JP3551847B2 - デジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、デジタル放送が始まり、パソコンで、デジタル放送が受信できる環境を構築できるようになって、パソコンに搭載されるハードディスクなどのストレージデバイスが年々大容量化してきて、デジタル録画が可能な容量が搭載されるようになってきた。
【0003】
しかし、録画システムの構築に関しては、コンテンツの著作権問題などが絡んで、実現が難しかった。なぜなら、パソコンで録画した場合、録画したデータは、簡単にパソコン上で複製ができてしまうからである。
【0004】
しかし、個人で楽しむ範囲での録画は、権利として存在するはずである。そこで、Set Top Box等では、データを複製しても持ち出せないように、Set Top Boxに内蔵されているHDDの中だけでの録画・再生に限定したデジタル録画を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のSet Top Boxの場合には、コンテンツの録画の際に用いたSet Top Boxがなければコンテンツの再生ができず、SetTop Boxの設置場所とは別の場所で録画済コンテンツを再生したい場合には、Set Top Boxごと運ばなければならず、利便性に欠けるという問題があった。
【0006】
しかしながら、録画データを容易に持ち運べるよう上述のように、パソコンのような情報機器を用いた場合では、録画したデータはファイルとして扱えるため、容易に録画したデータの複製ができてしまう。これでは、パソコンでのデジタル録画システムを作っても著作権問題が発生してしまう。
【0007】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、デジタル放送のコンテンツを録画しておくことができ、正当権利者のみが録画されたコンテンツを再生することができるようにしたデジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、デジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法において、受信したデジタル放送のコンテンツを録画する際に、正当権利者が有する携帯装置に格納された固有情報に基づいて暗号化鍵を生成し、前記受信したコンテンツを前記暗号化鍵によって暗号化した後に録画し、該録画されたコンテンツを再生する際には、正当権利者が有する前記携帯装置に格納された前記固有情報に基づいて生成した該暗号化鍵を用いて暗号解除することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
上述のように、録画データを複製し、それが配布されてしまったとしても、配布先で再生できなければ、コンテンツの著作権の保護は可能と考えられる。すなわち、録画する際に記録するデータに暗号をかけ、再生する際に暗号解除を行えば、仮に録画したデータを配布しても、配布先に暗号解除を行うプログラムがなければ配布したデータを再生することができなくする方法が有効である。
【0011】
しかしながら、暗号を解除するプログラムも一緒に配布されてしまうと、暗号そのものが意味をなさなくなる。これに対しては、暗号を解除するための鍵を、暗号を解除するプログラムから取り出し、後から設定するようにすれば解決できる。
【0012】
暗号を解除するための鍵として考えられるのは、パスワードやCPUのIDやネットワークのアドレスなどが考えられる。パスワードに関しては、暗号解除のプログラムと一緒に配布できてしまう。CPUのIDやネットワークのアドレスの場合は、受信契約者が録画した環境以外では、録画したデータが再生できないため、録画することの利便性がなくなってしまう。受信契約者は、録画した場所以外においても再生したい場合があるからである。。
【0013】
そこで、本発明では、受信契約者本人であることを判別するために、従来、有料放送やPay Per View等に使われていたICカード等を利用することによって、パソコンでのデジタル録画での録画・再生の動作の制限をかけることを実現する。いわゆるICカードは、将来、電子マネー等の承認にも使われる可能性があり、個人の認証に利用される可能性が高い。
【0014】
本発明によるデジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法は、デジタル放送を受信するシステムにおいて、デジタル情報で放送される番組の中で、ユーザーが選択し、受信した番組をデジタルで録画・再生するシステムの録画・再生の制限方法、たとえば受信契約者本人のみ録画・再生できる方法を実現している。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態のシステム構成例として、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)のデジタル衛星放送を受信するシステムを示す図である。
【0016】
図2は、図1に示したパソコン3の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施の形態のシステムでは、図1に示すように、衛星1から放送される番組を、パラボラアンテナ2で受け、パソコン3で受信し、映像をCRT4に表示し、音声をスピーカー5で出力する。
【0018】
デジタル衛星放送では、MPEG2方式の映像・音声圧縮技術が使われる。この映像・音声圧縮データを図2のストレージデバイス10に記録すれば、デジタルデータでの録画ができ、従来のビデオテープへの録画のように、録画や再生の繰り返しによる映像・音声の劣化が発生しない。
【0019】
しかし、パソコン3で、ストレージデバイス10に記録した場合、録画や再生での劣化がないばかりではなく、複製を行った場合の劣化も発生せず、著作権の問題が出てきてしまう。そこで、デジタル衛星受信ボード6から、パソコン3の内部バス14に映像・音声の圧縮データを出す前に、暗号化部19で暗号化を行い、システムメモリ9へと転送する。システムメモリ9では、映像を再生するルーチン内部でのみ、暗号を解除し、録画では、暗号を解除せず暗号化された映像・音声データを記録するようにする。
【0020】
暗号化するための乱数発生部20では、ある設定値を元に乱数を発生させる。この設定値に、有料放送などで、契約チャンネルなどの受信に使われるICカード23を用いる。たとえば、ICカード23には、ICカードの所有者毎に固有のカードIDと呼ばれる値が設定されいる。また、ICカード23には、番組契約をしている場合のみ返す値を保持しており、これらの値を利用することで、契約者以外もしくはICカード所有者だけが録画したデータを再生でき、仮に、録画した人が他の人に録画したデータを譲渡しても、再生できないようにできる。契約者のICカードを利用することで、契約者の家族でも契約者のICカードが無ければ、録画したデータを再生することが出来ない。逆に、契約者がICカードを、録画データを再生する際に使用すれば、契約者が再生したい場所で、再生が出来る。
【0021】
以上のように、本発明では、データの暗号化とICカードとの組み合わせで、デジタル録画システムでの再生条件の限定方法を、前述のように限定する方法を実現し、コンテンツを保護する方法を実現している。
【0022】
以下、本実施の形態をさらに詳しく説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態のシステムでは、衛星1よりデジタル放送の電波が送出され、パラボラアンテナ2で受ける。このパラボラアンテナ2は、デジタル衛星放送受信ボード6(図2参照)が搭載されているパソコン3に接続されている。受けた放送は、パソコン3で処理され、映像はCRT4に表示され、音声はスピーカー5から出力される。
【0024】
図2に示すように、パラボラアンテナ2は、デジタル衛星放送受信ボード6のチューナーユニット部15に接続される。衛星1から出力される電波は、パラボラアンテナ2によって集められて受信され、デジタル衛星放送受信ボード6に電波を送る。衛星1からパラボラアンテナ2を経由し、デジタル衛星放送受信ボード6までは、アナログ信号が経路を流れる。
【0025】
デジタル衛星放送受信ボード6は、パソコン3の内部バス14に接続されており、パソコン3の持っているCPU8によって制御されている。内部バス14には、デジタル衛星放送受信ボード6の他に、ストレージデバイス10、バスアービタ7、グラフィックス11、サウンド処理部13が接続されている。
【0026】
バスアービタ7は、CPU8からシステムメモリ9へのアクセスや、内部バス14に接続されている様々なデバイスへのアクセス、さらに内部バス14に接続されている各デバイスからの内部バス14の使用要求を管理し、各デバイスに対して、適宜使用許可を出している。
【0027】
バスアービタ7には、システムメモリ9およびCPU8が接続されており、グラフィックス11にはフレームバッファ12およびCRT4が接続されている。
【0028】
CPU8は、デジタル衛星放送受信ボード6の制御や、暗号化の解除や圧縮データのデコードやストレージデバイス10へのデータやプログラムの入出力や、グラフィックス11に対して表示データの転送などの制御を行っている。
【0029】
システムメモリ9には、CPU8がパソコン3全体を制御するためのプログラムやデータが格納されている。
【0030】
グラフィックス11は、CRT4に表示するためのデータをフレームバッファ12に対して書き込み・変更・読み出しを行っている。
【0031】
フレームバッファ12には、CRT4に表示するためのデータや、グラフィックス11が制御するために必要なメモリなどが用意されている。
【0032】
サウンド処理部13は、外部からの音をA/D変換してシステムメモリ9に転送したり、システムメモリ9にある出力用の音データをD/A変換してスピーカー5から出力する。
【0033】
次に、図2に示したデジタル衛星放送受信ボード6の構成について説明する。
【0034】
チューナーユニット部15は、衛星1から出力された電波をパラボラアンテナ2を介して受け、復調や誤り訂正の処理をして、デジタルの信号を取り出す。取り出された信号は、デジタル衛星放送で採用されているMPEG2のTransport Stream形式(以下、「TS」という)のデジタルデータとなっている。
【0035】
図3はTSの構成を示す図である。
【0036】
TSは、図3に示すような構造となっており、TSパケットという188Byte単位のパケットで構成される。TSパケットには、図3に示すように、PIDと呼ばれるパケットのIDが用意されていて、情報を区別、管理するために使われている。
【0037】
チューナーユニット部15から出されるTSは、デスクランブル部16に入力される。デスクランブル部16は、有料放送などを受信する場合の暗号解除に使われる。有料放送など契約が必要な番組は、TSのPayload部分が暗号化されている。そのため、番組契約者が受信する場合に、デスクランブル部16で、契約番組のPayload部分の暗号を解除し、番組データとして扱えるようにする。未契約者の場合、Payload部分が暗号化されたままなので、番組データが取り出せず、番組を見ることが出来ない。デスクランブル部16の出力は、PIDフィルタ部17に入力される。
【0038】
PIDフィルタ部17では、TSパケット内にあるPIDを監視し、CPU8から指定されたPIDのみを、セレクタ18に通す。また、PIDフィルタ17では、セレクタ18にある2つのTSの通り道のどちらを使うか、選択指定も行う。
【0039】
セレクタ18からは、暗号化部19および内部バス14の両方に接続する。セレクタ18は、PIDフィルタ部17によって制御される。暗号化が必要なTSパケットは、暗号化部19に送り、暗号化が必要ないTSパケットは、内部バス14を経由してシステムメモリ9に送る。
【0040】
乱数発生部20は暗号化部19に接続する。乱数発生部20は、CPU8からの設定値を元にして乱数を発生し、暗号化部19に対して乱数を渡す。
【0041】
暗号化部19は、内部バス14に接続する。暗号化部19では、乱数発生部20から受け取った乱数を使って、セレクタ18から受け取ったTSパケットを暗号化し、システムメモリ9に転送する。
【0042】
周辺制御部21は、デジタル衛星放送受信ボード6の各部と接続し、内部バス14に接続している。たとえば、チューナーユニット部15とは、一般的にはI2Cバスで接続される。
【0043】
ICカードI/F部22は、周辺制御部21と接続し、ICカード23と接続する。
【0044】
CPU8は、デジタル衛星放送受信ボード6の各部の制御を、周辺制御部21を介して行う。
【0045】
次に図4を参照して、図2に示したシステムメモリ9の中に構成されるプログラムの機能に関して説明をする。
【0046】
図4は、図2に示したシステムメモリ9の中のプログラム構成を示すブロック図である。
【0047】
番組情報管理部24は、デジタル衛星放送受信ボード6から番組情報を受け取って、番組情報を分析し、録画の可否を管理し、番組表を作成し、ユーザーに番組情報を伝える。番組情報管理部24は、さらに、ユーザーからの録画指示や録画したデータの再生指示を受けた場合など、ユーザーの制御による動作をデータ制御部26に伝える。
【0048】
データ制御部26では、番組情報管理部24からの制御指示により、暗号化部19を通ってきたTSパケットを暗号解除部27や録画再生管理部25へ送ったり、録画再生管理部25に対して録画したデータの読み出しを指示したりする。
【0049】
録画再生管理部25は、データ制御部26の指示により、ストレージデバイス10に対して、録画データの書き込みや録画データの読み出しを行う部分である。
【0050】
暗号解除部27は、データ制御部26から受け取ったTSパケットの暗号を解除し、ソフトウェアMPEG2デコーダ部28に送る。ソフトウェアMPEG2デコーダ部28では、受け取ったTSパケットをデコードし、映像を図2に示したグラフィックス11に送り、音声を図2に示したサウンド処理部13に送る。
【0051】
ところで、暗号解除部27とソフトウェアMPEG2デコーダ部28では、暗号の解除されたMPEG2のストリームを処理するため、悪意のプログラムの改造によって生のMPEG2のストリームを取り出されるおそれがある。そのため、モジュール自体の解析を困難にするための対策(耐タンパー化)が施されている。
【0052】
以上の構成によってデジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法を実現する。
【0053】
次に、本実施の形態の動作に関して、図1から図4を参照しながら説明を行う。
【0054】
まず、放送を受信する場合、ユーザーが受信したいチャンネルを選択する。ユーザーがチャンネルを選択すると、図4に示した番組情報管理部24が、ユーザーによって選択された番組を受信する電波の周波数を取得し、図2に示したチューナーユニット部15に受信周波数を設定する。次に、番組を受信するために必要なPIDや、番組情報などの放送を受信するために必要な情報を入手するためのPIDを選び出し、PIDフィルタ部17に設定する。また、セレクタ18が持つ2つのTSの通り道のどちらを通すか設定する。映像、音声の圧縮データは、暗号化部19を通すように設定し、番組情報などは、内部バス14にそのまま流す。
【0055】
番組によっては、録画、再生の制限に違いがある。そこで、番組情報管理部24が、受信番組情報から適切な値を乱数発生部20に設定する。番組によって録画、再生に関して、次の3つの条件が想定される。
1.録画禁止。
2.録画は可能だが、複製は禁止。
3.録画も複製も可能。
【0056】
上記の3つの条件に関して、それぞれの動作について説明する。
【0057】
項番1の「録画禁止」の場合は、番組情報管理部24で、ユーザーが録画指示を行えないような動きをする。
【0058】
項番3の「録画も複製も可能」の場合は、ユーザーが録画したデータを、他の人に貸した場合に、貸した人も再生できるようにする必要が出てくる。そこで、乱数発生部20への設定値には、ユーザー固有の情報は使わない値を設定する場合と、暗号化そのものを行わない場合とが考えられる。録画データの再生時には、ユーザー固有のデータが必要ないため、再生や複製は可能となる。
【0059】
項番2の「録画は可能だが、複製は禁止」の場合の動作が、本発明のポイントであるが、乱数発生部20への設定値に、ユーザー固有の情報を利用する。ユーザー固有のデータとして、契約情報などを格納するのに利用しているICカード23を利用する。ICカード23には、カードごとに別々の情報が書き込まれており、これを利用する。
【0060】
それにより前述の、本人の部屋で再生する場合に、このICカード23を再生システムにセットすれば、録画したデータを再生することが出来る。このICカード23が家族全員分あれば、家族間でもデータの再生の制限がかけられる利点がある。また、番組の契約情報を元にすれば、番組の契約期間だけ、録画したデータの再生を可能とする制限がかけられる。
【0061】
こうして暗号化されたTSは、図4に示したデータ制御部26が受け取る。データ制御部26では、番組情報管理部24から、録画指示があった場合、録画再生管理部25に、暗号がかかったTSを送るのと同時に、再生のために暗号解除部27に送る。また、データ制御部26は、暗号解除に必要な情報を暗号解除部27に送る。録画したデータの再生指示があった場合には、録画再生管理部25に対して、ユーザーの再生したい録画データの読み出し指示を出す。録画再生管理部25は、録画の場合、ストレージデバイス10に対して暗号のかかったTSだけでなく、番組情報も管理用に書き込む。録画したデータの再生の場合には、ストレージデバイス10に格納されている管理用の番組情報から再生すべきデータファイルを検索し、データ制御部26にデータを渡す。
【0062】
番組情報管理部24では、番組の情報を管理し、ユーザーが選択した番組が、「録画禁止」、「録画は可能だが、複製は禁止」、「録画も複製も可能」など、録画、再生にどのような制限がかけられているかの分析を行い、番組の放送時間などの情報を解析し、ユーザーに伝えるためのデータを作成する。「録画禁止」の場合には、ユーザーが録画を指示できないような制御をする。また、録画、再生の制限のかけ方によって、乱数発生部20に設定する設定値を決める。
【0063】
暗号解除部27は、データ制御部26から受け取ったデータの暗号を解除する。暗号解除部27は、暗号解除に必要な情報を、データ制御部26から受け取る。すなわち、暗号解除部27は、乱数発生部20に設定する値、もしくは、設定値を算出するために使った値を受け取り、暗号解除のための鍵を算出し、暗号がかかったTSの暗号を解除する。そして、暗号を解除したTSをソフトウェアMPEG2デコーダ部28に送る。
【0064】
ソフトウェアMPEG2デコーダ部28は、暗号解除部27から受け取ったTSをデコードし、映像・音声データにデコードする。デコードしたデータは、それぞれ、映像データはグラフィックス11を介してCRT4に表示し、音声データはサウンド処理部13を介してスピーカー5より音を鳴らす。
【0065】
次に、本発明の他の実施の形態について、図5および図6を参照して説明を行う。なお、本実施の形態のシステム構成は図1と同様であるので、以下の説明では図1を参照し、詳しい説明は省略する。
【0066】
図5は、本発明の他の実施の形態における、図1に示したパソコン3の内部構成を示すブロック図である。
【0067】
図6は、図5に示したシステムメモリ9の中のプログラム構成を示すブロック図である。
【0068】
前述の実施の形態では、契約が必要な有料放送を受信する際に、図2に示したデスクランブル部16で、一旦暗号を解除し、再度暗号化部19で暗号化を行っているが、本実施の形態はこの部分を削除したシステムである。
【0069】
図5に示すチューナーユニット部15から出力されたTSは、PIDフィルタ部17で、必要なPIDだけフィルタして、システムメモリ9に転送される。システムメモリ9に転送されたTSは、まずソフトウェアセレクタ29によって、番組情報管理部24に送られる番組情報と、データ制御部26に送られる映像、音声の圧縮データとに振り分けられる。
【0070】
データ制御部26は、暗号解除部27に対して、映像、音声の圧縮データが入っているTSを送るのだが、有料放送の場合は、Payloadの部分が暗号化されている。この有料放送のTSに対して、暗号解除部27は、前述の実施の形態でのデスクランブル部16と同じ暗号解除を行う。
【0071】
有料放送では、Payloadの部分の暗号の解除に、ICカードからの情報を鍵として使う。そのため、本実施の形態でも、録画した本人の持つICカードが再生には必要となり、録画したデータの再生の制限が実現できる。
【0072】
本実施の形態を用いれば、録画したデータを、契約チャンネルの契約期間中だけ再生できるようにすることも可能である。たとえば、学習番組などで、復習用には再生できても、テスト期間中は、過去の学習番組の録画データが再生できない、という運営も実現できる。この場合、録画するデータに、スクランブルを解除するデータを入れず、ICカードに対して、スクランブルを解除する鍵を生成する元のデータを加えることで実現できる。契約期間中であれば、ICカードは、スクランブルを解除する鍵を生成してくれ、スクランブルを解除することが出来るが、契約期間を過ぎると、ICカードは、スクランブルを解除する鍵を生成しなくなるため、録画したデータを再生することが出来なくなる。
【0073】
さらに、その他の実施の形態として、図2や図5に示したチューナーユニット部15を、今後放送開始予定のデジタル地上波チューナーユニットやデジタルCATVチューナーユニットに変更すれば、デジタル地上波放送やデジタルCATV放送などのデジタル放送受信システムでも、録画におけるコンテンツ保護が実現できる。
【0074】
なお、上述の実施の形態では、ICカードの情報に基づいて録画の際の暗号化の鍵を生成するようにしたが、本発明はこれに限らず、録画、再生を行う権利を有する正当権利者の個別情報が所有する何等かの携帯装置の情報に基づいて録画の際の暗号化の鍵を生成するようにしてもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明による第1の効果は、デジタル放送を、デジタルのままで録画しても、著作権を保護するシステムを実現できることにある。録画したデータの再生には、制限をかけられるため、無差別に配布したり、販売することが出来ない。
【0076】
第2の効果は、デジタル録画したデータの再生に関して、より個人に限定した方法を実現することにある。家族間でも、録画したデータを勝手に再生することが出来ないようなセキュリティを実現できる。
【0077】
第3の効果は、録画による課金が容易に行えることにある。システム全体で録画、再生の管理を行えるため、録画の管理が厳密に行えるシステムを実現できる。
【0078】
本発明では、番組を暗号化する鍵に、番組受信契約者の所持しているICカードの情報を元に算出されるデータを利用する。従って、録画したデータを再生する際には、受信契約者の所持しているICカードがないと再生できない。それにより、録画したデータを配布しても、配布先では再生できない。
【0079】
受信契約者が録画を実施したシステムと同じシステムが他の場所にあっても、受信契約者の所持するICカードがない場合は、受信契約者が録画したデータを再生することはできない。
【0080】
また、受信契約者は、録画したデータを再生する際にICカードを利用し再生する。従って、録画データとICカードがあれば、別の場所に構築された録画システムで、録画データを再生することができる。
【0081】
また、ICカードを用いることで、録画したデータの再生出来る期間を制限できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のシステム構成例として、パソコンのデジタル衛星放送を受信するシステムを示す図である。
【図2】図1に示したパソコンの内部構成を示すブロック図である。
【図3】TSの構成を示す図である。
【図4】図2に示したシステムメモリの中のプログラム構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における、図1に示したパソコンの内部構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示したシステムメモリの中のプログラム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 衛星
2 パラボラアンテナ
3 パソコン
4 CRT
5 スピーカー
6 デジタル衛星放送受信ボード
7 バスアービタ
8 CPU
9 システムメモリ
10 ストレージデバイス
11 グラフィックス
12 フレームバッファ
13 サウンド処理部
14 内部バス
15 チューナーユニット部
16 デスクランブル部
17 PIDフィルタ部
18 セレクタ
19 暗号化部
20 乱数発生部
21 周辺制御部
22 ICカードI/F部
23 ICカード
24 番組情報管理部
25 録画再生管理部
26 データ制御部
27 暗号解除部
28 ソフトウェアMPEG2デコーダ部
29 ソフトウェアセレクタ
Claims (6)
- 受信したデジタル放送のコンテンツを録画する際に、正当権利者が有する携帯装置に格納された固有情報に基づいて暗号化鍵を生成し、前記受信したコンテンツを前記暗号化鍵によって暗号化した後に録画し、該録画されたコンテンツを再生する際には、正当権利者が有する前記携帯装置に格納された前記固有情報に基づいて生成した該暗号化鍵を用いて暗号解除することを特徴とするデジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法。
- 前記携帯装置がICカードであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法。
- 前記録画されたデータの暗号化を解除し再生する処理が耐タンパー化されていることを特徴とする請求項1または2に記載のデジタル放送の録画におけるコンテンツ保護方法。
- 受信したデジタル放送のコンテンツを録画する際に、正当権利者が有する携帯装置に格納された固有情報に基づいて暗号化鍵を生成し、前記受信したコンテンツを前記暗号化鍵によって暗号化した後に録画し、該録画されたコンテンツを再生する際には、正当権利者が有する前記携帯装置に格納された前記固有情報に基づいて生成した該暗号化鍵を用いて暗号解除することを特徴とするるデジタル衛星放送受信システム。
- 前記携帯装置がICカードであることを特徴とする請求項4に記載のデジタル衛星放送受信システム。
- 前記録画されたデータの暗号化を解除し再生する処理が耐タンパー化されていることを特徴とする請求項4または5に記載のデジタル衛星放送受信システム。
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