JP3553911B2 - 反射型lcdを利用する投射表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型LCD(Liquid Crystal Display)を利用する投射表示装置に関する。本発明は、特に、反射型LCDをSLM(Spatial Light modulator)にする投射表示装置で安定した性能を保障しつつ、既存のX−プリズム(prism)を利用して色を分離/合成する方式に比べ、光学要素の数を減少されることによって投射表示装置のコンパクト(Compact)化を達成した、反射型LCDを利用する投射表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、ディスプレイが大型化されるに伴って、プロジェクション技術を利用したデータプロジェクタ、プロジェクション・テレビ、プロジェクションモニタなどの開発が加速化している。近来には各画素に反射電極を設置して画素の開口率を向上させて使用する反射型液晶パネルが投射表示装置に適用されている。この反射型液晶パネルは、従来の透過型液晶パネルと比較して開口率を高くできるため、高効率の投射表示装置の実現が容易である。
【0003】
また、一般的に、透過型LCDを使用する投射表示装置がポーラライザ(Polarizer)機能のPBS(Polarizing Beam Splitter)とアナライザ(Analyzer)機能のPBSが使用されることとは異なり、反射型LCDを使用する投射表示装置では1つのPBSが2機能を担当するため、画面を明るくし、システムを小さくしようという要求を満足させるのに適している、という利点がある。
【0004】
しかし、反射型LCDを適用するにあたって1つの光部品が2機能を担当するため、この部品の性能が全体のシステムの性能に及ぼす比重が相当に高まる。特に、この部品の熱的な安全性が問題になるが、これは透過型光モジュレータを利用する方式より約2倍の光エネルギがこの光部品を通過するためである。このような問題を解決するためにエネルギを分散させるとともに、この光部品の熱的安全性に優れた材質を利用する方法が用いられてきた。
【0005】
光エネルギを分散させる方法としては、1個モジュレータとカラーホイール(Color Wheel)を利用する方法が用いられてきた。しかし、このような方法は、ある瞬間にR,G,B3原色の1つのみが出力されるために原理的な光損失が約70%に達する。また、照明光が光モジュレータに入射される前に2色性ミラー(Dichroic Mirror)を利用して光をR,G,Bの3原色に各々分離し、これを3個のポーラライザとアナライザの機能を同時に担当する光部品と3個の反射型光モジュレータに作用させる方法がある。このような方法は、充分に光効率を高めることができるが、システムの大きさが大きくなる、という問題がある。
【0006】
従って、光エネルギを分散して利用するのを最小化してシステムの大きさを小さくしつつ、3個の反射型光モジュレータを利用して光効率を高めるとともに、充分な熱的安全性を有する材質を利用して投射表示装置を構成することが必要になった。
【0007】
従来の技術で代表的なものは、米国特許第5,808,795号の技術である。
【0008】
この技術では、X形態の平板2色性フィルタを利用して3原色に各々分離し、この分離された光を3個のPBS群に入射させて偏光化した後、3個の反射型LCDによって光をモジュレーティングする。モジュレーションされた光は、X−プリズムを利用して合成された次のプロジェクションレンズを介してスクリーンに投射される。このとき、外部又は熱的ストレスによる画面の異常現状を除去するためにこのシステムのPBSは、1.5×10−6mm2/N以下の光弾性率を有する材質からなる。
【0009】
図1は、こうした従来の投射表示装置の例示図である。その動作は次のとおりである。
【0010】
光源100から出射した白色光が平板2色性ミラー11によってR,G,Bの各成分に分けられる。以後は、R,G,Bの各成分に作用する光部品が類似しているので、G成分についてのみ、説明する。
【0011】
G成分は、参照番号12Gのミラーによってプレポーラライジング(Pre−Polarizing)を担当する参照番号15GのPBSに入射する。PBS15Gによってプレポーラライジング(Polarizing)された成分は、参照番号14GのPBSによって再びポーラライジングされつつ、参照番号13Gの反射型LCDに向かうようになる。
【0012】
反射型LCD13Gによってモジュレーション(Modulating)されたG成分は、再び、PBS14Gによってアナライジング(Analyzing)された後、参照番号17のX−プリズム(Prism)へ向かう。ここで、PBSは1.5×10−8cm2/N以下の光弾性率を有する材質からなる。
【0013】
そして、X−プリズム17によってR,G,B成分が合成されて作られたイメージは、参照番号18であるプロジェクションレンズを介し、参照番号200のスクリーンに投射される。
【0014】
この装置でPBSに入射された光エネルギのうち、PBSに吸収されたエネルギは、PBSに熱的ストレスとして作用する。このストレスがPBSの性能に及ぼす影響の程度を判断することができるOptical Path Difference ΔRは、次の数式1のとおりである。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、λは、光の波長で、Δnは、熱的ストレスによって発生された複屈折量であり、Lは、光が通過した厚み、Cは材質の光弾性率であり、Δσは、光軸と垂直した2つのプリンシパルストレス(Principal Stress)の差である。
【0017】
従って、このような従来の装置では、PBSの材質は、1.5×10−8cm2/N以下の光弾性率を有する材質に限定することによって、システムの安全性と画面の均質性(eveness)とを確保しようとした。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の技術では、X−形態の2色性ミラー(dichroic mirror)を利用して色分離をした後、ポーラライジング(Polarizing)とアナライジング(Analyzing)の目的で3原色のある光成分をPBSに作用させるのであるが、PBSの材質を3原色の重要波長で光弾性率が低い材質を使用するようになる。即ち、1つのPBSに作用する光エネルギが本発明に係るものより従来の技術がより小さい。
【0019】
しかしながら、従来の技術は、3原色の各々に対して光学要素が必要とするために、光学要素の数が多くなる。これは、価格を高くし、大きさを増加させる問題を発生させる。
【0020】
また、従来の技術では、単純にPb0の含有量を介してガラスの光弾性率が調節されたガラスをPBSのベース(Base)材質に使用するのであるが、こうしたガラスは、可視光領域の短波長でその透過率が相当によくなくなる短所があった。PBSに作用する光エネルギが増加する場合、PBSに吸収される光エネルギも同時に増加する。そのため、ストレスが増加し、光弾性率が小さくても安定した明るさの均一性が確保できない可能性もある。
【0021】
このように従来の装置は、光学要素の数が多く、安定した明るさの均一性を確保することができない、という問題があった。
【0022】
本発明は、上記のような従来技術の諸般の問題点を解消するために提案されたもので、その目的は、反射型LCDをSLM(Spatial Light modulator)とする投射表示装置で安定した性能を保障しつつ、既存のX−プリズムを利用して色を分離合成する方式に比べ、光学要素の数を少なくすることによって投射表示装置をコンパクトにし、安定した明るさの均一性を確保することができる反射型LCDを利用する投射表示装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、反射型LCDを利用する投射表示装置において、ランプとS波又はP波のうち1つの偏光を照明する偏光素子とを具備した照明装置と、入力されたイメージ信号に対応するイメージを提供し、入射された光の反射時における光の偏光状態を変更させる前記反射型LCDと、入射された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにするリターダスタックと、入射された光の色分離、色合成及びアナライザ機能を遂行して、589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6mm2/N以下にし、0.42μm〜0.70μmの波長で25mmの厚さの最低透過率が90%以上である材質を有する偏光ビームスプリッタを含む色分離/合成系と、前記色分離/合成系を通過したイメージをスクリーンに投射する投射系とを含んで構成されたことを特徴とする。
【0024】
また、前記色分離/合成系は、前記照明装置で入射された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第1リターダスタックと、前記第1リターダスタックを通過した光を色分離して透過させたり反射する第1偏光ビームスプリッタと、前記第1偏光ビームスプリッタを透過した光を第1反射型LCDに送り、反射されてきた光をアナライジングする第2偏光ビームスプリッタと、前記第1偏光ビームスプリッタで反射されてきた光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第2リターダスタックと、前記第2リターダスタックを通過した光を色分離して第2,第3反射型LCDに送り、反射されてきた光を色合成及びアナライジングする第3偏光ビームスプリッタと、前記第3偏光ビームスプリッタで色合成された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第3リターダスタックと、前記第3リターダスタックを通過した光と前記第2偏光ビームスプリッタでアナライジングされてきた光を色合成する第4偏光ビームスプリッタと、前記第4偏光ビームスプリッタで色合成された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第4リターダスタックとを含んで構成されたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の上述した目的と様々な長所は、この技術分野における当業者により、添付された図面を参照して後述される本発明の望ましい実施形態から、より一層明確にされるはずである。
【0026】
以下、本発明に係る一実施形態である、反射型LCDを利用する投射表示装置を、図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0027】
図2は、本発明による反射型LCDを利用する投射表示装置の例示図である。
【0028】
これに図示されたように、ランプ11と偏光板PLを具備してS波又はP波のうち、ひとつの偏光を照明する照明装置と、入力された光成分に対応するイメージを提供して入射された光の反射時に光の偏光状態を変更させる反射型LCD15G,15B,15Rと、入射された光の色によって偏光状態を異なるようにするリターダスタックGR,RRと、前記照明装置で照明された光の色を分離して前記反射型LCD15G,15B,15Rへ向かうようにし、前記反射型LCD15G,15B,15Rで反射された光の色合成とアナライザ機能を同時に遂行し、589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6mm2/N以下にし、0.42μm〜0.70μmの波長で最低25mm厚さの透過率が90%以上とする材質を有する偏光ビームスプリッタP1〜P4と、上記偏光ビームスプリッタP1〜P4を通過したイメージをスクリーンに投射する投射系16を含んで構成される。
【0029】
上記偏光ビームスプリッタの第1、第2、第4偏光ビームスプリッタP1,P2,P4で、前記グリーンリターダスタック(Green Retarder stack, GR)によってS波からP波に変換されたグリーン(Green)光は、第1偏光ビームスプリッタP1を透過した後、第2偏光ビームスプリッタP2に入射されて透過した後、前記反射型LCD15Gに入射されるようにし、前記反射型LCD15Gは、イメージ(image)信号に対応する偏光状態で入射光を変調して反射させ、前記第2偏光ビームスプリッタP2によって変調された反射光から、P波は透過されて前記反射型LCD15Gに入射された経路に沿って戻るようにし、反射されたS波は、前記第4偏光ビームスプリッタP4に入射されるようにし、前記第1偏光ビームスプリッタP1によって反射されたS波のマゼンタ(Magenta)光は、レッドリターダスタック(Red Retarder stack, RR)に向かうようにする。
【0030】
前記偏光ビームスプリッタの第1,第3,第4偏光ビームスプリッタP1,P3,P4で、前記第1偏光ビームスプリッタP1によって反射されたS波であるマゼンタ(Magenta)光は、レッドリターダスタックRRに向けるようにし、前記レッドリターダスタックRRによってマゼンタ(Magenta)光のレッド(Red)成分は、偏光が90度回転されて、S波からP波に変換され、ブルー(Blue)成分は、その偏光成分を入射された状態と同一に維持する。前記レッドリターダスタックRRを透過した光は、再び前記第3偏光ビームスプリッタP3によってP波のレッド(Red)光は透過され、前記反射型LCD15Rに入射され、イメージ信号によって偏光状態が変調されて反射されるようにし、前記反射型LCD15Rによって反射されたレッド(Red)光のS成分は、前記第3偏光ビームスプリッタP3によって反射された後、異なるレッドリターダスタックRRによってP波に変化され、前記第4偏光ビームスプリッタP4に向かうようにし、レッド光のP成分は、前記第3偏光ビームスプリッタP3を透過して入射された経路に沿って戻るようにする。
【0031】
前記第3偏光ビームスプリッタP3によってレッド(Red)成分と分離されたS波のブルー(Blue)光は、前記第3偏光ビームスプリッタP3によって前記反射型LCD15Bへ向かい、イメージ信号に従って反射型LCD15Bによってその偏光状態が変調されて反射されるようにしている。反射されたP波であるブルー(Blue)光は、前記第3偏光ビームスプリッタP3と前記第4偏光ビームスプリッタP4間のレッドリターダスタックRRによって偏光変換されることなく、第4偏光ビームスプリッタP4に入射されるようにし、S波のブルー(Blue)光は、前記第3偏光ビームスプリッタP3によって反射されて入射された経路に沿って戻るようにする。
【0032】
前記偏光ビームスプリッタの第4偏光ビームスプリッタP4で、前記第4偏光ビームスプリッタP4に入射されたS波のグリーン(Green)光は、第4偏光ビームスプリッタP4で反射され、P波のレッド(Red)とブルー(Blue)光は、第4偏光ビームスプリッタP4を透過することで、カラーイメージ(Color Image)として合成されるようにし、カラーイメージを含んだ光のグリーン(Green)成分は、グリーンリターダスタック(Green Retarder stack, GR)によって偏光が90度、回転されてP波になり、他の成分は、P波の状態を維持するようにして、あらゆる成分がP波になり、前記投射系16の投射レンズによってスクリーンに投射されるようになる。
【0033】
従来の技術では、X−形態2色性ミラー(dichroic mirror)を利用して色分離した後、ポーラライジング(Polarizing)とアナライジング(Analyzing)の目的で3原色のある光成分をPBSに作用させる。即ち、1つのPBSに作用する光エネルギが本発明に伴うものより従来の技術がより小さくすることができる。しかし、従来の技術は、3原色の各々に対して光学要素が必要となるため、その使用光学要素の数が多く、これは価格を高くさせ、大きさを増加させる要因になる。
【0034】
さらに、従来技術では、PbOの含有量を介してガラスの光弾性率が調節されたガラスをPBSのベース(Base)材質として用いているが、このようなガラスは、可視光領域の短波長でその透過率が相当によくなくなる。
【0035】
図3は、従来技術と本発明によるPBSの材質特性を比較したグラフである。
【0036】
そこで、図3のGlass1は、60モル%のPbO、40モル%のSiO2で作られ、Glass2乃至Glass4のガラスは、40モル%のSiO2以外にGlass2にはPbO+0.2モル% As2O3、Glass3には、PbO2+0.2モル%As2O3、Glass4には、PbO+0.2モル%Sb2O3が添加された。
【0037】
ガラスのPbO含有量が高ければ、[PbO4]4面体の形成が増加され、網目構造の形成体として作用するために、PbOの濃度によってPB2+/Pb4+の平衡状態が形成される。ところで、Pb4+によって、PbO2が形成され、ガラスの透過率を落とすのである。Glass2のように、As2O3は、鉛ガラスの透過率を高めるのであるが、これはAs2O3が酸素を吸収してAs2O5に変化するためである。
【0038】
反面、Glass4のように、アンチモン酸化物は、ガラスの透過率を落とすのであるが、これはアンチモン鉛が形成されるためである。このような現状は、ガラスを着色させることによってプロジェクションされるイメージの色に影響を与えるだけでなく、光の吸収によるプリズムの熱吸収が光軸と垂直な2つのプリンシパルストレス(Principal Stress)の差Δσを増加させる要因になる。反面、SF2にように、光の透過率が良好なガラスは、小さなストレスにも相当な複屈折が現れるようになる。しかしながら、従来技術によるガラスは、鉛ガラスに[As2O3+Sb2O3]が添加されることによって鉛ガラスの透過率が改善されたとするのは困難で、本発明のように、多くの光エネルギがPBSに作用する場合、画質の安全性が保障されない。
【0039】
また、既に透過率が改善された鉛ガラスが商用に存在するが、ショット社のSF57 improved internal transmittanceやオハラ社のPBH55のようなものが挙げられる。SF57 improved internal transmittanceの589.3nm波長での光弾性係数は、0.02×10−6mm2/Nであり、オハラ社のPBH55の589.3nm波長での光弾性係数は、0.03×10−6mm2/Nである。本発明ではこのような材質を利用したPBSが使われた。
【0040】
図4は、本発明に対して光吸収によって発生される複屈折の影響を測定するための装置の例示図である。
【0041】
この装置のスクリーンで中心部と周縁部位に投射された光がフォトメータ(Photometer)によって明るさが測定され、時間によって明るさの均一性がどのように変化するのか測定された。
【0042】
次の表1は、このとき、使われたPBS試料の基本物質(Base Material)等の性質である。
【0043】
【表1】
【0044】
図5は、図4の測定装置に表1の試料をPBSに使用した場合、従来技術と本発明のPBSの明るさの均一性を測定して比較した図面である。
【0045】
ここで、参照番号21は、UHP100Wランプを利用した照明装置でf/3、420〜700nm波長領域、rectangular shape、S波である光を照射した。22は、試料PBSであり、23はミラー、24はf/3に投射する投射レンズ、25はスクリーンである。
【0046】
それで、照明装置21から出射された光は、S波でPBS22によって反射され、ミラー23で入射した後、反射される。反射された光は、再び、PBS22によって反射されて照明装置21に戻る。このとき、大部分の光エネルギは、PBS22をなすプリズムのうち、照明装置21側に存在するため、投射レンズ側のプリズムと温度差が発生するようになる。この温度差によって発生した複屈折により投射レンズへ向かって投射される光が発生する。
【0047】
図5の結果から、光弾性係数の低いSF6が光弾性係数の高いSF2よりも、時間が経過するに従って、明るさの均一性が悪くなるということがわかる。また、光弾性係数の顕著に低いSF57もやはり時間が経過するに従って、明るさの均一度が悪くなっていることがわかる。
【0048】
反面、SF57 Improved internal transmittanceは、安定した性質であることを示している。この材質は、小さな光弾性係数と可視光の短波長領域で良好な透過率を有していることがわかる。
【0049】
図3に示されているとおり、 鉛ガラスによる光エネルギの吸収は、大部分、短波長領域で発生される。従って、本発明の色を分離又は合成するPBSがブルー(Blue)を反射して色を分離する過程で光エネルギ分布差によるストレスが発生するようになり、図5の結果からわかるように、光弾性係数が充分に小さく、透過率の良いガラスでは、より小さなストレスが発生され、また、小さな光弾性係数によって発生される複屈折は、充分に無視されることができるのである。
【0050】
そして、図5の結果から、589.3nm波長での光弾性係数が0.03×10−6nm2/N以下、420nm波長の25mm透過率が90%以上ならば、PBSが充分に安定した性質を有することができる、ということがわかる。
【0051】
従って、本発明では1つのPBSが色分離/合成、アナライザ(Analyzer)の機能を複合的に遂行することによって、光要素の数を縮小しただけでなく、PBSの基本物質(Base material)を589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6mm2/N以下であり、0.42μm〜0.70μmの波長で25mm厚さの最低透過率が90%以上である材質を使用することによって、その安全性を確保した。
【0052】
このように、本発明は、反射型LCDをSLMとする投射表示装置で安定した性能を保障しながら、既存のX−プリズムを利用して色を分離合成する方式に比べて、光学要素の数を縮小することで、投射表示装置をコンパクトにし、安定した明るさの均一性を確保するようになるのである。
【0053】
以上、本発明の望ましい実施形態を説明したが、本発明は多様な変化と変更及び均等物を使用することができる。本発明は、上記実施形態を適切に変形して同一に応用できることが明確である。従って、上記記載内容は、特許請求の範囲の限界によって決まる本発明の範囲を限定するものではない。
【0054】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明による反射型LCDを利用する投射表示装置は、反射型LCDをSLMとする投射表示装置で安定した性能を保障しつつ、既存のX−プリズムを利用して色を分離合成する方式に比べ、光学要素の数を縮小することによって、投射表示装置をコンパクトにし、安定した明るさの均一性を確保することができる、という効果を奏する。
【0055】
また、本発明は、PBSをもって色分離/合成、アナライザの機能を同時に遂行することで、従来技術に比べて少ない数の光学要素で投射表示装置を構成できるようにした。このような構成的効果は、投射表示装置の大きさを小さくし、価格を下げることができる、という効果も奏する。
【0056】
さらに、本発明は、PBSの材質を589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6nm2/N以下であり、0.42μm〜0.70μmの波長で25mmの厚さの最低透過率を90%以上とすることによって、安定した明るさの均一性(Brightness Uniformity)を確保したという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投射表示装置の例示図である。
【図2】本発明による反射型LCDを利用する投射表示装置の例示図である。
【図3】従来技術と本発明によるPBSの材質特性を比較したグラフである。
【図4】本発明に対して光吸収によって発生される複屈折の影響を測定するための装置の例示図である。
【図5】図4による従来技術と本発明のPBSの明るさの均一性を比較した図面である。
【符号の説明】
11 照明装置を構成するランプ
15G,15B,15R 反射型LCD
16 投射系
GR,RR リターダスタック
P1〜P4 色分離/合成系を構成する偏光ビームスプリッタ
PL 照明装置を構成する偏光板
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型LCD(Liquid Crystal Display)を利用する投射表示装置に関する。本発明は、特に、反射型LCDをSLM(Spatial Light modulator)にする投射表示装置で安定した性能を保障しつつ、既存のX−プリズム(prism)を利用して色を分離/合成する方式に比べ、光学要素の数を減少されることによって投射表示装置のコンパクト(Compact)化を達成した、反射型LCDを利用する投射表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、ディスプレイが大型化されるに伴って、プロジェクション技術を利用したデータプロジェクタ、プロジェクション・テレビ、プロジェクションモニタなどの開発が加速化している。近来には各画素に反射電極を設置して画素の開口率を向上させて使用する反射型液晶パネルが投射表示装置に適用されている。この反射型液晶パネルは、従来の透過型液晶パネルと比較して開口率を高くできるため、高効率の投射表示装置の実現が容易である。
【0003】
また、一般的に、透過型LCDを使用する投射表示装置がポーラライザ(Polarizer)機能のPBS(Polarizing Beam Splitter)とアナライザ(Analyzer)機能のPBSが使用されることとは異なり、反射型LCDを使用する投射表示装置では1つのPBSが2機能を担当するため、画面を明るくし、システムを小さくしようという要求を満足させるのに適している、という利点がある。
【0004】
しかし、反射型LCDを適用するにあたって1つの光部品が2機能を担当するため、この部品の性能が全体のシステムの性能に及ぼす比重が相当に高まる。特に、この部品の熱的な安全性が問題になるが、これは透過型光モジュレータを利用する方式より約2倍の光エネルギがこの光部品を通過するためである。このような問題を解決するためにエネルギを分散させるとともに、この光部品の熱的安全性に優れた材質を利用する方法が用いられてきた。
【0005】
光エネルギを分散させる方法としては、1個モジュレータとカラーホイール(Color Wheel)を利用する方法が用いられてきた。しかし、このような方法は、ある瞬間にR,G,B3原色の1つのみが出力されるために原理的な光損失が約70%に達する。また、照明光が光モジュレータに入射される前に2色性ミラー(Dichroic Mirror)を利用して光をR,G,Bの3原色に各々分離し、これを3個のポーラライザとアナライザの機能を同時に担当する光部品と3個の反射型光モジュレータに作用させる方法がある。このような方法は、充分に光効率を高めることができるが、システムの大きさが大きくなる、という問題がある。
【0006】
従って、光エネルギを分散して利用するのを最小化してシステムの大きさを小さくしつつ、3個の反射型光モジュレータを利用して光効率を高めるとともに、充分な熱的安全性を有する材質を利用して投射表示装置を構成することが必要になった。
【0007】
従来の技術で代表的なものは、米国特許第5,808,795号の技術である。
【0008】
この技術では、X形態の平板2色性フィルタを利用して3原色に各々分離し、この分離された光を3個のPBS群に入射させて偏光化した後、3個の反射型LCDによって光をモジュレーティングする。モジュレーションされた光は、X−プリズムを利用して合成された次のプロジェクションレンズを介してスクリーンに投射される。このとき、外部又は熱的ストレスによる画面の異常現状を除去するためにこのシステムのPBSは、1.5×10−6mm2/N以下の光弾性率を有する材質からなる。
【0009】
図1は、こうした従来の投射表示装置の例示図である。その動作は次のとおりである。
【0010】
光源100から出射した白色光が平板2色性ミラー11によってR,G,Bの各成分に分けられる。以後は、R,G,Bの各成分に作用する光部品が類似しているので、G成分についてのみ、説明する。
【0011】
G成分は、参照番号12Gのミラーによってプレポーラライジング(Pre−Polarizing)を担当する参照番号15GのPBSに入射する。PBS15Gによってプレポーラライジング(Polarizing)された成分は、参照番号14GのPBSによって再びポーラライジングされつつ、参照番号13Gの反射型LCDに向かうようになる。
【0012】
反射型LCD13Gによってモジュレーション(Modulating)されたG成分は、再び、PBS14Gによってアナライジング(Analyzing)された後、参照番号17のX−プリズム(Prism)へ向かう。ここで、PBSは1.5×10−8cm2/N以下の光弾性率を有する材質からなる。
【0013】
そして、X−プリズム17によってR,G,B成分が合成されて作られたイメージは、参照番号18であるプロジェクションレンズを介し、参照番号200のスクリーンに投射される。
【0014】
この装置でPBSに入射された光エネルギのうち、PBSに吸収されたエネルギは、PBSに熱的ストレスとして作用する。このストレスがPBSの性能に及ぼす影響の程度を判断することができるOptical Path Difference ΔRは、次の数式1のとおりである。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、λは、光の波長で、Δnは、熱的ストレスによって発生された複屈折量であり、Lは、光が通過した厚み、Cは材質の光弾性率であり、Δσは、光軸と垂直した2つのプリンシパルストレス(Principal Stress)の差である。
【0017】
従って、このような従来の装置では、PBSの材質は、1.5×10−8cm2/N以下の光弾性率を有する材質に限定することによって、システムの安全性と画面の均質性(eveness)とを確保しようとした。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の技術では、X−形態の2色性ミラー(dichroic mirror)を利用して色分離をした後、ポーラライジング(Polarizing)とアナライジング(Analyzing)の目的で3原色のある光成分をPBSに作用させるのであるが、PBSの材質を3原色の重要波長で光弾性率が低い材質を使用するようになる。即ち、1つのPBSに作用する光エネルギが本発明に係るものより従来の技術がより小さい。
【0019】
しかしながら、従来の技術は、3原色の各々に対して光学要素が必要とするために、光学要素の数が多くなる。これは、価格を高くし、大きさを増加させる問題を発生させる。
【0020】
また、従来の技術では、単純にPb0の含有量を介してガラスの光弾性率が調節されたガラスをPBSのベース(Base)材質に使用するのであるが、こうしたガラスは、可視光領域の短波長でその透過率が相当によくなくなる短所があった。PBSに作用する光エネルギが増加する場合、PBSに吸収される光エネルギも同時に増加する。そのため、ストレスが増加し、光弾性率が小さくても安定した明るさの均一性が確保できない可能性もある。
【0021】
このように従来の装置は、光学要素の数が多く、安定した明るさの均一性を確保することができない、という問題があった。
【0022】
本発明は、上記のような従来技術の諸般の問題点を解消するために提案されたもので、その目的は、反射型LCDをSLM(Spatial Light modulator)とする投射表示装置で安定した性能を保障しつつ、既存のX−プリズムを利用して色を分離合成する方式に比べ、光学要素の数を少なくすることによって投射表示装置をコンパクトにし、安定した明るさの均一性を確保することができる反射型LCDを利用する投射表示装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、反射型LCDを利用する投射表示装置において、ランプとS波又はP波のうち1つの偏光を照明する偏光素子とを具備した照明装置と、入力されたイメージ信号に対応するイメージを提供し、入射された光の反射時における光の偏光状態を変更させる前記反射型LCDと、入射された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにするリターダスタックと、入射された光の色分離、色合成及びアナライザ機能を遂行して、589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6mm2/N以下にし、0.42μm〜0.70μmの波長で25mmの厚さの最低透過率が90%以上である材質を有する偏光ビームスプリッタを含む色分離/合成系と、前記色分離/合成系を通過したイメージをスクリーンに投射する投射系とを含んで構成されたことを特徴とする。
【0024】
また、前記色分離/合成系は、前記照明装置で入射された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第1リターダスタックと、前記第1リターダスタックを通過した光を色分離して透過させたり反射する第1偏光ビームスプリッタと、前記第1偏光ビームスプリッタを透過した光を第1反射型LCDに送り、反射されてきた光をアナライジングする第2偏光ビームスプリッタと、前記第1偏光ビームスプリッタで反射されてきた光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第2リターダスタックと、前記第2リターダスタックを通過した光を色分離して第2,第3反射型LCDに送り、反射されてきた光を色合成及びアナライジングする第3偏光ビームスプリッタと、前記第3偏光ビームスプリッタで色合成された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第3リターダスタックと、前記第3リターダスタックを通過した光と前記第2偏光ビームスプリッタでアナライジングされてきた光を色合成する第4偏光ビームスプリッタと、前記第4偏光ビームスプリッタで色合成された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる第4リターダスタックとを含んで構成されたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の上述した目的と様々な長所は、この技術分野における当業者により、添付された図面を参照して後述される本発明の望ましい実施形態から、より一層明確にされるはずである。
【0026】
以下、本発明に係る一実施形態である、反射型LCDを利用する投射表示装置を、図面を参照して説明すれば次のとおりである。
【0027】
図2は、本発明による反射型LCDを利用する投射表示装置の例示図である。
【0028】
これに図示されたように、ランプ11と偏光板PLを具備してS波又はP波のうち、ひとつの偏光を照明する照明装置と、入力された光成分に対応するイメージを提供して入射された光の反射時に光の偏光状態を変更させる反射型LCD15G,15B,15Rと、入射された光の色によって偏光状態を異なるようにするリターダスタックGR,RRと、前記照明装置で照明された光の色を分離して前記反射型LCD15G,15B,15Rへ向かうようにし、前記反射型LCD15G,15B,15Rで反射された光の色合成とアナライザ機能を同時に遂行し、589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6mm2/N以下にし、0.42μm〜0.70μmの波長で最低25mm厚さの透過率が90%以上とする材質を有する偏光ビームスプリッタP1〜P4と、上記偏光ビームスプリッタP1〜P4を通過したイメージをスクリーンに投射する投射系16を含んで構成される。
【0029】
上記偏光ビームスプリッタの第1、第2、第4偏光ビームスプリッタP1,P2,P4で、前記グリーンリターダスタック(Green Retarder stack, GR)によってS波からP波に変換されたグリーン(Green)光は、第1偏光ビームスプリッタP1を透過した後、第2偏光ビームスプリッタP2に入射されて透過した後、前記反射型LCD15Gに入射されるようにし、前記反射型LCD15Gは、イメージ(image)信号に対応する偏光状態で入射光を変調して反射させ、前記第2偏光ビームスプリッタP2によって変調された反射光から、P波は透過されて前記反射型LCD15Gに入射された経路に沿って戻るようにし、反射されたS波は、前記第4偏光ビームスプリッタP4に入射されるようにし、前記第1偏光ビームスプリッタP1によって反射されたS波のマゼンタ(Magenta)光は、レッドリターダスタック(Red Retarder stack, RR)に向かうようにする。
【0030】
前記偏光ビームスプリッタの第1,第3,第4偏光ビームスプリッタP1,P3,P4で、前記第1偏光ビームスプリッタP1によって反射されたS波であるマゼンタ(Magenta)光は、レッドリターダスタックRRに向けるようにし、前記レッドリターダスタックRRによってマゼンタ(Magenta)光のレッド(Red)成分は、偏光が90度回転されて、S波からP波に変換され、ブルー(Blue)成分は、その偏光成分を入射された状態と同一に維持する。前記レッドリターダスタックRRを透過した光は、再び前記第3偏光ビームスプリッタP3によってP波のレッド(Red)光は透過され、前記反射型LCD15Rに入射され、イメージ信号によって偏光状態が変調されて反射されるようにし、前記反射型LCD15Rによって反射されたレッド(Red)光のS成分は、前記第3偏光ビームスプリッタP3によって反射された後、異なるレッドリターダスタックRRによってP波に変化され、前記第4偏光ビームスプリッタP4に向かうようにし、レッド光のP成分は、前記第3偏光ビームスプリッタP3を透過して入射された経路に沿って戻るようにする。
【0031】
前記第3偏光ビームスプリッタP3によってレッド(Red)成分と分離されたS波のブルー(Blue)光は、前記第3偏光ビームスプリッタP3によって前記反射型LCD15Bへ向かい、イメージ信号に従って反射型LCD15Bによってその偏光状態が変調されて反射されるようにしている。反射されたP波であるブルー(Blue)光は、前記第3偏光ビームスプリッタP3と前記第4偏光ビームスプリッタP4間のレッドリターダスタックRRによって偏光変換されることなく、第4偏光ビームスプリッタP4に入射されるようにし、S波のブルー(Blue)光は、前記第3偏光ビームスプリッタP3によって反射されて入射された経路に沿って戻るようにする。
【0032】
前記偏光ビームスプリッタの第4偏光ビームスプリッタP4で、前記第4偏光ビームスプリッタP4に入射されたS波のグリーン(Green)光は、第4偏光ビームスプリッタP4で反射され、P波のレッド(Red)とブルー(Blue)光は、第4偏光ビームスプリッタP4を透過することで、カラーイメージ(Color Image)として合成されるようにし、カラーイメージを含んだ光のグリーン(Green)成分は、グリーンリターダスタック(Green Retarder stack, GR)によって偏光が90度、回転されてP波になり、他の成分は、P波の状態を維持するようにして、あらゆる成分がP波になり、前記投射系16の投射レンズによってスクリーンに投射されるようになる。
【0033】
従来の技術では、X−形態2色性ミラー(dichroic mirror)を利用して色分離した後、ポーラライジング(Polarizing)とアナライジング(Analyzing)の目的で3原色のある光成分をPBSに作用させる。即ち、1つのPBSに作用する光エネルギが本発明に伴うものより従来の技術がより小さくすることができる。しかし、従来の技術は、3原色の各々に対して光学要素が必要となるため、その使用光学要素の数が多く、これは価格を高くさせ、大きさを増加させる要因になる。
【0034】
さらに、従来技術では、PbOの含有量を介してガラスの光弾性率が調節されたガラスをPBSのベース(Base)材質として用いているが、このようなガラスは、可視光領域の短波長でその透過率が相当によくなくなる。
【0035】
図3は、従来技術と本発明によるPBSの材質特性を比較したグラフである。
【0036】
そこで、図3のGlass1は、60モル%のPbO、40モル%のSiO2で作られ、Glass2乃至Glass4のガラスは、40モル%のSiO2以外にGlass2にはPbO+0.2モル% As2O3、Glass3には、PbO2+0.2モル%As2O3、Glass4には、PbO+0.2モル%Sb2O3が添加された。
【0037】
ガラスのPbO含有量が高ければ、[PbO4]4面体の形成が増加され、網目構造の形成体として作用するために、PbOの濃度によってPB2+/Pb4+の平衡状態が形成される。ところで、Pb4+によって、PbO2が形成され、ガラスの透過率を落とすのである。Glass2のように、As2O3は、鉛ガラスの透過率を高めるのであるが、これはAs2O3が酸素を吸収してAs2O5に変化するためである。
【0038】
反面、Glass4のように、アンチモン酸化物は、ガラスの透過率を落とすのであるが、これはアンチモン鉛が形成されるためである。このような現状は、ガラスを着色させることによってプロジェクションされるイメージの色に影響を与えるだけでなく、光の吸収によるプリズムの熱吸収が光軸と垂直な2つのプリンシパルストレス(Principal Stress)の差Δσを増加させる要因になる。反面、SF2にように、光の透過率が良好なガラスは、小さなストレスにも相当な複屈折が現れるようになる。しかしながら、従来技術によるガラスは、鉛ガラスに[As2O3+Sb2O3]が添加されることによって鉛ガラスの透過率が改善されたとするのは困難で、本発明のように、多くの光エネルギがPBSに作用する場合、画質の安全性が保障されない。
【0039】
また、既に透過率が改善された鉛ガラスが商用に存在するが、ショット社のSF57 improved internal transmittanceやオハラ社のPBH55のようなものが挙げられる。SF57 improved internal transmittanceの589.3nm波長での光弾性係数は、0.02×10−6mm2/Nであり、オハラ社のPBH55の589.3nm波長での光弾性係数は、0.03×10−6mm2/Nである。本発明ではこのような材質を利用したPBSが使われた。
【0040】
図4は、本発明に対して光吸収によって発生される複屈折の影響を測定するための装置の例示図である。
【0041】
この装置のスクリーンで中心部と周縁部位に投射された光がフォトメータ(Photometer)によって明るさが測定され、時間によって明るさの均一性がどのように変化するのか測定された。
【0042】
次の表1は、このとき、使われたPBS試料の基本物質(Base Material)等の性質である。
【0043】
【表1】
【0044】
図5は、図4の測定装置に表1の試料をPBSに使用した場合、従来技術と本発明のPBSの明るさの均一性を測定して比較した図面である。
【0045】
ここで、参照番号21は、UHP100Wランプを利用した照明装置でf/3、420〜700nm波長領域、rectangular shape、S波である光を照射した。22は、試料PBSであり、23はミラー、24はf/3に投射する投射レンズ、25はスクリーンである。
【0046】
それで、照明装置21から出射された光は、S波でPBS22によって反射され、ミラー23で入射した後、反射される。反射された光は、再び、PBS22によって反射されて照明装置21に戻る。このとき、大部分の光エネルギは、PBS22をなすプリズムのうち、照明装置21側に存在するため、投射レンズ側のプリズムと温度差が発生するようになる。この温度差によって発生した複屈折により投射レンズへ向かって投射される光が発生する。
【0047】
図5の結果から、光弾性係数の低いSF6が光弾性係数の高いSF2よりも、時間が経過するに従って、明るさの均一性が悪くなるということがわかる。また、光弾性係数の顕著に低いSF57もやはり時間が経過するに従って、明るさの均一度が悪くなっていることがわかる。
【0048】
反面、SF57 Improved internal transmittanceは、安定した性質であることを示している。この材質は、小さな光弾性係数と可視光の短波長領域で良好な透過率を有していることがわかる。
【0049】
図3に示されているとおり、 鉛ガラスによる光エネルギの吸収は、大部分、短波長領域で発生される。従って、本発明の色を分離又は合成するPBSがブルー(Blue)を反射して色を分離する過程で光エネルギ分布差によるストレスが発生するようになり、図5の結果からわかるように、光弾性係数が充分に小さく、透過率の良いガラスでは、より小さなストレスが発生され、また、小さな光弾性係数によって発生される複屈折は、充分に無視されることができるのである。
【0050】
そして、図5の結果から、589.3nm波長での光弾性係数が0.03×10−6nm2/N以下、420nm波長の25mm透過率が90%以上ならば、PBSが充分に安定した性質を有することができる、ということがわかる。
【0051】
従って、本発明では1つのPBSが色分離/合成、アナライザ(Analyzer)の機能を複合的に遂行することによって、光要素の数を縮小しただけでなく、PBSの基本物質(Base material)を589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6mm2/N以下であり、0.42μm〜0.70μmの波長で25mm厚さの最低透過率が90%以上である材質を使用することによって、その安全性を確保した。
【0052】
このように、本発明は、反射型LCDをSLMとする投射表示装置で安定した性能を保障しながら、既存のX−プリズムを利用して色を分離合成する方式に比べて、光学要素の数を縮小することで、投射表示装置をコンパクトにし、安定した明るさの均一性を確保するようになるのである。
【0053】
以上、本発明の望ましい実施形態を説明したが、本発明は多様な変化と変更及び均等物を使用することができる。本発明は、上記実施形態を適切に変形して同一に応用できることが明確である。従って、上記記載内容は、特許請求の範囲の限界によって決まる本発明の範囲を限定するものではない。
【0054】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明による反射型LCDを利用する投射表示装置は、反射型LCDをSLMとする投射表示装置で安定した性能を保障しつつ、既存のX−プリズムを利用して色を分離合成する方式に比べ、光学要素の数を縮小することによって、投射表示装置をコンパクトにし、安定した明るさの均一性を確保することができる、という効果を奏する。
【0055】
また、本発明は、PBSをもって色分離/合成、アナライザの機能を同時に遂行することで、従来技術に比べて少ない数の光学要素で投射表示装置を構成できるようにした。このような構成的効果は、投射表示装置の大きさを小さくし、価格を下げることができる、という効果も奏する。
【0056】
さらに、本発明は、PBSの材質を589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6nm2/N以下であり、0.42μm〜0.70μmの波長で25mmの厚さの最低透過率を90%以上とすることによって、安定した明るさの均一性(Brightness Uniformity)を確保したという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投射表示装置の例示図である。
【図2】本発明による反射型LCDを利用する投射表示装置の例示図である。
【図3】従来技術と本発明によるPBSの材質特性を比較したグラフである。
【図4】本発明に対して光吸収によって発生される複屈折の影響を測定するための装置の例示図である。
【図5】図4による従来技術と本発明のPBSの明るさの均一性を比較した図面である。
【符号の説明】
11 照明装置を構成するランプ
15G,15B,15R 反射型LCD
16 投射系
GR,RR リターダスタック
P1〜P4 色分離/合成系を構成する偏光ビームスプリッタ
PL 照明装置を構成する偏光板
Claims (1)
- 反射型LCDを利用する投射表示装置において、
ランプとS波又はP波のうち1つの偏光を照明する偏光素子とを具備した照明装置と、
入力されたイメージ信号に対応するイメージを提供し、入射された光の反射時における光の偏光状態を変更させる前記反射型LCDと、入射された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにするリターダスタックと、入射された光の色分離、色合成及びアナライザ機能を遂行して、589.3nm波長での光弾性係数を0.03×10−6mm2/N以下にし、0.42μm〜0.70μmの波長で25mmの厚さの最低透過率が90%以上である材質を有する偏光ビームスプリッタを含む色分離/合成系と、
前記色分離/合成系を通過したイメージをスクリーンに投射する投射系と、
を含んで構成され、
前記色分離/合成系は、
前記照明装置で入射された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる同時に特定の色の以外の光もともに通過させる第1リターダスタックと、
前記第1リターダスタックを通過した光を色分離して透過させたり反射する第1偏光ビームスプリッタと、
前記第1偏光ビームスプリッタを透過した光を第1反射型LCDに送り、反射されてきた光をアナライジングする第2偏光ビームスプリッタと、
前記第1偏光ビームスプリッタで反射されてきた光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる同時に特定の色の以外の光もともに通過させる第2リターダスタックと、
前記第2リターダスタックを通過した光を色分離して第2,第3反射型LCDに送り、反射されてきた光を色合成及びアナライジングする第3偏光ビームスプリッタと、
前記第3偏光ビームスプリッタで色合成された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる同時に特定の色の以外の光もともに通過させる第3リターダスタックと、
前記第3リターダスタックを通過した光と前記第2偏光ビームスプリッタでアナライジングされてきた光を色合成する第4偏光ビームスプリッタと、
前記第4偏光ビームスプリッタで色合成された光のうち、特定の色の偏光状態を異なるようにして通過させる同時に特定の色の以外の光もともに通過させる第4リターダスタックと、
を含んで構成されたことを特徴とする、反射型LCDを利用する投射表示装置。
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