JP3558583B2 - 電磁式ローラクラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁式ローラクラッチにおいて、非係合時の摩擦損失を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
2つの回転軸間で動力の伝達を断続する電磁式ローラクラッチとして、例えば、特開平10−59011に記載の回転伝達装置が知られている。従来技術として、この電磁式ローラクラッチの概略構成を説明する。
【0003】
図9は従来技術としての回転伝達装置の回転軸を含む断面の断面図である。図10は従来技術としての回転伝達装置の回転軸に直交する断面の断面図である。図11は従来技術としての回転伝達装置について保持器の組み付け状態を示す断面図である。特開平10−59011に記載の装置を示した。この回転伝達装置は、従動部材となる外輪2と、入力軸4とを切断・結合する2方向クラッチである。このクラッチは、図10に示す通り、外輪2の内側が円形になっており、入力軸4は断面が正八角形の角を丸めた形状をなしており、正八角形の各辺が8つのカム面となる。このカム面は、外輪2の内面との間で円周方向の両側が狭幅になる楔状空間を形成している。
【0004】
入力軸4には外周に環状の保持器8が設けられている。保持器8には周方向に8つのポケットが形成され、各ポケット9に係合子としてのローラ10が組込まれている。保持器8は周方向に回動可能になっており、図10中に矢印で示す通り、保持器8の回動に伴ってローラ10の位置も周方向に移動する。ローラ10がカム面の中央付近にある場合(図10の状態)では、ローラ10と外輪2との間には隙間があり、入力軸4と外輪2とは非係合状態にある。ローラ10がカム面の狭幅部分に移動すると外輪2と係合し、外輪2と入力軸4を一体化する。
【0005】
図11に示す通り、保持器8と入力軸4の両者には、周方向の一部に切り欠き1があり、弾性部材であるスイッチバネ13が組み付けられている。保持器8に外力が作用していない状態では、スイッチバネ13の弾性力が周方向に作用し、ローラ10が非係合位置になるよう保持器8を保持する。
【0006】
回転伝達装置には図9に示す通り、入力軸4と外輪2の間に電磁クラッチが組込まれている。この電磁クラッチは、ケース等に固定された電磁石16と、外輪2に固定されたロータ18と、アーマチュア21とからなる。アーマチュア21はロータ18と保持器8の間に設けられており、保持器8に対して回転不能で軸方向の移動は可能となっている。電磁石16に通電するとアーマチュア21が引きつけられ、アーマチュア21とロータ18とが摩擦力で結合した状態となる。この結果、保持器8は外輪2から回転方向の外力を受ける。この外力によって保持器8はスイッチバネ13の弾性力に抗じて周方向に移動し、ローラ10を係合位置に移動させる。こうして回転伝達装置は入力軸4と外輪2とが係合する。
【0007】
電磁石16に通電しない状態では、アーマチュア21とロータ18との間に十分な摩擦力が働かないため、保持器8およびローラ10はスイッチバネ13の弾性力によって非係合位置に保持される。こうして回転伝達装置は非係合状態となる。かかる回転伝達装置は、電磁石16への通電により係合状態と非係合状態を速やかに切り替え可能である利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転伝達装置、即ち電磁式ローラクラッチでは、非係合状態、即ち動力の伝達が行われないはずの状態において、遠心力の作用により、ローラと回転軸との接触が生じ、回転軸の回転を阻害するトルク、いわゆる引きずりトルクを生じることがあった。図12は引きずりトルクの発生原理を示す説明図である。図9〜図11で示した回転伝達装置のローラ10近傍の拡大図を示した。非係合状態にあるとき、ローラ10と外輪2の内面との間には所定のギャップGが存在する。ところが、回転伝達装置が回転すると、ローラ10に遠心力fが作用し、その位置が破線で示す通り移動する。この結果、ローラ10は外輪2の内面に接触し、摩擦力による引きずりトルクが生じる。このトルクは、遠心力fの増大につれて大きくなる。引きずりトルクは非係合時における動力の損失を招いていた。スイッチバネの弾性力が比較的弱い場合には、引きずりトルクによって、ローラが係合位置に移動することもあり、電磁式ローラクラッチの動作が不安定になることもあった。
【0009】
ローラを中心方向に付勢するようにガータスプリングなどの弾性部材を取り付け、上記接触を回避することも可能ではある。しかし、高速回転時には遠心力が大きくなるため、接触を十分に回避することができなかった。さらに図10〜12で示した8角形のカム面を有する場合には、係合時には非係合時よりもローラと回転軸中心との距離が広がる(図12において非係合時の半径r1<係合時の半径r2である)ため、弾性部材はローラの係合位置への移動を阻害する一因ともなっていた。かかる理由から、弾性部材の適用は、安定した係合動作の確保と高速回転時でのひきずりトルクの防止とを両立することが困難であった。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、電磁式ローラクラッチにおいて、安定した動作を確保しつつ、非係合時の引きずりトルクを低減する技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題を解決するために、本発明では第1回転軸と第2回転軸の結合および切り離しを電磁力の作用によって行う電磁式ローラクラッチにおいて、
周方向の位置によって径方向の間隔が異なる擬楔状空間を形成する部材として、前記第1回転軸に固定された内側回転部材、および前記内側回転部材の外周に同心円状に配置され前記第2回転軸に固定された中空の外輪を備え、
前記径方向の間隔の最小値と最大値の間の径を有し、前記擬楔状空間内に配置されたローラと、
前記第1回転軸に対し相対的に回動可能に連結され前記ローラの周方向の動きを規制する第1保持器と、
該第1保持器に固定されるとともに、前記第1回転軸に相対的に回動可能に備えられた第1摩擦係合器と、
前記第2回転軸と相対的に回転不能に備えられた第2摩擦係合器と、
前記第1摩擦係合器と第2摩擦係合器とを吸着する電磁力を作用させる電磁石とを備え、
さらに、前記内側回転部材と一体的に回転可能に組み付けられ、前記擬楔状空間内で前記ローラが前記内側回転部材に接触しながら移動する空間に干渉しない形状、かつ非係合時に前記ローラと前記外輪とが接触しない範囲に該ローラの径方向の動きを規制する形状の剛体の第2保持器とを備えるものとした。なお、回動とは、所定の軸周りに360度に満たない範囲で姿勢を変えられることを意味するものとし、360度以上の範囲で姿勢を変えられる場合には回転という用語を用いるものとする。
【0012】
第2保持器により、非係合時においてローラと外輪との接触を回避することができ、引きずりトルクの発生を回避することができる。第2保持器は、内側回転部材または第1回転軸に固定される機構であり、ガータスプリングのような弾性部材ではなく、通常は剛体の機構として構成される。剛体とは、弾性部材に対する意味の用語であり、運用時の荷重に対しひずみが無視できる程に小さい材料および形状で形成されることを意味する。第2保持器を剛体とすることにより、高速回転時にも上記作用を確保できる。第2保持器は、ローラが移動する空間に干渉しないため、擬楔状空間内でローラが係合位置に移動するのを妨げないため、安定した係合動作を確保することもできる。
【0013】
擬楔状空間は、例えば、外輪の内周を円形とし、内側回転部材を多角形断面として形成することもできるし、外輪の内周を多角形とし、内側回転部材の外周を円形として形成することもできる。本発明の電磁式ローラクラッチは、いずれのタイプにも適用可能である。第2保持器の形状は、外輪、内側回転部材、ローラの形状に応じて、上述の条件下で適宜設定可能である。
【0014】
第2保持器は、外周側から該軸部に力を加えて、即ち外周側からローラを中心方向に押さえることによって動きを規制する機構と、内周側からローラを中心方向に引っ張ることによって動きを規制する機構とに分けられる。
【0015】
前者として、ローラがその径よりも細径の軸部を有している場合には、
例えば、前記第2保持器は、
外周側から該軸部に力を加えて前記規制を行う規制部を有する条件、
前記擬楔状空間における前記ローラの可動範囲では、該規制部の内周面と前記内側回転部材の外周面との間隔が一定値である条件を満足する機構とすることができる。
【0016】
より具体的には、
前記ローラの軸方向両端に前記軸部を備えるものとし、
前記第2保持器は前記第1保持器の外周に位置する機構であり、
前記規制部は前記ローラの軸部を含む軸長よりも狭く、軸部を除く軸長よりも広い幅の孔とすることができる。ローラの軸部を除く中央部分は、孔を移動可能であるが軸部は孔を通り抜けることができない。従って、ローラの周方向の動きは確保しつつ、径方向の動きを規制することができる。
【0017】
第2保持器に付加的な機能を持たせることも可能である。
例えば、前記第2保持器が前記第1保持器の軸方向の動きを規制するよう、前記ローラから軸方向に第1保持器、第2保持器の順にそれぞれが配置され、
前記第1保持器は前記内側回転部材の外周面によって支持されているものとしてもよい。第2保持器は、第1保持器が軸方向に移動するのを規制する機能も果たす。第1保持器を内側回転部材で支持することにより、軸方向の小型化を図ることができる。第2保持器に第1保持器を支持させることも可能ではあるが、内側回転部で第1保持器を支持することにより、回転中心から支持部までの距離を短縮できるため、支持部で生じる摩擦トルクを抑制できる。従って、クラッチの係合および切り離し時の第1保持器の回動を小さいトルクで安定して行うことが可能となる。
【0018】
第2保持器について、後者の機構、即ち、内周側からローラを中心方向に引っ張ることによって動きを規制する機構としては、例えば次の構成が挙げられる。前記第2保持器は、前記ローラの中心と前記内側回転部材または前記第1回転軸とを連結する機構であり、
該第2保持器が連結される内側回転部材または第1回転軸には、前記擬楔状空間における前記ローラの可動範囲において、前記ローラの中心と一定の距離を保った状態で該連結部が移動可能な連結部移動機構が備えられている構成である。
【0019】
連結はローラの中心に挿入孔を設け、第2の保持器に該挿入孔への挿入軸を設けるものとしてもよいし、第2の保持器をローラの中心部にピン等で止めてもよい。連結部移動機構は、例えば、内側回転部材に上記要件を満足するカム溝を設け、第2の保持器にカム溝中を移動するカム部を設けることにより実現できる。
【0020】
本発明は、2つの回転軸の係合および切り離しを行う機構として構成する他、第1ないし第3の回転軸と、該第1回転軸と第2回転軸との係合および切り離しを行う第1電磁式ローラクラッチ機構と、該第2回転軸と第3の回転軸との係合および切り離しを行う第2電磁式ローラクラッチ機構とを備える電磁式2段クラッチとして構成することも可能である。かかる場合には、前記第1および第2電磁式ローラクラッチとして、上述した本発明の電磁式ローラクラッチを適用すればよい。また、該第1および第2電磁式ローラクラッチを、同心円状に配置することが好ましい。いわゆる2段クラッチとしての構成である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.全体構成
B.内側回転部の構成
C.中間回転部の構成
D.外側回転部の構成
E.保持器の構成
F.電磁式2段クラッチの動作
G.第2実施例
H.電磁式2段クラッチの適用例
【0022】
A.全体構成:
図1は実施例としての電磁式2段クラッチの概略構成を示す説明図である。回転軸を含む断面の上半分を示した。実施例のクラッチは、3つの回転ユニットと1つの固定ユニットから構成される。回転ユニットは回転軸中心から内側回転部100、中間回転部200、外側回転部300の順に配置され、それぞれ軸受501〜504により相対的に回転可能に組み付けられている。本実施例では、軸受501,502として針状ころ軸受を適用して径方向の小型化を図った。軸受503、504は玉軸受を適用した。各回転部の構成は後で詳述する。
【0023】
固定ユニット400は磁性体で形成され、電磁石を形成するコイル401,403を収納するコア402,404を有している。固定ユニット400はボルト405によりクラッチの収納ケース等に固定されている。
【0024】
B.内側回転部の構成:
図2は内側回転部100の構成を示す説明図である。図1から内側回転部100に相当する部分のみを抜き出して示した。内側回転部100の動力伝達軸は内軸101である。内軸101の外周にはカム102がスプライン嵌合されている。カム102は正十角形の角を丸めた断面形状をなしている。詳細は後述する。カム102は内軸101と一体成形しても構わない。
【0025】
カム102の外周には第1保持器120およびローラ104が周方向に回動可能に組み付けられている。第1保持器120はカム102の外周面で支持されている。第1保持器120にはカム102の各辺に対応した10カ所のポケットがあり、それぞれに10個のローラ104が入っている。詳細は後述する。ローラ104は、後述する通り、内軸101と中間軸201との係合子として機能する。
【0026】
第1保持器120の外周側には第2保持器130が組み付けられている。第2保持器130はカム102に固定されている。第2保持器130の形状の詳細は後述する。第2保持器130は、第1保持器120を挟んでローラ104と反対側に取り付けられており、第1保持器120が軸方向に脱落するのを防止する機能も果たしている。
【0027】
第1保持器120およびカム102には従来の回転伝達装置(図11参照)と同様の形式でスイッチバネ103が取り付けられている。スイッチバネ103の弾性力により、非係合時にローラ104はニュートラル位置に保持される。
【0028】
スイッチバネ103は、突起106を設けたスイッチバネ押えによって組み付けられている。また、この突起106には円盤状のアマチュア107がはめ込まれている。アマチュア107は突起106があるため、保持器120と一体的に所定範囲で回動する。但し、アマチュア107は突起106に固定されている訳ではなく、若干の隙間をもってはめ込まれており、軸方向に移動可能であり、電磁力の作用によって、後述する中間軸201の径方向側面210に吸着される。アマチュア107は離反バネ108により中間軸201の径方向側面210から離反する方向に付勢されている。
【0029】
C.中間回転部の構成:
図3は中間回転部200の構成を示す説明図である。図1から中間回転部200に相当する構成を抜き出して示した。中間回転部200の動力伝達軸は中間軸201である。中間軸201は鋼で形成されており、図示する通り、円盤状の径方向側面210を挟んで太径部と細径部とを有している。径方向側面210には、内側電磁クラッチユニットが動作する際に磁気回路の形成を助けるスリット211a,211bが設けられている。
【0030】
太径部の外周には以下に示す通り内側回転部と同様の機構が組み付けられている。カム202は太径部にスプライン嵌合される。カム202の外周にはローラ204と第1保持器220が組み付けられる。第1保持器220はカム202の外周面で回動可能に支持される。第1保持器220の外周には、第2保持器230が組み付けられる。第2保持器230はカム202に固定され、第1保持器220が軸方向に脱落するのを防止する機能も果たす。第1保持器220には、突起206を有するスイッチバネ押えによって、スイッチバネ203が組み付けられている。突起206には、電磁力によって後述するロータ302に吸着されるアマチュア207が嵌められる。このアマチュア207には、後述するロータ302から離反させる方向に付勢する離反バネ208が設けられている。
【0031】
D.外側回転部の構成:
図4は外側回転部300の構成を示す説明図である。図1から外側回転部300に相当する部分を抜き出して示した。外側回転部300の動力伝達軸は外軸301である。外軸301にはコイル401に対向する部位にロータ302がはめ込まれている。ロータ302は磁性体でリング形状に形成されており、外軸301と一体的に回転する。ロータ302の回転を妨げないよう、ロータ302とコイル401との間にはわずかの隙間が設けてある。ロータ302には、アマチュア207を吸着する磁気回路の形成を助けるスリット311a,311bが設けられている。外軸301はその動力をチェーンベルトで抽出できるよう、一部がスプロケット303となっている。
【0032】
E.保持器の構成:
図5はカムおよび保持器の構成を示す説明図である。図5(a)は第2保持器130についての外周面からの視図である。図5(b)は第1保持器120についての外周面からの視図である。図5(c)は回転軸に直交する断面におけるクラッチの断面図である。図示の都合上、一部のみを示した。図示を省略したが、中間軸201に組み付けられる第2保持器230,第1保持器220は、それぞれ図5(a)、図5(b)と同様の形状である。
【0033】
図5(c)に示す通り、カム102,202の外周は、多角形の断面形状である。中間軸201および外軸301の内周面は円形断面であるため、これらとカム102,202との間には、中央部よりも両側の間隔が狭い擬楔状空間が形成される(図中の領域A)。ローラ104、204はそれぞれこの擬楔状空間内に保持されている。ローラ104,204の径は、擬楔状空間の間隔の最大値よりも小さく、最小値よりも大きい。従来技術(図9〜図11)で説明した機構と同様、ローラ104,204が擬楔状空間の中央付近にあるとき、ローラ104、204と中間軸201、外軸301の内周面との間には所定のギャップが存在し、クラッチは解放状態となる。ローラ104,204が擬楔状空間内で両脇の間隔が狭い部分に移動すると、クラッチは係合状態となる。
【0034】
ローラ104,204の周方向の位置は第1保持器120,220で規制される。図5(b)に示す通り、第1保持器120にはローラを収納するポケット121が設けられている。図示する通り、ローラ104には、両端に細い径の軸104aが設けられている。ポケット121は軸104aも含むローラ104の最大軸長およびローラ104の最大径よりも広い幅を有している。ローラ104はこのポケット121に保持されることによって周方向の位置が規制される。ローラ204の形状およびそれを保持する第1保持器220の形状も同様である。
【0035】
第2保持器130、230は第1保持器120、220の外周面を覆うように取り付けられている。図5(a)に示す通り、第2保持器130には、ローラ104を収納するポケット131が設けられている。ポケットは、軸方向については、ローラ104の軸104aを含む軸長よりも狭く、軸104aを除く軸長よりも広い幅で形成されている。ローラ104はポケット131の両側のリム部132に軸104aが当たるため、第2保持器130によって径方向の動きが規制される。なお、第2保持器130は、ローラ104の外周面の一部が外側に突出する範囲に肉厚が抑制されている。
【0036】
ポケット131は、周方向については、ローラ104の移動を妨げない範囲で設けられている。つまり、周方向のサイズは、ローラ104の径よりも十分大きい。図6は領域Aの拡大図である。図示する通り、リム部132の内周面132iは、ローラ104の移動を妨げないようカム102の外周面102cと平行に形成されている。この結果、両者の間隔は一定に保たれるため、図中に示す通り、ローラ104は両脇の係合位置P1,P2間を第1保持器120の回動に伴って移動することができる。ローラ204を保持する第2保持器230も同様の形状となっている。
【0037】
先に説明した通り、第1保持器120,220はそれぞれカム102,202に支持されている。図6中に支持部の形状を併せて示した。カム102は多角形の角を丸めた形状をなしている。図中の領域CPに示す通り、第1保持器120は、カム102の角を丸めた部分を軸受代わりとして支持されている。第1保持器220も同様にカム202によって支持されている。
【0038】
F.電磁式2段クラッチの動作:
本実施例の電磁式2段クラッチは、内軸101と中間軸201との間に内側電磁クラッチユニットが組み付けられ、中間軸201と外軸301との間に外側電磁クラッチユニットが組み付けられている。内側電磁クラッチユニットは、内側回転部100と中間軸201および径方向側面210、並びにコイル403,コア404で構成される。内軸101が第1回転軸、中間軸201が第2回転軸に相当する。アマチュア107が第1摩擦係合器、径方向側面210が第2摩擦係合器に相当する。外側電磁クラッチユニットは、中間回転部200と外軸301,ロータ302、およびコイル401、コア402で構成される。中間軸201が第1回転軸、外軸301が第2回転軸に相当する。アマチュア207が第1摩擦係合器、ロータ302が第2摩擦係合器に相当する。
【0039】
コイル401、403に通電していない状態では、外側クラッチユニットおよび内側クラッチユニットの第1および第2摩擦係合器は、それぞれ接触していない状態にあり、内軸101、中間軸201、外軸301は互いに切り離された状態となる。コイル401に通電するとアマチュア207がロータ302に吸着され両者の間に摩擦力が生じる。コイル403に通電するとアマチュア107が径方向側面210側に吸着され両者の間に摩擦力が生じる。
【0040】
これらの摩擦力が小さい間は、スイッチバネ103,203の弾性力に逆らってローラを係合させることができない。十分な摩擦力が作用すると、摩擦力によるトルクがスイッチバネ103,203の弾性力にうち勝つようになり、第1保持器120,220を回動させ(図6中のDIR1またはDIR2方向)、ローラ104,204を係合位置に移動させる。この結果、電磁クラッチユニットは、係合状態となり、ローラ104,204を介してトルクが伝達される。コイル401,403への通電制御は、例えば、トランジスタやサイリスタ等のスイッチング素子を用い、そのデューティ制御によって行うことができる。
【0041】
以上で説明した電磁式2段クラッチによれば、第2保持器130,230の作用によって非係合時の引きずりトルクを回避することができる。先に説明した通り、第2保持器130,230は、リム部132によってローラ104,204の径方向の動きを規制する。図6に示す通り、非係合時に遠心力Fが作用しても、ローラ104,204は中間軸201、外軸301との間のギャップGPが維持される。本実施例のクラッチは、かかる作用により、非係合時の引きずりトルクを回避できる。
【0042】
第2保持器130,230をクラッチの運転時にローラ104,204に作用する遠心力を考慮して、接触を回避できる十分な強度を有する材質、形状で構成すればよい。弾性力を付与してローラ104,204の径方向の動きを規制する機構と異なり、第2保持器130,230はローラ104,204の係合動作を妨げないため、高速回転時にも十分な強度を持たせることが可能である。
【0043】
G.第2実施例:
図7は第2実施例としての電磁式2段クラッチの概略構成を示す説明図である。第1実施例のクラッチに対し、内側回転部100A、中間回転部200Aの構成が相違する。それぞれカム102A、202A、ローラ104A,204A、第1保持器120A,220A、および第2保持器140,240の形状が第1実施例と相違する。その他の構成は、第1実施例と同様である。
【0044】
第2保持器140,240は、ローラ104A、204Aとカム102A,202Aとを連結するJ字型の部材である。ローラ104A、204Aには挿入孔が設けられており、ここに第2保持器140,240の長軸部が挿入される。カム102A,202Aにはカム溝が設けられており、ここに第2保持器140,240の短軸部が挿入される。
【0045】
図8は保持器の構成を示す説明図である。図8(a)は第1保持器の外周面からの視図である。図8(b)は図7中の切断線B−Bにおけるクラッチの断面図である。
【0046】
図8(b)に示す通り、第2保持器140,240は、ローラ104A,204Aの挿入孔と、カム102Aに設けられたカム溝145、カム202Aに設けられたカム溝245とを連結する。カム溝145は、カム102Aの外周面102sと平行に設けられている。ローラ104Aの中心とカム溝145との距離は一定に保たれるため、第2保持器140はローラ104Aの係合位置P1,P2間の移動を妨げない。同様にカム溝245もカム202Aの外周面に平行に設けられている。
【0047】
図8(a)に示す通り、第1保持器120Aには、ローラ104Aおよび第2保持器140を収納するポケット121Aが設けられている。このポケット121Aの作用によりローラ104Aは周方向の位置が規制される。ローラ204Aを収納する第1保持器220Aも同様の形状である。
【0048】
第2実施例の電磁式クラッチによれば、第2保持器140,240によってローラ104A、204Aの径方向の動きを規制することができる。従って、非係合時の引きずりトルクを回避できる。第2保持器140,240はローラ104A,204Aの係合位置への移動を妨げないので、安定した係合動作を確保することもできる。
【0049】
なお、第2保持器140,240は、ローラとカムとを連結する種々の機構を適用可能である。挿入孔に挿入する構成の他、ローラまたはカムにピンで連結される構成としてもよい。カムとの連結部には、ローラの移動時のガタを防止する機構を設けることが好ましい。例えば、第2保持器140,240の形状をカムとの連結部ではカム溝に沿った幅広形状とすればよい。
【0050】
H.電磁式2段クラッチの適用例:
実施例の電磁式2段クラッチは、一つの回転軸と他の2つの回転軸との結合状態を切り替える必要がある種々の装置に適用することができる。例えば、車両に適用することにより、駆動軸を自在に切り替えることが可能となる。この場合は、エンジンを中間軸201に結合し、前車軸を内軸101、後車軸を外軸301に結合すればよい。中間軸201と内軸101とを結合すれば、前輪駆動車両となる。中間軸201と外軸301とを結合すれば、後輪駆動車両となる。中間軸201を内軸101、外軸301の双方に結合すれば、四輪駆動車両となる。また、同様にモータとエンジンと動力源として備えるハイブリッド車両に適用することもできる。
【0051】
このように本実施例の電磁式2段クラッチは、3つの回転軸のうち2つの回転軸の結合状態の切り替えが要求される種々の装置において有効に適用することができる。上述の例では、車両およびハイブリッド車両への適用を挙げたが、これらに限定されるものではない。
【0052】
また、以上の説明では、電磁式2段クラッチおよびその適用例を例示した。本実施例は、必ずしも2段クラッチとして構成する必要はなく、2軸の係合および切り離しを行う機構、即ち、通常のクラッチ機構として構成してもよい。かかる構成は、例えば、実施例の2段クラッチにおける内側クラッチユニットまたは外側クラッチユニットのいずれか一方を用いることにより容易に実現可能である。但し、2段クラッチでは、外側クラッチユニットの半径が比較的大きく、引きずりトルクが大きくなるため、その低減効果が特に有効である。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての電磁式2段クラッチの概略構成を示す説明図である。
【図2】内側回転部100の構成を示す説明図である。
【図3】中間回転部200の構成を示す説明図である。
【図4】外側回転部300の構成を示す説明図である。
【図5】カムおよび保持器の構成を示す説明図である。
【図6】領域Aの拡大図である。
【図7】第2実施例としての電磁式2段クラッチの概略構成を示す説明図である。
【図8】保持器の構成を示す説明図である。
【図9】従来技術としての回転伝達装置の回転軸を含む断面の断面図である。
【図10】従来技術としての回転伝達装置の回転軸に直交する断面の断面図である。
【図11】従来技術としての回転伝達装置について保持器の組み付け状態を示す断面図である。
【図12】引きずりトルクの発生原理を示す説明図である。
【符号の説明】
100、100A…内側回転部
101…内軸
102,102A…カム
102c、102s…外周面
103…スイッチバネ
104、104A…ローラ
104a…軸
106…突起
107…アマチュア
108…離反バネ
120、120A…第1保持器
121、121A…ポケット
130…第2保持器
131…ポケット
132…リム部
132i…内周面
140…第2保持器
145…カム溝
200…中間回転部
200A…中間回転部
201…中間軸
202、202A…カム
203…スイッチバネ
204、204A…ローラ
206…突起
207…アマチュア
208…離反バネ
210…径方向側面
211a,211b…スリット
220、220A…第1保持器
230…第2保持器
240…保持器
245…カム溝
300…外側回転部
301…外軸
302…ロータ
303…スプロケット
311a,311b…スリット
400…固定ユニット
401,403…コイル
402,404…コア
405…ボルト
501〜504…軸受

Claims (6)

  1. 第1回転軸と第2回転軸の結合および切り離しを電磁力の作用によって行う電磁式ローラクラッチであって、
    周方向の位置によって径方向の間隔が異なる擬楔状空間を形成する部材として、前記第1回転軸に固定された内側回転部材、および前記内側回転部材の外周に同心円状に配置され前記第2回転軸に固定された中空の外輪を備え、
    前記径方向の間隔の最小値と最大値の間の径を有し、前記擬楔状空間内に配置されたローラと、
    前記第1回転軸に対し相対的に回動可能に連結され前記ローラの周方向の動きを規制する第1保持器と、
    該第1保持器に固定されるとともに、前記第1回転軸に相対的に回動可能に備えられた第1摩擦係合器と、
    前記第2回転軸と相対的に回転不能に備えられた第2摩擦係合器と、
    前記第1摩擦係合器と第2摩擦係合器とを吸着する電磁力を作用させる電磁石とを備え、
    さらに、前記内側回転部材と一体的に回転可能に組み付けられ、前記擬楔状空間内で前記ローラが前記内側回転部材に接触しながら移動する空間に干渉しない形状、かつ非係合時に前記ローラと前記外輪とが接触しない範囲に該ローラの径方向の動きを規制する形状の剛体の第2保持器とを備える電磁式ローラクラッチ。
  2. 請求項1記載の電磁式ローラクラッチであって、
    前記ローラは、その径よりも細径の軸部を有しており、
    前記第2保持器は、
    外周側から該軸部に力を加えて前記規制を行う規制部を有する条件、
    前記擬楔状空間における前記ローラの可動範囲では、該規制部の内周面と前記内側回転部材の外周面との間隔が一定値である条件を満足する機構である電磁式ローラクラッチ。
  3. 請求項2記載の電磁式ローラクラッチであって、
    前記ローラは、その軸方向両端に前記軸部を備えており、
    前記第2保持器は前記第1保持器の外周に位置する機構であり、
    前記規制部は前記ローラの軸部を含む軸長よりも狭く、軸部を除く軸長よりも広い幅の孔である電磁式ローラクラッチ。
  4. 請求項2記載の電磁式ローラクラッチであって、
    前記第2保持器が前記第1保持器の軸方向の動きを規制するよう、前記ローラから軸方向に第1保持器、第2保持器の順にそれぞれが配置され、
    前記第1保持器は前記内側回転部材の外周面によって支持されている電磁式ローラクラッチ。
  5. 請求項1記載の電磁式ローラクラッチであって、
    前記第2保持器は、前記ローラの中心と前記内側回転部材または前記第1回転軸とを連結する機構であり、
    該第2保持器が連結される内側回転部材または第1回転軸には、前記擬楔状空間における前記ローラの可動範囲において、前記ローラの中心と一定の距離を保った状態で該連結部が移動可能な連結部移動機構が備えられている電磁式ローラクラッチ。
  6. 第1ないし第3回転軸と、該第1回転軸と第2回転軸との係合および切り離しを行う第1電磁式ローラクラッチ機構と、該第2回転軸と第3回転軸との係合および切り離しを行う第2電磁式ローラクラッチ機構とを備える電磁式2段クラッチであって、
    前記第1および第2電磁式ローラクラッチは、請求項1〜請求項5いずれか記載の電磁式ローラクラッチであり、
    かつ、該第1および第2電磁式ローラクラッチが、同心円状に配置された電磁式2段ローラクラッチ。
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