JP3550161B2 - クッション材用ポリエステル固綿 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、長期間あるいは高温雰囲気下で使用したときもへたりにくいクツシヨン材となりうるポリエステル固綿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソフアーや椅子の背もたれ、クツシヨン等の家具用詰め物やベツド、自動車シートのクツシヨン材として、主としてポリウレタンフオームが使用されてきた。しかしながら、ポリウレタンフオームは、燃焼時に含窒素系の毒性ガスが発生すること、あるいは製造時に使用するフロンガスが大気上層のオゾン層を破壊すること等、安全性や環境保護の立場から問題点が指摘されている。
【0003】
そこで、ポリウレタンフオームに代わる材料としてポリエステル繊維を主体としたクツシヨン材を使用することが考えられ、ポリエステル繊維のウエブをニードリング加工したものやバインダー繊維を併用して融着加工したもの(例えば、特開昭57−35047号公報)等がある。
【0004】
一方、耐熱性の高いポリエステルとしてポリエチレンナフタレートが知られておりこの繊維よりなる不織布も公知である。(例えば特開昭50−18773号公報)。しかしながらこの繊維をクツシヨン材として用いることについては未だ知られていないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のポリエステルクツシヨン材のうち、ポリエステル繊維のウエブをニードリング加工したものは、繊維の一部が脱落したり、飛散しやすく、この欠点を防止しようとしたバインダー繊維を併用して融着加工したものも繰り返し圧縮や高温雰囲気下での圧縮に対してへたりやすく、使用経時によりクツシヨン性が低下するという欠点は解消されてはいない。
【0006】
本発明は、このような従来のポリエステルクツシヨン材のへたりやすさ等を解消し、家具用詰め綿やベツド、自動車シート用クツシヨン材あるいは敷布団、座布団、マツト等の分野にも使用可能な、特に高温雰囲気下でもへたりにくい新規なポリエステルクツシヨン材用の固綿を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような新規なクツシヨン材を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリエチレン−2,6−ナフタレートあるいは構成成分の70モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレート単位のコポリエステルからなり、ガラス転移温度が99℃以上、融点が204℃以上である捲縮付与されたポリエステル繊維が、少なくともテレフタル酸および1,4−ブタンジオールを構成成分とするポリエステル(ポリエステル系エラストマーを除く)をバインダー成分とする熱融着繊維で点接合しており、厚さが5mm以上で、密度が0.01g/cm3以上であることを特徴とするクツシヨン材用ポリエステル固綿を要旨とするものである。
【0008】
次に、本発明を詳細に説明する。本発明の目標とするへたりにくいポリエステルクツシヨン材を得るためには、その構成主体繊維の素材であるポリエステルのガラス転移温度が99℃以上で融点が204℃以上であることが必要である。
【0009】
ガラス転移温度が99℃未満の場合、高温雰囲気下で荷重を受けたときにクツシヨン材がへたりやすく、本発明の目的に合致せず好ましくない。本発明のポリエステル繊維よりなるクツシヨン材は、それを構成するポリエステルのガラス転移温度が通常用いられるポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度(約70℃)より高く、高温雰囲気下で荷重を受けても永久変形しにくく、へたりが生じ難いものである。
【0010】
また、融点が204℃未満であると、ポリマーの結晶化度が低いため耐熱性が不充分であり、また繊維製造時に熱セツトがし難く、例えば固綿製造時に体積収縮が起こるなど繊維物性が不安定であり、実用的でない。
【0011】
本発明のクツシヨン材を構成するポリエステル繊維を構成するポリエステルは、エチレン−2,6−ナフタレート単位自体あるいはこれを主たる構成成分とする必要があり、コポリエステルの場合は構成成分の70モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレート単位のコポリエステルである。通常のポリエチレン−2,6−ナフタレート自体はガラス転移温度が120℃、融点260℃であり本発明の目的に合致するものが得られる。
【0012】
本発明におけるポリエステルには、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲であれば、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ビスフェノールS、シクロヘキサンジメタノール、1, 4−ブタンジオール、1, 6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の他の副原料が共重合されていてもよいし、種々の添加剤等が含まれていてもよい。
【0013】
こういった共重合成分を有する場合は余り共重合率が高くなると非晶性が高くなり、融点が低下したり耐熱性が悪くなるため、30モル%以下程度の共重合率とする。
【0014】
本発明に用いるポリエステルを構成するモノマーの構成成分およびその共重合割合は、広範囲に選択し得るが、経済性、汎用性、物性等を勘案すれば、次のようなものが好ましい。すなわち、ポリエチレン−2,6−ナフタレート自体あるいはこれを70〜95モル%、およびエチレングリコールとテレフタル酸とのエステル単位を5〜30モル%好ましくは7〜20モル%共重合したポリエステルである。
【0015】
次に、本発明に用いるポリエステルの製造方法の一例を具体的に説明する。
2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールのエステル化反応により得られたビス(β−ヒドロキシエチル−2,6−ナフタレート)およびそのオリゴマーを重合反応缶に移送し、200〜280℃の温度で0.5〜5時間、1トル以下の減圧下で重縮合反応を行う。所望の極限粘度となるまで重縮合した後、窒素ガスで常圧に戻し、加圧してポリエステルをテグス状に払い出し、冷却後、切断してチツプ状のポリエステルを得ることができる。
【0016】
重縮合反応は、通常、触媒の存在下で行われ、重縮合反応触媒としては、ポリエステルの製造に一般に用いられているアンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、コバルト等の金属の化合物やスルホサリチル酸、o−スルホ安息香酸無水物等の有機スルホン酸化合物が用いられる。なお、エステル化工程で予め重縮合反応触媒を添加することもできる。
【0017】
本発明のクツシヨン材に用いるポリエステル繊維は、汎用のポリエステル繊維と同様の方法で製造すればよい。製造条件は使用するポリエステルの物性により異なるが、概ね従来技術を踏襲できる。すなわち、紡糸は汎用の紡糸装置を用いればよい。また、紡糸に際し、安定剤、蛍光剤、顔料、強化材を共存させてもよい。繊維の断面形状は、丸断面をはじめ、偏平、六葉、W型、三角断面等の異形あるいは中空断面でもよい。
【0018】
紡出された繊維は、必要に応じて連続的または別工程で延伸、熱処理、捲縮付与後カツトされ短繊維とする。繊度は特に限定されるものでなく、用途による要求特性により決めればよいが、一般には2〜200デニールのものが用いられる。クツシヨン材用ポリエステル繊維は、熱融着繊維と混用して固綿として用いる。
【0019】
本発明のポリエステル固綿は、前記のクツシヨン材用ポリエステル繊維と熱融着繊維を、用途あるいはその要求特性により決定された割合にて混綿し、梳綿機等でウエブを形成した後、熱処理装置を通して熱融着成分を溶融させ、クツシヨン材用ポリエステル繊維を点接合させて得ることができる。
【0020】
本発明のポリエステル固綿のもう1つの構成要素である熱融着繊維は、主体となるポリエステル繊維よりも低融点のポリマーをバインダー成分として持つものである。このような熱融着繊維としては、主体となるクツシヨン材用ポリエステル繊維より10℃程度以上融点の低いポリマーから成るものであって、ポリブチレンテレフタレートにイソフタル酸、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどを共重合した融点80℃以上のコポリエステル系の熱融着繊維がより好ましい。
【0021】
この熱融着繊維としては、前記したポリマーのみからなる単成分繊維および、このポリマーが単繊維の表面の全部または一部を形成している芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型、割繊型等の複合繊維等があげられる。これらのうち、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が融点80℃以上の結晶性の良好なコポリエステルとした芯鞘複合繊維がへたりにくさと風合の柔らかさの観点からより好ましい。熱融着繊維の繊度は限定しないが、2〜100デニールが適当である。

【0022】
本発明に用いる熱融着繊維の使用割合は、固綿全体の10〜70%でよいが、用途による要求特性により、変えることができる。本発明のポリエステル固綿を得るには、前記のクツシヨン材用ポリエステル繊維と熱融着繊維を、用途あるいはその要求特性により決定された割合にて混綿し、梳綿機等でウエブを形成した後、熱処理装置を通して熱融着成分を溶融させ、クツシヨン材用ポリエステル繊維を点接合させる。この場合、熱処理の前にニードリング加工を行なってもよい。熱処理装置としては、熱風循環ドライヤー、熱風貫流ドライヤー、サクシヨンドラムドライヤー、ヤンキードラムドライヤー等が用いられ、熱融着繊維の融点に応じた処理温度と処理時間を選定して処理を行なえばよい。
【0023】
本発明のポリエステル固綿は、そのクツシヨン性を保持するうえで、厚さを5mm以上とする必要がある。上限は特に限定しないが、製造設備、製造コスト、使いやすさの点から、150mm程度が好ましい。また、本発明のポリエステル固綿の密度は、0.01g/cm3以上とする必要がある。密度が0.01g/cm3に満たない場合、繰り返し圧縮によりへたりやすく、不適当である。密度の上限は、用途によるクツシヨン性の要求程度により異なるので特定しないが、製造設備、製造コスト等の面より、0.1g/cm3以下とするのが好ましい。本発明のポリエステル固綿の厚さと密度を規制するには、熱処理によるウエブの面積収縮を考慮して熱処理前のウエブの目付を適切に選定するとともに、熱処理装置に厚さ規制ロールを組み込んだり、所定の厚さのスペーサーをはさんだ板や金網の間にウエブをはさんで熱処理すればよい。
【0024】
【作用】
本発明のクツシヨン材用ポリエステル固綿は、繰り返し圧縮に対してへたりにくいものであり、また、このポリエステルはガラス転移温度が99℃以上であるので、使用に際して例えば70〜80℃位の高温雰囲気下での圧縮に対してもへたりにくいものとなる。さらに本発明の固綿は、融点が高く、ある程度以上の厚さと密度を有しているため使用に際して例えば70〜80℃位の高温雰囲気下でへたりにくいことと共に極めてクツシヨン性の良いクツシヨン材となる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、本発明に記述した諸物性の評価法は、次のとおりである。
(1)極限粘度
フェノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒とし、試料濃度0.5g/dl、温度20℃で測定した。
(2)融点
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(3)繊 度 : JIS L−1015 7・5・1Aの方法で測定した。
(4)強力、伸度 : JIS L−1015 7・7の方法で測定した。
【0026】
(5)繰り返し圧縮時の耐へたり性
ポリエステルクツシヨン材の厚さを測定した後、試験片(10cm×10cm)を平行平面板にはさみ、毎分60回で15kgの荷重をかけて合計5万回の繰り返し圧縮試験を行なった後の厚さを測定し、次式で嵩高性保持率C(%)を算出し、へたりにくさの尺度とした。Cの値が大きいほどへたりにくいものである。
Figure 0003550161
【0027】
(6)高温雰囲気下の耐へたり性
ポリエステルクツシヨン材の厚さを測定した後、試験片(10cm×10cm)を平行平面板にはさみ、当初の厚さの50%に圧縮固定して温度70℃の恒温槽中に入れ、6時間放置した後取り出し、平行平面板よりはずして常温中で30分間放置し、その厚さを測定する。次式で高温雰囲気下の嵩高性保持率Cp(%)を算出し、耐へたり性の尺度とした。
Figure 0003550161
【0028】
製造例1
2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールのエステル化反応により得られたビス(β−ヒドロキシエチル−2,6−ナフタレート)およびそのオリゴマー、56.7kgにテトラブチルチタネート26gを加え、250℃、窒素ガス制圧下3.6kg/cm2 で2時間エステル化反応を行った。得られたエステル化物を重縮合反応器に移して、280℃、0.4トルで3時間重縮合反応を行い、ポリエステル(A) を得た。
得られたポリエステル(A)は、ガラス転移温度120℃、融点260℃、極限粘度0.72であった。
【0029】
製造例2
2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールのエステル化反応により得られたビス(β−ヒドロキシエチル−2,6−ナフタレート)およびそのオリゴマー、56.7kgにテレフタル酸4.3kg,エチレングリコール2.0kg、テトラブチルチタネート26gを加え、250℃、窒素ガス制圧下3.6kg/cm2 で2時間エステル化反応を行った。得られたエステル化物を重縮合反応器に移して、280℃、0.4トルで3時間重縮合反応を行い、ポリエステル(B) を得た。
得られたポリエステル(B)は、テレフタル酸単位の共重合量10モル%、ガラス転移温度112℃、融点244℃、極限粘度0.73であった。
【0030】
製造例3
テレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応により得られたビス(β−ヒドロキシエチルテレフタレート)およびそのオリゴマー、45kgにテトラブチルチタネート26gを加え、250℃、窒素ガス制圧下3.6kg/cm2 で2時間エステル化反応を行った。得られたエステル化物を重縮合反応器に移して、280℃、0.4トルで3時間重縮合反応を行い、ポリエステル(C,ポリエチレンテレフタレート) を得た。
得られたポリエステル(C)は、ガラス転移温度70℃、融点255℃、極限粘度0.72であった。
【0031】
実施例1
製造例で得られたポリエステル(A)を通常の中空繊維製造装置方法で紡糸、延伸、捲縮付与後170℃で乾燥熱セットしてから切断し、繊度6d、繊維長51mm、単糸強度4.6g/d、単糸伸度55%、の糸質を有する短繊維を得た。この短繊維を梳綿機に通した後、クロスラツパーで積層して目付600g/m2のウエブとし、バーブ付ニードルを有するニードルロツカールームに通して、針密度240本/cm2にてニードリングを行なった。さらにこのウエブを20mmの厚さとなるようにポリエチレンの袋に包んでクツシヨン材とした。
このクツシヨン材のクツシヨン性評価の結果、C=94%、Cp=90%となり繰り返し圧縮時および高温雰囲気下の耐へたり性も良好であった。
【0032】
実施例2
実施例1において、ポリエステル(A)のかわりにポリエステル(B)を用いること以外は、実施例1と同様に実施して、クツシヨン性を評価したところ繰り返し圧縮時および高温雰囲気下の耐へたり性のいずれもも良好であった。
【0033】
実施例3〜4および比較例1
実施例2において、テレフタル酸およびエチレングリコールの添加量を変更しテレフタル酸の共重合率を20、30および60%(得られたポリエステル:例をそれぞれ(D):実施例3、(E):実施例4および(F):比較例1とする)とする以外は、実施例2と同様に実施してクツシヨン材にし、繰り返し圧縮時および高温雰囲気下の耐へたり性について測定した。結果を表1に示す。実施例3、4のものは結果が良好であったが比較例1でもちいたポリエステルは示差走査熱量計で融点ピークが認められず、そのため耐熱性が不充分で短繊維製造工程で熱セットすることができなかった。このためか高温雰囲気下の耐へたり性が不充分であった。
【0034】
比較例2
製造例3において得たポリエステル(C)を用いること以外は、実施例1と同様に実施して、クツシヨン材を得た。このクツシヨン材は、繰り返し圧縮時および、高温雰囲気下での耐へたり性は不十分なものであった。
表1に実施例1〜4および比較例1,2の結果をまとめて示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003550161
【0036】
実施例5
実施例1で得られた短繊維と、PETを芯成分、テレフタル酸および1,4−ブタンジオール/1、6−ヘキサンジオール(モル比68/32)を構成成分とする融点170℃の共重合ポリエステルを鞘成分とし、芯/鞘重量比50/50のポリエステル系熱融着繊維(強度5.3g/d,伸度52%、繊度2デニール、切断長51mm)を80:20の重量割合で混綿し、梳綿機に通した後、クロスラツパーで積層して目付600g/m2のウエブとし、バーブ付ニードルを有するニードルロツカールームに通して、針密度240本/cm2にてニードリングを行なった。さらにこのウエブを20mmの厚さのスペーサーを挟んだ金網の間に入れ、厚さを規制しつつ、180℃の熱風循環ドライヤー中で10分間熱処理を行なって、厚さ20mmの実施例5の固綿を得た。
【0037】
実施例6〜8
実施例5においてポリエステル系熱融着繊維の鞘成分の熱融着成分としてのポリエステルの種類を第1表に示したような種々のジカルボン酸成分とグリコール成分を組み合わせたポリエステルとしウエブ熱処理温度を第2表に示す条件とすること以外は実施例5と同様にして実施例6〜8および比較例3〜4の固綿を得た。
実施例5〜8のクツシヨン性の評価結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0003550161
【0039】
実施例5〜8のいずれの固綿も、繰り返し圧縮時および高温雰囲気下の耐へたり性についての測定結果はともに良好であった。
【0040】
実施例9〜10および比較例3〜4
実施例5において熱処理の際に厚さを規制するスペーサーの厚みを20mmに替えて、7mm、35mm、55mmとすること(それぞれ実施例9、10および比較例3とする)、さらには熱処理前のウエブの目付600g/m2に替えて120g/m2とし熱処理の際に厚さを規制するスペーサーの厚みを20mmに替えて4mmとすること(比較例4)以外は、実施例5と同様にして実施例9〜10および比較例5〜6の固綿を得た。
実施例9、10および比較例3、4の固綿の厚さ、密度、風合と耐へたり性の評価結果を表3に示す。
【0041】
【第3】
【0042】
実施例9、10は、固綿として満足できる風合と耐へたり性をもつものであったが、固綿の密度が低い比較例3の場合、へたりやすいものであった。また、厚さの不十分な比較例4の場合、床づき感があり、クツシヨン材としては不満足なものであった。
【0043】
【発明の効果】
本発明のポリエステル固綿は、繰り返し圧縮や高温雰囲気下での圧縮に対しへたりにくい。そのため、例えば、クツシヨンの詰め綿として用いたとき、衝撃を吸収するため、いつまでも座り心地がよい。また、使用経時でへたりが少なく、一定以上の厚さを有するため、床づき感がなく、家具用詰め綿やベツド、自動車シート用クツシヨン材、敷布団として好適である。

Claims (1)

  1. ポリエチレン−2,6−ナフタレートあるいは構成成分の70モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレート単位のコポリエステルからなり、ガラス転移温度が99℃以上、融点が204℃以上である捲縮付与されたポリエステル繊維が、少なくともテレフタル酸および1,4−ブタンジオールを構成成分とするポリエステル(ポリエステル系エラストマーを除く)をバインダー成分とする熱融着繊維で点接合しており、厚さが5mm以上で、密度が0.01g/cm3以上であることを特徴とするクツシヨン材用ポリエステル固綿。
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