JP3551275B2 - 粉末成形プレスのホールドダウン行程時の上パンチの制御方法および制御装置 - Google Patents

粉末成形プレスのホールドダウン行程時の上パンチの制御方法および制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粉末成形プレスのホールドダウン行程時の上パンチの制御方法および制御装置に係り、さらに詳しくは上パンチを取り付けている上ラムを制御することにより、原料粉のスプリングバック量や成形品の形状等の、成形品の特性に合わせてホールドダウン操作を適正に行うために良好な粉末成形プレスのホールドダウン行程時の上パンチの制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は粉末成形プレスにより成形された段付き成形品の一例を示し、図5(A),(B)は粉末成形プレスにおける成形部の動作を示す。
【0003】
その図4に示す成形品1は、ボス部2と、大径のフランジ部3とが一体をなす、いわゆる段付き成形品である。
【0004】
そして、図5(A)に示す粉末成形プレスの成形部は、成形位置と成形品取り出し位置とに移動可能なダイ4と、位置固定の下パンチ5と、上下方向に移動可能な上パンチ6とを備え、原料粉を圧縮し、目的とする成形品1を成形するようにしている。
【0005】
ところが、粉末冶金法で用いる原料粉の中には、圧縮後著しい復元力を示すものがある。しかして、成形品をダイ4の中から抜き出す際、不均等なスプリングバックにより、成形品に亀裂が生じたり、図5(B)に示すように、成形品1′が変形したりすることが多く見られる。
【0006】
つまり、粉末成形プレスで原料粉を所定の形状に圧縮しただけでは、圧縮力を除去した後、成形品に変形や割れが発生する場合が多い。特に、図4に示す段付き成形品1のごとき複雑な形状のものを成形する場合には、上パンチ6で成形品を一定時間、一定の法則に従ってホールドダウン操作、つまり押し付けておく必要がある。
【0007】
図6は従来の流体圧式で単段式上パンチホールドダウン機構を示し、図7は従来の流体圧式でタンデム式上パンチホールドダウン機構を示し、また、図8は同流体圧式で単段式上パンチホールドダウン機構を用いた粉末成形プレスの原料粉の充填から加圧,ホールドダウン操作を経て次の原料粉の充填開始までの1サイクルを示す図である。
【0008】
これら図6および図7に示す流体圧式で単段式上パンチホールドダウン機構では、流体圧として空気圧または油圧を用いる。また、上ラムに取り付けられた流体圧シリンダ7と、これの内部に嵌挿されたピストン8と、これに一体に設けられたピストンロッド9と、このピストンロッド9の下部に取り付けられた治具10と、電磁弁11を有しかつ流体圧シリンダ7に接続されたアプローチ側回路13と、電磁弁12を有しかつ流体圧シリンダ7に接続されたリターン側回路14とを備えている。そして、前記治具10の下部に上パンチ6が取り付けられている。
【0009】
しかして、この流体圧式で単段式上パンチホールドダウン機構では、図8に示すごとく、下パンチ5とダイ4とで形成された成形室への原料粉の充填,ラムにより上パンチ6を下降させることによる加圧開始,同加圧完了,流体圧シリンダ7およびピストン8のアプローチ側作動によるホールドダウン操作,押し出し完了−成形品取り出し,流体圧シリンダ7およびピストン8のリターン側作動−ラム上昇により上パンチを初期位置へ上昇させた後、次の原料粉の充填開始過程に移行するようにしている。
【0010】
この図8に示すタンデム式上パンチホールドダウン機構は、上下方向に第1,第2のシリンダ室16,17を有する流体圧シリンダ15と、前記第1,第2のシリンダ室16,17に各別に嵌挿された第1,第2のピストン18,19と、第1,第2両ピストン18,19に共通に取り付けられたピストンロッド20と、このピストンロッド20の下部に設けられた治具21とを備えており、この治具21に上パンチ6が取り付けられている。
【0011】
そして、この図8に示すタンデム式上パンチホールドダウン機構は、ホールドダウン時の押し付け力の向上を図っている外は前記単段式上パンチホールドダウン機構と同様である。
【0012】
図9は従来の機械式ばねである圧縮ばね式の上パンチホールドダウン機構を示す図である。
【0013】
この図9に示す上パンチホールドダウン機構では、上ラム22の下部に形成されたシリンダ23と、外部よりシリンダ23の上部室に流体圧を供給−排出するポート24と、シリンダ23の上部室に嵌挿されたピストン兼上ばね受け25と、これに一体に設けられたロッド26と、シリンダ23の下部に取り付けられた下ばね受け27と、ピストン兼上ばね受け25と下ばね受け27間に介装されかつロッド26の周りにこれと同心円状に配置された第1,第2の圧縮ばね28,29と、前記ロッド26の下端部に取り付けられた治具30とを備えており、この治具30の下部に上パンチ6が連結されている。
【0014】
そして、この図9に示す圧縮ばね式の上パンチホールドダウン機構では、ポート24を通じてシリンダ23の上部室に流体圧を供給し、ピストン兼上ばね受け25を下降させ、第1,第2の圧縮ばね28,29を圧縮させ、ピストン兼上ばね受け25によりロッド26および治具30を介して上パンチ6を所定位置まで、つまり治具30について図9に仮想線で示す位置まで下降させた状態で上ラム22および上パンチ6により原料粉を加圧し、加圧完了後、第1,第2の圧縮ばね28,29のばね圧によりホールドダウン時に押し付け力を加えるようにしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば図4に示す段付き成形品1を成形する場合には、フランジ部3とボス部2の横方向の寸法及び厚さ方向の寸法の違いから、各部のスプリングバック量が異なる。したがって、例えば図5(A),(B)に示す粉末成形プレスでは、ダイ4の中からフランジ部3の抜き出しが完了した時点と、それ以前のフランジ部3がダイ4の中にあった時点では、上パンチホールドダウン時の成形品に対する押し付け力を減ずることが望ましい。しかし、前記従来のいずれの方式においても、原料粉のスプリングバック量や成形品の形状等の成形品の特性に合わせて、ホールドダウン時の成形品に対する押し付け力を適正に調整することが困難であった。その結果、図5(B)に示すごとく、ダイ4から抜き出した後の成形品1′の直角度が低下する問題がある。
【0016】
また、前記従来の流体圧式上パンチホールドダウン機構および圧縮ばね式上パンチホールドダウン機構とも、上パンチホールドダウン時の押し付け力を随意に調整できないため、成形品によっては抜き出し後、圧力破壊を生じる問題もある。
【0017】
さらに、流体圧式上パンチホールドダウン機構では、空気圧力または油圧力の設定ミスから、上,下パンチを干渉させてしまい、金型の破損事故を起こす問題もある。
【0018】
さらには、上パンチホールドダウンにおいて、上パンチの実際の作動を計測すると、図8の上段のグラフに示すように、圧縮完了後、上パンチホールドダウンで成形品を押し付けても、上パンチが取り付けられている上ラムの駆動部が圧縮点より離れるにつれ、その成形品固有のスプリングバックが生じ、その後上パンチはスプリングバック後の位置を保っている結果が得られている。ここで、従来の上パンチホールドダウン機構では、成形品のスプリングバックの特性を殆どコントロールせずに、自然現象のごとく取り扱っているため、成形品の直角度と縦方向の寸法バラツキを減ずるには限界があり、成形品の固有のスプリングバックに対応できず、寸法制度の高い成形品が得られない問題もある。
【0019】
さらにまた、従来の流体圧式上パンチホールドダウン機構および圧縮ばね式上パンチホールドダウン機構とも、構造が複雑で、さらには騒音の発生や油洩れが発生する等の問題もあった。
【0020】
本発明の目的は、前記従来技術の問題を解決し、ホールドダウン時に原料粉の固有のスプリングバック量、および成形品の形状に合わせて、成形品を適正な押し付け力で加圧でき、流体圧力の設定ミスによる上,下パンチの干渉,金型の破損事故を解消でき、上パンチホールドダウン機構部分の構造の簡素化を図ることができ、さらには騒音の発生や油洩れ等の不具合をも解消し得る粉末成形プレスのホールドダウン行程時の上パンチの制御方法および制御装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明方法では粉末冶金法による成形品の上パンチホールドダウンにおいて、ホールドダウン行程時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度と、上パンチの位置とをパラメータとする上パンチホールドダウン作動曲線を、少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応するように設定し、上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめ前記ホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度と、これに対応する上パンチの目標位置とを割り出しておき、ホールドダウン開始後、前記ホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度に対する上パンチの実位置を検出し、上パンチの実位置と上パンチホールドダウン作動曲線から割り出した目標位置との偏差値を求め、その偏差値に次の目標位置を加算して制御値を演算し、演算された制御値に基づいて、前記上パンチ駆動用のサーボモータに、上パンチの位置を目標位置に一致させるべく制御信号を出力するようにしたものである。
【0022】
また、前記目的を達成するため、本発明装置では粉末冶金法による成形品の上パンチホールドダウンにおいて、ホールドダウン行程時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度と、上パンチの位置とをパラメータとする上パンチホールドダウン作動曲線を、少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応するように設定し、この上パンチホールドダウン作動曲線に基づいて出力するペース演算部と、前記上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度と、これに対応する上パンチの目標位置とを演算し、ホールドダウン開始後、上パンチの実位置とあらかじめ割り出した目標位置との偏差値を求め、その偏差値に次の目標位置を加算し、加算して求めた制御値に基づいて、上パンチ駆動用のサーボモータに制御信号を出力する上パンチ位置制御部と、上パンチの実位置を検出し、上パンチ位置制御部に対して出力する上パンチ位置検出部とを備えて構成したものである。
【0023】
【作用】
本発明では、ペース演算部と、上パンチ位置制御部と、上パンチ位置検出部とを備えている。
【0024】
そこで、前記ペース演算部ではホールドダウン行程時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度と、上パンチの位置とをパラメータとする上パンチホールドダウン作動曲線を、少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応するように設定する。かかる上パンチホールドダウン作動曲線の設定には、既知のデータや実験により求めたデータ等を用いて行う。
【0025】
また、ペース演算部は前述のごとく設定した上パンチホールドダウン作動曲線に基づいて、上パンチ位置制御部に対して出力する。
【0026】
前記上パンチ位置制御部では、前記ペース演算部より上パンチホールドダウン作動曲線を入力し、この上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度と、これに対応する上パンチの目標位置とを演算しておく。そして、ホールドダウン開始後、上パンチの実位置とあらかじめ割り出した目標位置との偏差値を求める。さらに、前記偏差値に次の目標位置を加算し、目標位置を演算する。ついで、加算して求めた制御値に基づいて、上パンチ駆動用のサーボモータに制御信号を出力する。
【0027】
その間、前記上パンチ位置検出部では上パンチの実位置を検出し、前記上パンチ位置制御部に対して出力する。
【0028】
このように、本発明では少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応する上パンチホールドダウン作動曲線を設定し、ホールドダウン時、前記上パンチホールドダウン作動曲線に基づいて、上パンチ駆動用のサーボモータを制御するようにしているので、いかなる原料粉を用い、いかなる形状の成形品を成形する場合にも、常にホールドダウン行程中の押し付け力を適正に保つことができるので、抜き出し後の成形品の変形,割れを防ぎ、かつ寸法精度の高い成形品を得ることができる。
【0029】
また、本発明では前述のごとく上パンチホールドダウン作動曲線を設定し、この上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめホールドダウン時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度に対する上パンチの目標位置を割り出す一方、上パンチホールドダウン行程時の上パンチの実位置を検出し、前記目標位置と実位置との偏差値を求め、次の目標位置に偏差値を加算して修正し、その修正した制御値に基づいて上パンチ駆動用のサーボモータを制御するようにしているので、プログラム制御により上パンチホールドダウン操作を行うことができるため、流体圧力の設定ミスによる上,下パンチの干渉,これに起因する金型の破損等の事故を解消することができる。
【0030】
さらに、本発明では、位置制御用のコンピュータに、現在市販され、簡単に入手できるパーソナルコンピュータよりのユーザパラメータを入力し、上パンチ用の位置センサとを装備すればよく、上パンチホールドダウン機構部分を、従来の流体圧や圧縮ばねを利用した上パンチホールドダウン機構に比較してはるかに簡素化できるし、騒音の発生や油洩れ等の不具合をも解消することができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は本発明ホールドダウン行程時の上パンチ制御方法を実施するための制御装置を備えた粉末成形プレスの一例を示す側面図、図2は上パンチホールドダウン行程時の作動曲線を含む上パンチ作動曲線の一例を示す図、図3は上パンチホールドダウン作動曲線の部分の拡大図である。
【0033】
その図1に示す粉末成形プレスは、フレーム31と、上パンチ駆動用のサーボモータ32と、これに連結された減速機33と、この減速機33に連結された主軸34と、この主軸34に連接されたコネクティングロッド35と、これに連結された上ラム36と、上ラムガイド37と、前記上ラム36に取り付けられた上パンチ38と、成形位置と成形品取り出し位置間を移動可能に設置されたダイ39と、あらかじめ調整された位置に固定の下パンチ40とを備えている。
【0034】
そして、上パンチホールドダウン機構部分を含む上パンチ制御装置は、ペース演算部42と、上パンチ位置制御部43と、上パンチ位置検出部である上パンチの位置センサ44とを装備している。なお、前記ペース演算部42と上パンチ位置制御部43には、位置制御コンピュータとして1台のパーソナルコンピュータ41を兼用してもよい。また、前記上パンチの位置センサ44に代えて、この種粉末成形プレスではサーボモータ32の回転角度を検出するためのエンコーダ45を用いてもよい。
【0035】
ところで、前記粉末成形プレスを用いて粉末冶金法により成形品1を成形するに当たって、この実施例では図2に示すごとき上パンチ作動曲線46を設定する。この上パンチ作動曲線46には、上パンチホールドダウン作動曲線47が含まれている。
【0036】
前記上パンチ作動曲線46は、図1に示すペース演算部42に原料粉の性質,容量,成形品の形状,大きさ等のデータと、既知のデータまたは実験により求めたデータと、上パンチ38のストロークと、成形開始から上パンチ38の下死点を経て成形終了までの時間またはサーボモータ32の回転角度とを入力することによって、比較的簡単に、しかも正確に設定することができる。
【0037】
特に、上パンチホールドダウン作業曲線47の部分は、ホールドダウン行程時の経過時間またはサーボモータ32の経過回転角度と、上パンチ38の位置の外に、少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状とに関するデータを入力して設定する。この上パンチホールドダウン作動曲線47の部分では、図3に示すように、上パンチホールドダウン行程時、上パンチ38の下死点の延長線gに対して、上パンチ38のストロークh′を微少量ずつ上昇させ、傾斜線iに沿って制御する。つまり、原料粉のスプリングバック量および成形品の形状等、成形品の特性に適応させて、上パンチ38を下死点から徐々に上昇させ、上パンチホールドダウン時の成形品に対する押し付け力を徐々に減ずるようにする。
【0038】
また、前記ペース演算部42は前述のごとく設定した上パンチホールドダウン作動曲線47を含む上パンチ作動曲線46を、上パンチ位置制御部43に対して出力する。
【0039】
前記上パンチ位置制御部43では、前記ペース演算部42より入力した上パンチ作動曲線46から成形開始後の微少単位時間またはサーボモータ32の微少単位回転角度に対する上パンチ38の位置を割り出す。これの演算は、次の数1による。
【0040】
【数1】
Figure 0003551275
【0041】
ここで、s:上パンチの変位量
θ:全行程(角度)
θ0 :微少時間後の角度
ω:角速度
π:円周率
である。
【0042】
また、上パンチ38の変位量sに対応する上パンチ38の移動速度vは、次の数2により演算する。
【0043】
【数2】
Figure 0003551275
【0044】
前記上パンチホールドダウン作動曲線47の部分についても、前記上パンチ位置制御部43によりホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度に対応する上パンチ38の目標位置を割り出しておく。
【0045】
一方、成形開始と同時に、位置センサ44により上パンチ38の実位置を検出し、その検出値を上パンチ位置制御部43にフィードバックする。
【0046】
前記上パンチ位置制御部43では、あらかじめ割り出した成形開始後の経過時間またはサーボモータ32の経過回転角度に対する上パンチ38の目標位置と、前記位置センサ44により検出した上パンチ38の実位置との偏差値を求める。
【0047】
ついで、上パンチ位置制御部43では前記偏差値に、次の目標位置を加算し、制御値を演算する。さらに、前記制御値をサーボモータ32の回転速度に変換し、その回転角度量を得るための電流または電圧の制御信号に変換し、その制御信号をサーボモータ32に対して出力し、サーボモータ32の回転速度を制御し、上ラム35の移動量を介して上パンチ38の実位置を目標位置に一致させる。
【0048】
以上の制御を成形開始後、上パンチ38が下死点に達するまで継続して実行する。
【0049】
上パンチ38が下死点に達すると同時に、上パンチホールドダウン行程に入る。
【0050】
この上パンチホールドダウン行程では、上パンチ38を上パンチホールドダウン作動曲線47に従って、次のように操作する。
【0051】
すなわち、ホールドダウン開始後、その経過時間またはサーボモータ32の経過回転角度に対する上パンチ38の実位置を位置センサ44により検出し、その検出値を上パンチ位置制御部43にフィードバックする。
【0052】
そこで、上パンチ位置制御部43ではあらかじめ上パンチホールドダウン作動曲線47から割り出した上パンチ38の目標位置と実位置との偏差値を求める。ついで、次の目標位置に前記偏差値を加算し、制御値を演算する。そして、演算された制御値に基づいてサーボモータ32の制御信号を演算し、その制御信号をサーボモータ32に対して出力し、サーボモータ32を制御する。
【0053】
これにより、上パンチホールドダウン行程時において、原料粉の固有のスプリングバック量および成形品の形状を含む成形品の特性に合わせて設定された図3に示す上パンチホールドダウン作動曲線47に従って、上パンチ38を徐々に上昇させ、押し付け力を漸減して行く合理的なホールドダウン操作をプログラム制御によって実行することができる。
【0054】
なお、上パンチ38の実位置を前記位置センサ44で直接検出する場合に限らず、サーボモータ32の回転角度を検出するエンコーダ45により実回転角度を検出し、その検出値を上パンチ位置制御部43にフィードバックし、上パンチ位置制御部43で前記実回転角度から上パンチ38の実位置を演算するようにしてもよい。
【0055】
以上のように、この実施例ではペース演算部42で少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量および成形品の形状に適応するホールドダウン行程中の経過時間またはサーボモータ32の経過回転角度と、上パンチの位置とをパラメータとして、上パンチホールドダウン作動曲線47を設定し、ホールドダウン時、前記上パンチホールドダウン作動曲線47に基づいて、サーボモータ32を制御するようにしているので、使用する原料粉がいかなる性状のものでも、また成形品の形状がいかなるものでも、常にホールドダウン行程時の押し付け力を適正に保つことができ、したがって抜き出し後の成形品の変形,割れを防ぐことができる外、寸法精度の高い成形品を得ることができる。
【0056】
また、この実施例では上パンチホールドダウン行程時において、前述のごとく上パンチホールドダウン作動曲線47を設定し、この上パンチホールドダウン作動曲線47からあらかじめホールドダウンホールド時の経過時間またはサーボモータ32の経過回転角度に対する上パンチ38の目標位置を割り出す一方、上パンチ38の実位置を検出し、両者の偏差値を求め、次の目標位置に偏差値を加算して修正し、このようにして求めた制御値に基づいてサーボモータ32に制御信号を出力し、サーボモータ32を制御するようにしているので、プログラム制御により上パンチホールドダウン操作を行うことができる結果、流体圧力の設定ミスによる上,下パンチの干渉,これに起因する金型の破損事故等の不具合を解消することができる。
【0057】
さらに、この実施例では1台のパーソナルコンピュータ41をペース演算部42と上パンチ位置制御部43とに兼用し、これで十分機能を果たし得るので、前記パーソナルコンピュータ41と、上パンチ用の位置センサ44とを装備するだけで実施し得るし、位置センサ44に代えてサーボモータ32に常備のエンコーダ45を用いても実施できるので、従来の流体圧や圧縮ばねを利用した上パンチホールドダウン機構に比較して、上パンチホールドダウン機構部分を大幅に簡素化できる外、騒音の発生や油洩れの発生等の不具合をも解消することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明方法では少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応する上パンチホールドダウン作動曲線を設定し、ホールドダウン時、前記上パンチホールドダウン作動曲線に基づいて、上パンチ駆動用のサーボモータを制御するようにしているので、いかなる原料粉を用い、いかなる形状の成形品を成形する場合にも、常にホールドダウン行程時の押し付け力を適正に保つことができるので、抜き出し後の成形品の変形,割れを防ぎ、かつ寸法精度の高い成形品を成形し得る効果がある。
【0059】
また、本発明方法では前述のごとく上パンチホールドダウン作動曲線を設定し、この上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめホールドダウン時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度に対する上パンチの目標位置を割り出しておき、ホールドダウン開始後、上パンチの実位置を検出し、前記目標位置と実位置との偏差値を求め、次の目標位置に偏差値を加算して修正し、その修正した制御値に基づいて上パンチ駆動用のサーボモータを制御するようにしているので、プログラム制御により上パンチホールドダウン操作を行うことができるため、流体圧力の設定ミスによる上,下パンチの干渉,これに起因する金型の破損事故等を解消し得る効果がある。
【0060】
さらに、本発明方法ではパーソナルコンピュータと、上パンチ用の位置センサとによっても、あるいはパーソナルコンピュータと、上パンチ駆動用のサーボモータのエンコーダとを用いることによっても実施化できるので、上パンチホールドダウン機構部分を、従来の流体圧や圧縮ばねを利用した上パンチホールドダウン機構に比較してはるかに簡素化できるし、騒音の発生や油洩れ等の不具合をも解消し得る効果がある。
【0061】
そして、本発明装置ではホールドダウン行程時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度と、上パンチの位置とをパラメータとする上パンチホールドダウン作動曲線を、少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応するように設定し、この上パンチホールドダウン作動曲線に基づいて出力するペース演算部と、前記上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度と、これに対応する上パンチの目標位置とを演算し、ホールドダウン開始後、上パンチの実位置とあらかじめ割り出した目標位置との偏差値を求め、その偏差値に次の目標位置を加算し、加算して求めた制御値に基づいて、上パンチ駆動用のサーボモータに制御信号を出力する上パンチ位置制御部と、上パンチの実位置を検出し、上パンチ位置制御部に対して出力する上パンチ位置検出部とを備えて構成しており、これらペース演算部と上パンチ位置制御部と上パンチ位置検出部との協働により、前記本発明方法を的確に実施し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ホールドダウン行程時の上パンチ制御方法を実施するための制御装置を備えた粉末成形プレスの一例を示す側面図である。
【図2】上パンチホールドダウン作動曲線を含む上パンチ作動曲線の一例を示す図である。
【図3】上パンチホールドダウン作動曲線の部分の拡大図である。
【図4】粉末成形プレスにより成形された段付き成形品の一例を示す図である。
【図5】粉末成形プレスにおける成形部の動作を示す図で、(A)は上パンチホールドダウン行程時を示す図、(B)は成形品を取り出した状態を示す図である。
【図6】従来の流体圧式で単段式上パンチホールドダウン機構を示す図である。
【図7】従来の流体圧式でタンデム式上パンチホールドダウン機構を示す図である。
【図8】図6の上パンチホールドダウン機構を用いた粉末成形プレスによる成形過程を示す図である。
【図9】従来の圧縮ばねを用いた機械式ばねによる上パンチホールドダウン機構を示す図である。
【符号の説明】
1 成形品
31 粉末成形プレスのフレーム
32 上パンチ駆動用のサーボモータ
33 減速機
34 主軸
35 コネクティングロッド
36 上ラム
38 上パンチ
39 ダイ
40 下パンチ
41 パーソナルコンピュータ(位置制御コンピュータ)
42 ペース演算部
43 上パンチ位置制御部
44 上パンチ用の位置センサ
45 サーボモータのエンコーダ
46 上パンチ作動曲線
47 上パンチホールドダウン行程時の上パンチ作動曲線

Claims (2)

  1. 粉末冶金法による成形品の上パンチホールドダウンにおいて、ホールドダウン行程時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度と、上パンチの位置とをパラメータとする上パンチホールドダウン作動曲線を、少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応するように設定し、上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめ前記ホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度と、これに対応する上パンチの目標位置とを割り出しておき、ホールドダウン開始後、前記ホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度に対する上パンチの実位置を検出し、上パンチの実位置と上パンチホールドダウン作動曲線から割り出した目標位置との偏差値を求め、その偏差値に次の目標位置を加算して制御値を演算し、演算された制御値に基づいて、前記上パンチ駆動用のサーボモータに、上パンチの位置を目標位置に一致させるべく制御信号を出力することを特徴とする粉末成形プレスのホールドダウン行程時の上パンチの制御方法。
  2. 粉末冶金法による成形品の上パンチホールドダウンにおいて、ホールドダウン行程時の経過時間または上パンチ駆動用のサーボモータの経過回転角度と、上パンチの位置とをパラメータとする上パンチホールドダウン作動曲線を、少なくとも原料粉の固有のスプリングバック量と成形品の形状に適応するように設定し、この上パンチホールドダウン作動曲線に基づいて出力するペース演算部と、前記上パンチホールドダウン作動曲線からあらかじめホールドダウン時の経過時間またはサーボモータの経過回転角度と、これに対応する上パンチの目標位置とを演算し、ホールドダウン開始後、上パンチの実位置とあらかじめ割り出した目標位置との偏差値を求め、その偏差値に次の目標位置を加算し、加算して求めた制御値に基づいて、上パンチ駆動用のサーボモータに制御信号を出力する上パンチ位置制御部と、上パンチの実位置を検出し、上パンチ位置制御部に対して出力する上パンチ位置検出部とを備えて構成したことを特徴とする粉末成形プレスのホールドダウン行程時の上パンチの制御装置。
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