JP3553711B2 - 複写機システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は,ユーザの使用環境に合わせて,たとえばファクシミリ送受信機能やプリンタ機能などの機能を拡張することのできる,いわゆる複合型のデジタル複写機などの複写機システムに関し,特に,メインスイッチの操作以外にシステムへの電源供給モード(省電力制御)を複数備えた複写機システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,複写機システムやファクシミリ装置などにおいて,通常動作時に対して待機時の消費電力を節減するための制御が行われている。たとえば,ファクシミリ装置においては,特開昭57−168573号公報に開示されているように,システム・コントロール・ユニット(制御回路)をマスターCPUとスレーブCPUの2つで構成させ,待機状態ではスレーブCPUのみを動作させてシステムの状態監視を行い,あらかじめ決定された主電源の投入要因を検出すると,スレーブCPUが主電源の投入動作を行うと共に,主電源投入後はスレーブCPUはマスターCPUに隷属し,マスターCPUからのコマンドに従って動作させることにより,待機時の消費電力の節減を行っている。
【0003】
また,従来の複写機システムでは,消費電力の節減のために以下のような制御を行っている。まず,システム構成について説明すると,複合型のデジタル複写機にファクシミリ機能やプリンタ機能を拡張する場合,デジタル複写機の主制御部であるメインコントローラに,ファクシミリ機能やプリンタ機能などの各機能に対応する専用のサブコントローラを接続している。
【0004】
このような一般的な複写機にあっては,電力の消費を低減するため,電力を最も消費する定着ヒータの設定温度をコピー時(通常モード)と,待機時(余熱モード)とにおいてそれぞれ異なる2種類の温度(コピー時温度>待機時温度)を設定できるように設計され,余熱キーの押下により上記待機時温度にて複写機を制御することによって電力消費を抑制していた。
【0005】
したがって,上記のような拡張対象のサブコントローラをメインコントローラに接続して機能拡張を行うような複写機システムの省電力制御にあっても,操作部に設けられている余熱キーの押下を検出し,この押下信号に基づいて余熱モードに移行していた。
【0006】
特に,上記のような複写機システムでは,システム電源を立ち上げる要因が複数存在する機能,たとえば本体のメインSWがON状態の場合でもシステムへの電源供給を遮断する動作モード,およびメインSWがOFF状態であってもシステムへの電源が供給が行われる動作モードを設けることにより,省電力制御を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記に示されるような従来の複写機システムにあっては,本体のメインSWのON/OFF状態に対応したシステムの状態(モード)がわかりずらいため,オペレータがシステム状態の状態を確認したり,次の操作を行う場合に誤解が生じ,装置の状況を的確に把握しずらかったり,把握するまでに時間がかかるなどの問題点があった。
【0008】
また,システムへの電源供給(省電力制御)の再開要因が複数存在すると,同一のモード移行が要求される要因も複数存在し,その結果,1つ1つの要因を検出する回路が必要となるため,システム構成を複雑化したり,装置自体のコストアップを招来するという問題点があった。
【0009】
本発明は,上記に鑑みてなされたものであって,メインSWのON/OFF状態に対応したシステム状態をわかりやすくし,オペレータに対するシステム状態の誤解を排除し,的確な電源投入操作を可能にすることを第1の目的とする。
【0010】
また,同一のモード移行が要求される要因を1つの要因として検出することにより,システム構成を簡略化させると共に,装置のコストダウンを図ることを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために,請求項1に係る複写機システムにあっては,メインスイッチの操作によって電源供給モード以外にシステムへの電源供給モードを複数設定可能な複写機システムにおいて,前記メインスイッチのオン/オフの状態に対応した複数の設定可能な前記システムへの電源供給モードの表示,およびシステムの動作モードを設定するための表示手段と,前記メインスイッチがオフ状態の,前記電源供給モード以外の前記システムへの電源供給モードの場合には前記表示手段に表示される前記システムの動作モードの表示のうちオペレータ操作要因となる表示を停止し,前記メインスイッチがオン状態の前記電源供給モードの場合には前記表示手段にオペレータ操作を含む全ての操作要因を表示させるように制御するメイン制御手段と,を備えたものである。
【0013】
また,請求項2に係る複写機システムにあっては,前記メイン制御手段は,前記システムの動作モードを複数設定可能であって,前記システムへの電源供給再開要因に応じて複数設定可能な前記システムの動作モードのうちいずれかを実行するものである。
【0014】
すなわち,上記第1,第2の発明において,たとえばメインスイッチがOFF状態で電源供給モード以外のシステムへの電源供給モードの場合には,オペレータ操作をマスクし,メインスイッチがON状態の電源供給モードのときにはオペレータ操作を含むすべての要因を検出し,システムへの電源供給を行うことにより,オペレータに対するシステム状態の誤解を排除する。
【0015】
また,請求項3に係る複写機システムにあっては,前記メイン制御手段は,同一のシステムの動作モードに対応する複数の電源再開要求がなされた場合,該複数の電源再開要求を1つの要求と判断し,前記複数の電源再開要求に対応する前記同一のシステムの動作モードを実行するものである。
【0016】
すなわち,同一のモード移行が要求される要因を1つの要因として検出することにより,該要因検出のための回路構成を削減する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の一実施例を添付図面を参照して説明する。
【0018】
(実施例の構成)
図1は,本実施例に係る複写機システムの制御部における構成を示すブロック図である。図において,この制御部は,大きくは,複写機システム全体を統括的に制御するメイン制御手段としてのメインコントローラ101と,オプションとして追加され,たとえばファクシミリ機能を複写機システムに追加する場合などに用いられているサブコントローラ102と,複写機システムの状態を表示したり,各種モードを設定するための操作部103と,メインコントローラ101とサブコントローラ102・操作部103に電源を供給する電源ユニット(PSU)104とから構成されている。
【0019】
また,130はメインコントローラ101に接続され,装置外部に設けられたメインSWであり,メインSW130のON/OFF状態を示すメインSW信号がメインコントローラ101にサブコントローラ102に接続された場合には,この両者に入力されるようになっている。
【0020】
メインコントローラ101は,マイクロコンピュータシステムを搭載した構成となっている。すなわち,あらかじめプログラムされた制御プログラムに基づいて実際の制御を実行するCPU105と,制御プログラムやその制御に必要なデータを格納しておくROM106と,制御途中のデータを格納するワーキングメモリとして用いられるRAM107と,複写機に設けられているセンサやモータ・定着ヒータ(図示せず)などの負荷の制御を実行するPIO108と,サブコントローラ102との通信を行うシリアルI/F109と,操作部103との通信を行う操作部I/F110と,後述する電源制御回路111とを備えている。
【0021】
電源制御回路111は,サブコントローラ102が接続されていない場合にメインSW130のON/OFF状態を電源制御信号として電源ユニット(PSU)104に伝え,メインコントローラ101に供給される電源VccSWをON/OFFする構成となっている。なお,127はオープンコレクタ回路である。
【0022】
また,サブコントローラ102を接続した場合,メインSW130の状態はサブコントローラ102にも伝えられ,さらにメインコントローラ101の電源制御回路111の制御が無効になり,電源制御信号はサブコントローラ102が制御する構成となっている。
【0023】
さらに,サブコントローラ102は,メインコントローラ101と同様にマイクロコンピュータなどにより構成され,本実施例の場合,ファクシミリ機能を複写機システムに追加するものである。
【0024】
このサブコントローラ102は,メインコントローラ101と同様に,制御プログラムに基づいて実際の制御を実行するCPU112と,制御プログラムや制御に必要なデータを格納しておくROM113と,制御途中のデータを格納するワーキングメモリとして用いるRAM114と,メインコントローラ101との通信を行うシリアルI/F115と,PIO116とを備えている。
【0025】
また,サブコントローラ102には,常時通電電源Vccが供給されており,メインコントローラ101がOFFしてもサブコントローラ102の動作を実行できる構成となっている。また,サブコントローラ102は,メインコントローラ101の復帰トリガとして回線呼び出し信号と原稿セット信号・圧板開信号の監視を行うように構成されている。また,128はオープンコレクタ回路である。
【0026】
操作部103は,複写機システムの状態を表示するLCD/LED120と,オペレータが操作するキー121と,LCD/LED120およびキー119を制御し,メインコントローラ101への押下キー情報を伝えたり,メインコントローラ101の制御による表示を行う操作制御部121と,表示手段としての余熱LED122と,余熱キー123とを備えている。
【0027】
電源ユニット(PSU)104は,メインコントローラ101とサブコントローラ102・操作部103に電源を供給するユニットであり,内部にVcc遮断回路125を備え,メインコントローラ101の制御信号によりメインコントローラ101側に供給する電源VccSWをON/OFFするように構成されている。電源Vccは常時通電状態となっており,サブコントローラ102とメインコントローラ101の一部回路に電源を供給するものである。
【0028】
また,余熱キー123の状態はメインコントローラ101のPIO108とサブコントローラ102のPIO116との何れからでも監視できる回路構成となっている。また,メインコントローラ101の電源VccSW遮断時において,余熱キー123およびメインSW130の信号をサブコントローラ102が検知できるように常時通電電源Vccによってプルアップしている。
【0029】
また,メインコントローラ101のPIO108入力にシリーズで挿入されているダイオード125は,メインコントローラ電源VccSWがOFF時に,常時通電電源Vccがメインコントローラ101内の回路に回り込まないように設けられている。
【0030】
余熱LED122は,メインコントローラ101とサブコントローラ102のLED制御信号をオープンコレクタ回路126をワイヤードオアで接続し,常時通電電源Vccでプルアップされた回路構成となっており,メインコントローラ101とサブコントローラ102の何れかで余熱LED122を制御できる構成となっている。なお,本実施例における電源制限信号の真理表を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003553711
【0032】
(実施例の動作)
次に,複写機システムの制御部における動作について
(1)サブコントローラ102が未接続である場合,
(2)サブコントローラ(ファクシミリコントロールユニット:FCU)102が接続された場合,
の2つ場合に分けて説明する。ここで,FCUはファクシミリ送受信などのファクシミリ機能に関する制御を実行するサブコントローラ102である。
【0033】
なお,サブコントローラ102の装着状態およびその機能の検出は,メインコントローラ101とサブコントローラ102とが相互に相手の状態を確認しながら信号伝送を行うハンドシェーク方式を用いる。すなわち,あらかじめ設定されたアプリケーションとシステム本体とのコマンドのハンドシェークにより行われる。
【0034】
(1)サブコントローラ102が未接続である場合
図2は,サブコントローラ102が未接続である場合におけるモード状態遷移図であり,201は通常動作モード,202は余熱モード,203は省電力モードである。なお,これらの各モードの詳細については後述する。以下,図2において,メインコントローラ101による現在のモードから次のモードへの移行制御をa〜eの順に説明する。
【0035】
a:通常動作モード201から余熱モード202への移行
通常動作モード201の状態で制御されている場合において,システムのアイドル状態を一定時間継続して検出し,さらに操作部103からの余熱キー123押下検出の通知を受信した場合,メインコントローラ101は,余熱LED122を点灯し,操作部103に対して表示停止を通知する。これにより,システムは余熱モード202に移行される。
【0036】
b:余熱モード202から通常動作モード201への移行
余熱モード202の状態で制御されている場合において,メインコントローラ101は,圧板開や原稿セットのセンサ入力を検出した場合,あるいは操作部103からの余熱キー123押下の検出通知を受信した場合,余熱LED122の消灯を行い,さらに操作部103に対して表示再開の要求を行う。これにより,システムは通常動作モード201に移行される。
【0037】
c:余熱モード202から省電力モード203への移行
余熱モード202の状態で制御されている場合において,システムのアイドル状態を一定時間継続して検出した場合,メインコトローラ101はメインスイッチオフ要求信号を出力する。これにより,メインSW130がOFFされ,システムへの電源供給停止要求信号がアサートされる。そして,電源ユニット(PSU)104がシステムへの電源供給を停止することにより,システムは省電力モード203に移行される。
【0038】
d:通常動作モード201から省電力モード203への移行
通常動作モード201の状態で制御されている場合において,メインSW130がオペレータによりOFFされると,そのメインSW130のステータス信号が電源ユニット(PSU)104に対するシステム電源供給停止信号となり,電源ユニット(PSU)104はシステムへの電源供給を停止する。これにより,システムは省電力モード203に移行される。
【0039】
e:省電力モード203から通常動作モード201への移行
省電力モード203の状態で制御されている場合において,メインSW130がオペレータによりONされると,システム電源供給停止信号がネゲートされ,電源ユニット(PSU)104はシステムへの電源供給を再開する。これにより,システムは通常動作モード201に移行される。
【0040】
(2)サブコントローラ(ファクシミリコントロールユニット:FCU)102が接続された場合
図3は,サブコントローラ(ファクシミリコントロールユニット:FCU)102が接続された場合におけるモード状態遷移図であり,201は通常動作モード,202は余熱モード,301は簡易夜間モード,302は夜間省電力モード,303は余熱省電力モードモードである。なお,これらの各モードの詳細については後述する。
【0041】
以下,図3において,サブコントローラ(ファクシミリコントロールユニット:FCU)102が接続された場合における現在の制御モードから次のモードへの移行をA〜Jの順にわけて説明する。
【0042】
A:通常動作モード201から余熱モード202への移行
通常動作モード201の状態で制御されている場合において,システムのアイドル状態を一定時間継続して検出した場合,あるいは操作部103からの余熱キー123押下検出の通知を受信した場合,メインコントローラ101は,余熱LED122を点灯し,操作部103に対して表示停止要求を通知する。これにより,システムは余熱モード202に移行される。すなわち,同一モード移行が要求される要因については1つの要因として検出する。
【0043】
B:余熱モード202から余熱省電力モード303への移行
余熱モード202の状態で制御されている場合において,システムのアイドル状態を一定時間継続して検出されると,メインコントローラ101からのシステム電源供給停止要求にしたがって,サブコントローラ102はシステム電源供給停止要求信号をアサートする,これにより,システムは余熱省電力モードに移行される。
【0044】
C:余熱モード202から通常動作モード201への移行
余熱モード202の状態で制御されている場合において,メインコントローラ101は,圧板開や原稿セットのセンサ入力を検出した場合,あるいは操作部103からの余熱キー123押下の検出通知を受信した場合,余熱LED122の消灯を行い,さらに操作部103に対して表示再開の要求を行う。これにより,システムは通常動作モード201に移行される。すなわち,同一モード移行が要求される要因については1つの要因として検出する。
【0045】
D:余熱モード202から簡易夜間モード301への移行
余熱モード202の状態で制御されている場合において,メインコントローラ101は,メインSW130のOFFを検出すると,余熱LED122を消灯し,システムを簡易夜間モード301へ移行させる。
【0046】
E−1/E−2:余熱省電力モード303から通常動作モード201,または余熱モード202への移行
余熱省電力モード303の状態で制御されている場合において,余熱キー123の押下,あるいは圧板開や原稿セットのセンサ入力,通信回線からの呼び出し信号の入力がサブコントローラ102において検出されると,余熱LED123を消灯させ,システム電源供給停止信号をネゲートする。
【0047】
さらに,システム電源の供給再開後,サブコントローラ102はシステム電源供給再開の要因をメインコントローラ101に通知し,このときシステム電源の供給再開の要因が余熱キー123の押下や圧板開や原稿セットのセンサ入力の検出である場合,操作部103に対して表示再開要求を行って,システムを通常動作モード201に移行させる。
【0048】
また,上記において,通信回線からの呼び出し信号の入力検出であった場合,操作部103に対して表示再開要求を行わず,システムを余熱モード202に移行させる。
【0049】
F:通常動作モード201から簡易夜間モード301への移行
通常動作モード201の状態で制御されている場合において,メインコントローラ101はメインSW130のOFF状態を検出すると,操作部103に対して表示停止要求を行い,システムを簡易夜間モード301へ移行させる。
【0050】
G:簡易夜間モード301から通常動作モード201への移行
簡易夜間モード301の状態で制御されている場合において,メインコントローラ101はメインSW130のON状態を検出すると,操作部103に対して表示再開要求を行い,システムを通常動作モード201へ移行させる。
【0051】
H:簡易夜間モード301から夜間省電力モード302への移行
簡易夜間モード301の状態で制御されている場合において,メインコントローラ101は,システムのアイドル状態を一定時間継続して検出すると,サブコントローラ102に対してシステム電源供給停止要求を行う。次いで,サブコントローラ102はメインコントローラ101からのシステム電源供給停止要求に基づいて,システム電源供給停止信号をアサートする。これにより,システムは夜間省電力モード302へ移行される。
【0052】
I−1/I−2:夜間省電力モード302から簡易夜間モード301,または通常動作モード201への移行
夜間省電力モード302の状態で制御されている場合において,サブコントローラ102は通信回線からの呼び出し信号の検出した場合,あるいはメインSW130のON状態を検出した場合,システム電源供給信号をネゲートする。これにより,システム電源の供給が再開される。すなわち,同一モード移行が要求される要因については1つの要因として検出する。
【0053】
システム電源の供給再開後,サブコントローラ102はシステム電源供給再開の要因をメインコントローラ101に通知する。そして,この要因が通信回線からの呼び出し信号の検出であった場合,操作部103に対して表示再開要求を行わず,システムは簡易夜間モード301へ移行される。
【0054】
また,上記において,メインSW130のON状態を検出した場合は,操作部103に対して表示再開要求を行って,システムを通常動作モード201に移行させる。
【0055】
J:余熱省電力モード303から夜間省電力302への移行
余熱省電力モード303の状態で制御されている場合において,メインSW130のOFF状態を検出した場合,サブコントローラ102は余熱LED122を消灯させ,システムを夜間省電力302へ移行させる。
【0056】
次に,各モードごとにその内容を説明する。
【0057】
▲1▼ 通常動作モード201
このモードは通常に動作を行うことができる動作モードであり,すべての入力,たとえばサブコントローラ102としてファクシミリコントロールユニット:FCUが接続された場合において,オペレータ入力や通信回線からのリンギング信号入力・ファクシミリ網からの呼び出し信号入力に応じた処理を実行する。
【0058】
すなわち,この通常動作モード201では,
システム電源:ON
余熱LED122:OFF
定着ヒータ:一定温度(即時プリントアウトが可能な温度)
の制御が実行される。
【0059】
なお,上記システム電源のON/OFFは,メインコントローラ101に対する電源ユニット(PSU)104のVcc遮断回路125によるVccSWのON/OFFに相当し,ON状態でシステムへの電源が供給され,OFF状態で電源供給が遮断される。ただし,システムの一部回路へは常に電源が供給されている。
【0060】
▲2▼ 余熱モード202
余熱LED122を除くすべての表示が消灯され,定着ヒータ設定温度が通常動作モード201に対して低い温度で設定されている状態にし,余熱キー123の入力の検出を行っている。
【0061】
すなわち,この余熱モード202では,
システム電源:ON
余熱LED122:ON
定着ヒータ:消費電力を抑制するために通常動作モード201より低い温度
の制御が実行される。
【0062】
▲3▼ 省電力モード203
システム電源がOFFされている状態で,オペレータによるメインSW130のON操作により通常動作モード201へ移行するモードである。
【0063】
すなわち,この省電力モード203では,
システム電源:OFF
余熱LED122:OFF
定着ヒータ:OFF
の制御が実行される。
【0064】
▲4▼ 余熱省電力モード303
システム電源がOFFされている状態で,オペレータによる余熱キー123入力の検出を行っているモードである。
【0065】
すなわち,この余熱省電力モード303では,
システム電源:OFF
余熱LED122:ON
定着ヒータ:OFF
の制御が実行される。
【0066】
▲5▼ 簡易夜間モード301
すべての表示が消灯され,定着ヒータへの電力供給が停止される状態のモードである。このモードにおけるオペレータ操作は,メインSW130のみ受け付けられる。また,サブコントローラ(FCU)102が接続された場合,通信回線からの呼び出し信号,ファクシミリ網からの呼び出し信号の入力検出も行われている。
【0067】
すなわち,この簡易夜間モード301では,
システム電源:ON
余熱LED122:OFF
定着ヒータ:OFF
の制御が実行される。
【0068】
▲6▼ 夜間省電力モード302
システム電源供給が停止している状態で,メインSW130のON操作以外のオペレータ入力は受け付けない。また,サブコントローラ102としてFCUが接続された場合,通信回線からのリンギング信号,ファクシミリ網からの呼び出し信号の入力検出によりモード移行される。
【0069】
すなわち,この夜間省電力モード302では,
システム電源:OFF
余熱LED122:OFF
定着ヒータ:OFF
の制御が実行される。
【0070】
また,上記実施例において,オペレータによって,サブコントローラ102が未接続の場合,“省電力モード203へ移行する,移行しない”,また,サブコントローラ102が接続された場合,“余熱省電力モード303へ移行する,移行しない”の設定を操作部103を介して行われる。
【0071】
そして,オペレータの設定に基づいてモード遷移が実行される。これは比較的,頻繁にコピーまたはファクシミリが使用されるような環境である場合,省電力モード203あるいは余熱省電力モード303へ移行した場合,各コントローラへの電源供給が停止してしまうため,初期化のための処理時間が必要となるので,システムが使用できるようになるまでの時間が,余熱モード202や簡易夜間モード301と比較して長くかかる。このため,上記のようにオペレータの使用環境に合わせた設定が行えるようになっている。
【0072】
なお,以上の実施例ではサブコントローラ102としてファクミリコントロールユニット(FCU)を接続してファクシミリ機能の場合を例にとって説明したが,他の機能であっても適用することができる。たとえば,プリンタ機能を接続する場合には以下のように適用することができる。
【0073】
(1)オンラインプリンタ
オンラインプリンタの場合,基本的にはアプリケーションが接続されていない場合とほぼ同じであるが,オペレータと本体との位置は離れていることが前提となるため,一定時間のアイドル検出からのメインSW130のOFFは行わず,オペレータによりメインSW130がOFFされた場合のみ省電力モード203への移行を実行する。
【0074】
(2)オフラインプリンタ(小容量のメディア使用の場合)
フロッピーディスクなどの小容量メディアを使用する場合,印刷するときには装置の設置場所に行ってメディアを装置に挿入し,印刷を行った後に,メディアをぬいてしまうので,ほぼ通常のコピーを使用するのと同様な使用形態が想定されるが,動作モードとしては,ファクシミリ機能とほぼ同様なモード遷移を実行する。
【0075】
また,夜間省電力モード301の代わりに省電力モード203になり,フロッピーディスクが挿入されていない状態での一定時間のアイドル検出で,メインコントローラ101によりメインSW130がOFFされる。
【0076】
さらに,余熱省電力モード303では,フロッピーディスクの挿入検出部のみに電源が供給され,フロッピーディスクの挿入が検出された場合,メインコントローラ101への電源供給を再開し,通常動作モード201へ移行する。
【0077】
(3)オフラインプリンタ(大容量のメディア使用の場合)
MOディスク(光磁気ディスク)などの大容量のメディアを使用する場合,メディアを挿入したままでの使用が想定されるため,メディアが挿入されている場合でも,一定時間のアイドル状態が検出されると,メインコントローラ101によりメインSW130がOFFされる。
【0078】
また,上記において印刷を行う場合は,オペレータがメインSW130をONし,動作モードの遷移は,サブコントローラ102がメインコントローラ101に接続されていない状態と同様になる。
【0079】
(実施例の効果)
次に,以上説明してきた実施例が奏する効果について列記する。
【0080】
第1に,システム電源を立ち上げる要因が複数存在する機能を有し,メインSW130がON状態の場合でもシステムへの電源供給を遮断する動作モード,およびメインSW130がOFF状態でもシステムへの電源供給が行われる動作モードが存在する複写機システムにおいて,メインSW130がオペレータへのシステム状態表示を兼ねるため,メインSW130がOFF状態の場合にはオペレータ操作による要因をマスクし,一方,メインSW130がON状態の場合にはオペレータ操作を含むすべての要因を検出し,システムへの電源供給を実行するため,オペレータに対するシステム状態の誤解を排除することができる。
【0081】
第2に,同一のモード移行が要求される要因を1つの要因として検出するため,要因検出のための回路部分が削減され,そのコストダウンおよびシステム構成の簡略化を実現することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明に係る複写機システム(請求項1〜3)によれば,メインスイッチがOFF状態の電源供給モード以外のシステムへの電源供給モードのときはオペレータ操作をマスクし,メインスイッチがON状態の電源供給モードのときにはオペレータ操作を含むすべての要因を検出し,システムへの電源供給を行うため,オペレータに対するシステム状態の誤解を排除することができ,的確な電源投入操作が実現する。また,このような本発明に係る複写機システムでは,メインスイッチがオペレータへのシステム状態表示を兼ねることができる。
【0083】
また,本発明に係る複写機システム(請求項4)によれば,同一のモード移行が要求される要因を1つの要因として検出することにより,該要因検出のための回路構成を削減することが可能となるため,その分のコストダウンおよびシステム構成の簡略化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る複写機システムの制御部における構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例に係るサブコントローラが未接続である場合におけるモード状態遷移図である。
【図3】本実施例に係るサブコントローラ(ファクシミリコントロールユニット:FCU)が接続された場合におけるモード状態遷移図である。
【符号の説明】
101 メインコントローラ 102 サブコントローラ
103 操作部 104 電源ユニット(PSU)
111 電源制御回路 122 余熱LED
123 余熱キー 130 メインSW

Claims (3)

  1. メインスイッチの操作によって電源供給モード以外にシステムへの電源供給モードを複数設定可能な複写機システムにおいて,
    前記メインスイッチのオン/オフの状態に対応した複数の設定可能な前記システムへの電源供給モードの表示,およびシステムの動作モードを設定するための表示手段と,
    前記メインスイッチがオフ状態の,前記電源供給モード以外の前記システムへの電源供給モードの場合には前記表示手段に表示される前記システムの動作モードの表示のうちオペレータ操作要因となる表示を停止し,前記メインスイッチがオン状態の前記電源供給モードの場合には前記表示手段にオペレータ操作を含む全ての操作要因を表示させるように制御するメイン制御手段と,
    を備えたことを特徴とする複写機システム。
  2. 前記メイン制御手段は,前記システムの動作モードを複数設定可能であって,前記システムへの電源供給再開要因に応じて複数設定可能な前記システムの動作モードのうちいずれかを実行することを特徴とする請求項1に記載の複写機システム。
  3. 前記メイン制御手段は,同一のシステムの動作モードに対応する複数の電源再開要求がなされた場合,該複数の電源再開要求を1つの要求と判断し,前記複数の電源再開要求に対応する前記同一のシステムの動作モードを実行することを特徴とする請求項2に記載の複写機システム。
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