JP3553904B2 - 超臨界乾燥方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置形成のために用いる微細パターンを形成するとき用いる超臨界乾燥方法に関し、特に微細パターンをリソグラフィ技術で形成するときに用いる超臨界乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIを始めとする大規模・高性能デバイスを作製するためには、微細なパターンを形成する必要がある。微細なパターンの形成技術には、まずレジストパターンなどのように、露光,現像,リンス処理を経るリソグラフィ技術がある。このリソグラフィ技術により形成されるレジストパターンは、光,X線,電子線などに感光する高分子材料から構成されている。また、エッチング,水洗,リンス処理を経るエッチング技術がある。
【0003】
しかしながら、上述したパターン形成技術により極微細なパターンを形成するときに、パターンが倒れる現象が生じ、所期の目的を満足するパターンが形成できないという問題が生じていた。このパターンが倒れる現象について説明すると、図4(a)に示すように、基板401上に形成されたレジストパターン402をリンス液403に浸漬した後、リンス液を除去する段階で、図4(b)に示すように、微細な間隔で隣り合うレジストパターン402の間にリンス液403aが残存する。このような状態になると、リンス液403aの毛細管力410がパターン402に働き、リンス液403aが全て乾燥除去された後、図4(c)に示すように、パターン402が倒れてしまう。
【0004】
毛細管力410は、微細な間隔で配置された複数の微細なパターン間に残存したリンス液403a内の圧力と大気圧との差で生じるものであり、リンス液403aの表面張力に関係する。したがって、リンス液の表面張力が大きいほど、毛細管力は大きくなりパターンは倒れやすくなる。この毛細管力によるパターン倒れを解決するためには、表面張力の小さなリンス液を用いてリンス処理を行うようにすればよい。
【0005】
表面張力は、液体と気体の界面が形成された状態で発生する。したがって、液体と気体との界面を形成せずにリンス処理が行えるようになれば、パターン倒れを抑制することが可能となる。この液体と気体との界面を形成せずにリンス処理を行う方法として、超臨界流体を用いる方法がある。この方法では、リンス液に浸漬した後、リンス液を超臨界流体に置換し、パターンに接触しているものが超臨界流体だけとなった状態で、超臨界流体を気化させる。
【0006】
超臨界流体は、気体の拡散性と液体の溶解性(高密度性)とを兼ね備えたものであり、平衡線を介さずに気体へ状態変化できる。このため、上述したように、超臨界状態で満たされた状態から乾燥を行えば、乾燥において表面張力が発生する液体/気体界面が形成されず、表面張力が発生しない状態で乾燥することができる。この結果、超臨界流体を用いた乾燥(リンス処理)では、パターン倒れを抑制することが可能となる。
【0007】
一般的に用いられる超臨界流体としては、超臨界点となる臨界点が低く、不燃性であるなど安全な二酸化炭素がある。二酸化炭素を超臨界状態として用いた乾燥プロセスは、まず、図5(a)に示すように、基板501上に形成されたレジストパターン502をリンス液503に浸漬した後、これらを室温以下の温度の状態としてリンス液503を、液化二酸化炭素に置換し、図5(b)に示すように、レジストパターン502が液化二酸化炭素504に浸漬した状態とする。基板501およびレジストパターン502雰囲気の圧力を6MPa程度とすれば、二酸化炭素が液化した状態を保てる。
【0008】
レジストパターン502周囲が液化二酸化炭素504となったら、基板501およびレジストパターン502の雰囲気の圧力を7.38MPa程度とし、また温度を31.1℃以上とすることで、液化二酸化炭素504を超臨界状態とし、レジストパターン502が超臨界二酸化炭素に浸漬した状態とする。この後、上記温度を保持したまま、基板501およびレジストパターン502雰囲気の圧力を徐々に低下させれば、周囲の超臨界二酸化炭素が徐々に気化し、周囲の超臨界二酸化炭素が全て気化すれば、図5(c)に示すように、レジストパターン502の乾燥が終了する。この乾燥過程において、周囲の圧力を低下させても、超臨界二酸化炭素は液化することがないので、前述した表面張力によるパターン倒れは発生しない。
【0009】
この超臨界乾燥方法では、リンス液を液化二酸化炭素に置換するようにしているため、リンス液には液化二酸化炭素に溶解しやすいアルコールなどを用いるようにしている。また、超臨界乾燥を行う装置は、上述した高圧状態に十分耐えられ、かつ処理容器の温度を超臨界温度にまで加熱できる構成となっている。このような超臨界乾燥装置は、例えば、図6に示すように、高圧に耐えられる処理容器601と、処理容器601の温度を調節する温度調節器602を備えている。処理容器601内には、処理対象の基板を載置する基板台603が備えられている。
【0010】
また、処理容器601は、液化二酸化炭素などを導入する導入口604と、内部の流体を排出する排出口605とを備えている。導入口604には、バルブ606を介して圧送装置607が連通し、ボンベ608内の液化二酸化炭素を処理容器601内に圧送可能としている。また、排出口605には、圧力制御バルブ609が連通している。圧力制御バルブ609を閉じた状態で、圧送装置607より液化二酸化炭素を処理容器601内に圧送して処理容器601内の圧力を7.5MPaとし、温度調節器602により処理容器601の温度を調節し、処理容器601内の温度を臨界点以上とすれば、処理容器601内が超臨界二酸化炭素で充填された状態となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の超臨界乾燥方法では、レジストパターンに含浸したリンス液が除去しにくく、含浸したリンス液の除去のために長い乾燥時間を必要としていた。乾燥不十分でレジストパターンにリンス液が含浸したままで乾燥を終了すると、微細なレジストパターンが倒れる場合があった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より短時間でパターン内部に残留したリンス液を除去することで、より迅速に超臨界乾燥が行えるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の超臨界乾燥方法は、基板上に形成された所定のパターンを有するパターン層をリンス液に晒す第1の工程と、パターン層にリンス液が付着している状態で、基板を容器内に配置し、この容器内に大気雰囲気では気体である物質の液体を導入し、パターン層が物質の液体に晒された状態とする第2の工程と、パターン層が物質の液体に晒された状態でパターン層に付着しているリンス液を除去する第3の工程と、容器内に導入された物質の液体を超臨界状態の超臨界流体とし、パターン層が超臨界流体に晒された状態とする第4の工程と、容器内の超臨界流体を容器外へ排出することで容器内部の圧力を低下させ、超臨界流体を気化させてパターン層が気体に晒された状態とする第5の工程とを備え、第3の工程で、基板を容器の温度より高温にするようにしたものである。
この発明によれば、第3の工程において、基板近傍の液体となっている物質の温度が、基板より離れたところより高くなる。
【0014】
上記発明において、第3の工程で、容器の温度は、物質の臨界点未満とし、基板の温度は物質が亜臨界状態となる温度とする。また、第3の工程で、容器の温度は、物質の臨界点未満とし、基板の温度は、物質の臨界点以上の温度としてパターン層から周囲への流体の流れを大きくするようにしてもよい。また、第4の工程で、基板の温度は、物質の臨界点以上の温度とする。
【0015】
本発明の他の形態における超臨界乾燥方法は、基板上に形成された所定のパターンを有するパターン層をリンス液に晒す第1の工程と、パターン層にリンス液が付着している状態で、基板を容器内に配置し、この容器内に大気雰囲気では気体である物質の液体を導入し、パターン層が物質の液体に晒された状態とする第2の工程と、パターン層が物質の液体に晒された状態でパターン層に付着しているリンス液を除去する第3の工程と、基板の温度を物質の臨界点以上の温度とすることで容器内に導入された物質の液体を超臨界状態の超臨界流体とし、パターン層が超臨界流体に晒された状態とする第4の工程と、容器内の超臨界流体を容器外へ排出することで容器内部の圧力を低下させ、超臨界流体を気化させてパターン層が気体に晒された状態とする第5の工程とを備え、第4の工程で、基板を容器内の温度より高温にするものである。
この発明によれば、第4の工程において、基板近傍の物質の温度が、基板より離れたところより高くなり、基板近傍と基板より離れたところとの間で物質の流れが発生する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
リンス処理後の乾燥におけるパターン倒れの主たる原因は、隣り合うパターン間に残存するリンス液による毛細管力の存在にある。これは、超臨界流体を用いた超臨界乾燥により解決できる。ところが、パターンがレジストなどの高分子材料で構成されている場合、リンス処理においてリンス液がパターン内に含浸していくため、これを原因としたパターンの変形によるパターン倒れが発生する。この現象は、特に、解像限界付近で形成されたレジストパターンで生じるもので、幅が10nm以下のパターン形成ではよく見られるものである。
【0017】
しかしながら、超臨界乾燥に用いる二酸化炭素は、極性を持たず、高分子材料からなるパターンに含浸しにくいため、液化二酸化炭素では、パターン内部に含浸しているリンス液を置換しにくい。したがって、超臨界乾燥を単純に用いても、上述したパターン内部に残存したリンス液によるパターン変形およびパターン倒れの問題を解消することができない。
【0018】
ここで、本実施の形態では、パターン周囲のリンス液を液化二酸化炭素に置換した後、パターンが形成されている基板を加熱することで、液化二酸化炭素が充填されている容器内部の温度以上にパターンを加熱し、パターン内部に残存しているリンス液を迅速に外部に放出させるようにした。
【0019】
まず、図1(a)に示すように、現像液102による現像処理により、例えばポジ型のフォトレジストなど高分子材料から構成されたパターン101aを基板101上に形成した後、図1(b)に示すように、基板101をリンス液103に浸漬することでパターン101aをリンス液に晒して現像を停止する(リンス処理)。この後、基板101をリンス液103中より取り出し、所定の処理容器(図示せず)内に配置し、処理容器内に液化二酸化炭素を導入して充填し、図1(c)に示すように、基板101が液化二酸化炭素104に浸漬した状態とし、パターン101aを液化二酸化炭素104に晒す。この作業は、パターン101aがリンス液で濡れた状態が維持できる時間内に終了させる。
【0020】
次いで、基板101を上記処理容器内温度より高くなるように加熱し、図1(c′)に示すように、パターン101a内に含浸している残存リンス液103aを迅速に放出させる。液化二酸化炭素104が充填されている処理容器内の温度は、二酸化炭素を液体の状態の保持するためなどにより、23℃程度の常温付近に制御している。これに対し、残存リンス液103aの放出のための基板加熱温度は、例えば30℃程度とすればよい。
【0021】
この後、処理容器内の温度を臨界点の31.1℃程度とし、また、処理容器内の圧力を7.5MPa程度とすることで、液化二酸化炭素を超臨界状態としてパターン101が超臨界二酸化炭素に晒された状態とし、パターン101に接触している物質が超臨界二酸化炭素のみの状態とする。次いで、処理容器内の圧力を徐々に低下させ、超臨界二酸化炭素を気化させることで、図1(d)に示すように、パターン倒れのない状態のパターン101aが基板101上に形成された状態とする。
【0022】
ここで、前述したパターン内部にリンス液が残存した場合の問題について考察する。例えば、極性を有するリンス液103は、図2(a)に示すように、高分子材料からなるパターン101aに含浸する。この結果、パターン101aは、含浸したリンス液103aにより膨潤し、図2(b)に示すように、体積増加したパターン101bとなる。パターン幅が細い場合、被膨潤領域101cは狭くなり、体積増加した膨潤領域101dから生じる応力に耐えきれず、変形してついには図2(c)に示すように、パターン101bは倒れてしまう。リンス液103を液化二酸化炭素103に置換して超臨界乾燥を行っても、パターン101b内部に膨潤を引き起こしたリンス液103aが無くならないと応力はなくならず、この結果、図2(c)に示すようにパターン倒れは発生してしまう。
【0023】
つぎに、前述した図1(c′)の段階で行った基板の加熱についてより詳細に説明する。まず、上述したように液化二酸化炭素でリンス液を置換する段階で基板の加熱を行い、パターン近傍の液化二酸化炭素を亜臨界状態とすることで、含浸しているリンス液を放出させる方法について説明する。上述したように、液化二酸化炭素に浸漬している基板およびパターンを加熱し、温度を30℃程度とすると、パターン周囲の二酸化炭素は亜臨界状態となる。
【0024】
二酸化炭素では、超臨界状態となり得る圧力下で30℃程度と臨界点温度(31.1℃)より1〜2度低い温度とすると、完全には超臨界状態となっていない亜臨界状態となる。亜臨界状態は、液化二酸化炭素よりは密度が低く、超臨界状態より密度の高い状態である。亜臨界状態となった二酸化炭素は、パターン内部に含浸しやすくなり、二酸化炭素がパターン内部に含浸するようになれば、パターン内部に含浸しているリンス液を二酸化炭素で置換し、より迅速に残留リンス液をパターン外部に放出させることが可能となる。この結果、液化二酸化炭素を超臨界状態とし、これを気化させる段階におけるパターン内部における残存リンス液を減少させることができる。
【0025】
また、液化二酸化炭素でリンス液を置換する段階で、二酸化炭素の臨界点以上の温度に加熱を行うことで、パターンに含浸しているリンス液を放出させることができる。この場合、基板近傍と基板から離れたところとの温度差が大きくなり、基板近傍、すなわちパターン近傍から周囲への流体の流れが大きくなり、パターン内部に残存するリンス液の放出が促進されるようになる。この結果、本方法においても、液化二酸化炭素を超臨界状態とし、これを気化させる段階におけるパターン内部における残存リンス液を減少させることができる。
【0026】
上記2つの方法では、基板より離れたところの二酸化炭素は液体の状態であるが、加熱している基板近傍の二酸化炭素は亜臨界もしくは超臨界の状態となっている。このため、リンス液を液化二酸化炭素に置換した後、基板を加熱してパターンに残存するリンス液を放出させた後、処理容器内の液化二酸化炭素を超臨界状態にする工程を省き、処理容器内の圧力を徐々に低下させて二酸化炭素を気化させるようにしてもよい。このようにすることで、二酸化炭素を超臨界状態とするために、処理容器内を加熱する必要が無くなり、プロセスを簡略化できる。
【0027】
また、超臨界乾燥を行う容器内の液化二酸化炭素を超臨界状態とした段階で、この段階における容器内部の温度以上に基板を加熱し、パターンに含浸しているリンス液を放出させるようにしても良い。この場合でも、基板近傍と基板から離れたところとの温度差が大きくなる。このため、パターン近傍から周囲への気流が発生し、この気流によりパターン内部に残存するリンス液の放出が促進されるようになる。
【0028】
なお、上述した超臨界乾燥方法は、図3に示すような超臨界乾燥装置を用いればよい。図3の超臨界乾燥装置は、まず、7.5MPaなどの高圧が形成できる処理容器301を備え、容器温度調節器302により処理容器301の温度を調節可能としている。処理容器301は、超臨界状態を形成する圧力に耐えるため、壁厚が数cmと肉厚のステンレスから構成されている。処理容器301内には、処理対象の基板を載置する基板台303が備えられ、基板温度調節器304により基板台303上に載置される基板の温度を調節可能としている。
【0029】
また、処理容器301は、液化二酸化炭素などを導入する導入口305と、内部の流体を排出する排出口306とを備えている。導入口305には、バルブ307を介して圧送装置308が連通し、ボンベ309内の液化二酸化炭素を処理容器301内に圧送可能としている。また、排出口306には、圧力制御バルブ310が連通している。
【0030】
図3の超臨界乾燥装置において、圧力制御バルブ310を閉じた状態で、圧送装置308より液化二酸化炭素を処理容器301内に圧送して処理容器301の圧力を7.5MPaとし、容器温度調節器302により処理容器301の温度を調節し、処理容器301内の温度を23℃程度としておけば、処理容器301内は液化二酸化炭素で充填された状態となる。
【0031】
この状態で、基板温度調節器304の制御により基板台303を加熱してこの上の基板を加熱することで、基板温度を30℃程度とすれば、前述したように、基板近傍の二酸化炭素を亜臨界状態とすることができる。
次いで、処理容器301内の圧力を維持した状態で、容器温度調節器302により処理容器301の温度を調節し、処理容器301内の温度を臨界点以上とすれば、処理容器301内が超臨界二酸化炭素で充填された状態となる。
【0032】
この後、バルブ307を閉じて圧力制御バルブ310を所定量開放することで、処理容器301内の二酸化炭素を徐々に排出して処理容器301内の圧力を低下させれば、処理容器301内の超臨界二酸化炭素が気化する。処理容器301内の超臨界二酸化炭素が全て気化すれば、超臨界乾燥が終了する。なお、図3には示していないが、処理容器301は、処理対象の基板を搬入搬出するための、開閉可能なゲートバルブを備えている。
【0033】
ところで、図3に示した超臨界乾燥装置において、処理容器301内を液化二酸化炭素で充填しようとする段階では、可能な限り処理容器301に温度を低くした状態としたほうが、充填時間の短縮がはかれる。一方、処理容器301内に充填されている液化二酸化炭素を超臨界状態とするためには、従来では、処理容器の温度を31℃以上とする必要がある。
【0034】
処理容器301で直径が10cmの基板を処理できるようにするためには、処理容器301の内容積を4000cm3以上と大きなものとする必要がある。前述したように、処理容器301は、高圧に耐えられるようにするため壁厚を数cmとしている。したがって、処理容器301は、大きな体積のステンレスの固まりに等しい。このような処理容器301の温度を、23℃〜31℃以上と大きく変化させるためには、多くの時間が必要となり、処理時間の遅延を招く。
【0035】
これに対し、図3に示した超臨界乾燥装置では、基板台303を加熱することで迅速に周囲の二酸化炭素を超臨界状態とすることができるので、処理容器301の温度は液化に炭化炭素を維持する23℃としたままとできる。したがって、図3に示した超臨界乾燥装置によれば、処理容器301を加熱することなく基板周囲の液化二酸化炭素を超臨界状態とできるので、超臨界乾燥をより迅速に行えるようになる。
【0036】
【実施例】
<実施例1>
以下、実施例に基づいて詳細に説明する。
まず、シリコン基板上に電子線レジストであるZEP−7000(日本ゼオン製)をスピン塗布し、膜厚250nmのレジスト膜を形成した。次いで、形成したレジスト膜に電子線を露光して所望の潜像を形成した後、酢酸ノルマルヘキシルによる現像処理と、2−プロパノール(リンス液)によるリンス処理を行い、シリコン基板上にレジストパターンを形成した。形成したパターン幅は、10〜100nmであった。
【0037】
この後、レジストパターンがリンス液で濡れた状態が維持できる時間内に、シリコン基板を処理容器301内の基板台303上に載置し、処理容器301を密閉した後、圧力制御バルブ310を閉じた状態で、ボンベ309内の液化二酸化炭素を圧送装置308で処理容器301内に圧送し、処理容器301内が液化二酸化炭素で充填された状態とした。このとき、容器温度調節器302の制御により、処理容器301の温度は23℃とした。
【0038】
次いで、圧送装置308による二酸化炭素の圧送圧力・圧送量の制御と、圧力制御バルブ310の開放度の制御とにより、処理容器301内の圧力を7.5MPaとした。処理容器301内の圧力が7.5MPaとなった後、基板温度調節器304の制御により、基板台303の温度を30℃とし、シリコン基板の温度を30℃程度とし、この状態を20分間持続した。このとき、圧送装置308により液化二酸化炭素は処理容器301内に導入し続けた。
【0039】
シリコン基板の温度を30℃程度に制御しているときは、シリコン基板近傍の二酸化炭素は亜臨界状態となっており、シリコン基板から離れたところの二酸化炭素は液体の状態となっている。また、処理容器301は23℃に制御されているので、シリコン基板近傍よりシリコン基板より離れたところの方がより低温となっている。この結果、処理容器301内では、二酸化炭素が基板近傍からこの周囲に向かって流れている状態となっている。
【0040】
この後、基板温度調節器304の制御により基板台303の温度を35℃としてシリコン基板の温度を35℃とし、ほぼ同時に圧送装置308による二酸化炭素の圧送を停止してバルブ307を閉じ、圧力制御バルブ310の開放度を制御して二酸化炭素を排出し、処理容器301内の圧力を低下させた。このとき、シリコン基板上では、超臨界状態となった二酸化炭素が気化し、超臨界乾燥が行われた状態となる。
この超臨界乾燥の結果得られたシリコン基板上のレジストパターンには、パターン倒れはなく、良好なパターン形状が得られた。
【0041】
<実施例2>
つぎに、他の実施例について説明する。
まず、シリコン基板上に電子線レジストであるHSQ(ダウコーニング製)をスピン塗布し、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。次いで、形成したレジスト膜に電子線を露光して所望の潜像を形成した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)による現像処理と、エタノール(リンス液)によるリンス処理を行い、シリコン基板上にレジストパターンを形成した。これら現像およびリンス処理は、容器温度調節器302の制御により23℃とした処理容器301内で行った。またこのとき、基板温度調節器304の制御により、シリコン基板が載置されている基板台303の温度も23℃とした。形成したパターン幅は、8nmであった。
【0042】
リンス処理を行った後、容器温度調節器302の制御により処理容器301の温度を20℃以下にするとともに、圧送装置308によりボンベ309内の二酸化炭素を処理容器301内に導入した。二酸化炭素の導入は、圧力制御バルブ310の開放度を制御することで、処理容器301内の圧力が7.5MPaとなるまで行った。処理容器301内に液化二酸化炭素が充填され、圧力が7.5MPaとなった後、基板温度調節器304の制御により基板台303の温度を30℃とし、シリコン基板近傍の二酸化炭素を亜臨界状態とした。この後、二酸化炭素の導入を停止し、圧力制御バルブ310をより開放して処理容器301内の二酸化炭素を排出し、処理容器301内の圧力を大気圧とし、処理容器301内よりシリコン基板を搬出した。以上のことにより超臨界乾燥されたシリコン基板上のレジストパターンには、パターン倒れはなく、良好なパターン形状が得られた。
【0043】
<実施例3>
つぎに、第3の実施例について説明する。
まず、子線レジストであるHSQ(ダウコーニング製)をスピン塗布し、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。次いで、形成したレジスト膜に電子線を露光して所望の潜像を形成した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)による現像処理と、エタノール(リンス液)によるリンス処理を行い、シリコン基板上にレジストパターンを形成した。これら現像およびリンス処理は、容器温度調節器302の制御により23℃とした処理容器301内で行った。またこのとき、基板温度調節器304の制御により、シリコン基板が載置されている基板台303の温度も23℃とした。形成したパターン幅は、8nmであった。
【0044】
リンス処理を行った後、容器温度調節器302の制御により処理容器301の温度を20℃以下にするとともに、圧送装置308によりボンベ309内の二酸化炭素を処理容器301内に導入した。二酸化炭素の導入は、圧力制御バルブ310の開放度を制御することで、処理容器301内の圧力が7.5MPaとなるまで行った。処理容器301内に液化二酸化炭素が充填され、圧力が7.5MPaとなった後、この状態を20分間保持した。
【0045】
20分後、容器温度調節器302の制御により、処理容器301の温度を35℃に上昇させ、かつ、基板温度調節器304の制御により基板台303の温度を50℃とした。この後、二酸化炭素の導入を停止し、圧力制御バルブ310をより開放して処理容器301内の二酸化炭素を排出し、処理容器301内の圧力を大気圧とし、処理容器301内よりシリコン基板を搬出した。以上のことにより超臨界乾燥されたシリコン基板上のレジストパターンには、パターン倒れはなく、良好なパターン形状が得られた。
以上説明したように、本実施の形態によれば、レジストパターン内に残存したリンス液を効率よく除去することができ、10nm以下の良好なパターン形成を行うことが可能となる。
【0046】
ところで、上述した実施例では、レジストとして電子線レジストであるZEP−7000やHSQを用い、現像液として酢酸ノルマルヘキシル,TMAHを用い、リンス液として2−プロパノール,エタノールを用いるようにしたが、これに限定されるものではない。液化二酸化炭素に相溶性を有するリンス液に対しては、本発明が適用できることは勿論である。また、リンス液に水を用いる場合であっても、界面活性剤などを利用して液化二酸化炭素に対して相溶性を持たせるようにすれば、本発明を適用できる。
また、上述では、乾燥対象のパターンとして、高分子材料のレジストパターンを例にしたが、シリコンや化合物半導体からなるパターンの乾燥に適用しても良い。また、上述では超臨界流体として二酸化炭素を用いるようにしたが、これに限るものではなく、CHF3やNO2などの臨界点を有する物質を用いるようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、パターンが形成されている基板を超臨界乾燥を行う容器より高い温度とすることで、パターンに残留するリンス液をより迅速の除去するようにした。この結果、本発明によれば、より短時間でパターン内部に残留したリンス液を除去できるようになり、より迅速に超臨界乾燥が行えるようになるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超臨界乾燥方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明の超臨界乾燥方法を実現するための超臨界乾燥装置の概略的な構成を示す構成図である。
【図3】従来の超臨界乾燥方法を説明するための工程図である。
【図4】従来の乾燥方法を説明するための工程図である。
【図5】超臨界乾燥方法を説明するための工程図である。
【図6】超臨界乾燥方法を行う超臨界乾燥装置の一般的な構成を示す構成図である。
【符号の説明】
101…基板、101a…パターン、102…現像液、103…リンス液、103a…残存リンス液、104…液化二酸化炭素。
Claims (4)
- 基板上に形成された所定のパターンを有するパターン層をリンス液に晒す第1の工程と、
前記パターン層に前記リンス液が付着している状態で、前記基板を容器内に配置し、この容器内に大気雰囲気では気体である物質の液体を導入し、前記パターン層が前記物質の液体に晒された状態とする第2の工程と、
前記パターン層が前記物質の液体に晒された状態で前記パターン層に付着しているリンス液を除去する第3の工程と、
前記容器内に導入された前記物質の液体を超臨界状態の超臨界流体とし、前記パターン層が前記超臨界流体に晒された状態とする第4の工程と、
前記容器内の前記超臨界流体を前記容器外へ排出することで前記容器内部の圧力を低下させ、前記超臨界流体を気化させて前記パターン層が気体に晒された状態とする第5の工程と
を備え、
前記第3の工程で、前記容器の温度は、前記物質の臨界点未満とし、前記基板の温度は前記物質が亜臨界状態となる温度とすることを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 基板上に形成された所定のパターンを有するパターン層をリンス液に晒す第1の工程と、
前記パターン層に前記リンス液が付着している状態で、前記基板を容器内に配置し、この容器内に大気雰囲気では気体である物質の液体を導入し、前記パターン層が前記物質の液体に晒された状態とする第2の工程と、
前記パターン層が前記物質の液体に晒された状態で前記パターン層に付着しているリンス液を除去する第3の工程と、
前記容器内に導入された前記物質の液体を超臨界状態の超臨界流体とし、前記パターン層が前記超臨界流体に晒された状態とする第4の工程と、
前記容器内の前記超臨界流体を前記容器外へ排出することで前記容器内部の圧力を低下させ、前記超臨界流体を気化させて前記パターン層が気体に晒された状態とする第5の工程と
を備え、
前記第3の工程で、前記容器の温度は、前記物質の臨界点未満とし、前記基板の温度は、前記物質の臨界点以上の温度とする
ことを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 請求項1または2記載の超臨界乾燥方法において、
前記第4の工程で、前記基板の温度は、前記物質の臨界点以上の温度とすることを特徴とする超臨界乾燥方法。 - 基板上に形成された所定のパターンを有するパターン層をリンス液に晒す第1の工程と、
前記パターン層に前記リンス液が付着している状態で、前記基板を容器内に配置し、この容器内に大気雰囲気では気体である物質の液体を導入し、前記パターン層が前記物質の液体に晒された状態とする第2の工程と、
前記パターン層が前記物質の液体に晒された状態で前記パターン層に付着しているリンス液を除去する第3の工程と、
前記基板の温度を前記物質の臨界点以上の温度とすることで前記容器内に導入された前記物質の液体を超臨界状態の超臨界流体とし、前記パターン層が前記超臨界流体に晒された状態とする第4の工程と、
前記容器内の前記超臨界流体を前記容器外へ排出することで前記容器内部の圧力を低下させ、前記超臨界流体を気化させて前記パターン層が気体に晒された状態とする第5の工程と
を備え、
前記第4の工程で、前記基板を前記容器内の温度より高温にすることを特徴とする超臨界乾燥方法。
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