JP3553963B2 - 低電圧で機能試験を実施可能な過電圧保護装置 - Google Patents
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Description
このようなことを阻止するためには、相応の電流をアースに導くことによってピーク過電圧をカットする過電圧保護装置が使用される。
しかしながらいずれにしても長期間に亘って保護装置の機能性を保障することは困難である。なぜならこれまでは検査自体が相応の過電圧を前提としていたからである。そのため過電圧導出器に問題がある場合には検査が制御回路の入力側又は出力側の破壊に結び付く恐れがある。
本発明の課題は前記問題点に鑑み、過電圧を用いないで十分に機能性を検査することのできる過電圧保護装置を提供することである。
前記課題は、請求の範囲第1項の特徴部分に記載された本発明によって解決される。
この本発明による新たな過電圧保護装置は、少なくとも2つのリミッタ(これらは電流端子の間で直列に接続されている)を含んでいるために、リミッタの検査が装置全体の限界電圧以下で可能である。これに対してはリミッタの直列回路に切換装置からなる1つの直列回路が並列に接続される。この場合一方の直列回路のノードが他方の直列回路のノードと電流センサを介して接続される。検査の際に1つの切換装置までの全てのその他の切換装置が低インピーダンスな状態に移行するならば、1つのリミッタまでの全ての残りのリミッタは実際には短絡される。それにより、低インピーダンス状態ではない切換装置に並列に接続されているリミッタに、電流端子に生じた電圧が直接印加される。これにより流れる電流は、該当するリミッタの機能性に対する尺度となる。
このような評価を実行するためには、複数の種々の回路装置が観察される。そのため例えば複数のリミッタからなる直列回路と複数の切換装置からなる直列回路を0Ωの導電結合を介して並列に接続させてもよい。つまり各リミッタ毎に直接1つの切換装置を配列に接続させてもよい。この場合は測定中のリミッタへの過負荷を避けるために、切換装置の直列回路には少なくとも1つの電流制限素子が含まれる。この素子は場合によっては同時に電流センサとして用いられてもよい。その他の手段としては、2つの切換装置の間のクロス接続部に電流センサを設けてもよい。
一般的に作動電圧と最大許容過電圧は比較的大きく隔てられるので、有利には、リミッタは、直列に接続された複数の制限素子から形成される。それ以外にもこれによって応動の際の良好な出力ロスの分散が達成される。
制限素子としては、電圧に依存して低い内部抵抗状態から高い内部抵抗状態へ又は高い内部抵抗状態から低い内部抵抗状態へ切換え可能な全ての素子が使用可能である。例えば、ツェナーダイオード、複数のダイオード、複数のダイオードからなる直列回路、バリスタ、電圧依存性の抵抗等、あるいはバイポートランジスタとツェナーダイオード(これはベース−エミッタ間に接続される)からなる回路等である。装置全体では出力ロスは比較的高いにもかかわらずツェナーダイオードのようになる。
切換装置に対しては多くの異なる構成素子が当てはまる。例えば所要の出力領域と操作性に応じて電子的な半導体スイッチ、機械的なスイッチ又はリレー等が用いられる。
特に有利には過電圧保護装置にシーケンス制御部が設けられており、これによって周期的な自動検査が可能となる。
本発明の別の有利な実施例及び構成例は従属請求項に記載される。
以下では本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による過電圧保護装置の概略的なブロック回路図である。
図2は、電流センサを備えた過電圧保護装置の第1実施例を示した図である。
図3は、電流センサを備えた過電圧保護装置の第2実施例を示した図である。
実施例
図1には、光結合器3を用いて形成されているポテンシャルフリーの出力側2を備えた電子制御回路1が示されている。光結合器3の入力側4は、ここでは詳細に示されていないドライバ回路に接続されている。これにより光結合器3に含まれている発光ダイオード5は、光結合器3の出力側6から相応の電気信号が得られるように多かれ少なかれ選択的に発光される。光結合器3の出力側は、一方では線路7aを介して電圧源+Vに接続され、他方では線路7bを介してここでは詳細に示されていない制御負荷に接続されている。
光結合器内部では入力側4と出力側6との間で導電的な接続は何も形成されない。そのため入力側4では寄生電圧も生じない。遮断された状態、すなわちバイポーラトランジスタの出力側が遮断されている場合には、外部から到来する障害パルスが線路7aと7bの間で電圧を引き起こす。この電圧は光結合器の遮断された出力トランジスタを電圧的に過負荷な状態にもたらす。これはコレクタとエミッタの間の降伏電圧となり得る。このような危険な電圧(これはとりわけ出力側5に発生し得る)を避けるため、光結合器3の出力側は過電圧導出器8を介してアース9に接続される。
この過電圧導出器8の構造は図2に詳細に示されている。この過電圧導出器8は2つの接続端子11,12を有している。これらの接続端子は、切換アース9ないしは光結合器3の出力側に接続されている。これらの2つの接続端子11,12の間には、順次接続された複数のリミッタ14a……14cからなる直列回路13が接続されている。リミッタ14aはツェナーダイオード15によって形成されており、リミッタ14cもツェナーダイオードによって形成されている。同じようにそれらの間に介在するリミッタ14もそれぞれ1つのツェナーダイオードから形成可能であるが、しかしながらリミッタ14を形成するために、個々のツェナーダイオードが必ずしもただ1つの素子である必要はない。各リミッタ14は、例えばリミッタ14aで示されているように複数のツェナーダイオードからなる直列回路を含んでいてもよいし、あるいは直列に接続された多数の簡素なダイオード16から形成されてもよい。リミッタ14として考えられるその他の構成素子では、電圧依存性の抵抗又はツェナーダイオード特性を備えた二極性回路ないしはバリスタ等が挙げられる。いずれの場合でも有利には過電圧導出器8の全てのリミッタ14a……14cは相互に同じように接続され、同じ特性値を有する。
詳細には前記直列回路13は次のように構成されている。すなわちリミッタ14aのツェナーダイオード15のカソードが電流端子11に接続されように構成されている。このツェナーダイオードのアノードは、ノード17aに接続されている。このノード17aには、専らツェナーダイオードが使用される場合にはリミッタ14bのツェナーダイオードのアノードが接続される。このツェナーダイオードのカソードは接続ノード17bに接続される。最終的にリミッタ14cのツェナーダイオードは、反対側の電流端子12に接続される。
複数のリミッタ14からなる直列回路13に並列して複数の電子スイッチ18a……18cからなる1つの直列回路が設けられている。この直列回路は、それぞれ1つの切換区間19並びに制御入力側21を有している。数字の後に付されているアルファベットはそれぞれ該当するリミッタ14への所属性を表すものである。全ての切換区間19は、直列に接続されている。このことは電子スイッチ18aの切換区間19が一方では電流端子11に接続され、他方では接続ノード22aに接続されていることを意味する。この接続ノード22aには電子スイッチ18aの切換区間19と電子スイッチ18bの切換区間19が接続される。電子スイッチ18bの切換区間19の他方の端部は接続ノード22bに接続されている。
最終的に最後の電子スイッチ18cは電流端子12に接続される。
制御された複数の電子スイッチ18からなる直列回路と直列回路13のそれぞれ2つの相互に相応する接続ノード22ないし17は、クロス接続部23aないし23bを介して相互に接続されている。このクロス接続部23には電流センサが設けられており、この電流センサはオーム抵抗24と両指向性の光結合器25からなっている。光結合器25の入力側は前置抵抗24に接続されている。両方向性の光結合器は、その入力側において出力信号の形成に対して2つの電流極性が処理可能である。これに対して光結合器は2つの逆並列に接続された2つの発光ダイオードを有している。
図から明らかなように過電圧導出器8はリミッタ14と正確に同じ複数の電子スイッチ18を含んでいる。これに対してクロス接続部23は1つだけ少ない。
過電圧導出器8には制御回路26ならびに評価回路27が対応付けされている。評価回路26は複数の制御出力側28を有している。これらの制御出力側のそれぞれは、電子スイッチ18の相応の制御入力側21に接続されている。評価回路27も複数の入力側29を備えており、それらの入力側29のそれぞれは複数の光結合器25のうちの1つの出力側31に接続されている。図中参照番号の後ろに付されているアルファベットはそれぞれの対応関係を表したものである。
次に、前述した過電圧導出器8の回路選定とその作用を説明する。
全てのリミッタ14は、電圧依存性の同じ特性曲線を有しており、従ってリミッタ14は、所定の電圧限界値より下方で比較的差異の大きな内部抵抗を有している。それに対してリミッタ14は、この限界値を上回った場合に、限界値下方の差異のある内部抵抗よりも差異の小さな内部抵抗を示す。この限界電圧は以下では定格電圧と称す。
使用するリミッタ素子の相応の選択ないしはリミッタ素子数の相応の選択によって、各リミッタ14の定格電圧は次のように設定される。すなわち通常作動時に見込まれる最小電圧(これはアース9に対して光結合器3の出力側6から得られる)よりも小さくなるように設定される。
それに対して所要のリミッタ14の数は、作動中に出力側6とアース9の間で過電圧導出器8を機能させずに許容される最大許容過電圧に合わせられる。この過電圧が例えば、作動中に発生する最小電圧よりも格段に大きい場合には、それに応じて多くのリミッタ14が必要とされる。
過電圧導出器8がその機能性に基づいて検査されない場合には、制御回路26の側から全ての電子スイッチ18が高抵抗な切換状態にもたらされる。ここにおいて出力側6に過電圧が生じた場合には、この過電圧がリミッタ14からアースに導出される。過電圧なしではリミッタ14は高抵抗となり作用しない。
個々のリミッタ14の機能性を検査するためには、制御回路26によって順次全ての電子スイッチ18が低抵抗な状態まで切換えられる。次に作用の説明のためにまず電子スイッチ18aが開かれ続けその他の全てのスイッチは閉じられているものと仮定する。これによって過電圧導出器8の限界電圧はリミッタ14aの定格電圧まで低減される。その定格電圧は、作動中にアース9に対して出力側6に見込まれる最小電圧よりも小さいので、リミッタ14aは導通され、電流が電流端子11からクロス分岐23aを通り、さらに閉成されている電子スイッチ18b〜18cを介して電流端子12まで流れ始める。この電流の大きさは、前置抵抗24と光結合器25からなる電流センサを用いて測定される。この電流センサの測定値は評価回路27の該当する入力側に供給される。
正常に動作するリミッタ14のもとでは相応の既知電流がクロス接続部23aを通って流れる。それに対してリミッタ14aが短絡しているかまたはその他の理由から定格電圧値が低減している場合には、クロス接続部23a内を比較的高い電流が流れる。これによりエラーを逆推論することができる。クロス接続部23a内を電流が全く流れていない場合には、リミッタ14aが機能停止している。
次のステップでは、過電圧導出器8の検査のためにスイッチ18bが開かれスイッチ18aは閉じられる。この状態で電流は電流端子11から閉成されている電子スイッチ18aとクロス接続部23aを介してリミッタ14bまで流れ、そこからはクロス接続部23bを介して残りの電子スイッチ18からなるカスケードを通って電流端子12まで流れる。クロス接続部23aと23bの電流センサにおいて測定された電流もリミッタ14bが正常に動作しているか又は機能停止しているかを特徴付ける尺度となる。
有利には、同様に順次連続する全てのリミッタ14が検査され、そこから得られた電流値が評価回路27によって相応に分析される。
新たな過電圧導出器8のもとではそれが固有のリミッタから構成されていることが明らかに重要である。なぜなら通常動作中に危険な過電圧の利用なしで検査できるからである。検査の際には検査すべきリミッタまではその他の全てのリミッタが実質的に並列に接続された電子スイッチによって分路ないし短絡される。
図3には過電圧導出器8の別の実施例が示されている。この場合既に前述した構成部分には同じ符号が付されている。
図2に示されている実施例と大きく異なっている点は、クロス接続部23が導電的な短絡接続部として構成されていることと、複数の電子スイッチ18からなる直列回路の上方端部と下方端部においてそれぞれ電流制限素子又は電流センサ31a及び31bだけが含まれていることである。
図3による過電圧導出器8の回路選定は、図2による実施例と同じように行われる。通常動作中のリミッタ作用も同様である。
個々のリミッタ14の検査に対しても、前述したように、1つの電子スイッチ18まではその他の全ての電子スイッチが低抵抗に切換られ、それによってこの期間中に出力側6における電圧が、それに対応付けられて開かれているリミッタ14にのみ印加される。それに応じて多かれ少なかれ大きな電流が2つの前置抵抗31a、31bを介して流れ、さらにそこで発生した電圧降下は該当するリミッタ14の機能性に関する逆推論を可能にする。
測定は、以下の限定を除いて抵抗31a又は抵抗31bで行われてもよい。該当する抵抗31a又は31bに直接接続されている電子スイッチ18が開かれている場合に、測定抵抗31a又は31bの選択は生じない。検査測定は、対応する電子スイッチ18が閉じられている抵抗31a又は31bにおいて行う必要がある。
Claims (15)
- 2つの電流端子(11,12)を備えた過電圧保護装置において、
直列に接続された少なくとも2つのリミッタ(14)を有しており、該リミッタの導通抵抗は、所定の導通電圧よりも下では高い値を有し、該導通電圧よりも上では低い値を有し、
前記複数のリミッタ(14)からなる直列回路(13)が前記電流端子(11,12)の間に設けられており、少なくとも2つのリミッタ(14)の導通電圧の和が、前記電流端子(11,12)間の最大許容電圧を規定し、これに対して各リミッタ(14)の導通電圧は、前記電流端子(11,12)において見込まれるゼロではない最小入力電圧よりも小さく、
前記電流端子(11,12)の間に複数の切換装置(18)からなる直接回路が設けられており、該複数の切換装置(18)は数的に前記リミッタ(14)の数に一致され、該切換装置のそれぞれによって選択的に高抵抗又は低抵抗な状態が導入可能であり、前記隣接する複数の切換装置(18)の間の各接続ノード(22)は隣接する複数のリミッタ(14)の間の対応する接続ノード(17)に電気的なクロス接続部(23)を介して接続されていることを特徴とする、過電圧保護装置。 - 前記クロス接続部(23)は、電流センサ(24,25)を含んでいる請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
- 前記クロス接続部(23)の数は、前記リミッタ(14)の数よりも1つだけ小さい、請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
- 前記クロス接続部(23)はゼロオームの導電接続部であり、前記複数の切換装置(18)からなる直列回路は、少なくとも1つの電流制限装置(31)を有している、請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
- 前記複数の切換装置(18)からなる直列回路の一方の端部に1つの電流制限装置(31a)が含まれ、さらに前記複数の切換装置(18)の直列回路の他方の端部に別の電流制限装置(31b)が含まれている、請求の範囲第4項記載の過電圧保護装置。
- 前記電流制限装置(31)は電流センサを有している、請求の範囲第4項記載の過電圧保護装置。
- 前記電流センサ(24,25)は、抵抗を有している、請求の範囲第2項記載の過電圧保護装置。
- 前記電流センサは、光結合器(25)を有している、請求の範囲第2項記載の過電圧保護装置。
- 前記リミッタ(14)のそれぞれは、唯1つのリミッタ素子(16)から形成されるか又は少なくとも2つのリミッタ素子(16)からなる直列回路から形成されている、請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
- 前記リミッタ素子(16)は、ツェナーダイオード、ダイオード、バリスタ、電圧依存性の抵抗、又はバイポーラトランジスタとツェナーダイオードからなる回路である、請求の範囲第9項記載の過電圧保護装置。
- 前記切換装置(18)は、制御入力側(21)を備えた電子スイッチである、請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
- 前記切換装置(18)は、制御入力側(21)を備えた電気機械式スイッチである、請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
- 前記電気機械式スイッチは、リレーである、請求の範囲第12項記載の過電圧保護装置。
- 前記切換装置(18)を順次操作するために、制御回路(26)が対応付けされている、請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
- 前記電流センサ(24,25,31)から送出された値又は前記リミッタ(14)に印加された電圧を評価するために、評価回路(27)が対応付けされている、請求の範囲第1項記載の過電圧保護装置。
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