JP3554013B2 - 生体計測用カテーテル - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、血管、消化管、尿管、腹腔内等の体腔内に挿入して用いるられるフレキシブルで、トルク伝達性に優れ、耐屈曲性(プレッシャビリティー)を有する生体計測用カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】
血管、消化管、尿管、腹腔内等の生体の体腔内に挿入して用いられる、生体計測用カテーテルにあっては、生体内に挿入される部分に取付けられた超音波振動子、光学センサー、化学センサー等の生体信号検出部を外部の駆動源によって機械的に回転あるいは往復させる場合、従来においては図9に示すように信号検出部10を機械的に回転あるいは往復させるための駆動力伝達体として中空のコイル52を用い、その内腔に外部回路を接続する電気信号を伝達するケーブル51を挿入する構造であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この構造ではカテーテルを外径0.5mm以下の極細径化にした場合、駆動伝達体であるコイル52の内腔が内径0.3mm程度に狭くなり、ケーブル51等の信号線を挿入することが困難となる。また、挿入される信号線の細径化によって電気的インピーダンスが大きくなるため、信号の損失が大きくなり、体腔内における屈曲時のトルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)等のカテーテル操作に不具合が生ずる等の問題があった。
【0004】
本発明は、従来の生体状態を計測する生体計測用カテーテルの上述した問題点の改善を図るためになされたものであり、柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化が可能な生体計測用カテーテルを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、生体内に挿入して用いられる生体計測用カテーテルであって、生体信号を検出する生体信号検出部、生体信号を生体外部の信号処理装置に伝達するためのカテーテル内の伝達手段としてカテーテルのほぼ中心部に設けたトルク伝達体の外側に、生体信号を伝達する少なくとも2本以上の信号伝達体を一体に形成したことを特徴とする生体計測用カテーテルである。
【0006】
本発明の好ましい態様において、該信号伝達体を横巻きにして一体的に該トルク伝達体の外側に設けたものである。
【0007】
本発明の好ましい態様において、該信号伝達体として、銅,銅系合金,銀,銀系合金,金,アルミニウム,アルミニウム系合金等の導電体あるいはメタクリル酸樹脂等の光ファイバー等からなる光導体を用いたものである。
【0008】
本発明の好ましい態様において、該信号伝達体として、断面形状がほぼ円形の導体に樹脂等の絶縁体を被覆した被覆導線を用い、これを該トルク伝達体の外側に少なくとも2本以上横巻きにしたものである。
【0009】
本発明の好ましい態様において、該樹脂が、紫外線硬化樹脂,ウレタン樹脂,アクリル系樹脂,フッ素系樹脂,ナイロン,イミド系樹脂,シリコーン系樹脂からなるものである。
【0010】
本発明の好ましい態様において、該トルク伝達体として、Ni−Ti系超弾性合金,高張力合金,析出硬化型ステンレス鋼,カーボン線維またはアラミド線維強化樹脂を用いたものである。
【0011】
本発明の好ましい態様において、該トルク伝達体の周囲に信号伝達体を一体で形成し、更にその外側をフッ素系樹脂,アセタール系樹脂またはこれらを親水化及び低摺動化したものである。
【0012】
本発明の好ましい態様において、該生体信号検出部に、超音波振動子,光学センサー,化学センサー等の生体信号測定手段を設けたものである。
【0013】
本発明の好ましい態様において、該トルク伝達体及びその周囲に形成した該信号伝達体を、該カテーテルの生体外部に備えた駆動源によって回転あるいは往復運動させることによって該カテーテルの生体内に挿入される部分に設けられた該生体信号検出部を回転あるいは往復運動させたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の好ましい態様において、該信号伝達体の先端側にコイル状の駆動伝達体を接続したものである。
【0015】
【実施例】
以下、添付図面を参照しつつ、実施例に係る生体計測用カテーテルの1つとしての体腔内イメージングシステムに適用する生体計測用カテーテルに基づき詳細に説明する。
【0016】
体腔内イメージングシステムは、図6に示すように、生体(ここでは、生体内腔としての血管61)内に挿入されるカテーテル1と、その内部に設けられた超音波振動子,光学センサー,化学センサー等の生体情報,生体状態等を表す生体信号検出部10、生体信号検出部10で得た生体の状態を表す信号を処理するためにカテーテル1から生体外部にまで延設された外部ユニット2、カテーテル1と外部ユニット2との接続部(コネクタ)4から構成される。外部ユニット2には、カテーテル1の生体挿入部1aの内部に備えられた生体信号検出部10を、回転,往復等の機械的動作を行なうための機械的駆動源が内蔵あるいは別ユニットとして備えられてもよい。
【0017】
本発明の生体計測用カテーテル1は、例えば、通常の血管造影法と同様にイントロデューサー及びガイディングカテーテルで血管を確保した後、生体計測用カテーテル1を挿入し、対象部位の画像,血流,PO2 等の生体情報等を得るものである。
【0018】
図1(a)において、カテーテルシャフト5は、内管シャフト6及びその外側を覆うシース7よりなる。但し、内管シャフト6とシース7は、一体的に形成されてもよい。内管シャフト6は、Ni−Ti系合金等の超弾性合金等の弾性に富む金属または合成樹脂等で形成される。
【0019】
シース7は、紫外線硬化樹脂,ウレタン樹脂,アクリル系樹脂,フッ素系樹脂,ナイロン,イミド系樹脂,シリコーン系樹脂等で形成され、これらの樹脂のまま、あるいは表面修飾により、その表面が実質的に潤滑性、親水性を有するもので形成されることが好ましい。
【0020】
カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、シース外径(カテーテルの外径)は、0.3〜6mm,シース肉厚は、5〜50μm,内管シャフト6の肉厚は、20〜200μmが好ましい。
【0021】
内管シャフト6の内腔に信号ワイヤー20が、内管シャフト6に対して回動自在に配設されており、内管シャフト6と信号ワイヤー20は直接的に接していてもよいが、生理食塩水,造影剤等生体に安全な潤滑性のある液体で満たされていてもよい。
【0022】
図1(b)は、図1(a)のA−A′断面図、図1(c)は、信号ワイヤーの拡大断面図である。信号ワイヤー20は、カテーテルシャフト5の内腔のほぼ中央部に設けられたトルク伝達体25の外側に、少なくとも2本以上の信号伝達体21を実質的に密着させて形成し、アクリル系接着剤等で実質的に一体的に形成し、さらにその外側をシース24を形成したものである。
【0023】
信号伝達体21は、生体信号検出部10への外部ユニット2から信号の伝達、生体信号検出部10から外部ユニット2への信号の伝達を行うものである。
【0024】
さらに、信号伝達体21をトルク伝達体25に実質的に一体で形成する方法として、横巻きに形成することでトルク伝達体25の屈曲時の回転トルク伝達性が向上する。信号ワイヤー20の外径は、直径0.1〜0.5mm程度が好ましく、特にシース7の外径(カテーテル外径)が0.5mm程度の場合には、直径は0.2〜0.4程度である。
【0025】
トルク伝達体25は、断面がほぼ円形で、引張強度20kgf/mm2 以上の機械的強度に優れ、カテーテル1の先端側1bから少なくとも約5cm以上は屈曲外径が少なくとも約50mm以下に屈曲できる柔軟性を備え、さらに曲げ応力を除荷後、ほぼ元の形状に復元される特性を有するものが好ましい。これは、心臓,脳,下肢等の末梢血管への挿入時に必要とされる特性である。ここで、屈曲外径とは、屈曲所定の外径まで外力により変形した場合において、キンクが実質的に生じず、外力を除荷したのちにおいて、形状がほぼ元の状態に戻る外径をいう。
【0026】
従って、具体的には、ステンレス鋼,実質的に49〜58原子%Ni(残部Ti)のNi−Ti系合金,このNi−Ti系合金の一部を0.01〜2.0原子%Xで置換したTi−Ni−X系合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,Pb,B等),実質的に38.5〜41.5重量%Zn(残部Cu)のCu−Zn系合金,この合金の一部を1〜10重量%Xで置換したCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al),実質的に36〜38原子%Al(残部Ni)のNi−Al系合金等の超弾性合金,析出硬化型ステンレス鋼(PHステンレス鋼で特に好ましくはセミオーステナイト系),マルエージングステンレス鋼等のステンレス鋼,高張力鋼,ピアノ線,Ni−Cr系合金等の金属材料等からなる線材、カーボン線維,アラミド線維強化樹脂等の複合樹脂により形成された線材が好ましく用いられる。
【0027】
この中でも特にNi−Ti合金の超弾性材料が好ましく用いられる。ここでいう超弾性合金とは、一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性(通常の金属が永久歪を生ずる領域まで変形させた後もほぼ元の形状に戻る性質)を示すものである。
【0028】
カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、トルク伝達体25の外径は、0.05〜0.4mm程度が好ましく用いられる。
【0029】
例えば、信号ワイヤー20の外径が0.3mmの場合では、トルク伝達体25の外径は0.15〜0.2mm程度となる。
【0030】
信号伝達体21は、そのほぼ中心にある導電体22とその外側を絶縁部材23で被覆したものである。導電体22としては、抵抗率、すなわち電気固有抵抗が10− 6 以下のいわゆる金属の高伝導体である、銅,銅系合金,銀,銀系合金,金等が好適に用いられる。また、導電性炭素材料(カーボン線維)等の用いることができる。また、メタクリル酸樹脂等からなる光ファイバーを光伝達体として、信号伝達体21とすることもできる。
【0031】
絶縁部材23としては、抵抗率が10− 6 以上の樹脂で、ポリエチレン,ポリエステル,ポリウレタン等のウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,ポリイミド等のイミド系樹脂,ポリフッ化フルオロエチレン(テフロン)などのフッ素系樹脂等の合成樹脂等が好ましく用いられる。
【0032】
カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、導電体22の外径は、0.01〜0.1mm、絶縁部材の膜厚は、0.003〜0.03mm、信号伝達体21の外径は、0.02〜0.15mmが好ましい。例えば、信号伝達体21の外径が0.2mmの場合には、信号伝達体21の外径は、0.04mm程度となる。
【0033】
信号伝達体21は、図2に示すように、トルク伝達体25の外側(外面)に実質的に密着した状態で、各信号伝達体21a〜21fが少なくとも相互に重なり合うことなく、螺旋状に横巻きに形成される。信号伝達体21が、2本の場合は、一方をグランド(接地)として用いる。3本以上の場合には、グランド,信号いずれをどの信号伝達体として用いてもよいが、複数のセンサーを有する生体信号検出部10を有する場合は、信号伝達体21は、偶数本であることが好ましく、さらに隣り合う信号伝達体、例えば21aと21bを信号とグランド、21cと21dを信号とグランド、21eと21fを信号とグランドとして交互に使用することで、信号の干渉を低減することができる。また、複数の信号伝達体を同時に使用することで、導体の断面積が大きくなるため、信号の損失を低減できるという効果も得られる。
【0034】
シース24は、信号伝達体21の被覆部材23と同様の材料を用いることができるが、アセタール系樹脂等の摺動性に優れた合成樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、ポリアクリルアミド等のアクリルアミド系高分子、ポリエチレングリコール等のポリエチレンオキサイド系高分子、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の無水マレイン酸系高分子等の親水性合成樹脂等が用いられる。カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、肉厚は、0.003〜0.1mm程度が好ましく、例えば、カテーテル1の外径が0.4〜0.5mmでは、0.005〜0.02mm程度である。
【0035】
本発明の生体信号計測用カテーテル1においては、図1(a)に示すように、その先端部近傍の内面に設けられた信号検出部10は、センサー11を備え、軸受12によって 生体信号計測用カテーテル1の長軸に対して回転可能となっており体腔内の所望の位置でラジアルスキャンが可能である。なお、センサー11の生体信号を送受する方向は、カテーテル1の径方向になるように設けられている。
【0036】
図3は、本発明の他の実施例を示すもので、図1(a)に示すような軸受12がなく、カテーテルシャフト7の内腔を回転あるいは往復運動が可能とされ、体腔内の所望の位置でラジアルスキャンおよびリニアスキャンが可能である。他の構成は、図1(a)に示すものと同様である。
【0037】
図4は、本発明の他の実施例を示すもので、図1aに示すような軸受12がなく、センサー11は、生体信号を送受する方向がカテーテル1の先端(前面)方となっている。
【0038】
生体信号を検出するセンサー11としては、超音波振動子、光ファイバー等の先端部に感応部を設けた光学センサー、PO2 センサー,PCO2 センサー,pHセンサー,オキシメーター.グルコース等の酵素センサー等を用いることができる。また、温度補償用のセンサーも併せて設けることにより、測定精度を高めることができる。
【0039】
図5は、本発明の他の実施例の断面を示すもので、トルク伝達体25の外面に2層の信号伝達体21,41を横巻きに形成した信号ワイヤーを示している。信号伝達体21,41は、そのほぼ中心にある導電体(不図示)とその外側を絶縁部材(不図示)で被覆したものである。導電体としては、抵抗率が10− 6 以下のいわゆる金属の高伝導体である、銅,銅系合金,銀,銀系合金,金等が好適に用いられる。また、導電性炭素材料(カーボン線維)等の用いることができる。また、メタクリル酸樹脂等からなる光ファイバーを光伝達体として、信号伝達体21,41とすることもできる。
【0040】
トルク伝達体25は、断面がほぼ円形で、引張強度20kgf/mm2 以上の機械的強度に優れ、カテーテル1の先端側1bから少なくとも約5cm以上は屈曲外径が少なくとも約50mm以下に屈曲できる柔軟性を備え、さらに曲げ応力を除荷後、ほぼ元の形状に復元される特性を有するものが好ましい。これは、心臓,脳,下肢等の末梢血管への挿入時に必要とされる特性である。
【0041】
従って、具体的には、ステンレス鋼,実質的に49〜58原子%Ni(残部Ti)のNi−Ti系合金,このNi−Ti系合金の一部を0.01〜2.0原子%Xで置換したTi−Ni−X系合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,Pb,B等),実質的に38.5〜41.5重量%Zn(残部Cu)のCu−Zn系合金,この合金の一部を1〜10重量%Xで置換したCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al),実質的に36〜38原子%Al(残部Ni)のNi−Al系合金等の超弾性合金,析出硬化型ステンレス鋼(PHステンレス鋼で特に好ましくはセミオーステナイト系),マルエージングステンレス鋼等のステンレス鋼,高張力鋼,ピアノ線,Ni−Cr系合金等の金属材料等からなる線材、カーボン線維,アラミド線維強化樹脂等の複合樹脂により形成された線材が好ましく用いられる。
【0042】
この中でも特にNi−Ti合金の超弾性材料が好ましく用いられる。ここでいう超弾性合金とは、一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性(通常の金属が永久歪を生ずる領域まで変形させた後もほぼ元の形状に戻る性質)を示すものである。
【0043】
カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、トルク伝達体25の外径は、0.05〜0.4mm程度が好ましく用いられる。例えば、信号ワイヤー20の外径が0.3mmの場合では、トルク伝達体25の外径は0.15〜0.2mm程度となる。
【0044】
信号伝達体21の外側に実質的に密着状態で被覆して設けられる、シース24は、信号伝達体21の被覆部材と同様の材料を用いることができるが、アセタール系樹脂等の摺動性に優れた合成樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、ポリアクリルアミド等のアクリルアミド系高分子、ポリエチレングリコール等のポリエチレンオキサイド系高分子、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の無水マレイン酸系高分子等の親水性合成樹脂等が用いられる。カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、肉厚は、0.003〜0.02mm程度が好ましい。
【0045】
絶縁部材としては、抵抗率が10− 6 以上の樹脂で、ポリエチレン,ポリエステル,ポリウレタン等のウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,ポリイミド等のイミド系樹脂,ポリフッ化フルオロエチレン(テフロン)などのフッ素系樹脂等の合成樹脂等が好ましく用いられる。
【0046】
信号伝達体41の外側に実質的に密着状態で被覆して設けられる、シース42は、信号伝達体41の被覆部材と同様の材料を用いることができるが、アセタール系樹脂等の摺動性に優れた合成樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、ポリアクリルアミド等のアクリルアミド系高分子、ポリエチレングリコール等のポリエチレンオキサイド系高分子、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の無水マレイン酸系高分子等の親水性合成樹脂等が用いられる。
【0047】
カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、肉厚は、0.003〜0.02mm程度が好ましい。
【0048】
絶縁部材としては、抵抗率が10− 6 以上の樹脂で、ポリエチレン,ポリエステル,ポリウレタン等のウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,ポリイミド等のイミド系樹脂,ポリフッ化フルオロエチレン(テフロン)などのフッ素系樹脂等の合成樹脂等が好ましく用いられる。
【0049】
カテーテル1の柔軟性(フレキシビリティ),トルク伝達性,耐屈曲性(プレッシャビリティー)及び細径化の観点から、導電体22の外径は、0.01〜0.1mm、絶縁部材の膜厚は、0.003〜0.03mm、信号伝達体21の外径は、0.02〜0.15mmが好ましい。例えば、信号ワイヤ40の外径が0.2mmの場合には、信号伝達体21の外径は、0.03mm程度となる。
【0050】
2層のうちの外側の、被覆部材で被覆された信号伝達体41をシールド部材として用いることで外来ノイズの影響を低減できる。図5の例では、2層の場合を示したが、信号伝達ワイヤーの柔軟性、トルク伝達性を損なわない範囲で、さらに3層以上の複数の層で形成することができる。
【0051】
図7は、他の適用例を示すもので、本発明の生体計測用カテーテル1は、細径化が可能なため、血管形成用バールンカテーテル8の内腔(内径0.5mm程度)への挿入またはその内腔での一体化が可能である。このため、血管61の狭窄部62の状態をバールン10aを拡張時でも診断することができる。
【0053】
駆動伝達体29の材質としては、ステンレス鋼,実質的に49〜58原子%Ni(残部Ti)のNi−Ti系合金,このNi−Ti系合金の一部を0.01〜2.0%Xで置換したTi−Ni−X系合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,Pb,B等),実質的に38.5〜41.5重量%Zn(残部Cu)のCu−Zn系合金,この合金の一部を1〜10重量%Xで置換したCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al),実質的に36〜38原子%Al(残部Ni)のNi−Al系合金等の超弾性合金,析出硬化型ステンレス鋼(PHステンレス鋼で特に好ましくはセミオーステナイト系),マルエージングステンレス鋼等のステンレス鋼,高張力鋼などが用いられる。コイルの形状としては、板状,線状のものが用いられ、2層以上とすることもできる。板状の場合、幅0.02〜0.5mm,厚さ0.005〜0.2mmが好ましく用いられ、コイル外径は、0.1〜1.0mm程度である。線状の場合、外径0.01〜0.2mm,が好ましく用いられ、コイル外径は、0.1〜1.0mm程度である。
【0054】
【発明の効果】
本発明による体腔内超音波プローブによれば、柔軟性(フレキシビリティ)、トルク伝達性、強度及び細径化が可能な生体計測用カテーテルが得られる。
【0055】
本発明の好ましい態様において、シャフトの最外部のほぼ全体が潤滑性または濡れ性を有する合成樹脂で被覆されたものであるので、容易に所望の体腔内等へ挿入できる。
【0056】
本発明の好ましい態様において、シャフトの先端部ほどコイル材の肉厚を薄くしたものであるので、先端の柔軟性が図られ、容易に所望の生体の体腔内等へ挿入できる。
【0057】
本発明の好ましい態様において、信号伝送損失の少ない信号ワイヤーを備えた生体計測用カテーテルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の生体計測用カテーテルの長手方向断面図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A′断面図、図1(c)は、図1(c)における信号伝達体の拡大図である。
【図2】本発明の生体計測用カテーテルの信号ワイヤの側面図である。
【図3】本発明の他の実施例の生体計測用カテーテルの長手方向断面図である。
【図4】本発明の他の実施例の生体計測用カテーテルの長手方向断面図である。
【図5】本発明の他の実施例の生体計測用カテーテルの径方向の断面図である。
【図6】本発明の生体計測用カテーテルの適用状態を示す図である。
【図7】本発明の生体計測用カテーテルの他の適用状態を示す図である。
【図8】従来の生体計測用カテーテルの長手方向断面図である。
【符号の説明】
1,5…生体計測用カテーテル
2…信号処理装置
4…コネクタ
6…カテーテルシャフト
7…シース
8…バールンカテーテル
9…イントロデューサー
10…信号検出部
11…センサー
12…軸受
20,40…信号ワイヤ
21,41…信号伝達体
22…導体
23,24…被覆部材
51…信号線
Claims (6)
- 生体内に挿入して用いられる生体計測用カテーテルであって、生体内に挿入される部分に生体信号を検出する生体信号検出部を備え、該生体信号検出部で得られた前記生体信号を生体外部の信号処理装置に伝達するための該カテーテル内の伝達手段として、該カテーテルのほぼ中心部に設けられ回転トルクを伝達し前記生体信号検出部のラジアルスキャンを行うトルク伝達体の外側に、該生体信号を伝達する少なくとも2本以上の信号伝達体を一体に形成し、更にその外側を摺動性に優れた合成樹脂または親水性合成樹脂で実質的に密着状態で被覆してなるものであり、前記トルク伝達体は、超弾性合金であることを特徴とする生体計測用カテーテル。
- 前記信号伝達体を横巻きにして一体的に該トルク伝達体の外側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の生体計測用カテーテル。
- 前記信号伝達体として、銅,銅系合金,銀,銀系合金,金,アルミニウム,アルミニウム系合金等の導電体あるいはメタクリル酸樹脂等の光ファイバー等からなる光導体を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の生体計測用カテーテル。
- 前記信号伝達体として、断面形状がほぼ円形の導体に樹脂等の絶縁体を被覆した被覆導線を用い、これを該トルク伝達体の外側に少なくとも2本以上横巻きにしたことを特徴とする請求項2または3に記載の生体計測用カテーテル。
- 前記生体信号検出部に、超音波振動子,光学センサー,化学センサーのうちのいずれかの生体信号測定手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の生体計測用カテーテル。
- 前記トルク伝達体及びその周囲に形成した前記信号伝達体を、前記カテーテルの生体外部に備えた駆動源によって回転および往復運動させることによって該カテーテルの生体内に挿入される部分に設けられた該生体信号検出部を回転および往復運動させたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の生体計測用カテーテル。
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JP (1) | JP3554013B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2365127A (en) * | 2000-07-20 | 2002-02-13 | Jomed Imaging Ltd | Catheter |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6382894A patent/JP3554013B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07265310A (ja) | 1995-10-17 |
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