JP3560378B2 - 袋体付き既製杭 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、袋体が装着された既製杭に関するものであり、埋込工法において既製杭に装着した袋体の中に固結性流動物を圧入して杭下端に拡大部を形成させ、支持力を増大し得る袋体付き既製杭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高い鉛直支持力を発現させるために袋体を有した既製杭を用いる方法が開発されている。このような袋体を装着した既製杭は、特開平2−85419号公報に示されるように袋体がその上下部でバンドによって既製杭の外周に装着された杭であって、取り付け部に袋体ずれ防止を目的として円周方向に突起を有する構造になっている。また更に実公平5−21530号公報や特開平5−9934号公報に示されるように既製杭と袋体内に圧入した固結性流動物の硬化体との付着強度を増し、拡底球根部を一体化することを目的として袋体で覆われた部分の既製杭の外周面に凹凸の突起を有する構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術における袋体を装着した杭は、鋼管の表面に袋体ずれ防止の突起を溶接および切削方式により設けているため、製造工程が非常に複雑になり製品の信頼性、安定した供給量に問題が生じていた。また袋体ずれ防止を施した該既製杭は、高圧注入する際に袋体取り付け部よりミルクが漏れるのを防ぐために円周方向に設けられた突起を挟み込むようにして二重にバンドを取り付けるか、もしくは袋体内外部に突起を設けバンドを高引張り力で締め付けなければならないなどの手数がかかる取り付け方法が要求されていた。また例えば鉄筋を鋼管に溶接することにより袋体取り付け部の突起をらせん状に設けても、突起の形状が円形のためか、簡単な取り付け方法では袋体のずれを防止できないなどの問題を生じていた。
【0004】
本発明の目的は、固結性流動物の高圧注入を必要とする場合においても、一巻のバンドにより低引張り力で締め付けるだけで袋体のずれを防止するのに十分な摩擦力が簡単に得られるため、既製杭と袋体を確実に固着することが可能となり、既製杭と袋体拡底部が完全に一体化した高支持力が得られる袋体付き既製杭を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外周面全体に偏平な突起が連続してらせん状に設けられた鋼管または鋼管コンクリート複合杭に円筒形をした袋体がその上下部をバンドによって装着されたことを特徴とする袋体付き既製杭であり、特にずれ防止のための複雑な突起を別工程で設けなくても袋体と既製杭が簡易なバンドにより確実に、かつ所望の位置に容易に固着でき、袋体中にセメントミルク等を注入させ硬化させると既製杭と硬化体との付着部で高付着力が得られる袋体付き既製杭であり、袋体を取り付ける既製杭の外周面全体に、連続したらせん状の偏平な突起を有していることを特徴とするものである。
【0006】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様の既製杭にセメントミルクなどの固結性流動物を圧入したときの状態の半断面図であり、図2は図1の袋体取り付け部の拡大図である。図において、既製杭3は、外周に鋼管1を有し、内面は鋼管1に密着した中空コンクリート部2からなる鋼管コンクリート複合杭である。既製杭3には、袋体4がその上下部でバンド5によって、外周のみに装着されている。既製杭3の鋼管1には、予めその生産段階で表面全体に偏平な突起6が連続してらせん状に設けられている。また中空コンクリート部2には注入管9が設けられている。注入管9は袋体4に固結性流動物を注入できるように、その注入口が袋体によって覆われている。この既製杭を通常最下端の杭として用いる。
【0007】
袋体取り付け部は、表面全体に偏平な突起6が設けられた鋼管1を有する既製杭3にクッション材7が円周方向に取り付けられ、その外周に袋体4が被せられている。更に該袋体4の外側から円周方向にバンド5を巻き、締め付けることによってクッション材7が塑性変形して既製杭3と袋体4が密着することになり、袋体4がその上下で鋼管1を有する既製杭3と確実に固着される構造となっている。
【0008】
この袋体4の材質は、注入する固結性流動物中の水だけを透過させる脱水効果を有する点と強度の点からナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ビニロンなどの合成繊維を用いることが好ましい。このように固結性流動物の水を外へ脱水できる袋体にすると、施工に際してこの杭体の袋体内にセメント系等の固結性流動物が注入され、所定の圧力、例えば6〜12kgf/cm2 の注入圧力により固結性流動物中の水分が袋体表面を通して脱水され、固結性流動物は硬化後に緻密で強固な硬化体となる。袋体4と鋼管1を有する既製杭3の取り付け部はバンド5で取り付ける。なお、バンド5と接着剤を組み合わせ併用して取り付けるとより確実に固着される。
【0009】
また、本発明に用いる杭の外径はφ400〜800mmである。本発明に使用するバンド5は、例えば鋼製のものであり、固結性流動物の漏れを防ぐには幅は10〜50mm程度、厚さ1〜3mm程度のものが好ましく、袋体の外径は杭外径+300〜600mmとし、バンドの外径は杭外径+10〜30mmとするのが好ましい。袋体と既製杭の間のクッション材7は、例えばゴムとアスファルト材を練混ぜた粘着性を持つ超弾性体のものであり、このようにクッション材7を併用すると鋼管1を有する既製杭3への袋体4の取り付け部がより確実に固着される。
【0010】
鋼管1の表面の偏平な突起6は、袋体のずれ防止および固化したセメントミルク等の硬化体8との境界面で十分な付着力を得るために、突起間隔10mm〜100mm、突起高さ2mm〜10mm、突起幅5mm〜30のサイズとすることが望ましく、また突起の幅と高さ比(幅/高さ)は、1.5倍〜3.0倍が望ましい。
【0011】
以上のようにして、鋼管1の外周面全体に連続してらせん状に偏平な突起6を設けることにより、袋体4を介して存在するバンド5が偏平な突起6の凸部表面に、多数箇所で接触する構造となり、偏平な突起6の凸部とバンド5の接触面積で袋体4のずれを防止するために必要な摩擦効果が十分に発揮される。それ故バンド5により低引張り力で締め付けるだけの簡易な手段で袋体のずれを防止し、袋体4を鋼管1を有する既製杭3に確実に固着することが可能である。また異なる寸法の袋体4でも所望の位置に袋体4を簡易に取り付けることが可能であり、セメントミルク等の固結性流動物を圧入して硬化させると、更に偏平な突起6の凹凸部により既製杭3と固結性流動物の硬化体8との付着部で高付着力が得られるため、既製杭3と袋体拡底部を完全に一体化することができる。
【0012】
尚、以上は鋼管1を有し、その内側に鋼管1と密着した中空コンクリート部2を有する既製杭3、即ち鋼管コンクリート複合杭について説明したが、鋼管のみからなる既製杭にも本発明は適用できる。
【0013】
【実施例】
【0014】
【実施例1】
まず、図1に示す如く、スパイラル状に高さ2.5mm、幅4mm、間隔40mmの偏平な突起6が設けられた径500mmの鋼管1を有する既製杭3に、幅150mm、長さ1800mm、厚さ10mmの粘着性能を有する超弾性体のクッション材7を円周方向に取り付け、該クッション材7の外側から直径850mm、長さ3000mmのスパイラル製縫袋体4を被せ、さらに該袋体4の外側から袋体装着部に鋼性バンド5を1000kgfの引張り力で締め付けて袋体4を取り付けた。このようにして図2のような袋体装着部のものである袋体を試験体1とし、地上から注入管9を通じて袋体中にセメントミルクを圧入して実験を実施した。使用したセメントミルクの水セメント比は60%である。
【0015】
結果は、試験体1はセメントミルクの注入圧が12kgf/cm2 に至っても袋体のずれは見られず、セメントミルクの漏れもなく、袋体は所望の径まで十分に拡大膨張した。
【0016】
【比較例1】
図3に示す鋼管に鉄筋11を溶接した従来の既製杭3に袋体4の外側からワイヤーロープバンド12を2000kgfの引張り力で締め付けて袋体4を取り付けた杭体を試験体2とし、実施例1と同様な方法で行った。
結果は、セメントミルクの注入圧が10kgf/cm2 でバンドのずれが生じ、取り付け部よりセメントミルクの漏れが発生し、注入圧12kgf/cm2 まで圧力を負荷させることはできなかった。
【0017】
【実施例2】
上述に示すような地上でセメントミルクを注入して袋体を拡大膨張させ、セメントミルクを硬化させ拡大部を形成させた二つの試験体を拡大部形成から28日後、円周方向にカットして図4に示す長さ1000mm、直径850mmの円筒形試験体に加工し、内径855mm、肉厚12mmの円筒鋼管13により試験体を覆い、反力台14上に載置し、セメントミルク硬化体8を反力として鋼管1を下方に押す方向に載荷することにより押抜き試験を実施し、鋼管1とセメントミルク硬化体8との付着力を測定した。なお、別途セメントミルク硬化体8の圧縮強度を測定したところ、およそ600kgf/cm2 程度であった。
【0018】
押抜き試験の結果、本発明に基づいて作成した試験体1の鋼管1とセメントミルク硬化体の付着強度は84kgf/cm2 であるのに対し、突起を有しない試験体2は付着強度10kgf/cm2 となり、本発明の実施例が比較例の約8倍の数値を示した。またこのような大径の杭の場合に必要とされる先端支持力から付着強度を算定するとおよそ20kgf/cm2 であり、本発明の実施例が十分満足した付着強度を発揮していることを証明している。
【0019】
【発明の効果】
本発明の袋付き既製杭は、簡易なバンドの取り付け方法で袋体を取り付けた構造であっても地中所定深さに掘削した掘削孔に埋設した後、注入管等を経て袋体内に固結性流動物を圧入し袋体取り付け部に大きな力が加わる場合にも、取り付け部より固結性流動物が漏れることなく、外周面全体の連続したらせん状の偏平な突起の凸部とバンドにより圧着された接触部の摩擦力により、袋体がしっかりと取り付けられた状態で、安定的に所望の径まで袋体を拡大膨張させることができる。しかも袋体内に注入された固結性流動物の硬化体と既製杭との付着部で高付着が発揮されるため、確実に拡大膨張した袋体と既製杭が確実に一体化した拡底部を設けることができ、杭として高い支持力が安定して得られるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様である既製杭の袋体を拡大膨張させたときの半断面図である。
【図2】本発明の袋体取り付け部の概念図である。
【図3】従来技術による袋体取り付け部の概念図である。
【図4】押抜き試験の概念図である。
【符号の説明】
1 鋼管
2 中空コンクリート部
3 既製杭
4 袋体
5 バンド
6 突起
7 クッション材
8 硬化体
9 注入管
10 中空部
11 鉄筋
12 ワイヤーロープ
13 円筒鋼管
14 反力台
Claims (1)
- 外周面全体に偏平な突起が連続してらせん状に設けられた鋼管または鋼管コンクリート複合杭に円筒形をした袋体がその上下部をバンドによって装着されたことを特徴とする袋体付き既製杭。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01610095A JP3560378B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 袋体付き既製杭 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01610095A JP3560378B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 袋体付き既製杭 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08209688A JPH08209688A (ja) | 1996-08-13 |
JP3560378B2 true JP3560378B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=11907106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01610095A Expired - Lifetime JP3560378B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 袋体付き既製杭 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3560378B2 (ja) |
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- 1995-02-02 JP JP01610095A patent/JP3560378B2/ja not_active Expired - Lifetime
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