JP3546400B2 - 外装材取付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外壁の外断熱工法に好適な外装材取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1.従来この種のものにあっては、外壁の外断熱工法がとられることは極めて少なく、断熱材を使用しない場合、または内断熱工法が大部分である。
鉄筋コンクリート造、PCコンクリート造、ALC造、押し出しセメント成型板造等の外壁に外装材を取付ける方法において、断熱材を使用しない場合、または内断熱工法においては、外装材にタイルを使用する場合は、コンクリート躯体にモルタルでタイルを取付ける。
また、金属サイデング、窯業系サイデング等を取付ける場合は、通常コンクリート躯体に外装取付金具を取付け、これに外装パネルを取付ける方法で行われる。
2.最近、省エネルギー及び内部結露の防止が社会問題となり、その対策として外断熱工法が採用されつつあるが、外断熱工法を採用すれば、コンクリート躯体にアンカーボルトなどで取付けられた金具が断熱材の中を貫通して断熱材の外側の外装材下地を固定することになり、その外装材下地に外装材を取付ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。
外断熱を採用すれば、コンクリート躯体と外装材はそれらをつなぐ取付金具により固定されるが、断熱層があるため、断熱材がない場合に比べ躯体側である鉄筋コンクリート、PCコンクリート、ALC等外面と外装材との距離が大きくなる。
つまり、外壁の外部側に断熱材がない場合は、タイル、外装パネルは簡単に取付くが、外断熱工法の場合、断熱材の外側に外装材を固定しなければならないので、取付方法が複雑になる。
また、外装材はそれ自身の重量の他、風圧荷重、地震力等が加わり、それらの総荷重は取付金具を介して躯体にかかることになる。
外装材と躯体との距離が大きくなれば、それに比例して取付金具の躯体とつなぐ部分にかかるモーメント力が大きくなり、これに対処するため、その部分のサイズアップまたは躯体とつなぎ部分の数量を増加させる必要がある。
サイズアップまたは数量の増加は熱橋部の増加となり、放熱量の増加につながり、省エネ上好ましくなく、また、取付工数のアップ等につながり、経済的にも好ましくない。
【0004】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のようなことのできるものを提供しようとするものである。
A.地震力等の横揺れに対する荷重が剪断力と引張り力だけで受けるため、断面積を小さくでき熱橋となる熱ロスを最小にできる。
B.断熱材に切込みを入れるだけで容易に断熱材の中を貫通させることができると共に、断熱材のつぶれや隙間による断熱性能の低下がない。
C.外装材の重量、建物の高さによる地震力の影響による横揺力を、取付数量を調整することで適正な強度が確保できる。
D.連結棒先端のナットにより取付長さの調整が容易にできると共に、外装材取付縦枠の左右方向の位置ずれを容易に調整できる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は下記のようになるものである。
【0006】
請求項1記載の発明は、躯体2の壁面部3とは所望する間隔をもって平行状態で起立されている外装材取付金具1、1、1、1...における正面から見て中央に位置する外装材取付金具1と、左方に位置する外装材取付金具1と、右方に位置する外装材取付金具1と、第1横振れ防止具10から構成されている。
【0007】
イ.外装材取付金具1は、躯体2の壁面部3とは所望する間隔をもって平行状態で支持されるべき角筒状の外装材取付縦枠4において、躯体の壁面部2Aに外装材取付縦枠4と対応するように上下方向をもって打設された適数本のグリップアンカー5と、このグリップアンカーに螺合植設された支持棒6と、この支持棒6の根本部分に螺合された根本用ナット7と、支持棒6の先端部分に螺合された内ナット体8Aと外ナット体8Bを一対とする外方ナット8から構成され、
支持棒6の先端部分には外方ナット8を利用して外装材取付縦枠4が連結支持され、グリップアンカー5における根本用ナット7の取付部分と、外装材取付縦枠4における外方ナット8の取付箇所より下方位置との間に傾斜状態で補強部9が掛架され、この補強部9は、断面U字状に二つ折りして圧着してなる傾斜板9Aと、傾斜板の上端に垂直状態に連設した垂直板9Bと、垂直板の中心に開設した円孔9B1と、傾斜板9Aの下方に刻設した切込みにより左右に分けられた挟持枠用片9C、9Cと、挟持枠用片9Cに開設されたビス穴9C1から構成され、外装材取付縦枠4における内方面4Aに支持棒6の先端部分が貫入できる円孔4A1を開設すると共に、外装材取付縦枠4における外方面4Bには外方ナット8の外ナット体8Bを外方から操作するための円孔4B1を開設しておき、支持棒6の先端部分から外方ナット8における外ナット体8Bを外しておき、内ナット体8Aが外装材取付縦枠4の内方面に位置する状態で当該支持棒6を円孔4A1に貫入したのち、外ナット体8Bで外方から締付けるように構成され、挟持枠用片9Cは、取付に際して、外装材取付縦枠4を内方から挟持できるよう平面外向きコ字状に開くよう構成され、補強部9における円孔9B1には支持棒6が貫入され、グリップアンカー5に対して根本用ナット7で圧着され、かつ、左右の挟持枠用片9C、9Cは、取付に際して左右に開き外装材取付縦枠を内方から挟持した状態にしてビス9C2で固着するよう構成され、
ロ.第1横振れ防止具10は、中央に位置する外装材取付金具1に取付けられる中央金具10Aと、中央金具10Aと左方に位置する外装材取付金具1との間に張設される左方連結棒10Bと、中央金具10Aと右方に位置する外装材取付金具1との間に張設される右方連結棒10Cから構成され、
中央金具10Aは、正面左右に長い細幅板の中央部10A1を残して前方に向け折曲げ形成した左右片10A2、10A2と、中央部10A1に開設された支持棒6の先端が貫入される中央孔と左右片に開設された連結棒貫入用の側方孔から構成され、
左方連結棒10Bは、所定長さの連結棒10B1の左端に固着された小板10B2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される左方孔と、中央金具10Aの連結棒貫入用の側方孔を貫通する連結棒10B1の右端に螺合されたナット10B3、10B4から構成され、
右方連結棒10Cは、所定長さの連結棒10C1の右端に固着された小板10C2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される右方孔と、中央金具10Aの連結棒貫入用の側方孔を貫通する連結棒10C1の左端に螺合されたナット10C3、10C4から構成され、
中央金具10Aは、外装材取付縦枠4における内方面4Aに支持棒6、外方ナット8で固定され、左方連結棒10Bの右方端と右方連結棒10Cの左方端は、中央金具10Aに固定され、左方連結棒10Bの左方端と右方連結棒10Cの右方端は、支持棒6、根本用ナット7でグリップアンカー5に固定されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、躯体2の壁面部3とは所望する間隔をもって平行状態で起立されている外装材取付金具1、1、1、1...における正面から見て中央に位置する外装材取付金具1と、左方に位置する外装材取付金具1と、右方に位置する外装材取付金具1と、第2横振れ防止具11から構成されている。
【0009】
イ.外装材取付金具1は、躯体2の壁面部3とは所望する間隔をもって平行状態で支持されるべき角筒状の外装材取付縦枠4において、躯体の壁面部2Aに外装材取付縦枠4と対応するように上下方向をもって打設された適数本のグリップアンカー5と、このグリップアンカーに螺合植設された支持棒6と、この支持棒6の根本部分に螺合された根本用ナット7と、支持棒6の先端部分に螺合された内ナット体8Aと外ナット体8Bを一対とする外方ナット8から構成され、支持棒6の先端部分には外方ナット8を利用して外装材取付縦枠4が連結支持され、グリップアンカー5における根本用ナット7の取付部分と、外装材取付縦枠4における外方ナット8の取付箇所より下方位置との間に傾斜状態で補強部9が掛架され、この補強部9は、断面U字状に二つ折りして圧着してなる傾斜板9Aと、傾斜板の上端に垂直状態に連設した垂直板9Bと、垂直板の中心に開設した円孔9B1と、傾斜板9Aの下方に刻設した切込みにより左右に分けられた挟持枠用片9C、9Cと、挟持枠用片9Cに開設されたビス穴9C1から構成され、外装材取付縦枠4における内方面4Aに支持棒6の先端部分が貫入できる円孔4A1を開設すると共に、外装材取付縦枠4における外方面4Bには外方ナット8の外ナット体8Bを外方から操作するための円孔4B1を開設しておき、支持棒6の先端部分から外方ナット8における外ナット体8Bを外しておき、内ナット体8Aが外装材取付縦枠4の内方面に位置する状態で当該支持棒6を円孔4A1に貫入したのち、外ナット体8Bで外方から締付けるように構成され、挟持枠用片9Cは、取付に際して、外装材取付縦枠4を内方から挟持できるよう平面外向きコ字状に開くよう構成され、補強部9における円孔9B1には支持棒6が貫入され、グリップアンカー5に対して根本用ナット7で圧着され、かつ、左右の挟持枠用片9C、9Cは、取付に際して左右に開き外装材取付縦枠を内方から挟持した状態にしてビス9C2で固着するよう構成され、
ロ.第2横振れ防止具11は、中央に位置する外装材取付縦枠4に開設された左方用横穴11Aと、左方に位置する外装材取付金具1との間に張設される左方連結棒11Bと、中央に位置する外装材取付縦枠4に開設された右方用横穴11Cと、右方に位置する外装材取付金具1との間に張設される右方連結棒11Dから構成され、
左方用横穴11Aは、外装材取付縦枠4における左右側面を左方から右方に向け貫通して開設され、
右方用横穴11Cは、外装材取付縦枠4における左右側面を右方から左方に向け貫通して開設され、
左方連結棒11Bは、所定長さの連結棒11B1の左端に固着された小板11B2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される左方孔と、左方用横穴11Aを貫通する連結棒11B1の右端に螺合されたナット11B3から構成され、
右方連結棒11Dは、所定長さの連結棒11D1の右端に固着された小板11D2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される右方孔と、右方用横穴11Cを貫通する連結棒11D1の左端に螺合されたナット11D3から構成され、
左方連結棒11Bの左方端と右方連結棒11Dの右方端は、支持棒6、根本用ナット7でグリップアンカー5に固定され、左方連結棒11Bの右方端と右方連結棒11Dの左方端は、それぞれ左方用横穴11Aと右方用横穴11Cを貫通した後、ナットで締付け固定されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0011】
第1発明は外装材取付装置1A1に関し、第2発明は外装材取付装置1A2に関するものである。
【0012】
本発明に用いる外装材取付金具1は、下記のように構成されている。
なお、この外装材取付金具1は、本発明の発明者が先に発明した「外装材取付金具〜特公平8−16386号」を改良したものである。
躯体2の壁面部3とは所望する間隔をもって平行状態で支持されるべき角筒状の外装材取付縦枠4において、躯体の壁面部3に外装材取付縦枠4と対応するように上下方向をもって打設された適数本のグリップアンカー5と、このグリップアンカーに螺合植設された支持棒6と、この支持棒6の根本部分に螺合された根本用ナット7と、支持棒6の先端部分に螺合された内ナット体8Aと外ナット体8Bを一対とする外方ナット8から構成され、支持棒6の先端部分には外方ナット8を利用して外装材取付縦枠4が連結支持され、グリップアンカー5における根本用ナット7の取付部分と、外装材取付縦枠4における外方ナット8の取付箇所より下方位置との間に傾斜状態で補強部9が掛架され、この補強部9は、断面U字状に二つ折りして圧着してなる傾斜板9Aと、傾斜板の上端に垂直状態に連設した垂直板9Bと、垂直板の中心に開設した円孔9B1と、傾斜板9Aの下方に刻設した切込みにより左右に分けられた挟持枠用片9C、9Cと、挟持枠用片9Cに開設されたビス穴9C1から構成され、外装材取付縦枠4における内方面4Aに支持棒6の先端部分が貫入できる円孔4A1を開設すると共に、外装材取付縦枠4における外方面4Bには外方ナット8の外ナット体8Bを外方から操作するための円孔4B1を開設しておき、支持棒6の先端部分から外方ナット8における外ナット体8Bを外しておき、内ナット体8Aが外装材取付縦枠4の内方面に位置する状態で当該支持棒6を円孔4A1に貫入したのち、外ナット体8Bで外方から締め付けるように構成されている。
【0013】
挟持枠用片9Cは、取付に際して、外装材取付縦枠4を内方から挟持できるよう平面外向きコ字状に開くよう構成されている。
そこで、補強部9における円孔9B1には支持棒6が貫入され、グリップアンカー5に対して根本用ナット7で圧着され、かつ、左右の挟持枠用片9C、9Cは、取付に際して左右に開き外装材取付縦枠を内方から挟持した状態にしてビス9C2で固着するよう構成される。
【0014】
なお、補強部9は引っ張り応力しかかからず、部材は小さくてすむ。
外装材取付縦枠4は断熱材12を圧着し、固定する機能を持つと共に、外装材をビス等で固定する下地材となる。
内ナット体8Aを回転することにより、外装材取付縦枠4のレベル調整が簡単に行える。
外装材取付縦枠4の内方面側の面が断熱材12を圧着し、外側面に外装材が取付けられることにより、この外装材取付縦枠の部材の厚さが空気層となる。
外装材取付縦枠4は縦方向に設置され、空気層の空気が熱せられ浮力が発生し、ドラフト力で通気するものを防げないようにする。
【0015】
支持棒6の先端部分と外装材取付縦枠4との連結状態は下記の通りである。
外装材取付縦枠4における内方面4Aに支持棒6の先端部分が貫入できる円孔4A1を開設すると共に、外装材取付縦枠4における外方面4Bには外方ナット8の外ナット体8Bを外方から操作するための円孔4B1を開設しておく。
そこで、支持棒6の先端部分から外方ナット8における外ナット体8Bを外しておき、内ナット体8Aが外装材取付縦枠4の内方面に位置する状態で当該支持棒6を円孔4A1に貫入したのち、外ナット体8Bで外方から締付ける。
支持棒6には剪断応力しかかからず、躯体と外装材の距離の大小に関係する曲げモーメント力はかからないので、剪断応力に耐える太さだけ考慮すればよい。
【0016】
なお、上記外装材取付金具1は下記の効果を期待することができる。
A.外装材取付縦枠4と躯体をつなぐ支持棒6には剪断応力、補強部9には引っ張り応力しかかからないため、断熱材の厚さの大小に関わらず、各部材の断面積を小さくできる。
B.断熱材の中を斜めに貫通する補強部は折曲げにより幅を最小にすることにより、切込みを入れた断熱材に隙間やつぶれができず、また、施工性が向上する。
C.外装材を取付ける下地材となる外装材取付縦枠のレベル調整は支持棒先端のナットにより容易にできる。
【0017】
以下、第1発明の外装材取付装置1A1と、第2発明の外装材取付装置1A2について説明する。
1.第1発明の外装材取付装置1A1について
A.外装材取付装置1A1は、上記外装材取付金具1と第1横振れ防止具10から構成されている。
B.躯体2の壁面部3とは所望する間隔をもって平行状態で起立されている外装材取付金具1、1、1、1...における正面から見て中央に位置する外装材取付金具1と、左方に位置する外装材取付金具1と、右方に位置する外装材取付金具1と、第1横振れ防止具10から構成されている。
そこで、第1横振れ防止具10は、中央に位置する外装材取付金具1に取付けられる中央金具10Aと、中央金具10Aと左方に位置する外装材取付金具1との間に張設される左方連結棒10Bと、中央金具10Aと右方に位置する外装材取付金具1との間に張設される右方連結棒10Cから構成されている。
【0018】
C.中央金具10Aは、正面左右に長い細幅板の中央部10A1を残して前方に向け折曲げ形成した左右片10A2、10A2と、中央部10A1に開設された支持棒6の先端が貫入される中央孔と左右片に開設された連結棒貫入用の側方孔から構成されている。
D.左方連結棒10Bは、所定長さの連結棒10B1の左端に固着された小板10B2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される左方孔と、中央金具10Aの連結棒貫入用の側方孔を貫通する連結棒10B1の右端に螺合されたナット10B3、10B4から構成されている。
E.右方連結棒10Cは、所定長さの連結棒10C1の右端に固着された小板10C2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される右方孔と、中央金具10Aの連結棒貫入用の側方孔を貫通する連結棒10C1の左端に螺合されたナット10C3、10C4から構成されている。
F.連結状態は下記の通りである。
中央金具10Aは、外装材取付縦枠4における内方面4Aに支持棒6、外方ナット8で固定されている。
左方連結棒10Bの右方端と右方連結棒10Cの左方端は、中央金具10Aに固定され、左方連結棒10Bの左方端と右方連結棒10Cの右方端は、支持棒6、根本用ナット7でグリップアンカー5に固定されている。
【0019】
2.第2発明の外装材取付装置1A2について
A.外装材取付装置1A2は、上記外装材取付金具1と第2横振れ防止具11から構成されている。
第2横振れ防止具11の構成は下記の通りである。
B.躯体2の壁面部3とは所望する間隔をもって平行状態で起立されている外装材取付金具1、1、1、1...における正面から見て中央に位置する外装材取付金具1と、左方に位置する外装材取付金具1と、右方に位置する外装材取付金具1と、第2横振れ防止具11から構成されている。
そこで、第2横振れ防止具11は、中央に位置する外装材取付縦枠4に開設された左方用横穴11Aと、左方に位置する外装材取付金具1との間に張設される左方連結棒11Bと、中央に位置する外装材取付縦枠4に開設された右方用横穴11Cと、右方に位置する外装材取付金具1との間に張設される右方連結棒11Dから構成されている。
【0020】
C.左方用横穴11Aは、外装材取付縦枠4における左右側面を左方から右方に向け貫通して開設されている。
D.右方用横穴11Cは、外装材取付縦枠4における左右側面を右方から左方に向け貫通して開設されている。
E.左方連結棒11Bは、所定長さの連結棒11B1の左端に固着された小板11B2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される左方孔と、左方用横穴11Aを貫通する連結棒11B1の右端に螺合されたナット11B3から構成されている。
F.右方連結棒11Dは、所定長さの連結棒11D1の右端に固着された小板11D2と、この小板に開設された支持棒6の後端が貫入される右方孔と、右方用横穴11Cを貫通する連結棒11D1の左端に螺合されたナット11D3から構成されている。
G.連結状態は下記の通りである。
左方連結棒11Bの左方端と右方連結棒11Dの右方端は、支持棒6、根本用ナット7でグリップアンカー5に固定されている。
左方連結棒11Bの右方端と右方連結棒11Dの左方端は、それぞれ左方用横穴11Aと右方用横穴11Cを貫通した後、ナットで締付け固定されている。
【0021】
そこで、外装材取付装置の使用方法は、下記のように構成されている。
図10、図11を参照して、壁面部3に対して左方から右方に所定間隔をもって起立させた第1発明の外装材取付装置1A1、1A1、1A1...あるいは第2発明の外装材取付装置1A2、1A2、1A2...において、これら各外装材取付装置における外装材取付縦枠4の外方面4Bに外装材13を張設するよう構成されている。
【0022】
第1発明の外装材取付装置1A1を例に施工の手順は、次の通りである。
A.第1横振れ防止具10の取付は中央部の外装材取付金具1と左部及び右部の外装材取付金具1の3本の外装材取付金具1で取付けられる。
中央部の取付は、コンクリート躯体の壁面部3に取付けられたグリップアンカー5に下方に傾斜状態で取付く補強部9をネジ加工された支持棒6を介して根本用ナット7で締付け固定する。
左部の取付はコンクリート躯体の壁面部3に取付けられたグリップアンカー5に左方連結棒10Bと下方に傾斜状態で取付く補強部9をネジ加工された支持棒6を介して根本用ナット7で締付け固定する。
右部の取付はコンクリート躯体の壁面部3に取付けられたグリップアンカー5に右方連結棒10Cと下方に傾斜状態で取付く補強部9をネジ加工された支持棒6を介して根本用ナット7で締付け固定する。
そして、上方向または下方向及び左右方向に連続する箇所において同じ操作を繰返す。 なお、第1横振れ防止具10は外装材の重量、建物の高さによる地震等の横振れ力が考慮され、一定の間隔で取付けられることとなる。
B.このとき左部及び右部に取付けられた左方連結棒10B及び右方連結棒10Cの先端が、互いに中央部の外装材取付金具1の方向に向くよう水平に取付ける。
なお、グリップアンカーは取付けられる角筒状の外装材取付縦枠4に合わせ縦方向に適数本取付けられていると共に、横方向に一定のピッチで並べて打ち込まれている。
【0023】
C.左部の左方連結棒10B及び右部の右方連結棒10Cや、中央部に傾斜状態で取付けられる補強部9を、支持棒6と根本用ナット7で取付けた状態にして、ロックウールやグラスウールなどの断熱材12を取付ける。
断熱材12を取付ける時、支持棒6の先端部分に断熱材12を上から押込むことにより容易に断熱材12を取付けることができる。
断熱材12を押込んで表面に出てきた支持棒6の先端を中心に、下方向にカッターナイフなどで断熱材12に切込みを入れる。
さらに、左部及び右部は支持棒6の先端を中心に中央部の支持棒6の方向に、カッターナイフなどで断熱材12に切込みを入れる。
断熱材12の切込みを入れたところから左方及び右方の連結棒10B1、10C1と、傾斜状態で取付く補強部9を断熱材表面に先端部分を引出す。補強部9の先端の挟持枠用片9Cを左右に開き、外装材取付縦枠4が入り込むようにする。
外装材取付縦枠4を固定するための内ナット体8Aを、断熱材から突出している支持棒6の先端に取付ける。
また、左部及び右部から取り出した連結棒10B1、10C1の先端にナット10B3、10C3を取付ける。
D.中央部の支持棒6の先端に左方及び右方の連結棒10B1、10C1の先端を固定する中央金具10Aを取付ける。
外装材取付縦枠4の内方面4Aに開けられている円孔4A1に支持棒6の先端部分を貫通させ取付け、外装材取付縦枠4の外方面4Bに開けられた円孔4B1より外ナット体8Bを入れ、支持棒6先端に締付固定する。
このとき、外装材取付縦枠4を止めている支持棒6の先端に取付けられている内ナット体8A及び外ナット体8Bを回転させ、外装材取付縦枠4のレベル調整を行う。
E.左右に開いた補強部9の挟持枠用片9Cの先端を、外装材取付縦枠の左右側面にはさみ込みビス9C2で固定する。
F.左方連結棒10B及び右方連結棒10Cの連結棒10B1、10C1の先端を、中央金具10Aの側方孔へ裏側から通しナット10B4、10C4を締付することにより中央金具10Aに固定する。
【0024】
【実施例】
さらに、以下のような条件で実験した結果、極めて良好な結果が得られた。
補強部や連結棒が貫通する断熱材にカッターで切込みを入れるだけのため、作業性が向上した。
さらに補強部や連結棒の断面が板状や小径となっているため、断熱材のつぶれや大きな隙間が発生せず、断熱性能を低下させることがなくなった。
図中、14は通気層である。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。
A.中央に位置する外装材取付金具の先端と左方及び右方に位置する外装材取付金具の取付部をつなぐ左方連結棒及び右方連結棒には、外装材の横揺れに対し引っ張り応力しかかからないため、断熱材の厚さの大小に拘らず、断面積を小さくできる。
B.断熱材の中を貫通する左方連結棒及び右方連結棒は小径の断面にすることにより、切込みを入れた断熱材に隙間やつぶれができず、また、施工性が向上する。
C.左方連結棒10B及び右方連結棒10Cの先端に付いているナットにより外装材取付縦枠の左右方向の位置ずれを容易に調整できる。
D.外断熱における外装面にかかる地震力は、外装材重量が重いほど、躯体と外装面の距離が大きくなるほど、そして建物に取付けられている位置が高いほど大きな力がかかることになる。
そのため、外装材の重量や建物に取付く高さにより横振れ防止具の取付数を調整することで、適正な強度が確保できると共に不要なコストを削減できる。
E.このほか、安価に製造できる、部品点数が少ないので組立が容易である、経済的である、などの効果をも有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる外装材取付金具の施工状態を説明する1部を切欠いた斜視図である。
【図2】同上の要部拡大分解斜視図である。
【図3】第1発明の施工状態を説明する1部を切欠いた斜視図である。
【図4】同上の横断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】第1発明の要部拡大分解斜視図である。
【図7】第2発明の施工状態を説明する1部を切欠いた斜視図である。
【図8】同上の要部拡大横断面図である。
【図9】第2発明の要部拡大分解斜視図である。
【図10】本発明のものの略図的斜視図である。
【図11】同上の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 本発明に用いる外装材取付金具
2 躯体
3 壁面部
4 外装材取付縦枠
9 補強部
1A1 第1発明の外装材取付装置
10 第1横振れ防止具
1A2 第2発明の外装材取付装置
11 第2横振れ防止具
Claims (2)
- 躯体(2)の壁面部(3)とは所望する間隔をもって平行状態で起立されている外装材取付金具(1、1、1、1...)における正面から見て中央に位置する外装材取付金具(1)と、左方に位置する外装材取付金具(1)と、右方に位置する外装材取付金具(1)、第1横振れ防止具(10)から構成され、
イ.外装材取付金具(1)は、躯体(2)の壁面部(3)とは所望する間隔をもって平行状態で支持されるべき角筒状の外装材取付縦枠(4)において、躯体の壁面部(3)に外装材取付縦枠(4)と対応するように上下方向をもって打設された適数本のグリップアンカー(5)と、このグリップアンカーに螺合植設された支持棒(6)と、この支持棒(6)の根本部分に螺合された根本用ナット(7)と、支持棒(6)の先端部分に螺合された内ナット体(8A)と外ナット体(8B)を一対とする外方ナット(8)から構成され、支持棒(6)の先端部分には外方ナット(8)を利用して外装材取付縦枠(4)が連結支持され、グリップアンカー(5)における根本用ナット(7)の取付部分と、外装材取付縦枠(4)における外方ナット(8)の取付箇所より下方位置との間に傾斜状態で補強部(9)が掛架され、この補強部(9)は、断面U字状に二つ折りして圧着してなる傾斜板(9A)と、傾斜板の上端に垂直状態に連設した垂直板(9B)と、垂直板の中心に開設した円孔(9B1)と、傾斜板(9A)の下方に刻設した切込みにより左右に分けられた挟持枠用片(9C、9C)と、挟持枠用片(9C)に開設されたビス穴(9C1)から構成され、外装材取付縦枠(4)における内方面(4A)に支持棒(6)の先端部分が貫入できる円孔(4A1)を開設すると共に、外装材取付縦枠(4)における外方面(4B)には外方ナット(8)の外ナット体(8B)を外方から操作するための円孔(4B1)を開設しておき、支持棒(6)の先端部分から外方ナット(8)における外ナット体(8B)を外しておき、内ナット体(8A)が外装材取付縦枠(4)の内方面に位置する状態で当該支持棒(6)を円孔(4A1)に貫入したのち、外ナット体(8B)で外方から締め付けるように構成され、挟持枠用片(9C)は、取付に際して、外装材取付縦枠(4)を内方から挟持できるよう平面外向きコ字状に開くよう構成され、補強部(9)における円孔(9B1)には支持棒(6)が貫入され、グリップアンカー(5)に対して根本用ナット(7)で圧着され、かつ、左右の挟持枠用片(9C、9C)は、取付に際して左右に開き外装材取付縦枠を内方から挟持した状態にしてビス(9C2)で固着するよう構成され、
ロ.第1横振れ防止具(10)は、中央に位置する外装材取付金具(1)に取付けられる中央金具(10A)と、中央金具(10A)と左方に位置する外装材取付金具(1)との間に張設される左方連結棒(10B)と、中央金具(10A)と右方に位置する外装材取付金具(1)との間に張設される右方連結棒(10C)から構成され、
中央金具(10A)は、正面左右に長い細幅板の中央部(10A1)を残して前方に向け折曲げ形成した左右片(10A2、10A2)と、中央部(10A1)に開設された支持棒(6)の先端が貫入される中央孔と左右片に開設された連結棒貫入用の側方孔から構成され、
左方連結棒(10B)は、所定長さの連結棒(10B1)の左端に固着された小板(10B2)と、この小板に開設された支持棒(6)の後端が貫入される左方孔と、中央金具(10A)の連結棒貫入用の側方孔を貫通する連結棒(10B1)の右端に螺合された中央金具に固定するためのナットから構成され、
右方連結棒(10C)は、所定長さの連結棒(10C1)の右端に固着された小板(10C2)と、この小板に開設された支持棒(6)の後端が貫入される右方孔と、中央金具(10A)の連結棒貫入用の側方孔を貫通する連結棒(10C1)の左端に螺合された中央金具に固定するためのナットから構成され、
中央金具(10A)は、外装材取付縦枠(4)における内方面(4A)に支持棒(6)、外方ナット(8)で固定され、左方連結棒(10B)の右方端と右方連結棒(10C)の左方端は、中央金具(10A)に固定され、左方連結棒(10B)の左方端と右方連結棒(10C)の右方端は、支持棒(6)、根本用ナット(7)でグリップアンカー(5)に固定されていることを特徴とする外装材取付装置。 - 躯体(2)の壁面部(3)とは所望する間隔をもって平行状態で起立されている外装材取付金具(1、1、1、1...)における正面から見て中央に位置する外装材取付金具(1)と、左方に位置する外装材取付金具(1)と、右方に位置する外装材取付金具(1)と、第2横振れ防止具(11)から構成され、
イ.外装材取付金具(1)は、躯体(2)の壁面部(3)とは所望する間隔をもって平行状態で支持されるべき角筒状の外装材取付縦枠(4)において、躯体の壁面部(3)に外装材取付縦枠(4)と対応するように上下方向をもって打設された適数本のグリップアンカー(5)と、このグリップアンカーに螺合植設された支持棒(6)と、この支持棒(6)の根本部分に螺合された根本用ナット(7)と、支持棒(6)の先端部分に螺合された内ナット体(8A)と外ナット体(8B)を一対とする外方ナット(8)から構成され、支持棒(6)の先端部分には外方ナット(8)を利用して外装材取付縦枠(4)が連結支持され、グリップアンカー(5)における根本用ナット(7)の取付部分と、外装材取付縦枠(4)における外方ナット(8)の取付箇所より下方位置との間に傾斜状態で補強部(9)が掛架され、この補強部(9)は、断面U字状に二つ折りして圧着してなる傾斜板(9A)と、傾斜板の上端に垂直状態に連設した垂直板(9B)と、垂直板の中心に開設した円孔(9B1)と、傾斜板(9A)の下方に刻設した切込みにより左右に分けられた挟持枠用片(9C、9C)と、挟持枠用片(9C)に開設されたビス穴(9C1)から構成され、外装材取付縦枠(4)における内方面(4A)に支持棒(6)の先端部分が貫入できる円孔(4A1)を開設すると共に、外装材取付縦枠(4)における外方面(4B)には外方ナット(8)の外ナット体(8B)を外方から操作するための円孔(4B1)を開設しておき、支持棒(6)の先端部分から外方ナット(8)における外ナット体(8B)を外しておき、内ナット体(8A)が外装材取付縦枠(4)の内方面に位置する状態で当該支持棒(6)を円孔(4A1)に貫入したのち、外ナット体(8B)で外方から締め付けるように構成され、挟持枠用片(9C)は、取付に際して、外装材取付縦枠(4)を内方から挟持できるよう平面外向きコ字状に開くよう構成され、補強部(9)における円孔(9B1)には支持棒(6)が貫入され、グリップアンカー(5)に対して根本用ナット(7)で圧着され、かつ、左右の挟持枠用片(9C、9C)は、取付に際して左右に開き外装材取付縦枠を内方から挟持した状態にしてビス(9C2)で固着するよう構成され、
ロ.第2横振れ防止具(11)は、中央に位置する外装材取付縦枠(4)に開設された左方用横穴(11A)と、左方に位置する外装材取付金具(1)との間に張設される左方連結棒(11B)と、中央に位置する外装材取付縦枠(4)に開設された右方用横穴(11C)と、右方に位置する外装材取付金具(1)との間に張設される右方連結棒(11D)から構成され、
左方用横穴(11A)は、外装材取付縦枠(4)における左右側面を左方から右方に向け貫通して開設され、
右方用横穴(11C)は、外装材取付縦枠(4)における左右側面を右方から左方に向け貫通して開設され、
左方連結棒(11B)は、所定長さの連結棒(11B1)の左端に固着された小板(11B2)と、この小板に開設された支持棒(6)の後端が貫入される左方孔と、左方用横穴(11A)を貫通する連結棒(11B1)の右端に螺合されたナット(11B3)から構成され、
右方連結棒(11D)は、所定長さの連結棒(11D1)の右端に固着された小板(11D2)と、この小板に開設された支持棒(6)の後端が貫入される右方孔と、右方用横穴(11C)を貫通する連結棒(11D1)の左端に螺合されたナット(11D3)から構成され、
左方連結棒(11B)の左方端と右方連結棒(11D)の右方端は、支持棒(6)、根本用ナット(7)でグリップアンカー(5)に固定され、左方連結棒(11B)の右方端と右方連結棒(11D)の左方端は、それぞれ左方用横穴(11A)と右方用横穴(11C)を貫通した後、ナットで締付け固定されていることを特徴とする外装材取付装置。
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