JP3556603B2 - 自動車における二重質量の振動減衰フライホイール - Google Patents
自動車における二重質量の振動減衰フライホイール Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車における二重質量の振動減衰フライホイールに係るもので、更に詳しくは、二重質量によるエンジンの出力トルク衝撃緩和及び駆動系のねじり振動を減衰させることができるようにした自動車における二重質量の振動減衰フライホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、エンジンからは膨張行程だけが出力行程になって、吸入、圧縮及び排気行程は出力減少されることによって、爆発ストロークにおいて、回転動力はさらに大きく、他のストローク(インテークストロークまたは排気ストローク)は減少する。これによって、エンジンの回転速度も周期的に変動するので、これを防ぐためにフライホイールを設置する。
【0003】
即ち、エンジンの脈動的な回転をフライホイールの慣性力を用いて円滑な回転に変える。上記フライホイールはクランク軸に装着された鋳鉄で作られた慣性輪であって外周にリングギヤをはめ込む。前記リングギヤは起動電動機のピニオンギヤと噛み合ってエンジンを起動させる時のみに用いられる。
【0004】
なお、クランク軸には混合気が燃焼することによって発生した回転力が脈動して伝達されるが、フライホイールは慣性によって一定の速度で回転するので、均一な回転力を得ることができる。フライホイールの外径が大きく、且つ、質量が大きければ大きいほど慣性力が大きくなるので、エンジンの回転数が変動しない。これによって、加速ペダルが開閉することに応じて応答が鈍くなるので、エンジンの性能に合う適宜な大きさと質量を有したフライホイールを選んで用いている。
【0005】
しかしながら、エンジンのトルク出力が増加する及びトランスミッションのギヤ比が減少すること等のトルク変動が増加することで、既存のフライホイールの機能だけではエンジンの回転振動を制御するには限界があった。
従って、従来技術では、エンジンの始動及び起動時にトルク変動を更に効果的に減らすことができるフライホイールが求められている。
【0006】
二重質量の振動減衰フライホイールとは、既存の一つのフライホイールを二つに分けて、エンジン側に連結された一次質量と、クラッチを介してトランスミッションに連結される二次質量とで構成されたものであって、この二つの質量との間に適宜に連結できるように振動ダンパを装着したものをいう。
前記振動ダンパは、一般的なスプリング又はこれと類似する機能を有する弾性媒介体として構成されている。二つの質量間の連結を維持しながら回転トルクを伝達する機能を有し、フライホールの円周上又は半径方向に配置されている。
【0007】
前記した装置では弾性媒介体の弾性作用と摩擦による減衰によって、第1に、エンジンのトルク衝撃を緩和させる機能を有し、第2に、エンジンのアイドル状態、常用領域等においての駆動系のねじり振動に対して減衰作用が行われるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような装置においては、一次質量と二次質量との間に相対的な回転が発生する場合に、スプリングの回転角に応じる均一圧縮により、作動トルクの大きさを回転角に応じて調節することができないという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は、前記した問題点を解決するために案出したものであって、本発明の目的は、エンジンの特性及び走行状態に応じてドライブプレートの機能を調節し、二重質量のフライホイールの緩衝効果を具現するのに必要な理想的なトルク曲線を容易に実現し得るようにした自動車における二重質量の振動減衰フライホイールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、自動車における一次質量と二次質量とを有する二重質量の振動減衰フライホイールにおいて、エンジンのクランク軸の端と連結されるハブプレートの外周面に固定された一次質量と、前記一次質量の一側面に一定間隔で位置し、上記ハブプレートの外周面に密着して装着され、リベット穴を有する中央部と、該中央部に連続し、前記中央部の両側に対向して設けられ外周部に延びる、前記エンジンの 回転のトルク変化特性に応じて形成された形状が斧型の斧型部とを有する、ドライブプレートと、前記ドライブプレートを包囲して上記一次質量と締め合わされるカバーと、座屈防止と耐久強さとを向上させるために前記一次質量と前記カバーの面の間に形成されたスプリングシートに装着される前記ドライブプレートによって圧縮されるメインスプリングおよびサブスプリングと、前記メインスプリングと前記サブスプリングの端に位置して前記ドライブプレートと接触して転回するローラーと、前記ドライブプレートの前記中央部の前記リベット穴とリベットで連結されており前記ハブプレートの前記斧型部の外周面とボールベアリングによって接触する二次質量と、前記メインスプリングと前記サブスプリングを支持するスプリングガイドとから構成されることを特徴とする。
前記ドライブプルートは、中央部と、この中央部に連続して中央部の両側に対向して外周に延びる形状が斧型又は弧型等の斧型部とを有する。斧型部の形状は、成形調節により、二重フライホイールのトーション特性(トルク変化特性)曲線を円滑に具現するための形状にされることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、従来のフライホイールを二重の質量に分離して、その間に弾性媒介体と減衰を誘発し得る器具を挿入することによって、圧縮コイルスプリングとローラー、かつ、前記ローラーで支持された圧縮コイルスプリングによって回転するドライブプレートの斧型部の形状を調節して、ドライブプレートが回転する時においてエンジンの特性及び走行状態に応じてトルク曲線を調節でき、ドライブプレートの側面の加工程度に応じて減衰力を調節し得るドライブプレートの設計が可能で、これによって、二重質量の振動減衰フライホイールのダンパをチューニングする時において理想的な履歴曲線(hysteresis)を容易に具現し、最適な振動減衰効果を得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明による二重質量のフライホイールの側断面図であって、一次質量1はドライブプレート4がリベット13で結合された二次質量2とベアリング11にて支持されるように構成される。
この時、上記一次質量1の一側面には弧型のドライブプレート4が一定間隔で位置されて上記ハブプレート6の外周面に密着されて装着される。
図3に図解したように、上記ドライブプレート4の中央部4aにリベット穴22が形成されており、中央部4aの両側にこの中央部4aに連続し、中央部4aの両側に対向して外周に延びる形状が斧型をして斧型部4bはを有する。すなわち、このドライブプレート4は斧型の弧型を有した形状で形成される。
ここで上記ドライブプレート4 を包囲して上記一次質量1 とリベットティングでカバー5 が装着されれば上記一次質量1とカバー5の間にはスプリングシートが形成されて、上記ドライブプレート4によって圧縮されるメインスプリング7およびサブスプリング8が設置されて、このメインスプリング7とサブスプリング8の端には上記ドライブプレート4と接触して転回するローラ9が位置する。
ここで、前記一次質量1とカバー5の面に形成されたスプリングシートがあり、この内側と外側には二つのメインスプリング7、サブスプリング8が二重質量のフライホイールの中心を基準として両方向に設置されており、この一次質量1とカバー5とを、リベット14でつなぎ、この間にグリース21を充填してキャップ19で防いで密封する。
【0013】
なお、前記一次質量1内にトルクリミッタ16が装着されている。この時、スプリングの最大圧縮時に作動してスプリングに掛けられる弾性荷重を分担して受けるようになっている、柔らかいエラストマー弾性材質を用いて同荷重とかトルクの急激な変動に対して衝撃を吸収するように構成される。
【0014】
図面中で6はハブプレート (hub plate)、9はローラー、11はボールベアリング、12はニードルベアリングを示している。
【0015】
このように構成された本発明は、エンジンのトルク変動が生じると、一次質量1の回転力が大きくなって、ドライブプレート4との相対回転運動が発生するようになる。この時、ドライブプレート4は、スプリング7,8との相対運動によってスプリング7,8を圧縮させ、かつ、圧縮される回転角度に応じてドライブプレート4がスプリング7,8を圧縮させる圧縮点が異なり、これによって、ローラー9はドライブプレート4の面を転ぶことになり、ドライブプレート4が回転することによってスプリング7,8の圧縮量が異なる。これによって、前記したドライブプレート4の形状を変更することによって回転角は同じでもスプリング7,8に貯蔵されるトルクは異なる。
【0016】
図2は、本発明による二重質量のフライホイールのアッセンブリを示した平面図であって、ローラー9は、二つの圧縮コイルスプリングであるメインスプリング7、サブスプリング8を支持する役割を行っており、これはドライブプレート4の端部に設置されている。
【0017】
図3は、本発明による二重質量のフライホイールのドライブプレート4を示した平面図であって、ドライブプレート4は、その端部にローラー9が支持されており、中央部4aにリベット穴22が形成され、図2に図解したように、リベット13で二次質量2と連結されており、これらはボールベアリング11でハブプレート6の外部と結合支持されている。
【0018】
上記ドライブプレート4の形状は、リベット穴22が形成された中央部4aと、この中央部4aと連続し、中央部4aの両側に対向して外周に延びる形状が斧型の斧型部4bとを有する形状をしている。斧型部4bの形状は、エンジンの回転のトルク変化特性に応じて最適化して設計され、添付した図3に図示したように斧型の形状に設計することが望ましい。
【0019】
ドライブプレート4の斧型部4bの形状は、、図解した例示に限らず、車種別の互いに異なるエンジンの回転トルクの変化特性に応じてその他の形状でも適宜設計して適用することができる。
【0020】
図4(a) 及び図4(b) は、本発明による二重質量のフライホイールのローラーアッセンブリを示した平面及び断面図であって、ローラー9は、二重質量のフライホイールの両側で内側と外側に重ねているメイン圧縮型コイルスプリング7とサブ圧縮型コイルスプリング8に装着されてドライブプレート4を支持している。
【0021】
カバー5はドライブプレート4を包囲していて、その内部に圧縮型コイルスプリングになっているメイン圧縮型コイルスプリング7とサブ圧縮型コイルスプリング8がシーティング(Seating) になることができる構造になっている。
【0022】
図5(a) 及び図5(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの一次質量1を示した正面及び断面図であって、両側が圧縮コイルスプリングが装着されることができる構造になっている。
【0023】
即ち、一次質量1はカバー5と共にドライブプレート4を包囲して、その内部に圧縮コイルスプリングになっているメイン圧縮型コイルスプリング7とサブ圧縮型コイルスプリング8がシーティングになることができる構造になっている。
【0024】
図6(a) 及び図6(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの二次質量2を示した正面及び断面図である。
【0025】
図7は、二重質量のフライホイールの装着と未装着時のトルク低減能力を示すグラフであって、フライホイールの目的である振動減衰を、時間の経過に応じて既存形態のフライホイールの装着時と二次質量のフライホイールを装着する時においてのトルクの変動量を示しており、二重質量のフライホイールを装着すると、トルクの変動量が遙かに減ることになる。
【0026】
図8は、本発明によって具現できる二重質量のフライホイールの履歴曲線であって、揺動角が大きくなることによって、トルクの大きさが3段の傾きを有していることを示しており、アイドル領域と走行領域と負荷変動になっている。この履歴曲線は、ドライブプレート4の大きさと形状に応じて可変に製作できる。
【0027】
従来の画一化になっている走行領域の履歴曲線が柔らかい曲線になっているのに対し、本発明においては、揺動角の大きさに応じてアイドル領域と走行領域、かつ、可変領域に分けて具現することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、圧縮コイルスプリングとローラー、かつ、このローラによって支持された圧縮コイルスプリングによって回転するドライブプレートの形状を調節して、二重質量の振動減衰フライホイールのダンパをチューニングする時、理想的な履歴曲線を容易に具現し、ギヤのラトル(rattle)を消音する等、トランスミッションから発生する振動消音を最適低減することができる。
なお、本発明は、エンジンの特性及び走行状態に応じてドライブプレートの形状を調節し、二重質量のフライホイールの緩衝効果を具現するのに必要な理想的なトルク曲線を容易に実現できる。
さらに本発明は、フライホイールの部品を単純化し最小化して製造原価を節減し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による二重質量のフライホイールを示した側断面図である。
【図2】本発明による二重質量のフライホイールのアッセンブリを示した平面図である。
【図3】本発明による二重質量のフライホイールのドライブプレートを示した平面図である。
【図4】図4(a) は、本発明によるローラーのアッセンブリを示した平面図であり、図4(b) は、本発明によるローラーのアッセンブリを示した断面図である。
【図5】図5(a) は、本発明による二重質量のフライホイールの一次質量を示した正面図であり、図5(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの一次質量を示した断面図である。
【図6】図6(a) は、本発明による二重質量のフライホイールの二次質量を示した正面図であリ、図6(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの二次質量を示した断面図である。
【図7】二重質量のフライホイールの装着時においての変速機の入力軸角加速度低減能力を示すグラフである。
【図8】本発明による二重質量のフライホイールの履歴曲線を示す図面である。
【符号の説明】
1 …一次質量、2 …二次質量、3 …リングギヤ、4 …ドライブプレート、4a…中央部、4b…斧型部、5 …カバー、6 …ハブプレート、7 …メインスプリング、8 …サブスプリング、9 …ローラー、10…シールカバー、11…ボールベアリング、12…ニードルベアリング、13, 14…リベット、15, 17…ドウェルピン、16…トルクリミッタ、18…ボルト、19…キャップ、20…O−リング、21…グリース、22…リベット穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車における二重質量の振動減衰フライホイールに係るもので、更に詳しくは、二重質量によるエンジンの出力トルク衝撃緩和及び駆動系のねじり振動を減衰させることができるようにした自動車における二重質量の振動減衰フライホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、エンジンからは膨張行程だけが出力行程になって、吸入、圧縮及び排気行程は出力減少されることによって、爆発ストロークにおいて、回転動力はさらに大きく、他のストローク(インテークストロークまたは排気ストローク)は減少する。これによって、エンジンの回転速度も周期的に変動するので、これを防ぐためにフライホイールを設置する。
【0003】
即ち、エンジンの脈動的な回転をフライホイールの慣性力を用いて円滑な回転に変える。上記フライホイールはクランク軸に装着された鋳鉄で作られた慣性輪であって外周にリングギヤをはめ込む。前記リングギヤは起動電動機のピニオンギヤと噛み合ってエンジンを起動させる時のみに用いられる。
【0004】
なお、クランク軸には混合気が燃焼することによって発生した回転力が脈動して伝達されるが、フライホイールは慣性によって一定の速度で回転するので、均一な回転力を得ることができる。フライホイールの外径が大きく、且つ、質量が大きければ大きいほど慣性力が大きくなるので、エンジンの回転数が変動しない。これによって、加速ペダルが開閉することに応じて応答が鈍くなるので、エンジンの性能に合う適宜な大きさと質量を有したフライホイールを選んで用いている。
【0005】
しかしながら、エンジンのトルク出力が増加する及びトランスミッションのギヤ比が減少すること等のトルク変動が増加することで、既存のフライホイールの機能だけではエンジンの回転振動を制御するには限界があった。
従って、従来技術では、エンジンの始動及び起動時にトルク変動を更に効果的に減らすことができるフライホイールが求められている。
【0006】
二重質量の振動減衰フライホイールとは、既存の一つのフライホイールを二つに分けて、エンジン側に連結された一次質量と、クラッチを介してトランスミッションに連結される二次質量とで構成されたものであって、この二つの質量との間に適宜に連結できるように振動ダンパを装着したものをいう。
前記振動ダンパは、一般的なスプリング又はこれと類似する機能を有する弾性媒介体として構成されている。二つの質量間の連結を維持しながら回転トルクを伝達する機能を有し、フライホールの円周上又は半径方向に配置されている。
【0007】
前記した装置では弾性媒介体の弾性作用と摩擦による減衰によって、第1に、エンジンのトルク衝撃を緩和させる機能を有し、第2に、エンジンのアイドル状態、常用領域等においての駆動系のねじり振動に対して減衰作用が行われるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような装置においては、一次質量と二次質量との間に相対的な回転が発生する場合に、スプリングの回転角に応じる均一圧縮により、作動トルクの大きさを回転角に応じて調節することができないという問題点があった。
【0009】
従って、本発明は、前記した問題点を解決するために案出したものであって、本発明の目的は、エンジンの特性及び走行状態に応じてドライブプレートの機能を調節し、二重質量のフライホイールの緩衝効果を具現するのに必要な理想的なトルク曲線を容易に実現し得るようにした自動車における二重質量の振動減衰フライホイールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、自動車における一次質量と二次質量とを有する二重質量の振動減衰フライホイールにおいて、エンジンのクランク軸の端と連結されるハブプレートの外周面に固定された一次質量と、前記一次質量の一側面に一定間隔で位置し、上記ハブプレートの外周面に密着して装着され、リベット穴を有する中央部と、該中央部に連続し、前記中央部の両側に対向して設けられ外周部に延びる、前記エンジンの 回転のトルク変化特性に応じて形成された形状が斧型の斧型部とを有する、ドライブプレートと、前記ドライブプレートを包囲して上記一次質量と締め合わされるカバーと、座屈防止と耐久強さとを向上させるために前記一次質量と前記カバーの面の間に形成されたスプリングシートに装着される前記ドライブプレートによって圧縮されるメインスプリングおよびサブスプリングと、前記メインスプリングと前記サブスプリングの端に位置して前記ドライブプレートと接触して転回するローラーと、前記ドライブプレートの前記中央部の前記リベット穴とリベットで連結されており前記ハブプレートの前記斧型部の外周面とボールベアリングによって接触する二次質量と、前記メインスプリングと前記サブスプリングを支持するスプリングガイドとから構成されることを特徴とする。
前記ドライブプルートは、中央部と、この中央部に連続して中央部の両側に対向して外周に延びる形状が斧型又は弧型等の斧型部とを有する。斧型部の形状は、成形調節により、二重フライホイールのトーション特性(トルク変化特性)曲線を円滑に具現するための形状にされることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、従来のフライホイールを二重の質量に分離して、その間に弾性媒介体と減衰を誘発し得る器具を挿入することによって、圧縮コイルスプリングとローラー、かつ、前記ローラーで支持された圧縮コイルスプリングによって回転するドライブプレートの斧型部の形状を調節して、ドライブプレートが回転する時においてエンジンの特性及び走行状態に応じてトルク曲線を調節でき、ドライブプレートの側面の加工程度に応じて減衰力を調節し得るドライブプレートの設計が可能で、これによって、二重質量の振動減衰フライホイールのダンパをチューニングする時において理想的な履歴曲線(hysteresis)を容易に具現し、最適な振動減衰効果を得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明による二重質量のフライホイールの側断面図であって、一次質量1はドライブプレート4がリベット13で結合された二次質量2とベアリング11にて支持されるように構成される。
この時、上記一次質量1の一側面には弧型のドライブプレート4が一定間隔で位置されて上記ハブプレート6の外周面に密着されて装着される。
図3に図解したように、上記ドライブプレート4の中央部4aにリベット穴22が形成されており、中央部4aの両側にこの中央部4aに連続し、中央部4aの両側に対向して外周に延びる形状が斧型をして斧型部4bはを有する。すなわち、このドライブプレート4は斧型の弧型を有した形状で形成される。
ここで上記ドライブプレート4 を包囲して上記一次質量1 とリベットティングでカバー5 が装着されれば上記一次質量1とカバー5の間にはスプリングシートが形成されて、上記ドライブプレート4によって圧縮されるメインスプリング7およびサブスプリング8が設置されて、このメインスプリング7とサブスプリング8の端には上記ドライブプレート4と接触して転回するローラ9が位置する。
ここで、前記一次質量1とカバー5の面に形成されたスプリングシートがあり、この内側と外側には二つのメインスプリング7、サブスプリング8が二重質量のフライホイールの中心を基準として両方向に設置されており、この一次質量1とカバー5とを、リベット14でつなぎ、この間にグリース21を充填してキャップ19で防いで密封する。
【0013】
なお、前記一次質量1内にトルクリミッタ16が装着されている。この時、スプリングの最大圧縮時に作動してスプリングに掛けられる弾性荷重を分担して受けるようになっている、柔らかいエラストマー弾性材質を用いて同荷重とかトルクの急激な変動に対して衝撃を吸収するように構成される。
【0014】
図面中で6はハブプレート (hub plate)、9はローラー、11はボールベアリング、12はニードルベアリングを示している。
【0015】
このように構成された本発明は、エンジンのトルク変動が生じると、一次質量1の回転力が大きくなって、ドライブプレート4との相対回転運動が発生するようになる。この時、ドライブプレート4は、スプリング7,8との相対運動によってスプリング7,8を圧縮させ、かつ、圧縮される回転角度に応じてドライブプレート4がスプリング7,8を圧縮させる圧縮点が異なり、これによって、ローラー9はドライブプレート4の面を転ぶことになり、ドライブプレート4が回転することによってスプリング7,8の圧縮量が異なる。これによって、前記したドライブプレート4の形状を変更することによって回転角は同じでもスプリング7,8に貯蔵されるトルクは異なる。
【0016】
図2は、本発明による二重質量のフライホイールのアッセンブリを示した平面図であって、ローラー9は、二つの圧縮コイルスプリングであるメインスプリング7、サブスプリング8を支持する役割を行っており、これはドライブプレート4の端部に設置されている。
【0017】
図3は、本発明による二重質量のフライホイールのドライブプレート4を示した平面図であって、ドライブプレート4は、その端部にローラー9が支持されており、中央部4aにリベット穴22が形成され、図2に図解したように、リベット13で二次質量2と連結されており、これらはボールベアリング11でハブプレート6の外部と結合支持されている。
【0018】
上記ドライブプレート4の形状は、リベット穴22が形成された中央部4aと、この中央部4aと連続し、中央部4aの両側に対向して外周に延びる形状が斧型の斧型部4bとを有する形状をしている。斧型部4bの形状は、エンジンの回転のトルク変化特性に応じて最適化して設計され、添付した図3に図示したように斧型の形状に設計することが望ましい。
【0019】
ドライブプレート4の斧型部4bの形状は、、図解した例示に限らず、車種別の互いに異なるエンジンの回転トルクの変化特性に応じてその他の形状でも適宜設計して適用することができる。
【0020】
図4(a) 及び図4(b) は、本発明による二重質量のフライホイールのローラーアッセンブリを示した平面及び断面図であって、ローラー9は、二重質量のフライホイールの両側で内側と外側に重ねているメイン圧縮型コイルスプリング7とサブ圧縮型コイルスプリング8に装着されてドライブプレート4を支持している。
【0021】
カバー5はドライブプレート4を包囲していて、その内部に圧縮型コイルスプリングになっているメイン圧縮型コイルスプリング7とサブ圧縮型コイルスプリング8がシーティング(Seating) になることができる構造になっている。
【0022】
図5(a) 及び図5(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの一次質量1を示した正面及び断面図であって、両側が圧縮コイルスプリングが装着されることができる構造になっている。
【0023】
即ち、一次質量1はカバー5と共にドライブプレート4を包囲して、その内部に圧縮コイルスプリングになっているメイン圧縮型コイルスプリング7とサブ圧縮型コイルスプリング8がシーティングになることができる構造になっている。
【0024】
図6(a) 及び図6(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの二次質量2を示した正面及び断面図である。
【0025】
図7は、二重質量のフライホイールの装着と未装着時のトルク低減能力を示すグラフであって、フライホイールの目的である振動減衰を、時間の経過に応じて既存形態のフライホイールの装着時と二次質量のフライホイールを装着する時においてのトルクの変動量を示しており、二重質量のフライホイールを装着すると、トルクの変動量が遙かに減ることになる。
【0026】
図8は、本発明によって具現できる二重質量のフライホイールの履歴曲線であって、揺動角が大きくなることによって、トルクの大きさが3段の傾きを有していることを示しており、アイドル領域と走行領域と負荷変動になっている。この履歴曲線は、ドライブプレート4の大きさと形状に応じて可変に製作できる。
【0027】
従来の画一化になっている走行領域の履歴曲線が柔らかい曲線になっているのに対し、本発明においては、揺動角の大きさに応じてアイドル領域と走行領域、かつ、可変領域に分けて具現することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、圧縮コイルスプリングとローラー、かつ、このローラによって支持された圧縮コイルスプリングによって回転するドライブプレートの形状を調節して、二重質量の振動減衰フライホイールのダンパをチューニングする時、理想的な履歴曲線を容易に具現し、ギヤのラトル(rattle)を消音する等、トランスミッションから発生する振動消音を最適低減することができる。
なお、本発明は、エンジンの特性及び走行状態に応じてドライブプレートの形状を調節し、二重質量のフライホイールの緩衝効果を具現するのに必要な理想的なトルク曲線を容易に実現できる。
さらに本発明は、フライホイールの部品を単純化し最小化して製造原価を節減し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による二重質量のフライホイールを示した側断面図である。
【図2】本発明による二重質量のフライホイールのアッセンブリを示した平面図である。
【図3】本発明による二重質量のフライホイールのドライブプレートを示した平面図である。
【図4】図4(a) は、本発明によるローラーのアッセンブリを示した平面図であり、図4(b) は、本発明によるローラーのアッセンブリを示した断面図である。
【図5】図5(a) は、本発明による二重質量のフライホイールの一次質量を示した正面図であり、図5(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの一次質量を示した断面図である。
【図6】図6(a) は、本発明による二重質量のフライホイールの二次質量を示した正面図であリ、図6(b) は、本発明による二重質量のフライホイールの二次質量を示した断面図である。
【図7】二重質量のフライホイールの装着時においての変速機の入力軸角加速度低減能力を示すグラフである。
【図8】本発明による二重質量のフライホイールの履歴曲線を示す図面である。
【符号の説明】
1 …一次質量、2 …二次質量、3 …リングギヤ、4 …ドライブプレート、4a…中央部、4b…斧型部、5 …カバー、6 …ハブプレート、7 …メインスプリング、8 …サブスプリング、9 …ローラー、10…シールカバー、11…ボールベアリング、12…ニードルベアリング、13, 14…リベット、15, 17…ドウェルピン、16…トルクリミッタ、18…ボルト、19…キャップ、20…O−リング、21…グリース、22…リベット穴
Claims (4)
- 自動車における一次質量と二次質量とを有する二重質量の振動減衰フライホイールにおいて、
エンジンのクランク軸の端と連結されるハブプレートの外周面に固定された一次質量と、
前記一次質量の一側面に一定間隔で位置し、上記ハブプレートの外周面に密着して装着され、リベット穴を有する中央部と、該中央部に連続し、前記中央部の両側に対向して設けられ外周部に延びる、前記エンジンの回転のトルク変化特性に応じて形成された形状が斧型の斧型部とを有する、ドライブプレートと、
前記ドライブプレートを包囲して上記一次質量と締め合わされるカバーと、
座屈防止と耐久強さとを向上させるために前記一次質量と前記カバーの面の間に形成されたスプリングシートに装着される前記ドライブプレートによって圧縮されるメインスプリングおよびサブスプリングと、
前記メインスプリングと前記サブスプリングの端に位置して前記ドライブプレートと接触して転回するローラーと、
前記ドライブプレートの前記中央部の前記リベット穴とリベットで連結されており前記ハブプレートの前記斧型部の外周面とボールベアリングによって接触する二次質量と、
前記メインスプリングと前記サブスプリングを支持するスプリングガイドと
から構成される
ことを特徴とする自動車における二重質量の振動減衰フライホイール。 - 前記スプリングガイドは、前記メインスプリングと前記サブスプリングの変形を防止し、かつ、安定した前記メインスプリングと前記サブスプリングの運動軌跡を誘導することができ、その内部はグリースが充填されており、前記メインスプリングと前記サブスプリングと前記スプリングガイドとの間の摩擦によって減衰効果が発生するように構成されたことを特徴とする
請求項1に記載の自動車における二重質量の振動減衰フライホイール。 - 前記ドライブプレートの回転を円滑にする柔らかい材質のトルクリミッタが前記一次質量内に前記エンジンのトルク衝撃に対抗し得るように設置されたことを特徴とする
請求項1に記載の自動車における二重質量の振動減衰フライホイール。 - 前記ドライブプレートと転びによって摩擦される前記一次質量の前記ローラー又は前記ドライブプレート面の加工程度に応じて前記ローラーと前記ドライブプレートの間の摩擦力の量を調節し得ることを特徴とする
請求項1に記載の二重質量の振動減衰フライホイール。
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