JP3558860B2 - プロピレン系ブロック共重合体のゲル含量の推定方法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体のゲル含量の推定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロピレン系ブロック共重合体の重要な特性の一つであるゲル含量を、ブロック共重合体を実際に製造せずに、設定した製造条件に基いて精度よく予測する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブロック共重合体はポリプロピレンの代表的な製品の一つであり、耐衝撃性に優れているので広く用いられている。ブロック共重合体は、前段重合と後段重合との2段階の重合過程を経て製造されている。前段重合では固体触媒成分の存在下に、プロピレンを実質的に単独で重合して、内部に固体触媒成分を含むポリプロピレン粒子を生成させる。後段重合では、このポリプロピレン粒子の存在下にプロピレンと他のα−オレフィン、通常はエチレンとを共重合させる。この共重合は、前段重合で生成したポリプロピレン粒子中の固体触媒成分の触媒作用により行われる。従って個々のブロック共重合体粒子は、前段重合で生成した単独重合体部分と、後段重合で生成した共重合体部分との両者から成っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プロピレン系ブロック共重合体の重要な特性の一つにゲル含量がある。ゲルとはブロック共重合体を溶融混練したのちフィルム状に成形した際に、フィルム中に異物状に析出する成分であり、溶融混練しても溶融して均一にならなかった部分であると考えられている。ゲルはブロック共重合体から製造される製品の外観を損ずるだけでなく、応力の集中点となって製品の強度を低下させる。従ってプロピレン系ブロック共重合体の製造に際しては、ゲルの生成をできるだけ低減させることが求められている。
【0004】
しかしながらゲルの生成機構を解明した報告は未だなされていない。また設定された重合条件下におけるゲルの生成量についても、経験に基づく定性的な予測はできても、定量的予測は不可能であった。従って試作によりゲル含量を確認し、ゲル含量が所望の値以下になるように試作条件を変更して試作を反覆し、所望のゲル含量となる製造条件を決定するというのが従来のやり方である。しかしながら、この方法は多大の時間と労力を要するので、その改善が望まれている。従って本発明は、想定製造条件に基いて、製造されるプロピレン系ブロック共重合体のゲル含量を定量的に予測する方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはゲルの生成機構につき検討した結果、ゲルはブロック共重合体粒子に占める共重合体部分、すなわちゴム成分の部分の割合が大きい粒子に由来することを見出した。従って重合装置から得られる個々のブロック共重合体粒子についてそのゴム成分の濃度を推定できれば、ゲルの発生量を推定することができる。
【0006】
プロピレン系ブロック共重合体粒子は、固体触媒成分上での重合及び共重合により生成し、かつその粒子全体に占める単独重合体及び共重合体の割合は、重合装置の操作条件並びに前段重合部及び後段重合部におけるそれぞれの重合体粒子の滞留時間に依存して定まる。
従って、重合装置の操作条件、固体触媒成分上で重合体粒子が生長する状態を表わす成長モデル式、並びに前段重合部及び後段重合部における重合体粒子の滞留時間分布に基いて、製造されるブロック共重合体粒子におけるゴム成分の濃度分布を算出することにより、当該ブロック共重合体のゲル含量を推定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明するに、本発明は、ゲルは共重合体部分、すなわちゴム成分の割合の大きいブロック共重合体粒子に由来するという本発明者らの新たな知見に基くものである。このことは、重合反応器に固体触媒成分とプロピレンとを供給して単独重合体を生成させ、次いで引続きプロピレンとエチレンとを供給してエチレン−プロピレンの共重合体を生成させる回分式反応により製造したポリプロピレン系ブロック共重合体を、共重合成分を含まないポリプロピレンに添加して溶融混練し、ゲルの発生状況を観察することにより容易に確認できる。回分方式で製造したプロピレン系ブロック共重合体は、全ての重合体粒子が同一割合の共重合体部分を含有していると見做すことができる。このブロック共重合体を共重合成分を含まないポリプロピレンに少量添加して溶融混練し、ゲルの発生状況を観察すると、共重合体の占める比率が小さいブロック共重合体を添加した場合には、ゲルは殆ど発生しないが、共重合体の占める比率の大きいブロック共重合体を添加した場合にはゲルが発生し、しかもその発生量はブロック共重合体の添加量に比例する。本発明者らの検討によれば、ブロック共重合体粒子中の共重合体の占める比率が約50(重量)%付近が、当該粒子がゲルを発生させるか否かの分岐点であり、これよりも共重合体の占める比率が大きいブロック共重合体粒子はほぼ確実にゲルを発生させるのに対し、これよりも共重合体の占める比率が小さいブロック共重合体粒子はゲルを発生させる可能性が著しく小さい。例えば図1は、ブロック共重合体において、共重合体含有量が50重量%以上のものの占める比率と、ゲルの発生量との関係の1例を示す図である。
【0008】
共重合体の占める比率が50(重量)%を越える粒子が何故ゲルを発生させるかの詳細は不明であるが、共重合体の含有量が約50(重量)%の点で相の転換が起るのではないかと考えられる。すなわち共重合体の含有量が50(重量)%未満では重合体粒子は共重合体が単独重合体中に島状に点在する海−島構造を有しているが、50(重量)%を越えるとこれが逆転して共重合体中に単独重合体が点在する海−島構造に変化するのではないかと考えられる。そして重合体粒子の混練に際し、後者の構造の粒子は大部分を占める前者の構造の溶融物中に溶解し難いため、ゲルとなって析出するものと考えられる。
【0009】
いずれにしても、重合体粒子に占める共重合体の比率が約50(重量)%を越えるものがゲルの原因である以上、重合装置から排出される全重合体粒子に占めるこのような粒子の量を算出することにより、ゲルの発生状況を予測することができることは明らかである。
連続重合プロセスでブロック共重合体を製造する場合に、ブロック共重合体全体としては共重合体の含有量が少ないにもかかわらずゲルが発生するのは、製造される個々の重合体粒子において共重合体の占める比率が異なっており、重合体粒子のあるものは共重合体の占める比率が約50(重量)%以上に達しているからに外ならない。そして個々の重合体粒子において共重合体の占める比率が異なるのは、個々の重合体粒子が前段重合部及び後段重合部のそれぞれにおいて異なる滞留時間を有することによる。すなわち個々の重合体粒子の有する単独重合体量及び共重合体量は基本的に前段重合部及び後段重合部における滞留時間に依存すると考えられるので、連続重合プロセスでは重合体粒子の滞留時間分布が不可避である以上、重合体粒子に占める共重合体の比率に分布が生ずるのは避けられない。本発明では重合装置の操作条件その他に基いて重合体粒子に占める共重合体の濃度分布を確率的に算出することにより、製造されるブロック共重合体のゲル含量を予測する。
【0010】
重合体粒子に占める共重合体の濃度分布は、基本的に前段重合部及び後段重合部のそれぞれにおける粒子の滞留時間分布と、触媒活性の減衰速度により決定されると考えられる。また、前段重合部から後段重合部に移る際に重合体粒子が分級を受けるならば、この分級も滞留時間分布に大きく影響する。そしてこの場合には、投入する固体触媒成分の粒度分布も考慮する必要がある。何故ならば大粒径の固体触媒成分を含む重合体粒子と、小粒径の固体触媒成分を含む重合体粒子とでは、粒径が同一ならば分級に際して同様に行動する可能性が高いが、その重合体含有量は大きく異なるからである。従って本発明では、固体触媒成分の活性の減衰状況を示す固体触媒成分上での重合体粒子の成長モデル式と、前段重合部及び後段重合部における重合体粒子の滞留時間分布及び重合装置の操作条件に基いて、製造される重合体粒子に占める共重合体の濃度分布を確率的に計算する。
【0011】
本発明のゲル含量の推定方法が適用されるプロピレン系ブロック共重合体の製造プロセスは、プロピレンを単独で重合する前段重量部とプロピレンと他のα−オレフィン、通常はエチレンとを共重合する後段重合部から成っているが、その具体的態様は種々変更可能である。例えば前段重合部と後段重合部との間に分級部を設けたり、前段重合部と後段重合部とをそれぞれ多段に設けることができる。また重合反応器も完全混合槽以外にループ反応器や気相反応器を用いることができる。
【0012】
本発明によるゲル含量の推定法の概要を図2に示す。入力条件は次の通りである。
Figure 0003558860
【0013】
各プロセスユニット毎の計算手法は、ヘテロジカルなプロセス変数を用いて確率分布が算出できるものが必要で、モンテカルロ法・ポピュレーションバランス法・確率分布関数演算法等、必要に応じ任意に選べる。これにより各プロセスユニット別に滞留時間分布が推算できる。
計算手順の1例を図3に示す。計算そのものは例えば次の文献を参考にして行えばよい。
【0014】
(1)Debling,J.A.,“Modeling Particle Growth and Morphology of Impact Polypropylene Produced in the Gas Phase”,Ph.D.Thesis,University of Wisconsin(1997).
(2)Nishio,T.,T.Nomura,T.Yokoi,H.Iwai,N.Kawamura,“Development of Super Olefin Bumpers for Automobiles”,Presented at SAE Automotive Body Panel andBumper System Materials and Design,Detroit(October 1992).
【0015】
(3)Zacca,J.,J.A.Debling,and W.H.Ray.“Reactor Residence Time DistributionEffects on the Multistage Polymerization of Olefin”,5th DECHEMA Workshop,Berlin(1995).
(4)Kang S.,P.Yoon,and W.K.Lee,“Steady state particle growing with segragation in fluidized bed granular”,J.Chem.Eng.Japan,22,272(1989).
【0016】
各プロセスユニット別の固有のモデルとしては、触媒粒径モデル、重合反応器における滞留時間分布モデル、分級モデル、重合動力学モデル、粒子成長モデル、および粒子内物質移動モデルなどがある。重合体粒子間の共重合体含量分布をもとめることは、投入された触媒粒子ごとの単独重合体と共重合体のそれぞれの反応部での滞留時間を求めることに帰着する。以下にこれらの各モデルについて詳細に説明する。
触媒粒径分布モデル;
一般にZiegler−Natta系触媒の粒径分布は、次に示すRosin−Rammler分布でよく表現できる。
【0017】
【数1】
Figure 0003558860
【0018】
ここで、
R(D)は、触媒粒径に関する重量積分分布
は触媒粒径
c,50は触媒の50重量%平均粒径
をそれぞれあらわす。
なお、上記式は粒子の重量分布を表現しているので、各粒径に注目した計算を実施するに際しては、これを数分布に変換して使用する必要がある。
滞留時間分布モデル;
前段重合部および後段重合部においては、重合粒子は滞留時間分布を有する。ステップ応答法やその他の測定法にて分布が既知であればこれを数式化して用いることができる。撹拌が理想的に実施されていると目される場合には、次に示す完全混合槽にもとづくモデルを適用することができる。
【0019】
【数2】
Figure 0003558860
【0020】
ここで、
F(τ)は排出累積分布関数
θは滞留時間
バーθは平均滞留時間
をそれぞれあらわす。
分級モデル;
前段重合部と後段重合部との間に分級部を設けている場合には、次式で示される分級部モデルを用いて粒径に依存した滞留時間の制御を表現する。分級部では分級器下部より排出されなかったものは再び前段重合部へ返還される。次式は、各粒径に対する分級器下部から排出される確率を表しており、前記の文献(4)で述べられているSize Selection Factorと同一の関数形をとっている。
【0021】
【数3】
P(D)= exp(aD−b)
【0022】
ここで、
P(D)は排出確率関数
は分級器に供給される重合体の粒子径
aおよびbは分級器やその操作条件に依存するパラメータ
をそれぞれあらわす。
重合動力学モデル;
一般に、Ziegler重合における反応収量の表現法として、触媒効率、すなわちCEを用いる方法がある。CEの定義としては、次式のようにIgあたりの触媒から重合される重合体のg数である。この定義は、ブロック共重合体の重合において、単独重合体及び共重合体の両者に使用することができる。
【0023】
【数4】
Figure 0003558860
【0024】
【数5】
Figure 0003558860
【0025】
一方、単独重合体及び共重合体それぞれの重合反応において、上記のCEは次の式にて計算ができる。
【0026】
【数6】
Figure 0003558860
【0027】
【数7】
Figure 0003558860
【0028】
ここで、
H,inst,KE,instはそれぞれ単独重合と共重合の瞬間重合活性
,Pはそれぞれ単独重合と共重合反応でのモノマー圧力
をあらわす。
瞬間重合活性は、擬似1次反応速度式を用いて、次のように表現できる。
【0029】
【数8】
H,inst=KH,O exp(−kH,d ・θ
【0030】
【数9】
E,inst=KE,O exp(−kHE,d・θ−kE,d ・θ
【0031】
ここで、
H,O ,KE,O はそれぞれ瞬間活性定数
H,d ,kHE,d,kE,d はそれぞれ重合時間活性減衰係数
θ,θはそれぞれ単独重合体と共重合体の滞留時間
をあらわす。
これらの重合動力学式を用いれば、単独重合と共重合での重合条件と重合時間を与えればそれぞれのCEを決定することができる。
粒子成長モデル;
単独重合および共重合における重合体粒子径は、次式を用いて求められる。
【0032】
【数10】
Figure 0003558860
【0033】
【数11】
Figure 0003558860
【0034】
ここで、
Homo,DB−Coはそれぞれ単独重合体とブロック共重合体の粒径
ρcat ,ρPPはそれぞれ触媒と重合体の密度
をあらわす。
化学的添加物質の粒子内反応モデル;
共重合において、とくに化学的添加物質の供給により触媒活性の一部が減衰もしくは失活する場合には、次に示す粒子内物質移動モデルを用いる。本モデルは、下記文献に見られるモデルに基づき導出したものである。
【0035】
【数12】
Figure 0003558860
【0036】
ここで、
θEPR は共重合時間
ρは添加物質の粒子内密度
は添加物質の有効拡散係数
Agは添加物質の濃度
Rは当該粒子の半径
Gは当該粒子の有効活性率(コア率)
をそれぞれあらわす。なお、重合活性の計算には、当該粒子ごとの有効活性率をかけあわせたものを用いることになる。
【0037】
文献“Chemical Reaction Engineering”Second Ed.,Octave Levenspiel 1972 JhonWiley & Sons,Inc.
粒子内における物質移動律速モデル;
重合は触媒成分を含む固体中にて進行するが、モノマー成分は粒子表面を透過してポリマーを生成することになる。このとき、モノマーの粒子内拡散が重合反応によって消費される量に比して大きい場合には、粒子内部に有効な活性触媒成分が存在していても、総括的な触媒効率は低下することになる。これらの影響を表現するモデルとしては、よく知られた次のThiele modulusを用いることができる。
【0038】
【数13】
Figure 0003558860
【0039】
ここで、
ABはモノマーの拡散係数
kは重合による反応速度定数
ηは当該粒子の触媒有効係数
をそれぞれあらわす。なお、重合活性の計算には、当該粒子ごとの触媒有効係数をかけあわせたものを用いることになる。
以上の各モデルを触媒粒径をベースとして解を求めることにより、それぞれの重合体粒子単位での単独重合体と共重合体の滞留時間、もしくはそれぞれのCEが計算される。なお、共重合体含量は次の式より算出される。
【0040】
【数14】
Figure 0003558860
【0041】
上記の式から計算によって、ブロック共重合体粒子の粒径分布及びブロック共重合体のゴム成分の濃度分布が算出される。図4はこのような計算によって算出された前段重合部での粒径分布(棒グラフ)と、実際に測定した粒径分布(累積分布曲線)との1例である。また図5は、同じく分級器から排出された粒子についてのものである。また図6〜図9は、ブロック共重合体のゴム成分の濃度分布を示すものであり、図6は分級器も化学的添加物質も用いない場合であり、図7は分級器を用いない場合であり、図8は化学的添加物質を用いない場合であり、図9は分級器と化学的添加物質とを用いた通常運転の場合である。
【0042】
また上記の式(1)〜(14)を用いて算出した計算値と実測値との対比の1例を下記に示す。運転条件は、次の通りである。
触媒;平均粒径=10μ、Rosin−Rammler式におけるn項=8、
前段重合条件;重合温度70℃、滞留時間1時間
後段重合条件;重合温度70℃、滞留時間1時間
共重合体の平均濃度18.5%(共重合成分はエチレン)
分級器を用いず、且つ後段重合部に化学的添加物質を供給しなかった場合には、共重合体濃度の分布が極めてブロードとなることが算出され、これは実測値とも一致した。また250cm当りのゲル数は計算値が1900であるのに対し、実測値は2000であり、良く一致していた。
【0043】
また分級器は用いないが後段重合部に化学的添加物質を供給した場合には、ゲル数は計算値が1200であるのに対し、実測値は1000以上であった。
さらに分級器を用いたが後段重合部に化学的添加物質を供給しなかった場合には、ゲル数は計算値が400であるのに対し、実測値は500であり、良く一致していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブロック共重合体に占める共重合体の割合と250cm当りのゲル数との関係の1例を示すグラフである。
【図2】ゲル含量の推定法の概要を示す図である。
【図3】計算手順の1例を示す図である。
【図4】前段重量部における重合体粒子の粒径分布の計算値(棒グラフ)と実測値(累積重量曲線)との1例を示すグラフである。
【図5】分級器から排出される重合体粒子の粒径分布の計算値(棒グラフ)と実測値(累積重量曲線)との1例を示すグラフである。
【図6】平均共重合体含有量18.5%のブロック共重合体粒子について、共重合体の含有量の分布(累積重量分布)の計算値と実測値とを対比した1例のグラフである。但し、分級器を用いず、且つ化学的添加物質も供給しない場合の例である。
【図7】図6と同様であるが、分級器を用いず、化学的添加物質を供給した場合の例である。
【図8】図6と同様であるが、分級器を用い、化学的添加物質を供給しない場合の例である。
【図9】図6と同様であるが、分級器を用い且つ化学的添加物質を供給した場合の例である。

Claims (3)

  1. 固体触媒成分の存在下にプロピレンを実質的に単独で重合する前段重合部と、ここで生成した重合体の存在下にプロピレンと他のα−オレフィンとを共重合する後段重合部とを備えた重合装置を用いて、プロピレン系ブロック共重合体を連続的に製造するプロセスから得られるプロピレン系ブロック共重合体のゲル含量の推定方法であって、重合装置の操作条件、固体触媒成分上での重合体粒子の成長モデル式、及び前段重合部及び後段重合部における重合体粒子の滞留時間分布に基いて、製造されるブロック共重合体粒子におけるゴム成分の濃度分布を算出し、この算出値に基いて当該ブロック共重合体のゲル含量を推定することを特徴とする方法。
  2. 前段重合部、分級部及び後段重合部を備えた重合装置を用い、前段重合部では固体触媒成分の存在下にプロピレンを実質的に単独で連続的に重合し、ここで生成した重合体粒子を分級部で分級して大粒子のものを後段重合部に移送し、後段重合部ではこの前段重合部で生成した重合体粒子の存在下にプロピレンと他のα−オレフィンとを連続的に共重合するプロピレン系ブロック共重合体の製造プロセスから得られるプロピレン系ブロック共重合体のゲル含量の推定方法であって、重合装置の操作条件、固体触媒成分の粒径分布、固体触媒成分上での重合体粒子の成長モデル式、及び前段重合部及び後段重合部における重合体粒子の滞留時間分布に基いて、製造されるブロック共重合体粒子におけるゴム成分の濃度分布を算出し、この算出値に基いて当該ブロック共重合体のゲル含量を推定することを特徴とする方法。
  3. ブロック共重合体粒子のうち、ゴム成分の濃度が50重量%以上のものの割合を算出し、この算出値に基いて当該ブロック共重合体のゲル含量を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
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