JP3551476B2 - 情報再生装置及び方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばいわゆるコンパクト・ディスクを使った読み出し専用メモリであるCD−ROMや、CD−I(CD−インタラクティブ:CD−Interactive) などの情報記録媒体より提供された情報を再生するための情報再生装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、情報記録媒体としては、例えば光学ディスクにオーディオ信号を記録したいわゆるコンパクト・ディスク(すなわちCD−DA:コンパクト・ディスク・ディジタル・オーディオ)が存在する。
【0003】
ところが、上記オーディオ信号のみを記録するCD−DA(以下オーディオCDと呼ぶ)では、音だけのデータをトラックという単位に分割して記録しているだけなので、例えば再生機能をコントロールするプログラムやスクリプトなどを入れることはできない。
【0004】
また、再生の順序は、単なるリニア再生か使用者が指図した順序に再生させるだけであり、内容供給者が他の様々な順序で再生させたいと思っても自由度がない。
【0005】
これに対して、いわゆるCDーI(CD−インタラクティブ:CD−Interactive) では、音や動画や静止画などをデータファイルとして扱えるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば上述のCD−DAやCD−Iのようなディスクを再生する再生装置には、通常いわゆるリモコンが付属品として付けられていることが多い。このリモコンには、複数の各種機能に応じたボタンや、数字入力のための10キーが設けられていることが多い。
【0007】
また、近年の装置の小型化の要請から、ディスク再生装置も小型化,薄型化されることが多く、したがって、ディスク再生装置側にはなるべく操作ボタン等を少なくし、リモコン側に操作ボタンを集中させる傾向にある。
【0008】
しかし、例えばリモコンの故障や紛失等に対応すべく、ディスク再生装置でも全ての操作ができることが必要であるが、上述のように小型化,薄型化が望まれているディスク再生装置には、上記リモコンに配されたものと同数のボタン等を設けるだけのスペースを確保することはできない。
【0009】
そこで、本発明は、上述のような実情に鑑みて提案されたものであり、ボタン等を少なくすることができ、かつ、極端に操作回数を増加させることなく全ての操作を実現することができる情報再生装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る情報再生装置は、上述した目的を達成するために提案されたものであり、それぞれ番号付けられると共に個数に制限がある複数の情報信号と当該複数の情報信号の選択に使用する情報とが、少なくとも記録されてなる情報記録媒体を再生する情報再生装置であって、番号入力のための10キーの機能を代用する手段として、増加する方向に番号を設定していく第1の番号設定手段と、減少する方向に番号を設定していく第2の番号設定手段と、上記第1及び/又は第2の番号設定手段によって設定された番号を選択する番号として決定する選択手段とを有し、選択肢となる選択番号のうち最初に上記第1の番号設定手段が設定する番号は最小値であり上記選択番号のうち最初に上記第2の番号設定手段が設定する番号は最大値であることを特徴とするものである。
【0011】
ここで、上記第1の番号設定手段は番号を1ずつ増加する方向に設定し、上記第2の番号設定手段は番号を1ずつ減少する方向に設定するものである。また、番号が最大値であるときに上記第1の番号設定手段が次に設定する番号は最小値であり、番号が最小値であるときに上記第2の番号設定手段が次に設定する番号は最大値である。
【0012】
さらに、上記選択に使用する情報は、番号の最小値と番号の個数と飛び先番地の情報と含み、上記第1及び/又は第2の番号設定手段による番号設定は、上記飛び先番地情報に基づいてスキップすることもできる。また、上記選択手段は、情報信号の再生開始を指示する再生開始手段と兼用するものである。
【0013】
また、本発明に係る情報再生方法は、上述した目的を達成するために提案されたものであり、それぞれ番号付けられると共に個数に制限がある複数の情報信号と、当該複数の情報信号の選択に使用する情報とが、少なくとも記録されてなる情報記録媒体を再生する情報再生方法であって、増加する方向に番号を設定していく第1の番号設定手段、減少する方向に番号を設定していく第2の番号設定手段、及び上記第1及び/又は第2の番号設定手段によって設定された番号を選択する番号として決定する選択手段を、番号入力のための10キーの機能を代用する手段として用い、上記第1の番号設定手段及び/又は上記第2の番号設定手段により番号を設定する番号設定工程と、上記番号設定工程にて設定された番号を上記選択手段により選択する番号として決定する選択工程とを有し、選択肢となる選択番号のうち最初に上記第1の番号設定手段が設定する番号は最小値であり上記選択番号のうち最初に上記第2の番号設定手段が設定する番号は最大値であることを特徴とするものである。
【0014】
ここで、上記第1の番号設定手段は番号を1ずつ増加する方向に設定し、上記第2の番号設定手段は番号を1ずつ減少する方向に設定するものである。また、番号が最大値であるときに上記第1の番号設定手段が次に設定する番号は最小値であり、番号が最小値であるときに上記第2の番号設定手段が次に設定する番号は最大値である。
【0015】
さらに、上記選択に使用する情報は、番号の最小値と番号の個数と飛び先番地の情報と含み、上記番号設定工程における番号設定は、上記飛び先番地情報に基づいてスキップすることもできる。また、上記選択工程では、情報信号の再生開始が指示される。
【0016】
【作用】
本発明に係る情報再生装置及びその方法によれば、第1の番号設定手段は増加する方向に番号を設定でき、第2の番号設定手段は減少する方向に番号を設定でき、設定される番号の数には制限があるため、任意の番号を選択するときには、第1又は第2の番号設定手段によって増加又は減少する方向から順に番号を設定してゆき、所望の番号が設定されたところでその番号を選択決定することができる。したがって、任意の番号選択のために、例えば10キー等の番号に対応する複数の設定手段により番号を選択することは不必要となる。
【0017】
また、選択に使用する情報は、番号の最小値と個数と飛び先番地の情報と含むため、第1又は第2の番号設定手段による番号設定の際に、飛び先番地情報に基づいてスキップすることで、所望の番号の設定までの操作数を少なくできる。
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照し、本発明の実施例について詳述する。
【0019】
図1には本実施例の情報再生装置の本体150の前面側を、図2には本体150の後面側を、図3にはいわゆるリモコン100の正面を示している。
【0020】
本実施例の情報再生装置は、後述する圧縮符号化された動画などの映像信号及び音声信号をいわゆるコンパクトディスク上に記録してなるビデオCDを再生するプレーヤであり、EIA標準、NTSCカラー方式の信号を扱う。図1において、この情報再生装置の本体150の前面には、それぞれ機能については後述するが、「電源」ボタン151、「プレイモード」ボタン152、「前送り」ボタン153及び「次送り」ボタン154、「ポーズ」ボタン155、「ストップ」ボタン156、選択手段としての機能を有する「再生」ボタン168、第1の番号設定手段である「+」ボタン165及び第2の番号設定手段である「−」ボタン166、「リターン」ボタン164、ディスクトレイの開/閉用の「イジェクト」ボタン163などの各種操作ボタンと、表示窓169と、ディスクテーブルの挿入/排出口158と、ヘッドホン接続端子157と、ヘッドホンレベル調節用ボリューム159と、エコー調節用ボリューム160と、音量調節用ボリューム161と、マイクロホン接続端子162とが配されている。
【0021】
また、図2において、情報再生装置の本体150の後面には、S映像出力端子170と、ライン映像出力端子171と、ライン音声左チャンネル出力端子172と、ライン音声右チャンネル出力端子173とが配されると共に、電源コード174も配されている。
【0022】
さらに、図3において、リモコン100は、赤外線パルスによって信号を送信するものであり、当該リモコン100の正面には、それぞれ機能については後述するが、ディスクトレイの開閉指示用の「開/閉」ボタン102、「電源」ボタン103、「オート」ボタン104、「連続」ボタン105、「シャッフル」ボタン106、「プログラム」ボタン107、「画面表示」ボタン108、「時間表示」ボタン109、「トラックダイジェスト」ボタン110、「ディスクダイジェスト」ボタン111、「しおり設定」ボタン112、「しおり再生」ボタン113、「コマ送り」ボタン114、「つづき再生」ボタン115、「早送り」ボタン116、「早戻し」ボタン117、「次送り」ボタン118、「前送り」ボタン119、「リターン」ボタン120、「再生(選択)」ボタン121、「ポーズ」ボタン122、「ストップ」ボタン123、「1」〜「9」及び「10/0」,「>10」ボタンからなる数字ボタン124、「V.インデックス」ボタン125、「シーン」ボタン126、「V.インデックスサーチ」ボタン127、「カラオケ」ボタン129、「音声モニター」ボタン130、「イントロスキャン」ボタン131、「ピッチ」ボタン132、「ピッチ+」ボタン133、「ピッチ−」ボタン134、「チェック」ボタン135、「クリア」ボタン136、「くり返し」ボタン137、「くり返し A−B」ボタン138、「オートポーズ」ボタン139などが配されている。
【0023】
以下、本実施例の情報再生装置の本体150及びリモコン100の機能について説明するが、先ず以下の説明で使用する用語について簡単に説明しておく。
【0024】
ビデオCDとは、いわゆるコンパクトディスクに対して、音声だけでなく、ディジタル処理された動画等が記録された映像メディアのことである。後述するプレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDでは、動画に加え、静止画やメニュー画面が再生できる。また、本実施例にて使用するビデオCDは、最大約74分の動画や最大約2000枚の静止画が記録可能なものである。
【0025】
また、ディスクに記録されている映像又は曲の区切りをトラックと呼び、それぞれのトラックに順に付けられた番号をトラックナンバと呼ぶ。
【0026】
インデックスナンバとは、ビデオCDの1つのトラックをさらに区切った場面に付けられた番号である。1トラックの中に最小1個、最大99個のインデックスが記録されている。したがって、インデックスナンバ1は、トラックの先頭になる。インデックスナンバを指定して見たい場面を探したり、インデックスの場面を順にテレビジョン画面で見ながら、実際に見たい場面を探すことができる(インデックスサーチ機能)。
【0027】
プレイバック・コントロール(PBC)とは、予めビデオCD上に記録されているコントロールコードのことである。プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDでは、メニュー画面で見たい場面を選んだり、静止画を再生したりすることができる。
【0028】
オート再生とは、プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCD用の再生モードである。プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDをプレーヤ(情報再生装置)に装填すると、自動的にオート再生モードになる。オート再生では、メニュー画面で見たい場面などを選んだり、静止画を再生することができる。
【0029】
連続再生モードとは、最初のトラック(映像又は曲の区切り)からディスクに記録されている順に連続して再生するモードのことである。プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCD以外のビデオCDをプレーヤに装填すると、自動的に連続再生モードになる。プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDも連続再生モードで再生できるが、再生されるのは動画と音声となる。プレイバック・コントロールのコードが記録されたビデオCDには連続再生できない映像(静止画、メニュー画、動画の一部)が記録されており、これらはトラックとして扱われないため、表示されるトラックナンバには含まれない。
【0030】
プレイバック・コントロールのコードが記録されたビデオCDでは、メニュー画面や動画、静止画の区切りをシーンと呼び、それぞれのシーンにはシーンナンバが記録されている。なお、ディスクによっては、ジャケットにシーンナンバが書かれているものもある。シーンナンバを指定して見たいシーンを探すことを、シーン再生という。
【0031】
しおり再生とは、例えばいわゆるしおりを挟んでおいたページから本を開いて読むように、予め指定しておいたシーンから再生を始めることをいう。しおり再生は、指定したシーンの冒頭から始まる。別のところを見てからもう一度戻って見たいときや、別のディスクを見てから、前のディスクの続きを見たいときなどに使用する。
【0032】
以下、本実施例の情報再生装置によってビデオCDから再生された画像が表示されると共に当該表示が制御されるテレビジョン画面の表示例(図4〜図22)を用いて、情報再生装置の本体150及びリモコン100の機能について説明する。
【0033】
先ず、電源を入れたときの表示窓169には、ビデオCD装着時には「VIDEO CD」が、プレイバック・コントロールのコードが記録されたディスク装着時には「VIDEO CD PBC」が、ディスクが装填されていない時には「no disc」が表示される。また、ディスクが装填された直後は、ディスクの種類を判別するので、その判別中であることを示すために、表示が点滅する。この表示点滅中は、ボタン操作は行えない。さらに、装填することができるディスクは、通常1枚であるが、後述するチェンジャ機能を有するときには複数枚を装填できる。その他、ディスクテーブルは手で押すことでも閉めることができ、「電源」ボタン151を押す代わりに、「開/閉」ボタン102又は「イジェクト」ボタン163を押しても自動的に電源が入り、ディスクテーブルが開く。
【0034】
次に、メニューを選ぶときは、テレビジョン画面には図4の(A)に示すように「SELECT」の文字が表示されると共にこの文字が点滅する。また、本体150のメニュー選択ランプ167も点滅する。このとき、リモコン100の「リターン」ボタン120を押すと、テレビジョン画面には「RETURN」の文字が表示され、前のメニュー画面などに戻り、「ストップ」ボタン123を押すと「STOP」の文字が表示されて再生が止められる。
【0035】
ここで、上記テレビジョン画面に「SELECT」が表示されると共にメニュー選択ランプ167も点滅しているメニュー選択モードのとき、リモコン100の数字ボタン124によって、メニュー番号を指定する。例えば、リモコン100の数字ボタン124で例えば「1」ボタンを押してメニュー番号の1を指定すると、テレビジョン画面には図4の(B)に示すように、「SELECT」の下に「1」の数字が表示される。また、リモコン100で例えば11以上のメニュー番号を指定するには、数字ボタン124の「>10」ボタンを押してから「1」〜「9」の数字ボタンを押す。例えば、メニュー番号15を指定するときは「>10」→「1」→「5」の順番に数字ボタンを押し、メニュー番号20を指定するときは「>10」→「2」→「10/0」の順番に数字ボタンを押すことになる。なお、誤って「>10」ボタンを押したときは、もう一度「>10」ボタンを押す。この数字ボタン124による選択又は指定入力は、後述する各機能において数字ボタン124を使用する場合に同様になされる。
【0036】
次に実際にディスクを再生する場合の本実施例の情報再生装置の機能について説明する。
【0037】
先ず、本実施例装置は、つづき再生の機能を有する。当該つづき再生機能とは、再生を止めたことろから続けて再生することができる機能である。当該つづき再生がなされる再生位置は、リモコン100の「ストップ」ボタン113又は本体150の「ストップ」ボタン156を押すたびに変更され、この位置は電源を切った場合にも記憶されている。
【0038】
この「つづき再生」ボタン115を押すと、図5に示すように、テレビジョン画面には当該つづき再生を示す表示として例えば「MEMORY PLAY」の文字が表示される。当該「つづき再生」ボタン115を押すことにより、前に止めた場所から再生が始まる。ただし、オート再生のときは、停止した場面からではなく、停止したシーンの初めから再生される。また、シャッフル再生、プログラム再生、1トラックの繰り返し再生、くり返しA−B再生のときは、つづき再生は行わない。また、ディスクテーブルを開けると、つづき再生は解除され、つづき再生位置の記憶は消去される。なお、再生中にいずれのボタンも押さずに電源を切ったときには、当該電源を切るためにリモコン100の「電源」ボタン103又は本体150の「電源」ボタン151を押したところがつづき再生の位置として記憶される。
【0039】
次に、本実施例装置は、早送りや早戻し状態の映像を見たり、曲を聞いたりすることが可能となっている。例えば、再生中に「早送り」ボタン116や「早戻し」ボタン117を押している間は、早送り又は早戻しが行われる。「早送り」ボタン116を押し続けると、加速的な間隔で静止画を表示しながら早送りされ、「早戻し」ボタン117を押し続けると、加速的な間隔で静止画を表示しながら早戻しされる。ただし、オート再生のときは、早送り/早戻しは1つの区切り内で可能である。この場合の1区切りは、シーンの場合もあるが、シーンの途中で区切られることもある。また、静止画のメニュー画面では、早送り/早戻しは行えないようになっている。
【0040】
次に、本実施例装置は、再生中の映像や音声を一旦止める、再生の一旦停止(ポーズ)の機能を有する。例えば、「ポーズ」ボタン122を押すと、一時停止となり、そのときの画面が静止画として表示し続けられる。その後、通常の再生に戻すには、「ポーズ」ボタン122又は「再生」ボタン121を押す。ただし、長時間(例えば約5分)一時停止状態を続けた場合は、装置の劣化を防ぐためにディスク回転を止めるようにしており、したがって、その後通常の再生に戻した場合は再生が始まるまでに数秒かかる。また、映像の一時停止中は音の再生はなされない。
【0041】
本実施例装置は、動画のコマ送り機能を有する。例えば、再生中に「コマ送り」ボタン114を押すと動画のコマ送りがなされる。また、「コマ送り」ボタン114を押すたびに1コマずつ先へ進み、押し続けると連続してコマ送りがなされ、押すのを止める(指を離す)と一時停止状態となる。通常の再生に戻すには、「ポーズ」ボタン122又は「再生」ボタン121を押す。ただし、ビデオCDの静止画やオーディオCDを再生しているときにはコマ送りはなされないようになっている。
【0042】
また、本実施例装置は、音声の切り換え機能を有している。例えば、ステレオ音声が記録されたディスクの音声片チャンネルだけを聞いたり、音声多重のディスクのうち任意の音声を選ぶことができる。このとき、「音声モニター」ボタン130を押すことで音声の切り換えが行われる。この「音声モニター」ボタン130を押すたびに、以下のように切り換わる。
【0043】
例えば、ステレオ音声が記録されたディスクのときは、ステレオ2チャンネル→左チャンネル→右チャンネル→ステレオ2チャンネル、のように切り換わる。また、音声多重のディスクの場合には、主(左)及び副(右)→主(左)→副(右)→主(左)及び副(右)のように切り換わる。このとき、テレビジョン画面と本体150の表示窓169の表示は、「LR」→「MONO L」→「MONO R」→「LR」のように切り換わる。
【0044】
なお、ディスクを交換しても、設定している音声モードは記憶される。ただし、電源を切ったときはステレオモードに戻る。また、どの音声を選んでも左右のスピーカから音が出力されるようになっている。
【0045】
次に、本実施例装置によれば、現在の動作状態やディスクの情報を、映像に重ねてテレビジョン画面に表示することができる。停止中やオーディオCDの再生時には、当該情報が例えば青色となされたテレビジョン画面上に表示される。オート再生のときと、オート再生以外の連続再生などのときでは表示内容が異なる。
【0046】
オート再生のときの表示は、図6に示すように、電源を投入によって青色の背景の画面の例えば右上隅に、現在の状態を表示する。例えば再生中には「PLAY」の文字が表示される。ただし、数秒後には、この表示は消える。なお、「再生(選択)」ボタン121や「リターン」ボタン120や「前送り」ボタン119或いは「次送り」ボタン118を押して操作できない場合には、例えば人間の手のマークが表示され、これによりユーザは操作ができないことを知ることができる。
【0047】
ここで、「画面表示」ボタン108を押すと、テレビジョン画面上には、図7に示すように、ディスクの種類を示す表示(例えばビデオCDのときは「VIDEO」)と、シーン又はシーンの中の区切り毎の経過時間の表示(例えば49秒のときは「0:49」)と、音声モニタの状態を示す表示(例えばステレオのときは「LR」)と、ディスク収録時間の表示(例えば31分32秒のときは「31:32」)と、ディスクのトラック数の表示(例えば14トラックのとき「1−14」)と、現在再生しているシーンナンバの表示(例えば1番のシーンのときは「SCENE 1」)と、オート再生の表示(例えば「AUTO」)と、設定されている内容の表示(例えば、繰り返しA−B再生のときは「A−B REPEAT」)などが表示される。なお、シーンまたはシーン中の区切り毎の経過時間は、約2秒以上のシーン/区切りの場合に表示され、静止画によっては表示されない。
【0048】
その後、「画面表示」ボタン108をもう1回押すと、画面の表示が全て消える。いずれの操作を行った場合も、何も表示されない。さらに「画面表示」ボタン108を押すと、電源を入れた時の画面表示に戻る。
【0049】
次に、連続再生などを行う時のテレビジョン画面の表示は以下のようになる。
【0050】
電源投入後に前記図6のようにテレビジョン画面表示(「PLAY」の文字は数秒後に消える)がなされているとき、例えば「画面表示」ボタン108を押すと、テレビ画面には、図8の(A)に示すようにトラック毎の経過時間の表示(例えば47秒のときには「0:47」が表示される)と、現在のインデックスナンバの表示(例えば1番のときは「I−1」)と、現在のトラックナンバの表示(例えば2番のときは「T−2」)とがなされる。
【0051】
ここで、もう一度「画面表示」ボタン108を押すと、テレビ画面には、先の表示と共に、図8の(B)に示すように、ディスクの種類を示す表示(例えばビデオCDのときは「VIDEO」)と、ディスクのトラック数を示す表示(例えば14トラックのときは「1−14」)と、ディスクの収録時間の表示(例えば51分25秒のときは「51:25」)と、音声モニタの状態を示す表示(例えばステレオのときは「LR」)と、プレイモードの表示(例えばシャッフル再生のときは「SHUFFLE」)と、設定されている内容の表示(例えばオートポーズのときは「A.PAUSE」、カラオケのときは「K.PON」)と、トラックナンバ表示(例えば「*」「2」〜「14」、ただし再生が終わったトラックは「*」と表示される」)とがなされる。なお、連続再生のときは、プレイモードの表示部分には何も表示されない。
【0052】
さらに、「画面表示」ボタン108をもう一度押すと、ビデオCD再生時は、画面の表示がすべて消え、いずれの操作を行った場合も、何も表示されなくなる。また、オーディオCD再生時は、電源を入れたときの画面表示に戻り、すべての表示が消えた状態にはならない。
【0053】
またさらに「画面表示」ボタン108をもう一度押すと、ビデオCD再生時は、電源を入れたときの画面表示に戻る。
【0054】
次に、本実施例装置は、テレビジョン画面上に表示された時間表示を変えることができる。テレビジョン画面を時間が表示される画面表示にしたときは、次のような表示となる。
【0055】
例えば、オート再生のときの時間表示は、図9の(A)示すように、テレビ画面に再生中のシーン/区切りの経過時間を示す表示(例えば2分13秒のときは「2:13」)がなされている。このとき、リモコン100の「時間表示」ボタン109を押すと、テレビジョン画面には、図9の(B)に示すように再生中のシーン/区切りの残り時間を示す表示(例えば残り時間が2分33秒ならば「−2:33」)がなされる。さらに、「時間表示」ボタン109をもう一度押すと図9の(A)に示す初めの時間表示状態に戻る。
【0056】
また、連続再生のときには、図10の(A)に示すように、テレビジョン画面に再生中のトラックの経過時間を示す表示(例えば2分13秒の場合には「2:13」)がなされる。このとき、「時間表示」ボタン109を押すと、図10の(B)に示すように、再生中のトラック残り時間の表示(例えば残り時間が2分33秒のときは「−2:33」)がなされる。さらに、「時間表示」ボタン109を押すと、図10の(C)に示すように、テレビジョン画面には残りのトラック数の表示(例えば13トラックのときには「−13」)と、ディスク全体の残り時間の表示(例えば45分24秒のときには「−45:24」)とがなされる。さらにもう一度「時間表示」ボタン109を押すと、図10の(C)に示す初めの時間表示状態に戻る。
【0057】
次に、本実施例装置においてディスクに記録された映像のうちの見たい場面を探すことには、以下のような各種方法がある。
【0058】
例えば、映像又は曲の区切り毎の番号を示すトラックナンバを指定することで、所望のトラックを再生できる。この場合、例えば停止中又は再生中に、リモコン100の数字ボタン124によって希望のトラックナンバを押す。これにより、当該数字ボタン124によって指定したトラックナンバのトラックの再生が始まる。なお、オート再生のときは、トラックナンバを指定できるのは停止中のみであり、トラックナンバを指定して再生を始めたときは連続再生モードに切り換わる。また、オート再生に戻すには、プレイモードの「オート再生」ボタン104を押す。
【0059】
また、本実施例装置では、トラック/区切りの頭出しをすることでも希望の場面を探すことができる。
【0060】
例えば連続再生時に、トラックの頭に戻ったり、次のトラックに進んだりする。トラックの頭出しをするには以下のようにする。例えば、再生中に「前送り」ボタン119又は「次送り」ボタン118を押すことで行う。「前送り」ボタン119を1回押すと、現在再生中のトラックの頭に戻り、続けて押すとさらに前のトラックの頭に戻る。また、「次送り」ボタン118を押すと、押すたびに次のトラックの頭に進む。
【0061】
また、オート再生時に区切りの頭出しを行うと、例えば1つの区切りの単位で前に戻ったり、次に進んだりする。この場合の1区切りは、シーンの場合もあるが、シーンの途中で区切られていることもある。具体的には、再生中に「前送り」ボタン119を押すと前の区切りに戻り、「次送り」ボタン118を押すと次の区切りに進む。
【0062】
さらに、本実施例装置では、トラックの初めだけを順に再生するイントロスキャンも可能となっている。すなわち、各トラックの初めの部分だけを順番に再生することで、映像や曲の初めを見たり聞いたりしながら、希望のトラックを探すことができる。また、本実施例装置では、イントロスキャンで再生される部分の長さを変えることもできる。
【0063】
例えば、停止中に「イントロスキャン」ボタン131を1回押すと各10秒、2回連続して押すと各20秒、3回連続して押すと各30秒のイントロスキャンモードになる。この場合のテレビジョン画面は、図11に示すように、イントロスキャンの表示である「INTROSCAN」と、当該イントロスキャンで再生される時間の表示(例えば10秒のときには「10」)がなされる。このイントロスキャンモードのときには、1番目のトラックから初めの部分が順に再生され、すべての再生が終わると、停止状態になる。なお、オート再生の時は、イントロスキャンを始めると連続再生モードに切り換わる。イントロスキャン時にオート再生に戻るには、停止中に「オート」ボタン104を押す。また、イントロスキャン中のトラックを通常に再生するには「再生」ボタン121を押し、途中でイントロスキャンを止めるには「ストップ」ボタン123を押す。さらに、シャッフル再生又はプログラム再生時のイントロスキャンは、シャッフルやプログラムの順序でイントロスキャンがなされる。
【0064】
次に、本実施例装置は、テレビジョン画面上に幾つかの場面を同時に1つの画面上で見るダイジェストスキャンの機能をも有している。
【0065】
このダイジェストスキャン機能によれば、ディスクに記録されているトラック(動画)の初めの場面を例えば9トラック分1つの画面に表示(ディスクダイジェスト機能)したり、1トラックを9分割した場面を1つの画面に表示(トラックダイジェスト機能)することができるようになっている。これら機能によれば、1つの画面上に表示された複数の静止画を見ながら、再生したいトラックや場面を探すことができる。さらに、当該ダイジェストスキャン機能のディスクダイジェスト機能やトラックダイジェスト機能、後述するマルチボリュームディスクダイジェスト機能においては、各静止画を表示しているときに、その静止画に対応する音声を一定時間発生させることもでき、これによってユーザは当該静止画の内容を確実に理解することができるようになっている。
【0066】
ここで、ビデオCDでは、物理トラックの第2番目のトラック以降に動画のいわゆるMPEGの映像及び音声用トラックが配置されており、トラック毎に別々の動画シーケンスが配置されている。したがって、ディスクダイジェストとは、いくつかのトラックの動画シーケンスの一部を静止画として一度に画面に表示し、各トラックの内容を一度に見られるようにしたもので、画面上には対応するシーケンス番号(トラックナンバ)を表示し、その番号が選ばれると、その動画シーケンスを再生する機能である。なお、ディスクダイジェストの詳細な動作については、図28を用いて後述する。
【0067】
本実施例装置では、一度に9トラック(動画シーケンス)分ずつを高解像モードを用いて小さいながらも文字などを見やすく表示し、10以上の場合は2ページ以降に表示するようにしている。なお、9トラック分にしているのは、現在装置内に備えているメモリを最大限に利用した場合の許される最大数である。また、表示する動画シーケンスの部分は、先頭から4秒以降のイントラ画を表示している。これは、いわゆるカラオケ用の動画等が記録されたビデオCDにおいて例えば先頭から約4秒後に画像のタイトルをスーパーインポーズしていることが多いからである。
【0068】
先ず、ダイジェストスキャン機能のうち複数のトラックの初めの場面を見る上記ディスクダイジェストの機能は以下のようなものである。例えば、停止中に、「ディスクダイジェスト」ボタン111を押と、テレビジョン画面は図12に示すように、1画面中に9トラック分のトラックナンバが表示されると共に、それぞれトラックナンバに対応するトラックの初めの場面が分割画面として順番に表示される。なお、このディスクダイジェスト時のトラックの初めの場面は、トラック先頭から例えば約4秒後の場面となされる。この図12のように9トラックの初めの場面が表示されるているとき又は順番に表示が成されている最中に、リモコン100の数字ボタン124で希望のトラックナンバを選択すると、当該選択したトラックナンバのトラックが再生(すなわち当該トラックに対応する動画等が再生)される。
【0069】
ただし、ディスクに10トラック以上が存在するときには、テレビジョン画面上には「→」のマークが点滅表示され、10トラック目以降を表示するには、「次送り」ボタン118を押す。これにより、テレビジョン画面には10トラック目以降の各トラックの最初の場面が順に表示されるようになる。また、テレビジョン画面を前の画面に戻すには、「前送り」ボタン119を押すようにする。これにより、テレビジョン画面には前の画面の各トラックの最初の場面が順に表示されるようになる。さらに、記録トラック数が9トラック未満のディスクでは、当該ディスクに記録されているトラック分だけの表示を行う。
【0070】
また、各トラックの最初の場面が順に表示されている途中で、希望のトラック(場面)が表示されたところから再生を始めるときには、当該希望のトラックの表示が成されているときに「再生」ボタン121を押すようにする。これにより、テレビジョン画面には当該希望のトラックの再生がなされる。さらに、ディスクダイジェストの表示途中で当該ディスクダイジェストを停止したいときには、「ストップ」ボタン123を押すことで、停止する。またさらに、シャッフル再生やプログラム再生,オート再生のときに「ディスクダイジェスト」ボタン111を押してディスクダイジェストを始めると、自動的に連続再生モードに切り換わる。
【0071】
なお、上記ダイジェストスキャンモード時に、何も画面表示がなされていない状態のときは、トラックナンバは表示されない。また、数秒程度の短いトラックのあるディスクでディスクダイジェストを行った場合には、短いトラックはそのトラックナンバの数字のみが表示され、画像は表示されない。
【0072】
次に、本実施例装置では、1つの動画シーケンス(トラック)を9分割し、それぞれの先頭付近の場面を静止画で一度に高解像モードを用いて小さいながらも文字などを見やすく表示するトラックダイジェスト機能も有している。このトラックダイジェストとは、1トラックの動画の幾つかの部分を静止画として一度に画面に表示し、そのトラックの内容を一度に見られるようにしたもので、画面上には番号を表示し、その番号が選ばれるとその位置からの動画を再生する機能である。なお、トラックダイジェストの詳細な動作については、図26を用いて後述する。また、9分割して表示しているのは、ディスクダイジェスト同様に、現在もっているメモリを最大限に利用した場合の許される最大数であるからである。なお、先頭部分についてだけ4秒後以降のイントラ画等を、それ以外は分割した部分以降のイントラ画を表示するようにしている。
【0073】
ここで、1トラックを区切った場面を見るトラックダイジェストにおいては以下のようなされる。先ず、希望トラックの再生中に「トラックダイジェスト」ボタン110を押すと、テレビジョン画面は図13に示すように1トラックの9つの場面が順番に表示されると共に、各場面を示す数字も表示される。このとき、数字ボタン124によって希望の場面を示す数字を選択すると、当該選択した番号に対応する場面から再生が開始される。
【0074】
なお、トラックダイジェストによって各場面の表示が順に成されている最中に、希望の場面がでたところで再生を始めるには、当該場面がでたところで「再生」ボタン121を押す。これにより、当該場面からの再生が開始される。また、トラックダイジェストの表示中に当該トラックダイジェストを止めるときには、「ストップ」ボタン123を押す。さらに、プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDでトラックダイジェストを行うときには、停止中に「連続」ボタン105を押して、連続再生モードにしてから操作する。さらに、約40秒以下のトラックの場合は、9分割されない(8分割以下となる)。
【0075】
ここで、上述した図12及び図13に示すように、テレビジョン画面を分割して、各分割部分に1枚分の静止画を表示すると、各分割部分の画像はいわゆるフリッカ等によって非常に見苦しい画像となる。このため、本実施例では、各分割部分に表示する静止画を、高解像度の画像としている。この高解像度の画像は、上記1枚分の静止画に対してフレーム間相関を利用してライン間,ピクセル間の補間を行ったものを使用している。
【0076】
上記補間としては、例えば単純な補間と、重み付けを行った補間と、重み付け及び3ラインでの補間とが考えられる。
【0077】
上記単純な補間とは、例えば画素A,B,C,・・・があるとき、(A+B)/2,(B+C)/2,(C+D)/2,・・・のように、水平及び垂直方向に単純に補間を行うことである。ここで、動画シーケンスとしてMPEGフォーマットのものを例に挙げたとき、垂直方向に単純に補間を行うには、ハーフピクセルを利用する。垂直方向のベクトルが1のマクロブロックを作り、2マクロブロック移行をスキョプマクロブロックとする。ただし、ベクトルをスキップマクロブロックでも保存するためにピクチャタイプとしては必ずBピクチャを使用する。トータルのマクロブロック数−2のスキップマクロブロックを指定し、最後にベクトルの差分が0のマクロブロックを置くようにする。
【0078】
また、重み付けを行った補間とは、例えば画素A,B,C,・・・があるとき、(3A+B)/4,(3B+C)/4,(3C+D)/4,・・・のように、補間を行うことである。すなわち、動画シーケンスとしてMPEGフォーマットのものを例に挙げたとき、フォワード側で(A+B)/2,(B+C)/2,(C+D)/2,・・・の補間を行い、バックワード側ではベクトルを0として(A,B,C,・・・)を生成し、これらフォワード側とバックワード側とを足し合わせて2で割ることで補間を行う。
【0079】
さらに、重み付け及び3ライン補間とは、例えば画素A,B,C,・・・があるとき、(A+2B+C)/4,(B+2C+D)/4,(C+2D+E)/4,・・・のように、補間を行うことである。すなわち、動画シーケンスとしてMPEGフォーマットのものを例に挙げたとき、フォワード側で(A+B)/2,(B+C)/2,(C+D)/2,・・・の補間を行い、バックワード側ではベクトルを3として(B+C)/2,(C+D)/2,(D+E)/2,・・・を生成する。
【0080】
なお、これら補間処理を組み合わせることで各種の補間が可能となるが、例えばMPEGの規格上ではピクセルデータを足し合わせることは出来ても、引くことができないので、限界はある。実際にフリッカを有効に防止できるのは、単純補間と、重み付け及び3ライン補間である。また、重み付けのみの補間では、3回程度同じ処理を繰り返すことで強力なフリッカを消すことができる。
【0081】
次に、所望の場面を探すには、インデックスナンバで探す(インデックスサーチ機能)こともできる。すなわち本実施例装置によれば、ビデオCDのインデックスナンバを指定して、1トラック中の希望の場面を探すことができる。また、インデックスナンバに対応する各場面を順に見ながら、見たい場面を探すこともできる。ただし、インデックスサーチができるのは、インデックスが記録されているビデオCDを用いた場合である。
【0082】
このインデックスサーチ機能において、先ず、再生中にリモコン100の「V.インデックス」ボタン125を押す。これにより、テレビジョン画面には、図14の(A)に示すように、当該インデックスサーチ時であることを示す「INDEX」の文字が表示される。このとき、数字ボタン124で希望のインデックスナンバを指定すると、テレビジョン画面には図14の(B)に示すように、指定したインデックスナンバが表示(例えば3番を指定したときには「3」)され、その場面から再生が開始される。
【0083】
また、再生中に「V.インデックスサーチ」ボタン127の「←」ボタンを1回押すと、現在再生中のインデックスの部分の初めに戻る。当該「←」ボタンを続けて押すと、さらに前のインデックス位置に戻る。これに対して、「→」ボタンを押すとそのたびに次のインデックス位置に進む。
【0084】
なお、当該インデックスサーチ機能において、現在のインデックスナンバを知るには、「画面表示」ボタン108を押して画面に表示させるようにする。これはオート再生以外のときに表示することができる。また、インデックスが1つだけしか記録されていないディスクの場合は、テレビジョン画面には常に「I−1」が表示される。さらに、インデックスサーチができる範囲は、再生中のトラック内に限られ、トラック内の一番最後又は一番最初のインデックスのところでインデックスサーチは止まり、次や前のトラックへは進まない。
【0085】
本実施例装置では、シーンナンバを指定することによっても希望の場面を探すことができる。すなわち、プレイバック・コントロールのコードが記録されたビデオCDをオート再生しているときは、シーンナンバを指定して、見たい場面を探すことができる。この場合、例えば再生中又は停止中に「シーン」ボタン126を押すと、テレビジョン画面は図15の(A)に示すように、シーン再生であることを示す「SCENE」の文字が表示される。このとき、数字ボタン124で希望のシーンナンバを指定すると、テレビジョン画面は図15の(B)に示すように当該指定したシーンナンバの数が表示(例えばシーンナンバ6を指定したときには「6」)される。この状態で、「再生」ボタン121を押すと、当該指定したシーンから再生が開始される。
【0086】
なお、当該シーン再生機能において、入力を間違えたときは、「クリア」ボタン136を押し、改めて正しい数字ボタンを押し直すようにする。また、シーンナンバの入力を止めるには、もう一度「シーン」ボタン126を押すようにする。こらに、2桁以上のシーンナンバを指定する場合、数字ボタン124の「>10」ボタンを使わずに、例えばシーンナンバ10のとき「1」→「0」の順にボタンを押したり、例えばシーンナンバ25のとき「2」→「5」の順にボタンを押すこともできる。またさらに、現在のシーンナンバを知るには、「画面表示」ボタン108を押してテレビジョン画面に表示させるようにする。
【0087】
次に、本実施例装置は、指定したシーンから再生する、しおり再生機能をも有している。すなわち、本実施例装置は、予め指定(しおり設定)しておいたシーンから再生する(しおり再生)ことができる。一度しおり設定したシーンは装置が記憶しているので、再生を止めたり電源を切ったりしても、またディスクを取り出して交換しても有効である。プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDをオート再生しているときに可能な機能である。
【0088】
このしおり再生機能において、例えば再生中に希望のところで「しおり設定」ボタン112を押すと、テレビジョン画面には図16の(A)に示すように、しおり設定表示である「MARK」の文字が表示される。これにより、シーンがしおり設定される。その後、再生中又は停止中に、「しおり再生」ボタン113を押すと、テレビジョン画面には図16の(B)に示すように、しおり再生表示を示す「MARK PLAY」の文字が表示される。これにより、しおり設定したシーンの初めから再生が開始される。
【0089】
なお、このしおり再生機能において、しおり設定できるシーンの数は、ディスク1枚につき例えば1シーンで、最大でディスク36枚分に設定することができる。しおり設定したシーンが37以上になると、最初に設定した「しおり」から順に消去し、新たに設定したしおりを記憶する。また、設定した「しおり」を変えるには、同じディスクに対して別のシーンをしおり設定する。これにより、前に設定した「しおり」が消去され、後に設定した「しおり」が記録される。
【0090】
次に、本発明実施例装置では、くり返し再生をすることも可能となっている。すなわち、ディスクに入っているすべてのトラックや1トラックのみをくり返しで再生することができる。また、1トラック内の指定した部分をくり返し再生(くり返しA−B再生機能)することも可能となっている。
【0091】
例えば、ディスクのトラックをすべてくり返し再生する場合には、例えば停止中に「くり返し」ボタン137を1回押す。これにより、テレビジョン画面には図17に示すように、全トラックのくり返しを行う旨の表示である「REPEAT」の文字が表示される。その後、「再生」ボタン121を押すと再生が開始され、すべてのトラックが再生されると、再び初めのトラックに戻って再生される。
【0092】
このくり返し再生時に、通常の再生に戻すには、以下のようにする。例えば、連続再生のときには、「くり返し」ボタン137を2回連続して押す。また、シャッフル再生又はプログラム再生のときは、「くり返し」ボタン137を1回押す。このようにしてくり返し再生を通常の再生に戻すと、テレビジョン画面や本体150の表示窓169に表示されていた「REPEAT」の表示が消える。
【0093】
また、現在のトラックをくり返し再生するには、例えば再生中に「くり返し」ボタン137を2回連続して押す。これにより、テレビジョン画面には、図18に示すように、1トラックの切り返しを行う旨の表示である「REPEAT 1」の文字が表示される。この1トラックのくり返し再生を通常の再生に戻すときには、「くり返し」ボタン137をもう1回押す。これにより、テレビジョン画面や本体150の表示窓169に表示されていた「REPEAT 1」の表示も消える。
【0094】
なお、上記くり返し再生機能において、各再生モードと各再生モードにおいて可能なくり返し再生は以下の通りである。
例えば、再生モードが連続再生モードであるときには、全トラックのくり返しと、1トラックのくり返しと、1トラック内の指定区間のくり返し(くり返しA−B)が可能である。再生モードがシャッフル再生のときには、全トラックのくり返しと、1トラック内の指定区間のくり返し(くり返しA−B)のみが可能である。再生モードがプログラム再生モードのときには、プログラムしたトラックのすべてのくり返し再生と、1トラック内の指定区間のくり返し(くり返しA−B)のみが可能である。再生モードがオート再生のときには、1トラック内の指定区間のくり返し(くり返しA−B)のみ(ただし静止画のくり返しはできない)が可能である。
【0095】
ここで、上記1トラック内の指定した部分のみをくり返す「くり返しA−B」においては、以下のように操作する。
例えば再生中に、くり返したい部分の初めで、「くり返しA−B」ボタン138を押す。これにより、テレビジョン画面には、図19に示すように、「くり返しA−B」再生であることを示す表示の「A−B」及び「REPEAT」の文字が表示される。このとき、当該「くり返しA−B」ボタン138を押すことによって、くり返しの初め(A点)が設定されることになり、テレビジョン画面の「A−B」の文字のうち「B」の文字表示が点滅する。したがって、くり返したい部分の終わり(B点)を設定するために、当該くり返したい部分の終わりにきたときに「くり返しA−B」ボタン138を押す。これにより、テレビジョン画面の「B」の表示文字の点滅が止まり、くり返しの終わり(B点)の設定が終了する。その後、A点までもどってくり返し再生が開始される。
【0096】
なお、当該「くり返しA−B」ボタン138によるくり返し再生の途中で、通常の再生に戻すには、「くり返し」ボタン137を押す。これにより、本体150の表示窓169に表示されていた「REPEAT A−B」の表示も消える。また、くり返しの終わり(B点)は、くり返しの初め(A点)から2秒以内には設定できない。さらに、A−B間はトラックを越えて指定することもできない。
【0097】
次に、本実施例装置においては、任意の順序で再生するプログラム再生も可能である。すなわち、プログラム再生によれば、任意のトラックを任意の順序で再生することができる。この場合、先ず、「画面表示」ボタン108を2回連続して押して、図20の(A)に示すようにテレビジョン画面上にトラックナンバ(例えば1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)を表示させる。
【0098】
次に、「プログラム」ボタン107を押す。このとき、テレビジョン画面上には、図20の(B)に示すように、先の表示と共に、プログラム再生モードを示す「PROGRAM」の文字が表示される。その後、数字ボタン124によって、希望のトラックナンバを順に設定していく。例えば、トラック5→トラック3→トラック7の順に再生するプログラム再生を行う場合には、「5」ボタンの次に「3」ボタンを押してその次に「7」ボタンを押す。このトラックナンバの設定がなされると、テレビジョン画面には、図20の(C)に示すように、数字ボタン124を押した順番のトラックナンバが表示(「5」「3」「7」)される。なお、このプログラムされたトラックナンバが表示されたときのテレビジョン画面である図20の(C)には、プログラムしたトラックの合計時間の表示(例えば13分18秒であるときには「13:18」)と、プログラムしたトラック数の表示(上記3つのトラックをプログラムしたときには「STEP− 3」)がなされる。ただし、プログラムしたトラックの合計時間が100分を越えると上記合計時間の表示は「−−:−−」となる。
【0099】
なお、このプログラム再生モードにおいて、プログラムできるトラック数は最大25トラックとなっている。また、プログラム再生の設定時に数字の入力を間違えたときには「クリア」ボタン136を押し、改めて正しい数字ボタン124を押し直す。さらに、本体150でプログラム再生モードにするには、本体150の表示窓169に「PROGRAM」と表示されるまで「プレイモード」ボタン152を押す。
【0100】
その後、「再生」ボタン121を押すと、プログラム再生が開始される。再生が終わったプログラムナンバは、テレビジョン画面上では「*」の表示になる。
【0101】
また、一時停止(ポーズ)をプログラムするには、数字ボタン124でトラックナンバを入力する代わりに、「ポーズ」ボタン122を入力する。これにより、テレビジョン画面上のトラックナンバ表示は「P」となり、プログラム再生中にはこの「P」のところで一時停止となる。なお、この一時停止をプログラムできるのは停止中のみであり、当該一時停止もプログラムの一つとして数えるようにしている。さらに、一時停止は1番目と25番目にはプログラムできず、連続してプログラムすることもできない。例えばプログラムの最後に一時停止をプログラムしても、テレビジョン画面上に「P」の表示は成されるが、再生が始まると消去される。
【0102】
さらに、このプログラム再生モードにおいて、プログラム内容を確認するには、「チェック」ボタン135を押す。この「チェック」ボタン135を押すたびに、プログラム順とトラックナンバがテレビジョン画面上で点滅する。また、プログラム再生中に連続再生に戻すには、「連続」ボタン105を押す。これによりテレビジョン画面上の「PROGRAM」の表示が消え、プログラムは消去される。またさらに、プログラム再生モード以外の再生モードに切り換えたときもプログラム内容は消去される。
【0103】
ここで、プレイバック・コントロールのコードが記録されたビデオCDでプログラム再生するとき、プログラムできるのはトラックとして扱われる(トラックナンバが表示される)動画と音声のみである。静止画、メニュー画、動画の一部はプログラム再生できない。オート再生モードからプログラム再生モードにするには、停止中に「プログラム」ボタン107を押し、オート再生に戻すには、停止中に「オート」ボタン104を押す。
【0104】
上記プログラム再生モードにおいて、プログラムを変更するには以下のようにする。
例えばプログラムを追加するには、数字ボタン124を押すことで、プログラムの最後に追加される。また、例えばプログラムの一部を消去するには、「チェック」ボタン135を繰り返し押して、消去したいプログラムナンバを点滅させ、その後「クリア」ボタン136を押す。なお、再生中のトラックのプログラムは消去できず、また、ピッチが調整されている場合には、「ピッチ」ボタン132を押してピッチ調整を解除してから「クリア」ボタン136を押すことでプログラムの消去ができる。さらに、プログラム全体を消去するには、停止中に「ストップ」ボタン123を押す。
【0105】
また、合計時間を確認しながらプログラムすることも可能である。
例えば、プログラム中に、数字ボタン124の代わりに「前送り」ボタン119又は「次送り」ボタン118を押してトラックを選択することで、この選択したトラックの合計時間がテレビジョン画面上に表示される。その後、合計時間を確認後、「プログラム」ボタン107を押して確定する。なお、本体150で当該操作を行う場合には、「プレイモード」ボタン152を押す。
【0106】
次に、本発明実施例の情報再生装置は、ディスクのすべてのトラックを順不同に再生するシャッフル再生も可能となっている。この場合、先ず「シャッフル」ボタン106を押す。これにより、テレビジョン画面には、図21に示すように、シャッフル再生モードを示す表示である「SHUFFLE」の文字が表示される。次に、「再生」ボタン121を押すと、すべてのトラックが順不同に1回ずつ再生される。なお、当該シャッフル再生中に通常の再生に戻すには、「連続」ボタン105を押す。これにより、テレビジョン画面上及び表示窓169上の「SHUFFLE」の表示が消える。
【0107】
なお、本体150側でシャッフル再生モードにするには、表示窓169上に「SHUFFLE」の表示がなされるまで、「プレイモード」ボタン152を押す。また、連続再生中又はプログラム再生中に「シャッフル」ボタン106を押すと、現在再生中のトラックの次からシャッフル再生が始まる。さらに、プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDでシャッフル再生するとき、シャッフル再生できるのは、トラックとして扱われる(トラックナンバが表示される)動画と音声のみであり、静止画、メニュー画、一部の動画はシャッフル再生されない。オート再生時にシャッフル再生モードにするには、停止中に「シャッフル」ボタン106を押す。シャッフル再生モードからオート再生モードに戻すには、停止中に「オート」ボタン104を押す。
【0108】
本実施例の情報再生装置は、曲の音程を変えるピッチ調整の機能をも有している。すなわち、再生するピッチ(スピード)を変えることにより、音声を高くしたり、低くしたりすることができる。この場合、先ず、再生中に、「ピッチ」ボタン132を押す。これにより、テレビジョン画面上には、図22に示すように、ピッチ調整とその割合(%)の表示(例えばピッチ調整の割合が0.0%のとき「PITCH 0.0%」)がなされる。この時、「ピッチ−」ボタン134又は「ピッチ+」ボタン133を押すことで、ピッチの割合を変えることができる。例えば「ピッチ+」ボタン133を押すとピッチが速くなり(音程が上がる)、「ピッチ−」ボタン134を押すとピッチが遅く(音程が下がる)なる。なお、このピッチは、0.1%間隔で、−12.0%〜+12.0%の範囲で変更できる。
【0109】
なお、ピッチ調整後に、通常の再生に戻すには、「ピッチ」ボタン132を押すようにする。このとき、先に設定したピッチは保持されているで、もう一度「ピッチ」ボタン132を押すと、前に設定したピッチで再生がなされる。また、一旦ピッチ設定を変えた後に、標準ピッチに戻すには「クリア」ボタン136を押す。
【0110】
さらに、本発明実施例情報再生装置においては、例えば歌が記録されたディスクを歌手の声のみ音量を下げて再生することができる。この場合、「カラオケ」ボタン129を押すと、歌手の声の音量が下がり、テレビジョン画面には例えば「カラオケ」の文字が表示される。この機能を使用しているときに、歌手の声の音量を通常の音量に戻すには再度「カラオケ」ボタン129を押す。
【0111】
また、本実施例の装置においては、トラックの初めで一旦停止するオートポーズ機能をも有している。例えば、1トラックの再生が終わると、次のトラックが始まる前に自動的に一時停止状態にすることができる。この場合、「オートポーズ」ボタン139を押す。これにより、テレビジョン画面上には、「A.PAUSE」の文字が表示され、1トラックの再生が終了すると一時停止状態になる。次のトラックの再生を始めるには、「ポーズ」ボタン122又は「再生」ボタン121を押す。当該オートポーズを解除するには、「オートポーズ」ボタン139を押す。
【0112】
その他、本実施例装置においては、再生音にエコーをかけることができる。この場合、本体150のエコー調節用ボリューム160を右又は左に回して調節する。さらに、本実施例装置では、本体150のマイク音量調節用ボリューム161によってマイク入力してスピーカに送られる音量をも調節することができる。また、ヘッドホンレベル調整用ボリューム159によってヘッドホンの音量も調整できる。
【0113】
図23には、本体150の表示窓169の表示内容を全て表示した状態を示す。すなわちこの図23において、表示窓169には、再生表示用の再生マーク180、一時停止表示用のポーズマーク181、ビデオCD表示用の「VIDEOCD」、プレイバック・コントロールのコードが記録されているビデオCDを表示するための「PBC」182、オート再生表示のための「AUTO」、シャッフル再生表示のための「SHUFFLE」、プログラム再生表示のための「PROGRAM」、オートポーズ表示のための「AUTO PAUSE」、くり返し再生のための「REPEAT1」及び「A−B」、いわゆるカラオケ表示のための「K.PON」、プログラムトラック数表示のための「STEP」、時間/ピッチ調整値/イントロスキャン再生時間表示のための「MIN」及び「SEC」、インデックスサーチ/インデックスナンバ表示のための「INDEX」、ピッチ調整表示のための「PITCH」、音声モニタ表示のめたの「MONO LR」、トラックナンバ/選択メニュー番号表示や時間(分,秒)の表示のための7セグメント表示による数字表示部とが表示可能となされている。
【0114】
ところで、本実施例の情報再生装置において、本体150の「+」ボタン165及び「−」ボタン166と「再生(選択)」ボタン168は、リモコン100の数字ボタン124に対応する機能を有している。例えば、本体150の「−」ボタン166によれば、押すたびに番号(数字)が小さくなる設定ができ、「+」ボタン165によれば、押すたびに番号(数字)が大きくなる設定ができる。また、本体150の「再生」ボタン168は「選択」ボタンとしても機能する。したがって、例えば、この本体150の「−」ボタン166と「+」ボタン165で番号を指定し、その後当該本体150の「再生(選択)」ボタン168を押すことで、当該指定した番号の選択がなされる。
【0115】
具体的に説明すると、ビデオCDでは、例えばプレイバック・コントロールによる動作時の例えばセレクション・リスト実行時に、選択番号を入力する場合がある。番号としては、1から99まであり得る。リモコン100では、数字ボタン124があるため、この数字ボタン124を用いることで番号選択が可能である。しかし、本体150には、数字ボタン124のように数多くのボタンを設けるだけの充分な面積を確保することができないため、これを上記「+」ボタン165及び「−」ボタン166と、「再生(選択)」ボタン168で代用するようにしている。例えば、リモコン100のボタン数と、本体150の番号選択のために使用するボタン数とを比較すると、リモコン100では数字ボタン124を構成する「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」「10/0」「>10」の各ボタンで合計11個となっているのに対して、本体150では「+」ボタン165と「−」ボタン166と「再生(選択)」ボタン168の3個となる。
【0116】
ここで、セレクション・リストとは、後述するようにユーザにメニューの選択を行なわせるためのリストであり、アドレスの情報となっている。すなわち、例えばセレクション・リストによれば、選択番号の最小値及び選択肢の数が判っている。また、番号に対応した飛び先のオフセットによって、その番号が選択可能がどうかも知ることができる。したがって、選択番号の最小値と最大値と選択不可能な番号がわかる。
【0117】
本実施例装置では、最初に「+」ボタン165が押された場合には最小値を、最初に「−」ボタン166が押された場合には最大値を表示するものとしている。その後、「+」ボタン165が押された場合には数字を1増やし、「−」ボタンが押された場合には数字を1減らす。ここでもしも、最大値のときに「+」ボタン165が押された場合には最小値を、最小値のときに「−」ボタン166が押された場合には最大値を表示するものとしている。
【0118】
さらに、「再生(選択)」ボタン168が押されたならば、現在表示している番号を選択された番号として、対応する飛び先に実行を移す。対応する飛び先が無効な値(例えば$FFFF)であったならば、選択を無視する。なお、番号に対応するオフセットが無効な値の場合には、「+」ボタン165及び「−」ボタン166が押された時に、その番号をスキップするようなものとすることも可能である。
【0119】
リモコン100のボタン入力回数と本体150の番号選択のために必要とするボタン入力回数とを比較すると、例えば、選択肢が11から15までの5つの選択肢となっているとしたときに例えば13、14又は15を選ぶ場合の入力回数は以下のようになる。
【0120】
リモコン100の数字ボタン124では、13を入力するためには「>10」→「1」→「3」の順番で合計3回の入力が必要で、14を入力するためには「>10」→「1」→「4」の順番で合計3回の入力が、15を入力するためには「>10」→「1」→「5」の順番で合計3回の入力が必要となる。
【0121】
一方、本体150においては、13を入力するためには「+」→「+」→「+」→「再生(選択)」の順番で合計4回の入力が必要で、14を入力するためには「−」→「−」→「再生(選択)」の順番で合計3回の入力が、15を入力するためには「−」→「再生(選択)」の順番で合計2回の入力が必要となる。
【0122】
また、例えば、選択肢が1から10までの10個の選択肢となっているとしたときに3、5又は10を選ぶ場合の入力回数は以下のようになる。
【0123】
リモコン100の数字ボタン124では、3を入力するためには「3」の入力1回が必要で、5を入力するためには「5」の入力1回が、10を入力するためには「10」の入力1回が必要となる。
【0124】
これに対して、本体150においては、3を入力するためには「+」→「+」→「+」→「再生(選択)」の順番で合計4回の入力が必要で、5を入力するためには「+」→「+」→「+」→「+」→「+」→「再生(選択)」の順番で合計6回の入力が、10を入力するためには「−」→「再生(選択)」の順番で合計2回の入力が必要となる。
【0125】
上述のように、本体150側では、数字入力のためのボタン数を大幅に削減し、かつ使用者のボタン入力回数を極端に増やさずに番号選択を行うことが可能となる。
【0126】
次に、図24には、本発明実施例の情報再生装置の回路構成を示す。
【0127】
この図24において、CDデッキ1には、各種の光ディスク(CD−DAや、CD−ROMに分類される各ディスク等)が装填され、このCDデッキ1の光ピックアップによって上記光ディスクの記録された信号が読み取られる。このCDデッキ1からの光ディスクの読み取り信号は、信号処理回路2に送られる。当該信号処理回路2は、CPU(中央処理ユニット)4によって制御され、例えば、上記光ディスクからの読み取り信号に応じて上記CDデッキ1に対してフォーカス,トラックキング等のサーボ制御信号を送り、また、上記光ディスクからの読み取り信号に対して誤り訂正等の処理を行う。
【0128】
上記信号処理回路2からの光ディスクの再生信号は、切り替え回路15とCD−ROMデコーダ3に送られる。上記CD−ROMデコーダ3では、上記光ディスクがCD−ROMの範疇に入るディスク(例えば本実施例のディスク)である場合には、当該ディスクからの再生信号をCD−ROMのフォーマットに従ってデコードする。上記CD−ROMデコーダ3によってデコードされた信号のうち、プレイバック・コントロールの情報を含む各種ディスク情報はRAM6に送られ、オーディオ情報はMPEGオーディオデコーダ21に、また、ビデオ情報はMPEGビデオデコーダ22にそれぞれ送られる。
【0129】
MPEGオーディオデコーダ21では、MPEG1のレイヤ2のフォーマットに基づいてオーディオ情報のデコードを行い、上記MPEGビデオデコーダ22ではMPEG1のフォーマットに基づいてビデオ情報のデコードを行う。
【0130】
上記MPEGオーディオデコーダ21によってデコードされたオーディオ信号は、上記切り替え回路15に送られる。当該切り替え回路15は、上記CDデッキ1にて再生している光ディスクが通常のオーディオCD(CD−DA)である場合には上記信号処理回路2からのオーディオ信号を、また、上記CDデッキ1にて再生している光ディスクが本実施例のディスク(ビデオCD)である場合には上記MPEGオーディオデコーダ21からのオーディオ信号を選択するように切り替えを行う。また、当該切り替え回路15では、オーディオ信号をステレオのレフト(L)とライト(R)へ切り替えることも行う。
【0131】
上記切り替え回路15を介したディジタルのオーディオ信号は、D/A変換回路16によってアナログ信号に変換された後、フィルタ17を介してエコーミキシング回路18に送られる。このエコーミキシング回路18では、端子19からのマイクロホンからの音声入力信号と、上記フィルタ17を介したオーディオ信号とのミキシングを行うと共に、例えば上記音声入力信号にエコーをかける処理を行う。すなわち、このエコーミキシング回路18によって光ディスクから再生されたオーディオ信号とマイクロホンからの音声入力信号とをミキシングし、さらに音声入力信号にはエコーをかけることで、いわゆるカラオケとしての機能を実現することができることになる。
【0132】
上記エコーミキシング回路18からの信号は、出力端子20から後段の例えばアンプ及びスピーカに送られる。
【0133】
一方、上記MPEGビデオデコーダ22に送られたビデオ情報は、当該MPEGビデオデコーダ22にてデコードされてディジタルのビデオ信号となされた後、D/A変換回路23に送られる。当該D/A変換回路23でアナログ信号に変換されたビデオ信号には、文字表示回路24によって例えば後段のディスプレイ装置に表示する文字情報が付加された後に、ビデオ変調回路25で所定の変調が施され、出力端子26から例えば表示ディスプレイに送られる。
【0134】
また、ROM5やEEPROM(電気的消去可能なROM)7には、CPU4において使用する各種プログラムの情報や、上記文字情報等も記憶されており、CPU4は、これらのプログラム情報等を用いてバスを介して接続された各部を制御したり、必要な文字情報等を取り出して文字表示回路24に送る。
【0135】
上記CPU4はまた、サブCPU8とも接続されている。このサブCPU8は、リモコン100からの赤外線による信号を受信する受信部10からの信号や、各種スイッチ11からの入力信号を受けて、これらの信号の内容判断等を行うと共に、その内容やプレイバック・コントロールの情報等に応じて蛍光表示管12の表示を制御する。また、このサブCPU8は、電源13とも接続されている。さらに、各部はクロック発生回路27からのクロックに基づいて動作する。
【0136】
また、上記スイッチ11やリモコン100には、前述した各種のキーが配置されている。ここで、本実施例の情報再生装置において、前記プレイバック・コントロールのコードが記録されたビデオCDの再生を行っている時には、ユーザはこれらキーを押すことができ、当該再生時にこれらキーを押すことで、前述したように再生装置の再生状態や再生内容が変わるようになる。これによって、ユーザは、プレイバック・コントロール機能を用いた再生を行うことができる。
【0137】
次に、本実施例装置の動作を以下の図25〜図39のフローチャートを用いて説明する。
【0138】
先ず、図25には、本実施例装置の本体150へのディスクの挿入後の動作のフローチャートを示す。
【0139】
この図25において、ステップS400でディスクが本実施例の情報再生装置のディスクテーブルにて装置内に挿入されると、ステップS401ではディスクの最内周に記録された目次に対応するTOC(Table of Contents )と、インホメーション情報の読み取りがなされる。ステップS402では、挿入されたディスクがビデオCDのディスクか否かの判断を行い、ビデオCDのディスクでないと判断した場合(ノー)はステップS403で他ディスクに対応する処理へ移行する。また、当該ステップS402でビデオCDのディスクであると判断した場合(イエス)にはステップS404に進む。
【0140】
ステップS404では、ユーザのボタン入力待ち状態となり、次のステップS407では、「ディスクダイジェスト」ボタン111が押されたか否かの判断を行う。当該ステップS407で押されていないと判断した場合(ノー)はステップS409に進み、押されたと判断した場合(イエス)はステップS408でディスクダイジェストの処理に進む。
【0141】
さらに、上記ステップS407でノーと判断されたときは、ステップS411で他のボタンの処理に進む。
【0142】
次に、本実施例装置における前記選択番号入力の処理では、図26及び図27のフローチャートのような処理を行う。
【0143】
先ず、この図26において、ステップS229では選択番号入力の処理が開始し、ステップS230では、選択肢の最小値を変数BSNに代入し、選択肢の個数を示す変数NOIと選択肢の最小値とから選択肢の最大値を求め、次のステップS231では変数Curを0とした後、ステップS232に進む。
【0144】
ステップS232では、「+」ボタン165が押されたか否かの判断を行い、押されたと判断した場合(イエス)にはステップS235に進み、当該ステップS235で上記変数Curに最小値を代入する。また、ステップS232で、押されていないと判断した場合(ノー)にはステップS234に進む。
【0145】
ステップS234では、「−」ボタン166が押されたか否かの判断を行い、押されたと判断した場合(イエス)にはステップS236に進み、当該ステップS236で上記変数Curに最大値を代入する。また、押されていないと判断した場合(ノー)にはステップS237に進む。
【0146】
ステップS237では上記変数Curが0(すなわち選択されなかった旨)を記憶し、その後、ステップS238でリターンされる。
【0147】
また、上記ステップS235やステップS236の後は、図27のフローチャートの処理に進む。
【0148】
この図27において、ステップS241では、上記変数Curをテレビジョン画面や表示窓169に表示し、次のステップS242では、「+」ボタン165が押されたか否かの判断を行い、押されたと判断した場合(イエス)にはステップS255に進み、押されていないと判断した場合(ノー)にはステップS243に進む。
【0149】
ステップS243では、「−」ボタン166が押されたか否かの判断を行い、押されたと判断した場合(イエス)にはステップS248に進み、押されていないと判断した場合(ノー)にはステップS244に進む。
【0150】
ステップS244では、「再生(選択)」ボタン168が押されたか否かの判断を行い、押されていないと判断した場合(ノー)はステップS241に戻る。また、押されたと判断した場合(イエス)はステップS245に進み、ここで上記表示を消す処理を行う。その後、ステップS246で上記変数Curを選択された番号として記憶した後、ステップS247でリターンされる。
【0151】
また、上記ステップS242でイエスと判断されたときのステップS255では、上記変数Curを増加させ、ステップS256に進む。当該ステップS256では対応する番号の飛び先が「$FFFF」であるか否かの判断を行い、イエスと判断した場合にはステップS255に戻り、ノーと判断した場合にはステップS257に進む。
【0152】
ステップS257では、変数Curが最大値より大きいか否かの判断を行い、大きいと判断した場合(イエス)にはステップS258に、小さいか又は等しいと判断した場合にはステップS241に戻る。
【0153】
ステップS258では、上記変数Curに最小値を代入した後、ステップS241に戻る。
【0154】
また、上記ステップS243においてイエスと判定されたときのステップS248では、上記変数Curを減少させ、ステップS249に進む。当該ステップS249では対応する番号の飛び先が「$FFFF」であるか否かの判断を行い、イエスと判断した場合にはステップS248に戻り、ノーと判断した場合にはステップS250に進む。
【0155】
ステップS250では、変数Curが最小値より小さいか否かの判断を行い、小さいと判断した場合(イエス)にはステップS251に、大きいか又は等しいと判断した場合にはステップS241に戻る。
【0156】
ステップS251では、上記変数Curに最大値を代入した後、ステップS241に戻る。
【0157】
次に、上記図25のフローチャートにおいてディスクダイジェストの処理に進んだ場合には、図28のフローチャートのような処理を行う。
【0158】
先ず、この図28において、ステップS206でディスクダイジェストの処理に進むと、ステップS207ではトラックナンバNに1を代入し、ステップS208では上記トラックナンバNに対応する前記図12で示したテレビジョン画面を9分割した各分割画面番号P(以下分割画面をPosとする)に1を代入する。次のステップS209では、ナンバNのトラックの先頭から指定時間後にシークする処理を行い、ステップS210ではデータの読み出し後初めて表示できる画(イントラ画等)を前記図12の9分割の分割画面Posに当該トラックナンバNと共に表示する。
【0159】
ステップS211では「再生」ボタン121が押されたか否かの判断を行い、押されたと判断した場合(イエス)はステップS220で対応するトラックの再生を行う。一方、ステップS211で押されていないと判断した場合(ノー)はステップS212に進み、ここでトラックナンバNと分割画面番号Pを増加させる。次のステップS213では、トラックナンバNが最大トラックナンバよりも大きくなったか否かの判断を行い、イエスと判断した場合にはステップS215に、ノーと判断した場合にはステップS214に進む。
【0160】
ステップS214では、分割画面番号Pが10より小さいか否かの判断を行い、小さいと判断した場合(イエス)にはステップS209に戻り、等しいか又は大きいと判断した場合にはステップS215に進む。
【0161】
ステップS215では、ユーザのボタン入力待ち状態となり、次のステップS216では次のボタン入力が有ったか否かの判断を行う。当該ステップS216で次のボタン入力が有ったと判断した場合(イエス)にはステップS208に戻り、無いと判断した場合にはステップS217に進む。
【0162】
ステップS217では、数字ボタンが押されたか否かの判断を行い、押されていないと判断した場合(ノー)にはステップS218で他のボタンの処理を実行した後にステップS215に戻る。一方、ステップS217で数字ボタンが押されたと判断した場合(イエス)はステップS219に進む。
【0163】
ステップS219では、最大トラック番号よりも数字ボタンによる入力番号が大きいか否かの判断を行い、大きいと判断した場合(イエス)はステップS215に、等しいか又は小さいと判断した場合(ノー)にはステップS220に進む。ステップS220では対応するトラックの再生を行って処理を終了する。
【0164】
次に、トラックダイジェストの処理では、図29及び図30のフローチャートのような処理を行う。
【0165】
先ず、図29において、ステップS270でトラックダイジェストの処理に移行すると、ステップS271では現トラックの先頭から例えば約4秒(4秒=STEPとする)後のところへシークする。次のステップS272では、データの読み出し後、初めて表示できる画(イントラ画など)を図13に示したテレビジョン画面を9分割した各分割画面のうちの1番目の分割画面Pos1に表示する。
【0166】
次のステップS273では、当該トラックの全時間(トータル・タイム)がSTEP×9(≒36)より短いか否かの判断を行い、短いと判断した場合(イエス)にはステップS280へ、長いか或いは等しいと判断した場合(ノー)はステップS274に進む。
【0167】
ステップS274では、上記Pに1を代入し、次のステップS275では後述する図30のフローチャートに示すボタンチェックの処理を行う。このステップS275の後は、ステップS276に進み、ここで現トラックのP/9の位置(すなわちトラックを9分割した場面のうちのP/9位置に対応する場面位置)にシークする。
【0168】
次のステップS277では、データ読み出し後初めて表示できる画(イントラ画等)を次の分割画面Pos(すなわちPos(P+1))に表示する。ステップS278では、Pを増加し、ステップS279ではPが9より小さいか否かの判断を行う。当該ステップS279でPが9より小さいと判断した場合(イエス)はステップS275に戻り、Pが9以上であると判断した場合(ノー)にはステップS290に進む。
【0169】
また、上記ステップS273において、イエスと判断された場合のステップS280では、上記Pに1を代入し、当該トラックの全時間(トータル・タイム)がSTEP×P(≒4P)より短いか否かの判断を行い、短いと判断した場合(イエス)にはステップS290へ、長いか或いは等しいと判断した場合(ノー)はステップS275のボタンチェックの処理に進む。
【0170】
ステップS275の後は、ステップS283で現トラックのSTEP×Pの位置にシークし、次のステップS284ではデータ読み出し後初めて表示できる画(イントラ画など)を次の分割画面Pos(すなわちPos(P+1))に表示する。その後は、ステップS285において、Pを増加し、ステップS281に戻る。
【0171】
また、ステップS281でイエスと判断されたとき、及びステップS279でノーと判断されたときのステップS290では、ユーザのボタン入力を待ち、次のステップS275ではボタンチェックの処理を行い、その後ステップS290に戻る。
【0172】
次に、図30を用いて上記ステップS275のボタンチェックのフローチャートについて説明する。
【0173】
この図30において、ステップS275のボタンチェックの処理では、先ず、ステップS300で「再生」ボタン121或いは168が押されたか否かの判断を行い、押されたと判断した場合(イエス)にはステップS303に、押されていないと判断した場合(ノー)はステップS301に進む。
【0174】
ステップS301では、リモコン100の有効な数字ボタン124又は本体150の「+」ボタン165,「−」ボタン166による数字の設定がなされたか否かの判断を行い、イエスと判断した場合にはステップS303に進む。このステップS303では対応する位置から再生を行った後、処理を終了する。
【0175】
一方、ステップS301で、ノーと判断した場合には、ステップS302に進む。このステップS302では、他のキーの処理を行った後、ステップS304でリターンする。
【0176】
ところで、本実施例の情報再生装置の他の例としては、複数枚のディスクをユーザの選択に応じて再生したり、或いは予め決められた順序で順次再生することができるいわゆるチェンジャを挙げることも可能である。
【0177】
当該チェンジャとしての本実施例の情報再生装置においても、前記図12にて説明したものと同様にして、テレビジョン画面を分割してチェンジャ内のいずれか1枚のディスクの各トラックの先頭から約4秒後の場面を表示したり、前記図13にて説明したものと同様にして、当該1枚のディスク内の1トラックを分割した各場面を表示したりすることができる。
【0178】
さらに、このチェンジャとしての本実施例の情報再生装置の場合には、チェンジャ内に装填されている複数枚の各ディスクの先頭トラックの先頭位置又は所定位置、或いは各ディスクの所定のトラックの先頭位置又は所定位置などの場面を、前記図12のようにテレビジョン画面に分割表示することも可能である。
【0179】
ここで、このチェンジャタイプの情報再生装置において、各ディスクの先頭トラックの先頭位置又は所定位置、或いは各ディスクの所定のトラックの先頭位置又は所定位置などの場面を表示するダイジェストスキャン機能を例えば、マルチボリュームダイジェスト機能と呼ぶとする。
【0180】
このマルチボリュームディスクダイジェスト機能において、例えば各ディスクの先頭トラックの先頭位置をそれぞれ分割画面に表示するようにした場合には、例えば、停止中に、前述同様に例えば「ディスクダイジェスト」ボタン111を押すと、テレビジョン画面が前記図12に示すように、1画面中に9枚のディスクのそれぞれに対応するディスクナンバが表示されると共に、それぞれ各ディスクナンバに対応するディスクの先頭トラックの初めの場面が順番に表示される。なお、このマルチボリュームディスクダイジェスト時の各ディスクの最初のトラックの初めの場面も、トラック先頭から例えば約4秒後の場面とすることができる。また、マルチボリュームディスクダイジェスト時の各ディスクの初めの場面が表示されているとき又は順番に表示が成されている最中に、リモコン100の数字ボタン124で希望のディスクナンバを選択すると、当該選択したディスクナンバの当該トラックが再生されるようになる。もちろん、各分割画面に表示さるのは、各ディスクの先頭のトラックではなく所定のトラックとすることができる。また、上記「ディスクダイジェスト」ボタン111を兼用するものとせずに、マルチボリュームディスクダイジェスト専用のボタンを設けることも可能である。
【0181】
ただし、チェンジャ内にディスクが10枚以上が存在するときには、画面上には「→」のマークが点滅表示され、10枚目のディスク目以降を表示するには、「次送り」ボタン118を押す。これにより、テレビジョン画面には10枚目以降の各ディスクの最初の場面が順に表示されるようになる。また、テレビジョン画面を前の画面に戻すには、「前送り」ボタン119を押すようにする。これにより、テレビジョン画面には前の画面の各ディスクの最初の場面が順に表示されるようになる。さらに、ディスク数が9枚未満のときには、これら枚数のディスク分だけの表示を行う。
【0182】
また、各ディスクの最初の場面が順に表示されている途中で、希望のディスクが表示されたところから再生を始めるときには、当該希望のディスクの表示が成されているときに「再生」ボタン121を押すようにする。これにより、テレビジョン画面には当該希望のディスクの再生がなされる。さらに、マルチボリュームディスクダイジェストの表示途中で当該マルチボリュームディスクダイジェストを停止したいときには、「ストップ」ボタン123を押すことで、停止する。またさらに、シャッフル再生やプログラム再生,オート再生のときに「ディスクダイジェスト」ボタン111を押してマルチボリュームディスクダイジェストを始めると、自動的に連続再生モードに切り換わる。
【0183】
さらに、このマルチボリュームディスクダイジェスト機能において、例えば各ディスクの先頭トラックの先頭位置をそれぞれ分割画面に表示するようにし、これら分割画面表示された各ディスクのうちのいずれかを選択したときに、当該ディスクについての前記ディスクダイジェストの動作を続けて行うようにすることも可能である。
【0184】
次に、このチェンジャ機能を有する情報再生装置において上記トラックダイジェスト機能を行う場合は、例えば、各ディスクの先頭のトラック或いは所定のトラックを分割した複数位置を、静止画として一度に画面に表示し、そのトラックの内容を一度に見られるようにする。この場合、例えば図13の9分割画面に例えばディスクナンバ1の先頭又は所定トラックを9個に分割した各場面を表示し、「次送り」ボタン118で送った次のページの分割画面に例えばディスクナンバ2の先頭又は所定トラック9個に分割した各場面を表示していくようにしたり、或いは、9分割画面のうちの分割画面Pos1,Pos2,Pos3に例えばディスクナンバ1の先頭又は所定トラックを3分割した場面を表示し、9分割画面のうちの分割画面Pos4,Pos5,Pos6に例えばディスクナンバ2の先頭又は所定トラックを3分割した場面を表示していくようにすることができる。
【0185】
次に、本実施例装置が再生する情報記録媒体の一例としてのビデオCDについて説明する。
【0186】
いわゆるコンパクト・ディスク(CD)には、記録するデータの種類によって多くの規格がある。すなわち、CDの規格の中には、大別するとオーディオ信号を記録するオーディオCD(CD−DA)と、各種データを記録するCD−ROMがある。このなかで、ビデオ信号を記録する本実施例の情報記録媒体であるディスク(ビデオCD)のフォーマットは、上記CD−ROMの範疇に入り、簡易動画再生を目的としたいわゆるカラオケCD(CD動画カラオケ)規格を拡張したものである。なお、ここでのカラオケCDとは、マイクロホンからの入力音声と音楽信号とをミキシングしたりして使用するカラオケなどにおいて使用することを主目的とするディスクのことである。
【0187】
ここで、例えば、家庭用ソフトウエアの分野は、単純な動画再生だけでなく、動画と静止画を組み合わせた音楽ソフトや教育ソフト、電子出版ソフトなど非常に利用範囲が広い。これらのソフトウエア群に対応するため、本発明実施例のディスクにおいては、704×480画素の高精細静止画の再生仕様や、メニュー再生を実現するプレイバック・コントロールなどの機能を付加している。
【0188】
また、本実施例のディスクのフォーマットは、既存のCD−I FMV(Full Motion Video) の規格との互換性も有するフォーマットである。すなわち、本実施例のディスクの記録フォーマットをCD−I FMV規格に対応するプレーヤでも再生できるブリッジ規格とし、規格上の一貫性とディスクの互換性を保っている。
【0189】
さらに、本実施例のディスクの記録フォーマットは、CD−Iとは異なり、オペレーティングシステムを特定していないため、専用のプレーヤだけでなく、動画像の圧縮符号化のいわゆるMPEG(Moving Picture Expert Group)用動画ボードを搭載したパーソナルコンピュータやゲーム機でも活用できるものとなっている。
【0190】
また、本実施例のディスク構成は、コンピュータデータとしてのインフォメーション部分のデータはフォーム1、オーディオ又はビデオデータはフォーム2に準拠しており、ファイルの管理はISO9660フォーマットに従う。
【0191】
ディスクの記録領域は、図31に示すように、大別してリードイン領域LiAと、データ領域(トラックTr1〜Tr99)と、リードアウト領域LoAからなる。
【0192】
この図31に示す本実施例のディスクでは、CD−ROM XAのフォーマットに対して、トラックTr1の部分に新たにビデオCDインフォメーション部VDIを設けている。このビデオCDインフォメーション部VDIの領域に各種ディスク情報を記録する。また、このトラックTr1の部分のリストIDオフセットテーブル部LOTには、ディスクに記録した動画と静止画のID(識別情報)を格納する。プレイバック・コントロール部(後述するプレイ・シーケンス・ディスクリプタ部SPD)には、リスト形式で記述した再生手順を記録する。
【0193】
さらに、セグメント・プレイ・アイテム(Segment Play Item) SPIには、メニュー画面に使用する静止画などのデータを書き込めるようにしている。図31の例では、上記セグメント・プレイ・アイテムSPIはセグメント・プレイ・アイテムSPI1〜SPI6からなり、セグメント・プレイ・アイテムSPI1とSPI2にはメニュー静止画MSV1とMSV2が、セグメント・プレイ・アイテムSPI3には静止画SV3が、セグメント・プレイ・アイテムSPI4には動画MV4が、セグメント・プレイ・アイテムSPI5とSPI6には静止画列SVL1とSVL2が書き込まれている。
【0194】
また、トラックTr1には、CD−Iアプリケーションエリア部も配置する。本実施例のビデオCDフォーマットのディスクをCD−I FMVプレーヤで再生するときには、プレーヤが先ずこの領域を読み込み、アプリケーションの手順に従って再生する。また、パーソナルコンピュータなどのディレクトリ管理を必要とする機器で再生する場合は、図32のディレクトリ構造に従ってファイルを管理する。
【0195】
すなわち、この図32では、CD−Iと、MPEGのオーディオ,ビデオと、カラオケからなる従来のディレクトリ構成に、図中VCDとして示しているビデオCDのディレクトリを追加している。例えば、図32の上記VCDのディレトクリにおいて、図中INFO.VCDにはディスクのインフォメーションを格納し、図中ENTRIES.VCDにはMPEG規格の動画やMPEG規格のオーディオデータのスタートの位置を格納し、図中LOT.VCDには後述するリストIDオフセット・テーブルを格納し、図中PBC.VCDにはプレイバック・コントロールの情報を格納する。
【0196】
通常のMPEGデータはトラックTr2以降に記録する。したがって、通常のMPEGデータに対しては、最大トラック99まで対応できることになる。ただし、本実施例のディスクのフォーマットでは、上記プレイバック・コントロールを利用した簡易インタラクティブ・ソフトだけでなく、トラックTr1だけを使って高精細度静止画を再生するディジタルなども実現可能である。
【0197】
なお、図31の例では、トラックTr2〜Tr4には動画MV1〜MV3が、トラックTr5にはCD−DAのデータが記録されている。
【0198】
次に、本実施例のディスクのビデオ信号とオーディオ信号の記録フォーマットは、MPEG1に準拠している。画像に対しては約1.2Mビット/秒、オーディオに対しては約0.2Mビット/秒を割り当てている。画像部分の画面寸法は、図33に示すように、NTSC信号(30Hz)及び映画等のフィルム(24Hz)の場合は352×240画素、PAL信号(25Hz)の場合は352×288画素である。また、オーディオに対するフォーマットは、MPEG1のレイヤ2を使用する。当該MPEGオーディオは32kビット/秒〜448kビット/秒までの広範囲な符号化速度に対応しているが、本実施例ではソフトウエアの簡易制作と高音質を考慮し、224kビット/秒に限定している。なお、再生モードはステレオ(2チャネル)であり、チャネル0に音楽、チャネル1に音楽と歌声を記録するといったいわゆるカラオケソフトに向いた使い方にも対応可能となっている。
【0199】
次に、本実施例のディスクのトラック構成は、図34に示すようになる。すなわち、ディスク上では、MPEGのビデオとオーディオのデータをインターリーブ記録しており、平均すると6対1の比率で配置される。また、従来のCDプレーヤのように、トラックナンバで検索することを想定し、ポーズ・マージンとして150セクタ、フロント及びリアマージンとして15セクタずつを設けている。これは、検索したときにビット・ストリームへの影響を減らすためである。
【0200】
また、MPEGビデオデータのセクタ・フォーマットは、図35に示すように、パックヘッダとパック・データで構成するパックからなる。CD−ROMの1セクタのユーザ・データ領域である2324バイトで1パックを構成する。なお、当該図35の図中PTSは表示時間部(presentation time stamp) を、図中DTSはデコード時間部(decoding time stamp) を、図中SCRはシステムクロック基準(system clock reference)を、図中STDはシステム・ターゲット・デコーダ(system target decoder) を示す。
【0201】
MPEGオーディオのセクタ・フォーマットは、基本的にはビデオと同じである。ただし、パック・ヘッダとして12バイト、パケット・ヘッダとして13バイト、データ部として2279バイトを割り当てて、2304バイトを1パックとし、これに余剰の20バイト(ゼロを記録)を付加してビデオと同じ2324バイトを1つのまとまりとしている。
【0202】
本実施例では、動画と静止画を組み合わせた対話形式の再生を、以下のような再生制御機能によって実現している。上記再生制御機能が上記プレイバック・コントロール機能(或いはプレイ・シーケンス・ディスクリプタ機能と呼ぶ)のことである。このプレイバック・コントロールのなかには、後述するプレイ・リストとセレクション・リストがある。プレイ・リストで動画再生の手順を、セレクション・リストでメニュー再生の手順を記述する。ここでプレイバック・コントロール機能に従って、所望の動画や静止画データにアクセスするには、リストIDオフセット・テーブルLOTに格納した動画や静止画のアドレスを参照する。プレイバック・コントロール(プレイ・シーケンス・ディスクリプタ)の機能を実現するための制御データ量は、後述するように最大512Kバイト程度である。
【0203】
なお、以下の共通の用語として、オフセットとはリストなどが格納されている位置を示すアドレス情報である。ただし、1オフセットは8バイトに相当する。16ビットのバイナリ(2値)で表現される。ネクスト,プレビィアスはビデオCD再生コントロールの項と同様である。
【0204】
先ず、プレイ・リスト(Play List :PL)について述べる。
プレイ・リストは、分岐を含まない一連の再生の記述をしたものである。
このプレイ・リストの構造は、
からなる。
【0205】
ここで、プレイ・リスト・ヘッダは、プレイ・リストであることを示すヘッダであり、$10を書く。
【0206】
ナンバ・オブ・プレイ・アイテムは、プレイ・リスト中に記述されているアイテムの数を示し、バイナリ(2値)で記述する。
【0207】
リストIDナンバはこのリスト固有の番号を書き込む。画面または表示器にこの番号を表示することにより、ユーザは現在再生中のリストの位置を知ることができる。プレーヤのダイレクト・リストナンバ・セレクト機能により、ユーザは任意のリストから再生を始めることができる。これは、いわゆるチャプタ・セレクト(Chapter select)に相当する機能となる。ソフト開発者の意向により、ダイレクト・アクセス(Direct access) を許さないリストの場合には、リストIDナンバを0にする。このときプレーヤ側はリストIDナンバを表示しないか、又はこれ以前のリストIDナンバを表示する。オフセット $0000に置かれるプレイ・リストまたはセレクション・リストのリストIDは、$01 とする。
【0208】
プレビィアス・リスト・オフセットは、プレビィアス機能を使用したときに処理を移すリストの格納されているオフセットを示す。プレビィアス機能を必要としないときには、$FFFF を入れる。
【0209】
ネクスト・リスト・オフセットは、記述されているすべてのアイテムの実行を終えたとき、またはネクスト機能を使用したときに処理を移すリストの格納されているオフセットを示す。ネクスト機能を必要としないときには、$FFFF を入れる。
【0210】
キャンセル・リスト・オフセットは、キャンセル機能を使用したときに処理を移すリストの格納されているオフセットを示す。キャンセル機能を必要としないときには、$FFFF を入れる。
【0211】
ウェイト・タイムは、1アイテム実行後の待機時間を登録する。同じプレイ・リスト内で設定できるウェイト・タイムは、1つだけであるので、ウェイト・タイムを変更したい場合には、プレイ・リストを変える必要がある。ウェイト・タイムの1LSB(最下位ビット)は0.5sec に相当する。なお、ウェイト・タイムにおいて、
0 再生後、待たない
1 再生後0.5sec 待ってから、次のアイテムを再生するか、すべてのアイテムの再生を終了したときには、ネクスト・リストに処理を移す$FFFF ユーザからのアクションがあるまで待つ
を意味する。
【0212】
プレイ・アイテム#n・オフセットは、再生すべきアイテムのオフセットを示す。nの最大値は、ナンバ・オブ・プレイ・アイテムに相当する。
【0213】
次に、プレイ・アイテム(Play Item:PI)は、ビデオ/オーディオ・ストリームの記述をしたものである。
当該プレイ・アイテムの構造は、
からなる。
【0214】
ここで、プレイ・アイテム(Play Item:PI)のアイテム・スタート・セクタ・ナンバは、ビット・ストリームの格納されている先頭のセクタ・ナンバを示し、バイナリ・コーデッド・デシマル(2進化10進法)で記述する。
【0215】
アイテム・エンド・セクタ・ナンバは、ビット・ストリームの格納されている最後のセクタ・ナンバを示し、2進化10進法で記述する。アイテムの再生中、早送り再生などで全セクタをアクセスできないときでも、エンドの境界を知ることによりオーバーランを防止できる。
【0216】
ファイル・ナンバは、ディスク上に格納されているデータのファイル・ナンバを指定する。ファイル・ナンバは、フォーム1,2セクタのサブヘッダの値に相当する。
【0217】
データ・コンテンツは、ディスク上に格納されているデータの属性を示し、
を示す。
【0218】
次に、セレクション・リスト(Selection List :SL)は、ユーザにメニューの選択を行なわせるためのリストである。
【0219】
ここで、選択はコマンダなどからの数値によって行なわれる場合と、画面上のメニュー画面の座標によって行なわれる場合がある。上記座標を指定するものとしてリージョンがある。上記リージョンとは、メニューで選択肢を選ぶ場合、CDプレーヤのリモコンのように番号ボタンを押して選ぶタイプのプレーヤだけでなく、CD−Iのようにマウスで画面上のある領域をクリックして選択をするタイプのプレーヤでも同じように選択できるように、その領域を指定するものである。領域は長方形で指定し、その対角線の位置情報として表す。また、画面全体を256×256の升目に分けて左上角を(0,0)、右下角を(255,255)とした座標を考え、1つのリージョンを左上と右下の座標(x,y)−(x′,y′)で表現する。1つのリージョンは、x,y,x′,y′の順序に値を並べた4バイトから成る。例えば(20,10)−(100,40)のリージョンは$14,$0A,$64,$28の4バイトで表される。
【0220】
このセレクション・リストの構造は、
からなる。
【0221】
ここで、セレクション・リスト・ヘッダは、セレクション・リストであることを示す。この情報としては、$18を書く。
【0222】
ナンバ・オブ・リージョンは、リスト内に記述されているリージョンの数を示す。
【0223】
リストIDナンバとプレビィアス・リスト・オフセットとキャンセル・リスト・オフセットは、上記プレイ・リストの場合と同様である。
【0224】
ネクスト・リスト・オフセットは、ネクスト機能を使用したときに処理を移すリストの格納されているオフセットを示す。
【0225】
エラー・リスト・オフセットは、選択された番号に相当するオフセットが、セレクション・テーブルに登録されていないときに処理を移すリストの格納されているオフセットを示す。
【0226】
タイムアウト・リスト・オフセットは、ウェイト・タイムで指定する時間を経過しても選択が行なわれなかったときに処理を移すリストの格納されているオフセットを示す。
【0227】
ウェイト・フォー・タイムアウトは、タイムアウトまでの待ち時間を示す。ウェイト・タイムの1LSB(最下位ビット)は0.5sec に相当する。なお、ウェイト・タイムにおいて、
0 待たない
1 0.5sec 待つ
$FFFF ユーザからの選択があるまで待つ
を意味する。
【0228】
セレクション・テーブル・オフセットは、後述するセレクション・テーブル(Selection table)の格納されているオフセットを示す。
【0229】
プレイ・アイテム・オフセットは、メニュー画面などを表示するために再生するアイテムのオフセットを示す。
【0230】
ベース・オブ・セレクション・リージョンは、後述するセレクション・リージョンの選択番号の開始番号を示す。例えば、このセレクション・リストで与えられる選択番号の最小値が8のときには、このエリアに8を書く。
【0231】
プレビィアス・リージョンは、プレビィアス機能を選択するための画面上の領域を示す。
【0232】
ネクスト・リージョンは、ネクスト機能を選択するための画面上の領域を示す。
【0233】
セレクション・リージョン・#nは、選択番号nを選択するための画面上の領域を示す。
【0234】
次に、セレクション・テーブル(Selection Table:ST)は、選ばれた値に対応するリスト・オフセット(List offset) を与えるテーブルである。
このセレクション・テーブルの構造は、
からなる。
【0235】
ここで、ナンバ・オブ・セレクションは、このテーブルに記述されているオフセットの数を示し、バイナリ(2値)で記述される。
【0236】
ベース・オブ・セレクション・ナンバは、選択番号の開始番号を示す。
【0237】
セレクション#n・オフセットは、選択番号BSN+n−1が選択されたときに処理を移すリストが格納されているオフセットを示す。
【0238】
次に、チェンジ・ボリューム・リスト(Change Volume List:CL) は、複数のディスクに渡るアプリケーションのために、ディスクの交換を行なうためのリストである。
チェンジ・ボリューム・リストの構造は、
なお、リターン・リスト・オフセットが0でないとき、以下のリストが存在する。
【0239】
からなる。
【0240】
チェンジ・ボリューム・リスト・タイプ2(Change Volume List type 2 (ECL)も、複数のディスクに渡るアプリケーションのために、ディスクの交換を行なうためのリストである。ビデオCD以外のCDタイトルであっても、制御できるようにチェンジ・ボリューム・リストを拡張したものである。リストに続いて交換したディスクのためのプレイ・アイテムを記述する。
【0241】
チェンジ・ボリューム・リスト・タイプの構造は、
からなる。
【0242】
この後、交換したディスクの先でのプレイ・アイテムが続く。
なお、必要なキーの機能としては、ネクスト(NEXT)、プレビィアス(PREV)、スキップ(SKIP)、キャンセル(CANCEL)、早送り(FF)、早戻し(FR)などがある。
【0243】
次に、本実施例のディスクで扱うデータについて説明する。
【0244】
先ず、ビデオデータは通常精度サイズ(352×240/288)の動画のデータ、通常精度サイズ及び高精細度サイズ(704×480/576)の静止画である。ただし、高精細度の静止画を入れる場合は、必ず同じ絵の通常精度の静止画も入れる。
【0245】
各データのサブヘッダは例えば以下のように定める。
【0246】
【0247】
オーディオデータは、2チャネルまでのオーディオデータを認める。2つのチャネルをメインチャネル/サブチャネルと呼び、サブチャネルを入れたときには必ずメインチャネルを入れる。また、サンプリング周波数は44.1kHzの固定とする。ビットレートは、ステレオ/インテンシティステレオ/デュアルチャネルでは64kビット,128kビット,192kビット,224kビット,384kビットの5種類とし、モノラルでは32kビット,64kビット,96kビット,192kビットの4種類とする。
【0248】
各データのサブヘッダは以下のように定める。
【0249】
データとしては、以下に示すビデオCDインフォメーション,リストIDオフセット・テーブル,プレイ・シーケンス・ディスクリプタをデータファイルとする。
これらのサブヘッダを以下のように定める。
【0250】
次に、ビデオCDディスクリプションでは、セクタを”00:03:00”に固定する。この1セクタには、ビデオCDの基本的な情報を入れておく。
この内容としては、以下のようにする。
ここで、上記IDストリング(IDstring) はビデオCDを認識するためのID用文字列を、上記バージョンNo.(Version No.) はビデオCDのバージョン番号(Version 1.00)を、上記ディスクID(Disc ID) はディスク固有のID番号を、PSDサイズ(PSD Size)はプレイ・シーケンス・ディスクリプタ(Play Sequence Descriptor)の大きさ(バイト数)を示す。PSDサイズが0の場合はプレイ・シーケンス・ディスクリプタがないディスクを示す。また、オフセット・ベースはプレイ・シーケンス・ディスクリプタの中で使っているオフセットの基数を示し、バージョン1(Version 1) では8に固定する。オフセットにはこの基数である8を掛けてアドレスを計算する。ナンバ・オブ・リストID(Num. of List ID) はリトスIDオフセット・テーブル(List ID Offset Table)に書かれたIDの数を、ディスク・タイトル(Disc Title)はディスクのタイトル名を示す。
【0251】
次に、リストIDオフセット・テーブルでは、セクタを ”00:03:01” − ”00:03:32”に固定する。
これは、プレイ・リストとセレクション・リストについているリストIDとそれぞれのオフセットの対応表である。ユーザが直接IDを指定すると、それに対応する好きなメニュー(Selection List)や動画など(Play List)からスタートさせる事ができる。ユーザがIDを指定したときにそのIDのオフセットの入った1セクタだけを読み出せば、どこからリストをたどれば良いかがわかる。すなわち、このテーブルは通常の再生時にはメモリ中に置く必要のないデータである。プレイ・リストとセレクション・リストの再生中に、そのリストIDをトラック番号のようにプレーヤの表示管等に表示しておけば、ユーザがそのメニューや動画から見たい場合にその番号を覚えておき、後でその番号(リストID)を指定してそのリストの最初からまた見ることができる。もっとも、リストIDが多い場合、最大32セクタ分がこのテーブルに必要になる。バージョン1では、最大セクタ分を固定で取っておく。使っていないIDのオフセットの所は0で埋めておく。なお、最大32セクタ分とするのは、1つのプレイ・リストには少なくとも14バイト必要なので、オフセット値で表現すると2オフセット分(16バイト)に納まる。2バイトのオフセット(64K オフセット分)で表現できる範囲ですべてがプレイ・リストであったとしても最大32K個のリストIDしか存在しないため、最大32K個分の領域(64Kバイト=32セクタ)が確保されていればよい。
【0252】
次に、リストIDオフセット・テーブル(List ID Offset Table)は、セクタアドレス(Sector Address)として、
を有する。
【0253】
次に、プレイ・シーケンス・ディスクリプタ(Play Sequence Descriptor:PSD)では、セクタ”00:03:33” − (Max ”00:06:63”)(この場所に固定) とし、この場所に実際のプレイ・リスト、セレクション・リスト、プレイ・アイテム、セレクション・テーブル、エンド・リストがおかれる。先頭には、一番最初に再生されるプレイ・リストかまたはセレクション・リストがおかれる。プレイ・シーケンス・ディスクリプタの許される最大の大きさは、
2バイトオフセット(64K)*オフセットベース(8)=512Kバイト=256セクタ=3sec 31フレーム
のように512Kバイトあるが、再生には必要な部分だけをメモリに読み出して再生すれば良い。
【0254】
最後に、エンド・リスト(End List:EL) は、シーケンス(Sequence)の終了時に、処理が移されるリストである。
ここで、エンド・リスト・ヘッダは、エンド・リストであることを示す。
【0255】
【発明の効果】
上述のように本発明に係る情報再生装置及びその方法においては、第1の番号設定手段は増加する方向に番号を設定でき、第2の番号設定手段は減少する方向に番号を設定でき、設定される番号の数には制限があるため、任意の番号を選択するときには、第1又は第2の番号設定手段によって増加又は減少する方向から順に番号を設定してゆき、所望の番号が設定されたところでその番号を選択決定することができ、したがって、任意の番号選択のために、例えば10キー等の番号に対応する複数の設定手段により番号を設定することは不必要となり、数字入力のためのボタン数を大幅に削減し、かつ使用者のボタン入力回数を極端に増やさずに番号選択を行うことが可能となる。
【0256】
また、選択に使用する情報は、番号の最小値と個数と飛び先番地の情報と含むため、第1又は第2の番号設定手段による番号設定の際に、飛び先番地情報に基づいてスキップすることで、所望の番号の設定までの操作数を少なくでき、ユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の情報再生装置をフロントパネル側の斜め上方からみた図である。
【図2】本実施例の情報再生装置を後面側の斜め上方からみた図である。
【図3】本実施例のリモコンの正面図である。
【図4】メニュー選択時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図5】つづき再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図6】オート再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図7】画面表示ボタンを押したときのテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図8】連続再生時に画面表示ボタンを押したときのテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図9】オート再生時に時間表示ボタンを押したときのテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図10】連続再生時に時間表示ボタンを押したときのテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図11】イントロスキャン時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図12】ディスクダイジェスト時の押したときのテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図13】トラックダイジェスト時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図14】インデックスサーチ時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図15】シーン再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図16】しおり再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図17】ディスクのくり返し再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図18】トラックのくり返し再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図19】A−Bくり返し再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図20】プログラム再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図21】シャッフル再生時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図22】ピッチ調整時のテレビジョン画面の表示例を示す図である。
【図23】表示窓の表示内容について説明するための図である。
【図24】本発明実施例の情報再生装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図25】本実施例装置の本体へのディスクの挿入後の動作のフローチャートである。
【図26】選択番号入力の動作の前半のフローチャートである。
【図27】選択番号入力の動作の後半のフローチャートである。
【図28】ディスクダイジェストの動作のフローチャートである。
【図29】トラックダイジェストの全体の動作のフローチャートである。
【図30】トラックダイジェストのうちのボタンチェックの動作のフローチャートである。
【図31】プレイバック・コントロールの情報を記録する本発明実施例の情報記録媒体であるディスクのトラック配置を説明するための図である。
【図32】ディスクのディレクトリ構成を説明するための図である。
【図33】本実施例で定める画面寸法について説明するための図である。
【図34】本実施例のディスクのトラック構成を示す図である。
【図35】本実施例のディスクに記録されるMPEGビデオ・データのセクタ・フォーマットを示す図である。
【符号の説明】
100 リモコン
150 情報再生装置本体
1・・・CDデッキ
2・・・信号処理回路
3・・・CD−ROMデコーダ
4・・・CPU
5・・・ROM
6・・・RAM
7・・・EEPROM
8・・・サブCPU
10・・・受信部
11・・・スイッチ
12・・・蛍光表示管
13・・・電源
15・・・切り替え回路
16,23・・・D/A変換回路
17・・・フィルタ
18・・・エコーミキシング回路
19・・・マイクロホン音声入力端子
20・・・音声出力端子
21・・・MPEGオーディオデコーダ
22・・・MPEGビデオデコーダ
24・・・文字表示回路
25・・・ビデオ変調回路
26・・・画像出力端子
Claims (12)
- それぞれ番号付けられると共に個数に制限がある複数の情報信号と、当該複数の情報信号の選択に使用する情報とが、少なくとも記録されてなる情報記録媒体を再生する情報再生装置であって、
番号入力のための10キーの機能を代用する手段として、
増加する方向に番号を設定していく第1の番号設定手段と、
減少する方向に番号を設定していく第2の番号設定手段と、
上記第1及び/又は第2の番号設定手段によって設定された番号を選択する番号として決定する選択手段とを有し、
選択肢となる選択番号のうち最初に上記第1の番号設定手段が設定する番号は最小値であり上記選択番号のうち最初に上記第2の番号設定手段が設定する番号は最大値である
ことを特徴とする情報再生装置。 - 上記第1の番号設定手段は番号を1ずつ増加する方向に設定し、上記第2の番号設定手段は番号を1ずつ減少する方向に設定することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
- 番号が最大値であるときに上記第1の番号設定手段が次に設定する番号は最小値であり、番号が最小値であるときに上記第2の番号設定手段が次に設定する番号は最大値であることを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
- 上記選択に使用する情報は、番号の最小値と、番号の個数と飛び先番地の情報とを含むことを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
- 上記第1及び/又は第2の番号設定手段による番号設定は、上記飛び先番地情報に基づいてスキップすることを特徴とする請求項4記載の情報再生装置。
- 上記選択手段は、情報信号の再生開始を指示する再生開始手段と兼用することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。
- それぞれ番号付けられると共に個数に制限がある複数の情報信号と、当該複数の情報信号の選択に使用する情報とが、少なくとも記録されてなる情報記録媒体を再生する情報再生方法であって、
増加する方向に番号を設定していく第1の番号設定手段、減少する方向に番号を設定していく第2の番号設定手段、及び上記第1及び/又は第2の番号設定手段によって設定された番号を選択する番号として決定する選択手段を、番号入力のための10キーの機能を代用する手段として用い、
上記第1の番号設定手段及び/又は上記第2の番号設定手段により番号を設定する番号設定工程と、
上記番号設定工程にて設定された番号を上記選択手段により選択する番号として決定する選択工程とを有し、
選択肢となる選択番号のうち最初に上記第1の番号設定手段が設定する番号は最小値であり上記選択番号のうち最初に上記第2の番号設定手段が設定する番号は最大値である
ことを特徴とする情報再生方法。 - 上記第1の番号設定手段は番号を1ずつ増加する方向に設定し、上記第2の番号設定手段は番号を1ずつ減少する方向に設定することを特徴とする請求項7記載の情報再生方法。
- 番号が最大値であるときに上記第1の番号設定手段が次に設定する番号は最小値であり、番号が最小値であるときに上記第2の番号設定手段が次に設定する番号は最大値であることを特徴とする請求項7記載の情報再生方法。
- 上記選択に使用する情報は、番号の最小値と、番号の個数と飛び先番地の情報とを含むことを特徴とする請求項7記載の情報再生方法。
- 上記番号設定工程における番号設定では、上記飛び先番地情報に基づいてスキップすることを特徴とする請求項10記載の情報再生方法。
- 上記選択工程では、情報信号の再生開始が指示されることを特徴とする請求項7記載の情報再生方法。
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