JP3548140B2 - カラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置およびカラー画像記録装置 - Google Patents

カラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置およびカラー画像記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラープリンタ、カラー複写機やカラーファクシミリ等に応用できるカラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置およびカラー画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例として、発明者らが特願平5−178998号に出願したカラー電子写真装置を用いてその構成を説明する。図5はその従来例のカラー電子写真装置の全体構成図である。
【0003】
中央に黒、シアン、マゼンタ、イエロの各色用の4組の扇型をした像形成ユニット101Bk、101C、101M、101Yが像形成ユニット群を構成し、円環状に配置されている。102は感光体、103は帯電器、104は現像剤ホッパ、105はクリーナ、106は電極ローラである。円環状に配置されている像形成ユニット101Bk、101C、101M、101Yは支持体(図示せず)に支持されており、全体として移動手段である移動モータ107に駆動され、円筒状の固定されて回転しない軸108の周りに回転移動可能になっている。各像形成ユニットは、順次、中間転写ベルト109を支持する転写ローラ110に対向した像形成位置111に位置することができる。像形成位置111は信号光112による露光位置でもある。113はレーザ露光装置で、プリンタ部に入力された信号で変調されたレーザビームによる信号光112を発生するが、これは図5の像形成ユニット101Mと101Yの間に構成された光路を通って、軸108の一部に開けられた窓114a、114bを通して軸108内部に固定されたミラー115に入射し、反射されて像形成位置111にある像形成ユニットの感光体102に照射され潜像を形成する。図5の状態では黒用の像形成ユニット101Bkに作用する。
【0004】
次に、この装置のカラー像形成時の動作を説明する。まず最初は、像形成ユニットは図5に示すような位置にあり、かつ黒用の像形成ユニット101Bkが図に示されているように像形成位置111にある。レーザ露光装置113により黒の信号光が像形成ユニット101Bkに入力され、黒トナーによる像形成が行われる。像形成されるとともに同時に転写ローラ110の作用で、黒トナー像が中間転写ベルトに転写される。黒のトナー像がすべて転写し終わった直後に、像形成ユニット群101Bk、101C、101M、101Yは全体が移動モータ107に駆動されて一体的に回転移動し、ちょうど90度回転して像形成ユニット101Cが像形成位置近傍111に達した位置で止まる。像形成ユニット101Cが像形成位置111に到着後、前と同様に今度はシアンの信号でレーザ露光装置が像形成ユニット101Cに信号光を入力しシアンのトナー像の形成と転写が行われる。このとき中間転写ベルト109が一回転してきて、前に転写された黒のトナー像に次のシアンのトナー像が位置的に合致するようにシアンの信号光の書き込みのタイミングが制御される。以上と同様の動作を、マゼンタ、イエロについても行い中間転写ベルト上には4色のトナー像が位置的に合致して重ね合わされカラー像が形成される。最後のイエロトナー像の転写後、4色のトナー像はタイミングを合わせて用紙116に、第2転写ローラ117の作用で一括転写される。用紙に転写されたトナー像は定着器118により定着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成で、200枚ほどカラープリントを続けると、しだいに各像形成ユニット101の感光体102の表面が傷つきはじめ、画像に筋が現れた。
【0006】
さらに、この構成では、中間転写体と感光体とを接触させたままメンテナンスする構成であるため、中間転写ベルト109の交換時に転写ベルト表面が感光体表面をこすりつけ傷つけたり、外部からの光が感光体に直接当たって感光体を劣化させるという問題点が発生した。
また、クリーニング装置のメンテナンス性が良好ではなかった。
本発明の目的は上記問題点に鑑み、クリーニング装置の構成が簡易でメンテナンス性が良いカラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置およびカラー画像記録装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置は、
表面にフッ素樹脂層を有する中抵抗ベルトにより構成される中間転写ベルト上にカラートナー像を形成して、記録紙に一括転写するカラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置であって、
前記中間転写ベルトと常時接触している表面平滑な剛体ローラであり、像形成工程中はトナーと同極性の電圧が印加され、前記中間転写ベルト表面の残留トナーを静電的に回収するときはトナーと逆極性の電圧が印加されるクリーニング部材と、
前記中間転写ベルトを介して前記クリーニング部材と対向配置される弾性のバックアップローラと、
前記クリーニング部材により回収された前記残留トナーを掻き取り廃トナー溜めに回収させるスクレーパと、を有し、前記中間転写ベルトをクリーニングする構成である。
本発明のカラー画像記録装置は、
中間転写ベルト上にカラートナー像を形成して、記録紙に一括転写するカラー画像記録装置であって、
表面にフッ素樹脂層を有する中抵抗ベルトからなる前記中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトと常時接触している表面平滑な剛体ローラであり、像形成工程中はトナーと同極性の電圧が印加され、前記中間転写ベルト表面の残留トナーを静電的に回収するときはトナーと逆極性の電圧が印加されるクリーニング部材と、
前記中間転写ベルトを介して前記クリーニング部材と対向配置される弾性のバックアップローラと、
前記中間転写ベルトと常時接触している表面平滑な剛体ローラであり、像形成工程中はトナーと同極性の電圧が印加され、前記中間転写ベルト表面のトナーを用紙に転写するときはトナーと逆極性の電圧が印加される転写ローラと、
前記中間転写ベルトを介して前記転写ローラと対向配置される弾性の他の転写ローラと、
前記クリーニング部材により回収された前記残留トナーを掻き取り廃トナー溜めに回収させるスクレーパと、
を具備する構成である。
また、上記構成において、前記転写ローラは、前記転写ローラ表面の付着トナーを前記中間転写ベルトに移すときはトナーと同極性の電圧が印加されるように構成されてもよい
【0008】
この構成により、クリーニング部材と中間転写ベルトとは像形成工程中常時接触しているにも関わらず、クリーニング部材が表面平滑であり、静電的にクリーニングを行う構成であるため、中間転写ベルト上の像を乱すことなく、しかも、クリーニング装置の構成が簡易でメンテナンス性が良いカラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、カラー画像を記録する装置の一例である、中間転写体として中間転写ベルトを用いるカラー電子写真装置の構成と作用について図1を用いて説明する。1はカラー電子写真装置の外装筐であり、図面右端面側が前面である。1Aはプリンタ前面板であり、該前面板はプリンタ外装筐1に対して下辺側のヒンジ軸1Bを中心に倒し開き操作、起こし閉じ操作自由である。前面板1Aを倒し開いた状態を1点鎖線で示す。プリンタ内に対する中間転写体ユニット2の着脱操作や紙詰まり時などのプリンタ内部メンテナンス等は、前面板1Aを倒し開いてプリンタ内部を大きく解放することにより行われる。この中間転写体ユニット2の着脱動作は、感光体の回転軸母線方向に対し垂直方向になるように設計されている。中間転写体ユニット2は、中間転写ベルト3、第1転写ローラ4、第2転写ローラ5、クリーニングローラ6、スクレーパ7、廃トナー溜め8、廃トナー満杯検出器9、バックアップローラ10、位置検出器11、テンションローラ12、よりなる。詳細は、後述する。
【0010】
プリンタ中央には黒、シアン、マゼンタ、イエロの各色用の4組の扇型をした像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cが像形成ユニット群14を構成し、図のように円環状に配置されている。各像形成ユニットは、図1のプリンタ左面板1Cをヒンジ軸1Dを中心に開いて像形成ユニット群14の所定の位置に着脱自在である。像形成ユニット13はプリンタ内に正規に装着されることにより、像形成ユニット側とプリンタ側の両者側の機械的駆動系統・電気回路系統が相互カップリング部材(図示せず)を介して結合して機械的・電気的に一体化する。
【0011】
円環状に配置されている像形成ユニット13Bk、13C、13M、13Yは支持体(図示せず)に支持されており、像形成ユニット群全体として移動手段である移動モータ15に駆動され、固定されて回転しない円筒状の軸16の周りに回転移動可能に構成されている。像形成時には、各像形成ユニットは回転移動によって順次前述の中間転写ベルト3を支持する第1転写ローラ4に対向した像形成位置17に位置することができる。像形成位置17はレーザ信号光18による露光位置でもある。
【0012】
図2に黒用像形成ユニット13Bkを詳細に示す。各像形成ユニットは、中に入れた現像剤を除きそれぞれ同じ構成部材よりなるので、説明を簡略化するため黒用の像形成ユニット13Bkについて説明し、他色については省略する。なお、各色用について同じ部分には同じ符号を付し、各色の構成の区別をつける必要がある場合は符号に各色を示す文字を付す。この説明では、発明者らが特願平4−50274号に開示した現像法を用いているが、通常の電子写真法に用いる現像法であればいかなるものでもよいことは言うまでもない。例えば、磁気ブラシ現像法、弾性ゴムローラ現像法、ジャンピング現像法、インプレッション現像法などである。図2において、19はフタロシアニンを感光材料に用いポリカーボネート系バインダ樹脂を主体に構成した有機感光体、20は感光体19と同軸で固定された回転しない磁石、21は感光体をマイナスに帯電する導電性ゴムを用いた帯電ローラ、18はレーザ信号光、22はレーザビームが像形成ユニットに進入する像形成ユニットの開口部である露光窓、23は現像剤ホッパである。現像剤ホッパ23内には、表面をシリコーン樹脂でコートした粒径50μmのフェライトキャリヤ24Bkとポリエステル樹脂に黒顔料を分散したマイナス帯電性の黒トナー25Bkを10%混合した2成分現像剤26Bkをいれ、磁石20の磁力により感光体19表面に直接付着させる。27は回転可能なアルミニウム製の回収電極ローラ、28はその内部に同軸で固定された回転しない磁石、29は回収電極ローラ上に回収されたトナーをかきおとす燐青銅製のスクレーパ、30は回収電極ローラに電圧を印加する交流高圧電源である。31は転写後の感光体19表面に残ったトナーを清掃するクリーナである。感光体19の直径は30mmで、周速60mm/sで矢印方向に回転させ、回収電極ローラ27は直径16mmで、同じく周速60mm/sで矢印方向に回転させた。
【0013】
次に図3を用い中間転写体ユニット2の構成を説明する。中間転写体ユニット2はユニットハウジング2aに、中間転写ベルト3、アルミローラよりなる第1転写ローラ4、導電性弾性ゴムローラよりなる第2転写ローラ5、中間転写ベルト3上に残ったトナー像をクリーニングするアルミニウム製のクリーニングローラ6、回収したトナーを掻き取るスクレーパ7、掻き取ったトナーを溜おく廃トナー溜め8、廃トナー溜め8内のトナー量が満杯になったことを検出する廃トナー満杯検出器9、クリーニングローラ6に対向する導電性ゴム製のバックアップローラ10、中間転写ベルト3の転写開始位置を検出する位置検出器11、中間転写ベルト3の張力を調整し蛇行を防止するテンションローラ12、を内包している。この中間転写体ユニット2は、図1においてプリンタ前面板1Aを倒し開いてプリンタ外装筐1内の所定の収納部に対して着脱自在である。中間転写ベルト3は、厚さ100μmのエンドレスベルト状の半導電性(中抵抗)のウレタンを基材とし、表面層はPFA・PTFE等のフッ素樹脂を用い100〜200μmの厚さとしたフィルムよりなり、第1転写ローラ4、第2転写ローラ5、バックアップローラ10およびテンションローラ12に巻回し、矢印Y方向に移動可能に構成される。この第2転写ローラ5とバックアップローラ10の中抵抗の弾性体層は、シリコンゴム・テフロン(R)ゴム・クロロプレンゴム・ウレタンゴム・EPDM等の弾性材料にカーボンや金属酸化物を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1017Ωcmの中抵抗を有するように処理をしたソリッド或いは発泡肉質の層よりなる。ここで、中間転写ベルト3の周長は、最大用紙サイズであるA4用紙の長手方向の長さ(298mm)に、後述する感光体ドラム(直径30mm)の周長の半分より若干長い長さ(62mm)を足した360mmに設定している。このとき、第2転写ローラ5と第3転写ローラ34の当接部からクリーニングローラ6とバックアップローラ10の当接部までの中間転写ベルト3の周長は、この62mmの距離より短く、55mmになるように設定されている。中間転写ベルト3の移動速度は、トナー像の中抜け転写を防ぐために像形成ユニット13の像形成の速度(感光体の周速に等しい60mm/s)より1.5%速くなるように設定されている。
【0014】
第1転写ローラ4は転写位置4aと退避位置4bとの間を移動可能となっており、電気信号により制御される駆動源(図示せず)により、転写位置4aに位置すると中間転写ベルト3は感光体19に接触し形成されたトナー像を転写することができ、また退避位置4bに位置すると中間転写ベルト3は感光体19から非接触の位置に離れる。感光体19上のトナー像を転写する際には、第1転写ローラ4とテンションローラ12とには高圧電源32により約+2.5kV(100μA)の電圧が印加されている。第1転写ローラ4を直接感光体19に接触させトナー像を中間転写ベルト3に転写しようとすると、中間転写ベルト3が感光体19に接触する前にいわゆる「前飛び」現象を起こし像が乱れたり、また第1転写ローラ4と感光体19との接触圧力を均一に調整することが困難になる。しかし、本発明のように第1転写ローラ4を移動させ、2本のローラ間に架張された中間転写ベルト3を感光体ドラム19に接触させると、これら問題は発生しない。
【0015】
中間転写体ユニット2がプリンタ本体に装着されたときには、第1転写ローラ4は、中間転写ベルト3が感光体19と接触しない図3の退避位置4bにある。中間転写体ユニット2がプリンタ本体に装着され、像形成動作が開始すると、第1転写ローラ4は、転写位置4aに移動し、中間転写ベルト3は約1.0kgの力で感光体19に圧接される。
【0016】
第2転写ローラ5とバックアップローラはともに導電性ゴムで構成されており、カラートナー像の転写時の飛び散りを防ぐために20MΩの抵抗33を介して接地されている。
【0017】
アルミニウム製の第3転写ローラ34は、中間転写ベルト3を介して第2転写ローラ5と圧接されている。中間転写ベルト3上にカラー像を形成途中では、ベルト上のトナー像を乱さないようにするために、高圧電源35aにより−1kVの電圧が印加される。またカラートナー像を受像紙36に転写する際には高圧電源35bにより+3kVの電圧が印加される。37は紙36が中間転写ベルト3から分離するときにトナー像が乱れないようにするための除電針である。この第3転写ローラ34は、トナー像を転写する際の中抜け現象を防ぐために中間転写ベルト3より1.5%遅く回転可能に構成している。
【0018】
クリーニングローラ6は、中間転写ベルト3を清掃する。このクリーニングローラ6には中間転写ベルト3上にカラー像を形成中は、中間転写ベルト3からトナーが移らないようにするため、高圧電源38aよりトナーと同極性の電圧、ここではマイナスの電圧が印加されている。中間転写ベルト3に残留したトナーをクリーニングする際には、高圧電源38bによりトナーを静電的に吸い寄せるプラスの電圧が印加される。
【0019】
図4は中間転写体ユニット2の内部に設けられたフォトインタラプタによる位置検出器11の構成を示す斜視図である。中間転写ベルト3の端部には検出孔39があり、位置検出器11はその検出孔39の通過を光学的に検出することによってトナー像の先端位置を決定し、中間転写ベルト3上でのカラー像の位置合わせをおこなう構成である。
【0020】
再び図1に戻り説明する。40はプリンタ外装筐1内の上側に配設したレーザ露光装置であり、半導体レーザ、スキャナモータ40a、ポリゴンミラー40b、レンズ系40c等から構成されている。該レーザ露光装置40からの画像情報の時系列電気画素信号に対応した画素レーザ信号光18は図1の像形成ユニット13Bkと13Cとの間に構成された光路窓口41を通って、軸16の一部に開けられた窓42を通して軸16内に固定されたミラー43に入射し、反射されて像形成位置17にある像形成ユニット13Bkの露光窓22から像形成ユニット13Bk内に進入し、像形成ユニット内に上下に配設されている現像剤ホッパ23とクリーナ31との間の通路を通って感光体ドラム19の左側面の露光部に入射し母線方向に走査露光される。
【0021】
ここで光路窓口41からミラー43までの光路は両隣の像形成ユニット13Bkと13Cとのユニット間の隙間を利用しているため、像形成ユニット群14には無駄になる空間がほとんど無い。また、ミラー43は像形成ユニット群14の中央部に設けられているため、固定された単一のミラーで構成することができ、シンプルでかつ位置合わせ等が容易な構成である。
【0022】
34はプリンタ前面板1Aの内側で給送ローラ44の上方に配設した第3転写ローラであり、中間転写ベルト3と第3転写ローラ34との圧接されたニップ部には、プリンタ前面板1Aの下部に設けた紙給送ローラ44により用紙が送られてくるように用紙搬送路が形成されている。第3転写ローラ34の構成は、第2転写ローラ5のような導電性の弾性ローラであっても良いが、表面が平滑な金属ローラを用いた方が中間転写ベルト3上でカラー画像を合成する際にトナー像表面を乱すことがないためより望ましい。
【0023】
45a、45bはプリンタの内側上部に設けた定着ローラで、定着ローラ45aの内部にはハロゲンランプ46が設けられている。定着ローラ45aと定着ローラ45bとの間にはポリイミドフィルム47が張架されている。このフィルム47はカラープリントの光沢を出す目的に用いられる。48は定着ローラ45aに対向し設けられたバックアップローラ、49は紙出口側に配設した排紙ローラ対である。以上が本発明のカラー画像記録装置の主要構成の説明である。
【0024】
次に、像形成ユニット13および中間転写体ユニット2の交換時の構成と作用を説明する。図1の状態は像形成を行っている状態である。これは、感光体19上に形成されたトナー像を中間転写ベルト3に転写するために第1転写ローラ4が図3の4aの位置に移動した状態である。像形成ユニット群14が回転移動するとき、あるいはプリンタ装置の停止状態では第1転写ローラ4は4bの位置に退避する。この状態では、感光体19は中間転写ベルト3と接触しない。この退避状態において、プリンタはプリント動作を停止し、プリンタ前面板1Aを開くことによって中間転写体ユニット2の交換が取り出し可能となる。この状態で中間転写体ユニット2の出し入れ動作を行っても、動作中に感光体19と中間転写ベルト3とが強く押し当たって双方に傷をつけることはない。また同時に、プリンタ左面板1Cを開くことによって各像形成ユニット13の交換が取り出し可能となる。他の像形成ユニット13を交換するときは、像形成ユニット群14はこの状態から90゜づつ回転移動した状態で停止する。
【0025】
中間転写ベルト3は、長期の使用にともない次第に表面がトナーの固着などにより劣化する。このベルトの劣化が著しくなると画像が部分的に欠けたり画像に白筋や黒筋が発生する。このためこの中間転写ベルト3は、劣化し画像に影響が出る前に交換することが望ましい。ところが、この中間転写ベルト3の劣化現象をプリンタ装置内で自動的に検出することは極めて困難である。本願発明では、図3に示すように、中間転写ベルト3を廃トナー溜め8とともに一体化してユニット化し、中間転写ベルト3の交換時に廃トナーを同時に捨て去る構成である。このような構成では、中間転写ベルト3が寿命になる前に廃トナー溜めが廃トナーで満杯になるようにその大きさを小さい目の容量に設計しておくとよい。こうすると、中間転写ベルト3が劣化して画像欠陥が発生する前に廃トナー溜め内部に設置した廃トナー満杯検出器9がトナーの満杯を検出し、ユーザに中間転写体ユニット2の交換を指示することができる。このような構成は、直接トナー像を上に形成する中間転写ベルトだけに有効なものではなく、受像紙を周囲に巻き付ける構成の中間転写体であっても同様に有効である。
【0026】
上記の構成によって、像形成ユニット群が回転移動動作中には、像形成ユニットの感光体19と中間転写ベルト3とは接触しないため感光体19が傷つくことがない。また、中間転写体ユニット2の交換時に中間転写ベルト3が感光体19と直接接触することがないのでメンテナンス時に感光体19を傷つけることもない。さらに、この方法は、中間転写ベルト3の位置を固定して像形成時に像形成ユニット13を転写位置へと移動させ中間転写ベルト3と接触させる構成に比べて、感光体19上での露光位置が安定し、カラー画像合成時の色位置合わせ精度もよくなるという効果がある。
【0027】
以下本発明の一実施の形態のカラー電子写真装置の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1のプリンタは、像形成状態にある。像形成ユニット13Bkの動作を図2を用いて説明する。感光体19を帯電ローラ21で、−450Vに帯電させた。この感光体19にレーザ信号光18を照射し静電潜像を形成した。このとき感光体19の露光電位は−50Vであった。この感光体19表面上に、2成分現像剤26Bkを現像剤ホッパ23内で磁力により付着させた。次に感光体19表面を回収電極ローラ27の前を通過させた。感光体19の未帯電域の通過時には、電極ローラ27には交流高圧電源30により、+100Vの直流電圧を重畳した750V0−p(ピーク・ツー・ピーク1.5kV)の交流電圧(周波数2kHzの矩型波)を印加した。その後、−450Vに帯電し静電潜像が書き込まれた感光体19表面の通過時には、電極ローラ27には交流高圧電源30により、−250Vの直流電圧を重畳した750V0−p(ピーク・ツー・ピーク1.5kV)の交流電圧(周波数2kHzの矩型波)を印加した。すると、感光体19上の現像剤と非画像部分に付着したトナーは電極ローラ27に回収され、感光体19上には画像部にのみネガポジ反転したトナー像が残った。矢印方向に回転する電極ローラ27に付着した現像剤とトナーは、スクレーパ29によってかきとり、再び現像剤ホッパ23内に戻し次の像形成に用いた。こうして感光体19上には黒色のトナー像が得られた。黒色以外の他の像形成ユニット13C、13M、13Yについても同様の動作を行う。
【0029】
次に再び図1に戻り、装置のカラー像形成時の動作を説明する。像形成ユニット群14は図1に示す位置にあり、黒の像形成ユニット13Bkが図示のように像形成位置17にある。このとき感光体19は中間転写ベルト3に接触している。先に説明した像形成ユニットの像形成工程により、レーザ露光装置40により黒の信号光が像形成ユニット13Bkに入力され、黒トナーによる像形成が行われる。この時と中間転写ベルト3の移動速度は、トナー像の中抜け転写を防ぐために感光体19の速度に比べ1.5%速くなるように設定されており、像形成と同時に第1転写ローラ4とテンションローラ12に印加された電圧の作用で、黒トナー像が中間転写ベルト3上に転写される。このとき第1転写ローラ4とテンションローラ12には前述のように+2.5kVの直流電圧を印加した。
【0030】
黒のトナー像がすべて転写し終わった直後に、第1転写ローラ4は図3に示す4aの位置から4bの位置へと移動し、中間転写ベルト3は像形成ユニット13Bkに接触しない位置に戻る。次に、像形成ユニット群14として全体が移動モータ15に駆動されて図1の矢印Q方向に回転移動し、ちょうど90゜回転して像形成ユニット13Cが像形成位置17に達した位置で止まる。像形成ユニットの感光体19以外のトナーホッパ23やクリーナ31の部分は、感光体19先端の点線で示す回転円弧より内側に位置している。また、第1転写ローラ4の退避位置4bはこの点線円弧の外側に位置する。そのため、像形成ユニット群の回転移動中に中間転写ベルト3が像形成ユニットに接触することはない。
【0031】
像形成ユニット群14の回転が終了し像形成ユニット13Cが像形成位置17に到達すると、前と同様に今度はシアンの信号でレーザ露光装置40が像形成ユニット13Cに信号光を入力し、シアンのトナー像の形成と転写が行われる。このときまでに中間転写ベルト3は1回転し、前に転写された黒のトナー像に次のシアンのトナー像が位置的に合致するように、図4に示す位置検出器11からの信号に基づいてシアンの信号光の書き込みタイミングが制御される。この間、第3転写ローラ34は中間転写ベルト3と接触しているが、前述のように第3転写ローラの表面は平滑であり、かつトナーの付着を防止するような−1kVの電圧が印加されているため、中間転写ベルト3上のトナー像を乱さない。また、クリーニングローラ6も中間転写ベルト3と接触しているが、クリーニングローラ6の表面も平滑であり、かつトナーの付着を防止するような−1kVの電圧が印加されているため、中間転写ベルト3上のトナー像を乱さない。
【0032】
以上と同様の動作を、マゼンタ、イエロについても行い、中間転写ベルト3上には4色のトナー像が位置的に合致して重ね合わされカラー像が形成された。最後のイエロトナー像の転写後、4色のトナー像はタイミングを合わせて給紙カセットから送られる用紙(図示せず)に、第3転写ローラ34に+3kVの電圧を印加して一括転写した。用紙に転写されたトナー像は定着ローラ45a、45bにより定着され、その後排出された。
【0033】
その後、第3転写ローラ34に再び−1kVの電圧を印加して第3転写ローラ表面に直接付着していたトナーを中間転写ベルト3に移したあと、中間転写ベルト3上に残った転写残りのトナーとあわせて、クリーニングローラ6に+3kVの電圧を印加することによって清掃し中間転写体ユニット2内の廃トナー溜め8内に蓄えた。
【0034】
このようなプリント動作を約3万枚繰り返したところ、廃トナー溜め8bが満杯となり、光センサで構成された廃トナー満杯検出器9が、満杯であるという信号を出力した。このとき、中間転写ベルト3は、さらに1万枚程度のプリントに使用し得る状態であったが、この廃トナー満杯検出器9の信号に基づき中間転写体ユニット2の交換をユーザに促した。
【0035】
廃トナーで廃トナー溜め8bが満杯になった状態の中間転写体ユニット2は次のように交換される。像形成ユニット群14は図1に示す状態にあるが、第1転写ローラ4は図3に示す4bの位置に退避している。従って、像形成ユニット13Bkの感光体19は、中間転写体ユニット2の中間転写ベルト3と接触しない退避位置に移動して装置は停止している。ユーザが装置本体前面部に位置する前面板1Aをあけて、そこから中間転写体ユニット2を取り出す。次に、あらかじめ用意した位置検出器や廃トナー満杯検出器等が調整済みの新しい中間転写体ユニットを装着する。したがってユニット装着後はなんら調整する事なく像形成が開始できる。この新しい中間転写体ユニットを本体に装着する際に、像形成ユニット13Bkの感光体19は、中間転写ベルト3や第1転写ローラ4と衝突して傷つくことはない。
【0036】
以上が本実施の形態の構成と動作の説明である。なお以上の説明では、像形成ユニットの構造として特定のものを用いたが、他に従来法の現像法や帯電方法を用いた構造の像形成ユニットの場合でも、本発明の本質と作用効果は変わることがない。またこのような構成は、直接トナー像を上に形成する中間転写ベルトだけに有効なものではなく、受像紙を周囲に巻き付ける構成の中間転写体であっても同様に有効であることはいうまでもない。
上記した構成によって、像形成ユニット群の回転時に、中間転写体と像形成ユニットとが衝突することがないため、感光体を傷つけない。さらに中間転写体ユニット交換時に、中間転写体と感光体とが衝突して感光体を傷つけることがない、構成が小型シンプルでメンテナンス性の良いカラー画像記録装置が得られる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クリーニング部材と中間転写ベルトとは像形成工程中常時接触しているにも関わらず、クリーニング部材が表面平滑であり、静電的にクリーニングを行う構成であるため、中間転写ベルト上の像を乱すことなく、しかも、クリーニング装置の構成が簡易でメンテナンス性が良いカラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置およびカラー画像記録装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のカラー電子写真装置の像形成時の位置関係を示す構成図
【図2】本発明の実施の形態のカラー電子写真装置に用いられる像形成ユニットの構成を示
す構成図
【図3】本発明の中間転写体ユニットの構成図
【図4】本発明の中間転写体ユニットの位置検出器の構成を示す構成図
【図5】従来のカラー電子写真装置の構成図
【符号の説明】
2 中間転写体ユニット
3 中間転写ベルト
4 第1転写ローラ
5 第2転写ローラ
6 クリーニングローラ
10 バックアップローラ
12 テンションローラ
13 像形成ユニット
14 像形成ユニット群
17 像形成位置
18 レーザ信号光
19 感光体
34 第3転写ローラ
40 レーザ露光装置
43 ミラー

Claims (3)

  1. 表面にフッ素樹脂層を有する中抵抗ベルトにより構成される中間転写ベルト上にカラートナー像を形成して、記録紙に一括転写するカラー画像記録装置に用いる中間転写ベルトのクリーニング装置であって、
    前記中間転写ベルトと常時接触している表面平滑な剛体ローラであり、像形成工程中はトナーと同極性の電圧が印加され、前記中間転写ベルト表面の残留トナーを静電的に回収するときはトナーと逆極性の電圧が印加されるクリーニング部材と、
    前記中間転写ベルトを介して前記クリーニング部材と対向配置される弾性のバックアップローラと、
    前記クリーニング部材により回収された前記残留トナーを掻き取り廃トナー溜めに回収させるスクレーパと、
    を具備したことを特徴とする中間転写ベルトのクリーニング装置。
  2. 中間転写ベルト上にカラートナー像を形成して、記録紙に一括転写するカラー画像記録装置であって、
    表面にフッ素樹脂層を有する中抵抗ベルトからなる前記中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトと常時接触している表面平滑な剛体ローラであり、像形成工程中はトナーと同極性の電圧が印加され、前記中間転写ベルト表面の残留トナーを静電的に回収するときはトナーと逆極性の電圧が印加されるクリーニング部材と、
    前記中間転写ベルトを介して前記クリーニング部材と対向配置される弾性のバックアップローラと、
    前記中間転写ベルトと常時接触している表面平滑な剛体ローラであり、像形成工程中はトナーと同極性の電圧が印加され、前記中間転写ベルト表面のトナーを用紙に転写するときはトナーと逆極性の電圧が印加される転写ローラと、
    前記中間転写ベルトを介して前記転写ローラと対向配置される弾性の他の転写ローラと、
    前記クリーニング部材により回収された前記残留トナーを掻き取り廃トナー溜めに回収させるスクレーパと、
    を具備したことを特徴とするカラー画像記録装置。
  3. 前記転写ローラは、前記転写ローラ表面の付着トナーを前記中間転写ベルトに移すときはトナーと同極性の電圧が印加されることを特徴とする請求項2記載のカラー画像記録装置。
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