JP3553200B2 - 燃料電池用ガス加湿装置および燃料電池 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池を作動させるために使用されるガスを、その使用直前に加湿するためのガス加湿装置および該ガス加湿装置が組み込まれた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、固体高分子電解質膜を挟んでアノード側電極とカソード側電極とを対設した燃料電池構造体をセパレータによって挟持して複数積層することにより構成された燃料電池が開発され、種々の用途に実用化されつつある。
【0003】
この種の燃料電池は、例えば、メタノールの水蒸気改質により生成された水素ガス(燃料ガス)をアノード側電極に供給するとともに、酸化剤ガス(空気)をカソード側電極に供給することにより、前記水素ガスがイオン化して固体高分子電解質膜内を流れ、これにより電気エネルギが得られるように構成されている。
【0004】
ところで、上記燃料電池では、有効な発電機能を発揮させるために、固体高分子電解質膜およびイオン導電成分を常時一定の湿潤状態に維持する必要がある。このため、通常、燃料ガスを加湿して燃料電池に供給する方式が採用されており、例えば、特開平3−20971号公報に開示されている調湿装置が知られている。この調湿装置は、水蒸気を通過するガス拡散膜で原料ガスの流路と燃料電池から流出する冷却水の流路とを分離しており、前記燃料電池に供給される直前の原料ガスに対して調湿するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、ガス拡散膜を透過する水蒸気の量は一定であるため、燃料電池構造体の負荷状態によって燃料ガスが増減する際に、この燃料ガスを常時一定の湿度に加湿することは極めて困難なものとなってしまう。これによって、固体高分子電解質膜およびイオン導電成分を一定の湿潤状態に維持することができないという問題が指摘されている。
【0006】
本発明は、この種の問題を解決するものであり、燃料電池作動用ガスを常時一定の湿潤状態に維持することができるとともに、簡単な構成からなる燃料電池用ガス加湿装置および燃料電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、燃料電池を作動させるために使用されるガスを、その使用直前に加湿するためのガス加湿装置であって、
気孔率が70%以下でかつ気孔径が40μm以下の多孔性を有する多孔質炭素焼結体を備え、
前記多孔質炭素焼結体は、中心部に前記ガスを通流させるためのガス流路を設けるとともに、
前記多孔質炭素焼結体の内部には、前記ガス流路を周回する位置に給水路が設けられ、
前記ガス流路に供給された前記ガスは、前記多孔質炭素焼結体の半径方向に沿って内方から外方に透過する際、前記給水路に供給される水によって加湿されることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は、固体高分子電解質膜を挟んでアノード側電極とカソード側電極を対設した燃料電池構造体と、
前記燃料電池構造体を挟持するセパレータと、
前記燃料電池構造体および前記セパレータを一体的に貫通するガス用連通路に配設されるガス加湿装置と、
を備え、
前記ガス加湿装置は、気孔率が70%以下でかつ気孔径が40μm以下の多孔性を有する多孔質炭素焼結体を備え、
前記多孔質炭素焼結体は、中心部に前記ガスを通流させるためのガス流路を設けるとともに、
前記多孔質炭素焼結体の内部には、前記ガス流路を周回する位置に給水路が設けられ、
前記ガス流路に供給された前記ガスは、前記多孔質炭素焼結体の半径方向に沿って内方から外方に透過する際、前記給水路に供給される水によって加湿されることを特徴とする。
【0009】
【作用】
上記の燃料電池用ガス加湿装置では、多孔質炭素焼結体の内部に設けられた給水路を介してこの多孔質炭素焼結体が湿潤状態にあるため、作動用ガスが前記多孔質炭素焼結体の内方から外方に透過する際に十分に加湿される。従って、ガス量の増減に影響されることがなく、使用直前のガスを一定の湿潤状態に確実に維持することができる。
【0010】
さらに、上記の燃料電池では、多孔質炭素焼結体が燃料電池構造体およびセパレータを一体的に貫通するガス用連通路に配設されることにより、ガス加湿装置全体が燃料電池内に収容されている。これによって、燃料電池設備全体が容易に小型化されるとともに、ガスを反応直前に所定の湿潤状態に加湿することが可能になる。
【0011】
【実施例】
本発明に係る燃料電池用ガス加湿装置および燃料電池について実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0012】
図1および図2において、参照数字10は、本実施例に係る燃料電池を示す。この燃料電池10は、固体高分子電解質膜12を挟んで空気極(カソード側電極)14と、水素極(アノード側電極)16を対設した燃料電池構造体18と、3組の前記燃料電池構造体18を挟持するセパレータ20と、該燃料電池構造体18および前記セパレータ20を一体的に貫通する燃料ガス用連通路22および酸化剤ガス用連通路24に配設されるガス加湿装置26とを備える。燃料電池構造体18とセパレータ20とガス加湿装置26とは、一対のエンドプレート28a、28bおよび4本のタイロッド29により一体的に固定される(図1参照)。
【0013】
図2に示すように、電解質膜12の上部側には、燃料ガス用連通路22を構成する孔部12aと、冷却水を通過させるための孔部12bと、酸化剤ガス用連通路24を構成する孔部12cとが設けられる一方、電解質膜12の下部側には、燃料ガスを通過させるための孔部12dと、冷却水を通過させるための孔部12eと、酸化剤ガスを通過させるための孔部12fとが設けられる。
【0014】
燃料電池構造体18の両側には、第1ガスケット30と第2ガスケット32とが配設される。第1ガスケット30は、空気極14を収容するための大きな開口部34を有し、第2ガスケット32は、水素極16を収容するための大きな開口部36を有する。第1および第2ガスケット30、32は、燃料ガス用連通路22を構成する孔部30a、32aと冷却水を通過させるための孔部30b、32bと酸化剤ガス用連通路24を構成する孔部30c、32cとがそれぞれ上部側に設けられるとともに、燃料ガスを通過させるための孔部30d、32dと冷却水を通過させるための孔部30e、32eと酸化剤ガスを通過させるための孔部30f、32fとがそれぞれ下部側に設けられる。
【0015】
セパレータ20は、空気極側第1セパレータ部40と水素極側第2セパレータ部42とこの第1および第2セパレータ部40、42に挟持されるセパレータ本体44とを備える。
【0016】
第1セパレータ部40を構成する第1マニホールド板46は、矩形状の平板で構成され、その中央部に大きな開口部47を有する。第1マニホールド板46の上部側には、燃料ガス用連通路22を構成する孔部46aと冷却水用孔部46bと酸化剤ガス用連通路24を構成する凹部46cとが設けられる一方、その下部側には、燃料ガス用孔部46dと冷却水用孔部46eと酸化剤ガス用凹部46fとが設けられ、互いに対角の位置に設けられた凹部46cと凹部46fは、開口部47を介して連通状態にある。
【0017】
この第1マニホールド板46の開口部47に酸化剤ガス用整流板48が嵌合される。酸化剤ガス用整流板48は、第1マニホールド板46と同一の厚さを有しており、その一面は平坦でかつ他面に鉛直方向に延在する複数の平行な溝48aが形成され、この溝48aにより凹部46cと凹部46fが連通する。
【0018】
第1マニホールド板46の一面に当接して第1面圧発生板50が配設される。第1面圧発生板50は、平板からなり、その上部側に燃料ガス用連通路22を構成する孔部50aと冷却水用孔部50bと酸化剤ガス用連通路24を構成する孔部50cとが設けられる一方、その下部側に燃料ガス用孔部50dと冷却水用孔部50eと酸化剤ガス用孔部50fとが設けられる。
【0019】
第2セパレータ部42は、上記第1セパレータ部40と同様に構成されており、第2マニホールド板52とこの第2マニホールド板52の開口部54に嵌合する燃料ガス用整流板56と前記第2マニホールド板52の一面に当接する第2面圧発生板58とを備える。
【0020】
第2マニホールド板52および第2面圧発生板58は、それぞれ上部側に燃料ガス用連通路22を構成する凹部52a、孔部58aと冷却水用孔部52b、58bと酸化剤ガス用連通路24を構成する孔部52c、58cとが設けられる一方、その下部側に燃料ガス用凹部52d、孔部58dと冷却水用孔部52e、58eと酸化剤ガス用孔部52f、58fとが設けられる。
【0021】
第2マニホールド板52の凹部52aと凹部52dは、開口部54を介して連通する。この開口部54に燃料ガス用整流板56が嵌合し、この燃料ガス用整流板56に鉛直方向に形成された複数本の平行な溝56aを介して凹部52aと凹部52dが互いに連通状態にある。
【0022】
セパレータ本体44は、比較的大きな開口部59を有する。このセパレータ本体44の上部側には、燃料ガス用連通路22を構成する孔部44aと冷却水用凹部44bと酸化剤ガス用連通路24を構成する流路44cとが設けられるとともに、その下部側には、燃料ガス用孔部44dと冷却水用凹部44eと酸化剤ガス用孔部44fとが設けられる。凹部44bと凹部44eは、開口部59を介して連通しており、この開口部59に冷却水用整流板60、62が嵌合固定される。
【0023】
冷却水用整流板60、62を合わせた厚さはセパレータ本体44の厚さと略同一である。この冷却水用整流板60、62の互いの合わせ面側には、垂直方向に延在する複数本の平行な溝60a、62aが形成され、この溝60a、62aによって形成される冷却水用通路を介して凹部44b、44eが連通状態にある。
【0024】
図1および図2に示すように、ガス加湿装置26は、燃料ガス用連通路22に一体的に挿入される第1多孔質体70と、酸化剤ガス用連通路24に一体的に挿入される第2多孔質体72とを備える。この第1および第2多孔質体70、72は、多孔質炭素焼結体で形成され、円筒状を有しており、水分の滴下を阻止するためにその気孔率が70%以下でかつ気孔径が40μm以下の多孔性を有することが望ましい。
【0026】
この場合、第1および第2多孔質体70、72は、所定濃度に調整したPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の分散液に浸漬した後、室温で乾燥させ、次いで、300〜350℃で焼成することにより、撥水化処理が行われる。
【0027】
図3および図4に示すように、第1多孔質体70は、その中央部に燃料ガス流路74が設けられるとともに、この燃料ガス流路74を周回するように複数の給水路76が放射状に形成される。第1多孔質体70の両端には第1および第2支持部材78、80が固定される。
【0028】
第1支持部材78は、円板状を有しており、その中央部に燃料ガス流路74に連通する経路82が設けられるとともに、その外周部に各給水路76に連通して前記給水路76を通って燃料電池10の外部に水を排出する水導出経路84が設けられる。第2支持部材80は、同様に、各給水路76にガス加湿用の水を供給するための水導入経路86が設けられる。第1多孔質体70と燃料ガス用連通路22との間には、燃料ガス流路74に供給され第1多孔質体70を内方から外方に透過することによって加湿された燃料ガスを通過させるために所定の間隙が形成されている。
【0029】
第2多孔質体72は、図5に示すように、その中央部に酸化剤ガス流路88が設けられる他は上記第1多孔質体70と同様に構成されており、第1多孔質体70と同一の構成要素には同一の参照数字を付してその詳細な説明を省略する。
【0030】
このように構成される燃料電池10は、図7に示すように、燃料電池システム100に組み込まれる。この燃料電池システム100は、メタノールタンク102から供給されるメタノールを水蒸気改質する改質器104と、この改質器104に水分を供給するとともに燃料電池10への冷却水の供給およびガス加湿装置26へ水を供給する水タンク106と、前記燃料電池10から排出される排出成分をガスと水分とに分離する第1および第2気液分離器108、110と、前記ガス加湿装置26から排出される排出成分をガスと水分とに分離するための第3および第4気液分離器112、114とを備える。
【0031】
改質器104は、バーナー116を備えており、この改質器104に水タンク106から第1ポンプ118を介して水分が供給される。改質器104から導出される水素ガス(燃料ガス)がガス加湿装置26を構成する第1多孔質体70の燃料ガス流路74に供給される。一方、第2多孔質体72の酸化剤ガス流路88には、ブロア120を介して空気(酸化剤ガス)が供給される。
【0032】
水タンク106には、燃料電池10のセパレータ20に冷却水を供給するための第2ポンプ122と、第1および第2多孔質体70、72の水導入経路86から給水路76に水を供給するための第3および第4ポンプ124、126とが接続されている。
【0033】
第1気液分離器108は、燃料電池10の水素極16側から排出される排出成分をガスと水分とに分離し、この分離された水分を水タンク106に供給するとともに、この分離されたガスをバーナー116に導入する。第2気液分離器110は、空気極14側から排出される排出成分をガスと水分とに分離し、この水分を水タンク106に供給する一方、ガスを必要に応じてバーナー116に供給する。
【0034】
第3および第4気液分離器112、114は、それぞれ第1および第2多孔質体70、72の水導出経路84から排出される成分をガスと水分とに分離し、この分離された水分を水タンク106に供給し、この分離されたガスをそれぞれ燃料ガス流路74、酸化剤ガス流路88に導入する。
【0035】
次に、燃料電池10の動作について説明する。
【0036】
図7に示すように、メタノールタンク102から改質器104にメタノールが供給されるとともに水タンク106から第1ポンプ118を介してこの改質器104に水分が供給され、バーナー116の加熱作用下に前記メタノールの水蒸気改質が行われる。
【0037】
水蒸気改質によって改質器104から導出された水素ガスは、ガス加湿装置26を構成する第1多孔質体70の経路82から燃料ガス流路74に導入される。また、第1多孔質体70の各給水路76には、水タンク106から第3ポンプ124を介して水が供給されている。このため、図3および図4に示すように、燃料ガス流路74に導入された水素ガスは、第1多孔質体70をその中央側から半径外方向に向かって透過し、加湿された状態で燃料ガス用連通路22に導出される。次いで、この加湿された水素ガスは、各第2セパレータ部42で第2マニホールド板52の凹部52aから燃料ガス用整流板56の溝56aを通って凹部52dに至る。
【0038】
一方、第2多孔質体72では、図5に示すように、ブロア120から供給された空気が酸化剤ガス流路88に導入されるとともに、第4ポンプ126の作用下に水タンク106からこの第2多孔質体72の給水路76に水が供給される。従って、酸化剤ガス流路88内の空気は、第2多孔質体72を外方に向かって透過して加湿された後、酸化剤ガス用連通路24に導出される。この加湿された酸化剤ガスは、各第1セパレータ部40の第1マニホールド板46の凹部46cから酸化剤ガス用整流板48の溝48aを通って凹部46fに到達する。
【0039】
さらに、水タンク106から第2ポンプ122を介してセパレータ20および燃料電池構造体18の下部側に冷却水が供給される。この冷却水は、セパレータ20を構成する各セパレータ本体44の凹部44eから冷却水用整流板60、62の溝60a、62a間を上方に向かって通過し、凹部44bに至る(図6参照)。
【0040】
これによって、燃料電池構造体18で水素極16側の水素ガスがイオン化して固体高分子電解質膜12内を空気極14側に流れ、電気エネルギが得られるとともに、セパレータ本体44内を流れる冷却水によって冷却される。
【0041】
この冷却水は、水タンク106に戻される一方、燃料電池構造体18から排出された排出成分(加湿水、反応生成水)は、それぞれ第1および第2気液分離器108、110でガスと水分とに分離され、この水分が水タンク106に供給される。また、第1および第2多孔質体70、72の給水路76に供給された水は、水導出経路84から第3および第4気液分離器112、114に排出されてガスと水分とに分離され、この水分が水タンク106に供給されるとともに、このガスが作動ガスとして再度前記第1および第2多孔質体70、72に供給される。
【0042】
この場合、本実施例では、燃料電池10を構成する燃料電池構造体18に加湿された燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するためにガス加湿装置26を備えている。このガス加湿装置26は、第1および第2多孔質体70、72を有し、前記第1および第2多孔質体70、72は、その中央部に燃料ガス流路74および酸化剤ガス流路88を設けるとともに、これを囲むようにして複数の給水路76が放射状に形成されている。従って、燃料ガス流路74および酸化剤ガス流路88に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスは、第1および第2多孔質体70、72を内方から外方へと透過する際に確実に加湿される。
【0043】
すなわち、第1および第2多孔質体70、72の給水路76に供給される水がこの第1および第2多孔質体70、72全体に拡散するため、前記第1および第2多孔質体70、72が所望の湿潤状態に維持されている。このため、燃料ガス流路74および酸化剤ガス流路88に燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されると、この燃料ガスおよび酸化剤ガスは、湿潤状態にある多孔質部分を通過し、この多孔質部分に含有されている水を含んで外部に導出される。
【0044】
これにより、特に、燃料電池構造体18の負荷状態の変化に起因して燃料ガスや酸化剤ガスが増減する際にも、この燃料ガスやこの酸化剤ガスを所望の加湿状態に確保することができ、固体高分子電解質膜12およびイオン導電成分を常時一定の湿潤状態に保持することが可能になり、有効な発電機能を発揮させることができるという効果が得られる。
【0045】
さらにまた、本実施例では、ガス加湿装置26全体が燃料電池10内に一体的に組み込まれている。すなわち、燃料電池10内を一体的に貫通する燃料ガス用連通路22に第1多孔質体70が配設されるとともに、酸化剤ガス用連通路24に第2多孔質体72が配設されている。これにより、燃料電池10の外部に専用加湿装置を配置する必要がなく、燃料電池システム100全体の小型化が容易に遂行されるという利点が得られる。
【0046】
しかも、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、燃料ガス用連通路22および酸化剤ガス用連通路24で加湿されるため、加湿直後に燃料電池構造体18に供給される。従って、燃料電池構造体18の湿潤状態を一層確実に保持することができると同時に、燃料電池構造体18の負荷状態の急激な変化に追従できるガス加湿量の確保が可能となる。さらに、第1および第2多孔質体70、72が多孔質炭素焼結体で形成され、その気孔率が70%以下でかつ気孔径が40μm以下の多孔性を有している。このため、給水路76内の水が多孔質部分を通過して滴下するおそれが少ない。
【0047】
なお、本実施例では、第1および第2多孔質体70、72が、図4に示すように、中央に燃料ガス流路74および酸化剤ガス流路88を有し、これを囲むようにして放射状に複数の給水路76を設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、図8に示す多孔質体130や図9に示す多孔質体140を用いることができる。
【0048】
多孔質体130は、図8に示すように、互いに同心的に配置された内管部132と外管部134とを備えた二重管構造を有しており、この内管部132内に燃料ガスや酸化剤ガスが供給される一方、該内管部132と前記外管部134の間に水が供給される。この多孔質体130では、燃料ガスや酸化剤ガスが内管部132を透過した後、この内管部132と外管部134の間に供給されている水をバブリングして前記外管部134を透過する。これにより、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、所望の加湿状態に確実に維持されることになる。
【0049】
さらにまた、図9に示す多孔質体140では、中央に燃料ガス流路(酸化剤ガス流路)142が形成され、これを囲むように放射状の複数の給水路144が設けられるとともに、前記燃料ガス流路142から多孔質体140の外周方向に貫通する複数の細孔146が設けられる。
【0050】
多孔質体140では、燃料ガス流路142内に供給された燃料ガス(酸化剤ガス)は、この多孔質体140の透過および細孔146の通過時に、各給水路144から前記多孔質体140全体に拡散した水によって加湿される。
【0051】
従って、第1および第2多孔質体70、72に代替して多孔質体130または140を使用しても、上記と同様の効果が得られることになる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池用ガス加湿装置では、多孔質炭素焼結体がその内部に設けられた給水路を介して湿潤状態にあるため、作動用ガスは、この多孔質炭素焼結体を通過する際に十分に加湿される。このため、ガス量の増減に影響されることがなく、使用直前のガスを一定の湿潤状態に確実に維持することができる。
【0053】
さらに、本発明に係る燃料電池では、多孔質炭素焼結体が燃料電池構造体およびセパレータを一体的に貫通するガス用流路に配設されることにより、ガス加湿装置全体が燃料電池内に収容されている。これによって、燃料電池設備全体が容易に小型化されるとともに、ガスを反応直前に所定の湿潤状態に加湿することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池の概略斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の一部分解斜視説明図である。
【図3】図1中、III−III線断面図である。
【図4】前記燃料電池を構成する多孔質体の正面説明図である。
【図5】図1中、V−V線断面図である。
【図6】図1中、VI−VI線断面図である。
【図7】前記燃料電池を組み込む燃料電池システムの構成図である。
【図8】別の実施例に係る多孔質体の正面説明図である。
【図9】さらに別の実施例に係る多孔質体の正面説明図である。
【符号の説明】
10…燃料電池 12…固体高分子電解質膜
14…空気極 16…水素極
18…燃料電池構造体 20…セパレータ
22…燃料ガス用連通路 24…酸化剤ガス用連通路
26…ガス加湿装置 70、72、130、140…多孔質体
74…燃料ガス流路 76…給水路
88…酸化剤ガス流路 100…燃料電池システム
Claims (4)
- 燃料電池を作動させるために使用されるガスを、その使用直前に加湿するためのガス加湿装置であって、
気孔率が70%以下でかつ気孔径が40μm以下の多孔性を有する多孔質炭素焼結体を備え、
前記多孔質炭素焼結体は、中心部に前記ガスを通流させるためのガス流路を設けるとともに、
前記多孔質炭素焼結体の内部には、前記ガス流路を周回する位置に給水路が設けられ、
前記ガス流路に供給された前記ガスは、前記多孔質炭素焼結体の半径方向に沿って内方から外方に透過する際、前記給水路に供給される水によって加湿されることを特徴とする燃料電池用ガス加湿装置。 - 請求項1記載のガス加湿装置において、前記燃料電池は、固体高分子型燃料電池であることを特徴とする燃料電池用ガス加湿装置。
- 固体高分子電解質膜を挟んでアノード側電極とカソード側電極を対設した燃料電池構造体と、
前記燃料電池構造体を挟持するセパレータと、
前記燃料電池構造体および前記セパレータを一体的に貫通するガス用連通路に配設されるガス加湿装置と、
を備え、
前記ガス加湿装置は、気孔率が70%以下でかつ気孔径が40μm以下の多孔性を有する多孔質炭素焼結体を備え、
前記多孔質炭素焼結体は、中心部に前記ガスを通流させるためのガス流路を設けるとともに、
前記多孔質炭素焼結体の内部には、前記ガス流路を周回する位置に給水路が設けられ、
前記ガス流路に供給された前記ガスは、前記多孔質炭素焼結体の半径方向に沿って内方から外方に透過する際、前記給水路に供給される水によって加湿されることを特徴とする燃料電池。 - 請求項3記載の燃料電池において、前記多孔質炭素焼結体は、前記燃料電池用冷却水を前記給水路に供給するための水経路を有することを特徴とする燃料電池。
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