JP3549296B2 - 多層超電導導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電力輸送用交流超電導ケーブルなどに好適な多層超電導導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、Y−Ba−Cu−O 系、Bi−(Pb)−Sr−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O 系などのように、液体窒素温度を越える臨界温度をもつセラミックス超電導体を用いた超電導線材が開発されている。超電導線材の臨界電流密度Jcの値は向上しており、超電導線材を多数本集合して超電導導体を作製し、電力輸送用超電導ケーブルに応用すべく検討が行われている。このような高温超電導ケーブルの特徴として、大電流、高密度、低損失送電が可能であるということが一般にいわれている。
超電導導体の作製技術として、例えば特開昭5−28847 号公報に示されるように、丸棒や円筒などの心材外周に複数枚のテープ状の超電導線材を螺旋状に巻回して、多層構造としたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の多層超電導導体では内層のインダクタンスが外層のそれに比べて大きくなるため、内層のインピーダンスが大きくなり、外層ほど高い電流が流れるといった偏流の問題がある。偏流により外層の交流損失が著しく大きくなり、多層超電導導体の線材一本当たりに対する交流損失(ここでは、超電導線材のヒステリシス損失のみを指す)は、その導体を構成している超電導線材が持つ交流損失よりも大きくなる。このような交流損失の増加は、超電導導体の層数が増加するほど顕著になるといった課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内外層間のインダクタンスの差を小さくし、偏流の抑制を目的とするもので、次の2つを要旨とするものである。
第一の構成は、外径dの心材の外周に、超電導線材を複数層巻回した超電導導体において、超電導線材の巻回ピッチを次式で示される最大有効ピッチPmax 以下としたことを特徴とする。
Pmax =22.0×d(m)
この構成における各層の巻回ピッチは、最大有効ピッチ以下であれば、全て同じでも、異なっていてもよい。
【0005】
第二の構成は、超電導線材の巻回ピッチを、内層側よりも外層側の方を短かくしたことを特徴とする。ここで、巻回ピッチは各層ごとに変えても数層ごとに変えてもいずれでもよい。
【0006】
なお、上記の2つの各構成において、心材には丸棒とパイプのいずれも用いることができる。
また、いずれの構成においても、超電導線材の巻回方向は、各層ごとに逆にすることが好ましい。この構成により、導体軸方向に生じる磁場を低減し、一方向だけに巻回された導体に比べて交流損失を低減することができる。
【0007】
【作用】
図1に示すように、心材1の外周に超電導線材2を螺旋状に巻回した導体に交流電流を通電した場合について考察する。同図には超電導線材を2層分しか示していないが、実際には図2の断面図に示すように、超電導線材2は第1層(半径r1 )から第n層(半径rn)まであり、その上に磁気シールド層3(半径rs)が設けられている。また、ここでは、同一層の超電導線材には均一な電流が流れ、導体作製に使用された超電導線材の特性は等しく、特性のばらつきはないものと仮定する。
【0008】
この導体に交流電流を通電すると、軸方向と周方向の2種類の磁場が発生する。ここで、軸方向の磁場による各層の自己インダクタンス及び相互インダクタンスをLa、周方向のそれをLcとすると、通常LcはLaよりも十分大きな値となる。また、Lcは層の半径が大きくなるほど、即ち外層ほど小さくなる。さらに、単位長さ当りの各層の抵抗成分Rは超電導状態のためインダクタンス成分より十分小さく、各層のインピーダンスはインダクタンス成分が支配的になる。結果的に、外層のインピーダンスが内層に比べて小さくなり、より大きな電流が外層に流れることになる。多層超電導導体では、このような偏流の問題があるため、交流損失が大きくなってしまうのである。
【0009】
本発明では、巻回ピッチを最適化することにより、上記内外層のインダクタンスのアンバランスを抑制し、超電導導体の交流損失を低減している。
(第一の構成)
各層間のインピーダンスのアンバランスを抑制するには、Laの値を調整することが考えられる。Laの値は各層の半径の2乗に比例して大きくなるため、Lcの値と加え合わされてインダクタンスの層ごとの違いを小さくする。ただし、LcはLaに比べて十分大きいため、Laの値をできるだけ大きくする必要がある。そのためには、各層の超電導線材の巻回ピッチをできるだけ小さくすればよい。
【0010】
このような考えのもとに種々検討した結果、巻回ピッチを小さくすることが多層超電導導体の交流損失の低減に有効に作用するのは、次式で示される最大有効ピッチPmax 以下とした場合であることが判明した。
Pmax =22.0×d(m)
全層の超電導線材をPmax 以下のピッチで巻回することにより、偏流を抑制し、多層超電導導体の交流損失を低減することができる。
【0011】
(第二の構成)
Lcの値は外層になるほど小さくなる。これによる層ごとのインダクタンスの違いを小さくするためには、Laの値が外層になるほど大きくなればよい。そのためには、外層の巻回ピッチを内層のそれに比べて小さくすればよいことになる。超電導線材の超電導特性を劣化させない最小の巻回ピッチPmin が存在する場合には、最外層をPmin のピッチで巻き、内層になるほどより大きなピッチで超電導線材を巻くことにより超電導導体の交流損失を有効に低減することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
心材(フォーマ)の外周に超電導線材を螺旋状に巻回した超電導導体を作製し、この導体の交流損失を計算してみた。作製した導体は、1kA級の4層構造で、各層ごとに巻回方向を逆にしている。
【0013】
(試験例1)
超電導線材Aを使用して、各層の巻回ピッチを全て同一とし、その巻回ピッチの値を変えた場合(条件▲1▼)に交流損失がどのように変化するかを調べた。その結果を図3に示す。同図に示すように、巻回ピッチが短いほど交流損失は小さく、特に巻回ピッチが0.4m程度以下では急激に交流損失が低減している。従って、巻回ピッチを小さくすることで超電導導体の交流損失を有効に低減できるのは、巻回ピッチが同図の変曲点となるPmax 以下であることが判明した。
【0014】
次に、このPmax を最大有効ピッチとし、同ピッチと心材の外径dとの関係を調べてみた。その結果を図4に示す。同図において、黒丸は各フォーマ径における最大巻回ピッチの値を示し、実線はこれら各値を直線近似化したものである。このように、最大有効ピッチの値は心材の外径に依存し、近似直線より
Pmax =22.0×d(m)
と表される。
以上の結果から、超電導線材の巻回ピッチを22.0×d以下とすれば、効果的に交流損失を低減できることがわかった。
【0015】
(試験例2)
次に、超電導線材Aを用いて、外層の巻回ピッチに対して内層の巻回ピッチを大きくした超電導導体を作製し、その場合の交流損失について調べてみた。ここでは第3層と第4層(最外層)を外層、第1層(最内層)と第2層を内層とし、外層の巻回ピッチを0.75mに固定して、内層の巻回ピッチを変化させた場合(条件▲2▼)に交流損失がどのように変化するかを計算してみた。
その結果と前記条件▲1▼の結果を図5に示す。同図に示すように、外層の巻回ピッチに対して内層のそれが大きくなるほど交流損失は低減し、内層の巻回ピッチが約0.75mを越えたところで交流損失は条件▲1▼よりも低くなっている。そして、内層の巻回ピッチが4mとなったところで交流損失は0.345W/mと非常に低くなっている。
以上の結果から、外層の巻回ピッチに対して内層の巻回ピッチを大きくすれば超電導導体の交流損失を低減できることが確認された。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば多層超電導導体における偏流に基づく交流損失の増加を抑制することができ、電力輸送用ケーブルなどに利用すると効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明導体の概略斜視図である。
【図2】本発明導体の概略断面図である。
【図3】全層の巻回ピッチが等しい場合における、巻回ピッチと交流損失の関係を示すグラフである。
【図4】フォーマ径と最大有効ピッチとの関係を示すグラフである。
【図5】実施例および比較例の巻回ピッチと交流損失の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 心材 2 超電導線材 3 磁気シールド 4 層間絶縁
Claims (1)
- 心材の外周に超電導線材を螺旋状に複数層巻回した超電導導体であって、
前記超電導線材の巻回ピッチは、内層側よりも外層側の方が短いことを特徴とする多層超電導導体。
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