JP3555024B2 - 指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、指板に挿穴を設けた弦楽器の挿穴に装着して、弦を指板に押さえ付けるために用いる弦押さえ具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の弦押さえ具としては、弦楽器の弦の音程可変装置(以下、装置)なるものがあり、この装置は、弦楽器のゼロフレットよりヘッド部上に向けて延長指板を設け、この延長指板にヘッド部裏面に抜ける貫通孔を設け、この貫通孔に、頭部に弦を引っ掛けてゼロフレットに押さえ付けるための係止部材を取り付けてなる軸体を、コイルスプリングで常時引き込む構成となっている。また、前記係止部材にプーリを取り付けたものもある(例えば、実開平5−17690号公報参照)。
【0003】
また、弦楽器セットなるものの構成の一部である弦押さえ具があり、この弦押さえ具は全体が弾性材からなり略棒状で、上下方向に伸びる脚部に略く字状の挿入部を有し、その脚部の上端から弦を指板に押さえ付けるための弦掛止部が水平方向に伸びてなるものであり、前記挿入部を、ゼロフレットより胴体側の指板に挿穴を設けた弦楽器の挿穴に、人の手により挿し込み、その略く字状の挿入部の弾性により前記挿穴に保持される構成となっている(例えば、特開2001−109463号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたもののうち前者の装置において、その目的はゼロフレットに、コイルスプリングの形状回復力を利用して、係止部材により弦を押さえ付けたり放したりして弦の音程を簡単な操作で変えられるようにすることにあり、それが可能な構成となっており奏者にとって便利である。
【0005】
しかし、この装置全体をみると、係止部材、軸体の他に、延長指板、延長指板からヘッド部裏面に抜ける貫通孔、コイルスプリングから成り立っており、以前の弦楽器に比べ構成が複雑で製造が大変である。しかも貫通孔は、軸体の他に係止部材をも引き込む構成であるので、その孔径が軸体の径より大きくなり弦楽器の強度を弱めてしまい、特に、この貫通孔を複数個設けるとなるとさらに弱くなる。
【0006】
また、係止部材にプーリを取り付けることにより、そのプーリの外周の溝が、弦を横にずらして音程を上げる奏法であるチョーキングをしても弦を外れにくくするが、貫通孔をさらに大きくして弦楽器の強度が弱くなる。
【0007】
また、軸体と係止部材とプーリの構成に限ってみると、軸体を延長指板の貫通孔に人の手により挿し込んで係止部材やプーリにより弦をゼロフレットに押さえ付けることが可能であるが、軸体を貫通孔に保持し、且つ、抜き挿しを容易にするためには、軸体に弾性材を用いる等の工夫が必要である。そして、後者で述べた、ゼロフレットより胴体側の指板に、挿穴を設けた弦楽器にも利用できるが、その際、挿穴の径が大きいと弦楽器の強度を弱める問題があるので、挿穴の径を小さく形成し、その挿穴に軸体のみを挿入して弦を指板に押さえ付けると、係止部材やプーリが指板上に大きく突出して演奏の際、運指の邪魔になる。
【0008】
その対策として、プーリを用いず係止部材を薄く形成すると、運指の邪魔にならないが、係止部材は弦をゼロフレットに圧接可能にすること以外に工夫がされていないので、チョーキングをしたときに弦が外れてしまう。
【0009】
後者の弦押さえ具において、その目的はゼロフレットより胴体側の、挿穴を設けた指板に、弦掛止部により弦を押さえ付けたり放したりして弦の音程を変えられるようにすることにあり、それが可能である。そして、前者で述べた、ゼロフレットよりヘッド部上に向けて延長指板を設けて、この延長指板にヘッド部裏面に抜ける貫通孔を設けた弦楽器にも利用できる。また、弦押さえ具全体が、弾性材からなり構成が極めて簡単なので製造が容易であり、演奏の際、指や弦や指板を傷めない。また、指板の挿穴の径が若干異なっても、弾性材からなる略く字状に形成された挿入部が、その弾性により挿穴に保持されるのである。また、弦掛止部は、脚部の延長で単純な棒状であるので極めて小さく形成でき、チョーキングをしない演奏には運指の邪魔にならず非常に適しており、且つ、細弦から太弦まで確実に指板に押さえ付けることができる。
【0010】
しかし、この弦押さえ具においては、脚部が弾性を有し、指板の挿穴の径が一定であれば、その脚部は、略く字状の挿入部が形成されてなく直線状の棒状であっても、挿穴に確実に保持されるのである。
【0011】
また、弦掛止部が、上下方向に伸びる脚部の上端から水平方向に伸びて形成されており、チョーキングをした際に、弦が弦掛止部から外れてしまうのである。
【0012】
その対策として弦掛止部の先端部分を略下方向に向かわせて形成しても、全体が弾性材からなるのでチョーキングをすると弦が外れ易い。
【0013】
そして、その弦掛止部を、チョーキングに耐えられるように太くすると演奏の際、運指の邪魔になる。
【0014】
また、その弦掛止部を硬質材で細く形成すると、運指の邪魔にならずチョーキングもできるが、弦掛止部により細弦を指板に押さえ付けた際に、弦掛止部の略下方向に向かわせて形成された先端部分の先端が指板と接して、細弦を確実に押さえ付けることができず、且つ、指板を傷めてしまう。この際、弦掛止部の先端部分を短くすると太弦が外れ易い。
【0015】
そして、その対策としては、指板の挿穴の入り口から浅い部分の径を大きく形成し、その浅い部分に弦掛止部を潜らせるようにすると、細い弦から太い弦まで指板に確実に押さえ付けることができ、且つ、指板を傷めることがないが、弦楽器の強度を弱め、且つ、弦押さえ具を挿穴から抜いたとき挿穴の入口が大きいので指板が凸凹状になって演奏に支障があり、且つ、挿穴から弦押さえ具を引き抜くのが難しくなり、且つ、挿穴の形成がめんどうになる。
【0016】
本発明は、従来の技術や上記の技術の持つこのような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、製造が容易であり、演奏の際に、運指の邪魔にならず、チョーキングをしても弦が外れることなく、細弦から太弦まで確実に指板に押さえ付けることができ、指板を傷めることなく、挿穴に対しての人の手による抜き挿しが容易であり、且つ、弦楽器の、延長指板や指板に設けられる貫通孔や挿穴を、演奏に支障がなく弦楽器の強度を弱めないように、なるべく小さく簡単な構成にすることが可能な弦押さえ具を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における弦押さえ具は、頭部は曲折した薄形であって、略水平に広がる平部と、この平部の前部に設けられて略下方向に向かう掛部とから形成され、且つ、その頭部は前記平部と前記掛部とに域が及ぶ硬質材からなる硬質層と、前記頭部全域のうちの少なくとも平部の一部に広がる弾性材からなる弾性層とが重なって固定されてなり、その弾性層の弾性層下面の平部部分に、そこから下方向に伸び略棒状に形成されて弾性材からなる脚部が設けられ、前記頭部の後部は、前記脚部よりも後方に突出し、その頭部の左右の巾は前記脚部の径よりも大きくされてなるものである。そして、前記弾性層と前記脚部とは、その相対角度を可変にするために弾性材により一体化されている。なお、前記平部は、水平に対して若干傾いて形成されてもよく、平部の上面は中央が上方に膨らむ曲面状に形成されてもよい。また、前記硬質層と前記弾性層とは接着剤により接着して固定することが可能であるが、より強く固定するために、後述する構成にして接着剤を併用することが好ましい。
【0018】
上記、硬質層と弾性層とをより強く固定するために、少なくとも1個の固定用部が断面横U字状に形成され、この固定用部が頭部を上下から挟むように取り付けられて、硬質層と弾性層とを固定してなるものでもよい。
【0019】
また、上記固定用部は上下回りの周回状に形成されてもよい。
【0020】
また、断面横U字状、又は上下回りの周回状に形成された固定用部が、弾性層、又は硬質層と一体化されてもよい。
【0021】
また、頭部は、硬質層を上側に弾性層を下側にしてなるものでもよい。
【0022】
また、頭部は、弾性層を上側に硬質層を下側にしてなるものでもよい。その際、硬質層は、脚部が邪魔になって広い面積を得られず弾性層との接着面が狭くなるので、それを広くするために、前記硬質層に、その硬質層の後方から凹む凹部が設けられ、その凹部内に脚部が通されてなるのが好ましい。なお、前記凹部が設けられた硬質層は線状材を折り曲げて形成されてもよい。
【0023】
また、同じく頭部が、弾性層を上側に硬質層を下側にしてなる際に、硬質層の平部部分に上下に貫通する通孔が設けられ、この通孔に上から下へ脚部が通されてなるものでもよい。この際、断面横U字状に形成された固定用部が前記通孔を設けた硬質層と一体化して形成されてもよい。なお、前記通孔が設けられた硬質層は、線状材により平回りの周回状に形成されてもよい。
【0024】
また、頭部下面の少なくとも、脚部より前方である頭部下面前方域に、薄形の軟質材が取り付けられてなるものでもよい。
【0025】
また、掛部は、真下方向に向かって形成されてもよいが、前方斜め下方向に向かって形成されてもよい。
【0026】
また、掛部は、先端に向けて舌状形に先細りして形成されてもよい。
【0027】
また、脚部は、直線状の棒状に形成されても、曲折した棒状に形成されてもよい。
【0028】
また、脚部は、その脚部の少なくとも下部が、分脚間に若干の隙間を設けた2本の分脚から形成され、その少なくとも一方の分脚の外側に、外方に突出してなる凸部が形成されてなる棒状に形成されてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図4において、頭部1は硬質層4を上側に弾性層5を下側にしてなっている。
【0030】
そして、図1において、頭部1は曲折した薄形であって、水平に広がる平部2と、この平部2の前部に設けられて、前方斜め下方向に向かう掛部3とから形成されており、且つ、その頭部1は、前記平部2と前記掛部3とに域が及ぶ、例えば曲折された金属板を用いた薄い硬質材からなる硬質層4と、前記平部2全域に広がる弾性層5とが重なって固定されている。その際、それら両層は接着剤により接着して固定されてもよいが、より強く固定するために、図1に示すように、断面横U字状に形成された固定用部8が、前記頭部1を上下から挟むように取り付けられている。この固定用部8は硬質材を用い頭部1に接着剤により接着されることが好ましいが、その固定用部8を例えば前記頭部1の左右両方共に取り付ける場合はテープ状の軟質材を用いてもよい。そして、前記弾性層5の弾性層下面7に、そこから下方向に伸び直線の棒状に形成されてなる脚部6が設けられ、その脚部6と前記弾性層5とが共に、例えばナイロン又は合成樹脂を用いた弾性材により一体化されている。そして、前記頭部1の後部は、前記脚部6よりも後方に突出し、その頭部1の左右の巾は、前記脚部6の径よりも大きく形成されている。この際、脚部6は、頭部1の左右のどちらかに偏った位置に設けられてもよい。
【0031】
図2において、弾性層5は平部2の一部に広がっている。そして、頭部1を囲むように、上下回りの周回状に形成された固定用部9、9が2個取り付けられている。この固定用部9、9は、糸状のものを巻き付けて接着したり、針金を用いてもよい。また、掛部12は先端に向けて舌状形に先細りして形成されており、この際、掛部12は真下方向に向かって形成されても、前方斜め下方向に向かって形成されてもよく、舌状形は左右非対称でもよい。また、脚部31は曲折した棒状に形成されている。
【0032】
図3において、弾性層5は頭部1全域に広がっている。そして、固定用部10、10は弾性層5と一体化されている。その際、固定用部10、10は、図3に示すように断面横U字状に形成されてもよいが、硬質層4を囲むように上下回りの周回状に形成されてもよく、周回状の場合は、その固定用部10、10の下部は弾性層5を兼ることとなる。そして、脚部6は、前記弾性層5の弾性層下面7の平部2部分に設けられている。
【0033】
図4において、固定用部11、11は硬質層4と一体化されている。その際、固定用部11、11は、図4に示すように断面横U字状に形成されてもよいが、弾性層5を囲むように上下回りの周回状に形成されてもよく、周回状の場合は、その固定用部11、11の上部は硬質層4を兼ることとなる。
【0034】
図5〜図8において、頭部33は弾性層5を上側に硬質層20、21を下側にしてなる。
【0035】
そして、図5において、固定用部11、11は硬質層20と一体化されている。その際、固定用部11、11は、図5に示すように断面横U字状に形成されてもよいが、弾性層5を囲むように上下回りの周回状に形成されてもよい。また、前記硬質層20には、その硬質層20の後方から凹む凹部22が設けられ、その凹部22内を脚部6が通るようにしている。
【0036】
図6において、固定用部10、10は弾性層5と一体化されている。その際、固定用部10、10は、図6に示すように断面横U字状に形成されてもよいが、硬質層20を囲むように上下回りの周回状に形成されてもよい。また、凹部22が設けられた硬質層20は、線状材23を折り曲げて形成されている。
【0037】
図7と図8において、硬質層21の平部2部分には、上下に貫通する通孔24が設けられ、この通孔24に上から下へ脚部6、32が通されている。そして、図7において、平部2は、演奏の際、より運指の邪魔にならないように側面から見て中央が上方に膨らむ曲線状に形成されており、その平部2が側面から見て直線状に形成される場合は、その平部2の後方が若干下がってなることが好ましい。また、上下に貫通する取り付け孔26を設けた例えば薄いゴム、又はフエルトを用いた軟質材15が、その取り付け孔26に上から下へ脚部6が通されることにより、頭部下面14に接着されることなく、その頭部下面14全域に及ぶように取り付けられている。この際、軟質材15は頭部下面14に接着剤により接着されて取り付けられてもよく、接着される場合、軟質材15は頭部下面14の、脚部6より前方の頭部下面前方域25のみに取り付けられてもよく、この場合、取り付け孔26は無くともよい。そして、図8において、断面横U字状に形成された固定用部11が、通孔24が設けられた硬質層21と一体化されている。この際、固定用部11は、硬質層21の通孔24に脚部32を通してから折り曲げて形成するとよい。また、脚部32の下部は、分脚間27に若干の隙間を設けた2本の分脚28、28から形成されており、その際、脚部32は、その上端から下端まで2本の分脚28、28から形成されてもよい。また、その2本の分脚28、28の外側それぞれには、外方に突出した凸部34、34が形成されており、この際、凸部34、34は、2本の分脚28、28の一方のみに形成されてもよい。そして、弦楽器35の挿穴29の内部には、その挿穴29を保護するために筒状体13が形成されており、この筒状体13の内壁と前記挿穴29の内壁との段差30に、前記凸部34、34が引っ掛かるようにして前記脚部32を保持している。なお、図8においては、太弦17を指板18に押さえ付けているが、細弦の場合は、前記筒状体13を長く形成するとよい。
【0038】
図1と図2と図9において、頭部1が上から見て細弦16に対し斜めにねじられるような状態で、脚部6、31が弦楽器35の挿穴29に挿入保持され、掛部側辺19により細弦16が指板18に押さえ付けられている。この際、図1に示す、前方斜め下方向に向かい巾が一定で四角張って形成された掛部3の掛部側辺19と、図2に示す、真下方向に向かい先端に向かって舌状形に先細りして形成された掛部12の掛部側辺19は、垂直より脚部6、31側に傾いた角度で、その脚部6、31とにより細弦16を挟み付けながら指板18に押さえ付けている。また、図9においては、人の手により頭部1を押して脚部6を挿穴29に深く押し入れることにより、真下方向に向かい巾が一定で四角張って形成された掛部36の先端が指板18に押されて、頭部1が後方に傾いて、掛部36の掛部側辺19が、垂直より脚部6側に傾いた状態で、その脚部6とにより細弦16を挟み付けながら指板18に押さえ付けている。そして、太弦に対応させる際は、図1と図2と図9に示す頭部1をねじらずに弦押さえ具を挿穴29に装着する。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0040】
頭部が薄く形成されることにより、弦押さえ具を指板の挿穴に装着しても、演奏の際に運指の邪魔にならない。また、掛部が略下方向に向かって形成され、硬質層が、掛部と平部とに域が及んでなることにより、チョーキングをしても掛部から弦が外れない。また、脚部が弾性材からなることにより、その脚部が挿穴に確実に保持される。その際、弦楽器の挿穴内部に筒状体が形成されることにより、より確実に保持される。また、脚部と弾性層が弾性材からなり一体化されることにより、脚部と頭部との相対角度が可変になるので、頭部により弦を指板に押さえ付けて脚部を挿穴に深く押し入れると、頭部が後方に傾いて、その頭部の後部が下がり、より運指の邪魔にならず、その際、頭部を弦に対して斜めにねじった状態にすると、垂直より脚部側に傾いた状態にある掛部側辺と上下方向に伸びる脚部とにより弦を挟み付けながら下方向に押し下げることができるので、頭部のねじる角度により細弦から太弦まで確実に指板に押さえ付けることができる。また、頭部の後部が、脚部よりも後方に突出してなることにより、その頭部の後部に指先を掛けて、容易に弦押さえ具を挿穴から引き抜くことができ、また、その頭部の後部が指板に接すると、頭部の極端な傾きを防止できるので、より確実に弦を指板に押さえ付けることができる。また、頭部の左右の巾が脚部の径よりも大きくされてなることにより、その頭部の左部、又は右部に指先を掛けて挿穴から引き抜くこともでき、その頭部にデザインを施し易くし、掛部を舌状形に形成することができ、硬質層と弾性層とを接着し易くし、指や弦や指板を傷めない。また、既述したように脚部と頭部との相対角度が可変であることにより、頭部に指先を掛けて弦押さえ具を挿穴から引き抜く際に、頭部が傾いても脚部は真っすぐに抜けるので、例えば脚部と頭部との相対角度が不変である画鋲等と比べ、大変抜き易くなる。
【0041】
また、断面横U字状、又は上下回りの周回状に形成された固定用部が頭部に取り付けられることにより、弾性層と硬質層とがより強く固定される。
【0042】
また、弾性層、又は硬質層と、上記固定用部が一体化されることにより、その固定用部が別体として取り付けられるより、製造が容易になる。その際、固定用部が弾性層と一体化して上下回りの周回状に形成され、硬質層を囲むようにすると、頭部の上下面が弾性材となるので、演奏の際、指先による感触がよく、また、弦や指板をより傷めることがない。
【0043】
また、硬質層を上側に弾性層を下側にすることにより、その両層を接着するだけで頭部を容易に形成できる。
【0044】
また、弾性層を上側に硬質層を下側にすることにより、頭部により弦を押さえ付けた際に、脚部と一体化された弾性層が硬質層を押さえ付けるので、その両層が壊離しにくい構成にすることができる。
【0045】
その際、硬質層に、その硬質層の後方から凹む凹部が設けられ、その凹部内に脚部が通されてなることにより、硬質層を頭部下面に広く形成できるので、頭部下面を、なるべく平坦にすることができ、また、両層の接着面を大きくできる。また、凹部を設けた硬質層を線状材を折り曲げて形成すると硬質層の形成が容易である。
【0046】
また、硬質層の平部部分に通孔が設けられ、この通孔に脚部が通されて、頭部が弾性層を上側に前記硬質層を下側にすることにより、既述したように、その両層が壊離しにくい構成にすることができ、また、両層の、ずれによる壊離を防げる。
【0047】
その際、断面横U字状に形成された固定用部が、硬質層と一体化して形成されることにより、弾性層と硬質層とをより強く固定できる。
【0048】
また、頭部下面に軟質材が取り付けられることにより、頭部により弦を指板に押さえ付けた際に、弦や指板をより傷めることがない。
【0049】
また、掛部が、前方斜め下方向に向かって形成、又は先端に向けて舌状形に先細りして形成されることにより、頭部を弦に対して斜めにねじった状態で脚部を挿穴に挿入すると、垂直より脚部側に傾いた角度である掛部側辺と上下方向に伸びる脚部とにより弦を挟み付けながら下方向に押し下げることができるので、頭部のねじる角度により細弦から太弦まで確実に指板に押さえ付けることができる。
【0050】
また、脚部が直線状の棒状であることにより、指板の挿穴の径を最も小さく形成することができる。
【0051】
また、脚部が曲折した棒状に形成されることにより、指板の挿穴の径が若干異なっても脚部が挿穴に確実に保持される。
【0052】
また、脚部の少なくとも下部が、分脚間に若干の隙間を設けた2本の分脚から形成され、その少なくとも一方の分脚の外側に、外方に突出してなる凸部が形成されることにより、弦楽器の挿穴内に筒状体を設けて、その筒状体の内壁と挿穴の内壁との段差に前記凸部を引っ掛けることができるので、前記脚部が挿穴に、より確実に保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】弦楽器の挿穴に装着した状態の弦押さえ具の斜視図である。
【図2】弦楽器の挿穴に装着した状態の弦押さえ具の斜視図である。
【図3】弦押さえ具の斜視図である。
【図4】弦押さえ具の斜視図である。
【図5】弦押さえ具の分解斜視図である。
【図6】弦押さえ具の斜視図である。
【図7】弦押さえ具の側面図である。
【図8】弦楽器の挿穴に装着した状態の弦押さえ具の側面図である。
【図9】弦楽器の挿穴に装着した状態の弦押さえ具の斜視図である。
【符号の説明】
1、33 頭部
2 平部
3、12、36 掛部
4、20、21 硬質層
5 弾性層
6、31、32 脚部
7 弾性層下面
8、9、10、11 固定用部
13 筒状体
14 頭部下面
15 軟質材
16 細弦
17 太弦
18 指板
19 掛部側辺
22 凹部
23 線状材
24 通孔
25 頭部下面前方域
26 取り付け孔
27 分脚間
28 分脚
29 挿穴
30 段差
34 凸部
35 弦楽器
Claims (16)
- 頭部(1、33)は曲折した薄形であって、略水平に広がる平部(2)と、この平部(2)の前部に設けられて略下方向に向かう掛部(3、12、36)とから形成され、且つ、その頭部(1、33)は前記平部(2)と前記掛部(3、12、36)とに域が及ぶ硬質材からなる硬質層(4、20、21)と、前記頭部(1、33)全域のうちの少なくとも平部(2)の一部に広がる弾性材からなる弾性層(5)とが重なって固定されてなり、その弾性層(5)の弾性層下面(7)の平部(2)部分に、そこから下方向に伸び略棒状に形成されて弾性材からなる脚部(6、31、32)が前記弾性層(5)と一体化して設けられ、前記頭部(1、33)の後部は、前記脚部(6、31、32)よりも後方に突出し、その頭部(1、33)の左右の巾は、前記脚部(6、31、32)の径よりも大きくされてなる指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 少なくとも1個の固定用部(8)が断面横U字状に形成され、この固定用部(8)が頭部(1、33)を上下から挟むように取り付けられて、硬質層(4、20、21)と弾性層(5)とを固定してなる請求項1記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 固定用部(9)が、上下回りの周回状に形成されてなる請求項2記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 固定用部(10)が弾件層(5)と一体化されてなる請求項2又は3記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 固定用部(11)が硬質層(4、20、21)と一体化されてなる請求項2又は3記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 頭部(1)が、硬質層(4)を上側に弾性層(5)を下側にしてなる請求項1、2、3、4又は5記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 頭部(33)が、弾性層(5)を上側に硬質層(4、20、21)を下側にしてなる請求項1、2、3、4又は5記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 硬質層(20)に、その硬質層(20)の後方から凹む凹部(22)が設けられ、その凹部(22)内に脚部(6、31、32)が通されてなる請求項7記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 硬質層(21)の平部(2)部分に上下に貫通する通孔(24)が設けられ、この通孔(24)に上から下へ、脚部(6、31、32)が通されて頭部(33)が弾性層(5)を上側に前記硬質層(21)を下側にしてなる請求項1、2、3記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 硬質層(21)の平部(2)部分に上下に貫通する通孔(24)が設けられ、この通孔(24)に上から下へ、脚部(6、31、32)が通されて頭部(33)が弾性層(5)を上側に前記硬質層(21)を下側にしてなり、固定用部(11)が前記硬質層(21)と一体化されてなる請求項2記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 頭部下面(14)の少なくとも、脚部(6、31、32)より前方である頭部下面前方域(25)に、薄形の軟質材(15)が取り付けられてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 掛部(3)が前方斜め下方向に向かって形成されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 掛部(12)が先端に向けて舌状形に先細りして形成されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 脚部(6)が直線状の棒状に形成されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 脚部(31)が曲折した棒状に形成されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
- 脚部(32)の少なくとも下部が、分脚間(27)に若干の隙間を設けた2本の分脚(28)から形成され、その2本の分脚(28)の少なくとも一方の外側に、外方に突出してなる凸部(34)が形成されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の指板に挿穴を設けた弦楽器用の弦押さえ具。
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