JP3545736B2 - パケット交換ネットワーク - Google Patents
パケット交換ネットワーク Download PDFInfo
- Publication number
- JP3545736B2 JP3545736B2 JP2001290769A JP2001290769A JP3545736B2 JP 3545736 B2 JP3545736 B2 JP 3545736B2 JP 2001290769 A JP2001290769 A JP 2001290769A JP 2001290769 A JP2001290769 A JP 2001290769A JP 3545736 B2 JP3545736 B2 JP 3545736B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- network
- link
- class
- node
- capacity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一般的には通信ネットワークに関し、特に、異なる要求品質のサービスを必要とするマルチメディア情報を伝送するのに適したパケット交換ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パケット交換ネットワークの設計においては、性能尺度としてネットワーク全体の平均パケット伝送遅延が用いられていた。これは、それぞれのノード間のパスにおける平均遅延をネットワーク全体にわたって平均化したもので、次のように表される。
【0003】
【数1】
【0004】
例えば、Kleinrockの”QUEUEING SYSTEMS Volume II: Computer Applications”John Wiley, New York (1976)、並びにGerla及びKleinrockの”On the Topological Design of Distributed Computer Networks”, IEEE Transactions on Communications, vol.COM−25, 1, pp.48−60 (1977)を参照されたい。
【0005】
近年、主流となっているマルチメディアネットワークにおいては、音声・画像・データ等の様々な種類の情報を扱う必要がある。これらの情報がネットワークに要求する品質は異なっている。例えば、転送遅延に関しては、一般に音声・画像等の情報はコンピュータで使用されるデータ等の情報に比較して厳しい品質が要求される。このように、異なる要求品質に基づいてマルチメディア情報の伝送を可能にするマルチメディアネットワークを設計する方法が求められている。
【0006】
このような要求品質の異なるサービスを必要とするマルチメディアパケット交換ネットワークの設計においては、トラヒッククラス毎に端点ノード間における平均遅延制約条件を採用することが提案されている。例えば、Maruyama及びD.T.Tangの”Discrete link capacity assignment in communication networks”, Proceedings of the Third Internatinal Computer Communication Conference, Toronto, pp.92−97 (1976)を参照されたい。
【0007】
しかし、ネットワークの伝送性能が向上するにつれて、平均遅延より遅延分布がより重要な性能測度となってきている。例えば、B−ISDN(Integrared Service Digital Network)のような高速ネットワークではパケットが高速に伝送されるため、平均遅延はさほど問題にならず、遅延の変動をできるだけ小さくすることが重要となる。このような観点から、出願人らは、パケットが伝送される際の遅延時間がノード間の距離にかかわらずほぼ一定であり、遅延時間のばらつきの小さいパケット交換ネットワーク、その設計方法及びその構築方法、並びにその設計装置を提案している(特願平4−187132)。このパケット交換ネットワークによれば、各トラヒッククラスのパケットが、任意の発生ノードから任意の目的ノードへ予め決められた最大許容遅延時間以内に一定の確率値(例えば99%)以上の確率で到達することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には各ノードのバッファ長は有限であるので、非常に小さい確率(例えば10−6)ではあるがバッファが溢れてパケットが棄却されることが起こり得る。マルチメディアネットワークにおいて、音声やある種の画像データはパケットの一部が棄却されても品質に対する影響は小さい。しかし、差分圧縮されたような画像やコンピュータで使用されるデータ等は、できるだけ棄却されずに全てのデータが伝送されることが望ましい。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、各トラヒッククラスのパケットが、任意の発生ノードから任意の目的ノードへ予め決められた最大許容遅延時間以内に一定の確率値以上の確率で到達し、さらに、棄却率が一定の許容値以下に抑えられることを保証するパケット交換ネットワークを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のネットワークは、複数のトラヒッククラスのパケットを伝送するための少なくとも2つのノード及びノードからノードへの少なくとも1つのリンクを備えたパケット交換ネットワークであって、ノードpからノードqへのクラスkのパケットが許容遅延Tk以内に到着する確率P{Xpq;k≦Tk}が全てのp、q、kに対して予め決められた一定の確率値Pminとして、Pmin≦P{Xpq;k≦Tk}となる遅延分布であり、ノードpからノードqへのクラスkのパケットが棄却される確率Lpq;kがクラス毎に予め決められた一定の確率値Lmax;kとして、Lmax;k≧Lpq;kとなる容量を各リンクliに割り当てられ、遅延分布及び棄却率の制約条件を満たすためのそれぞれの容量の増分ΔCd ipq;k及びΔCl ipq;kが最小値であることにより、上記目的が達成される。
【実施例】
図1は、後述される分布関数及び棄却率に基づいて、ネットワークにおける各リンクの容量割り当てを決定するための装置1を示す。
【0012】
図1の装置1において、中央処理装置(CPU)2は各種の処理を実行する。入出力装置(I/O)3は、オペレータがパラメータを入力することを許す。これらのパラメータには、m個のリンクとn個のノードを含むネットワークトポロジー(例えば、後述の図2参照)、各ノード間のトラヒック量γ(例えば、後述の表2参照)、平均パケット長1/μk、ルーティング表(例えば、後述の表1参照)、最大許容遅延時間Tk、遅延時間がTkを越えない確率の下限値Pmin、及び棄却率の上限値Lmax;kなどがある。メモリ4に格納されるこれらのパラメータは以下に詳述される。CPU2は、メモリ4に格納されたパラメータを参照して、図3のフローチャートに示されるプログラムに従って順次計算を行い、ネットワークの各リンクの容量Ci及びネットワーク全体のコストDなどの結果をI/O3を通して出力する。その出力結果は、表示又はプリントされて、所定のトポロジーを有するネットワークを設計するために及び/又は構築するために間接的又は直接的に用いられる。例えば、その出力結果に基づいて各リンクの容量が決定され、それらの容量を有するリンクがネットワークに実装(implement)され得る。その出力結果は、後述のネットワーク10又は他のネットワークの設計及び/又は構築に用いられ得る。
【0013】
本発明によるネットワークは、異なる要求品質のサービスを扱うことができる。そのネットワークのトラヒックは複数個のクラスに分類されている。各クラスは、要求品質のサービスに基づいて優先順位を与えられている。各ノードにおいてパケットがその優先順位に従って伝送される。装置1からの出力結果は、任意のトラヒッククラスの任意のパケットが、ネットワークの全てのパスに対して、予め決められた最大許容遅延時間以内にある与えられた確率値(例えば99%)以上の確率でその目的地に到達し、かつ、棄却率がある与えられた許容値(例えば10−6)以下であることを保証し、さらにネットワーク全体のコスト又は結合されたリンクの容量を実質的に最小化する。予め決められた最大許容遅延時間は、距離に関わらず各クラスにおいて同一である。棄却率は、各クラス毎に異なっていてもよい。
【0014】
図2は、本発明によるネットワークの一例を示す。図2において、ネットワーク10は、4個のノードn1〜n4(これらのノードはパケット交換ノードと呼ばれることもある)と7個のリンクl1〜l7を有する。それらのノードとリンクはそのネットワークのトポロジーを定義する。それぞれのリンクの容量割り当ては、リンクに対して要求される容量、予め決められた時間以内に情報が単数の又は複数のリンクに沿って伝送される確率、及びある一定の容量を有するリンクのコストを考慮して以下のように決定される。それぞれのリンクの容量割り当ては、上記以外のパラメータに基づいて決定されることも可能である。
【0015】
ネットワーク10のリンクliは、ノードniを互いに接続しており、各リンクに示された矢印の向きに沿って、パケットの情報をあるノードから別のノードへ送る。その情報は、音声、画像、データなどを表す。図2ではノード同士が接続されているが、他のネットワークトポロジーでは、これらのノードは端末、コンピュータ、ファクシミリなどの装置に接続されていてもよい。また、これらのノードは、端末、コンピュータ、ファクシミリなどの装置であってもよい。
【0016】
また、ネットワーク10は、特定の数のノード及びリンク並びに特定のリンク配置(接続されているノード及びそのノード間で情報が伝送される向き)を有しているが、ネットワーク10と異なる数のノード及びリンク及び/又はリンク配置を有する他のネットワークも同様に、本発明の特徴を持って、構築され、使用される。
【0017】
図3は、後述される分布関数及び棄却率に基づいて、ネットワーク10の各リンクlの容量を決定するための方法を実行するために、図1に示される装置1によって実行されるプロセス15を示すフローチャートである。プロセス15のステップは、これらのステップに従って装置1を操作するために、当業者によって適切なコンピュータ言語又はコードで書かれてもよい。
【0018】
図3のプロセス15に示されるステップは、以下の記号及び前提条件を用いて説明される。
【0019】
ネットワークに関する諸量を表す記号
m :ネットワークにおけるリンクの数
n :ネットワークにおけるノードの数
D :ネットワーク全体のコスト
li :リンクi
di :リンクliの単位容量あたりのコスト
Ci :リンクliの容量
πpq :ノードpからqへのパスに含まれるリンクの集合
Bk :各ノードにおけるクラスkのバッファ長
トラヒックに関する諸量を表す記号
1/μk:クラスkに属するパケットの平均パケット長
γpq;k :ノードpからノードqへのクラスkのトラヒック量
λi;k :リンクliのクラスkのトラヒック量
トラヒックの要求品質に関する諸量を表す記号
Tk :クラスkの任意のノード間の最大許容遅延
Pmin :クラスkの任意のノード間の遅延がTkを越えない確率の下限値
Lmax;k:クラスkのパケット棄却率の上限値
前提条件
1.ネットワークトポロジー:ネットワークはm個のリンク及びn個のノードを有しており、そのトポロジーは与えられているものとする。
【0020】
2.トラヒッククラス:トラヒックはK個のクラスに分類されており、最大許容遅延の制約条件に応じた優先権が与えれているものとする。
【0021】
3.リンクコスト及びネットワークコスト:ネットワークの各リンクのコストはその容量に比例した離散値をとり、ネットワーク全体のコストDは各リンクのコストの和であるとする。
【0022】
【数2】
【0023】
4.ルーティング:ルーティングは固定ルーティングであるとする。すなわち、発生ノードpから目的ノードqへの全てのパケットは固定されたパスを通過する。従って、リンクli上のクラスkのトラヒック量は以下のように求められる。
【0024】
【数3】
【0025】
5.パケットの棄却:各ノードにおけるクラスkのバッファ長の最大値はBkであり、これを越えて到着したパケットは棄却される。
【0026】
6.トラヒック量:発生ノードpから目的ノードqへの各クラスkのトラヒックはポアソン分布に従って発生し、平均トラヒック量はγpq;kである。
【0027】
7.パケット長:各クラスkに対するパケット長は指数分布に従い、平均パケット長は1/μkである。
【0028】
なお、前提条件6、7は各リンクに回線容量を割り当てるための解析を簡単化するためのものであり、トラヒック到着分布、パケット長分布が前提条件6、7と異なる場合でも、有効な解析的手法が存在すれば、後述する方法以外のネットワーク設計方法を適用可能である。
【0029】
ネットワークにおける各リンクliは、上記の前提条件5、6及び7、及び上記Kleinrockの文献に記載されている周知の独立仮定により、先取り権のない優先権処理を行うM/M/1/K待ち行列としてモデル化されることができる。
【0030】
上記の前提条件に基づき、ネットワークの各リンクの容量Ciを割り当てるための方法が与えられる。この方法により、ノードからノードへの遅延分布に関する制約条件式(数4)、パケット棄却率に関する制約条件式(数5)の下でネットワーク全体のコストを最小とすることができる。
【0031】
【数4】
【0032】
ここで、Pminは選択された設計基準の確率値を表し、P{Xpq;k≦Tk}は、クラスkのパケットが予め決められた最大許容遅延時間Tk以内に発生ノードpから目的ノードqに到達する確率を表す。
【0033】
【数5】
【0034】
ここで、Lmax;kは各クラス毎の設計基準の確率値を表し、Lpq;kは発生ノードpから目的ノードqへのクラスkのパケットが棄却される確率を表す。
【0035】
次に、遅延分布に関する制約条件式(数4)を評価するために、各パスの各トラヒッククラスに対して分布関数Fxpq;k(t)が導出される。発生ノードpから目的ノードqへのパスはリンクli(i=1,...,L、L=‖πpq‖)の集合からなると仮定する。さらに、Xi;kはリンクliでのクラスkの遅延の確率変数を表し、Xpq;kはパスπpqでのクラスkの遅延の確率変数を表すとする。Xi;k及びXpq;kの分布関数は、それぞれFxi;k(・)及びFxpq;k(・)と表される。Xi;kは互いに統計的に独立しており、また、Xpq;kはXi;kの和によって与えられるので、分布関数Fxpq;k(・)は、分布関数Fxi;k(・)のたたみこみによって得ることができる。分布関数Fxpq;k(t)の導出方法の詳細については、出願人による特許出願(特願平4−187132)を参照されたい。
【0036】
次に、棄却率に関する制約条件式(数5)を評価するために、各パスの各クラスに対してパケット棄却率が導出される。各リンクliはM/M/1/K待ち行列でモデル化される。あるリンクliにおけるクラスkの利用率をρi;kとすると、クラスkのバッファ長の上限がBkであるから、リンクliにおけるクラスkの棄却率Li;kは以下のように表される(上述のKleinrockの文献参照)。
【0037】
【数6】
【0038】
ここで、クラスkのパケットが処理されるのは、それよりも優先権の高いパケットが処理されていないときに限るものとすると、ρi;kは以下のように近似できる。S.C.Agrawalの”Metamodeling : A Study of Approximations in QueueingModels”, The MIT Press, Massachusetts (1985)を参照されたい。
【0039】
【数7】
【0040】
また、Li;kが非常に小さな値をとると仮定すれば、パスπpqにおけるパケット棄却率は、それに含まれるリンクでの棄却率の和として近似できる。すなわち、以下のようになる。
【0041】
【数8】
【0042】
以下、図3を参照して、分布関数及び棄却率に基づいて、ネットワーク10の各リンクlの容量を決定するための方法について説明する。
【0043】
ステップS1では、CPU2は各リンクliに初期容量Ciを与える。これは各リンクliを通過するトラヒックを伝送するために必要な最小容量値であり、以下の式を満たすものである。
【0044】
【数9】
【0045】
ステップS2では、CPU2は、すべてのパス及びクラスに関してΔCd ipq;kを求める。ここで、ΔCd ipq;kは遅延分布に関する制約条件式(数4)を満たすために必要な、パスπpqに含まれる各リンクliの容量Ciの増分を表す。すなわち、これは、
【0046】
【数10】
【0047】
とすることにより、パスπpqがクラスkに関して遅延分布に関する制約条件式(数4)を満たすことができる量である。もし、遅延分布に関する制約条件式(数4)がすでに満たされているなら、ΔCd ipq;k=0である。ΔCd ipq;kの求め方の詳細は後述する(図4参照)。
【0048】
ステップS3では、CPU2は、各リンクliに関してΔCd ipq;kの最大のものを求め、ΔCd iとする。
【0049】
【数11】
【0050】
ステップS4では、CPU2は、すべてのパス及びクラスに関してΔCl ipq;kを求める。ここで、ΔCl ipq;kは棄却率に関する制約条件式(数5)を満たすために必要な、パスπpqに含まれる各リンクliの容量Ciの増分を表す。すなわち、これは、
【0051】
【数12】
【0052】
とすることにより、パスπpqがクラスkに関して棄却率に関する制約条件式(数5)を満たすことができる量である。もし、棄却率に関する制約条件式(数5)がすでに満たされているなら、ΔCl ipq;k=0である。ΔCl ipq;kの求め方の詳細は後述する(図5参照)。
【0053】
ステップS5では、CPU2は、各リンクliに関してΔCl ipq;kの最大のものを求め、ΔCl iとする。
【0054】
【数13】
【0055】
ステップS6では、CPU2は、すべてのリンクliに関してΔCd i=ΔCl i=0が成立するか否かを判定する。もし、上式が成立するなら、遅延分布に関する制約条件式(数4)及び棄却率に関する制約条件式(数5)がすべてのパス及びクラスに関して満たされたということであるので、プロセス15を終了する。もし、上式が成立しないなら、ステップS7に進む。
【0056】
ステップS7では、CPU2は、ステップS3及びステップS5で得られた増分ΔCd i、ΔCl iのうち最大の増分を求め、その最大の増分に対応するリンクの容量を1ステップ増加させる。すなわち、遅延分布及び棄却率の両方の性能尺度を考慮してその容量の増加を最も必要とするリンクを特定し、そのリンクの容量を1ステップ増加させるのである。その後、ステップS2に戻る。
【0057】
図4を参照して、図3のステップS2におけるΔCd ipq;kの求め方について説明する。いま、あるパスπp0q0のクラスk0に関する増分ΔCd ip0q0;k0を求めるものとし、パスπp0q0はリンクliを含むものとする。
【0058】
ステップS41では、CPU2は、各リンクliに関して計算のための仮容量C’iを設定する。
【0059】
ステップS42では、CPU2は、パスπp0q0のクラスk0について遅延分布に関する制約条件式(数4)が満たされているか否かを判定する。もし、その制約条件式が満たされているなら、CPU2は、各リンクliに関して仮容量C’iと容量Ciとの差を計算してCd ip0q0;k0を求め(ステップS43)、プロセスを終了する。もし、その制約条件式が満たされていないなら、CPU2は、パスπp0q0に含まれるリンクの中で、Tk0における分布関数の値Fxi;k0(Tk0)が最も小さなリンク、すなわち、
【0060】
【数14】
【0061】
であるリンクli0を求める(ステップS44)。このリンクがパスπp0q0に含まれるリンクの中で、最も混雑したリンク(ボトルネックリンク)であると考えられる。
【0062】
ステップS45では、ステップS44で求められたリンクli0の仮容量C’i0を1ステップ増加させ、ステップS42に戻る。
【0063】
図5を参照して、図3のステップS4におけるΔCl ipq;kの求め方について説明する。いま、あるパスπp0q0のクラスk0に関する増分ΔCl ip0q0;k0を求めるものとし、パスπp0q0はリンクliを含むものとする。
【0064】
ステップS51では、CPU2は、各リンクliに関して計算のための仮容量C’iを設定する。
【0065】
ステップS52では、CPU2は、パスπp0q0のクラスk0について棄却率に関する制約条件式(数5)が満たされているか否かを判定する。もし、その制約条件式が満たされているなら、CPU2は、各リンクliに関して仮容量C’iと容量Ciとの差を計算してCl ip0q0;k0を求め(ステップS53)、プロセスを終了する。もし、その制約条件式が満たされていないなら、CPU2は、パスπp0q0に含まれるリンクの中で、クラスk0における棄却率の値が最も大きなリンク、すなわち、
【0066】
【数15】
【0067】
であるリンクli0を求める(ステップS54)。
【0068】
ステップS55では、ステップS54で求められたリンクli0の仮容量C’i0を1ステップ増加させ、ステップS52に戻る。
【0069】
従来のネットワークと本発明のネットワークとの比較結果を示す例を図2及び表1から表10を用いて説明する。図2は、本発明の特徴を持つように設計されたネットワークの例であり、前提条件として以下の値が与えられている。
【0070】
ネットワークに関して
・リンク数m=7、ノード数n=4とする。トポロジーは図2に示されている。ルーティング表は表1に示されている。
【0071】
・バッファ長B1=100とする。
【0072】
・各リンクが取り得る容量は1.5Mbpsの整数倍とする。
【0073】
・すべてのリンクに関して、1Mbps当りのコストを1.0とする。
【0074】
トラヒックに関して
・トラヒッククラスの数:K=1。
【0075】
・平均パケット長は1/μ1=10000bitとする。また、各ノード間のトラヒック量は表2に示されている。
【0076】
トラヒックの要求品質に関して
・最大許容遅延時間:T1=50msecとする。また、Pmin=0.99とする。すなわち、遅延に関しては、99%のパケットが50msec以内に目的ノードに到着するように設計する。
【0077】
・パケットの棄却率の上限Lmax;1=10−6とする。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
表3の第2欄に、上記の前提条件の下で、前述の方法によって決定された容量割り当ての結果を示す。容量の単位はMbpsである。ここで、比較を行うために、表3の第3欄に、本発明のネットワークにおける平均遅延を用いて、上述のKleinrockの文献に記載されている従来の方法により容量割当を行った結果を示す。これは、次の式により回線容量を割り当てるものである。
【0081】
【数16】
【0082】
ここで、Tmaxは平均パケット伝送遅延の上限である。表3に示される結果により、同じ平均遅延を実現するならば、Kleinrockの方法によるネットワークの方がわずかながらより小さなコストでネットワークを構築することができることが分かる。
【0083】
次に、これらの回線容量の下で、遅延分布と棄却率の値を調べた結果を表4に示す。当然のことながら、本発明のネットワークは、全てのパスに関して、最大許容遅延以内に99%遅延が収まっており、棄却率も10−6以下になっている。しかし、Kleinrockの方法によるネットワークは、いくつかのパスに関して、制約条件を満たしていないところが存在する(表4の下線部分)。本発明のネットワークは、例えば、リンク5の回線容量がKleinrockの方法によるネットワークよりも大きく割り当てられている(表3)。これにより、本発明のネットワークでは、リンク5を含むすべてのパス(パス4、5、7、10、及び12)についても棄却率に関する制約条件が満たされる結果となっている(Kleinrockの方法では、リンク5を含むすべてのパスについて棄却率に関する制約条件が満たされていない)。これは、本発明のネットワークでは、パス毎の要求品質を全て満たすようにリンクの容量が割り当てられているからである。このように、本発明のネットワークによれば、Kleinrockの従来方法のネットワークに比較してネットワーク全体のコストは若干高くなるものの、遅延分布や棄却率を制約条件以内に抑えたネットワークとなり、いろんなクラスのパケットに対して情報の損傷無く送ることが出来る。
【0084】
表3の第2欄に示された容量割り当て結果は、図2に示されるネットワーク10における各ノード間のリンクを構成する際に用いられることが可能であり、好ましくは実際に用いられる。ネットワーク10は、リンクl1〜l7の容量が表3に与えられた容量に調整されている既存のネットワークであってもよいし、表3に与えられた容量割り当てを有するリンクを用いて既知のトポロジーに従って新しく構築されてもよい。或いは、既存のトポロジーにリンクを追加する場合、又は、既存のトポロジーに他の単数又は複数のノード及びリンクを追加する場合にリンクの容量を決定するために用いられることもできる。
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
図2をさらに参照して、異なるクラスのトラヒックが混在するネットワークの例を以下に説明する。
【0088】
(1)遅延分布に関する制約条件が等しく、棄却率に関する制約条件が異なる場合
音声と画像のように、遅延分布に関してはどちらも同じ程度の要求品質を有するが、棄却率に関しては要求品質が異なる場合に、本発明の方法を適用した例について説明する。
【0089】
前提条件として以下の値が与えられている。
【0090】
・トラヒッククラスの数:K=2。
【0091】
・バッファ長は各クラス30とする。
【0092】
・最大許容遅延:T1=T2=50msecとする。
【0093】
・クラス1の棄却率Lmax;1=10−9、クラス2の棄却率Lmax;2=10−3とする。
【0094】
他の全てのパラメータは上述の例と同じである。
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】
表5は、容量割り当ての結果を示している。表6は、その容量割り当ての下での各パスの遅延分布と棄却率を示している。
【0098】
表6より、全てのパス及びクラスに関して、遅延分布と棄却率は制約条件の範囲内に収まっていることが分かる。この例では、遅延分布よりも棄却率の方が制約条件に近くなっていることから、棄却率の方が回線容量を決める際の主な要因になっていると考えられる。
【0099】
(2)遅延分布に関する制約条件が異なり、棄却率に関する制約条件が等しい場合
画像とデータのように、遅延分布に関しては要求品質が異なるが、棄却率に関してはどちらも同じ程度の要求品質を有する場合に、本発明を適用した例について説明する。
【0100】
前提条件として以下の値が与えられている。
【0101】
・トラヒッククラスの数:K=2。
【0102】
・バッファ長は各クラス50とする。
【0103】
・クラス1の最大許容遅延T1=50msec、クラス2の最大許容遅延T2=200msecとする。
【0104】
・棄却率Lmax;1=Lmax;2=10−9とする。
【0105】
他の全てのパラメータは上述の例と同じである。
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
表7は、容量割り当ての結果を示している。表8は、その容量割り当ての下での各パスの遅延分布と棄却率を示している。
【0109】
表8より、全てのパス及びクラスに関して、遅延分布と棄却率は制約条件の範囲内に収まっていることが分かる。この例では、クラス2の棄却率が回線容量を決める際の主な要因になっていると考えられる。棄却率の上限は10−9であるが、クラス1の棄却率はそれより非常に低くなっている。これは、クラス1とクラス2のバッファ長を等しいと仮定しているためと考えられる。
【0110】
(3)遅延分布に関する制約条件が異なり、棄却率に関する制約条件も異なる場合
音声は遅延分布に関する制約条件は厳しいが、棄却率に関する制約条件は緩やかである。一方、コンピュータ等で使用されるデータは遅延分布に関する制約条件は緩やかであるが、棄却率に関する制約条件は厳しい。このように、2つのクラスに関して、遅延分布と棄却率の制約条件の厳しさが逆転している場合に、本発明を適用した例について説明する。
【0111】
前提条件として以下の値が与えられている。
【0112】
・トラヒッククラスの数:K=2。
【0113】
・バッファ長は各クラス70とする。
【0114】
・クラス1の最大許容遅延T1=10msec、クラス2の最大許容遅延T2=200msecとする。
【0115】
・クラス1の棄却率Lmax;1=10−3、クラス2の棄却率Lmax;2=10−9とする。
【0116】
他の全てのパラメータは上述の例と同じである。
【0117】
【表9】
【0118】
【表10】
【0119】
表9は、容量割り当ての結果を示している。表10は、その容量割り当ての下での各パスの遅延分布と棄却率を示している。
【0120】
表10より、全てのパス及びクラスに関して、遅延分布と棄却率は制約条件の範囲内に収まっていることが分かる。この例では、遅延分布に関してはクラス1が支配的であり、棄却率に関してはクラス2が支配的になっている。そのため、クラス2の遅延分布やクラス1の棄却率が制約条件に比べて非常に低くなっている。これは、ルーティングに関してはトラヒックの区別をせず、すべてのクラスのパケットが同一のパスを通過すると仮定しており、さらに各ノードに対して遅延分布の厳しい方が優先権が高いという優先処理方式を仮定したためと考えられる。
【0121】
本発明のネットワークにおける各リンクの容量を割り当てる上述したアプローチは、以下のように要約することができる。
【0122】
(a)各リンクに必要最小限の容量を与える。
【0123】
(b)遅延分布及び棄却率に関する制約条件から、容量を最も増加させる必要のあるリンク(ボトルネックリンク)を見つけ、その容量を増加させる。
【0124】
(c)制約条件が満たされるまで、(b)を繰り返す。
【0125】
図6は、回線l1〜l7によって相互接続された5個のパケット交換装置22、23、24、25及び26を有するパケット交換ネットワーク21を示す。パケット交換装置22は、回線lPH1によって第1のホストコンピュータ28に接続されている。パケット交換装置26は、回線lPH2によって第2のホストコンピュータ29に接続されている。端末31、32、及び33並びにGIV(グループIV)ファクシミリ34は、それぞれ、回線lPT1、lPT2、lPT3及びlPF1によってパケット交換装置23に接続されている。端末35、36及び37並びにGIVファクシミリ38は、それぞれ、回線lPT4、lPT5、lPT6及びlPF2によってパケット交換装置25に接続されている。回線lはネットワークの「リンク」とみなすことができる。回線lによって相互に接続された要素、すなわち、パケット交換装置、ホストコンピュータ、端末、及びGIVファクシミリのそれぞれは、ネットワークの「ノード」とみなすことができる。
【0126】
結論として、本発明は、異なる要求品質のサービスを必要とするマルチメディア情報の伝送に適したパケット交換ネットワークを与える。本発明においては、従来のネットワークに採用されていた「平均」遅延時間の代わりに、ノード間の遅延分布及び棄却率が設計基準として採用している。従って、全てのノード間のどのクラスのパケットも、最大許容遅延時間以内に一定の確率値以上の確率で伝送され、棄却率はクラス毎に決められた上限値以下とすることが可能になる。これによって、ネットワークのユーザから見て、より品質の高いネットワークの提供が可能になる。
【0127】
本発明が、ノード間の遅延分布及び棄却率に関する制約条件に基づいてネットワーク内のリンクの容量割り当てを決定されたネットワークであることは理解されるであろう。しかしながら、他の理由から、ある特定の単数又は複数のリンクにおいて、さらに大きな容量又は小さな容量が用いられ又は与えられることも可能である。このことも本発明の範囲内である。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、各トラヒッククラスのパケットが、任意の発生ノードから任意の目的ノードへ予め決められた最大許容遅延時間以内に一定の確率値以上の確率で伝送されることが可能となる。その結果、パケットが伝送される際の遅延時間がノード間の距離にかかわらずほぼ一定となり、遅延時間の変動が小さくなる。さらに、パケットの棄却率が一定の許容値以下となることが可能となる。これにより、マルチメディア情報の伝送に適したパケット交換ネットワークを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネットワークを設計するための装置の構成を示す図である。
【図2】ネットワークのトポロジーを示す図である。
【図3】本発明のネットワークの各リンクの容量を決定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【図4】リンクの容量の増分ΔCd ipq;kを求めるためのプロセスを示すフローチャートである。
【図5】リンクの容量の増分ΔCl ipq;kを求めるためのプロセスを示すフローチャートである。
【図6】本発明によるパケット交換ネットワークを示す図である。
【符号の説明】
1 ネットワークを設計するための装置
2 中央処理装置(CPU)
3 入出力装置(I/O)
4 メモリ
10 ネットワーク
n1〜n4 ノード
m1〜m7 リンク
15 リンク容量を決定するプロセス
S1〜S7 リンク容量を決定するプロセスのステップ
21 ネットワーク
22〜26 パケット交換装置
28、29 ホストコンピュータ
31〜33、35〜37 端末
34、38 GIVファクシミリ
Claims (1)
- 複数のトラヒッククラスのパケットを伝送するための少なくとも2つのノード及びノードからノードへの少なくとも1つのリンクを備えたパケット交換ネットワークであって、ノードpからノードqへのクラスkのパケットが許容遅延Tk以内に到着する確率P{Xpq;k≦Tk}が全てのp、q、kに対して予め決められた一定の確率値Pminとして、Pmin≦P{Xpq;k≦Tk}となる遅延分布であり、ノードpからノードqへのクラスkのパケットが棄却される確率Lpq;kがクラス毎に予め決められた一定の確率値Lmax;kとして、Lmax;k≧Lpq;kとなる容量を各リンクliに割り当てられ、遅延分布及び棄却率の制約条件を満たすためのそれぞれの容量の増分ΔCd ipq;k及びΔCl ipq;kが最小値であることを特徴とするパケット交換ネットワーク
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001290769A JP3545736B2 (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | パケット交換ネットワーク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001290769A JP3545736B2 (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | パケット交換ネットワーク |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24691892A Division JP3347370B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-09-16 | パケット交換ネットワークを設計するための方法、パケット交換ネットワークを設計するための装置およびパケット交換ネットワークを構築するための方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002164929A JP2002164929A (ja) | 2002-06-07 |
JP3545736B2 true JP3545736B2 (ja) | 2004-07-21 |
Family
ID=19113024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001290769A Expired - Fee Related JP3545736B2 (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | パケット交換ネットワーク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3545736B2 (ja) |
-
2001
- 2001-09-25 JP JP2001290769A patent/JP3545736B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002164929A (ja) | 2002-06-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2620513B2 (ja) | 通信ネットワーク、その接続方法、及び通信ネットワーク・ノード | |
JP2648579B2 (ja) | 最適経路を決定するための方法及びネットワーク・ノード | |
US5381404A (en) | Packet-switching communication network and method of design | |
US6934259B2 (en) | Apparatus and method for designing a network | |
US6594268B1 (en) | Adaptive routing system and method for QOS packet networks | |
US5402478A (en) | System and method for call-by-call source routing with rule-based fallbacks | |
JP4567160B2 (ja) | 帯域割り当て方法 | |
US6795870B1 (en) | Method and system for network processor scheduler | |
JP3784049B2 (ja) | 切断/再接続フロー・キューを使用して出力をスケジューリングするネットワーク・プロセッサのための方法およびシステム | |
JPH07170271A (ja) | 統合ネットワークにおけるマルチメディア・ストリームの柔軟な参入許可制御方法 | |
CN107454019B (zh) | 软件定义网络动态带宽分配方法、装置、设备及存储介质 | |
JP5260677B2 (ja) | ネットワーク内の改善されたリソース割当て計画 | |
US6952424B1 (en) | Method and system for network processor scheduling outputs using queueing | |
JPH1174909A (ja) | 資源を共有するシステムにおけるサービス要求受付管理方法 | |
US6515965B1 (en) | Available bit rate flow control for service allocation in a packet network | |
JPH0983546A (ja) | 経路選択方法および経路選択装置および通信網設計方法および通信網設計装置 | |
CN114745322B (zh) | Sdn环境下基于遗传算法的视频流路由方法 | |
JP3545736B2 (ja) | パケット交換ネットワーク | |
JP3347370B2 (ja) | パケット交換ネットワークを設計するための方法、パケット交換ネットワークを設計するための装置およびパケット交換ネットワークを構築するための方法 | |
US7315901B1 (en) | Method and system for network processor scheduling outputs using disconnect/reconnect flow queues | |
JP3851611B2 (ja) | 通信ネットワークにおいて、回線を新規サービス要求に割り当てる方法およびシステム | |
JP5613261B2 (ja) | 通信ネットワーク内で通信パイプを割り当てる方法および割当てユニット | |
US6952398B1 (en) | System and method for optimal allocation of link bandwidth in a communications network for truck routing | |
Schmidt et al. | Scalable bandwidth optimization in advance reservation networks | |
JPH0637807A (ja) | パケット交換ネットワーク及びその設計方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040323 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040408 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080416 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |