JP3549292B2 - 濁水の発生防止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、濁水の発生防止方法に関し、特に、降雨時に雨水が地表面を流下する際に微細土粒子を巻き込むことにより発生する濁水の発生防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、道路、宅造、ゴルフ場等の建設現場における土工事中に降雨があると、雨水は微細土粒子を巻き込みつつ地表面を流下することにより濁水が発生し、この濁水が市街地、水田、道路、湖沼等に流出してこれらの環境を害するとともに、流速が低下した場所では濁水によって運ばれた微細土粒子が沈降し、濁水の流下が収まった後でも各所に堆積したままとなり、その処理に多くの人手を要する等、濁水による環境破壊が社会問題化している。
【0003】
また、かかる問題は、地崩れ地域や鉄道,道路の法面等の、降雨時に雨水が流下する他の種々の地表面についても指摘されている。
【0004】
そして、これらの地表面から濁水が発生するのを未然に防止する対策として、従来より例えば以下のような方法が実施されていた。
(1)地表面をローラなどによって締め固める。
(2)地表面を遮水シート,フィルムによって覆う。
(3)地表面に加水反応型ポリウレタン系を吹き付ける。
(4)溜め池を造成して流下した濁水が全てこの部分に集まるようにし、この溜め池内に微細土粒子を沈降させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記(1)の方法では、天候に応じてその都度ローラで締め固め作業を行うのは多大な労力と時間とを要するため、特に土工事現場では実施しにくく、また土工事現場では締め固めた地表面を再度掘削することになるため効率的でない。(2)の方法は、面積の小さい地表面を覆うのは容易であるが、面積の大きい地表面を覆うのは施工が困難となる。(3)の方法は、吹き付け機械が特殊であり、また反応したゲル体は天日によって組織が壊され効果が薄れるばかりか、風化した後に残留物が残り環境上問題となる。(4)の方法は、濁水の発生そのものを防止するものではなく、また溜め池を造成するにはこれに適した地形を必要とするとともに、雨量が多い場合にはその全量を溜め池内に収容しきれない欠点があり、さらに、特に土工事現場などにおいて採用する場合には工事後は改めて埋め戻し・整地をする場合があり、その作業に手間がかかる等の問題がある。
【0006】
従って、従来行なわれているいずれの方法も経済的かつ有効な防止対策とは言えず、濁水の発生を防止するための新しい対策が望まれている。
【0007】
本発明者らは、以上の方法に替わる簡単な濁水発生防止方法として、地表面を構成する土砂の微細土粒子を樹脂エマルジョンで処理することにより、雨水が地表面を流下する際に微細土粒子を巻き込むことを極力回避して、濁水の発生を防止ないしは流下水によって運ばれる土砂量を著しく減少できることを見出した。
【0008】
すなわち、この発明は、簡易かつ迅速に実施できる構成でありながら、雨水が流下する地表面から濁水が発生するのを確実に防止することのできる濁水の発生防止方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の濁水発生防止方法は、上記目的を達成するためになされたもので、地表面に、下記化1〜化6のいずれかで表されるカチオン性重合開始剤の使用量を単量体の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部で重合して得られるカチオン性の樹脂エマルジョンを固形分含有量の0.1〜10%の希釈液として散布するとともに、ノニオン系又はカチオン系の水溶性高分子を散布液中に固形分で0.2〜5%含有させて散布し、流下する雨水の汚濁を防止することを特徴とするものである。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の濁水の発生防止方法は、降雨時に雨水が流下する地表面に、カチオン性の樹脂エマルジョンを散布することを特徴とするものである。
【0013】
本発明のカチオン性樹脂エマルジョンは、例えば、カチオン性の重合開始剤の存在下、カチオン性単量体と非イオン性単量体を乳化重合するか、非イオン性単量体をカチオン性及び/又は両性界面活性剤を用いて乳化重合して得ることができる。
【0014】
カチオン性重合開始剤の例としては、
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
で表わされるものなどがあげられ、その使用量は単量体の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部程度とすることが好ましいが、より好ましくは0.05〜5重量部である。
【0015】
カチオン性単量体としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、アリルアミン、ビニルピリジン、ビニルキノリン等不飽和アミン類及びこれらの塩又はアルキル4級化誘導体、例えばジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムステアレート、ビニルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどが用いられる。また、非イオン性単量体としては酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが用いられる。
【0016】
カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体の場合、カチオン性単量体の割合は通常1〜10モル%程度とすることが好ましい。
【0017】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドなどのトリメチル型、ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどのベンジル型、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルアミン酢酸塩などのアミン塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
【0018】
カチオン性単量体と非イオン性単量体とを共重合する場合は、界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性界面活性剤を用いることもできる。
【0019】
界面活性剤の使用量は、重合時の安定性、エマルジョンの機械的、化学的安定性、被膜の耐水性などを考慮して通常は単量体の合計量100重量部に対して1〜10重量部程度の範囲内から決められる。
【0020】
そして、本発明の樹脂エマルジョンを製造するには、まず上記した各種単量体を混合し、これに界面活性剤、重合開始剤等を加えて水系で重合する。この場合一括して仕込み重合する方法、各成分を連続供給しながら重合する方法などの各種の方法を適用できる。重合は通常30〜90℃の温度で撹拌下に行う。
【0021】
本発明の樹脂エマルジョンには、上記必須成分のほか通常用いられる顔料、可塑剤、皮膜形成助剤、消泡剤、粘度調整剤等も本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合可能である。
【0022】
上記方法により重合されたカチオン性の樹脂エマルジョンを散布する場合には、水で希釈して該固形分で0.1〜10%含有させて使用する。
【0023】
そして、これを地表面に散布するには、例えば農薬の散布や液肥の散布等の際に従来より用いられていた、通常の水溶液散布装置を用いて容易に行うことができる。そして、地表面に対する散布剤の散布量は、施工される地表面の乾燥状態や、土砂の粒径、表面の平滑度等を鑑みて適宜設計されるが、上記範囲の固形分を含有するエマルジョン希釈液を、地表面に対して0.2〜5 l/m2 程度散布することが好ましい。0.2 l/m2 を下回った場合には、微細土粒子の凝集効果を十分に得ることが出来ず、また5 l/m2 を上回る散布量で散布したとしても、特に濁水の発生防止効果が向上しないだけでなく、乾燥時間がいたずらに長くなるためいずれも好ましくない。
【0024】
なお、地表面が乾燥している場合には、上記の範囲で固形分含有量の少ないエマルジョン希釈液を多量に散布し、地表面が湿潤状態である場合には固形分含有量の多いエマルジョン希釈液を少量散布することが望ましい。但し雨などによって地表面の含水量が極めて高いときには自由水がなくなる程度まで乾燥した後、散布処理することが望ましい。
【0025】
また散布の実施時期は天気予報等によって予測される降雨の24時間前に行うのが望ましいが、状況によっては直前に応急的に実施することもできる。
【0026】
前記散布が実施される地表面の条件としては、比較的平滑で堅い面がよく、このため前処理として、ローラなどによって平坦化した後散布することが望まれるが、前処理を行わずに散布することも可能である。
【0027】
地表面の土粒子の径は、荒い場合の方が細かい場合より高い効果が得られるが、平滑度が悪いときや粒径の細かい土砂に実施する場合にはエマルジョン希釈液の固形分を増したり、散布量を多くすることで対処することができる。さらに、傾斜の大きい地表面に実施する場合にはエマルジョン希釈液を上部に多く散布することが好ましいが、下部にも十分に濡れるよう散布する必要がある。
【0028】
また、この発明における濁水の発生防止方法は、前記カチオン性の樹脂エマルジョンを含む散布剤に加えて、水溶性高分子を併用することが好ましい。
【0029】
ここで、この発明に用いる水溶性高分子は、上記カチオン性の樹脂エマルジョンと併用することにより土壌の凝集効果を高める水溶性高分子をいい、かかる水溶性高分子としては、例えば、MC(メチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)等のセルロース誘導体、グワーガム、キサンタンガム、アラビアゴム等の天然ガム、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、又はそれらのカチオン変性品などを用いることができる。
【0030】
すなわち、カチオン性の樹脂エマルジョン希釈液に水溶性高分子を併用すれば、その相乗効果や土壌中の多価金属イオンとのゲル化効果により地表面の微細土粒子が流されるのを効果的に防止することができる。なお、風による土埃等の発生を防止できるという副次効果を得ることもできる。
【0031】
また、水溶性高分子の配合量は、例えば、散布液中に固形分で0.2〜5%含有させて用いることが好ましい。
【0032】
そして、上記水溶性高分子を併用するにあたっては、前記樹脂エマルジョン希釈液とは別途に、二液タイプとして用いてもよいが、予め水溶性高分子と樹脂エマルジョン希釈液とを混合分散した一液タイプとして使用することもできる。
【0033】
地表面に対する水溶性高分子水溶液の散布量は、施工する地表面の乾燥条件や粒度、表面の平滑度等によっても異なるが、0.2〜5 l/m2 の範囲で散布することが好ましい。0.2 l/m2 を下回った場合には、凝集性に対し十分な相乗効果やゲル化効果を発揮することが出来ず、また5 l/m2 を上回る散布量で散布したとしても、特に凝集効果が向上しないだけでなく、乾燥時間がいたずらに長くなるためいずれも好ましくない。
【0034】
【実施例】
以下この発明の濁水の発生防止方法を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、この発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部と重量%を示す。
【0035】
実施例1
攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素ガス導入口を備えた重合容器に、脱イオン水 520部、カチオン性界面活性剤としてのカチオンFB[日本油脂株式会社製 商品名]26.7部、ノニオン性界面活性剤としてのノイゲンEA−170[第一工業製薬株式会社製 商品名]8部を仕込み、撹拌しながら80℃に昇温して溶解したのち窒素置換した。これにジメチルアミノエチルメタクリレート 20部、ブチルアクリレート 360部、メチルメタクリレート 20部の混合物にカチオン性重合開始剤としてのVA−041[和光純薬工業株式会社製 商品名]4部を添加し混合したものを4時間を要して均一に滴下させ、さらに80℃で2時間反応させ重合を終えた。得られたエマルジョンの固形分濃度は44.3%、粘度は250cp(BH型20回転)であった。
【0036】
別に、図1に示すように、長さ160cm、幅50cm、厚さ8cm、傾斜度4:1の勾配を持った土砂床1の上部に散水管2を配置し、下端にロート3を介して20 lのポリタンク4を接続した実験装置を作り、土砂床1の上面に自然含水比20%程度の関東ローム5を約5cmの厚さで敷設した。
【0037】
土砂の敷設後熊手で平坦に均しただけの試料Iと、5kgの鉄製ローラで固めた試料IIの表面に、それぞれ、先に重合したカチオン性のエマルジョンの固形分を水で希釈して2%としたものを約1.0 l/m2 散布した。24時間経過後、散水管2を通じて5 l/m2 (散水時間5分)の水を散布し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と、流出土砂量を測定した。
【0038】
なお、土砂床1の表面には土砂全体が滑り落ちるのを防止するため、20cm毎に高さ1cmの堰を横設してある。
【0039】
また、濁度はANALITE濁度計(セントラル科学株式会社製)を用い、ポリタンク4内に流入した水の中心部分で測定した。単位はカオリン換算でmg/l (ppm )であり、この方法では水の濁度は0ppm となる。
【0040】
なお、この結果は以下の各実施例および比較例と合わせて後記の表2に一括して示した。
【0041】
実施例2
図1に示す実験装置を用い、実施例1と全く同一の条件で作成された試料I ,IIの表面に、実施例1で重合して得られたカチオン性のエマルジョンを水で希釈して固形分0.5%としたものを約1.0 l/m2 散布した。実施例1と同様に24時間経過後、散水管2を通じて5 l/m2 (散水時間5分)の水を散水し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と、流出土砂量を測定した。
【0042】
実施例3
図1に示す実験装置を用い、実施例1と全く同一の条件で作成された試料I ,IIの表面に、実施例1で重合して得られたカチオン性のエマルジョンを水で希釈して固形分2%としたもの、および固形分を0.5%含有するメチルセルロース(商品名メトローズSM−4000:信越化学工業株式会社製)水溶液を予め1:1に混合分散したもの1.2 lを均一に散布した。
【0043】
実施例1と同様に24時間経過後、散水管2を通じて5 l/m2 (散水時間5分)の水を散水し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と、流出土砂量を測定した。
【0044】
実施例4
実施例1と同様にして、表1に示される単量体、界面活性剤、重合開始剤の種類、量で重合してエマルジョンを製造した。
【0045】
図1に示す実験装置を用い、実施例1と全く同一の条件で作成された試料I ,IIの表面に上記エマルジョンを水で希釈して固形分を2%としたもの、および固形分を0.5%含有するヒドロキシエチルセルロース[商品名カチナールHC−200:東邦化学工業株式会社製]水溶液を予め1:1に混合分散したもの1.2lを均一に散布した。実施例1と同様に24時間経過後、散水管2を通じて5l/m2 (散水時間5分)の水を散水し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と流出土砂量を測定した。
【0046】
【表1】
実施例5
実施例1と同様にして、表1に示される単量体、界面活性剤、重合開始剤の種類、量で重合してエマルジョンを製造した。
【0047】
図1に示す実験装置を用い、実施例1と全く同一の条件で作成された試料I ,IIの表面に上記エマルジョンを水で希釈して固形分を0.5%としたもの、および固形分を0.25%含有するポリビニルアルコール[商品名PA−18:信越化学工業株式会社製]水溶液を予め1:1に混合分散したもの1.2lを均一に散布した。実施例1と同様に24時間経過後、散水管2を通じて5l/m2 (散水時間5分)の水を散水し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と流出土砂量を測定した。
【0048】
実施例6
実施例1と同様にして、表1に示される単量体、界面活性剤、重合開始剤の種類、量で重合してエマルジョンを製造した。
【0049】
図1に示す実験装置を用い、実施例1と全く同一の条件で作成された試料I ,IIの表面に上記エマルジョンを水で希釈して固形分を4%としたもの、および固形分を0.3%含有するアルギン酸ナトリウム[商品名ダックアルギンNSPH:株式会社 紀文フードケミファ製]水溶液を予め1:1に混合分散したもの1.2lを均一に散布した。実施例1と同様に24時間経過後、散水管2を通じて5l/m2 (散水時間5分)の水を散水し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と流出土砂量を測定した。
【0050】
また、このものは散水後乾燥していない状態でも濁水防止効果が見られた。
【0051】
比較例1
実施例1と同様にして、表1に示される単量体、界面活性剤、重合開始剤の種類、量で重合してエマルジョンを製造した。
【0052】
図1に示す実験装置を用い、実施例1と全く同一の条件で作成された試料I ,IIの表面に上記エマルジョンを水で希釈して固形分を2%としたものを約1.0l/m2 散水した。実施例1と同様に24時間経過後、散水管2を通じて5l/m2 (散水時間5分)の水を散水し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と流出土砂量を測定した。
【0053】
比較例2
図1に示す実験装置を用い、実施例1と全く同一の条件で作成された関東ローム層からなる未処理の試料I ,IIに散水管2を通じて5l/m2 (散水時間5分)の水を散水し、流下する水をポリタンク4に捕集して水の濁度と流出土砂量を測定した。
【0054】
以上の実施例1〜6及び比較例1,2の実験結果を次の表2に示す。
【0055】
【表2】
以上の表に示す結果から明らかなように、カチオン性の樹脂エマルジョンで処理した地表面からの流出土砂量は未処理およびアニオン性の樹脂エマルジョンで処理した場合に比べて小さく、また濁度も極度に低下している。
【0056】
また、カチオン性の樹脂エマルジョンに水溶性高分子を併用したものは、さらに濁度が低くなり総合評価が高いものとなることがうかがえる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、この発明の濁水の発生防止方法は、カチオン性重合開始剤の使用量を単量体の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部で重合して得られるカチオン性の樹脂エマルジョンを固形分含有量0.1〜10%の希釈液として散布するとともに、ノニオン系又はカチオン系の水溶性高分子を散布液中に固形分で0.2〜5%含有させて散布するだけの簡単かつ迅速な方法により、雨水が地表面を流下する際に微細土粒子を巻き込むことを極力回避して、雨水が流下する地表面から濁水が発生するのを確実に防止することができるとともに、雨水によって運ばれる土砂量を著しく減少することができる。
【0058】
したがって、この発明は、土工事現場、地崩れ地域、鉄道,道路の法面などの雨水が流下する地表面において、降雨による濁水の発生を未然に防止し、濁水による周囲の環境破壊や地盤の崩壊を防止する上で好適である。
【0059】
また、前記カチオン性の樹脂エマルジョンに水溶性高分子を併用すれば、その相乗効果により地表水や浸透水等により微細土粒子が流されるのをさらに効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例に用いた実験装置の説明図である。
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