JP3560693B2 - ガルバノミラー装置およびミラーの固定構造 - Google Patents

ガルバノミラー装置およびミラーの固定構造 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は検出装置、測定装置および光学顕微鏡に用いられるガルバノミラー装置ならびにミラーの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、試料(被写体)の外観を観察するための観察用光学系と、レーザ光の反射光の強度を測定して、試料の深度に関する情報を検出する共焦点光学系とを備えた光学顕微鏡が知られている。この種の顕微鏡は、試料の拡大像だけでなく、試料の深度も含めた三次元的なデータが得られ、半導体集積回路のような微細な構造を知る上で有用である。共焦点光学系の一例を図7に示す。
【0003】
図7において、レーザ10からのレーザ光L1は、ガルバノミラー装置のミラー12mおよびビームプリッタ14により反射されて対物レンズ18により試料wの表面wfに集光され、その反射光L1がイメージセンサ19に入射する。ここで、共焦点光学系1は、対物レンズ18の2つの焦点位置に、前記試料wとイメージセンサ19を配設しており、試料wの表面wfに焦点が合ったとき、レーザ10からのレーザ光L1がイメージセンサ19上で結像するから、イメージセンサ19の1つの受光素子における受光光量が著しく大きくなる。したがって、試料wをZ軸方向に移動させて、受光光量がピークとなるピーク位置を測定すれば、試料wの表面wfの深さ方向の深度情報が得られる。また、ミラー12mを矢印R方向に交互に振らせて、図8のモニタの画面における拡大像wrで示すように、レーザ光L1を試料表面wf上で走査することにより、試料wの1つの断面に沿った深度情報が得られる。
【0004】
つぎに、ガルバノミラー装置12の一例について説明する。
図9(a)において、ミラー12mは、支持部材100の溝101に挿入されていると共に、接着剤によって溝101に固着されている。支持部材100は、駆動軸102およびコロガリ軸受103を介して、ガルバノ本体104に回転自在に支持されていると共に、ガルバノ本体104に内蔵されたモータのような駆動装置(図示せず)によって極めて小さな角度の範囲で、双方向に交互に回転し、これにより、ミラー12mが駆動軸102のまわりに矢印R方向に揺動する。なお、本明細書において、ガルバノミラー装置とは、ミラー12m、前記駆動装置および該駆動装置を制御するガルバノ駆動回路を備えたものをいう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかるガルバノミラー装置12では、以下の理由により、深さ測定の信頼性が低いという問題がある。
ミラー12mは、前述のように、極めて小さな角度の範囲で往復回転するから、図9(b)のコロガリ軸受103の玉103aも、一点鎖線で示す部分103bにおいて、外輪103cおよび内輪103dに接触する。そのため、玉103aが部分的に摩耗すると共に、玉103aの接触が不均一であるため摩耗自体が早く進行するのは避けられない。したがって、走査速度が不均一になると共に、スムースな走査ができなくなって、試料wに照射される光量が不均一になる。一方、前記共焦点光学系は、受光光量がピークとなるピーク位置を測定することにより、試料wの深さ方向の情報を得るものであるから、前述のように、照射される光量が不均一になると、深さ測定の信頼性が低下する。
【0006】
また、図9(a)のミラー12mはガラス系の材質からなり、一方、支持部材100は金属製であることから、接着剤によりミラー12mを支持部材100に固定した場合、温度変化に伴い、一時的ないし経時的に熱膨張率の差に起因する歪みが生じる。かかる歪みが生じると、光軸にズレが生じ、そのため、レーザ光の結像点がイメージセンサの受光素子から位置ズレする。
こうした問題に対して、本発明者は、図10(a)のように、2本の止ねじ104でミラー12mを支持部材100に固定する固定構造を発明した。しかし、2本の止ねじ104をミラー12mに押し付けると、止ねじ104の軸力によって、ミラー12mが図10(b)に示すように、鞍形に大きく歪むことを発見した。このように、ミラー12mが大きく歪むと、ミラー12mから反射されるレーザ光L1の光量が、ミラー12mの回転に伴って不均一になる。そのため、やはり、測定の信頼性が低下する。
【0007】
かかる問題は、共焦点光学系を有する光学顕微鏡に限らず、他の測定装置や検出装置についても同様に生じる。また、ガルバノミラー装置の他に、走査光学系に設けた固定ミラーについても同様に生じる。
【0008】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ガルバノミラー装置等において、一定の速度で光を走査して、均一な光量を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
第1発明は、光を発光する発光手段と、該発光手段から発光された光を走査するガルバノミラー装置と、該ガルバノミラー装置によって走査され対象物に照射した光の反射光を受光する受光素子とを備えた検出装置のガルバノミラー装置であって、前記ガルバノミラー装置は、該ガルバノミラー装置に設けられ光を反射させるためのミラーと、該ミラーを揺動させて光を走査させる駆動装置と、該駆動装置の駆動を制御すると共に、前記対象物の検出を必要とする検出時よりも前記対象物の検出を必要としない非検出時の方が、ミラーの揺動角が大きくなるように制御するガルバノ駆動回路とを備えたガルバノミラー装置である。
【0010】
第2発明は、光を発光する発光手段と、該発光手段から発光された光を走査するガルバノミラー装置と、該ガルバノミラー装置によって走査され対象物に照射した光の反射光を受光する受光素子とを備えた測定装置のガルバノミラー装置であって、前記ガルバノミラー装置は、該ガルバノミラー装置に設けられ光を反射させるためのミラーと、該ミラーを揺動させて光を走査させる駆動装置と、該駆動装置の駆動を制御すると共に、測定時よりも非測定時の方が、ミラーの揺動角が大きくなるように制御するガルバノ駆動回路とを備えたガルバノミラー装置である。
【0011】
第3発明は、レーザ光を対物レンズにより試料の表面に集光すると共に、その反射光を検出器表面に集光して受光させて、前記反射光の強度に基づいて試料の深度に関する深度情報を検出する共焦点光学系と、該共焦点光学系における試料に対する集光位置を走査するガルバノミラー装置とを備えた光学顕微鏡において、前記ガルバノミラー装置は、前記共焦点光学系に配設したミラーと、該ミラーを揺動させて光を走査させる駆動装置と、該駆動装置の駆動を制御すると共に、前記深度情報を検出する深度測定時よりも前記深度情報を測定しない深度非測定時の方が、ミラーの揺動角が大きくなるように制御するガルバノ駆動回路とを備えたガルバノミラー装置である。
なお、これらの発明においては、揺動角に加えて、揺動周期も長くなるようにするのが好ましい。
【0012】
これらの発明によれば、非検出時、非測定時または深度非測定時に、ミラーの揺動角を大きくするので、コロガリ軸受のコロや玉が内外輪と接触する長さを長くでき、かつ、コロや玉の摩耗が全周にわたって生じる。そのため、玉等の摩耗が均一になると共に、玉等の摩耗が抑制される。更に、揺動周期を長くすれば、玉等の摩耗自体を一層抑制することができる。
【0013】
一方、本出願のミラーの固定構造は、ミラーの鏡面または裏面に向かう軸力を有する止ねじによってミラーを支持部材との間で挟み付けて固定すると共に、前記止ねじを1本としている。
【0014】
つぎに、本ミラーの固定構造の原理について説明する。
図10において、支持部材100の溝101の表面101aには、微小な凹凸が存在する。そのため、2本の止ねじ104でミラー12mを固定すると、図4(f)に模式的に示すように、ミラー12mには止ねじ104の軸力Fが両端に加わり、ミラー12mの裏面12aには分布荷重2Fが加わると考えてよいから、ミラー12mが歪む。その最大たわみ量δは、分布荷重を等分布荷重とすると、下記の(1)式で表される。
δ=F・D/8EI …(1)
但し、D:ミラーの幅の1/2
E:ヤング率
I:断面2次モーメント
一方、止ねじを1本にすると、図4(e)に示すように、軸力Fに対して、ミラー12mの裏面12aに分布荷重Fが加わる。その最大たわみ量δは、同様にして、下記の(2) 式で表される。
δ=(F/2)・D/8EI …(2)
したがって、本ミラーの固定構造を採用することにより、ミラーの歪が小さくなる。なお、本発明者がミラーの歪を干渉計を用いて測定したところ、止ねじを1本とした場合の方が、ミラーの歪は小さかった。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。
図1において、光学顕微鏡は、共焦点光学系1と観察用光学系2とを備えている。
【0016】
まず、共焦点光学系1について説明する。
共焦点光学系1は、試料wの深度(深さ,膜厚)に関する深度情報を検出するもので、たとえば赤色のレーザ光L1を出射するHe−Neレーザ(発光手段)10を光源としている。該レーザ10の光軸上には、ビームエキスパンダ11、ガルバノミラー装置12のミラー12mおよびfθレンズ13が設けられている。レーザ光L1はfθレンズ13により点光源となり、点光源となったレーザ光L1の光軸上には、ビームスプリッタ14、1/4波長板15、第1のハーフミラー16、結像レンズ17および対物レンズ18が、順次配設されている。前記対物レンズ18は、レボルバ(図示せず)により切換が可能で、複数種類の倍率を選択できるようになっている。
【0017】
対物レンズ18の焦点位置の付近には、対物レンズ18に対して上下動する試料ステージ30が配設されており、対物レンズ18はレーザ光L1を試料wの表面に集光させる。レーザ光L1は試料wで反射され、対物レンズ18、結像レンズ17を透過する。結像レンズ17の焦点位置の近傍には、たとえばCCDラインセンサのような一次元イメージセンサ(検出器)19が配設されており、結像レンズ17を透過したレーザ光L1は、第1のハーフミラー16およびビームスプリッタ14で反射されて、一次元イメージセンサ19の表面に集光する。前述のミラー12mは、モータ(駆動装置)Mにより揺動し、レーザ光L1を偏向させることで、試料wへの集光位置を紙面に直角な方向Yに一次元的に走査する。この走査方向Yに対応する方向に一次元イメージセンサ19の長手方向Yが設定されている。
【0018】
前記ガルバノミラー装置12は、共焦点光学系1における試料wに対する集光位置を走査するものである。ガルバノミラー装置12は、ミラー12m,モータMおよびガルバノ駆動回路42などを備えている。
【0019】
図2のマイコン50は、設定器(キーボード)52からの入力設定に応じて、D/Aコンバータ46に深度測定モードまたは深度非測定モードを意味するデジタル信号からなるモード信号m1を出力する。D/Aコンバータ46はモード信号m1に応じたアナログ信号からなるモード信号m2をガルバノ駆動回路42に出力する。
【0020】
ガルバノ駆動回路42は、たとえば発信回路、増幅回路および分周回路を備えており、前記モード信号(入力信号)m2に応じた複数種類の駆動信号bをモータMに出力することによって、モータMの駆動を制御するものである。すなわち、ガルバノ駆動回路42は、深度情報を検出する深度測定モードにおいては、図3の実線で示す測定用駆動信号bを出力し、一方、深度情報を検出しない深度非測定モードにおいては一点鎖線で示す非測定用駆動信号bを出力する。該非測定用駆動信号bは、測定用駆動信号bよりも、振幅Aが大きく、かつ、周期Tが長い(周波数が小さい)。
【0021】
前記モータM(図2)は、駆動信号bの振幅Aに応じた揺動角と、周期Tに応じた揺動周期で往復回転し、図4のミラー12mを揺動させて、レーザ光L1を走査させるものである。したがって、深度測定時よりも深度非測定時の方が、ミラー12mの揺動角が大きくなると共に、揺動周期が長くなる。ここで、揺動角とは、駆動軸102のまわりにミラー12mが振れる角度をいい、揺動周期とは、ミラー12mの揺動(振動)の周期をいう。
【0022】
つぎに、ミラー12mの固定構造について説明する。
図4(a)に示すように、ミラー12mは、支持部材70の溝71に挿入された状態で、1本の止ねじ72によって、前記溝71に固定されている。溝71には、図4(b)に明示するように、スペーサ73が挿入されている。止ねじ72は、スペーサ73を介してミラー12mの鏡面12bに直交する方向にミラー12mの下端部の中央を押し付けており、これにより、ミラー12mが溝71の突出部74と止ねじ72との間に挟み付けられて固定されている。突出部74は、支持部材70におけるミラー12mを介して止ねじ72が対向する部分に突出して形成されている。
【0023】
つぎに、図1の共焦点光学系1の制御回路等について説明する。
同期回路40は、ステージ制御回路41、ガルバノ駆動回路42およびCCD駆動回路43に同期信号を出力する。CCD駆動回路43は同期信号を受けた後、一次元イメージセンサ19の各素子に蓄積された電荷を読出し用クロックパルスに基づいて読み出し、図2のゲイン制御回路44およびA/Dコンバータ45を介して、光量信号aをマイコン50に出力する。マイコン50は、CPU51およびメモリ60を備えており、後述するように、一次元イメージセンサ19の受光光量および試料ステージ30の高さに基づいて試料wの深度(高さ)に関する情報を求める。
【0024】
前記メモリ60は、図5(a)に示すピーク光量記憶部61およびピーク位置記憶部62を備えている。前記各記憶部61,62は、それぞれ、一次元イメージセンサ19の素子の数に対応した記憶素子61 〜61および62 〜62を有している。
【0025】
つぎに、図1の観察用光学系2について説明する。
観察用光学系2は、試料wの外観を拡大して観察するためのもので、たとえば白色光L2を出射するランプ20を光源(観察用光源)としている。ランプ20の光軸上には、集光レンズ21および第2のハーフミラー23が配設されており、第2のハーフミラー23において観察用光学系2の光軸と共焦点光学系1の光軸とが合致するように、観察用光学系2が配設されている。
【0026】
前記第2のハーフミラー23は対物レンズ18の光軸上にあり、白色光L2は試料wの表面の所定の領域に集光されて照射される。試料wで反射された白色光L21は、対物レンズ18、結像レンズ17および第1のハーフミラー16を通過して、CCDカメラ24に入射する。CCDカメラ24で撮像された画像は、画像信号eとして図2のスーパーインポーザ31を介してモニタ32に出力されて表示される。なお、モニタ32には、図8の二点鎖線で示す赤色のレーザ光L1も映し出される。
【0027】
つぎに、深さ測定の原理を簡単に説明する。
図1の共焦点光学系1において、前述の一次元イメージセンサ19は、焦点位置に配設されており、一方、一次元イメージセンサ19の各素子は極めて微小であるから、レーザ光L1が試料w上で焦点を結ぶと、その反射光L1が一次元イメージセンサ19上で結像し、一次元イメージセンサ19の1つの受光素子における受光光量が著しく大きくなり、逆に、レーザ光L1が試料w上で拡がっていると、その反射光L1も一次元イメージセンサ19上で拡がるので、当該素子の受光光量が著しく小さくなる。したがって、試料ステージ30を上下方向つまりZ軸方向に上下させると、その受光光量Iは、図5(b)のように変化して、ピントの合ったZ軸の位置で、つまりピーク位置Zpにおいて最大となる。このピーク位置Zpを一次元イメージセンサ19の各素子について求めることにより、図5(c)のように、紙面に垂直な方向Y(図1)についての深さの情報、つまり、試料の1つの断面における表面形状(以下、単に「表面形状」という。)を求めることができる。
【0028】
つぎに、深さの測定方法について説明する。
図6において、まず、設定器52(図2)から深さ測定の設定がなされると、ステップS1でミラー12mを駆動させて、レーザ光L1を走査し、ステップS2で、一次元イメージセンサ19において受光した光量およびZ軸の位置をメモリ60の各記憶部61,62に記憶させる。つづいて、ステップS3で試料ステージ30を1段階下降させた後、ステップS4に進み、再び、レーザ光L1を走査して、ステップS5に進む。ステップS5では、今回測定した光量がピーク光量記憶部61の各記憶素子61に記憶されている光量よりも大きいか否かを各素子についてCPU51が判断し、大きければステップS6に進んで、測定光量とZ軸の位置を書き換える。一方、小さければステップS7に進む。ステップS7では、試料ステージ30が所定の下降端まで下降したか否かを判断し、下降端でなければステップS3に戻り、一方、下降端であれば測定を終了する。
【0029】
こうして、図5(a)の両記憶部61および62には、それぞれ、ピークの光量Iとピーク位置Zpが記憶される。この後、ピーク位置Zpの情報は図2のイメージRAMに転送され、マイコン50はイメージ(図5(c))をスーパーインポーザ31に出力する。スーパーインポーザ31は、CCDカメラ24の画像と前記表面形状を重ね合わせ、モニタ32に出力する。これにより、オペレータは試料wの拡大画像と共に前記表面形状を知ることができる。
【0030】
前記構成において、本光学顕微鏡は、深度非測定モードでは、図4(a)のミラー12mが大きな揺動角で、かつ、長い周期で揺動する。そのため、図4(d)のコロガリ軸受103の玉103aは、図9(b)の二点鎖線で示す部分103bよりも大きな範囲で、内外輪103c,103dに接触すると共に、図4のミラー12mの角速度も小さくなる。したがって、玉103aが均一に、摩耗すると共に、その摩耗量も少なくなる。その結果、レーザ光L1の走査速度が均一になると共にスムースな走査が可能となって、深さ測定の信頼性が向上する。また、ガルバノミラー装置12の寿命が伸びると共に、無駄な振動が発生するおそれもない。
【0031】
なお、ミラー12mの揺動角は、図4(d)の玉103aの全周が内外輪103c,103dに接触する以上の角度に設定するのが好ましい。また、ミラー12mの揺動周期は、深度非測定時の方が、深度測定時よりも図4のミラー12mの角速度が小さくなるように設定するのが好ましい。したがって、揺動角の変化量よりも、揺動周期の変化量を大きくするのが好ましい。
【0032】
ところで、コロガリ軸受103の摩耗を小さくするのであれば、深度非測定時には、ミラー12mを静止させておくことも考えられる。しかし、こうすると、図8の拡大像wrに、レーザ光L1が映し出されない。そのため、深度の測定前に、試料wのどの部分について深度測定がなされるのか不明瞭になる。これに対し、本光学顕微鏡では、深度非測定時にもレーザ光L1を走査させるから、深度の測定前に、どの部分について深度測定がなされるのかが明瞭になる。
【0033】
また、本発明にかかるミラーの固定構造では、図4のように、1本の止ねじ72によってミラー12mを固定しているので、図4(c)のように、ミラー12mが湾曲する。しかし、湾曲の度合いは、前述のように2本の止ねじで固定した場合に比べ小さくなる。したがって、レーザ光L1の走査速度が均一になると共にスムースな走査が可能となる。
【0034】
また、本実施例では、図4(b)の支持部材70に突出部74を設けミラー12mを止ねじ72と突出部74との間で挟み付けているから、ミラー12mに作用する曲げモーメントが小さくなるので、ミラー12mの歪が小さくなる。さらに、止ねじ72とミラー12mとの間にスペーサ73を設けているので、止ねじ72の軸力を分散させることができるから、ミラー12mの歪が一層小さくなる。
【0035】
ところで、図10の止ねじ104を2本とした場合に、止ねじ104の締付トルクを小さく設定すれば、ミラー12mの歪は小さくなる。しかし、こうすると、トルク管理の必要性が生じたり、止ねじ104が緩むおそれがある。これに対し、本ミラーの固定構造では、図4の止ねじ72を通常のトルクで締付ければよいので、こうした不都合も生じない。
【0036】
さらに、本ミラーの固定構造では、従来のミラー12mと支持部材70とを接着する構造と異なり、温度変化が生じても、熱膨張率の差に起因する歪みも生じない。したがって、光軸のズレによる結像点の位置ズレも生じるおそれがない。
【0037】
なお、本発明では、ミラー12mの鏡面12bを支持部材70の突出部74に当接するように固定してもよい。つまり、ミラー12mの背面12aに向って止ねじ72を押し付けてもよい。また、本発明のミラーの固定構造は、ミラー12mだけでなく、図1の共焦点光学系のような走査光学系に配置したミラー16に適用し得る。
【0038】
また、本発明のガルバノミラー装置は、光学顕微鏡だけでなく、他の測定装置などについても適用し得る。たとえば、工場の仕分けラインに設けたバーコードリーダーおよび光電スイッチなどの検出装置や、三角測量の原理を用いて対象物の変位を測定する測定装置などについても適用し得る。なお、前記検出装置などにおいては、設定器からの設定ではなく、他の検出器などからの入力信号に応じて、対象物(バーコード)の検出を必要とする検出時と、対象物の検出を必要としない非検出時とを判別し、ミラー12mの揺動角や揺動周期を変化させるものであってもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガルバノミラー装置によれば、非検出時、非測定時または深度非測定時にミラーの揺動角を大きくするから、コロガリ軸受のコロないし玉の局部的な摩耗を抑制できる。更に、ミラーの揺動周期も変化させれば、非検出時、非測定時または深度非測定時に角速度を小さくすることができるから、コロないし玉の摩耗を一層抑制することができる。そのため、走査速度が均一になると共にスムースな走査が可能になって、検出や測定の信頼性が向上すると共に、ガルバノミラー装置の寿命が伸びる。更には、無駄な振動も発生しにくくなる。
【0040】
一方、本発明のミラーの固定構造によれば、ミラーを1本の止ねじで固定するから、止ねじの軸力によるミラーの歪が小さくなるので、走査速度が均一になると共にスムースな走査が可能となり、検出や測定の信頼性が向上する。また、接着によって固定するのと異なり、温度変化による歪も生じないから、一時的ないし経時的な光軸のズレも生じにくいので製品の信頼性が向上する。なお、止ねじとミラーとの間にスペーサを介挿させたり、あるいは、支持部材に突出部を形成すれば、ミラーの歪をより一層小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる光学顕微鏡の光学系を示す概略構成図である。
【図2】同測定回路等を示す概略構成図である。
【図3】駆動信号を示す特性図である。
【図4】(a)および(b)はミラーの固定構造を示す斜視部および断面図、(c)はミラーの歪の状態を示す斜視図、(d)はコロガリ軸受の部分拡大図、(e),(f)はたわみ量を算出するための模式図である。
【図5】深さ測定の原理を説明するための概念図である。
【図6】測定方法を示すフローチャートである。
【図7】共焦点光学系の一例を示す概略構成図である。
【図8】モニタの画像の一例を示す正面図である。
【図9】(a)は従来のミラーの固定構造を示す斜視図、(b)はコロガリ軸受の拡大図である。
【図10】(a)は本発明に含まれないミラーの固定構造を示す断面図、(b)は同ミラーの歪の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1:共焦点光学系
10:発光手段
12:ガルバノミラー装置
12m:ミラー
12a:裏面
12b:鏡面
19:検出器
2:観察用光学系
20:観察用光源
42:ガルバノ駆動回路
52:設定器
70:支持部材
71:溝
72:止ねじ
73:スペーサ
74:突出部

Claims (6)

  1. 光を発光する発光手段と、該発光手段から発光された光を走査するガルバノミラー装置と、該ガルバノミラー装置によって走査され対象物に照射した光の反射光を受光する受光素子とを備えた検出装置のガルバノミラー装置であって、
    前記ガルバノミラー装置は、該ガルバノミラー装置に設けられ光を反射させるためのミラーと、
    該ミラーを揺動させて光を走査させる駆動装置と、
    該駆動装置の駆動を制御すると共に、前記対象物の検出を必要とする検出時よりも前記対象物の検出を必要としない非検出時の方が、ミラーの揺動角が大きくなるように制御するガルバノ駆動回路とを備えたガルバノミラー装置。
  2. 請求項1において、
    前記ガルバノ駆動回路は、検出時よりも非検出時の方が、前記ミラーの揺動角が大きくなるように、かつ、揺動周期が長くなるように制御するガルバノミラー装置。
  3. 光を発光する発光手段と、該発光手段から発光された光を走査するガルバノミラー装置と、該ガルバノミラー装置によって走査され対象物に照射した光の反射光を受光する受光素子とを備えた測定装置のガルバノミラー装置であって、
    前記ガルバノミラー装置は、該ガルバノミラー装置に設けられ光を反射させるためのミラーと、
    該ミラーを揺動させて光を走査させる駆動装置と、
    該駆動装置の駆動を制御すると共に、測定時よりも非測定時の方が、ミラーの揺動角が大きくなるように制御するガルバノ駆動回路とを備えたガルバノミラー装置。
  4. 請求項3において、
    前記ガルバノ駆動回路は、測定時よりも非測定時の方が、前記ミラーの揺動角が大きくなるように、かつ、揺動周期が長くなるように制御するガルバノミラー装置。
  5. レーザ光を対物レンズにより試料の表面に集光すると共に、その反射光を検出器表面に集光して受光させて、前記反射光の強度に基づいて試料の深度に関する深度情報を検出する共焦点光学系と、
    該共焦点光学系における試料に対する集光位置を走査するガルバノミラー装置とを備えた光学顕微鏡において、
    前記ガルバノミラー装置は、前記共焦点光学系に配設したミラーと、
    該ミラーを揺動させて光を走査させる駆動装置と、
    該駆動装置の駆動を制御すると共に、前記深度情報を検出する深度測定時よりも前記深度情報を測定しない深度非測定時の方が、ミラーの揺動角が大きくなるように制御するガルバノ駆動回路とを備えたガルバノミラー装置。
  6. 請求項5において、
    前記ガルバノ駆動回路は、深度測定時よりも深度非測定時の方が、前記ミラーの揺動角が大きくなるように、かつ、揺動周期が長くなるように制御するガルバノミラー装置。
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