JP3560746B2 - Eye refractive power measuring device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の屈折力を他覚的に測定する眼屈折力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼屈折力測定装置としては、スリット状の光束を走査して被検眼眼底に投影し、スリット光束の投影により被検眼眼底から反射される光を被検眼角膜と略共役な位置に光軸を挟んで対称に配置された2対の受光素子により検出することに基づいて被検眼の屈折力を得るものが知られている。この種の装置の測定結果は、被検眼の屈折力を角膜中心に対称と仮定して、S(球面度数)、C(乱視度数)、A(乱視軸角度)の3個のパラメ−タにより演算出力される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、眼の屈折力は角膜中心に対称とは限らず、不正乱視を持つ眼も少なくない。不正乱視眼では、被検眼が装置内部の固視標の中心を見ているときと、そうでない位置を見ているときに得られるS,C,Aの結果は異なるものになる。不正乱視の代表的な例として、円錐角膜の場合では、S,C,Aの値は全くあてにならない結果となることがあった。
【0004】
また、最近の屈折異常の矯正法として脚光を浴びているエキシマレ−ザによる角膜手術では、角膜の表面を切除してその曲率を変えるが、手術時に軸ずれがあると、角膜の対称性が崩れる。
【0005】
このように屈折力の対称性が確保されていない被検眼では、S,C,Aの測定結果が不正確になることも少なくない。この場合にはその後に続いて行われる自覚検査による眼鏡処方等においてその検査に時間を要してしまうことになり、被検眼を疲労させたりして不正確な処方値を出しかねない。
【0006】
本発明は、上記従来装置の欠点に鑑み、より精度の高い位相差法に基づく眼屈折力を得ることができ、また、不正乱視の有無を容易に発見できる眼屈折力測定装置を提供することを技術課題をする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有することを特徴としている。
【0008】
(1) 少なくとも2つの方向にスリット状の光束を走査するスリット光投影光学系と、被検眼眼底で反射されるスリット光束を被検眼角膜と略共役な位置に光軸を挟んで対称に配置された2対以上の受光素子により検出する検出光学系とを備え、前記受光素子間の位相差信号出力に基づいて被検眼の屈折力を得る眼屈折力測定装置において、前記スリット光束の走査方向に対応する経線方向の屈折力を測定する1対の受光素子を除く、少なくとも他の1対の受光素子の位相差信号出力に基づいて、測定される経線方向における角膜中心を検知する中心検知手段を備えることを特徴とする。
【0009】
(2) 少なくとも2つの方向にスリット状の光束を走査するスリット光投影光学系と、被検眼眼底で反射されるスリット光束を被検眼角膜と略共役な位置に光軸を挟んで対称に配置された2対以上の受光素子により検出する検出光学系とを備え、前記受光素子間の位相差信号出力に基づいて被検眼の屈折力を得る眼屈折力測定装置において、前記スリット光束の走査方向に対応する経線方向の屈折力を測定する1対の受光素子を除いた、少なくとも他の1対の受光素子の位相差信号出力に基づいて、測定される経線方向における被検眼の角膜中心を検知する中心検知手段と、検知された角膜中心と測定された経線方向に配置された受光素子の夫々の出力信号とに基づいて、各々の受光素子位置に対応する角膜部位での測定経線方向の屈折力を被検眼の角膜中心を中心として演算する屈折力演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
【実施例】
本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例の装置の光学系概略配置図である。光学系は、スリット投影光学系、スリット検出光学系、固視標光学系、及び観察光学系に大別される。
【0014】
1はスリット投影光学系である。2は赤外の光を発するスリット照明光源、3はミラ−である。4はモ−タ5により一定の速度で一定方向に回転される円筒状の回転セクタ−である。回転セクタ−4の側面には、その展開図を図2に示すように、2種類の異なる傾斜角度のスリット開口4a,4bがそれぞれ複数個設けられている。スリット開口4aは回転セクタ−4の回転方向に対して45度の傾斜角度を持つように設けられ、スリット開口4bは開口4aに直交するように回転方向に対して135度の傾斜角度を持つように設けられている。6は投影レンズであり、光源2は投影レンズ6に関して被検眼角膜近傍と共役な位置に位置する。7は制限絞り、8及び9はビ−ムスプリッタである。
【0015】
光源2を発した赤外の光はミラ−3に反射されて回転セクタ−4のスリット開口4aまたは4bを照明する。回転セクタ−4の回転により走査されたスリット光束は、投影レンズ6、制限絞り7を経た後にビ−ムスプリッタ8で反射される。その後ビ−ムスプリッタ9を透過して被検眼Eの角膜近傍で集光した後、眼底に投影される。なお、回転セクタ−4は異なる傾斜角度のスリット開口を持つため、いづれの角度のスリット光束が投影されているかをセンサ20が検出するようになっている。
【0016】
10はスリット検出光学系であり、その光軸L1 上に受光レンズ11、絞り13、受光部14を備える。絞り13は受光レンズ11の後ろ側焦点位置に配置され、受光部14は受光レンズ11に関して被検眼角膜と略共役な位置に配置される。受光部14はその受光面に、図3に示すように、4個の受光素子15a〜15dを有している。受光素子15a、15bは光軸L1 を中心にして対称に設けられ、同じく受光素子15c、15dは光軸L1 を中心にして対称になるように設けられている。この2対の受光素子は、2種類の傾斜角度を持つスリット開口4a、4bにより投影される被検眼眼底上でのスリット光束の走査方向(眼底上でのスリット光束は、あたかもスリットの長手方向に直交する方向に走査されるようになる)にそれぞれ対応させて配置されている。実施例の装置では乱視を持たない遠視または近視の被検眼眼底上でスリット開口4aによるスリット光束が走査されたとき、受光部14上で受光されるスリットの長手方向に直交する方向に対応するように一対の受光素子15aと15bを配置し、同じくスリット開口4bによるスリット光束が走査されたとき、受光部14上で受光されるスリットの長手方向に直交する方向に対応するように一対の受光素子15cと15dを配置している。
【0017】
30は固視標光学系である。31は光源、32は固視標、33は投光レンズである。投光レンズ33は光軸方向に移動することによって被検眼の雲霧を行う。34は固視標光学系と観察光学系を同軸にするビ−ムスプリッタである。光源31は固視標32を照明し、固視標32からの光束は投光レンズ33、ビ−ムスプリッタ34を経た後、ビ−ムスプリッタ9で反射して被検眼Eに向かい、被検眼Eは固視標32を固視する。
【0018】
35は観察光学系である。照明光源36に照明された被検眼Eの前眼部像は、ビ−ムスプリッタ9、34を介して撮影レンズ37によりCCDカメラ38の撮像素子面に結像し、TVモニタ39に映出される。
【0019】
次に、各受光素子15a〜15dの出力信号から角膜中心(または視軸中心)を求め、その角膜中心に対して各受光素子の対応する角膜部位での屈折力を求める方法について説明する。
【0020】
いま、スリット開口4aによるスリット光束が定速度で走査され、眼底から反射したスリット像が各受光素子15a〜15dを横切るとき、その信号出力波形がある基準時間t0 に対してそれぞれ図4(イ)〜(ニ)のようになったとする。これは、被検眼が遠視または近視の状態でかつ乱視を持つ場合である。
【0021】
さて、屈折力が角膜中心に対称であると仮定したときには、図4(イ)の受光素子15aからの出力信号と(ロ)の受光素子14bからの出力信号との位相差(時間差)に対応させて、受光素子15aと15bに対応した角膜部位間の屈折力を得ることができる。しかし、屈折力は必ずしも角膜中心に対称であるとは限らない。そこで、受光素子15aと15bに対し、これと直交する方向に位置する受光素子15cと15dの信号出力から受光素子15aと15bの中心を得る方法を考える。そして、受光素子15a、15bの各位置に対応する角膜部位に対応する屈折力を求める。これにより、屈折力の中心に対する対称性を評価することができる。
【0022】
ここで、説明を簡単にするために、光の入射に伴って各受光素子に発生する光電圧信号波形の立上がり時間を検出すると(図4のta 、tb 、tc 、td )、基準時間t0 に対する受光素子15aと15bの中心は、
(tc +td )/2
で求めることができる。したがって、受光素子15aに対応する角膜部位から角膜中心までの時間をTa、角膜中心から受光素子15bに対応する角膜部位までの時間をTbとすると、
Ta=[(tc +td )/2−ta ]
Tb=[tb −(tc +td )/2]
となり、この時間Ta、Tbを屈折力に対応させることにより、角膜中心と所定の角膜部位間での屈折力を求めることができる。
【0023】
次に、各受光素子からの出力信号を2値化処理して位相差時間を検出する場合について説明する。各受光素子から出力された信号に対してあるスレッシュレベルを設定して2値化処理する場合、各受光素子間に光量差があると位相差時間の検出に誤差を生じることがある。これは白内障眼のような眼の透光体に混濁がある場合等に生じやすい。例えば、図5は受光素子15aに対応する角膜部位に対して受光素子15bに対応する角膜部位の混濁が大であったときの、両素子からの信号波形の例を示した図である(図は説明を簡単にするために、受光のタイミングを揃えている)。波形65が受光素子15aからの信号波形を示し、波形66が受光素子15bからの信号波形を示す。受光素子15bの波形振幅は混濁のため小さい。このアナログ波形は2値化処理によりあるスレッシュレベル67で矩形波の波形に整形されるが、振幅が変化すると、矩形波形に整形したときの基準時間t0 からのそれぞれの立上がり時間ta1、tb1には、Δtの時間差が生じてしまう。したがって、各受光素子間に光量差があるときには、Δtの時間差は屈折力に変換したときの誤差となってしまう。
【0024】
そこで、各受光素子間に光量差がある場合を考慮し、測定する経方向の中心(角膜中心)及びその中心に対する屈折力は、それぞれ整形された矩形波形のパルス幅の半分の時間をとるようにする。こうすると、各受光素子位置における振幅差の影響を排除することができる。すなわち、図5において、基準時間t0 からのta1及びta2、tb1及びtb2の時間を計測し、その中心までの時間ta3又はtb3を求めれば良い。ta3及びtb3はそれぞれ、
ta3=ta1+ta2/2
tb3=tb1+tb2/2
となる。このことは、各受光素子に対応する2値化処理のときのスレッシュレベルが各々異なっても正確な時間を求めることができることを意味している。
【0025】
このような時間の検出方法を具体的に各受光素子について示したものが図6である。(イ)は基準となる計測パルスのデジタル波形を示し、この場合は受光素子15a〜15dの内、2値化処理後のパルス波形の最初の立上がり時のタイミングを基準にとるようにしている。(ロ)〜(ホ)はそれ4つの受光素子15a〜15dから得られるデジタル波形を示し、tA3,tB3,tC3,tD3がそれぞれ基準時間(計測パルスの立上がりエッジ)からのパルス幅の中心までの時間を示すものである。したがって、受光素子15a,15bの方向を測定経線方向としたとき、その中心(角膜中心)は、(tC3+tD3)/2で求められ、求められた中心までの受光素子15aの位置での時間差TA 、及び中心から受光素子15bの位置での時間差TB は、
TA =(tC3+tD3)/2−tA3
TB =tB3−(tC3+tD3)/2
で求められる。そして、この時間差をその経線方向の中心に対する屈折力に対応させることができる。
【0026】
同様に、受光素子15c,15dの方向を測定経線方向としたとき、その中心(角膜中心)は受光素子15a,15bからのデジタル波形に基づいて求められ、その中心に対する受光素子15c及び15dの位置でのそれぞれの時間差も求められる。
【0027】
次に、装置の動作を図7の信号処理系の概略ブロック図を使用して説明する。検者は照明光源36に照明された被検眼Eの前眼部像をTVモニタ39により観察しながら装置を上下左右及び前後に移動してアライメントを行う(アライメントは位置合わせ用の指標を角膜に投影し、その角膜反射輝点とレチクルとが所定の関係になるようにする周知のものが使用できる)。アライメントが完了したら、図示なき測定開始スイッチによりトリガ信号を発生させて測定を開始する。
【0028】
測定が開始すると、スリット投影光学系1からはスリット開口4a又は4bにより制限されたスリット光束が瞳孔を介して眼内に入射し、眼底上を走査して投影される。眼底で反射され瞳孔を通過したスリット像の光束は、スリット像検出光学系10の受光レンズ11により集光され、絞り13を介して受光部14上に届く。ここで、被検眼Eが正視眼であれば眼内に光束が入射したと同時に受光部14上の受光素子15a〜15dに光電圧が発生するが、屈折異常があれば眼底で反射されたスリット像の光が受光部14上を横切るように移動する。
【0029】
受光部14上でのスリット像の光の移動に伴い、各受光素子15a〜15dからはそれぞれ光電圧が出力される(光電圧に時間差を生ずる)。出力された各光電圧はそれぞれ4個の増幅器40a〜40dに入力されて増幅され、さらに4個のレベルシフト回路41a〜41dでそれぞれ電圧レベルのシフト処理がされた後、2値化回路42a〜42dにより所定のスレッシュレベルでの2値化したデジタル信号に変えられる。その後、各デジタル信号は各々カウンタ回路46a〜46dとOR回路43に入力される。OR回路43は2値化回路42a〜42dの中の最初の立上がりエッジを計測パルスの立上がりとするためであり、次に続くフリップフロップ44に入力される。フリップフロップ44は計測の開始となる基準時間(立上がりエッジ)を含み、全ての受光素子からのパルスを計測し終えた後に制御回路50から出力されるRset信号を受けるまでの間の計測時間を意味する計測パルス信号をカウンタ回路46a〜46dへ出力する。
【0030】
各カウンタ回路46a〜46dは2値化回路42a〜42dで2値化されたパルス信号とフリップフロップ44からの計測パルス信号が入力されると、計測パルス信号の立上りエッジ(=基準時間)に対するそれぞれのパルス信号の立上りまでの時間及びそれぞれのパルス幅の時間をカウントして保持する。これを図6の例にとって説明すると、基準時間t0 に対するそれぞれのパルス信号入力までの時間は、それぞれの受光素子に対して、tA1(図6ではtA1=0)、tB1、tC1、tD1である。また、パルス幅の時間は、それぞれtA2、tB2、tC2、tD2である。
【0031】
各カウンタ回路が保持した時間は、制御回路50からの呼び出し指令信号(CSa 〜CSd )により出力され、デ−タバス47を介して制御回路50に入力される。制御回路50は、各カウンタ回路46a〜46dからの各受光素子における基準時間に対するそれぞれのパルス信号の立上りまでの時間(tA1、tB1、tC1、tD1)、パルス幅の時間(tA2、tB2、tC2、tD2)、及びセンサ20によるスリット投影の種類の判別信号に基づき、前述した方法により測定経線方向(スリット光束の走査方向)の角膜中心の時間を求めた後、測定経線方向に位置する1対の受光素子各々の角膜中心に対する時間差(位相差)を得る。
【0032】
こうして時間差が得られたら、これを屈折力に換算する。位相差法により検出される時間差と屈折力との間には、図8のような関係がある。この関係は、例えば、予め屈折力値が既知である模型眼を使用することによってサンプリングし、その位相差デ−タを記憶させておくことにより時間差に対応した屈折力値を得ることができる。
【0033】
また、従来と同様のS(球面度数)、C(乱視度数)、A(乱視軸角度)の3個のパラメ−タは次のようにして得る。スリット開口4aによるスリット光束が走査されたときの1対の受光素子15a、15bの出力信号の位相差から得られる値をD1 、他方の対の受光素子15c,15dの出力信号の位相差から得られる値をD2 とし、同様に、スリット開口4bによるスリット光束が走査されたときの1対の受光素子15a、15bの出力信号の位相差から得られる値をD3 、他方の対の受光素子15c,15dの出力信号の位相差から得られる値をD4 とすると、
D1 =S+Ccos 2 θ
D2 =(C/2)sin 2θ
D3 =−(C/2)sin 2θ
D4 =S+Csin 2 θ
の関係式が成り立つので、これらの関係式を演算処理することにより、S、C、A(=θ)の各値を得る。
【0034】
以上のようにして得られた測定結果を表示部51に表示する。このとき角膜中心に対する測定経線方向の屈折力に所定量の差があるときは、不正乱視がある旨を表示する。また、その差の程度及び測定経線の方向を表示するようにしても良い。
【0035】
さらに、測定結果をプリンタ52から印字出力するときは、図9のように、S、C、Aの値のほか、測定経線方向(実施例では、45度方向と135度方向)ごとに中心に対する各測定受光素子位置での屈折力差70を表示する。また、その差が所定の値以上(例えば、ΔD>0.5 ディオプタ)であれば、不正乱視がある旨及びコンタクトレンズの処方をしたほうが良い旨のメッセ−ジ表示71を表示する。このような表示により、その後に続く最終処方のための検眼において、装置から得られるS、C,Aの値を慎重に再確認する等の注意を検者に対して喚起することができる。
【0036】
以上の実施例では、2対の受光素子による2経線方向の測定について説明したが、さらに測定精度を上げるために、スリット光束の走査方向及び受光素子の配置の数を増やしても良い。例えば、3経線方向の測定を行う場合、回転セクタ−4には回転方向に対して30度、90度、−30度の3種類の傾斜角度を持つスリット開口80a,80b,80cを設ける(図10参照)。一方、受光部14上には3種類のスリット開口の方向に対応させるように、60度ごとに光軸を対称にそれぞれ受光素子81a,81bの対、受光素子81c,81dの対、受光素子81e,81fの対を設ける(図11参照)。この場合、スリット開口の方向(被検眼眼底上でのスリット光束の走査方向)が受光素子81a,81b方向に対応しているときには、この方向を除く一対の受光素子81c,81d、又は一対の受光素子81e,81fを光が横切るときの位相差(あるいは両者の平均位相差としても良い)から、前述の方法によりスリット光束の走査方向の中心を求めることができ、その中心に対する各経線方向の受光素子に対応した角膜位置での屈折力を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、角膜中心に対する経線方向の角膜部位における屈折力を得ることができる。したがって、不正乱視の有無を容易に発見でき、その後の眼鏡処方等のための検眼において検者に注意を喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の装置の光学系概略配置を示す図である。
【図2】回転セクタ−の側面に設けられるスリット開口の展開図である。
【図3】受光部が有する4個の受光素子の配置を示す図である。
【図4】基準時間t0 に対する4個の受光素子のからの信号出力波形の例を示した図である。
【図5】受光素子15aに対応する角膜部位に対して受光素子15bに対応する角膜部位の混濁が大であったときの、両素子からの信号波形の例を示した図である。
【図6】本発明の2値化処理の検出方法を各受光素子について示した図である。
【図7】実施例の装置の信号処理系の概略ブロック図である。
【図8】位相差法により検出される時間差と屈折力との関係を示す図である。
【図9】実施例の装置による印字出力例を示す図である。
【図10】3経線方向の測定を行う場合の回転セクタ−の側面に設けるスリット開口の配置例を示す図である。
【図11】3経線方向の測定を行う場合の受光素子の配置例を示す図である。
【符号の説明】
1 スリット投影光学系
4a,4b スリット開口
10 スリット検出光学系
15a〜15d 受光素子
46a〜46d カウンタ回路
50 制御回路[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an eye refractive power measuring device that objectively measures the refractive power of an eye to be examined.
[0002]
[Prior art]
As an eye refractive power measurement device, a slit-shaped light beam is scanned and projected onto the fundus of the eye to be examined, and the light reflected from the fundus of the eye to be examined due to the projection of the slit light beam sandwiches the optical axis at a position substantially conjugate with the cornea to be examined. In order to obtain the refractive power of the eye to be inspected based on detection by two pairs of light receiving elements symmetrically arranged as described above. The measurement result of this type of apparatus is based on three parameters of S (spherical power), C (astigmatic power), and A (astigmatic axis angle), assuming that the refractive power of the eye to be examined is symmetric about the cornea. The operation is output.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the refractive power of the eye is not always symmetrical about the center of the cornea, and many eyes have irregular astigmatism. With an irregular astigmatic eye, the results of S, C, and A obtained when the subject's eye looks at the center of the fixation target inside the apparatus and when looking at a position other than that are different. As a typical example of the irregular astigmatism, in the case of keratoconus, the values of S, C, and A may be completely unreliable.
[0004]
In recent corneal surgery using an excimer laser, which has been spotlighted as a method of correcting refractive errors, the surface of the cornea is excised and its curvature is changed. However, if the axis is misaligned during the operation, the symmetry of the cornea is broken. .
[0005]
In the eye to be examined in which the symmetry of the refractive power is not secured, the measurement results of S, C, and A often become inaccurate. In this case, it takes a long time for the eyeglass prescription and the like by the subjective test to be performed subsequently, and the eye to be inspected may be tired and an incorrect prescription value may be output.
[0006]
The present invention has been made in view of the above-described drawbacks of the conventional apparatus, and provides an eye-refractive-power measuring apparatus that can obtain an eye refractive power based on a more accurate phase difference method and that can easily detect the presence or absence of irregular astigmatism. The technical issues.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention is characterized by having the following configuration.
[0008]
(1) A slit light projection optical system that scans a slit-like light beam in at least two directions , and a slit light beam reflected by the fundus of the eye to be examined is symmetrically arranged with a light axis interposed at a position substantially conjugate with the cornea of the eye to be examined. A detection optical system for detecting with two or more pairs of light receiving elements, and an eye refractive power measuring device that obtains the refractive power of the eye to be inspected based on a phase difference signal output between the light receiving elements, wherein the scanning direction of the slit light beam is Except for a pair of light receiving elements for measuring a corresponding refractive power in the meridian direction, a center detecting means for detecting a corneal center in the measured meridian direction based on a phase difference signal output of at least another pair of light receiving elements. It is characterized by having.
[0009]
(2) A slit light projection optical system that scans a slit-like light beam in at least two directions , and a slit light beam reflected by the fundus of the eye to be examined is symmetrically arranged at a position substantially conjugate with the cornea of the eye with the optical axis interposed therebetween. A detection optical system for detecting with two or more pairs of light receiving elements, and an eye refractive power measuring device that obtains the refractive power of the eye to be inspected based on a phase difference signal output between the light receiving elements, wherein the scanning direction of the slit light beam is A corneal center of the eye to be inspected in the measured meridian direction is detected based on a phase difference signal output of at least another pair of light receiving elements excluding a pair of light receiving elements for measuring a corresponding refractive power in the meridian direction. Based on the center detecting means and the detected corneal center and the measured output signals of the light receiving elements arranged in the meridian direction, the refractive power in the measured meridian direction at the corneal site corresponding to each light receiving element position To Refracting power calculating means for calculating the corneal center of the eye to be examined as a center.
[0013]
【Example】
An embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic layout diagram of an optical system of an apparatus according to an embodiment. The optical system is roughly classified into a slit projection optical system, a slit detection optical system, a fixation target optical system, and an observation optical system.
[0014]
Reference numeral 1 denotes a slit projection optical system. Reference numeral 2 denotes a slit illumination light source that emits infrared light, and 3 denotes a mirror. Reference numeral 4 denotes a cylindrical rotating sector which is rotated by a motor 5 at a constant speed in a constant direction. 2, a plurality of
[0015]
The infrared light emitted from the light source 2 is reflected by the
[0016]
[0017]
[0018]
[0019]
Next, a method will be described in which the center of the cornea (or the center of the visual axis) is determined from the output signals of the
[0020]
Now, when the slit light beam by the
[0021]
Now, assuming that the refractive power is symmetrical about the center of the cornea, it corresponds to the phase difference (time difference) between the output signal from the
[0022]
Here, for the sake of simplicity, when the rise time of the optical voltage signal waveform generated in each light receiving element in accordance with the incidence of light is detected (ta, tb, tc, td in FIG. 4), the reference time t0 The center of the
(Tc + td) / 2
Can be obtained by Therefore, if the time from the corneal site corresponding to the
Ta = [(tc + td) / 2-ta]
Tb = [tb− (tc + td) / 2]
By making the times Ta and Tb correspond to the refractive power, the refractive power between the center of the cornea and a predetermined corneal part can be obtained.
[0023]
Next, a case where the output signal from each light receiving element is binarized to detect the phase difference time will be described. When a certain threshold level is set for a signal output from each light receiving element and binarization processing is performed, if there is a light amount difference between each light receiving element, an error may occur in the detection of the phase difference time. This is likely to occur when the translucent body of the eye is turbid, such as a cataract eye. For example, FIG. 5 is a diagram showing an example of signal waveforms from the corneal site corresponding to the
[0024]
Therefore, in consideration of the case where there is a light quantity difference between the respective light receiving elements, the center of the meridional direction to be measured (corneal center) and the refractive power with respect to the center take a time half the pulse width of the shaped rectangular waveform. To This can eliminate the influence of the amplitude difference at each light receiving element position. That is, in FIG. 5, the times ta1, ta2, tb1, and tb2 from the reference time t0 are measured, and the time ta3 or tb3 to the center may be obtained. ta3 and tb3 are respectively
ta3 = ta1 + ta2 / 2
tb3 = tb1 + tb2 / 2
It becomes. This means that accurate time can be obtained even if the threshold levels in the binarization processing corresponding to the respective light receiving elements are different.
[0025]
FIG. 6 specifically shows such a time detecting method for each light receiving element. (A) shows a digital waveform of a measurement pulse serving as a reference. In this case, the timing at the first rise of the pulse waveform after binarization processing among the
T A = (t C3 + t D3) / 2-t A3
T B = t B3 - (t C3 + t D3) / 2
Is required. Then, this time difference can be made to correspond to the refractive power with respect to the center in the meridian direction.
[0026]
Similarly, assuming that the directions of the
[0027]
Next, the operation of the apparatus will be described with reference to the schematic block diagram of the signal processing system of FIG. The examiner performs alignment by moving the apparatus up, down, left and right and back and forth while observing the anterior eye image of the eye E illuminated by the
[0028]
When the measurement is started, a slit light beam restricted by the slit opening 4a or 4b enters the eye through the pupil from the slit projection optical system 1, and scans and projects on the fundus. The light flux of the slit image reflected by the fundus and passing through the pupil is condensed by the
[0029]
With the movement of the light of the slit image on the
[0030]
Each of the
[0031]
The time held by each counter circuit is output by a calling command signal (CSa to CSd) from the
[0032]
When a time difference is obtained in this way, this is converted into refractive power. FIG. 8 shows a relationship between the time difference detected by the phase difference method and the refractive power. This relationship can be obtained, for example, by sampling by using a model eye whose refractive power value is known in advance, and storing the phase difference data to obtain a refractive power value corresponding to the time difference.
[0033]
Further, three parameters of S (spherical power), C (astigmatic power) and A (astigmatic axis angle) are obtained as follows. The value obtained from the phase difference between the output signals of the pair of
D1 = S + Ccos 2 θ
D2 = (C / 2) sin 2θ
D3 = − (C / 2) sin 2θ
D4 = S + Csin 2 θ
Are satisfied, the values of S, C, and A (= θ) are obtained by arithmetically processing these relational expressions.
[0034]
The measurement results obtained as described above are displayed on the
[0035]
Further, when the measurement results are printed out from the
[0036]
In the above embodiments, the measurement in two meridian directions by two pairs of light receiving elements has been described. However, in order to further increase the measurement accuracy, the scanning direction of the slit light beam and the number of light receiving elements may be increased. For example, when measuring in three meridian directions, the rotating sector-4 is provided with
[0037]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to obtain the refractive power at the corneal site in the meridian direction with respect to the corneal center. Therefore, the presence or absence of irregular astigmatism can be easily found, and the examiner can be alerted in the subsequent optometry for eyeglass prescription and the like.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic arrangement of an optical system of an apparatus according to an embodiment.
FIG. 2 is a development view of a slit opening provided on a side surface of the rotating sector.
FIG. 3 is a diagram illustrating an arrangement of four light receiving elements included in a light receiving unit.
FIG. 4 is a diagram showing an example of signal output waveforms from four light receiving elements with respect to a reference time t0.
FIG. 5 is a diagram showing an example of signal waveforms from the corneal site corresponding to the
FIG. 6 is a diagram showing a detection method of the binarization processing of the present invention for each light receiving element.
FIG. 7 is a schematic block diagram of a signal processing system of the device according to the embodiment.
FIG. 8 is a diagram illustrating a relationship between a time difference detected by a phase difference method and a refractive power.
FIG. 9 is a diagram illustrating an example of print output by the apparatus according to the embodiment.
FIG. 10 is a diagram showing an example of the arrangement of slit openings provided on the side surface of a rotating sector when measurement is performed in three meridian directions.
FIG. 11 is a diagram illustrating an example of the arrangement of light receiving elements when measurement is performed in three meridian directions.
[Explanation of symbols]
1 Slit projection
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