JP3555773B2 - 信号処理システム - Google Patents

信号処理システム Download PDF

Info

Publication number
JP3555773B2
JP3555773B2 JP07565794A JP7565794A JP3555773B2 JP 3555773 B2 JP3555773 B2 JP 3555773B2 JP 07565794 A JP07565794 A JP 07565794A JP 7565794 A JP7565794 A JP 7565794A JP 3555773 B2 JP3555773 B2 JP 3555773B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
signal processing
input
processed
elements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07565794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07282166A (ja
Inventor
博庸 三船
伸一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP07565794A priority Critical patent/JP3555773B2/ja
Publication of JPH07282166A publication Critical patent/JPH07282166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3555773B2 publication Critical patent/JP3555773B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、画像や音声の認識、ロボットの適応制御、振動等の時系列信号の予測制御、地震等の予測等のような各種運動の制御に適用可能な、神経回路模倣のニューラルネットワークを用いた信号処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の情報処理の基本的な単位である神経細胞(ニューロン)の機能を模倣し、さらに、この「神経細胞模倣素子」をネットワークに構成することで、情報の並列処理を目指したのが、いわゆるニューラルネットワークである。文字認識や連想記憶、運動制御等、生体ではいとも簡単に行われていても、従来のノイマン型コンピュータではなかなか達成しないものが多い。生体の神経系、特に生体特有の機能、即ち並列処理、自己学習等をニューラルネットワークにより模倣して、これらの問題を解決しようとする試みが盛んに行われている。
【0003】
このようなニューラルネットワークをあるアプリケーションに使用する場合、データに何らかの前処理をするのが一般的である。例えば、画像データの特徴を抽出したり、文字だけを画像データから切り出すような処理がある。これらの処理中にはニューラルネットワークで行うことが可能な処理もあるが、実際に、ニューラルネットワークで処理したいのはその後の認識や分類等の信号処理である。このような前処理(入力データから分類や特徴を求めるための処理)を行うようにしたものとして、特開平3−95664号公報に示されるようなものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ハードウエア構成のニューラルネットワークで処理を行う場合、ハードウエア上の制限から入力ニューロン数(入力要素数)が限られることがあるが、アプリケーション側から見た場合、ニューラルネットワークに入力されるデータ数(信号のデータ要素数)が予め制限を受けるのは不都合である。特に、非線形なデータを扱う場合、ニューロン数に制限があるのは好ましくない。
【0005】
一方、逆のケースもあり、入力ニューロン数に対して入力されるデータ数が少ない場合には、入力ニューロン数が余ってしまい好ましくない。特に、開発段階で考えると、使用されない入力ニューロンが存在することは学習過程等においてニューラルネットワークの機能を十分に活かせず、改善が必要といえる。
【0006】
結局、ニューラルネットワークに入力される信号のデータ要素数とニューラルネットワークにおけるハードウエア構成の入力要素数との不一致時には、信号処理システムとして不十分なものとなってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の信号処理システムは、信号を取り込む入力手段と、この入力手段により取り込まれた信号に対して変換処理を施す変換手段と、この変換手段で処理された信号を入力として認識等の信号処理をハードウエア構成で行う神経回路模倣の信号処理手段とを備えた信号処理システムにおいて、前記変換手段と前記信号処理手段との間に、前記変換手段で処理された信号のデータ要素とこの信号を反転させた信号のデータ要素とからなる信号を入力信号として前記信号処理手段に入力し、前記変換手段で処理された信号のデータ要素数を前記信号処理手段の入力要素数に一致させる前処理手段を設けたものである。
請求項2記載の信号処理システムは、信号を取り込む入力手段と、この入力手段により取り込まれた信号に対して変換処理を施す変換手段と、この変換手段で処理された信号を入力として認識等の信号処理をハードウエア構成で行う神経回路模倣の信号処理手段とを備えた信号処理システムにおいて、前記変換手段と前記信号処理手段との間に、前記変換手段で処理された信号中の複数のデータ要素間の差分をとったデータ要素からなる信号を入力信号として信号処理手段に入力し、前記変換手段で処理された信号のデータ要素数を前記信号処理手段の入力要素数に一致させる前処理手段を設けたものである。
【0008】
請求項記載の信号処理システムは、請求項1又は2記載の信号処理システム中の前処理手段を、変換手段で処理された信号に演算処理を施して信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する演算手段により構成したものである。
【0009】
請求項記載の信号処理システムは、請求項1又は2記載の信号処理システム中の前処理手段を、変換手段で処理された信号を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された信号に演算処理を施して信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する演算手段とにより構成したものである。
【0010】
請求項記載の信号処理システムは、請求項1又は2記載の信号処理システム中の前処理手段を、変換手段で処理された信号に演算処理を施す演算手段と、この演算手段で処理された信号から信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する切替手段とにより構成したものである。
【0011】
請求項記載の信号処理システムは、請求項1又は2記載の信号処理システム中の前処理手段を、変換手段で処理された信号を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された信号に演算処理を施す演算手段と、この演算手段で処理された信号から信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する切替手段とにより構成したものである。
【0012】
請求項記載の信号処理システムは、請求項1又は2記載の信号処理システム中の前処理手段を、変換手段で処理された信号を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された信号に演算処理を施す演算手段と、前記変換手段で処理された信号を一時的に記憶する一時的記憶手段と、前記演算手段で処理された信号及び前記一時的記憶手段に記憶された信号とから信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する切替手段とにより構成したものである。
【0020】
【作用】
本発明の信号処理ユニットにおいては、変換手段と信号処理手段との間に変換手段で処理された信号のデータ要素数を信号処理手段の入力要素数に一致させる前処理を行う前処理手段を設けたので、信号処理手段に入力する信号のデータ要素数と信号処理手段の入力要素数とが一致しない場合でも入力要素数に合わせることができ、信号を入力させるアプリケーションが入力要素数による制約を受けることなく、かつ、入力要素数に対してデータ要素に過不足を生ずることなく信号処理手段を機能させることができる。
【0021】
このためにも、請求項3ないし7記載の信号処理ユニットにおいては、前処理手段を、演算手段、記憶手段と演算手段との組合せ、演算手段と切替手段との組合せ、記憶手段と演算手段と切替手段との組合せ、或いは、記憶手段と演算手段と一時的記憶手段と切替手段との組合せることで、容易に実現できるものとなる。
【0022】
また、請求項記載の信号処理ユニットにおいては、変換手段からの信号の他にこれを反転させた信号も用いることにより入力信号のデータ要素数を増やして信号処理手段に入力させるので、信号処理手段の入力要素を余すことなく利用できるものとなり、学習過程等の開発段階を含め、信号処理手段の機能を十分に発揮させることができる。
【0023】
一方、請求項記載の信号処理ユニットにおいては、変換手段で処理された信号のデータ要素に基づき、これらのデータ要素間の差分をとったデータ要素からなる信号を入力信号として信号処理手段に入力させることにより、入力すべき信号のデータ要素数を入力要素数に合わせて減らしているので、入力要素数による制約を受けることなくアプリケーションを適用できるものとなる。
【0024】
【実施例】
発明の一実施例を図1に基づいて説明する。なお、本明細書において、「データ要素数」とは、データが例えば、(x1,x2,…,xm )のようにm個のデータ要素で構成される場合のその要素数mを意味し、m個のデータ要素からなる1つのデータを「1パターン」と呼ぶものとする。また、「入力要素数」とは、ハードウエア構成のニューラルネットワーク(信号処理手段)における入力段のニューロン数を意味するものとする。
【0025】
図1は本実施例の信号処理システムの基本構成を示し、あるデータをニューラルネット処理のために取り込む入力手段1と、この入力手段1により取り込まれたデータに対してニューラルネットワーク(信号処理手段)2でデータ処理しやすい信号形態或いは信号状態となるように適宜変換処理を施す変換手段3とが設けられている。ここに、神経回路を模倣したニューラルネットワーク2はハードウエア構成のものとされている。また、入力手段1や変換手段3は、例えば、画像・音声認識システムへの適用例で考えた場合であれば、画像データをCCDカメラで取り込み、このCCDカメラのCCD上に受像された画像データを直ちに電気信号に変換し、音声データをマイクロフォンで集音して電気信号に変換するように構成される。即ち、入力手段1はCCDカメラ、マイクロフォン等のセンサにより構成され、変換手段3はこれらのセンサ出力を電気信号に変換する電気回路により構成される。
【0026】
ここに、本実施例の信号処理システムは、変換手段3とニューラルネットワーク2との間に前処理手段4が付加されて構成されている。この前処理手段4は前記変換手段3で処理された信号に対して何らかの前処理を施して、そのデータ要素数をニューラルネットワーク2の入力要素数に一致させるものである。即ち、変換手段3で処理された信号のデータ要素数をm個、ニューラルネットワーク2の入力要素数をn個としたとき、データ要素数がn個になるようにデータ処理してニューラルネットワーク2に出力させるものである。
【0027】
よって、本実施例の信号処理システムによれば、ニューラルネットワーク2に入力する信号のデータ要素数mとニューラルネットワーク2の入力要素数nとが一致しない場合であっても、実際に入力させるデータ要素数としては入力要素数nに合わせることができる。このため、ニューラルネットワーク2に信号を入力させるアプリケーションがこのニューラルネットワーク2の入力要素数nによる制約を受けない。同時に、入力要素数nに対してデータ要素に過不足を生ずることなくニューラルネットワーク2を機能させることができる。
【0028】
つづいて、前処理手段4の具体的構成の一例を示す(請求項7記載の発明に相当)。本実施例は、データ要素数がm個、ニューラルネットワーク2の入力要素数がn=1個の場合を想定して構成したものである。まず、変換手段3で処理されたデータ要素数m個の信号を記憶する記憶手段5と一時的に記憶する一時的記憶手段6とが設けられている。また、記憶手段5の出力側には演算手段7が接続されている。さらに、この演算手段7の出力側と前記一時的記憶手段6の出力側とには切替手段8が接続され、この切替手段8の出力がニューラルネットワーク2に対する入力とされている。
【0029】
このような前処理手段4を電気回路で構成する場合、例えば、記憶手段5はメモリ、一時的記憶手段6はシフトレジスタ、演算手段7はマイクロプロセッサユニット(MPU)、切替手段8はセレクタにより構成される。
【0030】
このような構成において、変換手段3からのデータ要素数m個の信号は、記憶手段5と一時的記憶手段6とに入力される。これらのデータ要素をある量だけ記憶したところで、記憶手段5に記憶されたデータ要素を演算手段7に入力し、このデータ要素に対して何らかの演算処理を施す。この演算手段7の演算結果からデータ要素の内のどのデータ要素を選択するかを決定する。この決定に従って、切替手段8が、一時的記憶手段6に一時的に記憶されている変換手段3からの直接的なデータ要素、又は、演算手段7で演算した結果なるデータ要素の中から、1個のデータ要素のみを選択する。このように選択されたデータ要素数が1個の信号をニューラルネットワーク2の入力ニューロンに与える。
【0031】
このようにして、データ要素数がm個、ニューラルネットワーク2の入力要素数がn=1個の場合の信号処理システムを支障なく構築できる。特に、演算手段7としてMPUを用いた場合には、ソフトウエアで前処理を記述できるので、前処理手段4に関してハードウエアの変更を要せずに様々な前処理を行わせることができる。
【0032】
なお、図2において、前処理手段4を演算手段7のみで構成し、変換手段3で処理されたデータ要素数m個の信号について個別に適宜演算処理を施し、ニューラルネットワーク2の入力要素数n分のデータ要素を選択するようにしてもよい(請求項記載の発明に相当する)。
【0033】
或いは、図2において、前処理手段4を記憶手段5と演算手段7との組合せのみで構成し、変換手段3で処理されたデータ要素数m個の信号を記憶手段5にある程度記憶させた段階で、これらのデータ要素に演算手段7で適宜演算処理を施してニューラルネットワーク2の入力要素数n個分のデータ要素を選択するようにしてもよい(請求項記載の発明に相当する)。
【0034】
又は、図2において、前処理手段4を演算手段7と切替手段8との組合せのみで構成し、変換手段3で処理されたデータ要素数m個の信号に演算手段7で適宜演算処理を施した後、この演算結果に基づき切替手段8でニューラルネットワーク2の入力要素数n個分のデータ要素を選択するようにしてもよい(請求項記載の発明に相当する)。
【0035】
さらには、図2において、前処理手段4を記憶手段5と演算手段7と切替手段8との組合せにより構成し、変換手段3で処理されたデータ要素数m個の信号を記憶手段5にある程度記憶させた段階で、これらのデータ要素に演算手段7で適宜演算処理を施した後、この演算結果に基づき切替手段8でニューラルネットワーク2の入力要素数n個分のデータ要素を選択するようにしてもよい(請求項記載の発明に相当する)。
【0036】
さらに、請求項記載の発明の一実施例を図3により説明する。本実施例以降の各実施例は、前述した請求項3ないし7記載の各実施例に適用可能なものであり、特に、前処理手段4における信号処理方式を明らかにしたものである。中でも、本実施例は、前処理手段4に入力される信号のデータ要素数mよりも、ニューラルネットワーク2の入力要素数nのほうが多い場合を想定したものである。より具体的には、m=3個のデータ要素(x1 〜x3 )からなる入力信号に対してニューラルネットワーク2がn=6個の入力ニューロンを有する場合に適用したものである。
【0037】
よって、本実施例の前処理手段4は、図3に示すように、少なくとも3個の入力端子I 〜I と6個の出力端子O 〜O とを有するとともに、各入力端子I 〜I の信号ラインを分岐させ、その一方に各々インバータINV 〜INV を介在させた演算手段7を含むものとして構成されている。これにより、データ要素x からはこのデータ要素x がデータ要素y としてそのまま入力ニューロンに、データ要素x をインバータINV で反転させたデータ要素y (x の補数)が次の入力ニューロンに各々与えられるように設定されている。例えば、データ要素が0〜127なる整数で表されるパルス密度の場合において、このデータ要素x がx =50(=0110010)のとき、出力されるデータ要素y ,y は、y =50,y =77(=1001101)となる。同様に、データ要素x からはこのデータ要素x がデータ要素y としてそのまま3番目の入力ニューロンに、データ要素x をインバータINV で反転させたデータ要素y (x の補数)が4番目の入力ニューロンに各々与えられるように設定され、データ要素x からはこのデータ要素x がデータ要素y としてそのまま5番目の入力ニューロンに、データ要素x をインバータINV で反転させたデータ要素y (x の補数)が6番目の入力ニューロンに各々与えられるように設定されている。即ち、前処理手段4によってデータ要素数が2倍に処理されることになる。
【0038】
よって、本実施例によれば、ニューラルネットワーク2に入力させるデータ要素数をこのニューラルネットワーク2の入力要素数に合わせて増やしているので、入力ニューロンを余すことなく利用でき、学習過程等の開発段階を含め、ニューラルネットワーク2の機能を十分に発揮させることができる。
【0039】
なお、本実施例ではインバータINV 〜INV を用いて反転信号を生成するようにしたが、MPU等を用いたソフトウエア上での処理で対処するようにしてもよい。また、本実施例ではデータ要素数を2倍して出力させるようにしたが、ハードウエアの制限内(ニューラルネットワーク2の入力要素数)で自由に変えることができる。
【0040】
ついで、請求項記載の発明の一実施例を説明する。本実施例及び以降に説明する参考例は、前処理手段4に入力される信号のデータ要素数mよりもニューラルネットワーク2の入力要素数nのほうが少ない(m>n)場合を想定した信号処理方式を明らかにしたものである。いま、変換手段3によって変換処理されて前処理手段4に入力される信号のデータ要素を(x1,x2,…,xm )とし、前処理手段4からニューラルネットワーク2の入力ニューロンに与えられる信号のデータ要素を(y1,y2,…,yn )として、本実施例の信号処理を説明する。本実施例では、自己のデータ要素以外のデータ要素との間の差分をとってデータ要素数を減らすことを基本としている。この差分のとり方としては、
(1)のケース
1 =x1−x2
2 =x2−x3

n =xm-1−xm
(2)のケース
1 =x1−x2
2 =x3−x4

n =xm-1−xm
(3)のケース
1 =(x1+x2)−(x3+x4
2 =(x5+x6)−(x7+x8

n =(xm-3+xm-2)−(xm-1+xm
などがある。ニューラルネットワーク2の入力要素数nがn=m−1のときには(1)のケース、n=m/2のときには(2)のケース、n=m/4のときには(3)のケースが適用される。なお、(2)(3)のケースの場合、nは整数であるので、小数点以下は切り捨てる。
【0041】
このような差分をとる処理手段としては、例えば、差分増幅器がある。もっとも、差分のとり方は、上記(1)(2)(3)のケースに示したものに限らず、種々の差分をとることができる。そのための手法としても、単純にニューラルネットワーク2の入力ニューロン数に合わせる方式でもよく、或いは、入力データの特徴が出るように差分をとる手法であってもよい。
【0042】
第1の参考例を図4により説明する。本参考例は、データ要素毎の標準偏差を利用することによりデータ要素数を減らすように前処理手段4を構成したものである。いま、本実施例では、処理される入力信号が、(x1,1,x1,2,…,xm,1),…,(x1,P,x1,P,…,xm,P) なるPパターンであるとする。このようなデータを各データ要素毎に標準偏差σp をとると、次式で表すことができる。
【0043】
【数1】
Figure 0003555773
【0044】
上式で求められる各標準偏差σ中、小さいものから順にそのデータ要素を削除することにより、データ要素数を減らす。これは、例えば全データを幾つかのカテゴリーに分ける場合、パターン間でデータ要素の差がなければ、そのデータ要素はカテゴリー分類のデータ要素としてはあまり役に立たないので削除するものである。
【0045】
ここに、本参考例を実施するための前処理手段4の具体的構成例を図4に示す。この例は、図2に示した構成をより具体的にしたものであり、記憶手段5としてメモリ9、一時的記憶手段6としてシフトレジスタ10、演算手段7として演算回路11、切替手段8としてセレクタ回路12を用いて、データ要素数mの信号を入力要素数n=1のニューラルネットワーク2に入力させる場合への適用例として構成されている。
【0046】
このような構成において、変換手段3からのデータ要素数m個の信号は、メモリ9とシフトレジスタ10とに順次記憶され、メモリ9に記憶されたデータが演算回路11に出力されることにより上記の演算式によって各データ要素毎の標準偏差σが計算される。そして、この演算回路11で計算された各データ要素毎の標準偏差σに基づき、この演算の間、シフトレジスタ10中に一時記憶されていたデータ要素中から必要なもの(削除に値しないもの)をセレクタ回路12によって選択する。これにより、データ要素を1個に減らした信号としてニューラルネットワーク2に入力される。
【0047】
ついで、第2の参考例を説明する。本参考例は、ニューラルネットワーク2に与えられる入力信号が画像・音声データのような周波数成分を含む場合を想定したものであり、変換手段3で処理されたデータ要素数m個の信号中で、ある帯域の周波数成分(特定の範囲)を有するものだけを選択することによりデータ要素数を減らすように前処理手段4を構成したものである。
【0048】
参考例を実施する上で、ある帯域の周波数成分のものを選択するためには、例えば、バンドパスフィルタを用いればよい。このバンドパスフィルタはフィルタ回路を用いて構成する他、演算手段7をなすMPUを使うプログラムにより実現するようにしてもよい。
【0049】
また、第3の参考例を説明する。本参考例は、変換手段3で処理された信号のデータ要素について少なくとも2つ以上のデータ要素を平均化して1つのデータ要素とすることにより、データ要素数を減らして、ニューラルネットワーク2に入力させるように前処理手段4を構成したものである。このためには、前処理手段4中の演算手段7として平均化演算機能を有するものを用いればよい。
【0050】
さらに、第4の参考例を説明する。本参考例は、乱数を利用することで、変換手段3で処理されたm個のデータ要素の信号中から無作為にデータ要素を選択することにより、データ要素数を減らして、ニューラルネットワーク2に入力させるように前処理手段4を構成したものである。即ち、演算手段7において乱数を発生させ、この乱数の値に基づいてニューラルネットワーク2に出力すべきデータ要素を決定・選択するように構成される。ここに、データ要素毎に乱数を変えて選択させることも可能である。
【0051】
なお、これらの発明の実施例及び第1〜第4の参考例に示した信号処理は、上述したような単独の処理に限らず、少なくとも2種以上の処理を組合せた結果、得られるデータ要素をニューラルネットワーク2に対して入力させるように前処理手段4を構成してもよい。即ち、変換手段3で処理されたデータ要素数m個の信号に基づき、これらのデータ要素間の差分をとったデータ要素からなる信号、標準偏差を基準に選択したデータ要素からなる信号、特定の範囲から選択したデータ要素からなる信号、平均化したデータ要素からなる信号及び無作為に選択したデータ要素からなる信号の内、少なくとも2つ以上を組合せてなるデータ要素数n個の信号を選択してニューラルネットワーク2に入力させるものである。
【0052】
また、本発明を実現する上で、ハードウエア構成のニューラルネットワーク2は、1つのアルゴリズム(学習を含む)に限定されるものではなく、扱う値(データ)の表現形態としても、パルス密度方式、デジタル方式、アナログ方式等の方式を問わず適用し得るものである。さらには、光信号を扱うものであってもよい。
【0053】
【発明の効果】
発明の信号処理ユニットによれば、信号を取り込む入力手段と、この入力手段により取り込まれた信号に対して変換処理を施す変換手段と、この変換手段で処理された信号を入力として認識等の信号処理をハードウエア構成で行う神経回路模倣の信号処理手段とを備えた信号処理システムにおいて、変換手段と信号処理手段との間に変換手段で処理された信号のデータ要素数を信号処理手段の入力要素数に一致させる前処理を行う前処理手段を設けたので、信号処理手段に入力する信号のデータ要素数と信号処理手段の入力要素数とが一致しない場合でも入力要素数に合わせることができ、信号を入力させるアプリケーションが入力要素数による制約を受けることなく、かつ、入力要素数に対してデータ要素に過不足を生ずることなく信号処理手段を機能させることができる。
【0054】
このためにも、請求項3ないし7記載の発明の信号処理ユニットによれば、前処理手段を、演算手段、記憶手段と演算手段との組合せ、演算手段と切替手段との組合せ、記憶手段と演算手段と切替手段との組合せ、或いは、記憶手段と演算手段と一時的記憶手段と切替手段との組合せとして、容易に実現できる。
【0055】
また、請求項記載の発明の信号処理ユニットによれば、変換手段からの信号の他にこれを反転させた信号も用いることにより入力信号のデータ要素数を増やして信号処理手段に入力させるようにしたので、信号処理手段の入力要素を余すことなく利用できるものとなり、学習過程等の開発段階を含め、信号処理手段の機能を十分に発揮させることができる。
【0056】
一方、請求項記載の発明の信号処理ユニットによれば、変換手段で処理された信号のデータ要素に基づき、これらのデータ要素間の差分をとったデータ要素からなる信号を入力信号として信号処理手段に入力させることにより、入力すべき信号のデータ要素数を入力要素数に合わせて減らすようにしたので、入力要素数による制約を受けることなくアプリケーションを適用できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】発明の一実施例を示す模式図である。
【図4】参考例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 入力手段
2 信号処理手段
3 変換手段
4 前処理手段
5,9 記憶手段
6,10 一時的記憶手段
7,11 演算手段
8,12 切替手段

Claims (7)

  1. 信号を取り込む入力手段と、この入力手段により取り込まれた信号に対して変換処理を施す変換手段と、この変換手段で処理された信号を入力として認識等の信号処理をハードウエア構成で行う神経回路模倣の信号処理手段とを備えた信号処理システムにおいて、前記変換手段と前記信号処理手段との間に、前記変換手段で処理された信号のデータ要素とこの信号を反転させた信号のデータ要素とからなる信号を入力信号として前記信号処理手段に入力し、前記変換手段で処理された信号のデータ要素数を前記信号処理手段の入力要素数に一致させる前処理手段を設けたことを特徴とする信号処理システム。
  2. 信号を取り込む入力手段と、この入力手段により取り込まれた信号に対して変換処理を施す変換手段と、この変換手段で処理された信号を入力として認識等の信号処理をハードウエア構成で行う神経回路模倣の信号処理手段とを備えた信号処理システムにおいて、前記変換手段と前記信号処理手段との間に、前記変換手段で処理された信号中の複数のデータ要素間の差分をとったデータ要素からなる信号を入力信号として信号処理手段に入力し、前記変換手段で処理された信号のデータ要素数を前記信号処理手段の入力要素数に一致させる前処理手段を設けたことを特徴とする信号処理システム。
  3. 変換手段で処理された信号に演算処理を施して信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する演算手段よりなる前処理手段としたことを特徴とする請求項1又は2記載の信号処理システム。
  4. 変換手段で処理された信号を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された信号に演算処理を施して信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する演算手段とよりなる前処理手段としたことを特徴とする請求項1又は2記載の信号処理システム。
  5. 変換手段で処理された信号に演算処理を施す演算手段と、この演算手段で処理された信号から信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する切替手段とよりなる前処理手段としたことを特徴とする請求項1又は2記載の信号処理システム。
  6. 変換手段で処理された信号を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された信号に演算処理を施す演算手段と、この演算手段で処理された信号から信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する切替手段とよりなる前処理手段としたことを特徴とする請求項1又は2記載の信号処理システム。
  7. 変換手段で処理された信号を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された信号に演算処理を施す演算手段と、前記変換手段で処理された信号を一時的に記憶する一時的記憶手段と、前記演算手段で処理された信号及び前記一時的記憶手段に記憶された信号とから信号処理手段の入力要素数分のデータ要素を選択する切替手段とよりなる前処理手段としたことを特徴とする請求項1又は2記載の信号処理システム。
JP07565794A 1994-04-14 1994-04-14 信号処理システム Expired - Fee Related JP3555773B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07565794A JP3555773B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 信号処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07565794A JP3555773B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 信号処理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07282166A JPH07282166A (ja) 1995-10-27
JP3555773B2 true JP3555773B2 (ja) 2004-08-18

Family

ID=13582530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07565794A Expired - Fee Related JP3555773B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 信号処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3555773B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07282166A (ja) 1995-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gelenbe et al. Function approximation with spiked random networks
Irwin et al. Neural network applications in control
Aoki et al. An image storage system using complex-valued associative memories
Sandberg et al. Uniform approximation of multidimensional myopic maps
CN111768795A (zh) 语音信号的噪声抑制方法、装置、设备及存储介质
Hasoon et al. Image enhancement using nonlinear filtering based neural network
JP3555773B2 (ja) 信号処理システム
Desai Realization of bilinear stochastic systems
JPH0981723A (ja) 画像処理装置
JP3205873B2 (ja) カオス回路網
Huang et al. An experimental study: on reducing RBF input dimension by ICA and PCA
JPH08123486A (ja) 時系列信号フィルタ及びその学習方法
JPH07113942B2 (ja) ニューロチップによる結合器
JP2860057B2 (ja) ニューラルネットワークシステム
JPH01321574A (ja) メモリ装置
Sadiku et al. Computing with neural networks
Park et al. A modified infomax algorithm for blind signal separation
Jutten et al. Simulation machine and integrated implementation of neural networks: A review of methods, problems and realizations
CN112991415A (zh) 深度信息确定方法、装置、电子设备和存储介质
JPH06325010A (ja) パルス密度型ニューラルネットワークの学習方法及びその装置
JPH05143094A (ja) 話者認識システム
Pollack Language induction by phase transition in dynamical recognizers
Erten et al. Modified cellular neural network architecture for integrated image sensing and processing
Setiawan et al. Training an ANN for synthesizing surface roughness of varying scales
JPS60117967A (ja) 画像処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040506

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080521

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees