JP3555623B2 - バッテリーパック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム2次電池等の非水溶媒系2次電池の過充電・過放電防止装置を備えたバッテリーパックに関する。
【0002】
【従来の技術】
非水溶媒系2次電池、例えばリチウムイオン2次電池の電池構成例を図7に示す。このリチウムイオン2次電池1では正極2の活性物4としてLiCoO2
を、負極3の活物質6としてグラファイト構造を有するカーボンを用い、正極の活物質4がAlの集電体5に保持され、負極の活物質6がCuの集電体7に保持される。各活物質4及び6はセパレータ8を介して対向し、活物質4及び6間には有機電解液9が充填される。このリチウムイオン2次電池1の電圧反応は化1に示すように表現される。
【0003】
【化1】
【0004】
電池1の充放電特性は図8及び図9に示すように電池容量即ち充放電エネルギと電池端子間電圧(所謂電池電圧)との間に強い相関を有する。図8の実線Iは電池電圧と充電エネルギの関係を示すグラフであり、充電エネルギが増すにつれて電池電圧が上昇する。
図9の実線IIは電池電圧と放電エネルギの関係を示すグラフであり、放電エネルギが増すにつれて電池電圧が低下する。
【0005】
電池1には電池構成材料及び電池設計できまる設計電圧aがあり(図8参照)、この設計電圧aを越えて充電することを過充電と呼ぶ。過充電を行うと、(1)負極3上でのLi金属の析出、(2)正極活物質4の分解及び分解で生成したコバルトイオンに起因する負極3上でのCo金属あるいはコバルト化合物の析出、(3)有機電解液の分解が生じる。Li金属、Co金属、Co化合物の析出は正負極のショート原因となり、正極活物質4、有機電解液9の分解は電池1の著しい劣化原因となる。従って、過充電は本質的に避けなければ電池の信頼性を確保することはできない。
【0006】
充電した電池1に外部負荷を接続して放電すると、図9に示すように電池電圧は低下して行くが、放電を継続すると負極集電体(Cu)7の溶解電圧bに到達する。この溶解電圧bに至った以降さらに放電することを過放電と呼び、過放電では当然に銅(Cu)がイオン化し、電解液9に溶出する。集電体金属が溶出すれば、集電機能の劣化、負極活物質6の脱落が生じ電池1の容量を低下させる。さらに、溶出した銅イオンが次の充電時に負極3に異常析出し、正負極のショート原因ともなる。従って、過放電も当然に避けるべき課題である。
【0007】
従来、過放電・過充電に対する対策として次のような技術があった。過充電対策としては、▲1▼充電器による充電電圧を制御、▲2▼電池内圧による電流遮断装置がある。
【0008】
上記▲1▼の充電器による過充電対策は、充電時に電池の充電端子電圧を制御するもので、単電池または単電池の並列接続では十分に効果のあるものである。しかし、電池は直列接続で使用されることが多く、この場合、直列接続の両端電圧は制御されるものの、個々の電池電圧の制御はできない。従って、直列接続中の少なくとも1個の電池がショートした場合、充電中に他の電池は過充電となり、この方式は完全な過充電対策とはならない。
【0009】
上記▲2▼の電流遮断装置としては過充電中に電池の内圧が上昇することを利用し、メカニカルに電流リード線を遮断し、充電電流を遮断する方式がある。この方式は過充電そのものを防止するものではなく、過充電が進行後の電池温度の異常上昇、高圧内に起因する電池の破壊を未然に防止するもので、一度、電流遮断が働くとその電池は使用不能となる。
【0010】
過充電対策については負極集電体金属の溶解電圧が電池電圧としてなるべく零に近い金属を選定する方法がある。例えばCuに変えてNiを使用すると効果は観察されるが、完全なものではない。特に、直列接続の電池では電池の個体差により、必ず、一方の電池の過放電が進行し、充放電サイクル劣化が著しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電池の過充電及び過放電を完全に防止し、電池の信頼性、安全性を保証し得るようにしたバッテリーパックを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るバッテリーパックは、電池容量に応じて電池電圧が変化する複数個の直列接続された非水系二次電池と充電端子と放電端子と過充電・過放電防止回路とを備えたバッテリーパックであって、過充電・過放電防止回路が次のように構成されてなる。即ち、この過充電・過放電回路は、個々の電池の両端子間の電圧を検出するための基準電圧と比較器により構成された第1の電圧検出手段と、共通端子及び充電端子間に直列接続された電池と直列に設けられた第1のスイッチ手段を有し、また、直列接続された電池の両端子間の電圧、もしくは個々の電池の両端子間の電圧を検出するための基準電圧と比較器により構成された第2の電圧検出手段と、共通端子及び放電端子間に直列接続された電池と直列接続された第2のスイッチ手段とを有し、充電時に個々の電池の電圧が第1の所定値を越えたとき、第1の電圧検出手段の個々の出力に基づいて第1のスイッチ手段をオフして、充電電流を遮断し、放電時に個々の電池の電圧が第2の所定値以下になったとき、もしくは全電池の総電圧が第3の所定値以下になったとき、第2の電圧検出手段の出力に基づいて第2のスイッチ手段をオフして、放電電流を遮断するように構成される。
第1及び第2のスイッチ手段としては、nチャンネルFETで構成することができる。
【0013】
本発明に係るバッテリーパックでは、充電時に、個々の電池の電圧が常時第1の電圧検出手段により検出され、その電圧が第1の所定値(即ち設計電圧)を越えたときに第1の電圧検出手段の個々の出力に基づいて第1のスイッチ手段がオフして充電電流が遮断される。放電状態としたときには、電池の電圧が常時第2の電圧検出手段で検出され、個々の電池の電圧が第2の所定値(即ち設定で夏)以下になったとき、もしくは直列接続された全電池の総電圧が第3の所定値(即ち設定電圧)以下になると、第2の電圧検出手段の出力に基づいて第2のスイッチ手段がオフして放電電流が遮断される。従って、確実の電池の過充電・過放電が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述した非水溶媒系2次電池の電池電圧と電池容量(充放電エネルギ)の相関関係を利用し、例えば直列接続された上記電池の端子電圧を常時検出し、設計電池電圧を越えると電子回路により充電電流を遮断し、また、電池の設定電圧以下で電子回路により放電電流を遮断するようにして、電池の過充電、過放電を完全に防止し、電池の信頼性・安全性を保証するものである。
【0015】
以下、図面を参照して本発明によるバッテリーパックの実施の形態を説明する。
【0016】
図3は、本実施の形態に係るバッテリーパックに組み込まれる過充電・過放電防止装置の基本構成を示す。この過充電・過放電防止装置は、過充電防止と過放電防止装置が一体に組み込まれている。本例では2個の電池を直列接続した場合である。
同図において、11は共通端子、12は放電端子、13は充電端子、14〔14A,14B〕は直列接続された2個の電池を示す。直列接続された電池14の一端(正極端)は共通端子11に接続され、他端(負極端)は放電電流遮断用の第2のスイッチ手段15を介して放電端子12に接続されると共に、充電電流遮断用の第1のスイッチ手段16を介して充電端子13に接続される。各電池14A,14Bの端子間、即ち電池14Aの端子間にこの電池電圧を検出するための第1の電圧検出器17が接続され、電池14Bの端子間に同様にこの電池電圧を検出するための第2の電圧検出器18が接続され、第1及び第2の電圧検出器17及び18の夫々の出力側が第1のスイッチ手段16に接続される。この第1及び第2の電圧検出器17及び18と、第1のスイッチ手段16で過充電防止装置が構成される。また、直列接続の電池14の両端間に直列接続された全電池の電池電圧を検出するための第3の電圧検出器19が接続され、この電圧検出器19の出力側が放電電流遮断用の第2のスイッチ手段15に接続される。この第3の電圧検出器19と第2のスイッチ手段15で過放電防止装置が構成される。
【0017】
電池14A,14Bは前述した非水溶媒系2次電池例えばリチウムイオン2次電池を用いる。電圧検出器17,18,19は消費電力が少なく、電圧検出精度の高いものが好ましい。スイッチ手段15,16は大電流用でオン抵抗の低いものがよい。
【0018】
上述の構成において、共通端子11及び充電端子13を充電用電源に接続して直列接続された2個の電池14A,14Bを充電するときには、第1のスイッチ手段16がオン状態となされ、第1及び第2の電圧検出器17,18により常時個々の電池14A及び14Bの端子電圧が検出されながら充電が行われる。そして電池14A,14Bの少なくともいずれか一方の電池、例えば電池14Aの端子電圧が設計電圧a(図7参照)を越えると、電池14Aに対応する第1の電圧検出器17の出力に基づいて第1のスイッチ手段16がオフになり、充電電流が遮断されて、過充電が防止される。
【0019】
次に、充電された電池14をその共通端子11及び放電端子12を通じて負荷に接続して放電するときには、第2のスイッチ手段15がオン状態となされ、第3の電圧検出器19により常時直列接続の電池14の両端間の電圧が検出されながら放電が行われる。そして電池の両端間の電圧が電池の負極集電体金属の溶解電圧又は負荷となる機器のカットオフ電圧等いずれか高い方で決まる設定電圧b以下になると(図9参照)、第3の電圧検出器19よりの出力に基づいて第2のスイッチ手段15がオフとなり放電電流が遮断されて過放電が防止される。
【0020】
図4に上記基本構成に対応した具体的な電子回路の例を示す。
直列接続された電池14〔14A,14B〕の一端(正極端)が共通端子(プラス端子)11に接続され、他端(負極端)が第2のスイッチ手段本例ではnチャンネルFET15及び第1のスイッチ手段本例ではnチャンネルFET16を介して充電端子(マイナス端子)13に接続され、さらに両第2及び第1のnチャンネルFET15及び16の接続中点が放電端子(マイナス端子)12に接続される。D1,D2は寄生ダイオードである。
【0021】
共通端子11は抵抗R4を介して第1のnチャンネルFET16のゲートに接続される。さらに、共通端子11がpnpトランジスタQ3及び抵抗R5,R6を介して充電端子13に接続されると共に、第1のnチャンネルFET16のゲートとソース(充電端子13に接続されている)間にnpnトランジスタQ4が接続され、そのゲート抵抗R5とR6の接続中点に接続される。
【0022】
一方、第1,第2,第3の各電圧検出器17,18,19は図3に示すように、出力端t1,+電源端子t2及び−電源端子t3を有する比較器21よりなり、そのマイナス入力端に基準電圧V2を印加すると共に、+電源端子t2と−電源端子t3間に抵抗R1及びR2を接続して抵抗R1及びR2の接続中点の電圧V1をプラス入力端に印加するようにして構成される。この電圧検出器17(18,19)ではV1<V2のとき出力端子t1の電圧Vt1が−電源端子t3の電圧Vt3に等しくなり(Vt1=Vt3)、V1>V2のときに出力端子t1の電圧Vt1が+電源端子t2の電圧Vt2に等しくなく(Vt1=Vt2)。
ここで、第1及び第2の電圧検出器17及び18ではその端子t2及びt3間の電圧が単電池14A,14Bの設計電圧(例えは4.3V)まではV1<V2であり設計電圧を越えるとV1>V2となるように設定される。また第3の電圧検出器19ではその端子t2及びt3間の電圧が設定電圧(例えば2個直列の両端間電圧4.3V)以下でV1>V2、設定電圧より上でV1<V2となるように設定される。
【0023】
そして、放電電圧を検出する第3の電圧検出器19は、その出力端子t1がスイッチ手段である第2のnチャンネルFET15のゲートに、その+電源端子t2が共通端子11従って電池14の一端(正極端)に、その−電源端子t3が電池14の他端(負極端)に、夫々接続される。また、電池14Aの端子電圧を検出する第1の電圧検出器17は、その+電源端子t2が電池14Aの正極端に、−電源端子t3が電池14Bの負極端に夫々接続されると共に、その出力端子t1が抵抗R7を介してスイッチング回路を構成する例えばnpnトランジスタQ1のベースに接続される。トランジスタQ1のエミッタは第1の電圧検出器17の−電源端子t3に接続され、コレクタは抵抗R9及びダイオードD3を介してpnpトランジスタQ1のベースに接続される。電池14Bの端子電圧を検出する第2の電圧検出器18は、その+電源端子t2が電池14Bの正極端(即ち電池14A及び14Bの接続中点)に、−電源端子t3が電池14Bの負極端に夫々接続されると共に、その出力端子t1が抵抗R8を介してスイッチング回路を構成するnpnトランジスタQ2 のベースに接続される。トランジスタQ2のエミッタは第2の電圧検出器18の−電源端子t3に接続され、コレクタは抵抗R10及びダイオードD4を介してpnpトランジスタQ3 のベースに接続される。さらに、pnpトランジスタQ3のベースとエミッタ間に抵抗R11が接続される。
【0024】
次に、この図4の回路の動作を説明する。先ず、共通端子11及び充電端子13を充電用の電源に接続して直列接続した電池14を充電する場合について述べる。充電初期状態では第1及び第2の電圧検出器17及び18がV1<V2であるので出力端子t1の電圧Vt1が−電源端子t3の電圧Vt3と等しくなる故、トランジスタQ1及びQ2はオフ状態となっている。一方、第2のnチャンネルFET15はオン状態となっている。従って、共通端子11を通して第1のnチャンネルFET16のゲートにプラス電圧が与えられることにより、第1のnチャンネルFET16がオンし、充電電流が共通端子11−電池14A,14B−第2のnチャンネルFET15−第1のnチャンネルFET16−充電端子13間に流れ、電池14A,14Bが充電される。
【0025】
充電が進み、電池14A,14Bの少なくともいずれか一方、例えば電池14Aの充電電圧が設計電圧aを越えると、第1の電圧検出器17においてV1>V2となり、出力端子t1の電圧Vt1が+電源端子t2の電圧Vt2と等しくなることにより、トランジスタQ1のベースにプラス電位が与えられトランジスタQ1がオンする。トランジスタQ1がオンすることによりpnpトランジスタQ3がオンし、さらにトランジスタQ4がオンすることにより充電電流遮断用のスイッチ手段である第1のnチャンネルFET16がオフし、充電電流が遮断される。また、電池14Bが先に設計電圧aを越えると第2の電圧検出器18の出力端子電圧Vt1が同様に+電源端子の電圧Vt2と等しくなることによって、この検出器18の出力に基づいて第1のnチャンネルFET16がオフし、充電電流が遮断される。従って充電が停止し電池14A,14Bに対する過充電が防止される。
【0026】
次に、共通端子11及び放電端子12を介して充電した電池14〔14A,14B〕に外部負荷を接続して放電する場合について述べる。放電電流は、放電端子12−第2のnチャンネルFET15−電池14B,14A−共通端子11を通して流れる。放電が進み、直列接続された電池14A,14Bの容量が下がって、設定電圧b以下になると第3の電圧検出器19においてV1<V2になり、出力端子t1の電圧Vtが−電源端子t3の電圧Vt3に等しくなることによってその第3の電圧検出器19の出力電圧で放電電流遮断用のスイッチ手段である第2のnチャンネルFET15がオフし、放電電流が遮断される。従って、放電が停止して電池14A,14Bの過放電が防止される。
【0027】
このようにして、本実施の形態では、単電池端子電圧4.3Vを越える過充電、2個直列の両端端子電圧4.3V以下の過放電を防止することができる。
【0028】
図6は、4個の電池14〔14A,14B,14C,14D〕を直並列接続した場合の例であり、図3と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。本実施の形態では充電時、電池14A及び14Cの少なくともいずれか一方が設計電圧を越えると、第1の電圧検出器17の出力に基づいて第1のスイッチ手段16がオフし、また、電池14B及び14Dの少なくともいずれか一方が設計電圧aを越えると第2の電圧検出器18の出力に基づいて第1のスイッチ手段16がオフし、充電電流が遮断されて電池14A,14B,14C,14Dの過充電が防止される。放電時は直列接続された電池14A及び14B又は電池14C及び14Dの少なくともいずれかの両端電圧が設定電圧b以下となると第3の電圧検出器19の出力に基づいて第2のスイッチ手段15がオフし、放電電流が遮断されて過放電が防止される。具体的な電子回路構成は図4を用いることができる。
【0029】
図1及び図2は、図4に示す過充電・過放電防止回路を組込んだ本発明に係るバッテリーパックの一実施の形態を示す。図1において、22は裏面に図4に示す回路に相当する配線パターン23が形成され、表面に回路部品24がマウントされたプリント基板を示す。このプリント基板22は2個の電池14A及び14Bが並置される大きさを有し、その基板22の一端より起立するように直列接続の一方の電池14Aの正極端と接続する正極タブ26及び他方の電池14Bの負極端と接続する負極タブ27が形成されると共に、基板22の他端より起立するように一方の電池14Aの負極端と他方の電池14Bの正極端が共通接続される中点用タブ28が形成され、更に基板の一側に起立するように共通端子11、放電端子12及び充電端子13を外側に配した端子固定板29が一体に設けられて成る。各共通端子11、放電端子12、充電端子13、タブ26,27,28等はプリント基板22の配線パターン23に接続される。回路部品24は2個の電池14A及び14Bを並べて配したときの両電池14A及び14Bの隙間に当たる基板中央にマウントされる。なお、タブ26,27,28に対応する位置を図4において同符号で示す。そして、図2Aで示すように、このプリント基板22上に2個の電池14A及び14Bを配し、電池14Aの正極端と正極タブ26とを、電池14Bの負極端と負極タブ27とを、電池14Aの負極端及び電池14Bの正極端と中点用タブ28とを、夫々例えば溶接により電気的且つ機械的に接続固定する。そして、電池14A,14Bとプリント基板22が一体化されたものを上ケース31と下ケース32からなる収納ケース33内に収納し、下ケース32に設けた開口35,36及び37に夫々共通端子11、放電端子12及び充電端子13を臨ましめて図2Bに示す過充電・過放電防止可能なバッテリーパック38が構成される。
【0030】
上述の図3及び図6では直列接続された2個の電池の両端間に1つの第3の電圧検出器19を設けたが、直列接続された個々の電池に対応して夫々第3の電圧検出器19を設けることも可能である。
【0031】
尚、上述した電子回路は、本発明の技術思想を実現する回路の一例であり、使用する素子、回路方式、設定電圧は任意であることは言うまでもない。また、単電池、3個以上の直列接続等にも対応できる。さらに、回路の一部または全部をIC化して用いることも可能である。上述の電子回路は電池内部、外部、バッテリーパック内、充電器に一部または全部を組込むことができる。
【0032】
上述したように、本実施の形態では、単電池、並列接続、2個以上の直列接続、直並列接続の電池等に対応できる。直列接続の電池に対応する場合には、電圧検出手段として、個々の電池に対応して電圧検出手段を設けてもよいが、直列接続した電池の両端間電圧を検出する1つの電圧検出手段を設けるようにしても良い。
【0033】
また、上述の図3及び図4では過充電防止装置と過放電防止装置を一体に組合せた例を示したが、その他、過充電防止装置、過放電防止装置を夫々単独で用いることも可能である。例えば過充電防止装置のみを充電器に組込んだり、又は過放電防止装置のみをバッテリーパックに組込むことができる。
また上例ではリチウムイオン2次電池の過充電、過放電の防止に適用したがその他の非水溶接系2次電池にも適用できることは勿論である。
【0034】
上述した実施の形態によれば、電池の充電時に過充電を防止することができるので、電池の正極活物質及び電解液の分解、電池の内部ショート、電池温度、及び電池内圧の異常上昇、温度及び内圧の上昇にともなう電池破壊を回避することができる。また、電池を外部負荷に接続して放電するときにも、電池の過放電を防止することができるので、電池容量の劣化、充電型サイクル寿命劣化、電池の内部ショートを避けることができる。従って、電池が使用不能とならず電池の信頼性、安全性を保証することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明に係るバッテリーパックによれば、電池の充電時、その過充電を防止することができる。また、電池の放電時に過放電を防止することができる。従って、電池の破壊を回避し、電池の信頼性、安全性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A,B 本発明に係るバッテリーパックの一実施の形態を示す製造工程図(その1)である。
【図2】A,B 本発明に係るバッテリーパックの一実施の形態を示す製造工程図(その2)である。
【図3】本発明に係るバッテリーパックに組み込ませる過充電・過放電防止装置の実施の形態を示す基本構成図である。
【図4】図3の電子回路例を示す回路図である。
【図5】図4の電圧検出器の回路図である。
【図6】本発明に係るバッテリーパックに組み込まれる過充電・過放電防止装置の他の実施の形態を示す基本構成図である。
【図7】リチウムイオン2次電池の構成図である。
【図8】リチウムイオン2次電池の充電エネルギと電池電圧の関係を示すグラフである。
【図9】リチウムイオン2次電池の放電エネルギと電池電圧の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11・・共通端子、12・・放電端子、13・・充電端子、14A,14B・・電池、15,16・・スイッチ手段、17,18,19・・電圧検出器、22・・プリント基板、23・・配線パターン、24・・回路部品、26・・正極タブ、27・・負極タブ、28・・中点用タブ、29・・端子固定版、31・・上ケース、32・・下ケース、33・・収納ケース
Claims (2)
- 電池容量に応じて電池電圧が変化する複数個の直列接続された非水系二次電池と充電端子と放電端子と過充電・過放電防止回路とを備えたバッテリーパックであって、
前記過充電・過放電防止回路が、
個々の電池の両端子間の電圧を検出するための基準電圧と比較器により構成された第1の電圧検出手段と、前記共通端子及び前記充電端子間に直列接続された電池と直列に設けられた第1のスイッチ手段を有し、
直列接続された電池の両端子間の電圧、もしくは個々の電池の両端子間の電圧を検出するための基準電圧と比較器により構成された第2の電圧検出手段と、前記共通端子及び前記放電端子間に前記直列接続された電池と直列接続された第2のスイッチ手段とを有し、
充電時に個々の電池の電圧が第1の所定値を越えたとき、前記第1の電圧検出手段の個々の出力に基づいて前記第1のスイッチ手段をオフして、充電電流を遮断し、
放電時に個々の電池の電圧が第2の所定値以下になったとき、もしくは全電池の総電圧が第3の所定値以下になったとき、前記第2の電圧検出手段の出力に基づいて前記第2のスイッチ手段をオフして、放電電流を遮断するように構成されてなる
ことを特徴とするバッテリーパック。 - 前記第1及び第2のスイッチ手段がnチャンネルFETである
ことを特徴とする請求項1記載のバッテリーパック。
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