JP3555461B2 - 経路決定方法及び移動体交通制御システム - Google Patents

経路決定方法及び移動体交通制御システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の移動体例えば路上車両や軌道車両の交通を制御する移動体交通制御システム、特にこのシステムに適する経路決定方法に関する。なお、本願では、携帯機器や管制局からの指令に従い移動する人間等の移動体を含める意味で、「移動体」なる語を用いることとする。
【0002】
【従来の技術】
現在実施されているVICS(Vehicle Information and Communications System)は、路側ビーコンやFM多重放送を通じ道路上の車両に道路の混雑具合や交通規制に関する情報を無線送信するシステムである。道路交通制御の面からみたこのシステムの利点の一つは、渋滞している道路を迂回し渋滞していない道路を利用するよう、無線通信を通じ各車両の操縦者に促すことができ、従って渋滞をある程度緩和できることである。各車両の操縦者の側からみれば、現在位置から目的地に至る経路が複数あるときに、比較的空いている道路を選択することができ、その結果、迅速かつ快適に目的地に到着できる、というメリットがある。しかしながら、VICSでは、個々の車両の経路の決定が各車両の操縦者の意図にゆだねられているため、渋滞緩和の効果や車両運行の迅速化・快適化の効果には、自ずから限界がある。
【0003】
どのようにしたら各車両が交差点をスムーズに通行できるのか、という点は、渋滞緩和や車両運行の迅速化・快適化の効果を高めようとするとき問題となる点の一つである。この点に関連する技術としては、特開昭62−125407号公報に記載されている交通管制方法がある。この交通管制方法の適用対象は、制御対象たる複数の無人移動車両及びこれら複数の無人移動車両を制御する管制局から構成されるシステムである。このシステムでは、複数の無人移動車両が同時に又は相前後して同一の交差点にさしかかったときに、管制局がいずれかの無人移動車両に対しその交差点への進入許可を与えると共に他の無人移動車両を待機させ、進入許可を得た無人移動車両がその交差点を通過した後に、待機している他の無人移動車両のいずれかにその交差点への進入許可を与える。このようにして、同時に又は相前後して同一の交差点にさしかかった複数の無人移動車両を、順繰りに通過させているため、これら無人移動車両同士が交差点で衝突・接触することを防止できる。この交通管制方法をVICSと組み合わせることも可能であろう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の交通管制方法をVICSと組み合わせることにより得られるシステムは、いくつかの点で、多数の有人車両の交通を制御する用途には適していない。例えば、上記公報に記載のシステムでは、交差点への進入許可が後回しにされ待機を余儀なくされる車両が生じる。他方で、一般の道路交通では、多数の車両が同時に又は相前後して同一の交差点にさしかかることがありうるし、また、交差点の個数も多数になるのが一般的である。従って、上記組合せに係るシステムでは、交差点で長時間の待機を余儀なくされる車両や、交差点にさしかかるたびに待機させられる車両が生まれる。これは、目的地への到着の遅れ、車両乗員のいらだち、燃費の悪化、エミッションの増大等の原因になる。また、上記組合せに係るシステムでは、交差点以外の場所に関して、高々、混雑等に関する情報の提供が行われるのみである。従って、交差点以外の場所における渋滞の発生の可能性が引き続き残っている。
【0005】
これらの問題点を解決できるシステムとしては、本願出願人が特願平9−290753号にて提案している移動体交通制御システムがある(以下「先提案システム」)。この先提案システムでは、まず、交差点や分岐点(以下「節」)の存否及び位置に関する情報、節同士を結ぶ道路や軌道(以下「枝」)に関する情報等を、管制局又は各車両に与えておく。また、各車両の現在位置に関する情報や、その目的地に関する情報等を、使用者による入力、センサによる検出、他種の情報に基づく推定等により、管制局又は各車両が求める。更に、管制局のサービス区画内に存する一般に多数の車両が採りうる経路の組合せ又は自車周辺に存する一般に複数の車両が採りうる経路の組合せを、管制局又は各車両にて、計算により、一般に複数通り求める。更に、管制局又は各車両にて、当該複数通りの組合せの中から交差点における移動体同士の経路干渉が生じない組合せを選び、更にその中で、各車両が目標地点に到達するのに要する時間が最も短くまた出発時の待機時間が最も短くなるであろう組合せを選ぶ。そして、自車又は管制局が選んだ組合せに基づいて、各車両の経路が制御され又はその操縦者に対し採るべき経路が通知・指令される。従って、先提案システムでは、各節での待機の発生を抑えることができ、また各枝での渋滞の発生も抑えることができる。
【0006】
しかしながら、この先提案システムでは、膨大な個数の組合せに関する演算を行う必要があるため、管制局又は各車両における計算量が多くなる。また、各車両の速度を所定値又は現在値で一定にするという制約条件を課しているため、各節における待機の発生や各枝における渋滞の発生を抑える効果に、限界がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、隣接する交差/分岐点から移動体の現在地点へと、その移動体が目指している地点である目標点や他の移動体の挙動に応じて仮想的な力を作用させ、この力により各移動体の経路を最適な経路又はこれに準ずる経路に収斂させることにより、膨大な個数の組合せに関する演算を廃止すると共に移動体の速度に関する制約条件を緩和し、ひいてはより渋滞が発生しにくい移動体交通制御システムを実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成すべく、本発明に係る経路決定方法は、(1)各所にて交差乃至分岐している道路又は軌道に沿い移動する移動体の現在地点から目標点に到る経路を、交差/分岐点毎に導入した吸引力及び反発力という仮想的な力に応じて、交差/分岐点毎の演算により決定する経路決定方法において、(2)道路又は軌道上の現在地点、道路又は軌道上の目標点、現在時刻および移動体の標準速度に基づいて、目標点への到着時刻を暫定することによって時空間上の現在地点と目標点を定め、この時空間上における目標点から現在地点に隣接する交差/分岐点までの距離に応じ、その時空間上の距離が小さいほど大きくなるように、現在地点に隣接する交差/分岐点毎の吸引力を発生させるステップと、(3)将来通過する予定の交差/分岐点において、その交差/分岐点の所定領域に属する各移動体どうしの時間軸方向の距離が小さいほど混雑の度合が高いと演算により判断し、現在地点に隣接する交差/分岐点からの反発力を、隣接する交差/分岐点における混雑の度合が高いほど大きくなるよう、交差/分岐点毎に発生させるステップと、(4)比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくことにより、目標点にできるだけ早く到達しかつ混雑をできるだけ避けた経路を決定するステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
このように、本発明においては、吸引力及び反発力という仮想的な力を、移動体の現在地点に隣接する交差/分岐点即ちその移動体が次に通過すべき地点の候補から作用させ、比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくよう、これらの力の作用による最適経路への収斂によって経路を決定している。これら、経路決定の基礎となる吸引力及び反発力は、その移動体の目標点や、他の移動体の現在及び近い将来における挙動に応じて動的に、かつ目標点にできるだけ早く到達しかつ渋滞をできるだけ避けるという動機付け乃至傾向付けに従って、決定されるものであり、これらの力による収斂によって(例えばニューラルネットワークにおける荷重の更新によって)経路が決定されるから、システムの下に存する全ての移動体の出発点から目標点に到る経路の組合せを求める演算は必要でない。従って、先提案システムに比べ、演算量が少なくなる。
【0010】
また、本発明においては、目標点からその交差/分岐点までの距離が近いほど大きくなるよう吸引力を発生させ、その交差/分岐点における混雑の度合が高いほど大きくなるよう反発力を発生させる。従って、例えば、現在地点に隣接している交差/分岐点の中で目標点からの距離が最も近い交差/分岐点を、他の車両がある時刻に通過する予定である、といった状況下では、当該他の車両の通過時刻及びその前後に関しては、その交差/分岐点から現在地点へと比較的大きな反発力が作用するが、それ以外の時刻に関しては、その交差/分岐点から現在地点へとさほど大きな反発力は作用せず吸引力が優勢となる。ここに、本発明においては、比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくよう、経路を決定している。即ち、上述の状況下では、上記他の車両の通過時刻以外の時刻に当該隣接交差/分岐点を通過するよう、その移動体が採るべき速度(や出発時刻)に関して増減修正が施される。従って、吸引力や反発力を求めるための演算或いは経路を決定するための演算に際して所定の標準速度を用いたり現在の速度を用いたりしたとしても、ある交差/分岐点からその次の交差/分岐点に到る枝での速度は、目標点にできるだけ早く到達すること及び渋滞をできるだけ避けるという傾向付けに従って修正され、その結果として、移動体の速度に関する制約条件が緩和されひいてはより渋滞が発生しにくい移動体交通制御システムが実現される。更に、近接する移動体との距離が小さくなるほど大きくなるよう反発力を発生させるようにすれば、車間距離の確保等、移動体の運行上の安全性を更に高める効果が得られる。
【0011】
本発明に係る経路決定方法の代表例としては、タイプ1とタイプ2とがある。タイプ1に係る経路決定方法は、現在地点に隣接する交差/分岐点の中から比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を選ぶことによって上記経路を部分的に決定する処理を、交差/分岐点にさしかかるたびに繰返し実行することにより、比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくよう上記経路をリアルタイムに決定していくことを特徴とする。タイプ2に係る経路決定方法は、現在地点に隣接する交差/分岐点の中から比較的吸引力が大きい交差/分岐点を選ぶことによって上記経路を部分的に決定する処理を、現在地点から始めて目標点に到るまで繰返し実行することにより、上記経路を仮決定し、仮決定した経路上にある交差/分岐点のうち比較的反発力が大きい交差/分岐点を回避するよう、仮決定された経路を調整することにより、比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくよう上記経路を決定することを特徴とする。タイプ1には、経路を逐次部分的に決定する手法であるためリアルタイム性が高いこと等の利点がある。タイプ2には、採るべき経路を全体に亘り初期的に決定できるため管制局の制御の下に各移動体を計画運行するシステムに適すること等の利点がある。
【0012】
本発明に係る経路決定方法は、単独の移動体の経路を決定するため実行することも可能であり、複数の移動体の経路を同時的乃至並行的に決定するため実行することも可能である。特に、複数の移動体に関し現在地点から目標点に到る経路を決定する際には、交差/分岐点の分布を示す2乃至3次元の空間に更に時間軸を加えた3乃至4次元の時空間を想定し、この時空間における位置ベクトルを用いた演算を行うことで、本発明を実施できる。具体的には、まず、各移動体に関し、現在地点の位置及び現在時刻を示す第1の時空間位置ベクトル(n)を求めた上で、その移動体が次に通過すべき隣接する交差/分岐点の位置及びその通過時刻を示す第2の時空間位置ベクトル(uj)、並びに他の移動体の現在地点又は将来の通過地点及びその通過時刻を示す第3の時空間位置ベクトル(ni)を、求める。更に、第1及び第2の時空間位置ベクトルに基づき吸引力を、第2及び第3の時空間位置ベクトルに基づき反発力を、それぞれ演算する。そして、吸引力及び反発力の演算のうち少なくとも一方と、その結果に基づき第2の時空間位置ベクトル(uj)を修正する処理とを、第2の時空間位置ベクトルの修正量が所定量(umin)以下となるまで繰返し実行することにより、その移動体が次に通過すべき交差/分岐点及びその通過時刻を決定する。この種のベクトル演算は、移動体毎にニューロンを設けそのニューロンのシナプス結合係数(荷重)を更新決定するという自己組織化処理にて実現できる。

【0013】
そして、本発明は、各所にて交差乃至分岐している道路又は軌道に沿い移動する一般に複数の移動体に関し、現在地点から目標点に到る経路を決定し、各移動体の操縦者若しくは制御装置又は道路若しくは軌道の信号機若しくは制御装置に対して指令する移動体交通制御システムに適用できる。また、管制型のシステムとしても非管制型のシステムとしても実現できる。即ち、本発明に係る管制型の移動体交通制御システムは、(1)カバーしている区画内に存する移動体との間で信号を送受信する管制局と、(2)各移動体に搭載され、搭載に係る移動体の現在地点が属する区画をカバーしている管制局との間で、信号を送受信する移動体装置と、(3)上記移動体装置の一部として又は道路若しくは軌道の沿線設備として設けられ、各移動体の現在地点及び目標点を検出又は入力する手段と、を備え、更に、(4)本発明に係る経路決定方法を上記管制局及び上記移動体装置がその間での信号の送受信を通じて共同で実行することを特徴とする。本発明に係る非管制型の移動体交通制御システムは、(1)各移動体に搭載され、他の移動体との間で信号を送受信する移動体装置と、(2)上記移動体装置の一部として又は道路若しくは軌道の沿線設備として設けられ、各移動体の現在地点及び目標点を検出又は入力する手段と、を備え、更に、(3)本発明に係る経路決定方法を上記移動体装置が相互間での信号の送受信を通じて共同で実行することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。なお、実施形態間で共通する部材に関しては記載の簡略化のため説明を省略する。また、以下の説明では「車両」なる用語を用いるが、本発明は、他種の移動体にも適用できる。更に、以下の説明では、2次元的な空間において実施されている道路/軌道交通システムを想定するが、本発明は、3次元的な空間において実施されている交通システム、例えば、立体交差を有する交通システムや、建築物の内部回廊・通路を利用した交通システムにも、適用できる。また、道路と軌道とが混在した交通システムにも適用できる。そのための変形は、本願の開示内容を参照した当業界の技術者には、容易なものであろう。
【0015】
(1)原理
まず、一般に、道路交通システムにおいては複数の道路が各所で交差しており、軌道交通システムにおいては軌道が各所で分岐している。従って、これらの交通システムは、道路又は軌道を表している「枝」と、枝同士の交差点又は枝の分岐点を表している「節」とにより、表現することができる(図1参照)。図1中、(x,y)は、枝及び節が配置されている2次元空間内での位置座標を、直線は枝を、黒丸は節を、それぞれ表している。更に、この2次元空間内の任意の位置(xs,ys)から出発した後枝に沿って走行し任意の位置(xt,yt)を目指す車両を想定すると、その車両が採りうる経路は、図2に示すように、空間軸x及びy並びに時間軸zの三軸にて定義されている3次元空間内の屏風状の立体(或いはその上縁辺)で表すことができ、また、一般に複数通り存在する。この図中、(xs,ys,zs)は車両の出発点の、(xt,yt,zt)は目標点の、3次元時空間座標値である。この図では、車両の速度v=cot(θ)を一定としている(θ:屏風状立体の上縁辺の傾き)。
【0016】
交通システムにおける車両の経路を最適化する上で、本発明にて考慮している第1の点は、速度vが所定の上限速度を超えない範囲内で、出発点(xs,ys)から目標点(xt,yt)までの所要時間zt−zsができるだけ短くなるよう、経路の選択、速度v・出発時刻zt・各節通過時刻の動的調整等を、行うことである。言い換えれば、図2に示した3次元時空間における目標点(xt,yt,zt)の位置ベクトルと、通過地点の位置ベクトルとの差が、比較的小さくなるよう(理想的には常に最小となるよう)、出発点(xs,ys,zs)から目標点(xt,yt,zt)に到るまでの経路全体に亘って、通過すべき節及びその通過時刻を決定すると共に、各枝における速度v、出発時刻zt、各節の通過時刻等を最適値にすることである。例えば、図3及び図4に示す例では、出発点(xs,ys)から目標点(xt,yt)に到る経路が2通り存在している。経路1及び2上には各1個の節が存在しており、経路1上に存する節の方が経路2上に存する節よりも目標点(xt,yt)に近い。このような枝・節配置では、車両の速度vが一定かつ互いに同じであれば、目標点(xt,yt,zt)を基準として表した出発点(xs,ys,zs)の時空間位置ベクトルの絶対値は、図4に示すように、経路1の方が小さくなる。なお、図4中、zt1及びzt2は経路1及び2における到着時刻ztである。
【0017】
交通システムにおける車両の経路を最適化する上で、本発明にて考慮している第2の点は、同一の節又は枝を同時に又は相前後して複数の車両が通過すること、即ち経路間の相互干渉を、可能な限り回避することである。例えば、図5に示すように、ある一つの節を2台の車両A,Bが実質同時に通過するようなケース(経路間の相互干渉点の発生)や、図6に示すように、ある一つの枝を2台の車両A,Bが小さな車間間隔で通過するようなケース(経路間の相互干渉区間の発生)は、できるだけ避けるべきである。経路間の相互干渉を防ぐには、経路干渉に関わっている複数の車両のうち少なくとも一方の車両の経路を、経路干渉が実際に発生するのに先立って、調整・変更する必要がある。経路間の相互干渉を回避するための調整の態様としては、例えば、図7に示すような速度調整、図8に示すような時間調整、図9に示すような経路調整等がある。これらのうち速度調整及び時間調整は、節を通過する時刻を微妙にずらすため車両の速度v又は出発時刻zs(若しくは前の節の通過時刻)を調整するものであるから、3次元時空間(x,y,z)における距離でいえば比較的小さな調整であり、その意味で、いずれも微視調整の一形態であるといえる。また、経路調整は、通過する節自体を変更することによって経路の干渉をなくすものであるから、時空間(x,y,z)における距離でいえば比較的大きな調整であり、その意味で、大域調整の一形態であるといえる。
【0018】
本発明においては、これらの点に鑑み、“車両の現在地点に隣接する節から当該現在地点に対して作用する吸引力及び反発力”という仮想的な力を、経路決定演算に導入している。吸引力は、現在地点に隣接する一般に複数の節それぞれについて、目標点からその節までの距離が近いほど大きくなるよう、発生させる。ここでいう距離は、時空間(x,y,z)における距離である。また、反発力は、現在地点に隣接する一般に複数の節それぞれについて、当該隣接する節における混雑の度合が高いほど大きくなるよう、発生させる。本発明においては、比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい節を順に通過していくよう、各車両の経路を決定する。
【0019】
例えば、図10乃至図12に示すように、現在地点(x,y,z)に隣接して2個の交差点P1,P2があるものとする。車両が所定の標準速度又は現在の速度で移動し続けるとすると、交差点P1の位置及び車両がそこに到達する時刻は3次元時空間位置ベクトルu1により、また交差点P2の位置及び車両がそこに到達する時刻は3次元時空間位置ベクトルu2により、それぞれ表すことができる。他方で、所定の標準速度又は車両の現在の速度に基づき目標点への到達時刻ztを暫定することにより、目標点の概略位置を示す3次元時空間位置ベクトル(目標点位置ベクトル)nを得ることができる。吸引力が比較的大きな節を通過するよう経路を決定するという処理は、隣接交差点位置ベクトルuj(ここではj=1,2)のうち3次元時空間位置ベクトルn−ujの絶対値を最も小さくするような隣接交差点位置ベクトルuj=吸引先交差点位置ベクトルuminを決定するという処理である。この処理は、3次元時空間位置ベクトルn−ujの絶対値が大きいほど修正量が大きくなるような傾向での修正を、修正量の増加速度が所定下限値まで低下するまで繰り返し、目標点位置ベクトルnに施すことにより、実現できる。即ち、各車両に対応してニューロンを設け、そのニューロンのシナプス結合係数(荷重)を3次元時空間位置ベクトルn−ujの絶対値に応じて更新するという自己組織化処理を実行することにより、実現できる。この処理においては、複数通りのjのうちいずれかが選ばれるという作用に加え、3次元時空間位置ベクトルn−ujの絶対値が最も小さくなるよう速度vひいては時刻ztが調整されるという作用も生じる。なお、図12では、隣接交差点位置ベクトルu1が、吸引先交差点位置ベクトルuminとして選ばれている。
【0020】
また、反発力が比較的小さな節を通過するよう経路を決定する、という処理は、吸引力が比較的大きな節を通過するよう(仮)決定された経路に対する修正乃至調整処理として位置づけることが可能である。例えば、図10乃至図12に示した例では隣接交差点位置ベクトルu1が吸引先交差点位置ベクトルuminとなっているが、これは吸引力のみを考えていることによるものであり、更に反発力を考慮すると、吸引先交差点ベクトル位置uminが他のものになることがある。即ち、図13に示すように、他の車両の位置を示す3次元時空間位置ベクトル(他車位置ベクトル)ni(ここではi=1,2,3)と、ベクトルn+u1とが、同一又はそれに近い場合には、その隣接交差点P1はこれらの車両の通過時刻近辺では混雑している、即ち隣接交差点位置ベクトルu1にて与えられる位置は混雑領域Sに含まれている、と見なすことができる。この場合、その節での混雑を防ぎまた車間間隔を確保する上で、隣接交差点位置ベクトルu1を吸引先交差点位置ベクトルuminとすることは避けるべきである。そこで、本発明においては、混雑領域Sに属する3次元時空間位置から作用する反発力を大きくし、この反発力により、吸引先交差点位置ベクトルuminに修正を施すようにしている。例えば、図14に示すように他の節に係る位置ベクトルへと修正し(図9に示した経路調整に相当)、図15に示すように速度vを修正し(図7に示した速度調整に相当)、図16に示すように現在地点からの出発時刻を修正する(図8に示した時間調整に相当)ようにしている。また、図14乃至図16に示した3種類の態様の調整のうちどれを行うかについては、反発力の強さ(混雑領域Sの広さ)や、反発力に基づき吸引先交差点位置ベクトルuminを決定する関数の形により、適宜自動選択される。
【0021】
このように、本発明においては、車両が通過すべき節ひいては経路の決定に際し、目標点にできるだけ早く到達しかつ渋滞をできるだけ避けるという動機付け乃至傾向付けに従って、吸引力及び反発力を目標点や他の移動体の挙動に応じて動的に決定している。そのため、システムの下に存する全ての移動体についてその出発点から目標点に到る経路の組合せを求める演算は、必要でない。この点で、前述した先提案システムのように膨大な演算を必要とする手法に比べ、演算量が少なくなる。更に、本発明においては、演算に際して所定の標準速度を用いたり現在の速度を用いたりしたとしても、ある節からその次の節に到る枝での速度が渋滞回避の傾向付けに従い修正され、結果として、移動体の速度に関する制約条件の緩和ひいてはより渋滞が発生しにくい移動体交通制御システムが実現される。
【0022】
また、本発明における吸引力及び反発力を用いた経路決定の手法には、タイプ1とタイプ2とがある。概念的には、タイプ1は、図17に示すように、吸引力及び反発力双方を用いて節毎に後の経路を決定する手法であり、タイプ2は、図18に示すように、まず吸引力を用いて又は他の経路探索方法を用いて各車両の経路を決定ししかる後に反発力を用いて相互干渉を排除する手法である。タイプ1は、経路を逐次部分的に決定する手法であるためリアルタイム性が高い等の利点を有している。タイプ2は、経路をその全体に亘り初期的に決定し管制局の制御の下に各車両を計画運行するシステムに適している等の利点を有している。
【0023】
(2)装置の構成及び動作
図19〜図23に、本発明を実施可能な車両交通制御システムの構成を示す。これらの図中、10は制御対象たる車両、12は所定区画をカバーする管制局、14は車両10が走行する道路、16は車両10が走行する軌道である。道路14や軌道16は各所にて交差/分岐しており、交差/分岐点18には、車両10の操縦者に対して交通信号を与えるための信号機20(図19、図20及び図22)や、その交差/分岐点18における軌道16の接続先の切換を制御するスケジューラ22(図21)が、設けられている。更に、図20に示すシステムでは車両10の現在地点や速度を検出する路側センサ24が、また、図22に示すシステムでは利用者からの配車リクエストを受け付けるためのリクエスト端末26が、設けられている。
【0024】
これらのシステムのうち図19に示したシステムでは、管制局12が設けられており、各車両10とこの管制局12とが無線通信回線を介して接続されている。例えば、車両10から管制局12へと、自車の目標点(xt,yt)、現在地点(x,y)、速度v等に関する情報を無線送信し、管制局12において、その管制下にある各車両10からそれらの種の情報を収集して本発明に係る経路決定処理を実行し、管制局12から各車両10及び各信号機20へと、経路決定処理の結果得られる経路(目標点までの全経路でもよいし、次に通過すべき交差/分岐点18を示す情報でもよい)を無線送信し、各車両10の操縦者は、受信した情報及び信号機20からの信号に基づき自車を操縦する。無論、管制局12から受信した情報に基づき車両10上の制御装置が駆動系統、操舵系統等を制御するようにしてもよい。その場合、信号機20を廃止できる。更に、経路決定処理のうち一部を車両10で行うようにしてもよい。また、管制局12は他の管制局と有線又は無線通信回線を介して接続されており、車両10がある管制局のサービスエリアから他の管制局のサービスエリアに移動する際、その車両10に関する経路決定処理の権限をハンドオーバする。
【0025】
図20に示したシステムでは、路側センサ24にて即ちインフラストラクチャ側で各車両10の現在地点(x,y)や速度vを検出し管制局12に送るようにしているため、各車両10においてその現在地点(x,y)や速度vを検出し管制局12に送信する処理を行う必要がない。図21に示したシステムでは、決定した経路に基づき管制局12からスケジューラ22へと指令を与え、軌道交通を制御している。図22に示したシステムでは、リクエスト端末26を介し利用者から発せられた配車リクエストに応じ管制局12が車両10や信号機20に指令を与え、車両10の配車を制御している。図23に示したシステムでは、車両間無線通信を通じて各車両にて経路決定処理を行うことにより、管制局12を廃止している。
【0026】
車両10に搭載する装置の構成を図24に、管制局12に配設する装置の構成を図25に、それぞれ示す。まず、図24中の目標点入力部28はその車両10の目標点を車両乗員が入力するための装置であり、位置速度入力部30はその車両10の現在地点及び速度を車両乗員が入力するための装置又はこれらを検出するためのセンサ乃至航法装置である。後者の機能は路側センサ24にて代替できる。通知部32は車両乗員に対し経路等の情報を通知する表示装置や音声出力装置であり、制御部34は経路等の情報に従い車両10の駆動系統、操舵系統、制動系統等に制御信号を与え決定した経路に従い車両10を運行させる装置である。車両10の運行を操縦者に任せる場合、制御部34は廃止できる。更に、送信部36は管制局12又は他の車両10との接続に係る無線回線に信号を送出する回路であり、受信部38はこの無線回線から信号を受け取る回路である。送信部36及び受信部38は共用器40によりアンテナ42を共用している。また、図25中の送信部44は車両10やスケジューラ22との接続に係る回線に信号を送出する回路であり、受信部46は車両10との接続に係る無線回線から信号を受け取る回路である。送信部44及び受信部46は共用器48によりアンテナ50を共用している。入力部52は、受信部46にて受信した情報、インタフェース54を介して他の管制局から受信した情報、路側センサ24やリクエスト端末26からの情報等を、入力する。
【0027】
図24及び図25中には、演算部56、58及び60が示されている。これらの演算部56、58及び60は、協同して、本発明に係る経路決定処理を実行する。例えば車両対管制局間無線通信を利用して本発明を実施する場合には、目標点入力部28や位置速度入力部30からの情報が演算部56により処理され、その結果が他の情報と共に管制局12の演算部60に入力され、演算部60にて処理された情報が演算部58にて更に処理され、それにより経路が決定される。また、車両対車両間無線通信を利用して本発明を実施する場合には、目標点入力部28や位置速度入力部30からの情報が演算部56により処理され、その結果が他の車両10の演算部58にて更に処理され、それにより経路が決定される。無論、いずれかの演算部を省略することもできる。演算部間の処理分担は適宜設計できる。図24及び図25中の破線部分は、経路決定処理の分担の態様によっては一部省略できる部分である。
【0028】
図26に、各演算部の協同により実行される経路決定処理の流れを示す。この図に示すように、車両の経路を決定する処理は、同一の管制局12の管制下にある全ての車両について又は自車の周辺に存在する全ての車両について並列的に、また管制局12又は車両10により実行される。また、この図に示した処理はタイプ1の処理であるが、タイプ2の処理は、タイプ1の処理を吸引力部分と反発力部分とにわけることにより、実現することができる。
【0029】
まず、ステップ100では、車両10の現在地点(x,y)、その目標点(xt,yt)、現在時刻z及び標準の速度に基づき、目標点到着時刻ztが暫定される。その結果、現在地点の3次元時空間位置(x,y,z)及び目標点の3次元時空間位置(xt,yt,zt)が決まるため、目標点位置ベクトルnが決まる。この目標点位置ベクトルnは、後の処理のため作業用ベクトルuに代入される。次に、ステップ102では、他車が将来通過するであろう交差/分岐点18の3次元時空間位置に基づき、他車位置ベクトルn1,n2,…を算出する。なお、このステップでは、他車が将来通過するであろう交差/分岐点18の3次元時空間位置を用いているが、この情報は、同時並行的に実行されている他車に関する経路決定処理の中途結果として、得られるものである。更に、ステップ104では、自車の現在位置に隣接する交差/分岐点18の2次元位置、目標点の3次元時空間位置(xt,yt,zt)及び標準の速度に基づき、自車がその交差/分岐点18に到達する時刻をそのz値とする3次元時空間位置ベクトル即ち隣接交差点位置ベクトルu1,u2,…を算出する。
【0030】
ステップ106では、ベクトルuにd×(umin+α)を加算することによってベクトルuが更新される。この更新によってベクトルuのz値がΔt以上変化した場合には、ステップ108に示される如く、ステップ106が再度実行される。従って、ステップ106に係る更新処理は、更新量の増加速度が低減するまで、繰り返されることになる。
【0031】
ステップ106にて使用している更新処理の式、特に定数dが乗ぜられている括弧の中には、吸引先交差点位置ベクトルuminが含まれている。吸引先交差点位置ベクトルuminは、ここでは、|uj−n|+Σg(uj−ni)を最小にするようなujである(ただしΣはiについての総和)。|uj−n|は、目標点位置ベクトルnと隣接交差点位置ベクトルujの差(図12参照)の絶対値であるから、これに定数dに乗じ更にベクトルuに加算するという処理は、3次元時空間内における目標点(xt,yt,zt)までの距離が比較的大きな交差/分岐点18に関してはベクトルuの更新量を大きくし、比較的小さな交差/分岐点18に関しては小さくする、という処理であり、従って、3次元時空間内での位置関係(従って時間の関係を含む)に応じ隣接する各交差/分岐点18への吸引力を与える、という意味合いを有している。
【0032】
更に、Σg(uj−ni)の項に現れている関数g=(gx+gy1/2は、例えば、図27に示される形を有する関数gxと、図28に示される形を有する関数gyとにより与えられる。図27及び図28に示されている例では、隣接交差点位置ベクトルujと他車位置ベクトルniの差ベクトルuj−niのx,y,z各成分が0に近いとき、即ち隣接交差点位置ベクトルujにて特定される交差/分岐点18をある時刻において他車が通過するときに、関数gが大きな値を採る。従って、Σg(uj−ni)に定数dを乗じベクトルuに加算するという処理は、他車がある交差/分岐点18を通過する時刻近辺においてその交差/分岐点18を通過することを回避すべく、その交差/分岐点18(及び他車通過時刻)の3次元時空間位置から現在地点に対し反発力を作用させる、という意味合いを有している。
【0033】
また、定数dが乗ぜられている括弧の中に含まれているベクトルαは、例えば次の式
【数1】
Figure 0003555461
により与えられる。このベクトルαのx及びy成分はいずれも0であるが、z成分は、関数fzにより与えられ目標点位置ベクトルn及びベクトルnminに応じて定まる値を有している。関数fzは、例えば、図29に示されるように、ベクトルn−nminのz成分が負の領域では0、正の領域ではx,y,zが小さい領域で有意な値を採る関数である。更に、ベクトルnminは、そのz値がnのz値よりも小さくかつ|n−nj|の値が最小となるnjである。従って、ベクトルαに定数dを乗じベクトルuに加算するという処理は、同じ交差/分岐点18を他車が直前に通過したときに当該他車との車間間隔が広がるよう速度vを調整するか或いはその交差/分岐点18を回避するかいずれかの傾向に従って経路が修正されるよう、反発力を作用させる、という意味合いを有している。
【0034】
ステップ108にて、ベクトルuのz値がΔt以上変化していない、と判定されたときには、ステップ106の繰り返しによるベクトルuの更新の速度が所定速度を下回ったすなわち収束するに至ったとみなせるため、ステップ110以降の処理が実行される。ステップ110では、ベクトルuのx値及びy値がそれぞれ(xt,yt)と一致したか否かが判定される。一致した場合、自車の経路を目標点まで導出し終えたとみなせるため処理を終了する。逆に、ベクトルuのx値及びy値が(xt,yt)と一致していない場合には、自車の経路を目標点まで求め終えていないとみなせるため、ステップ112及び114が実行される。ステップ112では、ベクトルu、目標点の位置(xt,yt)及び標準又は現在の速度から、ベクトルnが再度設定され、更に、自車の現在位置(x,y)が更新される。ステップ114では、ベクトルuに基づき、車両乗員への通知や車両の各部に関する制御が行われる。ステップ114実行後は、ステップ102に戻る。
【0035】
このように、図26に示した処理においては、目標点位置ベクトルnを更新する処理の繰返しによって、その目標点(xt,yt)に迅速にたどりつくことができかつ他車との経路干渉を回避できるような経路へと、各車両10の経路を収斂させているため、先提案システムのような多大な演算を行うことなく、渋滞が発生しにくい交通システムを実現し、車両交通全体のエネルギ効率を向上させることができる。また、上述の更新処理は、各車両毎に設けたニューロンのシナプス結合係数(荷重)を更新する自己組織化処理によって、実現することができる。なお、シナプス結合係数の上限が1であるところから、自己組織化処理に際しては、x,y,zの3次元に加え、ベクトルの絶対値を1に正規化するための成分ω=(1−(x+y+z))1/2を、各ベクトルに入れる。前掲のベクトルαの式中の4番目の成分は、このωである。また、同様の理由で、x,y,zの各成分の値は、実際の3次元時空間内距離に比例する0.5以下の値を初期値とする。
【0036】
なお、ニューラルネットワークの自己組織化処理を用いて本発明を実施する際に荷重更新に用いる式は、前掲のu←u+d×(umin+α)に限定されない。より一般的に表現すれば、
【数2】
u←u+d×(f1(n;n1,n2,…)+f2(n;u1,u2,…))
と表すことができる。f1及びf2は関数である。
【図面の簡単な説明】
【図1】道路又は軌道及びその交差点又は分岐点の2次元的な配置を示す概念図である。
【図2】車両がその出発点乃至現在地点から目標点に到達するための経路をその2次元位置及び時刻を含めた3次元の時空間においてあらわした概念図である。
【図3】出発点から目標点に至る経路の候補が複数通りある例を示す概念図である。
【図4】図3の例における経路を3次元の時空間においてあらわした図である。
【図5】複数の車両の経路間の干渉の発生態様を示す図である。
【図6】複数の車両の経路間の干渉の発生態様を示す図である。
【図7】微視調整の一種である速度調整を示す図である。
【図8】微視調整の一種である時間調整を示す図である。
【図9】大域調整である経路調整を示す図である。
【図10】目標点位置ベクトルを示す図である。
【図11】隣接交差点位置ベクトルを示す図である。
【図12】吸引先交差点位置ベクトルを示す図である。
【図13】混雑領域を示す図である。
【図14】混雑領域から作用した反発力による大域調整を示す図である。
【図15】混雑領域から作用した反発力により微視調整の一態様を示す図である。
【図16】混雑領域から作用した反発力により微視調整の一態様を示す図である。
【図17】タイプ1の処理を示す図である。
【図18】タイプ2の処理を示す図である。
【図19】本発明を実施可能な車両交通制御システムの概略構成を示す図である。
【図20】本発明を実施可能な車両交通制御システムの概略構成を示す図である。
【図21】本発明を実施可能な車両交通制御システムの概略構成を示す図である。
【図22】本発明を実施可能な車両交通制御システムの概略構成を示す図である。
【図23】本発明を実施可能な車両交通制御システムの概略構成を示す図である。
【図24】車両に搭載する装置の一例機能構成を示す図である。
【図25】管制局に配設する装置の一例機能構成を示す図である。
【図26】経路決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】関数gxの一例を示す図である。
【図28】関数gyの一例を示す図である。
【図29】関数fzの一例を示す図である。
【符号の説明】
n 目標点位置ベクトル、uj 隣接交差点位置ベクトル、umin 吸引先交差点位置ベクトル、10 車両、12 管制局、14 道路、16 軌道、18 交差/分岐点、56,58,60 演算部。

Claims (6)

  1. 各所にて交差乃至分岐している道路又は軌道に沿い移動する移動体の現在地点から目標点に到る経路を、交差/分岐点毎に導入した吸引力及び反発力という仮想的な力に応じて、交差/分岐点毎の演算により決定する経路決定方法において、
    道路又は軌道上の現在地点、道路又は軌道上の目標点、現在時刻および移動体の標準速度に基づいて、目標点への到着時刻を暫定することによって時空間上の現在地点と目標点を定め、この時空間上における目標点から現在地点に隣接する交差/分岐点までの距離に応じ、その時空間上の距離が小さいほど大きくなるように、現在地点に隣接する交差/分岐点毎の吸引力を発生させるステップと、
    将来通過する予定の交差/分岐点において、その交差/分岐点の所定領域に属する各移動体どうしの時間軸方向の距離が小さいほど混雑の度合が高いと演算により判断し、現在地点に隣接する交差/分岐点からの反発力を、隣接する交差/分岐点における混雑の度合が高いほど大きくなるよう、交差/分岐点毎に発生させるステップと、
    比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくことにより、目標点にできるだけ早く到達しかつ混雑をできるだけ避けた経路を決定するステップと、
    を有することを特徴とする経路決定方法。
  2. 請求項1に記載の経路決定方法において、
    現在地点に隣接する交差/分岐点の中から比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を選ぶことによって上記経路を部分的に決定する処理を、交差/分岐点にさしかかるたびに繰返し実行することにより、
    比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくよう上記経路をリアルタイムに決定していくことを特徴とする経路決定方法。
  3. 請求項1に記載の経路決定方法において、
    現在地点に隣接する交差/分岐点の中から比較的吸引力が大きい交差/分岐点を選ぶことによって上記経路を部分的に決定する処理を、現在地点から始めて目標点に到るまで繰返し実行することにより、上記経路を仮決定し、仮決定した経路上にある交差/分岐点のうち比較的反発力が大きい交差/分岐点を回避するよう、仮決定された経路を調整することにより、
    比較的吸引力が大きくかつ反発力が小さい交差/分岐点を順に通過していくよう上記経路を決定することを特徴とする経路決定方法。
  4. 請求項2又は3に記載の経路決定方法であって、複数の移動体に関し現在地点から目標点に到る経路を決定する経路決定方法において、
    各移動体に関し、現在地点の位置及び現在時刻を示す第1の時空間位置ベクトル(n)を求めた上で、その移動体が次に通過すべき隣接する交差/分岐点の位置及びその通過時刻を示す第2の時空間位置ベクトル(uj)、並びに他の移動体の現在地点又は将来の通過地点及びその通過時刻を示す第3の時空間位置ベクトル(ni)を求め、
    上記第1及び第2の時空間位置ベクトルに基づき上記吸引力を、上記第2及び第3の時空間位置ベクトルに基づき上記反発力を、それぞれ演算し、
    上記吸引力及び反発力の演算のうち少なくとも一方と、その結果に基づき上記第2の時空間位置ベクトル(uj)を修正する処理とを、上記第2の時空間位置ベクトルの修正量が所定量(umin)以下となるまで繰返し実行することにより、その移動体が次に通過すべき交差/分岐点及びその通過時刻を決定することを特徴とする経路決定方法。
  5. 各所にて交差乃至分岐している道路又は軌道に沿い移動する一般に複数の移動体に関し、現在地点から目標点に到る経路を決定し、各移動体の操縦者若しくは制御装置又は道路若しくは軌道の信号機若しくは制御装置に対して指令する移動体交通制御システムにおいて、
    カバーしている区画内に存する移動体との間で信号を送受信する管制局と、
    各移動体に搭載され、搭載に係る移動体の現在地点が属する区画をカバーしている管制局との間で、信号を送受信する移動体装置と、
    上記移動体装置の一部として又は道路若しくは軌道の沿線設備として設けられ、各移動体の現在地点及び目標点を検出又は入力する手段と、
    を備え、更に、
    請求項1乃至4に記載の経路決定方法を上記管制局及び上記移動体装置がその間での信号の送受信を通じて共同で実行すること、
    を特徴とする移動体交通制御システム。
  6. 各所にて交差乃至分岐している道路又は軌道に沿い移動する一般に複数の移動体に関し、現在地点から目標点に到る経路を決定し、各移動体の操縦者若しくは制御装置又は道路若しくは軌道の信号機若しくは制御装置に対して指令する移動体交通制御システムにおいて、
    各移動体に搭載され、他の移動体との間で信号を送受信する移動体装置と、
    上記移動体装置の一部として又は道路若しくは軌道の沿線設備として設けられ、各移動体の現在地点及び目標点を検出又は入力する手段と、
    を備え、更に、
    請求項1乃至4に記載の経路決定方法を上記移動体装置が相互間での信号の送受信を通じて共同で実行すること、
    を特徴とする移動体交通制御システム。
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