する。まず、図3により薄膜強度評価装置の具体的構成について説明する。まず、引張り試験機4を説明する。基材2上に薄膜1を形成した試験片の複合材料3はXステージ10上に載置され、ロードセル11を介して引張り力を受ける。複合材料3に応じた引張り応力は電圧計12を介して電圧データとして演算手段7の解析・制御用計算機7aに入力される。また、複合材料の歪みはステージコントローラ13を介し、その変位データとして解析・制御用計算機7aに入力される。
【0015】
一方、顕微像観察手段5は図示のようにCCDカメラ14,TVモニタ15,ビデオタイマー16等からなり、コントローラ17を介し薄膜1に生じたクラック数や幅Lのデータがクラック数カウント機構18を介し、解析・制御用計算機7aに入力される。なお、本例では薄膜1の破壊を観測,イメージ化するための手段として電子顕微鏡,走査プローブ顕微鏡等を用いてもよい。
【0016】
計測手段6は本例では薄膜残留応力測定機構6aからなり、図2に示したものが適用される。この薄膜残留応力測定機構6aからは反りδ等の測定データが解析・制御用計算機7aに入力される。
【0017】
本例に使用される複合材料3の試験片としては、図4に示すように、12[μm)の厚みのPETフイルムの基材2a上に6600[Å],2200[Å],1200[Å],750[Å]のSIOX薄膜1aを蒸着した4種類のものが適用された。複合材料3aの4種の試験片について夫々図3の薄膜強度評価装置を用いて引張り試験を行なった。図5は1200[Å]の試験片についてのクラック19の発生状態を示すものである。即ち、この試験片の場合には引張り率0.75[%]から引張り方向に対して垂直なクラック破壊が観察され、引張り率の増加に伴ってクラック数19の本数も増加した。次に、PETフイルム3aのみについて引張り試験を行ない、ESの値を求めた。また、前記したように、複合材料3aの薄膜1aが破壊されない以前については前記(2)式が成立し、これからEFを求めることができる。なお、その前に(3)式に従ってσFIを求めている。σFIやEFが求められると(4)式により臨界応力σFを算出することができる。図7は以上のようにして前記の各厚みの薄膜1aに対して求めたEFおよびσFIの計算結果であり、図6は(4)式によって求めたσF−σC線図である。
【0018】
図6において厚み6600[Å]の試験片については+印で示すようにa1の位置で最初のクラックが発生し、順次a2,a3・・・とクラックが発生していることが示されている。また、2200[Å]の試験片については●印で示すようにb1で最初のクラックが生じ、順次b2,b3・・・とクラックが発生する。同様に1200[Å]の試験片は▲印で示すように最初のクラックがc1で生じ、順次c2,c3・・・とクラックが発性し、750[Å]の試験片は■印で示すように最初のクラックがd1で生じ、順次d2,d3・・・とクラックが発生することが示されている。
【0019】
図6に示すように、クラック発生時、薄膜セグメントの中心にかかっている応力は、セグメントの長さL(すなわちクラックの本数の逆数に比例)が変わっても理論から予測される通りほぼ一定な値、約200〜300Mpa程度でありこの値が膜の臨界応力であることがわかる。また、この値はSIOX膜の厚みが変わっても理論通りほぼ同じ値であることもわかる。但し、全体応力が80Mpa以上の領域では基材PETフイルムは降伏領域であり、通常の弾性解析が使えないため、どの試料についても一定値から外れる傾向にある。以上の結果から、本発明によれば、薄膜1に残留内部応力が存在していても脆性薄膜/延性基材の構成からなる複合材料3の薄膜1の破壊強度を正確に推定することができる。
【0020】
最後に(4)式の導出方法を説明する。薄膜1に働く引張り応力は基材2と薄膜1との境界に働くShear Stressの積分で表わされるが、その時、基材2にはクラックが入る以前に基材2に働いた応力に加え、薄膜1にクラックが入ったことにより、それまで薄膜1に働いていた力に対応した付加応力△σSがかかる。この△σSは残留内部応力を考えた場合は(5)式で表わされる。
d(△σS)/dx=H(△VS−△VF)・・・(5)
ここで△VS,△VFは薄膜1にクラックが生じたことによる基材2と薄膜1における変位の付加分であり(6)式,(7)式で表わされる。
△VS=VS−VS nc・・・(6)
△VF=VF−VF nc・・・(7)
ここでVS nc,VF ncはクラックが入る前における基材2と薄膜1の変位である。
【0021】
次に、(5)式を基にして薄膜1のセグメントの中心にかかる応力σF(L/2)を導出する。まず、(5)式を微分すると(8)式になる。
d2(△σS)/dx2=(d(1nH)/dx)・d(△σS)/dx+H(d△Vs/dx−d△VF/dx)・・・(8)
(8)式の右辺2項目の括弧の中を計算するために(9)式乃至(12)式の変数を導入する。
【0022】
【数2】
【0023】
前式で△がついた量はクラックが生じたことによる付加分であり、ncの添え字はクラックが無いとした時の値である。また、(9)式は前出の基材2内での応力の付加分の基材2内でのZ方向(x方向の垂直方向)についての平均値を表わす。以下、モデルを簡略化するため(5)式中の△σSもこの平均値で置き換える。同様に(11)式中の△εSも基材2内での歪みの平均値を表わす。(9)式乃至(12)式を用いて(8)式の右辺2項目を変形すると(13)式,(14)式になる。
【0024】
【数3】
【0025】
Shear lag modelから臨界応力σF(x)は(15)式になり、前記の(14)式は(16)式,(17)式を用いて次の(18)式のようになる。
【0026】
【数4】
【0027】
(13)式および(18)式により(8)式の右辺2項目は(19)式のようになり、次に示すφ,ε″値を(19)式に代入し(20)式が求められ、(8)式は(21)式のようになる。
【0028】
【数5】
【0029】
(21)式の微分方程式を直接解くには有限要素法などの数値的なアプローチが必要なため、ここではHのX依存性を無視して近似計算を行なう。これにより(21)式は次の(22)式となり、次の境界条件を入れると(23)式のようになる。
【0030】
【数6】
【0031】
次に(23)式を(17)式に代入すると(24)式が求められる。
【0032】
【数7】
【0033】
次に、Hの具体的な表式を求める。まず、基材2内で薄膜1との境界での値に等しい一定のShear Stressを仮定する。
d(△w)/dz=τxy/GS=τI/GS・・・(25)
基材2と薄膜1との境界近傍ではクラックが生じることによって加わる変位の付加分は△w=△VFであるが、Z=−b/2では次の(26)式となり、引続き(27)式(28)式が求められる。
【0034】
【数8】
【0035】
最後に(28)式を(24)式に代入することにより(4)式が求められσF(L/2)を求めることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、薄膜に残留内部応力が存在している場合についても脆性薄膜/延性基材の構成からなる複合材料の薄膜の強度を正確に推定することができる。これにより、薄膜の開発プロセスにおける材料解析や評価の高能率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜強度評価装置の基本構成図。
【図2】残留内部応力を求めるための計測手段により反りδを求める際の概要構成を示す模式図。
【図3】本発明に係る薄膜強度評価装置の具体例を示す構成図。
【図4】本発明に係る薄膜強度評価装置により強度評価される数種類の複合材料を示す拡大断面図。
【図5】本発明に係る薄膜強度評価装置における引張り試験によって薄膜に生じたクラックを示す平面図。
【図6】本発明に係る薄膜強度評価装置によって求めた引張り応力σCと薄膜の臨界応力σFとの関係を示す線図。
【図7】本発明に係る薄膜強度評価装置によって求めた各薄膜試料ごとのEF(ヤング率)とσFI(残留内部応力)との算出結果を示す表図。
【図8】Shecr lag modelを示す線図。
【符号の説明】
1 薄膜
1a 薄膜
2 基材
3 複合材料
4 引張り試験機
5 顕微像観察手段
6 計測手段
6a 薄膜残留応力測定機構
7 演算手段
7a 解析・制御用計算機
8 定盤
9 変位測定手段
10 Xステージ
11 ロードセル
12 電圧計
13 ステージコントローラ
14 CCDカメラ
15 TVモニタ
16 ビデオタイマ
17 コントローラ
18 クラック数カウント機構
19 クラック
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材上に形成される適宜厚みの薄膜に関する強度評価装置に係り、特に残留内部応力の影響を除外した薄膜の真の臨界応力を算出するに好適な薄膜強度評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の成膜技術の急速な進歩により、各産業界において高分子などからなる展延性の基材(フイルム)上に、セラミックスなどからなる脆性の薄膜を形成した複合材料が数多く使用されている。この種の複合材料に一般的に共通する問題点として薄膜が脆性のために使用時の変形に対して容易に破壊し易いことである。そのため、作成された複合材料の薄膜の破壊強度を正確に測定および評価することが前記複合材料の作成上不可欠となっている。この測定および評価方法は薄膜の厚みが広範囲に渡るため、すべてのものに適用されるものが必要である。
【0003】
以上の要請に応じて従来より行なわれている薄膜強度評価方法としては、まず、バルク材料と同様に引張り試験によって強度評価するものが挙げられる。然し乍ら、この方法は基材から分離し得る比較的厚い薄膜に対して適用されるものである。薄膜の厚みが薄い場合には基材から薄膜を分離しないで引張り試験を行ない基材込みの強度を測定した後、基材のみの引張り強度を求めて前記測定値から基材のみの強度を差し引いて薄膜自体の強度を推定する方法がとられていた。然し乍ら、これでは測定精度が十分でない。
【0004】
一方、基材から薄膜を分離しないでそのまま引張り試験を行ない、光学顕微鏡,電子顕微鏡,走査型プローブ顕微鏡等により薄膜の破壊自体をイメージ化し、その破壊パターンにより薄膜強度を推定する試みが行なわれていた。この方法は、例えば、「P.H.Wojciechowski and M.S Mendolia:〃Fracture and Cracking Phenomena in Thin Films Adhering to High−Elongation Substrates〃,PHYSICS OF THIN FILMS Vol.16(ACADEMIC PRESS,INC.,1992),p.271」の文献に示されている。このものは所謂〃Shear lag model〃を用いて説明されるものである。
【0005】
即ち、図8に示すように、膜厚bの基材2上に形成された膜厚dの薄膜1にFの引張力が作用すると、薄膜1内にσXXの引張り応力が発生すると共に基材2と薄膜1との間にτIのせん断応力が作用する。薄膜1が既に幅Lに破断されてセグメント化されると仮定し、この状態で幅Lのセグメント化された薄膜1の中央に作用する応力σFは前記τIの幅方向の積分値で表わされ、そのσFの値が薄膜の臨界応力σFCを越えたときに薄膜は更にL/2にセグメント化される。以下、同様のセグメント化が繰り返し行なわれる。以上のことを数式で表わすと(1)式のようになる。
σF=σ(L,σC,EF,ES,d,b)・・・(1)
ここでσCは引張り応力である。また、EF,ESは薄膜1および基材2のヤング率である。以上の(1)式においてσFの値が薄膜1の臨界応力σFCに達した場合(亀裂破壊が生じた時)のσCを測定すると、臨界応力σFCは薄膜1においてL長にかかわらず一定のためσFC=σFI=σ(L,σC1,EF,ES,d,b)=σF2=σ(L/2,σC1,EF,ES,d,b)となり、実測データのL,σC1およびσC2に基づいて臨界応力σFCを算出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、前記のShear lag modelを用いた臨界応力の算出の場合には薄膜1に働く残留応力の影響が考慮されていない。基材2上に薄膜1を成膜する場合、基材の温度をあまり上げると基材2にダメージを与える。そのため、比較的低温状態で成膜が行なわれる。従って、薄膜1には残留内部応力が残る。以上のことから、薄膜強度を正確に評価するには残留内部応力のファクタを取り除いて真の臨界応力を求めることが要請される。
【0007】
本発明は、以上の要請に鑑みて考えられたものであり、薄膜に残留内部応力が存在していても薄膜の破壊強度が測定でき、残留内部応力の影響を補正した真の臨界応力を正確に求め得る薄膜強度評価装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、基材に薄膜を形成した複合材料を対象とし、残留内部応力を含む前記複合材料の試験片に引張り応力を加えて歪み測定する引張り試験機と、引張り応力が加わった状態で前記薄膜に生じる亀裂を観測して画像化する顕微像観察手段と、前記試験片に含まれる残留内部応力を測定する計測手段と、前記引張り試験機から得られる引張り応力および歪みの測定データ,前記顕微像観察手段から得られる亀裂の形状データおよび前記計測手段から得られる残留内部応力の計測データを総合的に処理して前記薄膜の強度を算出する演算手段とを設けてなる薄膜強度評価装置を構成するものである。また、前記演算手段は、引張り応力の印加に対する亀裂の発生の依存性に基づいて前記薄膜の破壊強度を演算する際に、前記残留内部応力の影響を除く補正を行なって前記薄膜の真の臨界応力を算出する薄膜強度評価装置を特徴とするものである。
【0009】
本発明は、図1に示すように基材2上に薄膜1を形成した複合材料3を引張り、引張り応力と歪みを測定する引張り試験機4と、引張り応力が加わった状態で薄膜1に生ずる亀裂を観測して画像化する顕微像観察手段5と、薄膜内の残留応力を測定する計測手段6および演算手段7等からなる。引張り試験機4からは引張り応力(σC)や歪みεのデータが演算手段7に入力され、顕微像観察手段5からは薄膜1の亀裂セグメントの幅Lや、クラック数等のデータが演算手段7に入力され、計測手段6からは試験片の反りδのデータが演算手段7に入力される。演算手段7は次の(2)式,(3)式,(4)式等により臨界応力σFを演算する。
【0010】
まず、薄膜1の破壊が観測される以前の引張り試験において応力σCおよび歪εCが測定される。応力σCと薄膜1のヤング率EFとの間には(2)式の関係式が成立する。
σC(b+d)=EF(εS−σFI/EF)d+ESεSb・・・(2)
ここでεSは基材2の歪みであり、σFIは薄膜1の残留内部応力である。
【0011】
一方、残留内部応力σSIは(3)式により求められる。
σFI=ESb2δ/3(1−νS)K2d・・・(3)
ここでνSは基材2のポアソン比を表わし、Kは反りδの測定における基材2の自由長を示す。反りδは図2に示した計測手段6により測定される。図2において試験片の複合材料3を定盤8上に密着するように一端側を固定し、他端を自由にすると成膜時に発生した残留内部応力に比例するカールが生じ、反りδは変位測定手段9により容易に測定される。以上により残留内部応力σFIが求められる。
【0012】
(3)式によってσFIが求められると(2)式によりEFの値が求められる。一方、臨界応力σFの値は本発明による次の一般関係式(4a)に基づき、L,σC,σFI,EF等の測定データを代入することにより算出される。次式(4a)と従来の関係式(1)を比較すれば明らかなように、本発明では薄膜の臨界応力σFを算出するため新規に補正因子として残留内部応力σFIが導入されている。
σF=σ(L,σC,σFI,ES,EF,d,b)・・・(4a)
具体的には後に説明するが、前記一般式(4a)を具体化した以下の(4)式によりσF(L/2)の臨界応力が求められる。
【0013】
【数1】
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る薄膜強度評価装置を図面を参照して詳述する。まず、図3により薄膜強度評価装置の具体的構成について説明する。まず、引張り試験機4を説明する。基材2上に薄膜1を形成した試験片の複合材料3はXステージ10上に載置され、ロードセル11を介して引張り力を受ける。複合材料3に応じた引張り応力は電圧計12を介して電圧データとして演算手段7の解析・制御用計算機7aに入力される。また、複合材料の歪みはステージコントローラ13を介し、その変位データとして解析・制御用計算機7aに入力される。
【0015】
一方、顕微像観察手段5は図示のようにCCDカメラ14,TVモニタ15,ビデオタイマー16等からなり、コントローラ17を介し薄膜1に生じたクラック数や幅Lのデータがクラック数カウント機構18を介し、解析・制御用計算機7aに入力される。なお、本例では薄膜1の破壊を観測,イメージ化するための手段として電子顕微鏡,走査プローブ顕微鏡等を用いてもよい。
【0016】
計測手段6は本例では薄膜残留応力測定機構6aからなり、図2に示したものが適用される。この薄膜残留応力測定機構6aからは反りδ等の測定データが解析・制御用計算機7aに入力される。
【0017】
本例に使用される複合材料3の試験片としては、図4に示すように、12[μm)の厚みのPETフイルムの基材2a上に6600[Å],2200[Å],1200[Å],750[Å]のSIOX薄膜1aを蒸着した4種類のものが適用された。複合材料3aの4種の試験片について夫々図3の薄膜強度評価装置を用いて引張り試験を行なった。図5は1200[Å]の試験片についてのクラック19の発生状態を示すものである。即ち、この試験片の場合には引張り率0.75[%]から引張り方向に対して垂直なクラック破壊が観察され、引張り率の増加に伴ってクラック数19の本数も増加した。次に、PETフイルム3aのみについて引張り試験を行ない、ESの値を求めた。また、前記したように、複合材料3aの薄膜1aが破壊されない以前については前記(2)式が成立し、これからEFを求めることができる。なお、その前に(3)式に従ってσFIを求めている。σFIやEFが求められると(4)式により臨界応力σFを算出することができる。図7は以上のようにして前記の各厚みの薄膜1aに対して求めたEFおよびσFIの計算結果であり、図6は(4)式によって求めたσF−σC線図である。
【0018】
図6において厚み6600[Å]の試験片については+印で示すようにa1の位置で最初のクラックが発生し、順次a2,a3・・・とクラックが発生していることが示されている。また、2200[Å]の試験片については●印で示すようにb1で最初のクラックが生じ、順次b2,b3・・・とクラックが発生する。同様に1200[Å]の試験片は▲印で示すように最初のクラックがc1で生じ、順次c2,c3・・・とクラックが発性し、750[Å]の試験片は■印で示すように最初のクラックがd1で生じ、順次d2,d3・・・とクラックが発生することが示されている。
【0019】
図6に示すように、クラック発生時、薄膜セグメントの中心にかかっている応力は、セグメントの長さL(すなわちクラックの本数の逆数に比例)が変わっても理論から予測される通りほぼ一定な値、約200〜300Mpa程度でありこの値が膜の臨界応力であることがわかる。また、この値はSIOX膜の厚みが変わっても理論通りほぼ同じ値であることもわかる。但し、全体応力が80Mpa以上の領域では基材PETフイルムは降伏領域であり、通常の弾性解析が使えないため、どの試料についても一定値から外れる傾向にある。以上の結果から、本発明によれば、薄膜1に残留内部応力が存在していても脆性薄膜/延性基材の構成からなる複合材料3の薄膜1の破壊強度を正確に推定することができる。
【0020】
最後に(4)式の導出方法を説明する。薄膜1に働く引張り応力は基材2と薄膜1との境界に働くShear Stressの積分で表わされるが、その時、基材2にはクラックが入る以前に基材2に働いた応力に加え、薄膜1にクラックが入ったことにより、それまで薄膜1に働いていた力に対応した付加応力△σSがかかる。この△σSは残留内部応力を考えた場合は(5)式で表わされる。
d(△σS)/dx=H(△VS−△VF)・・・(5)
ここで△VS,△VFは薄膜1にクラックが生じたことによる基材2と薄膜1における変位の付加分であり(6)式,(7)式で表わされる。
△VS=VS−VS nc・・・(6)
△VF=VF−VF nc・・・(7)
ここでVS nc,VF ncはクラックが入る前における基材2と薄膜1の変位である。
【0021】
次に、(5)式を基にして薄膜1のセグメントの中心にかかる応力σF(L/2)を導出する。まず、(5)式を微分すると(8)式になる。
d2(△σS)/dx2=(d(1nH)/dx)・d(△σS)/dx+H(d△Vs/dx−d△VF/dx)・・・(8)
(8)式の右辺2項目の括弧の中を計算するために(9)式乃至(12)式の変数を導入する。
【0022】
【数2】
【0023】
前式で△がついた量はクラックが生じたことによる付加分であり、ncの添え字はクラックが無いとした時の値である。また、(9)式は前出の基材2内での応力の付加分の基材2内でのZ方向(x方向の垂直方向)についての平均値を表わす。以下、モデルを簡略化するため(5)式中の△σSもこの平均値で置き換える。同様に(11)式中の△εSも基材2内での歪みの平均値を表わす。(9)式乃至(12)式を用いて(8)式の右辺2項目を変形すると(13)式,(14)式になる。
【0024】
【数3】
【0025】
Shear lag modelから臨界応力σF(x)は(15)式になり、前記の(14)式は(16)式,(17)式を用いて次の(18)式のようになる。
【0026】
【数4】
【0027】
(13)式および(18)式により(8)式の右辺2項目は(19)式のようになり、次に示すφ,ε″値を(19)式に代入し(20)式が求められ、(8)式は(21)式のようになる。
【0028】
【数5】
【0029】
(21)式の微分方程式を直接解くには有限要素法などの数値的なアプローチが必要なため、ここではHのX依存性を無視して近似計算を行なう。これにより(21)式は次の(22)式となり、次の境界条件を入れると(23)式のようになる。
【0030】
【数6】
【0031】
次に(23)式を(17)式に代入すると(24)式が求められる。
【0032】
【数7】
【0033】
次に、Hの具体的な表式を求める。まず、基材2内で薄膜1との境界での値に等しい一定のShear Stressを仮定する。
d(△w)/dz=τxy/GS=τI/GS・・・(25)
基材2と薄膜1との境界近傍ではクラックが生じることによって加わる変位の付加分は△w=△VFであるが、Z=−b/2では次の(26)式となり、引続き(27)式(28)式が求められる。
【0034】
【数8】
【0035】
最後に(28)式を(24)式に代入することにより(4)式が求められσF(L/2)を求めることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、薄膜に残留内部応力が存在している場合についても脆性薄膜/延性基材の構成からなる複合材料の薄膜の強度を正確に推定することができる。これにより、薄膜の開発プロセスにおける材料解析や評価の高能率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜強度評価装置の基本構成図。
【図2】残留内部応力を求めるための計測手段により反りδを求める際の概要構成を示す模式図。
【図3】本発明に係る薄膜強度評価装置の具体例を示す構成図。
【図4】本発明に係る薄膜強度評価装置により強度評価される数種類の複合材料を示す拡大断面図。
【図5】本発明に係る薄膜強度評価装置における引張り試験によって薄膜に生じたクラックを示す平面図。
【図6】本発明に係る薄膜強度評価装置によって求めた引張り応力σCと薄膜の臨界応力σFとの関係を示す線図。
【図7】本発明に係る薄膜強度評価装置によって求めた各薄膜試料ごとのEF(ヤング率)とσFI(残留内部応力)との算出結果を示す表図。
【図8】Shecr lag modelを示す線図。
【符号の説明】
1 薄膜
1a 薄膜
2 基材
3 複合材料
4 引張り試験機
5 顕微像観察手段
6 計測手段
6a 薄膜残留応力測定機構
7 演算手段
7a 解析・制御用計算機
8 定盤
9 変位測定手段
10 Xステージ
11 ロードセル
12 電圧計
13 ステージコントローラ
14 CCDカメラ
15 TVモニタ
16 ビデオタイマ
17 コントローラ
18 クラック数カウント機構
19 クラック
Claims (2)
- 基材に薄膜を形成した複合材料を対象とし、残留内部応力を含む前記複合材料の試験片に引張り応力を加えて歪み測定する引張り試験機と、引張り応力が加わった状態で前記薄膜に生じる亀裂を観測して画像化する顕微像観察手段と、前記試験片に含まれる残留内部応力を測定する計測手段と、前記引張り試験機から得られる引張り応力および歪みの測定データ,前記顕微像観察手段から得られる亀裂の形状データおよび前記計測手段から得られる残留内部応力の計測データを総合的に処理して前記薄膜の強度を算出する演算手段とを設けることを特徴とする薄膜強度評価装置。
- 前記演算手段は、引張り応力の印加に対する亀裂の発生の依存性に基づいて前記薄膜の破壊強度を演算する際に、前記残留内部応力の影響を除く補正を行なって前記薄膜の真の臨界応力を算出するものである請求項1に記載の薄膜強度評価装置。
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