JP3552371B2 - 波形整形回路 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の回転センサから入力される交番アナログ信号を2値化する波形整形回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等に搭載されたエンジンの電子制御システムにおいては、
エンジンの運転状態を検出する各種センサ等からの検出信号をマイクロコンピュータに入力し、これら検出信号に基づきマイクロコンピュータが燃料噴射装置に対する噴射信号や点火装置に対する点火信号等を生成することにより、エンジンの運転状態に応じたエンジン制御を行っている。
【0003】
そして、マイクロコンピュータは、これら噴射信号や点火信号の制御量や制御タイミングを適正に決定するために少なくともエンジンの回転数を正確に把握する必要がある。
このため、このようなシステムには、図8に示すように、エンジンのカム軸と同期して回転する回転軸に取り付けられ、所定間隔毎に突起が形成されたシグナルロータ102、及びこのシグナルロータ102の近傍に配置され、磁性体材料からなるコアにコイルを巻装することで構成された電磁ピックアップ104からなり、シグナルロータ102の回転に伴って突起が電磁ピックアップ104の近傍を順次通過することにより、電磁ピックアップ104に誘起される交番アナログ信号Sinを出力する回転センサ106と、回転センサ106からの交番アナログ信号Sinを、所定の比較基準値Vthにて2値化することにより波形整形する波形整形回路108とが備えられ、この波形整形回路108から出力される2値化信号Sout をマイクロコンピュータに入力し、この2値化信号Sout からシグナルロータ102の回転数、延いてはエンジンの回転数等を算出するようにされている。
【0004】
そして2値化信号Sout が正確に交番アナログ信号Sinに対応するような精度のよい2値化を行うために、波形整形回路108は、交番アナログ信号Sinを所定の比較基準値Vthと大小比較して2値化するコンパレータ122と、コンパレータ122から出力される2値化信号Sout に基づいて比較基準信号Vthを生成するスレッショルド生成回路124とにより構成され、しかも、スレッショルド生成回路124は、ヒステリシスを有し、且つ2値化信号Sout の周波数、即ちエンジン回転数に応じてヒステリシスの幅が変化する比較基準値Vthを生成するように構成されたものが用いられている。なお、ここでは、図11に示すように、比較基準値Vthの一方のレベルを固定し、他方のレベル(以下、スレッショルド電圧Vfとよぶ)をエンジン回転数、即ち交番アナログ信号Sinの周波数に応じて変化させることにより、ヒステリシスの幅を変化させている。
【0005】
即ちこれは、図8に示すように、シグナルロータ103及び電磁ピックアップ105を用いて同様に形成された他の回転センサ107が、回転センサ106に近接して配置されている場合、回転センサ106の電磁ピックアップ104は、他の回転センサ107のシグナルロータ103の影響を受け、図9(a)に示すように、干渉ノイズNが重畳された交番アナログ信号Sinを出力する。このような交番アナログ信号Sinを、例えば固定レベルの比較基準信号Vthにて2値化したとすると、図9(b)に示すように、2値化信号Sout のレベル反転時にばたつきが生じるため、このような2値化信号Sout からでは、エンジン回転数を正確に求めることができず、延いては、電子制御システムの信頼性を低下させてしまうことになる。
【0006】
ところが、比較基準信号Vthがヒステリシスを有しており、しかもヒステリシスの幅,即ちヒステリシス電圧Vfが干渉ノイズNの振幅より大きく設定されていれば、図9(c)に示すように、2値化信号Sout のばたつきを確実に防止することができ、延いては、この2値化信号Sout からエンジン回転数を正確に求めることができるのである。
【0007】
なお、スレッショルド電圧Vfが大きいほど、干渉ノイズNの影響を確実に除去できるのであるが、スレッショルド電圧Vfを、2値化の対象である電磁ピックアップ104の出力、即ち交番アナログ信号Sinの振幅より大きくすることはできない。
【0008】
しかも、これら干渉ノイズNの振幅や、電磁ピックアップ104の出力は、図10に示すように、一般的に、エンジン回転数が比較的小さい時には、エンジン回転数に略比例して増大し、ある程度以上にエンジン回転数が大きくなると、エンジン回転数に対して増大する割合が小さくなったり、逆に減少するというような特性を有する。つまり、スレッショルド電圧Vfが干渉ノイズNの振幅より小さい(領域B)と、干渉ノイズNの影響を除去することができず、電磁ピックアップ104の出力より大きい(領域C)と、回転センサ106の出力を2値化できなくなる。このため、スレッショルド電圧Vf、即ちヒステリシスの幅がこの領域B,Cの間の範囲内に常に納まるように、エンジン回転数に応じてスレッショルド電圧Vfを変化させているのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、干渉ノイズNの特性(領域Bの形状)は他の回転センサとの配置等によって変化し、また、電磁ピックアップ104の出力特性(領域Cの形状)は、回転センサ106単体のばらつきによって変化するため、センサや周辺装置の配置が異なる電子制御システム毎、例えば電子制御システムを搭載する車種が異なる毎に、スレッショルド電圧Vfの最適な特性が異なったものとなる。つまり、システム毎にスレッショルド電圧Vfの特性が夫々異なる波形整形回路108を用意しなければならなず、波形整形回路108を各システムで共通に使用できないという問題があった。
【0010】
また、例えば、既に自動車等に組み込まれた電子制御システムに、新たなセンサや装置を追加したり、また、経年変化等により回転センサの特性が変化する等して、干渉ノイズNや電磁ピックアップ104の出力特性が変化してしまうと、予め設定されたスレッショルド電圧Vfの特性は、最適値からはずれてしまうことになるため、2値化の精度が劣化してしまうという問題もあった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するために、干渉ノイズや回転センサの特性によらず、回転センサからの交番アナログ信号を、常に精度よく2値化することが可能な波形整形回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明においては、比較手段が、回転センサから入力される交番アナログ信号と、判定信号とを比較することにより2値化信号を生成する。なお、判定信号は、大小2つの判定レベルを有し、交番アナログ信号が大きい判定レベルより大きくなると小さい判定レベルに変化し、小さい判定レベルより小さくなると大きい判定レベルに変化する。即ち、ヒステリシスを有する。
【0013】
つまり、判定レベルの差、即ちヒステリシスの幅より振幅の小さなノイズが、交番アナログ信号に重畳されていたとしても、2値化信号のレベルが反転する近傍にてレベルのばたつきが生じることがないようにされている。
しかも比較手段からの2値化信号に基づいて、この判定信号を生成する判定信号生成手段は、判定信号の2つの判定レベルの差を、交番アナログ信号の周波数に応じて変化させ、しかも、その周波数特性を、外部から入力される設定信号により変更できるように構成されている。
【0014】
従って、本発明の波形整形回路によれば、判定信号の2つの判定レベルの差が、交番アナログ信号に重畳されるノイズの振幅より常に大きくなるように、その周波数特性を設定することにより、この判定信号を用いて交番アナログ信号を、ノイズの影響を受けることなく正確に2値化することができる。
【0015】
また、本発明の波形整形回路は、当該波形整形回路の使用環境に応じて干渉ノイズの周波数特性が様々に異なっていても、設定信号により、この使用環境に応じて判定レベルの差の周波数特性を常に最適なものに設定できるため、様々なシステムや装置において共通に且つ好適に使用することができる。
【0016】
次に、請求項2に記載の発明においては、基本信号生成手段が、交番アナログ信号の周波数に比例した大きさの基本信号を生成し、この基本信号に基づき、第1判定レベル生成手段が、所定の周波数特性を有する第1の判定レベルを生成すると共に、第2判定レベル生成手段が、所定の固定レベルとなる第2の判定レベルを生成することにより、2つの判定レベルの差が所定の周波数特性を有する判定信号を生成する。
【0017】
そして、第1判定レベル生成手段おいて、レベル制限手段が、基本信号の上限および下限を制限することにより、上限の周波数以上および下限の周波数以下では、基本信号の信号レベルは、周波数に関係なく一定となり、また、増幅手段が、基本信号を増幅することにより、周波数に応じて基本信号の信号レベルが変化する割合が変化し、更に、レベルシフト手段が、基本信号の信号レベルをシフトすることにより、基本信号の動作範囲がシフトする。
【0018】
従って、本発明の波形整形回路によれば、これらレベル制限手段の上限値および下限値、増幅手段の増幅率、レベルシフト手段のシフト量のうち少なくともいずれか一つが設定信号に応じて変更可能にされているため、第1の判定レベルの周波数特性を、干渉ノイズ等の特性に応じて変更できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図2は、本実施例の波形整形回路が適用された4気筒エンジンの電子制御システムの全体構成を表すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、電子制御システムは、4気筒エンジンのカム軸と同期して回転するシグナルロータ2、及びこのシグナルロータ2の回転を検出する電磁ピックアップ4からなる回転センサ6と、回転センサ6から入力される交番アナログ信号Sinを2値化することで波形整形し、波形整形出力として2値化信号Sout を出力する波形整形回路8と、エンジン各部に配設された他の図示しないセンサを介して入力されるエンジン水温やバッテリ電圧に対応したアナログ信号をA/D変換するA/Dコンバータ10と、エンジン制御のための各種電子回路の動作状態等を表す電気負荷信号、スロットルバルブがアイドル位置に有るか否か表すアイドル信号、スタータが動作しているか否かを表すスタータ信号等、いわゆるオンオフ信号を入力し、これらの信号レベルをデジタル処理に適したレベルに変換する入力バッファ12と、波形整形回路8、A/Dコンバータ10、入力バッファ12を介して得られる各種信号を随時取り込み、これら各種信号からエンジン状態を求め、求めたエンジン状態に応じて燃料噴射装置(図示せず)に対する噴射信号や点火装置(図示せず)に対する点火信号等を生成する処理や、波形整形回路8の特性を設定するための設定データD0〜D3を波形整形回路8に送信する処理等を実行するマイクロコンピュータ14とにより構成されている。
【0021】
このうち回転センサ6を構成するシグナルロータ2は、その外周面に磁性体からなる4つの突起2a,2b,2c,2dが90°毎の等間隔に形成されている。一方、電磁ピックアップ4は、磁性体材料からなるコアにコイルを巻装することで構成され、シグナルロータ2の近傍に配置されている。
【0022】
そして、シグナルロータ2の回転に伴って突起2a〜2dが電磁ピックアップ4の近傍を順次通過し、これに応じてコイルを通過する磁束が変化することにより、電磁ピックアップ4にはシグナルロータ2の回転、延いてはエンジンの回転に応じた交番アナログ信号Sinが誘起される。この誘起された交番アナログ信号Sinが波形整形回路8に入力される。
【0023】
次に、波形整形回路8は、図1に示すように、反転入力が入力端子Tiに接続され、出力が出力端子Toに接続され、入力端子Tiを介して回転センサ6から入力される交番アナログ信号Sinを2値化して、出力端子Toを介してマイクロコンピュータ14に2値化信号Sout を出力するコンパレータ22と、コンパレータ22が出力する2値化信号Sout に基づき、交番アナログ信号Sinを2値化するための比較基準信号Vthを生成する比較基準信号生成回路23と、マイクロコンピュータ14から受信する設定データD0〜D3を保持して、比較基準信号生成回路23に供給する設定回路36と、により構成されている。
【0024】
なお、設定回路36は、設定データD0〜D3の値を保持するためのレジスタ36a(図4参照)を備えており、波形整形回路8に電源が投入されると、予め用意された初期値をレジスタ36aに設定し、その後、マイクロコンピュータ14から設定データD0〜D3を受信した場合には、レジスタ36aの設定値を受信した値に書き換えると共に、マイクロコンピュータ14に対して確認信号ACKを送信するように構成されている。
【0025】
また、比較基準信号生成回路23は、コンパレータ22からの2値化信号Sout に基づき、その周波数に対応した電圧変換信号Vfvを生成するF/V変換回路24と、2値化信号Sout がHighレベルの時に、所定の波高値を有し、且つ電圧変換信号Vfvの電圧値に比例した速度にてそのレベルが減衰するダイナミックヒステリシス電流Imを生成し、ダイオード26を介して出力するダイナミックヒステリシス生成回路28と、同様に2値化信号Sout がHighレベルの時に、電圧変換信号Vfvの電圧値に応じてレベルが変化するスレッショルド電流Ifを生成し、ダイオード30を介して出力する第1スレッショルド生成回路32と、電源電圧VDDを分圧すると共に、ダイナミックヒステリシス電流Im及びスレッショルド電流Ifを電圧値に変換し、これら分圧電圧と変換電圧とを加算した電圧を、交番アナログ信号Sinを2値化するための比較基準信号Vthとしてコンパレータ22の非反転入力に印加する第1の分圧回路20と、2値化信号Sout がLow レベルの時に、第1の分圧回路20と共に所定電圧を発生し、これを比較基準信号Vthとしてコンパレータの非反転入力に印加する第2スレッショルド生成回路34と、により構成されている。
【0026】
このうち、第2スレッショルド生成回路34は、一端がコンパレータ22の非反転入力に接続された抵抗45と、この抵抗45の他端にコレクタが接続され、エミッタが接地されたトランジスタQ7と、コンパレータ22の出力を反転してトランジスタQ7のベースに印加する反転回路47とにより構成されており、2値化信号Sout がLowレベルの時に、トランジスタQ7を導通させてコンパレータ22の非反転入力を抵抗45を介して接地することにより、第1の分圧回路20の抵抗値と、抵抗45の抵抗値とで決まる所定電圧を発生させている。
【0027】
一方、第1スレッショルド生成回路32は、図1に示すように、ベースに電圧変換信号Vfvが印加され、エミッタが抵抗38を介して接地されたトランジスタQ1と、エミッタがトランジスタQ1のベースに接続され、コレクタが接地されたトランジスタQ2と、電源電圧VDDを所定の分圧比にて分圧してトランジスタQ2のベースに印加する第2の分圧回路40と、コレクタがトランジスタQ1のコレクタに接続され、エミッタが電源に接続されたトランジスタQ3と、ベースがトランジスタQ1のコレクタに接続され、エミッタが抵抗42を介してトランジスタQ3のベースに接続され、コレクタが接地されたトランジスタQ5と、ベースがトランジスタQ3のベースに接続され、エミッタが電源に接続され、トランジスタQ3,Q5及び抵抗42と共にベース電流補正型のミラー回路を構成するトランジスタQ4と、コレクタがトランジスタQ4のコレクタに接続され、エミッタが接地され、ベースが2値化信号Sout を反転させる反転回路43の出力に接続されたトランジスタQ6と、トランジスタQ6と並列接続され、所定電流Icを流す定電流回路44と、により構成されている。
【0028】
なお、定電流回路44、第2の分圧回路40およびトランジスタQ2が本発明におけるレベル制限手段に相当し、また第1の分圧回路20がレベルシフト手段、トランジスタQ1,抵抗38,及び第1の分圧回路20が増幅手段に相当する。
【0029】
このように構成された第1スレッショルド生成回路32において、トランジスタQ1は、電圧変換信号Vfvに応じた所定のコレクタ電流Iref を流す。そして、トランジスタQ3,Q4,Q5及び抵抗42がミラー回路を構成しているため、トランジスタQ4も、トランジスタQ1と同様のコレクタ電流Iref を流す。
【0030】
ここで、電圧変換信号Vfvの電圧レベルが小さく、コレクタ電流Iref が定電流回路44の流す定電流Ic以下である場合、トランジスタQ4のコレクタ電流Iref は全て定電流回路44により吸い取られるため、当該第1スレッショルド生成回路32から出力されるスレッショルド電流Ifはゼロとなる。
【0031】
一方、電圧変換信号Vfvの電圧レベルが増大し、コレクタ電流Iref が定電流Icより大きくなると、コレクタ電流Iref から定電流Ic分だけ差し引かれた電流(Iref −Ic)が、スレッショルド電流Ifとなる。
そして、更に電圧変換信号Vfvの電圧レベルが増大し、トランジスタQ2のベース電圧、即ち第2の分圧回路40の出力電圧Vbより大きくなると、トランジスタQ2がオン状態となり、電圧変換信号Vfvの電圧レベルによらず、トランジスタQ1のベース電圧は、第2の分圧回路40の分圧値により決まる一定電圧に保持され、コレクタ電流Iref,延いてはスレッショルド電流Ifも一定となる。 なお、コンパレータ22からの2値化信号Sout が、Low レベルである場合、トランジスタQ6が導通することにより、スレッショルド電流Ifの流出が禁止される。
【0032】
ここで、図3は、第1の分圧回路20、第2の分圧回路40、及び定電流回路44の構成を表す電気回路図である。
図3に示すように、定電流回路44は、トランジスタQ4のコレクタに接続される端子aから電流の供給を受けて定電流Ic1を流す定電流源46と、設定回路36のレジスタ36aに設定された設定データD0がHighレベル(=1)の時にオン状態となるスイッチSL と、スイッチSL を介して端子aから電流の供給を受けて定電流Ic2を流す定電流源48とからなる。
【0033】
即ち、図4(a)に示すように、スイッチSL がオフ状態(D0=0)の時には、コレクタ電流Iref (図中点線)が定電流回路44が流す定電流値Ic1に等しくなる所定エンジン回転数に達すると、スレッショルド電流Ifが流れ始め、また、スイッチSL がオン状態(D0=1)の時には、コレクタ電流Iref が定電流値Ic1+Ic2に等しくなる所定のエンジン回転数に達すると、スレッショルド電流Ifが流れ始める。
【0034】
また、第2の分圧回路40は、一端が電源、他端がトランジスタQ2のベースへの出力端子bに接続された抵抗50(抵抗値Ra)と、一端が出力端子bに接続され他端が接地された抵抗52(抵抗値Rb1)と、レジスタ36aに設定された設定データD1がHighレベル(=1)の時にオン状態となるスイッチSH と、一端がスイッチSH を介して出力端子bに接続され他端が接地された抵抗54(抵抗値Rb2)とからなる。
【0035】
即ち、スイッチSH がオフ状態(D1=0)の時の出力電圧Vb{D1=0}は(1)式にて表され、スイッチSH がオン状態(D1=1)の時の出力電圧Vb{D1=1}は(2)式にて表される。
Vb{D1=0}=VDD・Rb1/(Ra+Rb1) ・・・(1)
Vb{D1=1}=VDD・Rb/(Ra+Rb) ・・・(2)
但し、Rb=Rb1・Rb2/(Rb1+Rb2)であり、Rb1>Rbであるため、スイッチSH がオン状態の時には、オフ状態の時に比べて、トランジスタQ2のベースに印加される電圧は低く(Vb{D1=0}>Vb{D1=1})なる。
【0036】
そして、図4(a)の点線に示すように、電圧変換信号Vfvが、第2の分圧回路40の出力電圧Vbよりトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbe分だけ大きいVH0(=Vb{D1=0}+Vbe)、VH1(=Vb{D1=1}+Vbe)に等しくなる所定のエンジン回転数以上にて、コレクタ電流Iref は一定値となる。
【0037】
このように、設定データD0,D1によりスレッショルド電流Ifの特性が設定される。
次に、第1の分圧回路20は、設定データD2,D3に応じて、出力SLij(i,j=0,1、但しiはD2,jはD3の設定値を表す)のいずれか一つを選択するセレクタ60と、出力SL00が選択されるとオン状態となるスイッチS11,S21と、出力SL01が選択されるとオン状態となるスイッチS12,S22と、出力SL10が選択されるとオン状態となるスイッチS13,S23と、出力SL11が時にされるとオン状態となるスイッチS14,S24と、一端が電源VDDに接続され、他端が夫々スイッチS11,S12,S13,S14を介してコンパレータ22の非反転入力への出力端子cに接続された抵抗61(抵抗値R11、以下同様),63(R12),65(R13),67(R14)と、一端が夫々スイッチS21,S22,S23,S24を介して出力端子cに接続され、他端が接地された抵抗62(R21),64(R22),66(R23),68(R24)とにより構成されている。
【0038】
なお、各抵抗の抵抗値は、次式(3)〜(8)の関係を満たすように設定されている。
R21/(R11+R21)=R22/(R12+R22)=K0 ・・・(3)
(R11/R21=R12/R22)
R23/(R13+R23)=R24/(R14+R24)=K1 ・・・(4)
(R13/R23=R14/R24)
K0>K1 ・・・(5)
R11・K0=R13・K1=α0 ・・・(6)
R12・K0=R14・K1=α1 ・・・(7)
α0>α1 ・・・(8)
そして、セレクタ60により信号SLijが選択されている時に、スレッショルド電流Ifと第1の分圧回路20とにより生成されるスレッショルド電圧Vfは、次の(9)式にて表される。
【0039】
Vf{SLij}=VDD・Ki+If・αj ・・・(9)
即ち、図4(b)に示すように、スレッショルド電圧Vfは、(9)式の第1項によりスレッショルド電流Ifがゼロである領域A1の電圧値、即ちスレッショルド電圧Vfの下限値が決定され、第2項によりスレッショルド電流Ifがエンジン回転数に応じてリニアに変化する領域A2の傾き、延いてはスレッショルド電流Ifが一定となる領域A3の電圧値、即ちスレッショルド電圧Vfの上限値が決定される。
【0040】
そして、設定データD3を固定して設定データD2(即ち、i)のみを変化させると、(9)式の第1項の値のみが変化するため、領域A2の傾きを変化させることなくスレッショルド電圧Vfの特性がシフトし、また、設定データD2を固定して設定データD3(即ち、j)のみを変化させると、第2項の値のみが変化するため、スレッショルド電圧Vfの下限値を変化させることなく、領域A2の傾き、及びスレッショルド電圧Vfの上限値が変化する。
【0041】
なお、図4(b)では、設定データD0=1,D1=1に固定して設定データD2,D3のみを変化させることにより得られる4つの特性を示しているが、設定データD0,D1の各組み合せ毎に、同様に4つの特性を実現できるため、合計16通りの特性を設定することができる。
【0042】
このように、設定データD0〜D3を適宜設定することにより、スレッショルド電圧Vf、即ち2値化信号Sout がHighレベルの時における比較基準値Vthは所望の特性に設定される。つまり、2値化信号Sout がLow レベルの時の比較基準信号Vthは、第2スレッショルド生成回路34により、一定値に固定されているので、このスレッショルド電圧Vfを変化させることにより、比較基準信号Vthのヒステリシスの幅を変化させることができるのである。
【0043】
ところで、ダイナミックヒステリシス生成回路28は、本願出願人が既に出願している特願平6−211499号に詳述されており、本発明の主要部分ではないので、その詳細な構成については説明を省略するが、図5に、ダイナミックヒステリシス生成回路28が出力するダイナミックヒステリシス電流Imの波形図を示す。即ち、図5(b)に示すように、ダイナミックヒステリシス電流Imは、2値化信号Sout がLow レベルからHighレベルに反転した時に、所定の波高値を有し、以後電圧変換信号Vfvに応じた一定の割合で減衰して、所定時間Tm後にゼロとなる波形を有する。なお、波高値は電圧変換信号Vfvの大きさによらず一定であり、従って、電圧変換信号Vfvが大きい程、即ちエンジン回転数が大きい程、減衰に要する時間Tmが短くなるようにされ、2値化信号Sout がHighレベルからLow レベルに反転するまでの間に、必ず波高値がゼロとなるようにされている。なお、図5(c)は、スレッショルド電流Ifの波形図であり、図に示すように、スレショルド電流Ifは、2値化信号Sout がHighレベルの時に、電圧変換信号Vfvに応じたレベルとなる。
【0044】
従って、比較基準信号生成回路23にて、2値化信号Sout がHighレベルの時に生成される比較基準信号Vthは、図6(a)に示すように、ヒステリシス電圧Vfに、ダイナミックヒステリシス電流Imが第1の分圧回路20に流れ込むことにより発生するダイナミックヒステリシス電圧Vfを加算したものとなる。
【0045】
なお、ダイナミックヒステリシス電圧Vmは、次の(10)式にて求めることができる。
Vm=Im・αi ・・・(10)
このように、比較基準電圧Vthがスレッショルド電圧Vf分のヒステリシスを有するため、干渉ノイズNによる誤動作を防止できる共に、ダイナミックヒステリシス電圧Vmが加算されていることにより、点火ノイズなど、スレッショルド電圧Vfより大きな振幅を有するノイズN1が交番アナログ信号Sinに重畳されたとしても、図6(b)に示すように誤動作することがなく、図6(c)に示すように、検出すべき交番アナログ信号Sinに正しく対応した2値化信号Sout を得ることができる。
【0046】
次に、マイクロコンピュータ14にて実行される設定データD0〜D3の設定処理を、図7に示すフローチャートに沿って説明する。なお、この設定処理は、マイクロコンピュータ14への電源投入直後に行われる初期化処理にて実行された後、所定周期にて繰り返し実行される。
【0047】
本処理が起動されると、まず、ステップ110にて、予めROMに格納された設定データD0〜D3を読み出し、続くステップ120では、この読み出した設定データD0〜D3を波形整形回路8に転送し、ステップ130に進む。
ステップ130では、波形整形回路8からの確認信号ACKによる応答の有無を判断し、応答が有ればそのまま本処理を終了し、応答が無ければステップ140に移行して、異常処理を実行後、本処理を終了する。
【0048】
なお、ステップ140にて実行される異常処理としては、例えば、設定データD0〜D3を再送し、それでも確認信号ACKの応答が無い時には、フロントパネル(図示せず)の所定エリアに通信異常を表す表示を行ったり、ブザー(図示せず)を鳴動させることにより、運転者に異常を知らせるようにしてもよい。
【0049】
以上説明したように、本実施例の波形整形回路8によれば、スレッショルド電圧Vfの特性を、設定データD0〜D3により様々に設定できるようにされているので、交番アナログ信号Sout に重畳される干渉ノイズNの特性が夫々異なる様々な電子制御システムに共通に使用することができ、しかも使用されるシステムに応じて最適なスレッショルド電圧Vfを設定することができるため、常に、交番アナログ信号Sinに正確に対応した2値化信号Sout を供給することができ、電子制御システムの制御精度や信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施例の波形整形回路8がシステムに組み込まれた後に、例えば、何等かの理由で回転センサ6の出力が劣化したり、回転センサ6の近傍に新たな回転センサが配置される等して使用条件が変化し干渉ノイズNの特性が変化したとしても、当該波形整形回路8を取り外して最調整をすることなく、単に設定データD0〜D3を変更するだけで、新たな使用条件に応じた最適なスレッショルド電圧Vfを簡単に再設定することができる。
【0051】
更に、本実施例によれば、設定データD0,D1により、エンジン回転数に応じてスレッショルド電圧Vfがリニアに変化する下限、及び上限のエンジン回転数を、また、設定データD2,D3により、スレッショルド電圧Vfの下限値、及びスレッショルド電圧Vfがリニアに変化する領域の特性の傾き(延いては、スレッショルド電圧Vfの上限値)を、夫々独立に設定できるようにされているため、所望の特性を容易に設定することができる。
【0052】
なお、上記実施例においては、スレッショルド電圧Vfの特性を設定するために、合計4ビットの設定データD0〜D3を用いているが、必要に応じて5ビット以上に増やしてもよいし、第1の分圧回路20、第2の分圧回路40、定電流回路44のいずれかの値を固定することにより、3ビット以下に減らしてもよい。
【0053】
また、上記実施例では、設定データD3にて、第1の分圧回路20の抵抗値を切り換えることにより、スレッショルド電圧Vfの領域A2での特性の傾きを変化させるようにしているが、トランジスタQ1のエミッタに接続された抵抗38の抵抗値を可変として、電圧変換信号Vfvに対するトランジスタQ1のコレクタ電流Iref の傾きを可変とすることで、これを実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の波形整形回路の全体構成を表す説明図である。
【図2】電子制御システムの全体構成を表すブロック図である。
【図3】判定信号の周波数特性を調整する調整回路を表す回路図である。
【図4】設定データにより判定信号の周波数特性が変化する様子を表す説明図である。
【図5】ダイナミックヒステリシス生成回路の動作を表す説明図である。
【図6】波形整形回路の動作を表す説明図である。
【図7】マイクロコンピュータにて実行される設定処理を表すフローチャートである。
【図8】従来装置の構成を表すブロック図である。
【図9】従来装置の問題点を表す説明図である。
【図10】エンジン回転数とスレッショルド電圧との関係を表すグラフである。
【図11】従来装置の動作を表す説明図である。
【符号の説明】
2…シグナルロータ 2a,2b,2c,2d…突起
4…電磁ピックアップ 6…回転センサ 8…波形整形回路
10…A/Dコンバータ 12…入力バッファ 14…マイクロコンピュータ
20…第1の分圧回路 22…コンパレータ 23…比較基準信号生成回路
24…F/V変換回路 26,30…ダイオード
28…ダイナミックヒステリシス生成回路 32…第1スレッショルド生成回路
34…第2スレッショルド生成回路 36…設定回路 36a…レジスタ
38,42,45,50,52,54,61〜68…抵抗
40…第2の分圧回路 43,47…反転回路 44…定電流回路
46,48…定電流源 60…セレクタ
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7…トランジスタ

Claims (2)

  1. 所定の回転センサから入力される交番アナログ信号と、大小2つの判定レベルを有し、交番アナログ信号が大きい判定レベルより大きくなると小さい判定レベルに変化し、小さい判定レベルより小さくなると大きい判定レベルに変化する判定信号とを比較して、上記交番アナログ信号に対応した2値化信号を生成する比較手段と、
    該比較手段からの2値化信号に基づき、2つの判定レベルの差が上記交番アナログ信号の周波数に対して所定の周波数特性を有する判定信号を生成する判定信号生成手段と、
    を備えた波形整形回路において、
    上記判定信号生成手段を、外部から入力される設定信号に応じて、上記2つの判定レベルの差の周波数特性を変更可能に構成したことを特徴とする波形整形回路。
  2. 上記判定信号生成手段は、
    上記交番アナログ信号の周波数に比例した大きさの基本信号を生成する基本信号生成手段と、
    上記基本信号の上限値および下限値を制限するレベル制限手段、該基本信号を増幅する増幅手段、該基本信号の信号レベルをシフトするレベルシフト手段を有し、該基本信号から所定の周波数特性を有する第1の判定レベルを生成する第1判定レベル生成手段と、
    所定の固定レベルとなる第2の判定レベルを生成する第2判定レベル生成手段と、
    を備え、上記レベル制限手段の上限値,上記増幅手段の増幅率,及び上記レベルシフト手段のシフト量のうち少なくともいずれか一つが、上記設定信号に応じて変更可能なように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の波形整形回路。
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