JP3556540B2 - 多段式アンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯端末等に搭載される伸縮可能で高利得な多段式アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の準マイクロ波帯を使用した各種の移動通信システムが脚光を浴びており、音声通話のみならず、データ通信や画像通信等の分野への利用も高まっている。また、フェージング環境下で基地局からの電波は、移動局側では水平面内に集中して到来するため、移動端末器側に搭載されるアンテナは、データ通信等の使用時に水平方向に高利得性を有することが必要となる。また、その携帯性を向上させるために、コンパクトな収納性を有することが必要とされる。
【0003】
図12及び図13に従来の多段式アンテナの一例を示す。図12は、アンテナ伸長状態を示し、図13は短縮状態を示している。図12及び図13のアンテナは、特開平2−179009号公報記載のコリニアアレーアンテナであって、上段アンテナ部121、下段アンテナ部122を有する。上段アンテナ部121は中空状の下段アンテナ部122に摺動自在に嵌入されている。
【0004】
上段アンテナ部121は、その内部にλ/2(半波長)の長さを持つ第1のアンテナ素子123と、第1のアンテナ素子123の下端部に接続された位相変化用のコイル124と、該コイル124の下端部に接続された接点用の接点環125によって構成されている。下段アンテナ部122は、その内部に金属製のパイプで構成された第2のアンテナ素子126を有し、第2のアンテナ素子126の先端部に細径に形成された基端接点部127を有する。
【0005】
アンテナ伸長状態では、接点環125と基端接点部127が接触し、第1のアンテナ素子123と第2のアンテナ素子126は、コイル124を介して接続される。第2のアンテナ素子6に給電された発信周波は、コイル124で位相を180°反転されて第1のアンテナ素子123に入力される。したがって、第1及び第2のアンテナ素子123,126は同位相で給電され、水平方向に高い利得を有するダイポールアレイアンテナとほぼ等価となる。
【0006】
次に、アンテナ短縮時(上段アンテナの収容時)では、図13に示すように、上段アンテナ部121と下段アンテナ部122は完全な絶縁状態となって、上段アンテナ部121が下段アンテナ部122内に収容される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多段式アンテナにおいては、アンテナ伸長時は、上段アンテナ部121と下段アンテナ部122が同位相で励振され、水平面内に高い利得を発生する。しかし、第1及び第2のアンテナ素子123,126は、共にλ/2(半波長)であるため、第1のアンテナ素子123、コイル124、及び接点環125で構成される上段アンテナ部121は、第2のアンテナ素子126よりも長くなる。従って、アンテナ短縮時においても、上段アンテナ部121は下段アンテナ部122にすべて収納されず、上下に若干の突出部分128を有する。
【0008】
その携帯性を向上させるためアンテナ素子を細径化した場合、突出部分128はDC的には第2のアンテナ素子126と接触していなくとも、RF的には収納時の第2のアンテナ素子126と容量を介して結合することにより、突出部分128が無視できなくなる。すなわち、アンテナ短縮時のアンテナ素子長さは、λ/2より長くなり、入力インピーダンスが変化すると共に、指向性が上方に傾くことによって水平面の利得が低下する。
【0009】
さらに近年の移動体通信に用いられるアンテナとしては、その加入者容量、伝送量等によりより周波数範囲の広いアンテナが必要とされている。上述のような多段式アンテナを広帯域化するためにはコイルの大型化が必要不可欠となるため、前記突出部分はさらに大きくなり、アンテナ短縮時の利得が大きく劣化する。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、アンテナ伸長時はダイポールアレイと同様に水平面に高利得を有し、アンテナ短縮時においても最大放射方向を水平面に有し、ユーザがその煩わしさによりアンテナを伸長しない場合でもある程度高い利得が得られ、受信感度が低いと感じた場合はアンテナ伸長すればさらに高い利得が得られる多段式アンテナを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
の発明は、使用周波数における略半波長の物理的長さを有する中空状の下段アンテナ部と、該下段アンテナ部内を軸方向に摺動自在に配置され、前記下段アンテナ部と物理的長さが等しく又は短く設定された上段アンテナ部とを備える多段式アンテナである。
上段アンテナ部は、電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを半波長より短縮した螺旋状導体である第1のアンテナ素子と、電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを前記第1のアンテナ素子よりも短縮し、前記第1のアンテナ素子に対する給電信号を位相制御する螺旋状導体である第1の位相制御手段と、上段アンテナ部の基端部に配置された第1の結合導体とを先端から基端方向にこの順に直列接続して備える。
下段アンテナ部は、電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを半波長より短縮した少なくとも一部が螺旋状の導体である第2のアンテナ素子と、電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを前記第2のアンテナ素子よりも短縮し、前記第1のアンテナ素子に接続して給電信号を位相制御する螺旋状導体である第2の位相制御手段と、下段アンテナ部の先端部に配置された第2の結合導体とを基端から先端方向にこの順に直列接続して備える。前記第1のアンテナ素子に対する前記第2のアンテナ素子及び第2の結合導体の螺旋方向が反対である。
アンテナ伸長時は、前記第1の結合導体と前記第2の結合導体が電気的に接続され、アンテナ短縮時は、前記第1のアンテナ素子が第2のアンテナ素子の内壁に近接して収納されることを特徴とする。
【0016】
の発明は、前記上段アンテナ部と前記下段アンテナ部が、各導体をパターニングされたフレキシブル基板を樹脂棒に巻き付けて構成されることを特徴とする。
【0017】
の発明は、前記上段アンテナ部と前記下段アンテナ部が、各導体を樹脂棒表面に形成されたメッキパターンで構成されることを特徴とする。
【0018】
の発明は、前記上段アンテナ先端部にさらに該上段アンテナと同一形式の単一又は複数の上段アンテナを配置することを特徴とする。
【0019】
の発明は、前記下段アンテナ部は、回転機構を基端部に備え、通信装置の筐体の側面に該回転機構を設置して、筺体側面に回転収納可能なことを特徴とする。
【0020】
の発明は、前記上段アンテナ部の先端部にローディングを有するトップアンテナ部を具備し、前記上段及び、下段アンテナ部を通信装置の筐体内に収納可能に設け、該上段及び下段アンテナ部が筐体内に収納された時は該トップアンテナ部は該筐体外に突出した位置に配置、給電され、該上段及び下段アンテナ部が筐体内から引き出された時は該下部アンテナ部の基端部より給電されることを特徴とする。
【0021】
本願発明において、アンテナ伸長時は、上段アンテナ部の第1のアンテナ素子が半波長アンテナとして動作し、下段アンテナ部の第2のアンテナ素子が半波長アンテナとして動作する。下段アンテナ部に給電されたRF信号は、位相制御手段によって位相が180°反転され第1のアンテナ素子に給電される。そのため、上段及び下段のアンテナ部は、同位相で合成されたダイポールアレイと等価となり、水平面の高利得化が可能となる。
【0022】
また、アンテナ短縮時は、第1のアンテナ素子が第2のアンテナ素子の内壁に近接して収納されるので、両素子間の容量が増加し、RF的にショートされて、上段及び下段アンテナ部が一体化して半波長アンテナとして動作する。第2の発明や第5の発明のように、下段アンテナ部が第2のアンテナと位相制御手段と結合導体で構成されていても同様である。第5の発明のように、第1のアンテナ素子が螺旋状導体であり、第2の位相制御手段も螺旋状導体であり、これらの螺旋方向が反対である場合には、導体が交差してさらに容量が増加してRF的にショートされて、上段及び下段アンテナ部が一体化する。この時、上段アンテナ部が下段アンテナ部と物理的長さが等しく又は短く設定されているので、下段アンテナ部内に上段アンテナ部を完全に収容可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
図1及び図2は、本発明に係る多段式アンテナの第1の実施形態を示す図であり、図1はアンテナ伸長時を示し、図2は短縮時を示す図である。
この多段式アンテナは、軸方向に摺動可能に配置された上段アンテナ部1と、下段アンテナ部2を有する。上段アンテナ部1は、電気的長さが概略λ/2(半波長)の螺旋導体で構成される第1のアンテナ素子3と、第1のアンテナ素子3の下端に接続され、電気的長さが概略λ/2の第1のアンテナ素子3より密に巻かれて第1のアンテナ素子3より物理的長さが短縮された螺旋導体で構成された位相制御コイル4と、位相制御コイル4の下端に接続された結合導体6を有する。第1のアンテナ素子3、位相制御コイル4、結合導体6のトータルの物理的長さ、すなわち上段アンテナ部1が概略λ/2以下に設定され、さらに樹脂カバー10によりモールド固定される。樹脂カバー10は、上端部にアンテナ伸長用のつまみ14と下端部外周に凸部をなす抜け防止用ストッパー15を有する。
【0025】
下段アンテナ部2は、筒状導体で構成され、発信用電源8に接続されている第2のアンテナ素子5と、第2のアンテナ素子5を保護するための樹脂カーバーを有する。さらに、下段アンテナ部2は、上部先端内璧に上段アンテナ部1の抜け防止用の凸部16及び内側面の上部及び下部に上段アンテナ部1の係止用ボス7a,7bを有する。
【0026】
アンテナ伸長時は、上段アンテナ部1は下段アンテナ部2の中空より引き出され、上段アンテナ部1のストッパー15が、下段アンテナ部2の突部14とボス7aにより下段アンテナ部2の上部に係止される。この時、結合導体6と第2のアンテナ素子5の上部が樹脂を介して近接し、容量結合によって上段アンテナ部1と下段アンテナ部2は接続される。第2のアンテナ素子5に給電されたRF信号は、位相制御コイル4を介して180°反転され、第1のアンテナ素子3にも給電される。
【0027】
この結果、図1のように第1及び第2のアンテナ素子3,5は同位相の電流が励振され、位相制御コイル4には逆位相の電流が励振される。このとき位相制御コイル4は密に巻かれたコイルのため放射にはあまり寄与せず、同位相の第1のアンテナ素子3及び第2のアンテナ素子5から電波が放射され、結果として軸方向のダイポールアレイアンテナと等価となり、水平面の高利得化が可能となる。
【0028】
次にアンテナ収納時(図2)、上段アンテナ部1は下段アンテナ部2の中空内に収納され、つまみ14及びボス7bによって固定される。このとき第1のアンテナ素子3、位相制御コイル4、結合導体6のトータルの物理的長さは上述の通り概略λ/2以下であるため、第2のアンテナ素子5内にほぼすべて収納可能となる。このとき、第2のアンテナ素子5内に収納された第1のアンテナ素子3、位相制御コイル4は第2のアンテナ素子5の内壁に近接するため、第1のアンテナ素子3、位相制御コイル4の隣接するコイル間の容量が増加し、RF的にショートされて、ほぼ第2のアンテナ素子5と一体化し、半波長アンテナとして動作する。
【0029】
以上のように、伸長時にはダイポールアレイと等価なアンテナを構成でき、ビームを水平面に集中して放出して高利得を有する。また、短縮時には半波長アンテナとして動作可能であり、水平面に最大放射方向を有するようにできる。
【0030】
尚、本実施形態において、結合導体6と第2のアンテナ素子5上部は容量結合によって接続したが、直接接触させ接続してもよい。また、本実施形態および後述の実施形態において、上段アンテナ先端部にさらに該上段アンテナと同一形式の単一又は複数の上段アンテナを配置し、さらに高利得化をはかった多段式アンテナとしても良い。
【0031】
<第2の実施形態>
図3は上段アンテナ部30の第2の実施形態を示す図、図4はフレキシブル基板のパターン図である。図3の上段アンテナ部30は、第1の実施形態で示した、第1のアンテナ素子、位相制御コイル、結合導体をフレキシブル基板40上に形成し、フレキシブル基板40を樹脂心棒36に巻き付けた例である。
【0032】
図3及び図4の上段アンテナ部は、概略λ/2(半波長)の長さのフレキシブル基板40上にエッチング等によりジグザグに形成された第1のアンテナパターン(第1のアンテナ素子)31と、第1のアンテナパターン31下端に接続され、第1のアンテナパターン31より密な間隔のジグザグで形成された位相制御パターン32と、位相制御パターン32に接続された結合パターン(結合導体)33を有する。フレキシブル基板40は、上部につまみ34、下部にストッパー35を有する樹脂棒に巻き付けられ、熱収縮チューブ等(図示せず)で固定される。
【0033】
アンテナ伸長時は、結合パターン33が下段アンテナ部(図示せず)上部に近接し、上述の様に第1のアンテナパターン31と下部アンテナ部が同位相で励振され水平面の高利得が可能となる。また、アンテナ短縮時は、第1のアンテナパターン31、位相制御パターン32が下段アンテナ部の内壁に近接し、下部アンテナ部と一体となり半波長(λ/2)アンテナとして動作する。
【0034】
<第3の実施形態>
図5は上段アンテナ部の第3の実施形態を示す図である。図5の上段アンテナ部50は、樹脂上に直接導体がメッキされた例である。図5の上段アンテナ部50は、金型等で形成された円柱状の樹脂棒56であり、先端部につまみ54、下端部にストッパー55を有し、保護用のチューブ等(図示せず)で被覆される。樹脂部品は、次に示す各凹部が形成され、該凹部には金属メッキが施されている。すなわち、樹脂部品は、螺旋状の第1の凹部51と、第1の凹部51の下端に連続的に配置された第1の凹部51よりも密な螺旋で形成された第2の凹部52と、第2の凹部52の下端に連続的に配置された樹脂部品の円周にわたって形成された第3の凹部53を有する。樹脂部品はその全体にわたり金属メッキが施され、樹脂棒56の外周を削り取ることにより第1,2,3の凹部51,52,53のみにメッキが残り、アンテナパターンを形成する。第1の凹部51は上述の第1のアンテナ素子として、第2の凹部52は上述の位相制御コイルとして、第3の凹部32は上述の結合導体として動作する。
【0035】
<第4の実施形態>
図6及び図7は、本発明に係る多段式アンテナの第4の実施形態を示す図である。図6はアンテナ伸長状態であり、図7は短縮状態を示す図である。図6及び図7の多段式アンテナは、軸方向に配置された摺動可能な上段アンテナ部61と、下段アンテナ部62を有する。
【0036】
上段アンテナ61は、筒状又は棒状の第1の導体63と、第1の螺旋導体64と、第1の螺旋導体64よりも密に巻かれた第2の螺旋導体65と、第1の結合導体66が順次直列に接続され、樹脂によってモールドされている。樹脂モールドは、上端部に伸長用つまみ74、及び下端部に係止用ストッパー75を有する。
【0037】
下段アンテナ部62は、環状の第2の結合導体67と、第3の螺旋導体68と、第3の螺旋導体68よりも疎に巻かれた第4の螺旋導体69と、筒状の第2の導体70が順次直列に接続され、保護用チューブを外部に有する。上段アンテナ部61を係止するために、下段アンテナ部62はさらにその内面上部及び下部に上段アンテナ部係止用のボス71a,71bを有する。
【0038】
上段アンテナ部61の第1の導体63、第1,2の螺旋導体64,65、第1の結合導体61のトータルの物理的長さは使用周波数に対して概略λ/2以下に設定されている。下段アンテナ部62の第2の結合導体67、第3,4の螺旋導体68,69、第2の導体70のトータルの物理的長さは使用周波数に対して概略λ/2(半波長)に設定おり、上段アンテナ部61は下段アンテナ部62内にほば完全に収納される。また、第1の導体63長さは、第2の結合導体67、第3,4の螺旋導体68,69の物理的なトータル長以上に設定されている。
【0039】
アンテナ伸長時は、上段アンテナ部61は下段アンテナ部62の中空より引き出され、ストッパー75及び前記ボス71により下段アンテナ部62上部に係止される。この時、第1の導体63、第1の螺旋導体64は電気的長さとして概略λ/2に設定され、第1のアンテナ素子として動作する。第2及び第3の螺旋導体65,68は、第1及び第2の結合導体66,67が近接することによって容量を介してRF的に接続され、電気的長さが概略λ/2の位相制御コイルとして動作する。第4の螺旋導体69、第2の導体70は電気的長さが概略λ/2に設定され、第2のアンテナ素子として動作する。第2のアンテナ素子(第4の螺旋導体69、第2の導体70)に給電されたRF信号は、位相制御コイル(第2及び第3の螺旋導体65,68)を介して180°反転され、第1のアンテナ素子(第1の導体63、第1の螺旋導体64)にも給電される。この結果上記第1の実施形態と同様に該第1及び第2のアンテナ素子は同位相で給電され、水平面の高利得化が可能となる。
【0040】
次に、アンテナ短縮時(アンテナ収納時)、上段アンテナ部61は下段アンテナ部62の中空内に収納され、つまみ74及びボス71bによって固定される。上段アンテナ部61の導体部分のトータル長さは上述の通り概略使用周波数のλ/2以下であるため、中空状の下段アンテナ部62にほぼ完全に収納される。このとき下段アンテナ部62の第3,4の螺旋導体68,69近傍には上段アンテナ部61の第1の導体63の外壁が近接し、上段アンテナ部61の第1,2の螺旋導体64,65の外周には下段アンテナ部62の第2の導体70が近接するため、第1〜第4の螺旋導体64,65,68,69の隣接するコイル間の容量が増加し、RF的にショートされる。従って、第1〜第4の螺旋導体64,65,68,69は、それぞれ第1及び第2の導体63,70と一体化するため、ほぼ第1及び第2の導体63,70で形成されるλ/2アンテナとして動作する。
【0041】
本実施形態においては、第1及び第2の螺旋導体64,65、第4及び第3の螺旋導体69,68はそれぞれ疎、密となる構成としたがそれぞれ同一のピッチの螺旋導体で構成しても良い。この場合、第1の導体63と第4の螺旋導体の一部は前記第1のアンテナ素子として動作し、第2の導体70と第3の螺旋導体68の一部は前記第2のアンテナ素子として動作し、第4及び第3の螺旋導体69,68のそれぞれ残りの一部で位相制御コイルを形成する。
【0042】
<第5の実施形態>
図8及び図9は、多段式高利得アンテナの第5の実施形態を示す断面図である。図8は上段アンテナ部の伸長状態の構成図、図9は短縮時の図である。図8の上段アンテナ部81は、下段アンテナ部の第3及び第4の螺旋導体68,69と逆向きに巻かれ、その電気的長さが使用周波数の概略λ/2である第1の螺旋導体83と、第1の螺旋導体83よりも密に巻かれ、その電気的長さが下段アンテナ部の第3の螺旋導体(図示せず)と共に使用周波数の概略λ/2の第2の螺旋導体84と、第1の結合導体85が順次直列に接続され、樹脂によってモールドされている。上述の実施形態と同様に上段アンテナ伸長、短縮、係止するために、つまみ94、ストッパー95を上段アンテナ部81の上下に有する。上段アンテナ部81の第1及び第2の螺旋導体83,84、第1の結合導体85のトータルの物理的な長さは使用周波数に対して概略λ/2以下に設定されており、下段アンテナ部62内にほぼ完全に収納される。
【0043】
アンテナ伸長時は、上記第4の実施形態と同様に第1の螺旋導体83で構成される第1のアンテナ素子と、下段アンテナ部の第4の螺旋導体69,第2の導体70で構成される第2のアンテナ素子が第2及び第3の螺旋導体84,68及び第1及び第2の結合導体85,67で構成される位相制御コイルにより同位相に合成され水平面内の高利得化が可能である。
【0044】
アンテナ短縮時は、図9に示すように上段アンテナ部81の第1の螺旋導体83と、下投アンテナ部62の第3及び第4の螺旋導体68,69が交差するため、各々の隣接するコイル間の容量が増加し、等価的にRF的にショートされた筒状の導体と等価となり、第2の導体70と共にλ/2アンテナを形成する。
【0045】
<第6の実施形態>
図10は、本発明に係る多段式アンテナをPDA等の携帯端末に実装した場合の第6の実施形態を示す構成図である。図10の多段式アンテナは、机上で使用する携帯端末100の端部に回転可能に取付けられた例であり、軸方向に摺動可能に配置された上段アンテナ部101と、下段アンテナ部102を有し、下段アンテナ部102の基端部に回転端子103を有する。
【0046】
データ通信時にアンテナ伸長した場合、上述の実施形態のように同位相で合成された2個のダイポールアレイのように水平方向の高利得化が可能であり、アンテナ短縮時においてもλ/2アンテナと同等の利得を得ることができる。さらにアンテナを携帯端末100側面に回転収納可能であり、収納時には携帯端末100側面にアンテナが収納されることによるアンテナの入力インピーダンスのズレを携帯端末100筐体内に配置されたアースされた容量装荷用パターン104によって補正する。
【0047】
<第7の実施形態>
図11は、本発明に係る多段式アンテナをPDA等の携帯端末110に実装した場合の第7の実施形態を示す構成図である。図11の多段式高利得アンテナは、上述の実施形態の多段式高利得アンテナの先端部にアンテナ収納時に動作するトップコイルを適用した例である。
【0048】
図11の多段式高利得アンテナは、上述の実施形態で示した上段アンテナ部111と下段アンテナ部112で構成される多段式アンテナと、多段式アンテナ113の基端部に設置された第1の接触部117と、多段式高利得アンテナ113の先端部に樹脂等で形成されたスペーサ114を介して配置された第2の接触部115と、第2の接触部115の先端に接続されたヘリカルコイル116を有する。
【0049】
アンテナ伸長時は、筐体内無線部118に接続された第1の接触部117より給電され、上述の実施形態のように同位相で合成された2個のダイポールアレイのように水平方向の高利得化が可能である。また、アンテナ短縮時においても同じく第1の接触部117より給電されλ/2(半波長)ロッドアンテナとして動作する。一方アンテナを携帯端末110内に全収納した場合、携帯端末110内の無線部118は第2の接触部115に接触し、ヘリカルコイルが給電され、アンテナとして動作する。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明の多段式アンテナは、使用周波数の略半波長の物理的長さを有する螺旋導体を含む上段及び下段アンテナ部を摺動自在に配置したため、アンテナ伸長時は、上段アンテナ部内の第1のアンテナ素子と、下段アンテナ部内の第2のアンテナ素子が第1、第2のアンテナ素子間に配置された位相制御コイルにより同位相で励振され、ダイポールアレイと等価となり水平面の高利得化が可能となる。また、アンテナ短縮時においては、上段、下段アンテナ部内の導体が上段又は下段に配置された導体内璧又は外壁に近接して収納されるため、導体間の容量が増加し、RF的にショートされ前記上段又は下段に配置された導体と一体化し、最大放射方向を水平面に有するλ/2アンテナとして動作する。よって、ユーザがその煩わしさによりアンテナを伸長しない場合(アンテナ短縮状態)でもある程度高い利得が得られ、受信感度が低いと感じた場合はアンテナ伸長すればさらに高い利得が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多段式アンテナの第1の実施形態を示す伸長時の断面図である。
【図2】本発明に係る多段式アンテナの第1の実施形態を示す短縮時の断面図である。
【図3】本発明に係る多段式アンテナの第2の実施形態を示す上段アンテナ部の断面図である。
【図4】第2の実施形態におけるフレキシブル基板を示す構成図である。
【図5】本発明に係る多段式アンテナの第3の実施形態を示す上段アンテナ部の断面図である。
【図6】本発明に係る多段式アンテナの第4の実施形態を示す伸長時の断面図である。
【図7】本発明に係る多段式アンテナの第4の実施形態を示す短縮時の断面図である。
【図8】本発明に係る多段式アンテナの第5の実施形態を示す伸長時の断面図である。
【図9】本発明に係る多段式アンテナの第5の実施形態を示す短縮時の断面図である。
【図10】本発明に係る多段式アンテナをPDA等の携帯端末に実装した時の第6の実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る多段式アンテナをPDA等の携帯端末に実装した時の第7の実施形態を示す斜視図である。
【図12】従来の多段式アンテナの伸長時を示す断面図である。
【図13】従来の多段式アンテナの短縮時を示す断面図である。
【符号の説明】
1,30,50,61,81,101,111 上段アンテナ部
2,62,102,112 下段アンテナ部
3 第1のアンテナ素子
4 位相制御コイル
5 第2のアンテナ素子
6 結合導体
7a,7b ボス
8 発信用電源
10 樹脂カバー
14,34,54,74,94 つまみ
15,35,55,75,95 ストッパー
16 抜け防止用凸部
31 アンテナパターン
32 位相制御パターン
33 結合パターン
34,54 つまみ
35,55 ストッパー
40 フレキシブル基板
51 第1の凹部
52 第2の凹部
53 第3の凹部
56 樹脂棒
63 第1の導体
64 第1の螺旋導体
65 第2の螺旋導体
66 第1の結合導体
67 第2の結合導体
68 第3の螺旋導体
69 第4の螺旋導体
70 第2の導体
83 第1の螺旋導体
84 第2の螺旋導体
85 第1の結合導体
100,110 携帯端末
103 回転端子
104 容量装荷用パターン
113 多段式高利得アンテナ
114 スペーサ
115 第2の接触部
116 ヘリカルコイル
117 第1の接触部
118 無線部

Claims (6)

  1. 使用周波数における略半波長の物理的長さを有する中空状の下段アンテナ部と、
    該下段アンテナ部内を軸方向に摺動自在に配置され、前記下段アンテナ部と物理的長さが等しく又は短く設定された上段アンテナ部と、
    を備え、
    上段アンテナ部は、
    電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを半波長より短縮した螺旋状導体である第1のアンテナ素子と、
    電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを前記第1のアンテナ素子よりも短縮し、前記第1のアンテナ素子に対する給電信号を位相制御する螺旋状導体である第1の位相制御手段と、
    上段アンテナ部の基端部に配置された第1の結合導体と、
    を先端から基端方向にこの順に直列接続して備え、
    下段アンテナ部は、
    電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを半波長より短縮した少なくとも一部が螺旋状の導体である第2のアンテナ素子と、
    電気的長さとして略半波長を維持しながら物理的長さを前記第2のアンテナ素子よりも短縮し、前記第1のアンテナ素子に接続して給電信号を位相制御する螺旋状導体である第2の位相制御手段と、
    下段アンテナ部の先端部に配置された第2の結合導体と、
    を基端から先端方向にこの順に直列接続して備え、
    前記第1のアンテナ素子に対する前記第2のアンテナ素子及び第2の結合導体の螺旋方向が反対であり、
    アンテナ伸長時は、前記第1の結合導体と前記第2の結合導体が電気的に接続され、アンテナ短縮時は、前記第1のアンテナ素子が第2のアンテナ素子の内壁に近接して収納されることを特徴とする多段式アンテナ。
  2. 前記上段アンテナ部と前記下段アンテナ部が、各導体をパターニングされたフレキシブル基板を樹脂棒に巻き付けて構成されることを特徴とする請求項1に記載の多段式アンテナ。
  3. 前記上段アンテナ部と前記下段アンテナ部が、各導体を樹脂棒表面に形成されたメッキパターンで構成されることを特徴とする請求項1に記載の多段式アンテナ。
  4. 前記上段アンテナ先端部にさらに該上段アンテナと同一形式の単一又は複数の上段アンテナを配置することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多段式アンテナ。
  5. 前記下段アンテナ部は、回転機構を基端部に備え、通信装置の筐体の側面に該回転機構を設置して、筺体側面に回転収納可能なことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多段式アンテナ。
  6. 前記上段アンテナ部の先端部にローディングを有するトップアンテナ部を具備し、前記上段及び、下段アンテナ部を通信装置の筐体内に収納可能に設け、該上段及び下段アンテナ部が筐体内に収納された時は該トップアンテナ部は該筐体外に突出した位置に配置、給電され、該上段及び下段アンテナ部が筐体内から引き出された時は該下部アンテナ部の基端部より給電されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多段式アンテナ。
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