JP3559705B2 - デジタルデータ著作物、デジタルデータ著作物処理方法、デジタルデータ著作物処理装置、デジタルデータ著作物処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルデータ著作物の処理方法及びデジタルデータ著作物の処理装置に関するものであり、更に詳しくは、デジタルデータ著作物の不正なコピーを有効に防止する為のデジタルデータ著作物の処理方法及びデジタルデータ著作物の処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、テープ、ディスク、その他のメモリ手段等の任意の記録媒体にデジタルデータによって記録されている写真、映画、ビデオ、CG動画、絵画、文書、地図、デザイン、グラフ等を含むデジタルデータ著作物が、当該記録媒体が一旦市場で販売された後は、同各種の製品を作成した著作権者の同意を得ることなく、勝手にコピーされ、係る不正コピーが、大量に安価に販売される事が多く、従って、著作権者の権利が不当に侵害され、当著作権者が大幅な損害を被っているのが現状である。
【0003】
然も、現在では、係る不正なコピーを有効に防止する手段は、実質的にはなく、法律上からも証拠の確認が難しいので、係る不正なコピー、海賊版を訴追する事が難しい状態にある。係る、デジタルデータ著作物の不正なコピーを防止する方法には多くの方法が、提案されているが、画像としての品質である映像画質、或いはプリントアウトした場合における印刷画質が低下する等の問題があり、実用にはなっていないのが現状である。
【0004】
そこで、この問題を改善する為に、特にフルカラーデジタル画像に、その画像の著者、または、管理者、ユーザーを表すビット列から成る署名データを、デジタル画像そのものに視覚的に影響のないように埋め込み、その画像の著作、所有権などの侵害を防ぐ「透かし画像技術」の研究が、最近活発に行われている。又、当該透かし画像を利用して当該署名データを埋め込んだデジタル画像から、当該署名データを取り除くと当該デジタル画像の画像の品質を悪化させる様に構成されているものもある。
【0005】
つまり、デジタルデータ著作物に、そのデジタルデータ著作物の著作権者、または、その実施権者が、自らの意思によって、販売を許可した真正なデジタルデータ著作物である事を示す、デジタルビットデータから構成された暗号、署名データ等のセキュリティデータを、当該デジタルデータ著作物そのものに視覚的に影響のないように埋め込む操作を行う事によって、第3者には、当該暗号、署名データ等のセキュリティデータが存在する事を認識されずに、自己の権利の侵害を防止し又、特定の相手方に秘密の情報を伝達する事が考えられているが、これまでの処、効果的な透かし画像技術は開発されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を改良し、簡易な技術構成に基づき、予め所定のデジタルデータ著作物に著作権を有している者、又はそのライセンスを得ている者が、自己の製品である事を後でチェック出来るセキュリティデータを埋め込み、それによって、自己の製品か否かの判断、不正にコピーされたものであるか否かの判断等が容易に行う事の出来ると同時に、当該デジタルデータ著作物に特定の情報を持たせて、特定の第3者に対して機密情報の伝達を行うことも可能な、デジタルデータ著作物の処理方法及びデジタルデータ著作物の処理装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、基本的には以下に記載されたような技術構成を採用するものである。即ち、本発明にかかる第1の態様としては、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割し、当該各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行うと共に、当該デジタルデータ著作物に於ける任意に選択された複数個のそれぞれのセル内の画素数に関する当該量子化値を、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の何れかに設定する様に構成し、当該第1の目標量子化値グループにデジタルビットデータの2値化データの内の一方のデータ値を対応させ、当該第2の目標量子化値グループにデジタルビットデータの2値化データの内の他方のデータ値を対応させる様に処理する事によって当該デジタルデータ著作物を構成するデジタルデータの一部にセキュリティーデータを埋め込む様に構成されているデジタルデータ著作物の処理方法であり、又本発明に係る第2の態様としては、デジタルデータ著作物を記憶したデジタルデータ著作物記憶手段、当該デジタルデータ著作物を複数のセルに分割するセル形成手段、当該各セルのそれぞれの画素を、予め定められた白画素若しくは黒画素の何れか一方の画素数に基づいて量子化値する画素量子化手段、セキュリティーデータ記憶手段、セキュリティーデータ埋め込み画素設定手段、当該セキュリティーデータを構成するデジタルビット値のそれぞれに対応した、複数の目標量子化値で構成される第1の目標量子化値グループと当該第1の目標量子化値とは異なる値を持った複数の目標量子化値で構成される第2の目標量子化値グループとを記憶する目標量子化値グループ記憶手段、当該セキュリティーデータ埋め込み画素設定手段に応答して、当該セキュリティーデータを埋め込むセルを選択するセル選択手段、当該選択されたセルの当該量子化値と、当該セキュリティーデータの一部を構成する所定のデジタルビットデータの値に応答して、当該目標量子化値グループ記憶手段から選択された一方の目標量子化値グループとを比較して、当該セルに求められる最近接目標量子化値を設定する最近接目標量子化値設定手段、当該選択されたセルに於ける現在の量子化値と当該選択された最近接目標量子化値との差分値を演算する差分値演算手段、当該差分値演算手段の出力値が0でない場合に、当該選択されたセルに於ける、選択されていない画素を、予め定められた所定のアルゴリズムに従って当該選択された画素に変換する画素変換操作を実行する画素変換操作実行手段、当該画素変換操作実行手段の処理により増加した当該セルに於ける現在の量子化値を当該最近接目標量子化値と比較する比較手段、当該比較手段に於いて、当該選択されたセルに於ける現在の量子化値と当該選択された最近接目標量子化値との差分値が0でない場合に、当該差分値が0になるまで、当該画素変換操作実行手段の操作を繰り返す指示を出力する繰り返し指示出力手段、当該操作を全てのセルに対して実行した後の当該セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物を記憶するセキュリティーデータ埋め込みデジタルデータ著作物の記憶手段とから構成されているデジタルデータ著作物の処理装置である。
【0008】
更に本発明に係る第3の態様としては、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータが埋め込まれているデジタルデータ著作物であって、当該デジタルデータ著作物は、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割し、当該各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行うと共に、当該デジタルデータ著作物に於ける任意に選択された複数個のそれぞれのセル内の画素数に関する当該量子化値を、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の何れかに設定する様に構成し、当該第1の目標量子化値グループにセキュリティーデータを構成する2値化デジタルビットデータの一方のデータ値を対応させ、当該第2の目標量子化値グループに当該セキュリティーデータを構成する2値化デジタルビットデータの他方のデータ値を対応させる様に構成されているデジタルデータ著作物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るデジタルデータ著作物の処理方法及びデジタルデータ著作物の処理装置は、上記したような技術構成を採用しているので、所定のデジタルデータ著作物に対して、人間の視覚に影響の無い形式で、つまり第3者に知覚されない様に特定のセキュリティデータ、例えば暗号データ、署名データ等を特定の画像データの特定の位置に埋め込む事が出来、又容易にそれを再生する事が可能となるのである。
【0010】
つまり、本発明に於いては、一般に人間の視覚的特徴として、急激に色彩が変化している部分、つまりデジタルデータ著作物に於ける境界部分で特に、当該境界部分の内で、当該境界部分が斜めに傾斜している様な部分、或いは急激に屈曲している部分、に対し何らかの作用を施しても、視覚的には全く影響が現れないという特性がある。
【0011】
その為、本発明に於いては、係る人間の視覚的特性を利用して、上記の様な環境にある当該デジタルデータ著作物上の特定の画素データ位置に於て、当該画像を形成している黒画素或いは白画素の何れか一方を予め定められた所定のアルゴリズムに従って増加させ、当該画像に画質が変質しない範囲で、所定の単位に於ける画素数を或る一定の関係を持つ値に設定する事によって、セキュリティーデータ等のデジタル情報を当該デジタルデータ著作物に埋め込む様にしたものである。
【0012】
従って、上記した所定の単位に於ける画素数を2種類の特定の関係を持った数値グループに設定出来る様にしておけば、少なくとも2値のデジタルデータのビット値を当該画素数に変換する事が出来る事になる。又、本発明に於いて、当該セキュリティデータが埋め込まれたデジタルデータ著作物から当該セキュリティデータを読み出す場合には、被検査デジタルデータ著作物を所定の画素単位からなるセル毎に当該セルのそれぞれが有する黒画素若しくは白画素の内予め定められた一方の画素数を計数して量子化した後、上記したセキュリティデータの埋め込み操作に使用したものと同一の異なる2種の目標量子化値グループを使用して各セルの量子化値を当該目標量子化値グループの数値と比較する事によって、予め定められたセキュリティデータを復元する事が可能となる。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明に係るデジタルデータ著作物の処理方法及びデジタルデータ著作物の処理装置の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。即ち、図1は、本発明に係るデジタルデータ著作物の処理装置の1具体例の構成を示すブロックダイアグラムであり、図中、デジタルデータ著作物を記憶したデジタルデータ著作物記憶手段2、当該デジタルデータ著作物1を複数のセルCnに分割するセル形成手段3、当該各セルCnのそれぞれの画素dnを、予め定められた白画素若しくは黒画素の何れか一方の画素に基づいて量子化値する画素量子化手段4、セキュリティーデータ記憶手段5、セキュリティーデータ埋め込み画素設定手段6、当該セキュリティーデータ7を構成するデジタルビット値のそれぞれに対応した、複数の目標量子化値fxで構成される第1の目標量子化値グループ8と当該第1の目標量子化値fxとは異なる値を持った複数の目標量子化値f’xで構成される第2の目標量子化値グループ9とを記憶する目標量子化値グループ記憶手段10、当該セキュリティーデータ埋め込み画素設定手段6に応答して、当該セキュリティーデータ7を埋め込むセルCnを選択するセル選択手段11、当該選択されたセルCnの当該量子化値Rnと、当該セキュリティーデータ7を一部を構成する所定のデジタルビットデータの値に応答して、当該目標量子化値グループ記憶手段10から選択された一方の目標量子化値グループ8又は9とを比較して、当該セルCnに求められる最近接目標量子化値Sfx或いはSf’xを設定する最近接目標量子化値設定手段12、当該選択されたセルCnに於ける現在の量子化値Rnと当該選択された最近接目標量子化値Sfx或いはSf’xとの差分値を演算する差分値演算手段13、当該差分値演算手段13の出力値が0でない場合に、当該選択されたセルCnに於ける、選択されていない画素dnを、適宜の記憶手段20に記憶されている予め定められた所定のアルゴリズムに従って当該選択された画素に変換する画素変換操作を実行する画素変換操作実行手段14、当該画素変換操作実行手段14の処理により増加した当該セルCnに於ける現在の量子化値Rn’を当該最近接目標量子化値Sfx或いはSf’xと比較する比較手段15、当該比較手段15に於いて、当該選択されたセルCnに於ける現在の量子化値Rn’と当該選択された最近接目標量子化値Sfx或いはSf’xとの差分値が0でない場合に、当該差分値が0になるまで、当該画素変換操作実行手段14の操作を繰り返す指示を出力する繰り返し指示出力手段16、当該操作を全てのセルに対して実行した後の当該セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物1を記憶するセキュリティーデータ埋め込みデジタルデータ著作物の記憶手段17及び上記各手段を総合的に制御する制御手段18とから構成されているデジタルデータ著作物の処理装置100が示されている。
【0014】
即ち、本発明に係る当該デジタルデータ著作物の処理方法は、上記した様にデジタルデータで構成され、適宜の記憶手段、記録媒体に記憶されており、任意に、所定の表示手段或いは所定の印刷手段を介して、適宜の表示画面或いは、印刷媒体に表示出来るデジタルデータ著作物1を対象にするものであり、係るデジタルデータ著作物1の形態は全く規定もされないし、限定もされるものではない。
【0015】
本発明に於ける当該デジタルデータ著作物1に所定のセキュリティーデータ7を埋め込むに際しての基本的な技術構成は、例えば、デジタルデータにより構成された著作物1に所定のセキュリティーデータ7を埋め込むに際し、当該デジタルデータ著作物1を複数個のセルCnに分割し、当該各セルCn内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を量子化Rnすると共に、当該デジタルデータ著作物1に於ける任意に選択された複数個のそれぞれのセルCn内の当該選択された画素、例えば白画素か黒画素の何れかに関する当該量子化値Rnを、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループ8又は9の何れかのグループに含まれる値fx或いはf’xの何れかに設定する様に構成し、当該第1の目標量子化値グループ8にデジタルビットデータの2値化データの内の一方のデータ値、例えば1をそれぞれ対応させ、当該第2の目標量子化値グループにデジタルビットデータの2値化データの内の他方のデータ値、例えば0を対応させる様に処理する事によって当該デジタルデータ著作物1を構成するデジタルデータの一部にセキュリティーデータ7を埋め込む様にするものである。
【0016】
つまり、本発明に於ける技術的特徴を簡単に説明するならば、当該デジタルデータ著作物1を複数個のセルCnに分割し、当該各セルCn内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を量子化して特定の量子化値Rnを計算すると共に、当該各セルCnから選択された特定の数のセルCnに於ける当該量子化値Rnを、互いに異なる2種の目標量子化値グループ8又は9の何れかのグループに含まれる値fx或いはf’xの何れかに設定する様に、当該白画素若しくは黒画素を増加させて、当該セルの現在の量子化値Rnを変化させてRn’となし、当該画素を増加させる事によって変化した当該量子化値Rn’を前記した2種の目標量子化値グループ8又は9の何れかのグループに含まれる値fx或いはf’xと一致させる様にするものである。
【0017】
この場合、当該セルCnが現在持っている当該量子化値Rnと、該目標量子化値グループ8又は9の何れかのグループに属しているそれぞれの量子化値fx或いはf’xの中で、当該セルCnが現在持っている当該量子化値Rnに一番近くて、当該セルCnが現在持っている当該量子化値Rnよりも大きい値を持つ目標量子化値fx或いはf’xを最近接目標量子化値Sfx或いはSf’xとして選定する事が望ましい。
【0018】
つまり、後述する様に、本発明に於いては、当該デジタルデータ著作物1を複数個のセルに分割し、各セルに於ける黒画素若しくは白画素の何れか一方の画素を増加させるものであるから、後で、当該セキュリティーデータを埋め込んだ後に基の画像との相違があまりハッキリでる事は好ましくないので、出来るだけ近接した目標量子化値を選定する事が望ましい。
【0019】
処で、本発明に於ける当該デジタルデータ著作物の処理方法に於いては、当該セキュリティーデータ7として埋め込まれるものは、当該セキュリティーデータをバイナリなビットデータに変換し、その一部を構成するビットデータ毎に別々に当該デジタルデータ著作物に埋め込む様にするものであるから、当該2値化データの内の一方のデータ値が1であり、当該2値化データの内の他方のデータ値が0である様に設定すると同時に、上記した互いに異なる2種の目標量子化値グループの内、例えば、任意の個数の数値fx(x=1〜無限大)が含まれる第1の目標量子化値グループ8に当該ビットデータ値の1を割当てると共に、任意の個数の数値f’x(x=1〜無限大)が含まれる第2の目標量子化値グループ9に当該ビットデータ値の0を割当る様にするものである。
【0020】
本発明に於ける当該第1の目標量子化値グループ8のそれぞれの値は、任意であるが、ある程度の規則性が存在している事が望ましく、例えば、予め任意に定めた所定の値αに予め定められた所定の係数である第1の関数値f(n) を乗算して変換した値の何れかであっても良く、それに対して、当該第2の目標量子化値グループの値も同様に、予め任意に定めた所定の値αに、予め定められた所定の係数であって、第1の関数値f(n) とは異なる第2の関数値f(m) を乗算して変換した値の何れかであっても良い。
【0021】
具体例を挙げれば、例えば、当該第1の目標量子化値グループ8は、所定の値αとして50を設定した時に、当該第1の関数値f(n) を偶数値つまり2n(n=1〜無限大)とし、当該第2の目標量子化値グループ9は、所定の値αとして50を設定した時に、当該第2の関数値f(m) を奇数値つまりm = 2n−1(n=1〜無限大)とした場合には、当該第1の目標量子化値グループ8に含まれる目標量子化値fxは、(100、200、300、400・・・・・・)となり、又当該第2の目標量子化値グループ9に含まれる目標量子化値f’xは、(50、150、250、350、450・・・・・)となる。
【0022】
又、他の例としては、当該第1の目標量子化値グループ8としては、当該所定の値αとして20を設定した時に、当該第1の関数値f(n) をn(n=1〜無限大)として、α×f(n) とし、当該第2の目標量子化値グループ9としては、当該所定の値αとして20を設定した時に、当該第2の関数値f(m) をm=nとし且つ(α×f(m) +10)と設定したとすると、当該第1の目標量子化値グループ8に含まれる目標量子化値fxは、(20、40、60、80・・・・・・)となり、又当該第2の目標量子化値グループ9に含まれる目標量子化値f’xは、(30、50、70、90・・・・・)となる。
【0023】
つまり、本発明に於ける当該第1の目標量子化値グループ8と当該第2の目標量子化値グループ9とのそれぞれの目標量子化値データの組は、当該セルの量子化値を分析した時に、何れの目標量子化値グループに属しているかが判別出来る様な組合せであればよい。従って、本発明に於ける当該第1の目標量子化値グループ8と当該第2の目標量子化値グループ9とのそれぞれのグループに含まれる量子化値は、必ず異なっている事が必要であり、同一の量子化値が含まれる可能性のある量子化値列を形成する様な関数は、採用出来ない事は言うまでもない。
【0024】
本発明に於いては、当該第1の目標量子化値グループ8と当該第2の目標量子化値グループ9を予め定めておき、適宜の記憶手段10等に格納しておく事が望ましい。そして、本発明に於いては、当該第1の目標量子化値グループ8に例えば、デジタルビット値の1を割当ると共に、当該第2の目標量子化値グループ9には、0を割り当てる様にしておき、後で、所定のデジタルデータ著作物から埋め込まれているセキュリティーデータを読みだす際に、当該各セルCnの量子化値を読み出し、それが、第1の目標量子化値グループ8に属している量子化値であるか、第2の目標量子化値グループ9に属している量子化値であるかを判断する事によって、デジタルビット列に変換して読みだす事が可能となるので、セキュリティーデータを読み出す事が可能となる。
【0025】
つまり、本発明に於ける当該第1の目標量子化値グループの値が任意に定めた所定の値を所定の第1の関数値f(n) で変換した値の何れかであり、当該第2の目標量子化値グループの値が当該任意に定めた所定の値を所定の第2の関数値f(m) で変換した値の何れかである事が望ましく、当該第1の関数値f(n) 及び第2の関数値f(m) は、上記した趣旨を実現するものであれば、如何なる関数でも使用する事が可能である。
【0026】
尚、本発明に於ける当該任意に定めた第1及び第2の目標量子化値グループの値fx或いはf’xの何れも整数値である事が望ましい。此処で、本発明に係る当該デジタルデータ著作物の処理方法によるセキュリティーデータの埋め込み方法の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。今、図2に示す様なデジタルデータ著作物1が有ったとして、係るデジタルデータ著作物1に、所定のセキュリティーデータを埋め込む場合を考える。
【0027】
先ず最初に当該デジタルデータ著作物1を図2に示す様に、当該デジタルデータ著作物のデジタル画像を任意の数のセルCn(n×m)に分割する。そして、それぞれのセルC1、C2、C3、・・・・・・Cnのそれぞれに於ける画素dnは、同一となる様にしておく事が望ましい。今、図2に於ける第1のセルC1が、図3に示す様な画像であり、黒画素により所定の文字が表示されているとする。
【0028】
本具体例では、一つのセルに於ける画素数は100(10×10)で構成され、当該所定の文字が24個の黒画素によって表示されている。従って、本具体例に於いては、黒画素を増加させる様にしてセキュリティーデータを埋め込む処理を行う事にするが、当然白画素を増加させる様にしてセキュリティーデータを埋め込む事も可能である。
【0029】
今、前記した第1の目標量子化値グループ8に於ける目標量子化値列fxが30を先頭にして20ずつの間隔で設定された数値列、つまり(30、50、70、90、・・・・)であり、第2の目標量子化値グループ9に於ける目標量子化値列f’xが40を先頭にして20ずつの間隔で設定された数値列、つまり(40、60、80、100・・・・)と設定してある場合にで、当該第1の目標量子化値グループ8にはビット1が割当られており、当該第2の目標量子化値グループ9にはビット0が割当られているものとする。
【0030】
本具体例において、当該セルC1に、セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値の1を埋め込みたい場合には、現在の当該セルC1の現在の量子化値R1が24であるので、当該第1の目標量子化値グループ8の目標量子化値fxの中から当該セルC1の現在の量子化値R1が24よりも大きい目標量子化値fxであって、且つ当該セルC1の現在の量子化値R1の24に最も近接している目標量子化値、つまり30を最近接目標量子化値Sfxとして選択する。
【0031】
同様に、若し当該セルC1に、セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値の0を埋め込みたい場合には、現在の当該セルC1の現在の量子化値R1が24であるので、当該第2の目標量子化値グループ9の目標量子化値f’xの中から当該セルC1の現在の量子化値R1が24よりも大きい目標量子化値f’xであって、且つ当該セルC1の現在の量子化値R1の24に最も近接している目標量子化値、つまり40を最近接目標量子化値Sf’xとして選択する事になる。
【0032】
そこで、本具体例に於いては、当該セルC1にセキュリティーデータを構成するビット1を埋め込む場合の操作手順及びそのアルゴリズムに付いて説明する。先ず、図3に示された当該セルC1において、黒画素のそれぞれに接続されている白画素に注目し、当該白画素の4辺の内、幾つの辺が、当該黒画素と接触しているかを検査する。
【0033】
即ち、図4に示す様に、注目している白画素の4辺とも黒画素に接している場合は、その白画素に4の重みを割当ると共に、注目している白画素の3辺が黒画素に接している場合は、その白画素に3の重みを割当てる。同様に、当該白画素の2辺が黒画素に接している場合は、若しくは当該白画素の1辺が黒画素に接している場合は、その白画素に2及び1の重みをそれぞれ割当てる。
【0034】
当然、当該白画素の4辺が、黒画素に接していない場合には、その重みは0である。尚、本具体例に於いては、注目している白画素の斜めの方向に存在する黒画素に付いては考慮にない事にしている。上記した重み付けを使用して、図3を書換えると図5に示す様な白画素の重み分布図が書ける。
【0035】
係る状態図から、各セルCnの座標値を、図3に於ける左上端の画素d1の座標値を(0,0)と表し、順次画素d2を(1,0)、画素d3を(2,0)・・・画素d10を(9,0)、画素d11を(0,1)、画素d12を(1,1)の様に表すとすると、図6に示す様な重み順のリストが作成出来る。本具体例に於いては、当該リストの重みの大きい白画素から黒画素の変換していく事を原則にしており、重み値4を持つ白画素から優先的に黒画素に変換していく事になるが、上記のリストに於いては、重み値4を持つ白画素がないので、重み3を持つ白画素から順次黒画素に変換する事にする。
【0036】
この際、重み3を持つ白画素から順次黒画素に変換する際、どの白画素から先に変換するかは任意であり、好ましくは、当該リストに於ける左端に位置する白画素から黒画素に変換する様にするものである。然しながら、当該変換は、ランダム性を有する事が望ましいので、場合によっては、当該リストの各重み付け欄を適宜ランダムに入替えて、図7(A)に示す様に変換する事も好ましい。
【0037】
但し、当該入替えは、同一の重み付け欄内で行うものであって、異なる重み付け欄間で入替えを行う事は望ましくない。そこで、今、図7(A)に示すリストを使用して、必要な個数の白画素を黒画素に変換する方法を説明する。本具体例に於ける当該セルC1に於いては、上記した前提から、当該セルの現在の黒画素数R1が24であり、最近接目標量子化値Sfxが30であるから、その差分値である6個の白画素を黒画素に変換する必要がある。
【0038】
そこで、先ず、当該図7(A)のリストの重み付け値が3の欄から、その最も左端にある白画素(5、3)を選択して黒画素に変換することによって図8に示す様になる。係る操作を実行した結果、図5に示す白画素で1の重みを有する白画素(6、3)が2の重みを持つように変化する事になるので、当該図7(A)のリストは、図7(B)に示すリストの様に変更される。
【0039】
つまり、以前には、重み付け値1の欄にリストアップされていた白画素(6、3)が、重み付け値2の欄にリストアップされる事になり、又当該図7(A)のリストに於ける重み付け値3の欄に於ける白画素(5、3)は当然のことながら、当該リストから削除されている。同様の操作を当該重み付け値3の欄にリストアップされている全ての白画素に付いて実行すると、図9に示す様な状態になり、結局黒画素が4個増加して当該セルC1に於ける現在の量子化値R1は28となり、あと2個の黒画素を増やす必要がある。
【0040】
その結果、当該リストは図10に示された様な状態になる。この場合には、当該リストには重み付け値3を持った白画素が存在していないので、残りの白画素で、重み付け値が1と2の白画素の中から選択する事になる。各欄は、前記した様に、所定の数の操作が終了する毎にランダムにその配列位置を変更しておく事が望ましい。
【0041】
本具体例に於いては、例えば、重み付け値1のグループと重み付け値が2のグループの何れから選択しても良い様にしてあるので、例えば、当該重み付け値1のグループと重み付け値が2のグループの内からランダムに選択した結果、たまたま重み付け値が1のグループが選択されたとする。今、当該重み付け値が1である欄の左端にある白画素は(2、8)の座標を有しており、この白画素を黒画素に変換すると図11に示す様になる。
【0042】
係る操作の結果、図11に示す様に、新たに重み付け値が1を持つ3個の白画素が発生する事になる。従って、図10のリストの重み付け値が1の白画素を示す欄に、図12に示す様に、当該変換された白画素の座標値(2、8)は当該リストから削除すると共に、当該新たに発生した白画素の座標値(2、7)、(1、8)、及び(2、9)を当該重み付け値1の欄に追加する事になる。
【0043】
尚、上記した操作によって、重み付け値が3を持つ白画素が新たに発生する場合もあるが、その場合には、当該重み付け値3を持つ白画素を優先的に黒画素に変換する様にする事が望ましい。次に、又黒画素に変換する必要のある白画素を選択することになるが、その場合も、上記と同様に当該重み付け値1のグループと重み付け値が2のグループの内からランダムに選択し、たまたま重み付け値が2のグループが選択されたとする。
【0044】
当該重み付け値が2の欄の最も左端になる白画素の座標値は(6、4)であるので、当該白画素(6、4)を黒画素に変換して、当該セルC1に於ける黒画素の増加操作を終了する。尚、上記の最終操作によって、従来重み付け値が2であった白画素(6、3)が、重み付け値3に変更されるので、図14のリストに於て重み付け値の3の欄に当該白画素(6、3)が移動せしめられると同時に、新たに重み付け値1を持つ白画素(7、4)が発生する事になるので、当該リストの重み付け値1の欄に白画素(7、4)が追加される事になる。
【0045】
係る状態は、更に所定数の白画素を黒画素に変換しなければならない場合に必要なことであるが、本具体例に於いては、既に30の黒画素が形成されているので、影響はない。例えば、当該セルC1にセキュリティーデータの0を埋め込む場合には、上記した様に黒画素の数を40に増加する必要があるので、上記した状況の変化は考慮しなければならない。
【0046】
本発明に於いては、上記した操作が、当該デジタルデータ著作物の各セルCnの中で、当該セキュリティーデータを埋め込みたい所定のセルCnに対してそれぞれに実行されるものであり、当該セキュリティーデータを埋め込む必要のないセルに対しては、単に量子化する操作を行うことでも良く、場合によっては、何等の操作を実行しなくてもよい。
【0047】
その為、本発明に於いては、当該デジタルデータ著作物の何れのセルCn部分に所定のセキュリティーデータSDを構成するビットデータを埋め込むかを、予め設定しておく事が望ましく、当該セキュリティーデータを埋め込むセルCnの数、当該セルCnの位置等は、所定の記憶手段に記憶させておき、当該操作を実行する際に適宜読みだして使用する様にしてもよく、或いはオペレータが任意に設定出来る様にしておく事も可能である。
【0048】
当該デジタルデータ著作物1に所定のセキュリティーデータを埋め込む場合、当該連続して配列されているセルCnに埋め込む事も可能であり、又所定の間隔でセルCnに埋め込む様にする事も可能である。即ち、本発明に係る当該デジタルデータ著作物の処理方法に於いては、当該セキュリティーデータを埋め込むべき選択されたそれぞれのセルCnに於ける当該選択された一方の画素、つまり白画素か黒画素の何れかに関する実際の量子化値Rnを、埋め込まれるべき当該セキュリティーデータの一部、例えば0か1かを構成するデジタルビット値に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ若しくは当該第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値群fxあるいはf’xの中で最も近接した目標量子化値SfxあるいはSf’xと一致する様に当該画素の数を増加させる処理を行う事を特徴とするものである。
【0049】
即ち、本発明に於ける当該デジタルデータ著作物の処理方法に於いては、所定のセルCnに於ける実際の量子化値Rnを当該セキュリティーデータSDの一部を構成するデジタルビット値0又は1に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ8若しくは当該第2の目標量子化値グループ9の何れかのグループに属する当該量子化値fx、f’xの中で最も近接した最近接目標量子化値Sfx、Sf’xと一致する様に、当該所定のセルCnに於ける実際の量子化値Rnと当該選択された目標量子化値Sfx又はSf’xとの差分値をゼロになるまで当該画素の数を増加させる事を特徴とするものである。
【0050】
更に、本発明に於ける当該デジタルデータ著作物の処理方法に於いては、所定のセルに於ける実際の量子化値を当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ若しくは当該第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値の中で最も近接した最近接目標量子化値と一致する様に当該画素の数を増加させるに際し、当該セル中に於けるそれぞれの画素群の中から、当該増加させたい画素と異なる画素であって、当該画素の4辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第1の注目画素、当該画素の3辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第2の注目画素、当該画素の2辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第3の注目画素、当該画素の何れか1辺が増加させたい画素と接している第4の注目画素をそれぞれ抽出し、当該第1の注目画素から順次に増加させたい画素に変換する様にする事が望ましい。
【0051】
又、本発明に於いては、抽出された当該第1の注目画素の少なくとも一つに付いて当該画素変換操作を行った後、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合、当該第1の注目画素の残りの画素に付いて同様の操作を繰り返し、当該第1の注目画素の全てに付いて当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合には、抽出された当該第2の注目画素の一部若しくは全部を増加させたい画素に変換する様に構成されるものである。
【0052】
又、本発明に於けるデジタルデータ著作物の処理方法に於いては、抽出されたそれぞれの注目画素のリストに於いて、第1の注目画素が存在しない場合には、第2の注目画素から画素変換操作を実行する事が望ましい。より具体的には、当該デジタルデータ著作物の処理方法は、当該第1の注目画素がない場合若しくは当該第1の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第2の注目画素に対して画素変換操作を実行するに際し、当該抽出された第2の注目画素群の中から任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を行って当該第2の注目画素リストから削除すると共に、その結果当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理し、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの変換によって新たに発生する当該第2の注目画素に相当する画素を含めて、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となるまで、当該第2の注目画素リストに含まれる画素に対する当該画素変換操作を繰り返すものである。
【0053】
そして、本発明に於いては、当該第2の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択し、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された注目画素に対して当該画素変換操作を実行すると共に、当該画素変換操作の実行によって、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する様に構成されているものである。
【0054】
又、本発明に於いては、当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択し、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された注目画素に対して当該画素変換操作を実行した後に、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0でない場合には、再度当該抽出され、或いは追加、削除等が実行された当該第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択し、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された注目画素に対して当該画素変換操作を実行し、係る操作を当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0になるまで繰り返す事が望ましい。
【0055】
従って、本発明によって得られるデジタルデータ著作物は、例えば、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータが埋め込まれているデジタルデータ著作物であって、当該デジタルデータ著作物は、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割し、当該各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を量子化すると共に、当該デジタルデータ著作物に於ける任意に選択された複数個のそれぞれのセル内の当該選択された画素に関する当該量子化値を、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの値の何れかに設定されており、該第1の目標量子化値グループにセキュリティーデータを構成する2値化デジタルビットデータの一方のデータ値を対応させ、該第2の目標量子化値グループに当該セキュリティーデータを構成する2値化デジタルビットデータの他方のデータ値を対応させる様に構成されているものである。
【0056】
上記した本発明に係るデジタルデータ著作物の処理方法に於て、当該第4の工程は、当該セキュリティーデータを埋め込むべき選択されたそれぞれのセルに於ける当該選択された一方の画素の実際の量子化値を、埋め込まれるべき当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ若しくは当該第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値群の中で最も当該セルの現在の量子化値に近接した目標量子化値と一致する様に画素変換操作を行うものである事が望ましい。
【0057】
次に、本発明に係る当該デジタルデータ著作物の処理方法の操作手順を図15に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。即ち、本発明に係るデジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む方法であって、当該デジタルデータ著作物の処理方法は、当該デジタルデータ著作物1を複数個のセルCnに分割する第1の工程、当該デジタルデータ著作物1に於けるセキュリティーデータを埋め込むべき複数個のセル部を任意に選択する第2の工程、当該選択された複数個の各セルCn内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数Rnを量子化する第3の工程、当該選択されたそれぞれのセル内の当該量子化値に対し、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の中の何れかの値を最近接目標量子化値として設定する第4の工程、当該第4の工程によって設定された最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値を0にする様に、当該選択されたセルに於ける当該選択された画素とは異なる画素を当該選択された画素となる様に変換する事によって当該セルに於ける選択された画素数を増加させる為の画素変換操作を実行する第5の工程、当該第5の工程によって、増加されて当該セルに於ける当該画素の量子化値と当該最近接目標量子化値とを比較する第6の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値が0でない場合には、当該第5及び第6の工程を当該差分値が0となる迄繰り返す第7の工程、及び当該選択された全てのセルに対して当該第3から第7の工程を繰り返す第8の工程とから構成されているものであり、より具体的にその操作の一例を説明するならば、図15から明らかな様に、スタート後、ステップ(1)に於て、当該デジタルデータ著作物1を複数個のセルCnに分割し、ステップ(2)に於て当該デジタルデータ著作物1に於ける複数個のセル部Cnから任意に一つのセルCn(n=1)を選択する。
【0058】
次いでステップ(3)に進んで、当該セルCnがセキュリティーデータSDを埋め込むべきセルか否かを判断し、NOである場合には、nの数を1だけ歩進させてステップ(3)に戻り、YESである場合には、ステップ(4)に進み、当該選択された複数個の各セルCn内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数Rnを量子化する。
【0059】
以下の各工程に於いては、黒画素を増加する様に選択する事を前提に説明する。次いで、ステップ(5)に於て、当該選択されたそれぞれのセルCn内に、セキュリティーデータSDを構成するビット値の何れかを埋め込むかが判断され、ステップ(6)において、当該埋め込むべきビット値の何れかによって、第1の目標量子化値グループ8又は第2の目標量子化値グループ9が選択され、ビット1を埋め込む事を前提に当該第1の目標量子化値グループ8が選択されたとすると、当該選択された目標量子化値グループを構成する目標量子化値fxの中から、当該選択されたセルCnが現在有する量子化値Rnより大きく且つ量子化値Rnに最も近接している目標量子化値fxを最近接目標量子化値Sfxとして選択する。
【0060】
次いで、ステップ(7)に進んで、当該設定された最近接目標量子化値Sfxと当該セルCnに於ける現在の量子化値Rnとの差分値Sfx−Rnを演算し、ステップ(8)に進んで、当該差分値Sfx−Rnが0か否かが判断され、YESの場合には、ステップ(12)に進んで、当該セルが最後か否かが判断され、YESであれば当該デジタルデータ著作物の処理方法はENDとなるが、NOであればステップ(13)に進み、セルCnの番号nの数を1だけ歩進させてステップ(2)に戻り、次のセルを検査するが、ステップ(8)でNOである場合には、ステップ(9)に進んで、設定された最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値を0にする様に、画素を変換する操作が行われる。
【0061】
本具体例に於いては、当該選択されたセルに於ける当該選択された画素、ここでは黒画素が選択されているので、選択された白画素を一つずつ黒画素に変換する操作が実行される。ステップ(9)に於て当該白画素が一つ黒画素に変換されると現在の当該セルCnに於ける量子化値Rnが新たな量子化値Rn’に変化する事になる(ステップ(10))。
【0062】
その後、ステップ(11)に進んで、現在の当該セルCnに於ける量子化値Rn’と該最近接目標量子化値Sfxとの差分値が再度演算され、当該差分値が0の場合には、セルのnの数を1だけ歩進させてステップ(2)に戻り、次のセルを検査するが、NOである場合には、ステップ(9)に戻り上記した操作を繰り返す。
【0063】
その後ステップ(12)で、当該セルが、最後のセルであるか否かが判断され、NOである場合には、ステップ(2)に戻り、YESである場合には、当該デジタルデータ著作物1に対するセキュリティーデータの埋め込み操作を終了する。又、上記本発明に係る当該デジタルデータ著作物の処理方法に於て使用される当該デジタルデータ著作物に於いて形成された複数個のセルの中から、選択された所定のセルに於ける、選択された画素に付いての実際の量子化値を、当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、当該選択された画素に対応して選択される互いに異なる値を含んで構成される第1の目標量子化値グループ若しくは第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値の中で最も近接した最近接目標量子化値と一致する様に当該選択された画素の数を増加させる方法の具体的な例としては、例えば、以下に示す様な方法が考えられる。
【0064】
即ち、当該セル中に於けるそれぞれの画素群の中から、当該増加させたい画素と異なる画素であって、当該画素の4辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第1の注目画素の群から構成される第1の注目画素リストを形成する第1の工程、当該画素の3辺が増加させたい画素によって囲まれている第2の注目画素の群から構成されるリストを形成する第2の工程、当該画素の2辺が増加させたい画素によって囲まれている第3の注目画素の群から構成される第3の注目画素リストを形成する第3の工程、当該画素の何れか1辺が増加させたい画素と接している第4の注目画素の群から構成される第4の注目画素リストを形成する第4の工程、抽出された当該第1の注目画素リストの中の少なくとも一つの当該画素に付いて当該画素変換操作を行うと共に当該画素変換操作が実行された当該画素を当該第1の注目画素リストから除外する第5の工程、当該第5の工程に引き続いて、当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第6の工程、当該第6の工程に於いて当該差分値が0ではない場合、当該第1の注目画素リストに於ける残りの画素に付いて同様に当該第5及び第6の工程の操作を繰り返す第7の工程、当該第7の工程後に当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第8の工程、当該第8の工程後に於いて当該差分値が0ではない場合、抽出された当該第2の注目画素リストの一部若しくは全部を増加させたい画素に変換する第9の工程とから構成されている増加変換方法である。
【0065】
上記の方法に於て、例えば、当該第1の注目画素がない場合若しくは当該第1の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第2の注目画素リストに含まれる当該画素に対して画素変換操作を実行するに際し、当該抽出された第2の注目画素リストの中から任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を行って当該第2の注目画素リストから当該画素を削除する第10の工程、当該第10の工程を実行した結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに所定の注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第11の工程、当該第11の工程が実行された結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストが変更される事によって新たに発生する当該第2の注目画素に相当する画素を含めて、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となるまで、当該第2の注目画素リストに含まれる画素に対する当該画素変換操作を繰り返す第12の工程とから構成されている事が好ましい。
【0066】
更に、本発明に於いては、当該第2の注目画素リストの全ての画素に対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択する第13の工程、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を実行する第14の工程、当該第14の工程に於ける当該画素変換操作の実行によって、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第15の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となる迄、当該第13の工程から当該第15の工程迄の各工程を繰り返す第16の工程とから構成されている事が望ましい。
【0067】
本発明に於ける当該画素の変換方法の一具体例の操作手順を図16のフローチャートによって説明するならば、スタート後、ステップ(1)に於て、図15のステップ(7)に於て、セキュリティーデータの一部のビットデータを埋め込むべき所定のセルCnに於ける、現在の量子化値Rnと当該セルCnに於ける最近接目標量子化値Sfxとの差分値が演算されているので、それに基づいて、増加すべき黒画素の数、つまり最近接目標量子化値Sfxと現在の量子化値Rnとの差分値を設定する。
【0068】
次いで、ステップ(2)に於て、当該セルCnを構成する白画素に付いて、図4で例示される基準に従って、白画素のそれぞれに付いて重み付け値を求め図5の様なデジタルデータ著作物1の重み付け値状態図から図6に示す重み付け値リストを作成する。ステップ(3)に於て、上記図6のリストに於ける、重み付け値が4である白画素を集めてリスト化された当該第1の注目画素リストの中の少なくとも一つの当該白画素を選択し、それに付いて当該画素変換操作を行う事によって黒画素に変換すると共に当該画素変換操作が実行された当該画素を当該第1の注目画素リストから除外する。
【0069】
次いでステップ(4)に於て、変更された当該セルCnの現在の量子化値Rn’と当該セルCnに要求されている最近接目標量子化値Sfxとの差分値を求め、YESであれば、当該黒画素増加操作処理はエンドとなるが、NOである場合には、ステップ(5)に進んで、当該第1の注目画素リストにある白画素は、最後か否かが判断され、NOである場合には、当該第1の注目画素リストの白画素の番号を1だけ歩進させてステップ(3)に戻り、上記の操作が繰り返される。
【0070】
当該ステップ(5)に於てYESである場合、つまり当該第1の注目画素リストにある白画素が最後である場合には、ステップ(6)に進み、重み付け値が3である白画素を集めてリスト化された当該第2の注目画素リストの中の少なくとも一つの当該白画素が選択され、当該白画素に付いて当該画素変換操作を行う。次いで、ステップ(7)に進み、変更された当該セルCnの現在の量子化値Rn’と当該セルCnに要求されている最近接目標量子化値Sfxとの差分値を求め、YESであれば、つまり差分値が0である場合には、当該黒画素増加操作処理はエンドとなるが、NOである場合には、ステップ(8)に進んで、当該第2の注目画素リストにある白画素は、最後か否かが判断され、NOである場合には、当該第2の注目画素リストの白画素の番号を1だけ歩進させてステップ(6)に戻り、上記の操作が繰り返される。
【0071】
当該ステップ(8)に於てYESである場合には、ステップ(9)に進み、重み付け値が2又は重み付け値が1である白画素を集めてリスト化された当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの中の少なくとも一つの当該白画素が選択され、当該白画素に付いて当該画素変換操作を行う。そしてステップ(10)に於て、変更された当該セルCnの現在の量子化値Rn’と当該セルCnに要求されている最近接目標量子化値Sfxとの差分値を求め、YESであれば、つまり当該差分値が0である場合には、当該黒画素増加操作処理はエンドとなるが、NOである場合には、ステップ(11)に進んで、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストにある白画素は、最後か否かが判断され、NOである場合には、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの白画素の番号を1だけ歩進させてステップ(9)に戻り、上記の操作が繰り返される。
【0072】
当該ステップ(11)に於てYESである場合には、当該差分値が0でないにも拘らず変換すべき白画素がなくなったことから当該変換操作をそこで終了する。但しこの場合には、オペレータが任意に必要な白画素を黒画素に変換して当該最近接目標量子化値Sfxに一致させる様にする事が出来る。
【0073】
尚、上記各ステップに於て、当該各注目画素リストを構成する量子化値列が変化する事があるが、その場合には、上位の注目画素リストの白画素を優先的に黒画素に変換する様にする事は上記した通りである。尚、本発明に係る他の態様としては、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む方法であって、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割する第1の工程、当該デジタルデータ著作物に於けるセキュリティーデータを埋め込むべき複数個のセル部を任意に選択する第2の工程、当該選択された複数個の各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を量子化する第3の工程、当該選択されたそれぞれのセル内の当該量子化値に対し、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の中の何れかの値を最近接目標量子化値として設定する第4の工程、当該第4の工程によって設定された最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値を0にする様に、当該選択されたセルに於ける当該選択された画素とは異なる画素を当該選択された画素となる様に変換する事によって当該セルに於ける選択された画素数を増加させる為の画素変換操作を実行する第5の工程、当該第5の工程によって、増加されて当該セルに於ける当該画素の量子化値と当該最近接目標量子化値とを比較する第6の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値が0でない場合には、当該第5及び第6の工程を当該差分値が0となる迄繰り返す第7の工程、及び当該選択された全てのセルに対して当該第3から第7の工程を繰り返す第8の工程とから構成されているデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記録した記録媒体が存在する。
【0074】
更に、本発明に於いては、当該デジタルデータ著作物に於いて形成された複数個のセルの中から、選択された所定のセルに於ける、選択された画素に付いての実際の量子化値を、当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、当該選択された画素に対応して選択される互いに異なる値を含んで構成される第1の目標量子化値グループ若しくは第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値の中で最も近接した最近接目標量子化値と一致する様に当該選択された画素の数を増加させるに際し、当該セル中に於けるそれぞれの画素群の中から、当該増加させたい画素と異なる画素であって、当該画素の4辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第1の注目画素の群から構成される第1の注目画素リストを形成する第1の工程、当該画素の3辺が増加させたい画素によって囲まれている第2の注目画素の群から構成されるリストを形成する第2の工程、当該画素の2辺が増加させたい画素によって囲まれている第3の注目画素の群から構成される第3の注目画素リストを形成する第3の工程、当該画素の何れか1片が増加させたい画素と接している第4の注目画素の群から構成される第4の注目画素リストを形成する第4の工程、抽出された当該第1の注目画素リストの中の少なくとも一つの当該画素に付いて当該画素変換操作を行うと共に当該画素変換操作が実行された当該画素を当該第1の注目画素リストから除外する第5の工程、当該第5の工程に引き続いて、当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第6の工程、当該第6の工程に於いて当該差分値が0ではない場合、当該第1の注目画素リストに於ける残りの画素に付いて同様に当該第5及び第6の工程の操作を繰り返す第7の工程、当該第7の工程後に当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第8の工程、当該第8の工程後に於いて当該差分値が0ではない場合、抽出された当該第2の注目画素リストの一部若しくは全部を増加させたい画素に変換する第9の工程とから構成されているデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記載した記録媒体も考えられる。
【0075】
更に、本発明に於けるその他の態様としては、当該第1の注目画素がない場合若しくは当該第1の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第2の注目画素リストに含まれる当該画素に対して画素変換操作を実行するに際し、当該抽出された第2の注目画素リストの中から任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を行って当該第2の注目画素リストから当該画素を削除する第10の工程、当該第10の工程を実行した結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに所定の注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第11の工程、当該第11の工程が実行された結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストが変更される事によって新たに発生する当該第2の注目画素に相当する画素を含めて、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となるまで、当該第2の注目画素リストに含まれる画素に対する当該画素変換操作を繰り返す第12の工程とから構成されている請求項26に記載されたデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記載した記録媒体も存在する。
【0076】
同様に、本発明に係る別の態様としては、当該第2の注目画素リストの全ての画素に対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択する第13の工程、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を実行する第14の工程、当該第14の工程に於ける当該画素変換操作の実行によって、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第15の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となる迄、当該第13の工程から当該第15の工程迄の各工程を繰り返す第16の工程とから構成されている請求項27に記載されたデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記載した記録媒体である。
【0077】
一方、本発明に於ける当該デジタルデータ著作物の処理方法に於ては、上記した様な方法によって所定のセキュリティーデータSDが、当該デジタルデータ著作物1の任意のセル部分Cnに埋め込まれる事になるが、係るセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物1から所定のセキュリティーデータを読み出す方法としては、上記した埋め込み方法を逆に辿る事によって可能となる。
【0078】
例えば、本発明に係る当該デジタルデータ著作物の処理方法に於て、セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から、当該セキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物を、所定の数のセルに分割し、当該各セルのそれぞれに於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を量子化すると共に、当該量子化されたそれぞれのセルの量子化値を順次記録しておき、予め定められた所定の第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値が存在しているか否かを判断し、当該それぞれのセルの量子化値が、当該予め定められた第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値の一つと一致するセルに対し、当該一致した第1若しくは第2の目標量子化値グループに予め対応して設定されているデジタルビットデータ値の何れかを対応させる事によって、当該デジタルビットデータ列に変換し、セキュリティーデータを復元させる様に構成したデジタルデータ著作物の処理方法である。
【0079】
係るデジタルデータ著作物の処理方法を実現する装置の例としては、例えば、図17に示す様に、セキュリティーデーSDを埋め込んだデジタルデータ著作物1から、当該セキュリティーデータSDを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物1を、所定の数のセルCnに分割するセル分割手段50、当該各セルCnのそれぞれに於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を量子化する量子化手段51、当該量子化されたそれぞれのセルの量子化値Rnを順次記録する記録手段52、予め定められた複数個の量子化値fxを含む第1の目標量子化値グループ8と当該第1の目標量子化値グループ8に含まれるそれぞれの量子化値fxとは異なる量子化値f’xを含む第2の目標量子化値グループ9を記憶すると共に、当該第1の目標量子化値グループと当該第2の目標量子化値グループのそれぞれに、2値で構成されるデジタルビットデータの一方の値を対応させて記憶しておく目標量子化値データ記憶手段53、当該記録手段52に記憶された当該各セルの量子化値Rnを当該目標量子化値データ記憶手段53に記憶されたデータと比較して、当該量子化値Rnに、予め定められた所定の第1の目標量子化値グループ8と第2の目標量子化値グループ9に属する量子化値が存在しているか否かを判断する判定手段54、当該量子化値が、当該予め定められた第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値の一つと一致するセルに対し、当該一致した第1若しくは第2の目標量子化値グループに予め対応して設定されているデジタルビットデータ値を割り当てるビットデータ割当手段55、当該ビットデータ割当手段55の出力値からセキュリティーデータを復元させるセキュリティーデータ読出し手段56とから構成されているデジタルデータ著作物の処理装置である。
【0080】
又、本発明に於いては、キュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から、当該セキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物を、所定の数のセルに分割し、当該各セルのそれぞれに於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を量子化すると共に、当該量子化されたそれぞれのセルの量子化値を順次記録しておき、予め定められた所定の第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値が存在しているか否かを判断し、当該それぞれのセルの量子化値が、当該予め定められた第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値の一つと一致するセルに対し、当該一致した第1若しくは第2の目標量子化値グループに予め対応して設定されているデジタルビットデータ値の何れかを対応させる事によって、当該デジタルビットデータ列に変換し、セキュリティーデータを復元させる様に構成されたデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記録した記録媒体がその他の態様の一つに考えられる。
【0081】
【発明の効果】
本発明に係る当該デジタルデータ著作物の処理方法及びデジタルデータ著作物の処理装置は、上記した構成を採用しているので、簡易な技術構成に基づき、予め所定のデジタルデータ著作物に著作権を有している者、又はそのライセンスを得ている者が、自己の製品である事を後でチェック出来るセキュリティデータを埋め込み、それによって、自己の製品か否かの判断、不正にコピーされたものであるか否かの判断等が容易に行う事の出来ると同時に、当該デジタルデータ著作物に特定の情報を持たせて、特定の第3者に対して機密情報の伝達を行うことも可能な、デジタルデータ著作物の処理方法及びデジタルデータ著作物の処理装置が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るデジタルデータ著作物の処理装置の一具体例の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図2】図2は、本発明に於て使用されるデジタルデータ著作物の画像の例を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係るデジタルデータ著作物の1セルの画像表示状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明に係るデジタルデータ著作物の処理装置に於て使用される白画素の重み付け値を決定する基準例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の具体例に於ける1セルの画像データに重み付け値を付した例を示す図である。
【図6】図6は、本発明に於ける具体例に於て得られた注目画素リストの例を示す図である。
【図7】図7(A)及び(B)は、本発明に係るデータ処理方法の具体例に於て図6のリストを変更した例を示す図である。
【図8】図8は、本発明に係る係るデータ処理方法の具体例に於て、所定の白画素を黒画素に変換した場合の例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の具体例に於ける図8の変換処理を実行した結果、変更された重み付け値の分布状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明に於ける具体例に於て図9の変換処理によって変更された注目画素リストの例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に係る係るデータ処理方法の具体例に於て、他の位置に於ける所定の白画素を黒画素に変換した場合の例を示す図である。
【図12】図12は、本発明に係るデータ処理方法の具体例に於て図11の変換処理を実行した結果、変更された注目画素リストの例を示す図である。
【図13】図13は、本発明に係る係るデータ処理方法の具体例に於て、更に他の位置に於ける所定の白画素を黒画素に変換した場合の例を示す図である。
【図14】図14は、本発明に係るデータ処理方法の具体例に於て図13の変換処理を実行した結果、変更された注目画素リストの例を示す図である。画素に変換した場合の例を示す図である。
【図15】図15は、本発明の具体例に於けるデジタルデータ著作物の処理方法の操作手順の例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、本発明の具体例に於けるデジタルデータ著作物の処理方法に於ける黒画素変換操作の一具体例の操作手順の例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、本発明の具体例に於けるデジタルデータ著作物の処理方法に於ける当該デジタルデータ著作物から所定のセキュリティーデータを読みだす装置の例を示すブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1…デジタルデータ著作物
2…デジタルデータ著作物記憶手段
3…セル形成手段
4…画素量子化手段
5…セキュリティーデータ記憶手段
6…セキュリティーデータ埋め込み画素設定手段
7…セキュリティーデータ
8…第1の目標量子化値グループ
9…第2の目標量子化値グループ
10…目標量子化値グループ記憶手段
11…セル選択手段
12…最近接目標量子化値設定手段
13…差分値演算手段
14…画素変換操作実行手段
15…比較手段
16…繰り返し指示出力手段
17…セキュリティーデータ埋め込みデジタルデータ著作物の記憶手段
18…制御手段
20…アルゴリズム記憶手段
50…セル分割手段
51…量子化手段
52…セルの量子化値記録手段
53…目標量子化値データ記憶手段
54…判定手段
55…ビットデータ割当手段
56…セキュリティーデータ読出し手段
100…デジタルデータ著作物の処理装置
Claims (31)
- デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割し、当該各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行うと共に、当該デジタルデータ著作物に於ける任意に選択された複数個のそれぞれのセル内の画素数に関する当該量子化値を、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の何れかに設定する様に構成し、当該第1の目標量子化値グループにデジタルビットデータの2値化データの内の一方のデータ値を対応させ、当該第2の目標量子化値グループにデジタルビットデータの2値化データの内の他方のデータ値を対応させる様に処理する事によって当該デジタルデータ著作物を構成するデジタルデータの一部にセキュリティーデータを埋め込む様に構成されている事を特徴とするデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該2値化データの内の一方のデータ値が1であり、当該2値化データの内の他方のデータ値が0である事を特徴とする請求項1記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該第1の目標量子化値グループの値が任意に定めた所定の値を所定の第1の関数値f(n) で変換した値の何れかであり、当該第2の目標量子化値グループの値が当該任意に定めた所定の値を所定の第2の関数値f(m) で変換した値の何れかである事を特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該任意に定めた第1及び第2の目標量子化値グループの値は、何れも整数値である事を特徴とする請求項3記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該所定の第1の関数値f(n) と所定の第2の関数値f(m)の何れか一方が偶数の数値の組(2n)を構成するものであり、他方が奇数の数値の組(2n−1)を構成するものである事を特徴とする請求項3又は4に記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該任意に定めた所定の値をNとする場合に当該所定の第1の関数値f(n) が当該所定の値Nを乗算する係数を構成する任意の整数nであり、当該所定の第2の関数値f(m) が、当該N×f(n) の値に任意の整数αを加算するものである事を特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該セキュリティーデータを埋め込むべき選択されたそれぞれのセルに於ける当該選択された一方の画素の実際の量子化値を、埋め込まれるべき当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ若しくは当該第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値群の中で最も近接した目標量子化値と一致する様に当該画素の数を増加させる処理を行う事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該セルに於ける画素数の量子化値を変更するに際し、黒画素を増加させる様にする事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該セルに於ける画素数の量子化値を変更するに際し、白画素を増加させる様にする事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 所定のセルに於ける実際の量子化値を当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ若しくは当該第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該量子化値の中で最も近接した目標量子化値と一致する様に、当該所定のセルに於ける実際の量子化値と当該選択された目標量子化値との差分値をゼロになるまで当該画素の数を増加させる事を特徴とする請求項7記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 所定のセルに於ける実際の量子化値を当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ若しくは当該第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値の中で最も近接した最近接目標量子化値と一致する様に当該画素の数を増加させるに際し、当該セル中に於けるそれぞれの画素群の中から、当該増加させたい画素と異なる画素であって、当該画素の4辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第1の注目画素、当該画素の3辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第2の注目画素、当該画素の2辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第3の注目画素、当該画素の何れか1辺が増加させたい画素と接している第4の注目画素をそれぞれ抽出し、当該第1の注目画素から順次に増加させたい画素に変換する事を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 抽出された当該第1の注目画素の少なくとも一つに付いて当該画素変換操作を行った後、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合、当該第1の注目画素の残りの画素に付いて同様の操作を繰り返し、当該第1の注目画素の全てに付いて当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合には、抽出された当該第2の注目画素の一部若しくは全部を増加させたい画素に変換する事を特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 抽出されたそれぞれの注目画素のリストに於いて、第1の注目画素が存在しない場合には、第2の注目画素から画素変換操作を実行する事を特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該第1の注目画素がない場合若しくは当該第1の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第2の注目画素に対して画素変換操作を実行するに際し、当該抽出された第2の注目画素群の中から任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を行って当該第2の注目画素リストから削除すると共に、その結果当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理し、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの変換によって新たに発生する当該第2の注目画素に相当する画素を含めて、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となるまで、当該第2の注目画素リストに含まれる画素に対する当該画素変換操作を繰り返す事を特徴とする請求項10乃至13の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該第2の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択し、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された注目画素に対して当該画素変換操作を実行すると共に、当該画素変換操作の実行によって、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する事を特徴とする請求項14記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択し、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された注目画素に対して当該画素変換操作を実行した後に、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0でない場合には、再度当該抽出され、或いは追加、削除等が実行された当該第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択し、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された注目画素に対して当該画素変換操作を実行し、係る操作を当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0になるまで繰り返す事を特徴とする請求項11乃至15の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータが埋め込まれているデジタルデータ著作物であって、当該デジタルデータ著作物は、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割し、当該各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行うと共に、当該デジタルデータ著作物に於ける任意に選択された複数個のそれぞれのセル内の画素数に関する当該量子化値を、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の何れかに設定する様に構成し、当該第1の目標量子化値グループにセキュリティーデータを構成する2値化デジタルビットデータの一方のデータ値を対応させ、当該第2の目標量子化値グループに当該セキュリティーデータを構成する2値化デジタルビットデータの他方のデータ値を対応させる様に構成されている事を特徴とするデジタルデータ著作物。
- デジタルデータにより構成された著作物に2値化デジタルビットデータにより構成される所定のセキュリティーデータを埋め込む方法であって、当該デジタルデータ著作物の処理方法は、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割する第1の工程、当該デジタルデータ著作物に於けるセキュリティーデータを埋め込むべき複数個のセル部を任意に選択する第2の工程、当該選択された複数個の各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行う第3の工程、当該選択されたそれぞれのセル内の当該量子化値に対し、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の中の何れかの値を最近接目標量子化値として設定する第4の工程、当該第4の工程によって設定された最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値を0にする様に、当該選択されたセルに於ける当該選択された画素とは異なる画素を当該選択された画素となる様に変換する事によって当該セルに於ける選択された画素数を増加させる為の画素変換操作を実行する第5の工程、当該第5の工程によって、増加された当該セルに於ける当該画素の量子化値と当該最近接目標量子化値とを比較する第6の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値が0でない場合には、当該第5及び第6の工程を当該差分値が0となる迄繰り返す第7の工程、及び当該選択された全てのセルに対して当該第3から第7の工程を繰り返す第8の工程とから構成されている事を特徴とするデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該第4の工程は、当該セキュリティーデータを埋め込むべき選択されたそれぞれのセルに於ける当該選択された一方の画素の実際の量子化値を、埋め込まれるべき当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、選択される当該第1の目標量子化値グループ若しくは当該第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値群の中で最も当該セルの現在の量子化値に近接した目標量子化値と一致する様に画素変換操作を行うものである事を特徴とする請求項18記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該2値化データの内の一方のデータ値が1であり、当該2値化データの内の他方のデータ値が0である事を特徴とする請求項10乃至19の何れかに記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該デジタルデータ著作物に於いて形成された複数個のセルの中から、選択された所定のセルに於ける、選択された画素に付いての実際の量子化値を、当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、当該選択された画素に対応して選択される互いに異なる値を含んで構成される第1の目標量子化値グループ若しくは第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値の中で最も近接した最近接目標量子化値と一致する様に当該選択された画素の数を増加させるに際し、当該セル中に於けるそれぞれの画素群の中から、当該増加させたい画素と異なる画素であって、当該画素の4辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第1の注目画素の群から構成される第1の注目画素リストを形成する第1の工程、当該画素の3辺が増加させたい画素によって囲まれている第2の注目画素の群から構成されるリストを形成する第2の工程、当該画素の2辺が増加させたい画素によって囲まれている第3の注目画素の群から構成される第3の注目画素リストを形成する第3の工程、当該画素の何れか1辺が増加させたい画素と接している第4の注目画素の群から構成される第4の注目画素リストを形成する第4の工程、抽出された当該第1の注目画素リストの中の少なくとも一つの当該画素に付いて当該画素変換操作を行うと共に当該画素変換操作が実行された当該画素を当該第1の注目画素リストから除外する第5の工程、当該第5の工程に引き続いて、当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第6の工程、当該第6の工程に於いて当該差分値が0ではない場合、当該第1の注目画素リストに於ける残りの画素に付いて同様に当該第5及び第6の工程の操作を繰り返す第7の工程、当該第7の工程後に当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第8の工程、当該第8の工程後に於いて当該差分値が0ではない場合、抽出された当該第2の注目画素リストの一部若しくは全部を増加させたい画素に変換する第9の工程とから構成されている事を特徴とするデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該第1の注目画素がない場合若しくは当該第1の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第2の注目画素リストに含まれる当該画素に対して画素変換操作を実行するに際し、当該抽出された第2の注目画素リストの中から任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を行って当該第2の注目画素リストから当該画素を削除する第10の工程、当該第10の工程を実行した結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに所定の注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第11の工程、当該第11の工程が実行された結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストが変更される事によって新たに発生する当該第2の注目画素に相当する画素を含めて、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となるまで、当該第2の注目画素リストに含まれる画素に対する当該画素変換操作を繰り返す第12の工程とから構成されている事を特徴とする請求項21記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- 当該第2の注目画素リストの全ての画素に対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択する第13の工程、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を実行する第14の工程、当該第14の工程に於ける当該画素変換操作の実行によって、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第15の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となる迄、当該第13の工程から当該第15の工程迄の各工程を繰り返す第16の工程とから構成されている事を特徴とする請求項21又は22に記載のデジタルデータ著作物の処理方法。
- デジタルデータ著作物を記憶したデジタルデータ著作物記憶手段、当該デジタルデータ著作物を複数のセルに分割するセル形成手段、当該各セルのそれぞれの画素を、予め定められた白画素若しくは黒画素の何れか一方の画素数に基づいて量子化値する画素量子化手段、セキュリティーデータ記憶手段、セキュリティーデータ埋め込み画素設定手段、当該セキュリティーデータを構成するデジタルビット値のそれぞれに対応した、複数の目標量子化値で構成される第1の目標量子化値グループと当該第1の目標量子化値とは異なる値を持った複数の目標量子化値で構成される第2の目標量子化値グループとを記憶する目標量子化値グループ記憶手段、当該セキュリティーデータ埋め込み画素設定手段に応答して、当該セキュリティーデータを埋め込むセルを選択するセル選択手段、当該選択されたセルの当該量子化値と、当該セキュリティーデータの一部を構成する所定のデジタルビットデータの値に応答して、当該目標量子化値グループ記憶手段から選択された一方の目標量子化値グループとを比較して、当該セルに求められる最近接目標量子化値を設定する最近接目標量子化値設定手段、当該選択されたセルに於ける現在の量子化値と当該選択された最近接目標量子化値との差分値を演算する差分値演算手段、当該差分値演算手段の出力値が0でない場合に、当該選択されたセルに於ける、選択されていない画素を、予め定められた所定のアルゴリズムに従って当該選択された画素に変換する画素変換操作を実行する画素変換操作実行手段、当該画素変換操作実行手段の処理により増加した当該セルに於ける現在の量子化値を当該最近接目標量子化値と比較する比較手段、当該比較手段に於いて、当該選択されたセルに於ける現在の量子化値と当該選択された最近接目標量子化値との差分値が0でない場合に、当該差分値が0になるまで、当該画素変換操作実行手段の操作を繰り返す指示を出力する繰り返し指示出力手段、当該操作を全てのセルに対して実行した後の当該セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物を記憶するセキュリティーデータ埋め込みデジタルデータ著作物の記憶手段とから構成されている事を特徴とするデジタルデータ著作物の処理装置。
- デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む方法であって、当該デジタルデータ著作物を複数個のセルに分割する第1の工程、当該デジタルデータ著作物に於けるセキュリティーデータを埋め込むべき複数個のセル部を任意に選択する第2の工程、当該選択された複数個の各セル内に於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行う第3の工程、当該選択されたそれぞれのセル内の当該量子化値に対し、予め定められた互いに異なる2種の目標量子化値グループの何れかのグループに含まれる値の中の何れかの値を最近接目標量子化値として設定する第4の工程、当該第4の工程によって設定された最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値を0にする様に、当該選択されたセルに於ける当該選択された画素とは異なる画素を当該選択された画素となる様に変換する事によって当該セルに於ける選択された画素数を増加させる為の画素変換操作を実行する第5の工程、当該第5の工程によって、増加されて当該セルに於ける当該画素の量子化値と当該最近接目標量子化値とを比較する第6の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける現在の量子化値との差分値が0でない場合には、当該第5及び第6の工程を当該差分値が0となる迄繰り返す第7の工程、及び当該選択された全てのセルに対して当該第3から第7の工程を繰り返す第8の工程とから構成されているデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記録した記録媒体。
- 当該デジタルデータ著作物に於いて形成された複数個のセルの中から、選択された所定のセルに於ける、選択された画素に付いての実際の量子化値を、当該セキュリティーデータの一部を構成するデジタルビット値に応答して、当該選択された画素に対応して選択される互いに異なる値を含んで構成される第1の目標量子化値グループ若しくは第2の目標量子化値グループの何れかのグループに属する当該目標量子化値の中で最も近接した最近接目標量子化値と一致する様に当該選択された画素の数を増加させるに際し、当該セル中に於けるそれぞれの画素群の中から、当該増加させたい画素と異なる画素であって、当該画素の4辺全てが増加させたい画素によって囲まれている第1の注目画素の群から構成される第1の注目画素リストを形成する第1の工程、当該画素の3辺が増加させたい画素によって囲まれている第2の注目画素の群から構成されるリストを形成する第2の工程、当該画素の2辺が増加させたい画素によって囲まれている第3の注目画素の群から構成される第3の注目画素リストを形成する第3の工程、当該画素の何れか1辺が増加させたい画素と接している第4の注目画素の群から構成される第4の注目画素リストを形成する第4の工程、抽出された当該第1の注目画素リストの中の少なくとも一つの当該画素に付いて当該画素変換操作を行うと共に当該画素変換操作が実行された当該画素を当該第1の注目画素リストから除外する第5の工程、当該第5の工程に引き続いて、当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第6の工程、当該第6の工程に於いて当該差分値が0ではない場合、当該第1の注目画素リストに於ける残りの画素に付いて同様に当該第5及び第6の工程の操作を繰り返す第7の工程、当該第7の工程後に当該最近接目標量子化値と該画素変換操作後の当該セルに於ける実際の量子化値との差分値を演算する第8の工程、当該第8の工程後に於いて当該差分値が0ではない場合、抽出された当該第2の注目画素リストの一部若しくは全部を増加させたい画素に変換する第9の工程とから構成されているデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記載した記録媒体。
- 当該第1の注目画素がない場合若しくは当該第1の注目画素の全てに対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第2の注目画素リストに含まれる当該画素に対して画素変換操作を実行するに際し、当該抽出された第2の注目画素リストの中から任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を行って当該第2の注目画素リストから当該画素を削除する第10の工程、当該第10の工程を実行した結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに所定の注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第11の工程、当該第11の工程が実行された結果、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストが変更される事によって新たに発生する当該第2の注目画素に相当する画素を含めて、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となるまで、当該第2の注目画素リストに含まれる画素に対する当該画素変換操作を繰り返す第12の工程とから構成されている請求項26に記載されたデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記載した記録媒体。
- 当該第2の注目画素リストの全ての画素に対して当該画素変換操作を行った後でも、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0ではない場合に、当該抽出された第3の注目画素リスト若しくは第4の注目画素リストの何れかを選択する第13の工程、当該選択された注目画素リストの内から更に任意に選択された一つの注目画素に対して当該画素変換操作を実行する第14の工程、当該第14の工程に於ける当該画素変換操作の実行によって、当該第3の注目画素リスト及び第4の注目画素リストの何れかのリストに当該注目画素の追加或いは削除が発生すれば、当該各注目画素リストを変更処理する第15の工程、当該最近接目標量子化値と当該セルに於ける実際の量子化値との差分値が0となる迄、当該第13の工程から当該第15の工程迄の各工程を繰り返す第16の工程とから構成されている請求項27に記載されたデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記載した記録媒体。
- セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から、当該セキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物を、所定の数のセルに分割し、当該各セルのそれぞれに於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行うと共に、当該量子化されたそれぞれのセルの量子化値を順次記録しておき、予め定められた所定の第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値が存在しているか否かを判断し、当該それぞれのセルの量子化値が、当該予め定められた第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値の一つと一致するセルに対し、当該一致した第1若しくは第2の目標量子化値グループに予め対応して設定されているデジタルビットデータ値の何れかを対応させる事によって、当該デジタルビットデータ列に変換し、セキュリティーデータを復元させる事を特徴とするデジタルデータ著作物の処理方法。
- セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から、当該セキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物を、所定の数のセルに分割し、当該各セルのそれぞれに於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行うと共に、当該量子化されたそれぞれのセルの量子化値を順次記録しておき、予め定められた所定の第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値が存在しているか否かを判断し、当該それぞれのセルの量子化値が、当該予め定められた第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値の一つと一致するセルに対し、当該一致した第1若しくは第2の目標量子化値グループに予め対応して設定されているデジタルビットデータ値の何れかを対応させる事によって、当該デジタルビットデータ列に変換し、セキュリティーデータを復元させる様に構成されたデジタルデータ著作物の処理方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記録した記録媒体。
- セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から、当該セキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物を、所定の数のセルに分割するセル分割手段、当該各セルのそれぞれに於ける白画素或いは黒画素の何れか一方の画素数を一定段階の数値で表現する量子化を行う量子化手段、当該量子化されたそれぞれのセルの量子化値を順次記録する記録手段、予め定められた複数個の量子化値を含む第1の目標量子化値グループと当該第1の目標量子化値グループに含まれるそれぞれの量子化値とは異なる量子化値を含む第2の目標量子化値グループを記憶すると共に、当該第1の目標量子化値グループと当該第2の目標量子化値グループのそれぞれに、2値で構成されるデジタルビットデータの一方の値を対応させて記憶しておく目標量子化値データ記憶手段、当該記録手段に記憶された当該各セルの量子化値を当該目標量子化値データ記憶手段に記憶されたデータと比較して、当該量子化値に、予め定められた所定の第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値が存在しているか否かを判断する判定手段、当該量子化値が、当該予め定められた第1の目標量子化値グループと第2の目標量子化値グループに属する量子化値の一つと一致するセルに対し、当該一致した第1若しくは第2の目標量子化値グループに予め対応して設定されているデジタルビットデータ値を割り当てるビットデータ割当手段、当該ビットデータ割当手段の出力値からセキュリティーデータを復元させるセキュリティーデータ読出し手段とから構成されている事を特徴とするデジタルデータ著作物の処理装置。
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