JP3552686B2 - 延伸用テトラフルオロエチレン重合体からなる多孔体フィルム - Google Patents

延伸用テトラフルオロエチレン重合体からなる多孔体フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、延伸用テトラフルオロエチレン重合体(以下、PTFEという)からなる多孔体フィルムに関する。詳しくは、ペースト押出成形後延伸操作により製造できる、強度の高い多孔体フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PTFEは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという)を単独で重合することにより、または必要に応じて改質モノマーと共に重合することにより得られ、種々の用途に使用されている。
PTFEは、水性分散重合により製造することができ、重合体粒子が分散した水性分散液の状態で得ることもできるし、水性分散重合液を凝固、乾燥させてファインパウダーとして得ることもできる。
従来のPTFEファインパウダーは、高い溶融粘度を有しており、溶融温度では容易に流動しないため、非溶融二次加工性を有する。そのため、PTFEファインパウダーは、一般的には、PTFEファインパウダーを潤滑剤とブレンドし、潤滑化PTFEを押出し法により造形し、次いで潤滑剤を除去して得られる押出し物を、通常はPTFEの融点より高い温度で融合(燒結)させて、最終製品形状にするペースト押出し成形が行われている。
【0003】
一方、PTFEファインパウダーから得られる重要な他の製品としては、衣服、テント、分離膜等の製品用の通気性布材料が挙げられる。これらの製品は、PTFEファインパウダーをペースト押出し成形して得られる押出し物を、未燒結状態において急速に延伸させ、水蒸気は透過できるが、凝縮水は透過できない性質を付与することにより得ることができる。
米国特許第4,654,406号明細書および米国特許4,576,869号明細書には、延伸性PTFEファインパウダーの技術を改善し、17質量%の潤滑剤を添加して得られた押出し物を、10%/秒〜100%/秒の速度で少なくとも1000%延伸することにより、少なくとも75%の延伸均一性が達成されることが記載されている。
しかしながら、PTFEを延伸して得た延伸製品に対する要求物性は年々高くなっており、この改良PTFEから得た延伸製品でも、強度が充分でないという問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、延伸性、フィブリル化性および非溶融二次加工性を有するPTFEペースト押出成形後延伸操作により製造できる、強度の高い多孔体フィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、延伸製品として得ることができる多孔体フィルムの強度を高めることができるPTFEを鋭意検討した結果、示差熱分析(以下、DSCともいう)測定から算出される吸熱比が特定の範囲であり、標準比重が特定の範囲であるPTFEが上記多孔体フィルムの強度を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、延伸性、フィブリル化性および非溶融二次加工性を有するPTFEであって、該重合体が2.160以下の標準比重を有し、示差熱分析測定から算出される吸熱比が0.15以下であPTFEからなり、空孔率が50〜97%であることを特徴とする多孔体フィルムを提供する。
また、本発明は、上記多孔体フィルムにおいて、PTFEの吸熱比が0.13以下である多孔体フィルムを提供する。
また、本発明は、上記多孔体フィルムにおいて、PTFEの吸熱比が0.10以下である多孔体フィルムを提供する。
【0006】
また、本発明は、上記多孔体フィルムにおいて、PTFEの標準比重が2.157以下である多孔体フィルムを提供する。
ここで、標準比重とは、JIS K6935−2に従って測定した値をいう。
また、本発明は、上記多孔体フィルムにおいて、PTFEの応力緩和時間が、少なくとも650秒である多孔体フィルムを提供する
さらに、本発明は、上記多孔体フィルムにおいて、多孔体フィルムの空孔率が50〜97%である多孔体フィルムを提供する
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるPTFEは、TFEの単独重合体であってもよいし、TFE以外のエチレン性不飽和基を有する含フッ素モノマーなどの改質モノマーとの共重合体であってもよい。エチレン性不飽和基を有する含フッ素モノマーとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブテン−1、パーフルオロへキセン−1、パーフルオロノネン−1、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ヘプチルビニルエーテル)、(パーフルオロメチル)エチレン、(パーフルオロブチル)エチレン、クロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。これらの含フッ素モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。改質モノマーは、通常1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下である。
本発明に使用されるPTFEは、延伸性、フィブリル化性、非溶融二次加工性を有する。これらの性質は、ペースト押出し成形に通常要求される性質である。
【0008】
また、本発明に使用されるPTFEは、標準比重、吸熱比が特定の範囲にあるものであり、これにより特徴付けられる。
本発明に使用されるPTFEの標準比重(以下、SSGという)は、2.160以下であり、好ましくは2.157以下である。このSSG値は、低い値であるといえる。SSGは、平均分子量の増大に伴い、減少する傾向がある。すなわち、本発明に使用されるPTFEは、SSG値が小さいので、その平均分子量がかなり高いものであることが予測できる。SSG値が2.160以下のPTFEは、押出し物の延伸倍率が3000%を超え、延伸均一性にも優れる。
本発明に使用されるPTFEの吸熱比は、0.15以下であり、0.13以下がより好ましく、0.10以下が特に好ましい。この吸熱比は、後述する吸熱比の測定において定義されるものである。一般にPTFEの示差熱分析による結晶融解挙動は複数のピークが観察される。これは、それぞれに対応した結晶構造などの違いがあると推測されるが、延伸加工においては、その構造がなくべく同一のものが多いほうが、均一な延伸が可能で、得られる多孔体の特性に優れるといえる。吸熱比は、その構造の均一性を示す指標であり、吸熱比が小さいほど、PTFE中の構造の乱れが小さいとを示している。吸熱比が0.15を超えると、高倍率延伸が困難となったり、破断強度も小さくなる傾向となる。
【0009】
本発明のPTFEからなる多孔体フィルムの破断強度は、19.6N(2.0kgf)〜49.0N(5.0kgf)の範囲が好ましく、29.4N(3.0kgf)〜49.0N(5.0kgf)の範囲がより好ましく、特に好ましくは34.3N(3.5kgf)〜49.0N(5.0kgf)の範囲である。破断強度は、大きいほど耐久性に等に優れるので好ましい。一方、破断強度が5.0kgfを超えるPTFEは、製造が非常に困難となる傾向がある。
また、本発明に使用されるPTFEは、応力緩和時間が、少なくとも650秒であるものが好ましく、少なくとも700秒であるものがより好ましく、少なくとも730秒であるものが特に好ましい。
本発明に使用されるPTFEは、水性分散重合により製造することができる。
水性分散重合は、TFE単独、またはTFEと改質モノマーとを用いて、分散剤および重合開始剤を含有する水系媒体中で、行うことができる。重合温度は、通常50〜120℃の範囲であり、好ましくは60〜100℃の範囲である。重合圧力は、適宜選定すればよいが、0.5〜4.0MPaの範囲になるようにすればよく、好ましくは1.0〜2.5MPaの範囲である。
【0010】
分散剤としては、連鎖移動性の少ないアニオン系界面活性剤がより好ましく、フルオロカーボン系の界面活性剤が特に好ましい。具体例としては、XC2nCOOM(ここで、Xは水素、塩素、フッ素、(CFCFを、Mは水素、NH、アルカリ金属を、nは6〜12の整数を示す。)、C2m+1O(CF(CF)CFO)CF(CF)COOM(ここで、Mは水素、NH、アルカリ金属を、mは1〜12の整数を、pは0〜5の整数を示す。)、C2n+1SOM、C2n+1CHCHSOM等が挙げられる。パーフルオロカーボン系の界面活性剤がより好ましく、C15COONH4、17COONH、C19COONH、C1021COONH、C15COONa17COONa、C19COONa、C15COOK17COOK、C19COOK、CO(CF(CF)CFO)CF(CF)COONH等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。分散剤の量は、使用される水の質量基準で、250〜5000ppmの範囲にすることが好ましい。この範囲にすることで水性分散液の安定性が向上し、得られるPTFEの破断強度が高くなる。また、水性分散液の安定性をさらに向上するために重合中に分散剤を追加添加することも好ましい。
【0011】
重合開始剤としては定のレドックス系重合開始剤を用いるとSSGが低く、吸熱比が小さく、押出し圧力が低く、破断強度が大きい本発明に使用されるPTFEが得られる。特定のレドックス系重合開始剤としては、過硫酸塩、臭素酸塩等の水溶性酸化剤と亜硫酸塩やジイミン等の還元剤の組合せが挙げられる。特に、特定のレドックス系重合開始剤として、臭素酸塩と亜硫酸塩の組み合わせがより好ましく、臭素酸カリウムと亜硫酸アンモニウムの組合せが最も好ましい。臭素酸塩と亜硫酸塩を用いる場合には、どちらかをあらかじめ重合槽に仕込み、ついでもう一方を連続的または断続的に加えて重合を開始させることが好ましく、臭素酸塩をあらかじめ重合槽に仕込み、ついで亜硫酸塩を連続的または断続的に加えることがより好ましい。重合開始剤の量は、適宜選定すればよいが、水の質量基準で2〜600ppmが好ましく、臭素酸塩と亜硫酸塩の組合せの場合にはそれぞれ5〜300ppmが好ましい。また、あらかじめ臭素酸塩を重合槽に仕込む場合は、臭素酸塩濃度を高くすることにより水性分散液の安定性がさらに向上する。重合開始剤の量は、少ないほど吸熱比が小さいPTFEが得られる傾向となるので好ましい。また、重合開始剤の量は、あまりに少ないと重合速度が遅くなりすぎる傾向となり、あまりに多いと生成するPTFEのSSGが高くなる傾向となる。
【0012】
水性分散重合は、安定化助剤の存在下に実施することが好ましい。安定化助剤としては、パラフィンワックス、フッ素系オイル、フッ素系溶剤、シリコーンオイル等が好ましい。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、パラフィンワックスの存在下に行うことが好ましい。パラフィンワックスとしては、室温で液体でも、半固体でも、固体であってもよいが、炭素数12以上の飽和炭化水素が好ましい。パラフィンワックスの融点は、通常40〜65℃が好ましく、50〜65℃がより好ましい。パラフィンワックスの量は、使用される水の質量基準で0.1〜12質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましい。
水性分散重合は、通常、水系重合混合物を穏やかに撹拌することにより行われる。生成した水性分散液中のPTFE微粒子が凝集しないように撹拌条件が制御される。水性分散重合は、通常、水性分散液中のPTFE微粒子の濃度が15〜40質量%になるまで行われる。
水性分散重合は、酸を添加して酸性状態で行うことが水性分散液の安定化のために好ましい。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の酸が好ましく、硝酸がより好ましい。硝酸を加えることにより水性分散液の安定性がさらに向上する。
水性分散重合によりPTFE微粒子が分散した水性分散液が得られるが、水性分散液中のPTFE微粒子の粒径は、通常0.02〜1.0μmと広い分布を有し、平均粒子径は0.1〜0.4μm程度である。
得られた水性分散重合液からPTFE微粒子を凝集し、乾燥させてPTFEファインパウダーを得る。凝集方法としては、水性分散液を高速撹拌することによってPTFE微粒子を凝集させることが好ましい。このとき、凝析剤を添加することが好ましい。凝析剤としては、炭酸アンモニウムや多価無機塩類、鉱酸類、陽イオン界面活性剤、アルコール等が好ましく、炭酸アンモニウムがより好ましい。
【0013】
凝集により湿潤状態で得られるPTFEの乾燥は、任意の温度で行うことができるが、100〜250℃の範囲で行うことが好ましく、130〜200℃の範囲で行うことが特に好ましい。乾燥によって、本発明に使用されるPTFEファインパウダーを得ることができる。このPTFEファインパウダーは、その平均粒径が100〜800μmの範囲のものが好ましく、400〜600μmの範囲のものが特に好ましい。
また、本発明は、上記の特性を有するPTFEからなる多孔体フィルムを提供する。多孔体フィルムは、種々の方法により製造したものが挙げられるが、例えば、ペースト押出し成形後に延伸を施すことにより得られる多孔体ィルムどが挙げられる。
ペースト押出し成形とは、PTFEファインパウダーを潤滑剤と混合して、PTFEファインパウダーに流動性を持たせてフィルム、チューブ等の成形物を成形するものである。潤滑剤の混合割合は、PTFEファインパウダーに流動性を持たせるように、適宜選定すればよく、通常10〜30質量%にすればよい。潤滑剤としては、ナフサ、沸点が200℃以上の石油系炭化水素が好ましく用いられる。また、延伸は、適当な速度、例えば5%/秒〜1000%/秒の速度で、適当な延伸倍率、例えば500%以上の延伸倍率になるように施せばよい。
多孔体フィルムの空孔率は特に制限ないが、通常空孔率が50〜97%の範囲が好ましく、70〜95%の範囲が特に好ましい
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本願発明はこれらに限定されない。以下において、部は質量部を示す。例1〜3が実施例であり、例4が比較例である。
なお、実施例において、延伸性の評価、破断強度、応力緩和時間の測定は、以下に示す方法により行った。
【0015】
(1)吸熱比の測定
示差熱分析計(DSC−7、PERKIN ELMER社製)を用いて測定した。サンプルの10.0mgを用い、初期温度200℃で1分間保持した後、10℃/分で380℃まで昇温して、示差熱曲線を得た。得られた示差熱曲線上の310℃の点と350℃の点を結んでベースラインとした。示差熱曲線上の最も高いピークからベースラインに向けて下した長さをAとする。最も高いピークからベースラインに下した交点より10℃低温側のベースライン上の点から示差熱曲線までの長さをBとする。B/Aの値を吸熱比とした。
【0016】
(2)延伸性の評価
室温で2時間以上放置されたPTFEのファインパウダー100gを内容量900ccのガラス瓶に入れ、アイソパーH(登録商標、エクソン社製)潤滑剤21.7gを添加し、3分間混合してPTFE混合物を得た。得られたPTFE混合物を25℃恒温槽に2時間放置した後に、リダクションレシオ(ダイスの入り口の断面積と出口の断面積の比)100、押出し速度51cm/分の条件で、25℃にて、直径2.5cm、ランド長1.1cm、導入角30°のオリフィスを通して、ペースト押出ししビードを得た。得られたビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤を除去した。次いで、ビードの長さを適当な長さに切断し、クランプ間が3.8cmまたは5.1cmのいずれかの間隔となるよう、各末端を固定し、空気循環炉中で300℃に加熱した。次いで、クランプが所定の間隔になるまで所定の速度で延伸した。この延伸方法は、押出しスピード(51cm/分)が異なることを除いて、本質的に米国特許第4,576,869号明細書に開示された方法に従った。「延伸」とは、長さの増加であり、通常元の長さと関連して表わされる。
【0017】
(3)応力緩和時間の測定
応力緩和時間の測定用のサンプルは、クランプ間隔3.8cm、延伸速度1000%/秒、総延伸2400%を用い、延伸性の評価のように、ビードを延伸することにより、作製する。この延伸ビードのサンプルの両方の末端は、固定具につなげることにより、ぴんと張られた全長25cmの延伸ビードである。応力緩和時間とは、このサンプルが390℃、すなわち、米国特許第5,470,655号明細書に開示されている延長鎖形状の溶ける380℃より高い温度でオーブン中に放置した後に破断するのに要する時間である。固定具におけるサンプルは、オーブンの側部にある(覆われた)スロットを通してオーブンに挿入されるので、サンプルを配置する間に温度は下降することがなく、それゆえに米国特許第4,576,869号明細書に開示されたように回復にしばしの時間を必要としない。
【0018】
[例1]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの928g、超純水の55L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの36g、コハク酸の1g、1Nの硝酸水溶液の8ml、臭素酸カリウムの0.4gを仕込んだ。窒素パージ、脱気を行った後に、65℃に昇温した。温度が安定した後にTFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。内容物を撹拌下に、亜硫酸アンモニウム140ppm水溶液1Lを60分連続添加して重合を開始した。重合が進行すると共にTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つようにTFEを連続的に供給した。亜硫酸アンモニウムの添加終了後にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの11.1質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から270分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージし、ついで気相を窒素で置換した。得られた固形分28.9質量%のPTFE水性分散液を炭酸アンモニウム存在下で凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを160℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。そして、得られたPTFEファインパウダーのSSG、吸熱比および平均粒径を測定した。また、得られたPTFEファインパウダーをクランプ間隔5.1cm、延伸速度100%/秒、総延伸2400%を用い、延伸性の評価と同様にして、ビードを延伸することにより、破断強度試験測定用サンプルを作製した。破断強度は、延伸ビードから得られる3つのサンプル、延伸ビードの各末端から1つ(クランプの範囲においてネックダウンがあればそれを除く)、およびその中心から1つ、の最小引張り破断負荷(力)として、測定した。5.0cmのゲージ長である、ジョーにおいてサンプルを挟んで固定し、可動ジョー300mm/分のスピードで駆動させ、引張り試験機(エーアンドディ社製)を用いて、室温で測定した。破断強度は、37.3Nであり、多孔体として有用な非常に高い破断強度を示した。
応力緩和時間は前述の方法に従い測定した。
ついで、PTFEファインパウダー600gをガラス製のボトルに20重量%の割合で潤滑剤であるアイソパーG(Exxon社製)を加え、100rpmで30分間回転させることにより混合した。ブレンドした樹脂を室温で24時間熟成させた。この樹脂を0.2MPaの圧力を120秒間プレスして直径68mmのプレフォームを得た。このプレフォームを直径11mmのオリフィスを通して押出しを行い、押出し物を厚さ0.1mmまで圧延した。該圧延シートを長さ5cm、幅2cmの短冊状とし、300℃の温度下、100%/秒の速度で10倍に延伸した。得られたフィルムの空孔率は、90%であった。
【0019】
[例2]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの928g、超純水の55L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの25g、コハク酸の1g、1Nの硝酸水溶液の8ml、臭素酸カリウムの0.4gを仕込んだ。窒素パージ、脱気を行った後に、85℃に昇温した。温度が安定した後にTFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。内容物を撹拌下に、亜硫酸アンモニウム140ppm水溶液1Lを60分連続添加して重合を開始した。重合が進行すると共にTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つようにTFEを連続的に供給した。亜硫酸アンモニウムの添加終了後にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの11.1質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から250分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージし、ついで気相を窒素で置換した。得られた固形分24.1質量%のPTFE水性分散液を炭酸アンモニウム存在下で凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを140℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。例1と同様にして、PTFEファインパウダーのSSG、吸熱比および平均粒径、延伸ビードの破断強度、応力緩和時間を測定した。
例1と同様に、多孔体の破断強度を測定したところ、34.8Nであり、多孔体として有用な非常に高い破断強度を示した。
【0020】
[例3]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの928g、超純水の55L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの36g、コハク酸の1g、1Nの硝酸水溶液の8ml、臭素酸カリウムの0.4gを仕込んだ。窒素パージ、脱気を行った後に、85℃に昇温した。温度が安定した後にTFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。内容物を撹拌下に、亜硫酸アンモニウム180ppm水溶液1Lを60分連続添加して重合を開始した。重合が進行すると共にTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つようにTFEを連続的に供給した。重合開始40分から60分の間に連続的にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの3.6質量%水溶液1Lを添加した。亜硫酸アンモニウムの添加終了後にパーフルオロオクタン酸アンモニウムの8.1質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から250分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージし、ついで気相を窒素で置換した。得られた固形分29.9質量%のPTFE水性分散液を炭酸アンモニウム存在下で凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを160℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。例1と同様にして、PTFEファインパウダーのSSG、吸熱比および平均粒径、延伸ビードの破断強度、応力緩和時間を測定した。
【0021】
[例4]
100Lの重合槽に、パラフィンワックスの736g、超純水の59L、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの33gを仕込んだ。70℃に昇温し、窒素パージ、脱気を行った後、TFEを導入し、1.9MPaの圧力とした。撹拌下に、ジコハク酸パーオキサイドの0.5質量%水溶液1Lを圧入して重合を開始した。重合の進行に伴いTFEが消費されて重合槽内の圧力が低下したので、圧力を一定に保つように重合中はTFEを連続的に供給した。重合開始から45分後から6℃/時で90℃まで昇温した。また、TFEの供給量が6.6kgとなった時点で、パーフルオロオクタン酸アンモニウムの5.6質量%水溶液1Lを添加した。重合開始から160分経過した時点で、撹拌およびTFEの供給を停止し、重合槽内のTFEをパージして重合を停止した。得られた固形分24.3質量%のPTFE水性分散液を凝集し、湿潤状態のPTFEを分離した。得られた湿潤状態のPTFEを205℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを得た。例1と同様にして、PTFEファインパウダーのSSG、吸熱比および平均粒径、ペースト押出し時の押出し圧力、応力緩和時間を測定した。
例1と同様に、多孔体の破断強度を測定したところ、9.8Nであり、非常に低いものであった。
【0022】
【表1】
Figure 0003552686
【0023】
【発明の効果】
本発明のPTFEからなる多孔体フィルムは、標準比重が低く、吸熱比が低いPTFEを使用して得られるので、強度が高いという効果を発揮する。

Claims (6)

  1. 延伸性、フィブリル化性および非溶融二次加工性を有するテトラフルオロエチレン重合体であって、該重合体が2.160以下の標準比重を有し、示差熱分析測定から算出される吸熱比が0.15以下であテトラフルオロエチレン重合体からなることを特徴とする多孔体フィルム
  2. テトラフルオロエチレン重合体の吸熱比が0.13以下である請求項1に記載の多孔体フィルム
  3. テトラフルオロエチレン重合体の吸熱比が0.10以下である請求項1または2に記載の多孔体フィルム
  4. テトラフルオロエチレン重合体の標準比重が2.157以下である請求項1〜3のいずれかに記載の多孔体フィルム
  5. テトラフルオロエチレン重合体の応力緩和時間が、少なくとも650秒である請求項1〜4のいずれかに記載の多孔体フィルム
  6. 多孔体フィルムの空孔率が50〜97%である請求項1〜5のいずれかに記載の多孔体フィルム
JP2001226179A 2000-10-30 2001-07-26 延伸用テトラフルオロエチレン重合体からなる多孔体フィルム Expired - Fee Related JP3552686B2 (ja)

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