JP3551733B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイドリテーナを備えたコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のサイドリテーナを備えたタイプのコネクタの一般的な構造は、図5に示すようになっている。すなわち、ハウジングaには端子金具hを挿入するキャビティbが横方向に並んで形成される一方、ハウジングaの側面には、リテーナdが挿入される挿入溝cがキャビティbを横切るようにして形成されている。リテーナdは、基板e上に端子金具hのアゴ部等に係合する係合突部gが設けられる一方、基板eの一端に操作板fを立ち上げたL字形に形成されている。そして、リテーナdを操作板fにより挿入溝cに差し込むと、図6(A)に示すように、リテーナdは係合突部gがキャビティbの側方に退避した仮係止位置に保持され、係る状態でキャビティb内に端子金具hが挿入されてランス機構を介して抜け止め状態に一次係止される。続いて、図6(B)に示すように、リテーナdがさらに押し込まれて本係止位置に保持されると、係合突部gがキャビティb内に突入して端子金具hのアゴ部の後面に係合し、もって端子金具hが二次係止されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方近年、配線構造の多様化、複雑化に伴いコネクタの配設個数も増える傾向にあり、その収容スペースを確保する上からコネクタの小型化が切望されている。
本発明は上記のような事情を背景としてなされたものであり、その目的は、サイドリテーナを備えたタイプのコネクタにおいてその小型化を図るところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、端子金具の挿入されるキャビティを設けたコネクタハウジングには、前記端子金具を二重係止するためのリテーナが、前記コネクタハウジングの一側面から前記キャビティを横切るように形成された差込溝に差し込み可能に設けられたコネクタにおいて、前記差込溝が、前記コネクタハウジングにおける前記リテーナの差し込まれる面と直交する面に開口して形成されるとともに、この差込溝の開口された面には、相手のコネクタハウジングと嵌合される際の案内となるリブが前記差込溝の開口と交差して形成されている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記差込溝の開口した側縁と前記リテーナとの間には、このリテーナを前記端子金具の挿抜を許容する仮係止位置と、前記端子金具を二重係止する本係止位置とでそれぞれロックするロック手段が備えられている構成としたところに特徴を有する。
【0005】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
リテーナが差込溝の開口から抜け出ることはリブにより防止される。相手のハウジングとの嵌合を案内することに要するリブに対して、リテーナの抜け止め手段を兼用させたことで、リテーナの抜け止め用に壁を残して置くことが不要にでき、その分ハウジングの厚みを減少して小型化を図ることができる。
<請求項2の発明>
リテーナの抜け止め用の壁が除去されると、リテーナの板面と壁との間にリテーナを仮係止位置と本係止位置で係止するロック手段が配設できなくなるが、この発明では、リテーナの差込溝の開口縁を利用してロック手段を設けるようにしたから、リテーナの抜け止め用の壁を除去してもなお、リテーナを仮係止位置と本係止位置とにロックすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図4を用いて説明する。この実施形態では、雌側のコネクタFに適用した場合を例示している。この雌コネクタFは、図1の左側に示すように、雌ハウジング10と、この雌ハウジング10内に収容される雌側端子金具20(図4参照)と、雌側端子金具20を二重係止するリテーナ30とから構成されている。同図右側には、相手の雄側のコネクタMが示されている。なお以下においては、両コネクタF,Mの互い嵌合される端縁側を前方とする。
【0007】
雄コネクタMを先に説明すると、雄ハウジング1は、合成樹脂材によって前面側に雌ハウジング10が嵌合されるフード部2を設けた形状に形成され、図示しない3個の雄側端子金具が後面側から挿入されて、それぞれのタブをフード部2内に突出させた状態で整列して収容されるようになっている。フード部2の上面には、前後方向を向いた2本のガイド溝3が所定間隔を開けて平行に形成されている。このガイド溝3は、後記するように、雌ハウジング10側に設けられたリブ40を挿入して、両ハウジング1,10を嵌合する際の案内として機能するようになっている。
【0008】
続いて雌コネクタFについて説明する。雌ハウジング10は、同じく合成樹脂材によって、雄ハウジング1のフード部2内に嵌合可能な形状に形成され、図示3個のキャビティ13が横方向に整列して形成された本体部11の左右両側縁から、側壁部12が垂下状に突設されている。各キャビティ13内には、図4に示すように、電線24の端末に固着された雌側端子金具20が後面側から挿入され、雄側端子金具のタブと接続される接続部21の下面に切り起こし形成されたランス22が、キャビティ13の底面に形成された抜止部14に係止することで、抜け止め状態に一次係止されるようになっている。
【0009】
雌ハウジング10には、収容された雌側端子金具20を二次係止するためのリテーナ30が装着可能とされている。このリテーナ30は同じく合成樹脂製であって、細長い差込部31の一端側に、下方に直角に曲げられた押込部32の設けられたL型に形成されている。差込部31の下面には、雌側端子金具20の係合部23に係合可能な係合突部33が形成されている。
【0010】
一方、雌ハウジング10の本体部11における図1の手前側の側面には、上記のリテーナ30を差し込むことが可能な差込溝15が各キャビティ13を横切るようにして形成されている。この差込溝15は、本体部12の上面を切除して形成され、言い換えると開口溝として形成されており、ここにリテーナ30の差込部31が略緊密に差し込み可能とされている。また、各キャビティ13間を仕切る側壁には、係合突部33が通過可能な切欠部16が形成されているとともに、手前側の面には、押圧部32が嵌まる収容部18が形成されている。
【0011】
リテーナ30の差込部31の一方の側縁(前側の側縁)には、ロック突起50が所定位置に突設されている。それに対して、雌ハウジング10の差込溝15における前側の側縁には、上記のロック突起50が嵌合可能な2個の係止凹部51,52が形成されており、手前側(図2の右側)が仮係止凹部51、奥側(同図の左側)が本係止凹部52となっている。
【0012】
すなわちリテーナ30が差込溝15に差し込まれると、まずロック突部50が仮係止凹部51に嵌まることでリテーナ30は仮係止位置に保持され、ここでは係合突部33がキャビティ13の側方に位置して、雌側端子金具20の挿抜が許容される。一方、ロック突部50が本係止凹部52に嵌まるとリテーナ30が本係止位置に保持され、ここでは、係合突部33がキャビティ13内に突入して雌側端子金具20の係合部23の後面に係合可能であり、また押圧部32が収容部18内に段差無く嵌まるようになっている。
【0013】
そして雌ハウジング10の上面には、2本のリブ40が開口した差込溝15の上方を直角に横切って一体的に形成されている。この2本のリブ40は、両ハウジング1,10が嵌合される際、雄ハウジング1側のガイド溝3に嵌入することによって、嵌合操作がスムーズに行われるようにガイドの役目を担うことに加えて、差込溝15に挿入されたリテーナ30の上方への抜け止めを可能としている。
【0014】
なお、雌ハウジング10の下面側には、両ハウジング1,10を正規の嵌合状態にロックするためのロックアーム17が設けられている。
【0015】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用について説明する。
まず図2に示すように、リテーナ30を雌ハウジング10の差込溝15に右側方から差し込み、押込部32により押し込むと、リテーナ30のロック突起50が差込溝15の仮係止凹部51に嵌め込まれて、リテーナ30は仮係止状態とされる。
【0016】
次に、雌側端子金具20をキャビティ13内に挿入する。このとき、雌側端子金具20はリテーナ30の係合突部33とは干渉せずに挿入され、正規位置まで挿入されると、ランス22により一次係止される。
【0017】
続いてリテーナ30をさらに奥へ押し込むと、図3に示すように、ロック突起50が仮係止凹部51から抜け出て本係止凹部52に嵌まることで本係止状態とされ、このとき図4に示すように、係合突部33がキャビティ13内に突入して雌側端子金具20の係合部23に係合され、雌側端子金具20は二次係止される。
この間、リテーナ30はリブ40により保持されているため、差込溝15の開口から抜け出ることが防止される。
【0018】
リテーナ30を挿入した後、雌ハウジング10を相手の雄ハウジング1に嵌合させる際、雌ハウジング10に設けられたリブ40が雄ハウジング1のガイド溝3に嵌まって案内されることで、両ハウジング1,10の嵌合操作はスムーズに行われる。
【0019】
以上説明したように本実施形態によれば、リテーナ30を差し込む差込溝15の上面開口部分に直交してリブ40を設けたことにより、両ハウジング1,10の嵌合時に相手の雄ハウジング1を案内させるとともに、リテーナ30の抜け止め手段としても機能させることができる。それにより、リテーナ30の抜け止め用に壁を残して置くことが不要にでき、その分雌ハウジング10の厚みを減少して小型化を図ることができる。
また、差込溝15の側縁を利用してリテーナ30を係止するロック手段を設けるようにしたから、リテーナ30の抜け止め用の壁を切除してもなお、ロック手段の配設が可能となる。
【0020】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)リテーナのロック手段については、上記実施形態とは逆に、差込溝の側縁にロック突部を、リテーナに係止凹部を設けるようにしてもよい。
(2)またリブの本数は、相手のガイド溝と合わせて任意に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコネクタの嵌合前の状態を示す斜視図
【図2】リテーナが仮係止位置に挿入される動作を示す平面図
【図3】リテーナが本係止位置に挿入された状態を示す平面図
【図4】雌側端子金具が二次係止された状態を示す縦断面図
【図5】従来例の斜視図
【図6】その横断面図
【符号の説明】
1…雄ハウジング
3…ガイド溝
10…雌ハウジング
13…キャビティ
15…差込溝
20…雌側端子金具
23…係合部
30…リテーナ
33…係合突部
40…リブ
50…ロック突起
51…仮係止凹部
52…本係止凹部
F…雌側のコネクタ
M…雄側のコネクタ
Claims (2)
- 端子金具の挿入されるキャビティを設けたコネクタハウジングには、前記端子金具を二重係止するためのリテーナが、前記コネクタハウジングの一側面から前記キャビティを横切るように形成された差込溝に差し込み可能に設けられたコネクタにおいて、
前記差込溝が、前記コネクタハウジングにおける前記リテーナの差し込まれる面と直交する面に開口して形成されるとともに、この差込溝の開口された面には、相手のコネクタハウジングと嵌合される際の案内となるリブが前記差込溝の開口と交差して形成されていることを特徴とするコネクタ。 - 前記差込溝の開口した側縁と前記リテーナとの間には、このリテーナを前記端子金具の挿抜を許容する仮係止位置と、前記端子金具を二重係止する本係止位置とでそれぞれロックするロック手段が備えられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
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