JP3554425B2 - 蛍光分光光度計 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光分光光度計、特に、最適励起波長および最適蛍光波長の検出方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
分子が光を吸収して電子的に励起されたとき、一定の時間その励起状態に存在しているが、いずれはエネルギーを失って安定な基底状態にもどる。その際、発光を伴なう場合と、伴わない場合とがあり、前者で放出される光が蛍光である。蛍光の波長、強度、偏光性や寿命は、電子的に励起されている分子の性質とその環境とに深く関連しているので、蛍光の測定は化学の重要な研究法である。
【0003】
蛍光測定には蛍光分光光度計が必要となる。基本的には、光源手段と励起光の波長選択手段からなる励起光手段と、蛍光の波長選択手段と測光手段からなる発光検知手段と、より構成されている。
しかしながら、特定物質を励起させるための励起光および基底状態に戻るときに発せられる蛍光は、いずれも極めて限定された波長の光であり、それぞれの選択は、蛍光分析において大きな意義を有する。
最適励起波長および最適蛍光波長の検出方法としては、白色光法、3次元スペクトル法および同期走査法が周知である。
【0004】
白色光法としては、特開昭62−238426号公報に記載された方法が例として挙げられ、これは白色光をそのまま試料に照射して蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。そして、観測する蛍光波長を前記最適蛍光波長に固定しておいて蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長を判断するものである。
【0005】
3次元スペクトル法としては、特開昭61−100832号公報に記載された方法が例として挙げられ、これは励起光の波長を予め定められた所定間隔で変えながら蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。そして、観測する蛍光の波長を前記最適蛍光波長に固定しておいて蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長として判断するものである。
【0006】
同期走査法としては、特開昭60−239652号公報に記載された方法が例として挙げられ、これは励起光波長選択手段が選択する励起光波長と蛍光波長選択手段が選択する蛍光波長を一定間隔で保ちながら励起光波長選択手段と蛍光波長選択手段を同期走査するものである。そして、励起光波長選択手段と蛍光波長選択手段を同期走査しながら蛍光の強度が最大となる励起光波長又は蛍光波長を検出する。
【0007】
そして、観測する蛍光の波長を前記蛍光の強度が最大となる波長に固定しておいて蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長として判断する。そして、励起光の波長を前記最適励起波長に固定しておいて蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断するものである。
または、励起光の波長を前記蛍光強度が最大となる励起光波長に固定しておいて蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。そして、観測する蛍光の波長を前記最適蛍光波長に固定しておいて蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長として判断するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記白色光法、3次元スペクトル法および同期走査法の三者は、それぞれ不具合を有している。
白色光法では、短時間に最適励起波長および最適蛍光波長の検出を行うことができるものの、蛍光の強度が弱く散乱光の強度が強い場合、試料が放出した蛍光が散乱光に妨害されてしまい、最適励起波長および最適蛍光波長の検出を適正に行うことができないことがあった。
【0009】
3次元スペクトル法では、試料が放出した蛍光が散乱光に妨害されにくいものの、最適励起波長および最適蛍光波長の検出には長時間を要するため、光分解を起こしやすい試料を用いた場合、スペクトルデータ採取中に試料の劣化が進行してしまうことがあった。
同期走査法では、短時間に最適励起波長および最適蛍光波長を検出することができたり、試料が放出した蛍光が散乱光に妨害されにくいものの、励起光波長と蛍光波長の間隔、いわゆるストークス・シフトが大きい場合には、最適励起波長および最適蛍光波長を見落としてしまうことがあった。また、採取される蛍光スペクトルは、非常に複雑な波形をもつので、蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大ではなく、局所極大となる波長を検出してしまうことがあった。
【0010】
このように従来の検出方法では、何れの場合も短時間に満足のゆく検出結果を得ることができなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、短時間に最適励起波長および最適蛍光波長の適正な検出を行うことのできる蛍光分光光度計を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明にかかる蛍光分光光度計は、光源手段と、励起光の波長選択手段と、蛍光の波長選択手段と、測光手段と、を備えた蛍光分光光度計において、励起光波長情報記憶手段と、蛍光波長情報記憶手段と、単位スペクトル採取時励起光波長制御手段と、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、積算手段と、仮最適蛍光波長検出手段と、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、励起スペクトル採取時励起光波長制御手段と、最適励起波長検出手段と、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段と、蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、最適蛍光波長検出手段と、を備えたことを特徴とする。
前記励起光波長情報記憶手段は、前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値および上限値を記憶し、かつ、その波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量を記憶する。
【0012】
前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値および下限値を記憶し、かつ、その波長下限値として、前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量を加算した波長を記憶する。
前記単位スペクトル採取時励起光波長制御手段は、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで、前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量づつ移動する。
【0013】
前記単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段は、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長から前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査する。
【0014】
前記積算手段は、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値から前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査して得られる複数の単位蛍光スペクトルデータの蛍光の波長を合わせて強度を積算する。
【0015】
前記仮最適蛍光波長検出手段は、前記積算手段により得られた積算蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを仮の最適蛍光波長として判断する。
前記励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段は、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長に仮固定する。
【0016】
前記励起スペクトル採取時励起光波長制御手段は、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで走査する。
【0017】
前記最適励起波長検出手段は、前記蛍光波長選択手段による波長選択を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長に仮固定しておいて、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値から下限値まで走査して得られる励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長として判断する。
前記蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段は、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起光波長検出手段により検出された最適励起波長に仮固定する。
【0018】
前記蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段は、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査する。
【0019】
前記最適蛍光波長検出手段は、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に仮固定しておいて、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の上限値から前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで、走査して得られる蛍光ペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。
【0020】
なお、前記蛍光分光光度計において、前記励起光波長情報記憶手段は、前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量ΔλEX、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量ΔλEX、を記憶するとしたとき、
5nm≦ΔλEX≦40nm
なる条件式を満足するように構成されてなることが好適である。
【0021】
また、前記蛍光分光光度計において、前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値として、前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量Δλを加算した波長を記憶するとしたとき、5nm≦Δλ≦40nm、または、Δλ=前記励起光波長選択手段のバンド幅+前記蛍光波長選択手段のバンド幅なる条件式を満足するように構成されてなることが好適である。
【0022】
さらに、前記蛍光分光光度計において、前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値として、前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量Δλを加算した波長を記憶するとしたとき、100nm≦Δλ≦400nm、または、Δλ=前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長の2倍−前記励起光波長選択手段のバンド幅−前記蛍光波長選択手段のバンド幅なる条件式を満足するように構成されてなることが好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の第1の実施形態にかかる蛍光分光光度計について説明する。
図1には、実施形態1にかかる蛍光分光光度計の概略構成が示されている。
同図に示す蛍光分光光度計10は、光源手段12と、分光器よりなる励起光の波長選択手段14と、試料室16と、分光器よりなる蛍光の波長選択手段18と、測光手段20と、を備えている。
【0024】
また、蛍光分光光度計10においては、リードオンリーメモリ(以下、ROMという)よりなる励起光波長情報記憶手段22と、ROMよりなる蛍光波長情報記憶手段24と、中央演算処理ユニット(以下、分光器制御用CPUという)よりなる単位スペクトル採取時励起光波長制御手段26と、分光器制御用CPUよりなる単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段28と、中央演算処理ユニット(以下、データ処理用CPUという)よりなる積算手段32と、ハードディスク(以下、HDという)よりなる積算蛍光スペクトルデータ記憶手段34と、データ処理用CPUよりなる仮最適蛍光波長検出手段36と、を備えている。
【0025】
励起光波長情報記憶手段22は、励起光波長選択手段14の走査範囲の波長下限値λEX1および上限値λEXxを記憶し、その波長下限値λEX1に順次に加算する予め定められた所定量(励起光波長間隔ΔλEX)を記憶する。
蛍光波長情報記憶手段24は、蛍光波長選択手段18の走査範囲の波長下限値として、励起光波長選択手段22により選択された励起光波長λEXnに予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶する。また、その波長上限値として、励起光波長選択手段22により選択された励起光波長λEXnに予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶する。
【0026】
単位スペクトル採取時励起光波長制御手段26は、ドライバ56を駆動して励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段22で規定された移動範囲の波長下限値λEX1に移動し、その波長下限値λEX1から上限値λEXxまで、励起光波長情報記憶手段22で規定された所定量(励起光波長間隔ΔλEX)づつ移動する。
【0027】
単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段28は、ドライバ58を駆動して蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光波長選択手段14により選択された励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)に移動し、その波長(λEXn+Δλ)から励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)まで走査する。
【0028】
積算手段32は、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)から、励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)まで走査して得られる単位蛍光スペクトルデータの蛍光の強度を、積算蛍光スペクトルデータ記憶手段34に記憶されている積算蛍光スペクトルデータの蛍光の強度に波長を合わせて積算する。
【0029】
仮最適蛍光波長検出手段36は、積算蛍光スペクトルデータ記憶手段34に記憶された積算蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0´を検出し、これを仮の最適蛍光波長として判断する。
また、蛍光分光光度計10においては、分光器制御用CPUよりなる励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段38と、分光器制御用CPUよりなる励起スペクトル採取時励起光波長制御手段40と、HDよりなる励起スペクトルデータ記憶手段42と、データ処理用CPUよりなる最適励起波長検出手段44と、を備えている。
【0030】
励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段38は、ドライバ58を駆動して蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、仮最適蛍光波長検出手段36により検出された仮の最適蛍光波長λEM0´に仮固定する。
励起スペクトル採取時励起光波長制御手段40は、ドライバ56を駆動して励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段22で規定された走査範囲の波長下限値λEX1に移動し、その波長下限値λEX1から、仮の最適蛍光λEM0´から蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を減算した波長(λEM0´−Δλ)まで走査する。
【0031】
励起スペクトルデータ記憶手段42は、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、仮最適蛍光波長検出手段36により検出された仮の最適蛍光波長λEM0´に仮固定しておいて、励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段22で規定された走査範囲の波長下限値λEX1から、仮の最適蛍光λEM0から蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を減算した波長(λEM0´−Δλ)まで走査して得られる、仮の最適蛍光波長λEM0´の励起スペクトルデータを記憶する。
【0032】
最適励起波長検出手段44は、励起スペクトルデータ記憶手段42に記憶された、仮の最適蛍光波長λEM0´の励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長λEX0を検出し、これを最適励起波長として判断する。
さらに、蛍光分光光度計10においては、分光器制御用CPUよりなる蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段46と、分光器制御用CPUよりなる蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段48と、HDよりなる蛍光スペクトルデータ記憶手段50と、データ処理用CPUよりなる最適蛍光波長検出手段52と、キーボード、マウスなどの手動入力手段54と、を備えている。
【0033】
蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段46は、ドライバ56を駆動して励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、最適励起光波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に仮固定する。
蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段48は、ドライバ58を駆動して蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、最適励起波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0+Δλ)に移動し、その波長(λEX0+Δλ)から最適励起光波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0+Δλ)まで走査する。
【0034】
蛍光ペクトルデータ記憶手段50は、励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、最適励起波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に仮固定しておいて、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、最適励起波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量Δλを加算した波長(λEX0+Δλ)から最適励起光波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0+Δλ)まで走査して得られる、最適励起光波長λEX0の蛍光スペクトルデータを記憶する。
【0035】
最適蛍光波長検出手段52は、蛍光スペクトルデータ記憶手段50に記憶された、最適励起光波長λEX0の蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。
本発明の実施形態1にかかる蛍光分光光度計10は概略以上のように構成され、次に図2〜図8に基づきその作用について説明する。
【0036】
図2に示すように、実施形態1にかかる蛍光分光光度計10は、手動入力手段54からの開始信号を受けると、単位スペクトル採取時励起光波長制御手段26がドライバ56を駆動して、励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段22で規定された走査範囲の波長下限値λEX1に移動する。また、この励起光波長選択手段14と同時に、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段28がドライバ58を駆動して、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光波長選択手段14により選択された励起光の波長λEX1に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX1+Δλ)に移動する。
【0037】
励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、その走査範囲の波長下限値λEX1に仮固定し、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光の波長λEX1に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX1+Δλ)に移動すると、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段28がドライバ58を駆動して、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光の波長λEX1に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX1+Δλ)から励起光の波長λEX1に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX1+Δλ)まで走査して、励起光波長λEX1の単位蛍光スペクトルデータを採取する。この励起光波長λEX1の単位蛍光スペクトルデータを積算蛍光スペクトルデータ記憶手段34に記憶する。
【0038】
積算蛍光スペクトルデータ記憶手段34が、励起光(λEX1)を照射して得られた単位蛍光スペクトルデータを記憶すると、単位スペクトル採取時励起光波長制御手段26がドライバ56を駆動して、励起光波長選択手段14による選択波長λEX2を、励起光の波長λEX1に励起光波長情報記憶手段22で規定された所定量(励起光波長間隔ΔλEX)を加算した波長(λEX2=λEX1+ΔλEX)に移動する。また、この励起光波長選択手段14と同時に、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段28がドライバ58を駆動して、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光の波長λEX2に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX2+Δλ)に移動する。
【0039】
励起光波長選択手段14による選択波長λEX2を、励起光の波長λEX1に励起光波長情報記憶手段22で規定された所定量(励起光波長間隔ΔλEX)を加算した波長(λEX2=λEX1+ΔλEX)に仮固定し、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光の波長λEX2に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長間隔Δλ)を加算した波長(λEX2+Δλ)に移動すると、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段28がドライバ58を駆動して、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光の波長λEX2に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX2+ΔλEM)から励起光の波長λEX2に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX2+Δλ)まで走査して、励起光波長λEX2の単位蛍光スペクトルデータを採取する。
【0040】
励起光波長λEX2の単位蛍光スペクトルデータを採取すると、積算手段32が、積分蛍光スペクトルデータ記憶手段34に記憶されている励起光波長λEX1の蛍光スペクトルデータの蛍光の強度に、励起光波長λEX2の蛍光スペクトルデータの蛍光の強度を波長を合わせて積算する。
そして、実施形態1においては、図2に示すように、前述のような積算処理を、励起光(λEX2)を照射して得られる単位蛍光スペクトルデータ、励起光(λEX2)を照射して得られる単位蛍光スペクトルデータ…励起光(λEXx)を照射して得られる単位蛍光スペクトルデータについて順次に行い、図6に示す積算蛍光スペクトルデータを得る。
【0041】
そして、この積算蛍光スペクトルデータ記憶手段34に記憶された積算蛍光スペクトルデータの最適蛍光波長を仮最適蛍光波長検出手段36により検出する。すなわち、図6に示すように、仮最適蛍光波長検出手段36が、積算蛍光スペクトルデータ記憶手段34に記憶された積算蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0´を検出し、これを仮の最適蛍光波長として判断する。
【0042】
そして、仮の最適蛍光波長λEM0´を検出すると、図3に示すように、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段38が、ドライバ58を駆動して蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、仮最適蛍光波長検出手段36により検出された仮の最適蛍光波長λEM0´に移動する。そして、この蛍光波長選択手段18と同時に、励起スペクトル採取時励起光波長制御手段40がドライバ56を駆動して、励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段22で規定された走査範囲の波長下限値λEX1に移動する。
【0043】
蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、仮最適蛍光波長検出手段36により検出された仮の最適蛍光波長λEM0´に仮固定し、励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段22で規定された走査範囲の波長下限値λEX1に移動すると、励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段22で規定された走査範囲の波長下限値λEX1から、仮の最適蛍光λEM0から蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を減算した波長(λEM0−Δλ)まで走査して、仮の最適蛍光波長λEM0´の励起スペクトルデータを採取する。この蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを仮の最適蛍光波長λEM0´に仮固定しておいて得られた励起スペクトルデータを励起スペクトルデータ記憶手段42に記憶する。
【0044】
そして、この励起スペクトルデータ記憶手段42に記憶された励起スペクトルデータの最適励起波長を最適励起波長検出手段44により検出する。
すなわち、図7に示すように、最適励起波長検出手段44が、励起スペクトルデータ記憶手段42に記憶された励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長λEX0を検出し、これを最適励起波長として判断する。
【0045】
そして、最適励起波長λEX0を検出すると、図4に示すように、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段46が、ドライバ56を駆動して励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、最適励起光波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に仮固定する。また、この励起光波長選択手段14と同時に、蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段48がドライバ58を駆動して、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、最適励起波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0+Δλ)に移動する。
【0046】
励起光波長選択手段14による選択波長λEXnを、最適励起波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に仮固定し、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、最適励起波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0+Δλ)に移動すると、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、最適励起波長検出手段44により検出された最適励起波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0+Δλ)から最適励起波長λEX0に蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0+Δλ)まで走査して、最適励起波長λEX0の蛍光スペクトルデータを採取する。この励起光(最適励起波長λEX0)を照射して得られた蛍光スペクトルデータを蛍光スペクトルデータ記憶手段50に記憶する。
【0047】
そして、この蛍光スペクトルデータ記憶手段50に記憶された蛍光スペクトルデータの最適蛍光波長を最適蛍光波長検出手段52により検出する。
すなわち、図8に示すように、最適蛍光波長検出手段52が、蛍光スペクトルデータ記憶手段50に記憶された蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。
【0048】
このように実施形態1にかかる蛍光分光光度計によれば、図5に示すように、蛍光波長選択手段18による選択波長λEMnを、励起光波長選択手段14により選択された励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段24で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)から走査を開始することとしているので、散乱光の波長が観測する蛍光の波長に重なることを常に回避することができるので、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを確実に防ぐことができる。
【0049】
また、図6に示すように、単位蛍光スペクトルデータについて積算処理を行うこととしているので、単位蛍光スペクトルデータに補正を与えることができる。単位蛍光スペクトルデータに若干のS/N比の低下が生じても積算処理を行うことにより補正を与えることができるので、蛍光スペクトルデータの採取を行うに際し、検出結果の信頼性を損なうことなく、従来と比較して分光器の波長走査速度を高速化することができる。そして、単位蛍光スペクトルデータを従来と比較して高速で採取することができるので、短時間に積算蛍光スペクトルデータの仮最適蛍光波長を検出することができる。
【0050】
また、このような仮の最適蛍光波長を基準として、最適励起波長および最適蛍光波長を検出することとしているので、何等の基準もなく最適励起波長および最適蛍光波長の検出を行うものと比較して、最適励起波長および最適蛍光波長の検出に要する時間を短縮化することができる。
さらに、仮の最適蛍光波長を検出した後、真の最適蛍光波長を検出することとしているので、仮の最適励起波長に補正を与えることとなり、最適励起波長および最適蛍光波長の検出をより適正に行うことができる。
【0051】
図9には、本発明の第2の実施形態にかかる蛍光分光光度計110の概略構成が示されており、図10〜図13には、その作用が示されている。なお、前記実施形態1と対応する部分には符号100を加えて示し説明を省略する。
【0052】
図9に示すように実施形態2にかかる蛍光分光度計110においては、励起光波長情報記憶手段122と、蛍光波長情報記憶手段124と、単位スペクトル採取時励起光波長制御手段126と、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段128の他に、積算手段132と、積算励起スペクトルデータ記憶手段134と、仮最適励起波長検出手段136と、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段138と、蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段140と、蛍光ペクトルデータ記憶手段142と、最適蛍光波長検出手段144と、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段146と、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段148と、励起ペクトルデータ記憶手段150と、最適励起波長検出手段152と、を備えることとしている。
【0053】
積算手段132は、図10に示すように、蛍光波長選択手段118による選択波長λEMnを、励起光波長選択手段114により選択された励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)から、励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)まで走査して得られる、励起光の波長λEXnの単位蛍光スペクトルデータの蛍光強度を積算し、これを励起光の波長λEXnの積算蛍光強度として積算励起スペクトルデータ記憶手段134に記憶する。
【0054】
そして、前述のような処理を、励起光波長λEX1の単位蛍光スペクトルデータ、励起光波長λEX2の単位蛍光スペクトルデータ…励起光波長λEXxの単位蛍光スペクトルデータについて順次に行い、図13に示す積算励起スペクトルデータを得る。
積算励起スペクトルデータを採取すると、仮最適励起波長検出手段136は、積算励起スペクトルデータ記憶手段134に記憶された積算励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長λEX0´を検出し、これを仮の最適励起波長として判断する。
【0055】
仮の最適励起波長λEX0´を検出すると、図11に示すように、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段138は、励起光波長選択手段114による選択波長λEXnを、仮最適励起波長検出手段136により検出された仮の最適励起波長λEX0´に仮固定する。
そして、この励起光波長選択手段114と同時に、蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段140は、蛍光波長選択手段118による選択波長λEMnを、仮最適励起波長検出手段136により検出された仮の最適励起波長λEX0´に蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0´+Δλ)に移動し、その波長(λEX0´+Δλ)から仮の最適励起波長に蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX0´+Δλ)まで走査する。
【0056】
蛍光ペクトルデータ記憶手段142は、励起光波長選択手段114による選択波長を、仮最適励起波長検出手段136により検出された仮の最適励起波長λEX ´に仮固定しておいて、蛍光波長選択手段118による選択波長λEMnを、仮最適励起波長検出手段134により検出された仮の最適励起波長λEX0´に蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量Δλを加算した波長(λEX0´+Δλ)から仮の最適励起波長λEX0´に蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量Δλを加算した波長(λEX0´+Δλ)まで走査して得られる、仮の最適励起波長λEX0´の蛍光スペクトルデータを記憶する。
【0057】
最適蛍光波長検出手段144は、蛍光スペクトルデータ記憶手段142に記憶された蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。
最適蛍光波長λEM0を検出すると、図12に示すように、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段146は、蛍光波長選択手段118による選択波長λEMnを、最適蛍光波長検出手段144により検出された最適蛍光波長λEM0仮固定する。
【0058】
そして、この蛍光波長選択手段118と同時に、励起スペクトル採取時励起光波長制御手段148は、励起光波長選択手段114による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段122で規定された走査範囲の波長下限値λEX1に移動し、その波長下限値λEX1から、最適蛍光波長λEM0から蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を減算した波長(λEM0−Δλ)まで走査する。
【0059】
励起ペクトルデータ記憶手段150は、蛍光波長選択手段118による選択波長λEMnを、最適蛍光波長検出手段144により検出された最適蛍光波長λEM0に仮固定しておいて、励起光波長選択手段114による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段122で規定された走査範囲の波長下限値λEX1から、最適蛍光波長λEM0から蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を減算した波長(λEM0−Δλ)まで走査して得られる、最適蛍光波長λEM0の励起スペクトルデータを記憶する。
【0060】
最適蛍光波長λEM0の励起スペクトルデータを採取すると、最適励起波長検出手段152は、励起スペクトルデータ記憶手段148に記憶された励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長λEX0を検出し、これを最適励起波長として判断する。
このように実施形態2においては、蛍光波長選択手段118による選択波長λEMnを、励起光波長選択手段114により選択された励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段124で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)から走査を開始することとしているので、前記実施形態1と同様に、散乱光の波長が観測する蛍光の波長に重なることを常に回避することができるので、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを確実に防ぐことができる。
【0061】
また、単位励起スペクトルデータについて積算処理を行うこととしているので、単位励起スペクトルデータに補正を与えることができる。単位励起スペクトルデータに若干のS/N比の低下が生じても積算処理を行うことにより補正を与えることができるので、励起スペクトルデータの採取を行うに際し、検出結果の信頼性を損なうことなく、従来と比較して分光器の波長走査速度を高速化することができる。そして、単位励起スペクトルデータを従来と比較して高速で採取することができるので、短時間に積算励起スペクトルデータの仮最適励起波長を検出することができる。
【0062】
また、このような仮の最適励起波長を基準として、最適励起波長および最適蛍光波長を検出することとしているので、前記実施形態1と同様に、最適励起波長および最適蛍光波長の検出に要する時間を短縮化することができる。
さらに、仮の最適励起波長を検出した後、真の最適励起波長を検出することとしているので、前記実施形態1と同様に、最適励起波長および最適蛍光波長の検出をより適正に行うことができる。
ところで、実施形態1又は2においては、5nmよりも狭い間隔で励起光の波長を順次に移動すると、分光器の移動回数が非常に多くなり、その結果、最適励起波長および最適蛍光波長の検出に要する時間を従来と比較して短縮化することできない場合がある。
【0063】
また、40nmよりも広い間隔で励起光の波長を順次に移動すると、例えば測定点が真の蛍光の強度が最大となる波長を跨ぎ越してしまい、単に蛍光の強度が局所極大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として誤認する場合がある。そこで、実施形態1又は2においては、励起光波長情報記憶手段が、励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量(励起光波長間隔ΔλEX)を記憶するとしたとき、5nm≦ΔλEX≦40nmなる条件式を満足するように構成するのである。
【0064】
その結果、実施形態1又は2においては、分光器の移動回数を極端に多くすることなく、しかも測定点が真の蛍光の強度が最大となる波長を跨ぎ越してしまうことがないように、励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量(励起光波長間隔ΔλEX)を設定することができるので、短時間に最適励起波長および最適蛍光波長の適正な検出を行うことが可能となる。
【0065】
また、実施形態1又は2においては、蛍光波長選択手段が、励起光の波長に5nmよりも小さい値の所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長より走査を開始すると、やはり観測する蛍光が散乱光に妨害されてしまい、蛍光強度が最大となる波長の検出を適正に行うことができない場合がある。
これに対し、蛍光波長選択手段が、励起光の波長に40nmよりも大きい値の所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長より走査を開始すると、励起光波長と蛍光波長の間隔、いわゆるストークス・シフトが大きいため、最適励起波長および最適蛍光波長を見落してしまう場合がある。
【0066】
そこで、実施形態1又は2においては、蛍光波長情報記憶手段が、蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値として、励起光波長選択手段により選択された励起波長に予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶するとしたとき、5nm≦Δλ≦40nmなる条件式を満足するように構成するのである。
その結果、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを防ぐように、最適励起波長および最適蛍光波長を見落すことがないようにストークス・シフトを設定することができるので、最適励起波長および最適蛍光波長の適正な検出を行うことが可能となる。
【0067】
また、実施形態1又は2においては、蛍光波長情報記憶手段が、蛍光波長選択手段による走査範囲の波長下限値として、励起光波長選択手段により選択された励起光の波長λEXnに予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶するとき、この蛍光差波長Δλは、励起光波長選択手段のバンド幅に蛍光波長選択手段のバンド幅を加算した値とすることが好適である。
すなわち、この蛍光差波長Δλを励起光波長選択手段のバンド幅に蛍光波長選択手段のバンド幅を加算した値とすれば、散乱光の波長が観測する蛍光の波長に重なることを常に回避することができるので、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを確実に防ぐことができる。
【0068】
また、実施形態1又は2においては、蛍光波長情報記憶手段が、蛍光波長選択手段による走査範囲の波長上限値として、励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶するとき、この蛍光差波長Δλは、励起光選択手段により選択された励起光波長の2倍から励起光波長選択手段のバンド幅と蛍光波長選択手段のバンド幅を減算した値とすることが好適である。
すなわち、この蛍光差波長Δλを励起光選択手段が選択する励起光波長の2倍から励起光波長選択手段のバンド幅と蛍光波長選択手段のバンド幅を減算した値とすれば、散乱光の波長が観測する2次光の波長に重なることを常に回避することができるので、2次光が励起光に妨害されることを確実に防ぐすることができる。
【0069】
また、蛍光波長選択手段による選択波長を、励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に100nmよりも小さい値を加算した波長まで走査しても、最適蛍光波長が蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値よりも長波長側に存在する場合がある。
これに対し、蛍光波長選択手段による選択波長を、励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に400nmよりも大きい値を加算した波長まで走査しても、実質的には、最適蛍光波長が励起光の波長に400nmを加算した波長よりも長波長側に存在しないため、効率的に最適蛍光波長を検出することができない場合がある。
【0070】
そこで、実施形態1又は2においては、蛍光波長情報記憶手段が、蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値として、励起光の波長に予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶するとしたとき、100nm≦Δλ≦400nmなる条件式を満足するように構成するのである。
なお、実施形態1又は2は、前記構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0071】
例えば、実施形態1又は2においては、励起光波長選択手段による選択波長λEXnを、励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値λEX1から上限値λEXxまで、励起光波長情報記憶手段で規定された所定量(励起光波長間隔ΔλEX)づつ増加するように移動する構成としたが、励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値λEXxから下限値λEX1まで、励起光波長情報記憶手段で規定された所定量(励起光波長間隔ΔλEX)づつ減少するように移動する構成とすることも可能である。
【0072】
また、実施形態1又は2においては、蛍光波長選択手段による選択波長λEMnを、励起光波長選択手段により選択された励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)から、励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段で規定された蛍光差波長Δλを加算した波長(λEXn+Δλ)まで走査する構成としたが、測定可能な最長波長まで走査する構成とすることも可能である。
【0073】
さらに、実施形態1又は2においては、蛍光波長選択手段による選択波長λEMnを、励起光波長選択手段により選択された励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)から、励起光の波長λEXnに蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEXn+Δλ)まで走査すると、つぎに、蛍光波長選択手段による選択波長λEX(n+1)を、励起光波長選択手段により選択された励起光の波長(λEX(n+1)=λEXn+ΔλEX)に蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX(n+1)+Δλ)に移動する構成としたが、励起光の波長(λEX(n+1)=λEXn+ΔλEX)に蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長(λEX(n+1)+Δλ)から走査を開始する構成とすることも可能であり、それによって、分光器の移動時間を短縮化することができる。
【0074】
図14には、本発明の第3の実施形態にかかる蛍光分光光度計の概略構成が示されており、図15〜図18には、その作用が示されている。なお、前記実施例1と対応する部分には符号200を加えて示し説明を省略する。
【0075】
実施形態3にかかる蛍光分光光度計210においては、蛍光波長情報記憶手段222と、励起光波長情報記憶手段224と、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段226と、単位スペクトル採取時励起光波長制御手段228と、積算手段232と、積算励起スペクトルデータ記憶手段234と、仮最適励起波長検出手段236と、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段238と、蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段240と、蛍光スペクトルデータ記憶手段242と、最適蛍光波長検出手段244と、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段246と、励起スペクトル採取時励起光波長制御手段248と、励起ペクトルデータ記憶手段250と、最適励起波長検出手段252と、を備えることとしている。
【0076】
蛍光波長情報記憶手段222は、蛍光波長選択手段218の走査範囲の波長下限値λEM1および上限値λEMxを記憶し、その波長上限値λEMxから順次に減算する予め定められた所定量(蛍光波長間隔ΔλEM´)を記憶する。
励起光波長情報記憶手段224は、励起波長選択手段218の走査範囲の波長上限値λEX1´および下限値λEMx´を記憶し、その波長上限値λEMx´として、蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長λEMn´から予め定められた所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長を記憶する。
【0077】
単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段226は、ドライバ258を駆動して、蛍光波長選択手段218による選択波長λEMn´を、蛍光波長情報記憶手段222で規定された走査範囲の波長上限値λEMx´に移動し、その波長上限値λEMx´から下限値λEM1´まで、蛍光波長情報記憶手段222で規定された所定量(蛍光波長間隔ΔλEM´)づつ移動する。
【0078】
単位スペクトル採取時励起光波長制御手段228は、ドライバ256を駆動して、励起光波長選択手段218による選択波長λEXn´を、蛍光波長選択手段218により選択された蛍光波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMx´−Δλ´)に移動し、その波長(λEMx´−Δλ´)から蛍光波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMx´−Δλ´)まで走査する。
【0079】
積算手段232は、図18に示すように、励起光波長選択手段214による選択波長λEXn´を、蛍光波長選択手段218により選択された蛍光の波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMx´−Δλ´)から蛍光波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMx´−Δλ´)まで走査して得られる、蛍光の波長λEMn´の単位励起スペクトルデータの蛍光強度を、積算励起スペクトルデータ記憶手段234に記憶されている積算励起スペクトルデータの蛍光強度に励起光波長を合わせて積算する。
【0080】
そして、前述のような処理を、蛍光波長λEM1の単位励起スペクトルデータ、蛍光波長λEM2の単位蛍光スペクトルデータ…蛍光波長λEMxの単位励起スペクトルデータについて順次に行い、図18に示す積算励起スペクトルデータを得る。積算励起スペクトルデータを採取すると、仮最適励起波長検出手段236は、積算励起スペクトルデータ記憶手段234に記憶された積算励起スペクトルデータの蛍光強度が最大となる励起光波長λEX0″を検出し、これを仮の最適励起波長として判断する。
【0081】
仮の最適励起波長λEX0″を検出すると、図16に示すように、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段238は、ドライバ256を駆動して、励起光波長選択手段214による選択波長λEXn´を、仮最適励起波長検出手段236により検出された仮の最適励起波長λEX0″に仮固定する。
そして、この励起光波長選択手段214と同時に、蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段240は、ドライバ258を駆動して、蛍光波長選択手段218による選択波長λEMn´を、蛍光波長情報記憶手段222で規定された走査範囲の波長上限値λEMx´から、仮最適励起波長検出手段236により検出された仮の最適励起波長λEX0″に励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長λ´)を加算した波長(λEX0″+λ´)まで走査する。
【0082】
蛍光ペクトルデータ記憶手段242は、励起光波長選択手段213による選択波長λEXn´を、仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起光波長λEX0″に仮固定しておいて、蛍光波長選択手段218による選択波長λEMn´を、蛍光波長情報記憶手段222で規定された走査範囲の波長上限値λEMx´から仮最適励起波長検出手段236により検出された仮の最適励起波長λEX0´に励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長λ´)を加算した波長(λEX0″+λ´)まで走査して得られる、仮の最適励起波長λEX0´の蛍光スペクトルデータを記憶する。
【0083】
仮の最適励起波長λEX0´の蛍光スペクトルデータを採取すると、最適蛍光波長検出手段244は、蛍光スペクトルデータ記憶手段242に記憶された蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0´を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。
最適蛍光波長λEM0´を検出すると、図17に示すように、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段246は、ドライバ258を駆動して、蛍光波長選択手段218による選択波長λEMn´を、最適蛍光波長検出手段244により検出された最適蛍光波長λEM0´に仮固定する。
【0084】
そして、この蛍光波長選択手段218と同時に、励起スペクトル採取時励起光波長制御手段248は、ドライバ256を駆動して、励起光波長選択手段214による選択波長λEXn´を、最適蛍光波長検出手段244により検出された最適蛍光波長λEM0´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量λ´を減算した波長(λEM0´−λ´)に移動し、その波長(λEM0´−λ´)から最適蛍光波長λEM0´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長λ´)を減算した波長(λEM0´−λ´)まで走査する。
【0085】
励起ペクトルデータ記憶手段250は、蛍光波長選択手段218による選択波長λEMn´を、最適蛍光波長検出手段248により検出された最適蛍光波長λEM0に仮固定しておいて、励起光波長選択手段214による選択波長λEXn´を、最適蛍光波長検出手段244により検出された最適蛍光波長λEM0´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量λ´を減算した波長(λEM0´−λ´)から、最適蛍光波長λEM0´から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量を減算した波長(λEM0´−λ´)まで走査して得られる励起スペクトルデータを記憶する。
【0086】
最適蛍光波長λEM0´の励起スペクトルデータを採取すると、最適励起波長検出手段252は、励起スペクトルデータ記憶手段250に記憶された励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長λEX0´を検出し、これを最適励起波長として判断する。
このように実施形態3においては、励起波長選択手段218による選択波長λEXnが、蛍光波長選択手段214により選択された蛍光の波長λEMnより励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMn−Δλ´)から走査を開始することとしているので、前記実施形態1と同様に、散乱光の波長が観測する蛍光の波長に重なることを常に回避することができるので、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを確実に防ぐことができる。
【0087】
また、単位励起スペクトルデータについて積算処理を行うこととしているので、単位励起スペクトルデータに補正を与えることができる。単位励起スペクトルデータに若干のS/N比の低下が生じても積算処理を行うことにより補正を与えることができるので、励起スペクトルデータの採取を行うに際し、検出結果の信頼性を損なうことなく、従来と比較して分光器の波長走査速度を高速化することができる。そして、単位励起スペクトルデータを従来と比較して高速で採取することができるので、短時間に積算励起スペクトルデータの仮最適励起波長を検出することができる。
【0088】
また、このような仮の最適励起波長を基準として、最適励起波長および最適蛍光波長を検出することとしているので、前記実施形態1と同様に、最適励起波長および最適蛍光波長の検出に要する時間を短縮化することができる。
さらに、仮の最適励起波長を検出した後、真の最適励起波長を検出することとしているので、前記実施形態1と同様に、最適励起波長および最適蛍光波長の検出をより適正に行うことができる。
【0089】
図19には、本発明の第4の実施形態にかかる蛍光分光光度計の概略構成が示されており、図20〜図23には、その作用が示されている。なお、前記実施例1と対応する部分には符号300を加えて示し説明を省略する。
【0090】
実施形態4にかかる蛍光分光光度計310においては、前記実施形態3と同様に、蛍光波長情報記憶手段322と、励起光波長情報記憶手段324と、単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段326と、単位スペクトル採取時励起光波長制御手段328の他に、積算手段332と、積算蛍光スペクトルデータ記憶手段334と、仮最適蛍光波長検出手段336と、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段338と、励起スペクトル採取時励起光波長制御手段340と、励起スペクトルデータ記憶手段342と、最適励起波長検出手段344と、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段346と、蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段348と、蛍光ペクトルデータ記憶手段350と、最適蛍光波長検出手段352と、を備えることとしている。
【0091】
積算手段332は、図20に示すように、励起光波長選択手段314による選択波長λEXn´を、蛍光波長選択手段318により選択された蛍光の波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段324で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMx´−Δλ´)から蛍光波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段324で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMx´−Δλ´)まで走査して得られる、蛍光の波長λEMn´の単位励起スペクトルデータの蛍光強度を積算し、これを蛍光の波長λEMn´の積算蛍光強度として積算励起スペクトルデータ記憶手段334に記憶する。
【0092】
そして、前述のような処理を、図20に示すように、蛍光波長λEM1の単位励起スペクトルデータ、蛍光波長λEM2の単位励起スペクトルデータ…蛍光波長λEMxの単位励起スペクトルデータについて順次に行い、図23に示す積算蛍光スペクトルデータを得る。
仮最適蛍光波長検出手段336は、積算蛍光スペクトルデータ記憶手段334に記憶された積算蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0″を検出し、これを仮の最適蛍光波長として判断する。
【0093】
仮の最適蛍光波長λEM0″を検出すると、図21に示すように、励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段338は、蛍光波長選択手段318による選択波長λEMn´を、仮最適蛍光波長検出手段336により検出された仮の最適蛍光波長λEM0″に仮固定する。
励起スペクトル採取時励起光波長制御手段340は、励起光波長選択手段314による選択波長λEXn´を、仮最適蛍光波長検出手段336により検出された仮の最適蛍光波長λEM0″から励起光波長情報記憶手段324で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEM0″−λ´)に移動し、その波長(λEM0´−λ´)から最適蛍光波長λEM0´から励起光波長情報記憶手段324で規定された所定量λ´を減算した波長(λEM0″−λ´)まで走査する。
【0094】
励起ペクトルデータ記憶手段342は、蛍光波長選択手段318による選択波長λEMn´を、仮最適蛍光波長検出手段336により検出された仮の最適蛍光波長λEM0″に仮固定しておいて、励起光波長選択手段314による選択波長λEXn´を、仮最適蛍光波長検出手段336により検出された仮の最適蛍光波長λEM0″から励起光波長情報記憶手段224で規定された所定量(励起光差波長λ´)を減算した波長(λEM0″−λ´)から、最適蛍光波長λEM0″から励起光波長情報記憶手段324で規定された所定量(励起光差波長λ´)を減算した波長(λEM0″−λ´)まで走査して得られる励起スペクトルデータを記憶する。
【0095】
仮の最適蛍光波長λEM0″の励起スペクトルデータを採取すると、最適励起波長検出手段344は、励起スペクトルデータ記憶手段342に記憶された励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長λEX0″を検出し、これを最適励起光波長として判断する。
最適励起光波長λEX0″を検出すると、図22に示すように、蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段346は、励起光波長選択手段314による選択波長λEX0´を、最適励起光波長検出手段344により検出された最適励起波長λEM0´に仮固定する。
【0096】
蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段348は、蛍光波長選択手段318による選択波長を、蛍光波長情報記憶手段322で規定された走査範囲の波長上限値λEMx´に移動し、その波長上限値λEMx´から、最適励起波長検出手段344により検出された最適励起波長λEX0´に励起光波長情報記憶手段324で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を加算した波長(λEX0´+Δλ´)まで走査する。
【0097】
蛍光ペクトルデータ記憶手段350は、励起光波長選択手段314による選択波長λEX0´を、最適励起光波長検出手段344により検出された最適励起波長λEX0´に仮固定しておいて、蛍光波長選択手段318による選択波長λEMn´を、蛍光波長情報記憶手段322で規定された走査範囲の波長上限値λEMx´から、最適励起波長検出手段344により検出された最適励起波長λEX0´に励起波長情報記憶手段324で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を加算した波長(λEX0´+Δλ´)まで走査して得られる蛍光スペクトルデータを記憶する。
【0098】
最適励起波長λEX0´の蛍光スペクトルデータを採取すると、最適蛍光波長検出手段352は、蛍光スペクトルデータ記憶手段350に記憶された蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長λEM0´を検出し、これを最適蛍光波長として判断する。
このように実施形態4においては、励起波長選択手段318による選択波長λEXnが、蛍光波長選択手段314により選択された蛍光の波長λEMnより励起光波長情報記憶手段324で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMn−Δλ´)から走査を開始することとしているので、前記実施形態1と同様に、散乱光の波長が観測する蛍光の波長に重なることを常に回避することができるので、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを確実に防ぐことができる。
【0099】
また、単位励起スペクトルデータについて積算処理を行うこととしているので、単位励起スペクトルデータに補正を与えることができる。単位励起スペクトルデータに若干のS/N比の低下が生じても積算処理を行うことにより補正を与えることができるので、励起スペクトルデータの採取を行うに際し、検出結果の信頼性を損なうことなく、従来と比較して分光器の波長走査速度を高速化することができる。そして、単位励起スペクトルデータを従来と比較して高速で採取することができるので、短時間に積算蛍光スペクトルデータの仮最適励起波長を検出することができる。
【0100】
また、このような仮の最適蛍光波長を基準として、最適励起波長および最適蛍光波長を検出することとしているので、前記実施形態1と同様に、最適励起波長および最適蛍光波長の検出に要する時間を短縮化することができる。
さらに、仮の最適蛍光波長を検出した後、真の最適蛍光波長を検出することとしているので、前記実施形態1と同様に、最適励起波長および最適蛍光波長の検出をより適正に行うことができる。
【0101】
ところで、実施形態3又は4においては、蛍光波長情報記憶手段が、蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量(蛍光波長間隔ΔλEM)を記憶するとしたとき、5nm≦ΔλEM≦40nmなる条件式を満足するように構成することが好適である。
その結果、前記実施形態1と同様に、分光器の移動回数を極端に多くすることなく、しかも測定点が真の蛍光の強度が最大となる波長を跨ぎ越してしまうことがないように、蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量(蛍光波長間隔ΔλEM)を設定することができるので、短時間に最適励起波長および最適蛍光波長の適正な検出を行うことが可能となる。
【0102】
また、実施形態3又は4においては、励起光波長情報記憶手段が、励起光波長選択手段の走査範囲の波長上限値として、蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長より予め定められた所定量(励起光差波長Δλ′)を減算した波長を記憶するとしたとき、5nm≦Δλ′≦40nmなる条件式を満足するように構成することが好適である。
その結果、前記実施形態1と同様に、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを防ぐように、最適励起波長および最適蛍光波長を見落すことがないようにストークス・シフトを設定することができるので、最適励起波長および最適蛍光波長の適正な検出を行うことが可能となる。
【0103】
また、実施形態3又は4においては、励起波長情報記憶手段が、蛍光波長選択手段による走査範囲の波長上限値として、蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長より予め定められた所定量(励起光差波長Δλ′)を減算した波長を記憶するとき、この励起光差波長Δλ′は、励起光波長選択手段のバンド幅に蛍光波長選択手段のバンド幅を加算した値とすることが好適である。
すなわち、この励起光差波長Δλ′を励起光波長選択手段のバンド幅に蛍光波長選択手段のバンド幅を加算した値とすれば、前記実施形態1と同様に、散乱光の波長が観測する蛍光の波長に重なることを常に回避することができるので、観測する蛍光が散乱光に妨害されることを確実に防ぐことができる。
【0104】
また、実施形態3又は4においては、励起光波長情報記憶手段が、励起光波長選択手段による走査範囲の波長下限値として、蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長より予め定められた所定量(励起光差波長Δλ′)を減算した波長を記憶するとき、この励起光差波長Δλ′は、蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長の1/2倍に励起光波長選択手段のバンド幅と蛍光波長選択手段のバンド幅を加算した値とすることが好適である。
すなわち、この励起光差波長Δλ′を蛍光選択手段が選択する蛍光波長の1/2倍に励起光波長選択手段のバンド幅と蛍光波長選択手段のバンド幅を加算した値とすれば、前記実施形態1と同様に、散乱光の波長が観測する2次光の波長に重なることを常に回避することができるので、2次光が励起光に妨害されることを確実に防ぐすることができる。
【0105】
また、実施形態3又は4においては、励起光波長情報記憶手段が、励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値として、蛍光の波長より予め定められた所定量(励起光差波長Δλ′)を減算した波長を記憶するとしたとき、100nm≦Δλ′≦400nmなる条件式を満足するように構成するのが好適であり、それによって、前記実施形態1と同様に、最適励起波長及び最適蛍光波長の検出を効率的にしかも適正に行うことが可能となる。
【0106】
なお、実施形態3又は4は、前記構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、実施形態3又は4においては、蛍光波長選択手段による選択波長λEMnを、蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値λEMx´から下限値λEM1´まで、予め定められた所定量(蛍光波長間隔ΔλEM´)づつ減少するように移動する構成としたが、蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値λEM1´から上限値λEMx´まで、蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量(蛍光波長間隔ΔλEM´)づつ増加するように移動する構成とすることも可能である。
【0107】
また、実施形態3又は4においては、励起光波長選択手段による選択波長λEXx´を、蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMn´−Δλ´)から、蛍光の波長λEMn´から励起波長情報記憶手段で規定された所定量Δλ´を減算した波長(λEMn´−Δλ´)まで走査する構成としたが、測定可能な最短波長まで走査する構成とすることも可能である。
【0108】
さらに、実施形態3又は4においては、励起光波長選択手段による選択波長λEXn´を、蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長λEMn´から励起光波長情報記憶手段で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEMn´−Δλ´)から、蛍光の波長λEMn´から励起光波長選択手段で規定された所定量Δλ´を減算した波長(λEMn´−Δλ´)まで走査すると、つぎに、励起光波長選択手段による選択波長λEX(n+1)´を、蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長(λEM(n+1)´=λEMn´−ΔλEM´)から励起光波長情報記憶手段で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEX(n+1)´=λEMn´−ΔλEM´)に移動する構成としたが、蛍光の波長(λEX(n+1)´=λEMn´−ΔλEM´)から励起光波長情報記憶手段で規定された所定量(励起光差波長Δλ´)を減算した波長(λEX(n+1)´−Δλ´)から走査を開始する構成とすることも可能であり、それによって、分光器の移動時間を短縮化することができる。
【0109】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
そして、本実施形態においては、励起光波長情報記憶手段22が、励起光波長選択手段14の走査範囲の波長下限値λEX1および上限値λEXxを記憶し、その波長下限値λEX1に順次に加算する予め定められた所定量(励起光波長間隔ΔλEX)を記憶する。
蛍光波長情報記憶手段24は、蛍光波長選択手段18の走査範囲の波長下限値として、励起光波長選択手段22により選択された励起光波長λEXnに予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶する。また、その波長上限値として、励起光波長選択手段22により選択された励起光波長λEXnに予め定められた所定量(蛍光差波長Δλ)を加算した波長を記憶する。
【0110】
積算蛍光スペクトルデータの採取
<採取条件>
励起光波長範囲 下限値/上限値はスペクトルデータの採取と同様、既定値は現在設定値
励起光波長間隔 10、20nmから選択、既定値は10nm
蛍光差波長Δλ 励起光バンド幅+蛍光バンド幅に固定
蛍光差波長Δλ 100、150、200nm、MAXから選択、既定値はMAX
バンド幅 励起光、蛍光の両者は5、10、20nmから選択、既定値は現在設定値
レスポンス 使用しない
波長走査速度 8000nm/minに固定
【0111】
<採取方法>
a.積算蛍光スペクトルデータを格納するデータ領域をクリアする。
b.励起光の波長を走査範囲の波長下限値(1の桁は切り下げ)に移動する。
c.励起光の波長が走査範囲の波長上限値よりも小さい場合、以下に示すd〜kを繰り返す。
d.蛍光波長を励起光波長+蛍光差波長Δλに移動する。もしその波長が蛍 光測定範囲外であれば終了する。
e.現在の蛍光波長の蛍光差波長Δλをモータのステップ数に換算する。も し、その位置が蛍光測定範囲外であれば、蛍光測定範囲の上限値までの ステップ数を用意する。
f.現在の蛍光波長(実際ステップ位置)のデータ領域を示すポインタを用意し、その励起光波長の積算蛍光強度用の変数をクリアする。
g.ADCタイマとADC割り込みを有効化する。
h.ADC割り込みごとにつぎの作業を行う。
h.1.蛍光強度と励起光強度を取り込む。
h.2.蛍光強度/励起光強度を計算し、ポインタの示すデータ領域に加算する。
h.3.蛍光強度/励起光強度を積算蛍光強度用の変数に加算する。
h.4.ポインタを1つ進め、ステップ数を1つ減らす。
h.5.ステップ数が0になればADCタイマとADC割り込みを無効化する。
h.6.蛍光波長を1ステップ進める。
i.ステップ数が0になるのを待つ。
j.励起光波長と積算蛍光強度を外部手段(iRM又はDS)に出力する。
k.励起光波長を指定された波長間隔だけ長波長側に移動する。
l.積算蛍光スペクトルの各要素を励起光点数で割り算する(正規化)。
m.蛍光バンド幅に合わせてレスポンス処理(Auto)を行う。
n.等間隔データとして外部手段(iRM又はDS)に出力する。
【0112】
Figure 0003554425
【0113】
<採取方法>
o.蛍光の波長を仮の最適蛍光波長に移動する。
p.通常の励起スペクトルデータの採取を前記条件で行う。
q.蛍光強度が最大となる励起光波長(最適励起波長)を検出する。
【0114】
Figure 0003554425
【0115】
<採取方法>
r.励起光の波長を最適励起波長に移動する。
s.通常の蛍光スペクトルデータの採取を前記条件で行う。
t.蛍光の強度が最大となる波長(最適蛍光波長)を検出する。
【0116】
結果の表示
<条件設定時>
条件設定時は、基本的には他のスペクトルデータの採取と同様である。設定すべき項目を以下に列挙する。
励起光波長範囲 下限値/上限値はスペクトルデータの採取と同様、規定値は現在設定値
励起光波長間隔ΔλEX 10、20nmから選択、既定値は10nm
蛍光差波長Δλ 100、150、200、MAXから選択、既定値はMAX
バンド幅 励起光、蛍光は5、10、20nmから選択、既定値 は現在設定値
蛍光感度 Low、Mid、Highから選択、既定値は現在設定値
波長走査速度 60、250、1000、4000nm/minから選択
自動印字 ON/OFF
【0117】
<積算蛍光スペクトル採取時>
横軸には励起光波長を、縦軸には積算蛍光強度をとった励起スペクトルデータをできる限り実時間で表示する。横軸のスケールは励起光波長範囲とし、縦軸のスケールはAutoscaleとする。また、印刷は実行しない。
【0118】
<励起スペクトルデータ/蛍光スペクトルデータの採取時>
横軸には励起光波長又は蛍光波長をとり、縦軸には蛍光強度をとり、励起スペクトルデータと蛍光スペクトルデータを1つのグラフ上に表示する。できる限り実時間で表示する。縦軸はAutoscaleとする(励起スペクトルデータと蛍光スペクトルデータの採取終了時にそれぞれ書き直す)。横軸のスケールは励起スペクトルデータの短波長端から蛍光波長の長波長端までとする。
【0119】
<励起スペクトルデータ/蛍光スペクトルデータの採取後>
前記スペクトルデータに加え、最適励起波長と最適蛍光波長を表示する。自動印字がONであれば、スペクトルデータ、採取条件、最適励起波長および最適蛍光波長を同時に印字する。
【0120】
性能の予想
以下に示す最長条件および一般条件において積算蛍光スペクトルデータの採取に要する時間を推定する。なお、波長走査速度はスローアップなしの8000nm/min、波長移動速度はスローアップなしの30000nm/minとして計算する。
Figure 0003554425
最長条件では、蛍光の走査が61回、波長走査が23800nm、波長移動が25000nmとなる。つなぎの時間が機械的動作に比べて十分に高速であると仮定すると、所要時間が3分50秒となる。
一般条件では、蛍光の走査が19回、波長走査が3580nm、波長移動が3930nmとなり、所用時間が35秒となる。通常のスペクトルデータの採取においても1〜2分を要することから、これは十分に高速であるといえる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる蛍光分光光度計によれば、従来と比較して、短時間に最適励起波長および最適蛍光波長の適正な検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる蛍光分光光度計の概略構成の説明図である。
【図2】前記図1に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図3】前記図1に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図4】前記図1に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図5】本発明において用いられる励起光波長選択手段および蛍光波長選択手段の作用を示す説明図である。
【図6】本発明において用いられる積算手段および仮最適蛍光波長検出手段の作用を示す説明図である
【図7】本発明において用いられる最適励起波長検出手段の作用を示す説明図である。
【図8】本発明において用いられる最適蛍光波長検出手段の作用を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態2にかかる蛍光分光光度計の概略構成の説明図である。
【図10】前記図7に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図11】前記図7に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図12】前記図7に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図13】実施形態2において用いられる積算手段および仮最適蛍光波長検出手段の作用を示す説明図である
【図14】本発明の実施形態3にかかる蛍光分光光度計の概略構成の説明図である。
【図15】前記図9に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図16】前記図7に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図17】前記図7に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図18】実施形態3において用いられる積算手段および仮最適蛍光波長検出手段の作用を示す説明図である
【図19】本発明の実施形態4にかかる蛍光分光光度計の概略構成の説明図である。
【図20】前記図17に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図21】前記図17に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図22】前記図17に示された蛍光分光光度計の作用を示すフローチャート図である。
【図23】実施形態4において用いられる積算手段および仮最適蛍光波長検出手段の作用を示す説明図である
【符号の説明】
10 蛍光分光光度計
12 光源手段
14 励起光の波長選択手段
16 試料室
18 蛍光の波長選択手段
20 測光手段
22 励起光波長情報記憶手段
24 蛍光波長情報記憶手段
26 単位スペクトル採取時励起光波長制御手段
28 単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段
32 積算手段
34 積算蛍光スペクトルデータ記憶手段
36 仮最適蛍光波長検出手段
38 励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段
40 励起スペクトル採取時励起光波長制御手段
42 励起スペクトルデータ記憶手段
44 最適励起波長検出手段
46 蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段
48 蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段
50 蛍光スペクトルデータ記憶手段
52 最適蛍光波長検出手段

Claims (14)

  1. 光源手段と、励起光の波長選択手段と、蛍光の波長選択手段と、測光手段と、を備え、前記光源手段より出射された光より励起光波長選択手段により選択された波長の励起光を試料に照射し、その試料より放出される光より前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光を前記測光手段により測定する蛍光分光光度計において、
    前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値および上限値を記憶し、かつ、その波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量を記憶する励起光波長情報記憶手段と、
    前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値および上限値を記憶し、かつ、その波長下限値として、前記励起光波長制御手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量を加算した波長を記憶する蛍光波長情報記憶手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで、前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量づつ移動する単位スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長から前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査する単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値から前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査して得られる複数の単位蛍光スペクトルデータの蛍光の波長を合わせて強度を積算しする積算手段と、
    前記積算手段により得られた積算蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを仮の最適蛍光波長として判断する仮最適蛍光波長検出手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長に仮固定する励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、又は、
    前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで走査する励起スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による波長選択を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長に仮固定しておいて、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値から下限値まで走査して得られる励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長として判断する最適励起波長検出手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起光波長検出手段により検出された最適励起波長に仮固定する蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査する蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に仮固定しておいて、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の上限値から前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査して得られる蛍光ペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する最適蛍光波長検出手段と、
    を備えたことを特徴とする蛍光分光光度計。
  2. 前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値および上限値を記憶し、かつ、その波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量を記憶する励起光波長情報記憶手段と、
    前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値および上限値を記憶し、かつ、その波長下限値として、前記励起光波長制御手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量を加算した波長を記憶する蛍光波長情報記憶手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで、前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量づつ移動する単位スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長から前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査する単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値から前記励起光波長選択手段により選択された励起光の波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査して得られる単位蛍光スペクトルデータの蛍光強度を積算し、これを励起光選択手段により選択された励起光波長の蛍光強度とする積算手段と、
    前記積算手段により得られた積算励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを仮の最適励起波長として判断する仮最適励起波長検出手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に仮固定する蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査する蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起光波長に仮固定しておいて、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から走査範囲の波長上限値まで、又は、蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値から前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで走査して得られる蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する最適蛍光波長検出手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長に仮固定する励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで走査する励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長に仮固定しておいて、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値から上限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値から下限値まで走査して得られる励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長として判断する最適励起波長検出手段と、
    を備えたことを特徴とする蛍光分光光度計。
  3. 前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値および上限値を記憶し、かつ、その波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量を記憶する蛍光波長情報記憶手段と、
    前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長上限値および下限値を記憶し、かつ、その波長上限値として、前記蛍光波長情報記憶手段により選択された蛍光波長より予め定められた所定量を減算した波長を記憶する励起光波長情報記憶手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで、又は、前記蛍光波長情報手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量づつ移動する単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査する単位スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長から走査範囲の波長下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値から前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査して得られる複数の単位励起スペクトルデータの励起光波長を合わせて蛍光強度を積算する積算手段と、
    前記積算手段により得られた積算励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを仮の最適励起波長として判断する仮最適励起波長検出手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に仮固定する蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで、又は、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値まで走査する蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起光波長に仮固定しておいて、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の上限値から前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで、又は、前記仮最適励起波長検出手段により検出された仮の最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値まで走査して得られる蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する最適蛍光波長検出手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長に仮固定する励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長に移動し、その波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査する励起スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長に仮固定しておいて、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値から前記最適蛍光波長検出手段により検出された最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査して得られる励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起波長として判断する最適励起波長検出手段と、
    を備えたことを特徴とする蛍光分光光度計。
  4. 前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値および上限値を記憶し、かつ、その波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量を記憶する蛍光波長情報記憶手段と、
    前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長上限値および下限値を記憶し、かつ、その波長上限値として、前記蛍光波長情報記憶手段により選択された蛍光波長より予め定められた所定量を減算した波長を記憶する励起光波長情報記憶手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から下限値まで、又は、前記蛍光波長情報手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から上限値まで、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された所定量づつ移動する単位スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査する単位スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長から走査範囲の波長下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値から前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査して得られる単位励起スペクトルデータの蛍光強度を積算し、これを蛍光波長選択手段により選択された蛍光の波長の強度とする積算手段と、
    前記積算手段により得られた積算蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを仮の最適蛍光波長として判断する仮最適蛍光波長検出手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長に仮固定する励起スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長に移動し、その波長から走査範囲の波長下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値に移動し、その波長下限値から前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査する励起スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長に仮固定しておいて、前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長から走査範囲の波長下限値まで、又は、前記励起光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長下限値から前記仮最適蛍光波長検出手段により検出された仮の最適蛍光波長から前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を減算した波長まで走査して得られる励起スペクトルデータより蛍光強度が最大となる励起光波長を検出し、これを最適励起光波長として判断する最適励起波長検出手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起光波長検出手段により検出された最適励起波長に仮固定する蛍光スペクトル採取時励起光波長制御手段と、
    前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値に移動し、その波長上限値から前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで、又は、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長に移動し、その波長から前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値まで走査する蛍光スペクトル採取時蛍光波長制御手段と、
    前記励起光波長選択手段による選択波長を、前記最適励起光波長検出手段により検出された最適励起波長に仮固定しておいて、前記蛍光波長選択手段による選択波長を、前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の上限値から前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記励起波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長まで、又は、前記最適励起波長検出手段により検出された最適励起波長に前記励起光波長情報記憶手段で規定された所定量を加算した波長から前記蛍光波長情報記憶手段で規定された走査範囲の波長上限値まで走査して得られる蛍光スペクトルデータより蛍光の強度が最大となる波長を検出し、これを最適蛍光波長として判断する最適蛍光波長検出手段と、
    を備えたことを特徴とする蛍光分光光度計。
  5. 請求項1又は2記載の光度計において、前記励起光波長情報記憶手段は、前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量ΔλEX、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量ΔλEXを記憶するとしたとき、
    5nm≦ΔλEX≦40nm
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  6. 請求項3又は4記載の光度計において、前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値に順次に加算する予め定められた所定量ΔλEM´、又は、その波長上限値より順次に減算する予め定められた所定量ΔλEM´を記憶するとしたとき、
    5nm≦ΔλEM´≦40nm
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  7. 請求項1又は2記載の光度計において、前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値として、前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量Δλを加算した波長を記憶するとしたとき、
    5nm≦Δλ≦40nm
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  8. 請求項3又は4記載の光度計において、前記励起光波長情報記憶手段は、前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長上限値として、前記蛍光波長情報記憶手段により選択された蛍光波長より予め定められた所定量Δλ´を減算した波長を記憶するとしたとき、
    5nm≦Δλ´≦40nm
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  9. 請求項1又は2記載の光度計において、前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長下限値として、前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量Δλを加算した波長を記憶するとしたとき、
    Δλ=前記励起光波長選択手段のバンド幅+前記蛍光波長選択手段のバンド幅
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  10. 請求項3又は4記載の光度計において、前記励起光波長情報記憶手段は、前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長上限値として、前記蛍光波長情報記憶手段により選択された蛍光波長より予め定められた所定量Δλ´を減算した波長を記憶するとしたとき、
    Δλ´=前記励起光波長選択手段のバンド幅+前記蛍光波長選択手段のバンド幅
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  11. 請求項1又は2記載の光度計において、前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値として、前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量Δλを加算した波長を記憶するとしたとき、
    100nm≦Δλ≦400nm
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  12. 請求項3又は4記載の光度計において、前記励起光波長情報記憶手段は、前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値として、前記蛍光波長情報記憶手段により選択された蛍光波長より予め定められた所定量Δλ´を減算した波長を記憶するとしたとき、
    100nm≦Δλ´≦400nm
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  13. 請求項1又は2記載の光度計において、前記蛍光波長情報記憶手段は、前記蛍光波長選択手段の走査範囲の波長上限値として、前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長に予め定められた所定量Δλを加算した波長を記憶するとしたとき、
    Δλ=前記励起光波長選択手段により選択された励起光波長の2倍−前記励起光波長選択手段のバンド幅−前記蛍光波長選択手段のバンド幅
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
  14. 請求項3又は4記載の光度計において、前記励起光波長情報記憶手段は、前記励起光波長選択手段の走査範囲の波長下限値として、前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長より予め定められた所定量Δλ´を減算した波長を記憶するとしたとき、
    Δλ´=前記蛍光波長選択手段により選択された蛍光波長の1/2倍+前記励起光波長選択手段のバンド幅+前記蛍光波長選択手段のバンド幅
    なる条件式を満足するように構成されてなることを特徴とする蛍光分光光度計。
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