JP3548893B2 - 南京錠 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は南京錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、南京錠は、一般に箱型の錠ボデーと、この錠ボデーに突出状態に設けられた逆U字状の施錠用フックとから成り、前記錠ボデーの底壁には回動体のキー穴(キー溝)が現れている。
【0003】
したがって、この種の南京錠は、露呈するキー孔を利用して容易に悪戯あるいは不正解錠される危険性があった。そこで、現在、南京錠が不正に解錠されない工夫が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の要望点に鑑み、まず南京錠が容易に不正解錠されることを防止でき、次に南京錠のキー穴を直接的または間接的に遮蔽するスライドロック板を容易に解除状態にし、かつ、簡単にスライドさせることができる南京錠を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の南京錠は、キー穴6を遮蔽することができるように錠ボデー1の底壁にスライドロック板12を摺動可能に設け、このスライドロック板の内壁面にはタンブラー溝12を形成し、一方、スライドロック板の外壁面には、合鍵16の摘み部16aに設けた合鍵位置決め用の係合部17と係合する被係合部18を形成し、前記錠ボデーにはバネ部材22で常に一方向へ付勢され、かつ、前記タンブラー溝と係合すると共に前記摘み部16aに設けた磁性体の極性に対応してスライドロック板のロックを解除する方向へ移動する磁石ピンタンブラー20を組み込み、解錠時、前記摘み部16aをスライドロック板12の外壁面に合わせるようにして前記係合部17を被係合部18に係合させ、かつ、両者の係合状態を維持しながら合鍵16を介してスライドロック板12を錠ボデー1の外方向へ所要量水平移動させることを特徴とする。
【0006】
また本発明の南京錠は、錠ボデー1Aのキー穴6Aを有しない一側壁にスライドロック板12Aを設け、このスライドロック板の内壁面にはタンブラー溝15Aを形成し、一方、スライドロック板の外壁面には合鍵16Aの摘み部16aに設けた合鍵位置決め用の係合部17Aと係合する被係合部18Aを形成し、前記錠ボデーにはバネ部材22Aに付勢されながら前記タンブラー溝と係合すると共に前記摘み部16aに設けた磁性体21Aの極性に対応してスライドロック板のロックを解除する方向へ移動する磁石ピンタンブラー20Aを組み込み、また錠ボデー1Aの底壁には、キー穴を遮蔽し、かつ、施錠時に外端部が前記スライドロック板にロックされる開閉板31を摺動可能に設け、解錠時、前記摘み部16aをスライドロック板12Aの外壁面に合わせるようにして前記係合部17Aを被係合部18Aに係合させ、かつ、両者の係合状態を維持しながら合鍵16Aを介してスライドロック板12Aを錠ボデー1Aの外方向へ所要量水平移動させることを特徴とする。
【0007】
【作用】
合鍵の合鍵部をキー穴に挿入する時、まず合鍵の摘み部をスライドロック板の外壁面に合わせるようにし、合鍵の係合部をスライドロック板の被係合部に係合させる。係合部を被係合部に係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラーは合鍵の各磁性体の極性にそれぞれ対応し、スライドロック板のロックを解除する方向へ反発移動する。そこで、そのまま両者の係合状態を維持しながら合鍵を介してスライドロック板を外方向へ所要量移動させる。そうすると、第1実施例に於いては回動体のキー穴が直ちに現れる。第2実施例に於いては、スライドロック板から開放された開閉体をさらに外方向にスライドさせる。次にキー穴が現れたならば、合鍵をスライドロック板から外し、その合鍵部をキー穴に差し込み、回動体を解錠方向に回転する。その結果、施錠用フックは解錠状態となる。
【0008】
一方、施錠用フックを錠ボデーに施錠し、回動体のキー穴を遮蔽しようとする時は、第1実施例に於いてはスライドロック板の外端部を押し込む。また第2実施例に於いては、開閉板を親指で押し込んだ後、スライドロック板の外端部を押し込む。そうすると、スライドロック板または開閉板は、キー穴を閉じる。
【0009】
【実施例】
以下、図面に示す実施例により本発明を詳細に説明する。
【0010】
図1ないし図6に示す第1実施例に於いて、Xは、箱型の錠ボデー1と、この錠ボデーに突出状態に設けられた逆U字状の施錠用フック2とから成る南京錠である。施錠用フック2は、その基部2aが施錠部2bより長寸に形成されている。
【0011】
しかして、基部2aは錠ボデー1に設けた嵌合孔に嵌入し、かつ、フック用バネ部材3により突出方向に付勢されている。そして、基部2aはその段差部に形成された凹所と係合するフック抜止めピン4により係止されている。
【0012】
一方、施錠部2bは錠ボデー1の他方のフック穴にロック状態に嵌合するように設けられ、内側に係合溝が形成されている。
【0013】
5は錠ボデー1の中心部に設けられた内筒あるいは円柱状の回動体で、この回動体にはキー穴(キー溝)6が形成されている。
【0014】
しかして、回動体5には複数個のピンタンブラー7が、また錠ボデー1には前記ピンタンブラー7と対向する複数個のピンタンブラー8がそれぞれ組み込まれ、これらのピンタンブラー7、8はタンブラー用バネ部材9で一方向に付勢されている。また、回動体5の上端部には突起部5aが形成されている。
【0015】
10は錠ボデー1の上部側に内装され、かつ、カム用バネ11により施錠用フックの施錠部2bと係合する方向に常時付勢されたカム係合体である。このカム係合体10の適宜箇所には回動体5の突起部5aと係合する切欠部10aが形成され、カム係合体10は回動体5と解錠方向に連動するように係合している。
【0016】
次に12は回動体5のキー穴6を遮蔽することができるように錠ボデー1の側壁(底壁)に設けられたスライドロック板である。このスライドロック板12は底壁13に形成されたU字状のガイド溝14に摺動可能に案内される。
【0017】
しかして、このスライドロック板12の内壁面には複数個のタンブラー溝15が形成され、一方、スライドロック板12の外壁面には図1で示す合鍵16の係合部17と係合する被係合部18が形成されている。前記合鍵16の係合部17は、本実施例では、少なくとも一つは位置決め用の係合突起であり、摘み部16aの一側壁の前後にそれぞれ合計2個形成されている。したがって、これらの係合部17と対応して係合するスライドロック板12の被係合部18は、複数個の凹所である。
【0018】
次に20はバネ部材22で一方向へ付勢された状態で錠ボデー1に組み込まれ、かつ、スライドロック板のタンブラー溝15と常に係合する複数個の磁石ピンタンブラーである。これらの磁石ピンタンブラー20は、前記合鍵16の摘み部16aに埋設した複数個の磁性体21の極性に対応し、スライドロック板12のロックを解除する方向へ反発移動する。
【0019】
上記構成に於いて、合鍵16の合鍵部16bを回動体5のキー穴6に挿入する解錠時は、まず合鍵16の摘み部16aをスライドロック板12の外壁面に合わせるようにし、合鍵16の合鍵位置決め用係合部17をスライドロック板12の被係合部18に係合させる。係合部17を被係合部18に係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラー20は合鍵16の各磁性体21の極性にそれぞれ対応し、スライドロック板12のロックを解除する方向へ反発移動する。そこで、そのまま両者の係合状態を維持しながら合鍵16を介してスライドロック板12を錠ボデー1の外方向へ所要量水平移動させる。そうすると、回動体5のキー穴6が現れる。
【0020】
次にキー穴6が現れたならば、合鍵16をスライドロック板12から外し、その合鍵部16bを回動体5のキー穴6に差し込み、回動体5を解錠方向に回転する。その結果、施錠用フック2は、図5で示すように解錠状態となる。
【0021】
一方、施錠用フック2を錠ボデー1に施錠し、回動体5のキー穴6を遮蔽しようとする時は、スライドロック板12の外端部を押し込む。そうすると、スライドロック板12は底壁13のガイド溝14に案内されながら摺動し、キー穴6を閉じると同時に、各磁石ピンタンブラー20はバネ部材22のバネ力により復帰し、スライドロック板の各タンブラー溝15と係合する。その結果、スライドロック板12はキー穴6を塞いだ状態で各磁石ピンタンブラー20によりロックされる。
【0022】
次に図7ないし図12に示す第2実施例について説明する。なお、この実施例の南京錠X1は、錠ボデー1Aと、この錠ボデーに突出状態に設けられた逆U字状の施錠用フック2Aとから成り、基本的な構成は第1実施例と同一なので、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。そこで、主に異なる点につき説明する。
【0023】
しかして、この南京錠X1は、錠ボデー1Aのキー穴6Aを有しない一側壁30に第2のガイド溝32に案内されるスライドロック板12Aを設け、このスライドロック板12Aの内壁面にはタンブラー溝15Aを形成し、一方、スライドロック板12Aの外壁面には合鍵16Aの突起状係合部17Aと係合する凹所状被係合部18Aを形成し、前記錠ボデー1Aにはバネ部材22Aに付勢されながら前記タンブラー溝15Aと係合し、かつ、前記合鍵16Aに埋設した複数個の磁性体21Aの極性に対応してスライドロック板12Aのロックを解除する方向へ反発移動する複数個の磁石ピンタンブラー20Aを組み込み、また錠ボデー1Aの前記一側壁30と直交するキー穴6Aが位置する他側壁(底壁)には、キー穴6Aを遮蔽し、かつ、施錠的外端部が前記スライドロック板12Aにロックされる開閉板31が摺動可能に設けられている。
【0024】
なお、この実施例に於いては、突起状係合部17Aが摘み部16Aの周壁面の適宜箇所に設けられているが、これは合鍵16Aをスライドロック板12Aに合わせ、突起状係合部17Aを凹所状被係合部18Aに係合させた時、合鍵16Aを持ち易しい点を考慮したからである。したがって、合鍵16Aの位置決めが可能で、かつ、スライドロック板12Aの引き出しが可能であれば突起状係合部18Aを適当な箇所に設けても良い。
【0025】
上記構成に於いて、合鍵16Aの合鍵部16bを回動体5のキー穴6Aに挿入する解錠時は、まず合鍵16Aの摘み部16aの周壁部をスライドロック板12Aの外壁面に合わせるようにし、合鍵16Aの合鍵位置決め用係合部17Aをスライドロック板12Aの被係合部18Aに係合させる。係合部17Aを被係合部18Aに係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラー20Aは合鍵16Aの各磁性体21Aの極性にそれぞれ対応し、スライドロック板12Aのロックを解除する方向へ反発移動する。そこで、そのまま両者の係合状態を維持しながら合鍵16Aを介してスライドロック板12Aを外方向へ多少移動させる。これにより開閉板31はスライドロック板12Aから開放される。そこで、開閉板31を外方向に親指でスライド移動させる。そうすると、回動体5のキー穴6Aが現れる。
【0026】
次にキー穴6Aが現れたならば、合鍵16Aをスライドロック板12Aから外し、その合鍵部16bを回動体5のキー穴6Aに差し込み、回動体5を解錠方向に回転する。その結果、施錠用フック2Aは、図11で示すように解錠状態となる。
【0027】
一方、施錠用フック2Aを錠ボデー1Aに施錠し、回動体5のキー穴6Aを遮蔽しようとする時は、まず開閉板31の外端部を押し込む。そうすると、開閉板31は底壁13Aのガイド溝14Aに案内されながら摺動し、キー穴6Aを閉じる。次にスライドロック板12Aの外端部を押し込む。そうすると、スライドロック板12Aは一側壁30の第2のガイド溝32に案内されながら摺動し、各磁石ピンタンブラー20Aはバネ部材22Aのバネ力により復帰し、スライドロック板の各タンブラー溝15Aと係合する。その結果、スライドロック板12Aは開閉板31を介してキー穴6Aを塞いだ状態で各磁石ピンタンブラー20Aによりロックされる。この時スライドロック板12Aは開閉板31をストッパーする。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に於いては次に列挙するような効果がある。
(1)南京錠のキー穴を直接的に遮蔽する、または開閉板を介して間接的に遮蔽するスライドロック板が錠ボデーの側壁に設けられているので、露呈するキー孔を利用して容易に悪戯あるいは不正解錠される危険性がない。
(2)スライドロック板のロック状態を解除する時は、合鍵の摘み部をスライドロック板の外壁面に合わせるようにし、合鍵の係合部をスライドロック板の被係合部に係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラーは合鍵の各磁性体の極性にそれぞれ対応し、スライドロック板のロックを解除する方向へ反発移動する。したがって、南京錠のキー穴を直接的または間接的に遮蔽するスライドロック板を容易に解除状態にし、かつ、簡単にスライドさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図6は本発明の第1実施例を示す各概略説明図である。そこで、図1は全体の説明図である。
【図2】本発明の南京錠の正面図である。
【図3】本発明の南京錠の右側面図である。
【図4】本発明の南京錠の底面図である。
【図5】本発明の解錠状態を示す概略説明図である。
【図6】本発明の南京錠の施錠用フックが施錠状態である場合に於いて、スイライドロック板と合鍵との関係を示す概略説明図である。
【図7】図7ないし図12は本発明の第2実施例を示す各概略説明図である。そこで、図7は全体の説明図である。
【図8】本発明の南京錠の正面図である。
【図9】本発明の南京錠の右側面図である。
【図10】本発明の南京錠の底面図である。
【図11】本発明の解錠状態を示す概略説明図である。
【図12】本発明の南京錠の施錠用フックが施錠状態である場合に於いて、スイライドロック板と合鍵との関係を示す概略説明図である。
【符号の説明】
X、X1…南京錠、1、1A…錠ボデー、2、2A…施錠用フック、5…回動体、6、6A…キー穴、12、12A…スライドロック板、15、15A…タンブラー溝、16、16A…合鍵、17、17A…係合部、8、18A…被係合部、20、20A…磁石ピンタンブラー、21、21A…磁性体、22、22A…バネ部材、30…一側壁、31…開閉板。
【産業上の利用分野】
本発明は南京錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、南京錠は、一般に箱型の錠ボデーと、この錠ボデーに突出状態に設けられた逆U字状の施錠用フックとから成り、前記錠ボデーの底壁には回動体のキー穴(キー溝)が現れている。
【0003】
したがって、この種の南京錠は、露呈するキー孔を利用して容易に悪戯あるいは不正解錠される危険性があった。そこで、現在、南京錠が不正に解錠されない工夫が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の要望点に鑑み、まず南京錠が容易に不正解錠されることを防止でき、次に南京錠のキー穴を直接的または間接的に遮蔽するスライドロック板を容易に解除状態にし、かつ、簡単にスライドさせることができる南京錠を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の南京錠は、キー穴6を遮蔽することができるように錠ボデー1の底壁にスライドロック板12を摺動可能に設け、このスライドロック板の内壁面にはタンブラー溝12を形成し、一方、スライドロック板の外壁面には、合鍵16の摘み部16aに設けた合鍵位置決め用の係合部17と係合する被係合部18を形成し、前記錠ボデーにはバネ部材22で常に一方向へ付勢され、かつ、前記タンブラー溝と係合すると共に前記摘み部16aに設けた磁性体の極性に対応してスライドロック板のロックを解除する方向へ移動する磁石ピンタンブラー20を組み込み、解錠時、前記摘み部16aをスライドロック板12の外壁面に合わせるようにして前記係合部17を被係合部18に係合させ、かつ、両者の係合状態を維持しながら合鍵16を介してスライドロック板12を錠ボデー1の外方向へ所要量水平移動させることを特徴とする。
【0006】
また本発明の南京錠は、錠ボデー1Aのキー穴6Aを有しない一側壁にスライドロック板12Aを設け、このスライドロック板の内壁面にはタンブラー溝15Aを形成し、一方、スライドロック板の外壁面には合鍵16Aの摘み部16aに設けた合鍵位置決め用の係合部17Aと係合する被係合部18Aを形成し、前記錠ボデーにはバネ部材22Aに付勢されながら前記タンブラー溝と係合すると共に前記摘み部16aに設けた磁性体21Aの極性に対応してスライドロック板のロックを解除する方向へ移動する磁石ピンタンブラー20Aを組み込み、また錠ボデー1Aの底壁には、キー穴を遮蔽し、かつ、施錠時に外端部が前記スライドロック板にロックされる開閉板31を摺動可能に設け、解錠時、前記摘み部16aをスライドロック板12Aの外壁面に合わせるようにして前記係合部17Aを被係合部18Aに係合させ、かつ、両者の係合状態を維持しながら合鍵16Aを介してスライドロック板12Aを錠ボデー1Aの外方向へ所要量水平移動させることを特徴とする。
【0007】
【作用】
合鍵の合鍵部をキー穴に挿入する時、まず合鍵の摘み部をスライドロック板の外壁面に合わせるようにし、合鍵の係合部をスライドロック板の被係合部に係合させる。係合部を被係合部に係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラーは合鍵の各磁性体の極性にそれぞれ対応し、スライドロック板のロックを解除する方向へ反発移動する。そこで、そのまま両者の係合状態を維持しながら合鍵を介してスライドロック板を外方向へ所要量移動させる。そうすると、第1実施例に於いては回動体のキー穴が直ちに現れる。第2実施例に於いては、スライドロック板から開放された開閉体をさらに外方向にスライドさせる。次にキー穴が現れたならば、合鍵をスライドロック板から外し、その合鍵部をキー穴に差し込み、回動体を解錠方向に回転する。その結果、施錠用フックは解錠状態となる。
【0008】
一方、施錠用フックを錠ボデーに施錠し、回動体のキー穴を遮蔽しようとする時は、第1実施例に於いてはスライドロック板の外端部を押し込む。また第2実施例に於いては、開閉板を親指で押し込んだ後、スライドロック板の外端部を押し込む。そうすると、スライドロック板または開閉板は、キー穴を閉じる。
【0009】
【実施例】
以下、図面に示す実施例により本発明を詳細に説明する。
【0010】
図1ないし図6に示す第1実施例に於いて、Xは、箱型の錠ボデー1と、この錠ボデーに突出状態に設けられた逆U字状の施錠用フック2とから成る南京錠である。施錠用フック2は、その基部2aが施錠部2bより長寸に形成されている。
【0011】
しかして、基部2aは錠ボデー1に設けた嵌合孔に嵌入し、かつ、フック用バネ部材3により突出方向に付勢されている。そして、基部2aはその段差部に形成された凹所と係合するフック抜止めピン4により係止されている。
【0012】
一方、施錠部2bは錠ボデー1の他方のフック穴にロック状態に嵌合するように設けられ、内側に係合溝が形成されている。
【0013】
5は錠ボデー1の中心部に設けられた内筒あるいは円柱状の回動体で、この回動体にはキー穴(キー溝)6が形成されている。
【0014】
しかして、回動体5には複数個のピンタンブラー7が、また錠ボデー1には前記ピンタンブラー7と対向する複数個のピンタンブラー8がそれぞれ組み込まれ、これらのピンタンブラー7、8はタンブラー用バネ部材9で一方向に付勢されている。また、回動体5の上端部には突起部5aが形成されている。
【0015】
10は錠ボデー1の上部側に内装され、かつ、カム用バネ11により施錠用フックの施錠部2bと係合する方向に常時付勢されたカム係合体である。このカム係合体10の適宜箇所には回動体5の突起部5aと係合する切欠部10aが形成され、カム係合体10は回動体5と解錠方向に連動するように係合している。
【0016】
次に12は回動体5のキー穴6を遮蔽することができるように錠ボデー1の側壁(底壁)に設けられたスライドロック板である。このスライドロック板12は底壁13に形成されたU字状のガイド溝14に摺動可能に案内される。
【0017】
しかして、このスライドロック板12の内壁面には複数個のタンブラー溝15が形成され、一方、スライドロック板12の外壁面には図1で示す合鍵16の係合部17と係合する被係合部18が形成されている。前記合鍵16の係合部17は、本実施例では、少なくとも一つは位置決め用の係合突起であり、摘み部16aの一側壁の前後にそれぞれ合計2個形成されている。したがって、これらの係合部17と対応して係合するスライドロック板12の被係合部18は、複数個の凹所である。
【0018】
次に20はバネ部材22で一方向へ付勢された状態で錠ボデー1に組み込まれ、かつ、スライドロック板のタンブラー溝15と常に係合する複数個の磁石ピンタンブラーである。これらの磁石ピンタンブラー20は、前記合鍵16の摘み部16aに埋設した複数個の磁性体21の極性に対応し、スライドロック板12のロックを解除する方向へ反発移動する。
【0019】
上記構成に於いて、合鍵16の合鍵部16bを回動体5のキー穴6に挿入する解錠時は、まず合鍵16の摘み部16aをスライドロック板12の外壁面に合わせるようにし、合鍵16の合鍵位置決め用係合部17をスライドロック板12の被係合部18に係合させる。係合部17を被係合部18に係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラー20は合鍵16の各磁性体21の極性にそれぞれ対応し、スライドロック板12のロックを解除する方向へ反発移動する。そこで、そのまま両者の係合状態を維持しながら合鍵16を介してスライドロック板12を錠ボデー1の外方向へ所要量水平移動させる。そうすると、回動体5のキー穴6が現れる。
【0020】
次にキー穴6が現れたならば、合鍵16をスライドロック板12から外し、その合鍵部16bを回動体5のキー穴6に差し込み、回動体5を解錠方向に回転する。その結果、施錠用フック2は、図5で示すように解錠状態となる。
【0021】
一方、施錠用フック2を錠ボデー1に施錠し、回動体5のキー穴6を遮蔽しようとする時は、スライドロック板12の外端部を押し込む。そうすると、スライドロック板12は底壁13のガイド溝14に案内されながら摺動し、キー穴6を閉じると同時に、各磁石ピンタンブラー20はバネ部材22のバネ力により復帰し、スライドロック板の各タンブラー溝15と係合する。その結果、スライドロック板12はキー穴6を塞いだ状態で各磁石ピンタンブラー20によりロックされる。
【0022】
次に図7ないし図12に示す第2実施例について説明する。なお、この実施例の南京錠X1は、錠ボデー1Aと、この錠ボデーに突出状態に設けられた逆U字状の施錠用フック2Aとから成り、基本的な構成は第1実施例と同一なので、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。そこで、主に異なる点につき説明する。
【0023】
しかして、この南京錠X1は、錠ボデー1Aのキー穴6Aを有しない一側壁30に第2のガイド溝32に案内されるスライドロック板12Aを設け、このスライドロック板12Aの内壁面にはタンブラー溝15Aを形成し、一方、スライドロック板12Aの外壁面には合鍵16Aの突起状係合部17Aと係合する凹所状被係合部18Aを形成し、前記錠ボデー1Aにはバネ部材22Aに付勢されながら前記タンブラー溝15Aと係合し、かつ、前記合鍵16Aに埋設した複数個の磁性体21Aの極性に対応してスライドロック板12Aのロックを解除する方向へ反発移動する複数個の磁石ピンタンブラー20Aを組み込み、また錠ボデー1Aの前記一側壁30と直交するキー穴6Aが位置する他側壁(底壁)には、キー穴6Aを遮蔽し、かつ、施錠的外端部が前記スライドロック板12Aにロックされる開閉板31が摺動可能に設けられている。
【0024】
なお、この実施例に於いては、突起状係合部17Aが摘み部16Aの周壁面の適宜箇所に設けられているが、これは合鍵16Aをスライドロック板12Aに合わせ、突起状係合部17Aを凹所状被係合部18Aに係合させた時、合鍵16Aを持ち易しい点を考慮したからである。したがって、合鍵16Aの位置決めが可能で、かつ、スライドロック板12Aの引き出しが可能であれば突起状係合部18Aを適当な箇所に設けても良い。
【0025】
上記構成に於いて、合鍵16Aの合鍵部16bを回動体5のキー穴6Aに挿入する解錠時は、まず合鍵16Aの摘み部16aの周壁部をスライドロック板12Aの外壁面に合わせるようにし、合鍵16Aの合鍵位置決め用係合部17Aをスライドロック板12Aの被係合部18Aに係合させる。係合部17Aを被係合部18Aに係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラー20Aは合鍵16Aの各磁性体21Aの極性にそれぞれ対応し、スライドロック板12Aのロックを解除する方向へ反発移動する。そこで、そのまま両者の係合状態を維持しながら合鍵16Aを介してスライドロック板12Aを外方向へ多少移動させる。これにより開閉板31はスライドロック板12Aから開放される。そこで、開閉板31を外方向に親指でスライド移動させる。そうすると、回動体5のキー穴6Aが現れる。
【0026】
次にキー穴6Aが現れたならば、合鍵16Aをスライドロック板12Aから外し、その合鍵部16bを回動体5のキー穴6Aに差し込み、回動体5を解錠方向に回転する。その結果、施錠用フック2Aは、図11で示すように解錠状態となる。
【0027】
一方、施錠用フック2Aを錠ボデー1Aに施錠し、回動体5のキー穴6Aを遮蔽しようとする時は、まず開閉板31の外端部を押し込む。そうすると、開閉板31は底壁13Aのガイド溝14Aに案内されながら摺動し、キー穴6Aを閉じる。次にスライドロック板12Aの外端部を押し込む。そうすると、スライドロック板12Aは一側壁30の第2のガイド溝32に案内されながら摺動し、各磁石ピンタンブラー20Aはバネ部材22Aのバネ力により復帰し、スライドロック板の各タンブラー溝15Aと係合する。その結果、スライドロック板12Aは開閉板31を介してキー穴6Aを塞いだ状態で各磁石ピンタンブラー20Aによりロックされる。この時スライドロック板12Aは開閉板31をストッパーする。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に於いては次に列挙するような効果がある。
(1)南京錠のキー穴を直接的に遮蔽する、または開閉板を介して間接的に遮蔽するスライドロック板が錠ボデーの側壁に設けられているので、露呈するキー孔を利用して容易に悪戯あるいは不正解錠される危険性がない。
(2)スライドロック板のロック状態を解除する時は、合鍵の摘み部をスライドロック板の外壁面に合わせるようにし、合鍵の係合部をスライドロック板の被係合部に係合させると、位置決めが図られると同時に、各磁石ピンタンブラーは合鍵の各磁性体の極性にそれぞれ対応し、スライドロック板のロックを解除する方向へ反発移動する。したがって、南京錠のキー穴を直接的または間接的に遮蔽するスライドロック板を容易に解除状態にし、かつ、簡単にスライドさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図6は本発明の第1実施例を示す各概略説明図である。そこで、図1は全体の説明図である。
【図2】本発明の南京錠の正面図である。
【図3】本発明の南京錠の右側面図である。
【図4】本発明の南京錠の底面図である。
【図5】本発明の解錠状態を示す概略説明図である。
【図6】本発明の南京錠の施錠用フックが施錠状態である場合に於いて、スイライドロック板と合鍵との関係を示す概略説明図である。
【図7】図7ないし図12は本発明の第2実施例を示す各概略説明図である。そこで、図7は全体の説明図である。
【図8】本発明の南京錠の正面図である。
【図9】本発明の南京錠の右側面図である。
【図10】本発明の南京錠の底面図である。
【図11】本発明の解錠状態を示す概略説明図である。
【図12】本発明の南京錠の施錠用フックが施錠状態である場合に於いて、スイライドロック板と合鍵との関係を示す概略説明図である。
【符号の説明】
X、X1…南京錠、1、1A…錠ボデー、2、2A…施錠用フック、5…回動体、6、6A…キー穴、12、12A…スライドロック板、15、15A…タンブラー溝、16、16A…合鍵、17、17A…係合部、8、18A…被係合部、20、20A…磁石ピンタンブラー、21、21A…磁性体、22、22A…バネ部材、30…一側壁、31…開閉板。
Claims (2)
- キー穴6を遮蔽することができるように錠ボデー1の底壁にスライドロック板12を摺動可能に設け、このスライドロック板の内壁面にはタンブラー溝12を形成し、一方、スライドロック板の外壁面には、合鍵16の摘み部16aに設けた合鍵位置決め用の係合部17と係合する被係合部18を形成し、前記錠ボデーにはバネ部材22で常に一方向へ付勢され、かつ、前記タンブラー溝と係合すると共に前記摘み部16aに設けた磁性体の極性に対応してスライドロック板のロックを解除する方向へ移動する磁石ピンタンブラー20を組み込み、解錠時、前記摘み部16aをスライドロック板12の外壁面に合わせるようにして前記係合部17を被係合部18に係合させ、かつ、両者の係合状態を維持しながら合鍵16を介してスライドロック板12を錠ボデー1の外方向へ所要量水平移動させることを特徴とする南京錠。
- 錠ボデー1Aのキー穴6Aを有しない一側壁にスライドロック板12Aを設け、このスライドロック板の内壁面にはタンブラー溝15Aを形成し、一方、スライドロック板の外壁面には合鍵16Aの摘み部16aに設けた合鍵位置決め用の係合部17Aと係合する被係合部18Aを形成し、前記錠ボデーにはバネ部材22Aに付勢されながら前記タンブラー溝と係合すると共に前記摘み部16aに設けた磁性体21Aの極性に対応してスライドロック板のロックを解除する方向へ移動する磁石ピンタンブラー20Aを組み込み、また錠ボデー1Aの底壁には、キー穴を遮蔽し、かつ、施錠時に外端部が前記スライドロック板にロックされる開閉板31を摺動可能に設け、解錠時、前記摘み部16aをスライドロック板12Aの外壁面に合わせるようにして前記係合部17Aを被係合部18Aに係合させ、かつ、両者の係合状態を維持しながら合鍵16Aを介してスライドロック板12Aを錠ボデー1Aの外方向へ所要量水平移動させることを特徴とする南京錠。
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