JP3545283B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、打玉の入賞領域等への入賞に伴って景品玉等の景品遊技媒体が遊技媒体払出手段から遊技者に払出されるように構成されたものがあった。一方、遊技者が遊技機により遊技を開始する場合には、たとえば記録媒体等によって特定される有価価値を使用して前記遊技媒体払出手段によって貸し遊技媒体が遊技者に貸出されるように構成されていた。
【0003】
そして、この種の従来の遊技機に対して、前記遊技媒体払出手段から払出された貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路と前記遊技媒体払出手段から払出された景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路とを設け、電気的駆動源により駆動される通路切換手段により、遊技媒体が貸し遊技媒体通路または景品遊技媒体通路のいずれかを通過する状態に切換えられるようにするものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、この通路切換式の遊技機においては、前記通路切換手段の電気的駆動源の故障や通路切換手段部分において遊技媒体がつまる等の何らかの異常原因が発生して通路切換手段が正常に切換わらない異常が発生する場合がある。しかし、従来においては、このような切換わり状態の異常が発生したとしてもそれを判定する機能が設けられていなかったために、その切換わり状態の異常に何ら対応することができず、切換わり状態の異常のまま制御が進行してしまうおそれがあるという不都合があった。
【0005】
さらに、前記遊技媒体払出手段が玉がみ等の遊技媒体の玉詰まりや遊技媒体が空の状態で払出動作する空切り等の払出異常が生じる場合がある。しかし、従来においては、このような払出異常を判定する機能がなかったため、払出異常に何ら対応することができないという不都合があった。
【0006】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、通路切換手段の切換わり状態の異常や遊技媒体払出手段の払出異常が発生した場合にそれらの異常に対応することのできる遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段を備えた遊技機であって、
遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路と、
入賞により払出される景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路と、
電気的駆動源により駆動されて前記両通路を切換え、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態にする通路切換手段と、
該通路切換手段を制御する切換制御手段と、
前記通路切換手段の切換わり状態の異常を判定する切換異常判定手段と、
前記遊技媒体払出手段の払出異常を判定する払出異常判定手段と、
前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段と、
前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体を検出する景品遊技媒体検出手段と、
遊技制御用の制御手段であって、入賞が発生したときに前記遊技媒体払出手段から払出す景品遊技媒体の数を指定するための払出数指定情報を出力する遊技制御手段と
前記通路切換手段の切換わり状態を検出する手段であって、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体側切換わり状態と遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体側切換わり状態とのいずれの状態であるかを検出可能な切換わり状態検出手段とを含み、
前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記景品遊技媒体側切換わり状態にならないと検出したとき、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記貸し遊技媒体側切換わり状態にならないと検出したときに、異常判定し、
前記払出制御手段は、前記遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた数の景品遊技媒体を前記遊技媒体払出手段から払出す制御を行ない、
前記遊技制御手段は、入賞が発生したときに当該入賞に基づいた景品遊技媒体の払出予定数を記憶するための払出予定数記憶手段を含み、
該払出予定数記憶手段は、複数の入賞が発生したときには前記払出予定数を前記複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶し、前記景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を払出予定数から減算更新することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段を備えた遊技機であって、
遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路と、
入賞により払出される景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路と、
前記両通路を切換え、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態にする通路切換手段と、
該通路切換手段を制御する切換制御手段と、
前記通路切換手段の切換わり状態の異常を判定する切換異常判定手段と、
前記遊技媒体払出手段の払出異常を判定する払出異常判定手段と、
前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段と、
前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体を検出する景品遊技媒体検出手段と、
遊技制御用の制御手段であって、入賞が発生したときに前記遊技媒体払出手段から払出す景品遊技媒体の数を指定するための払出数指定情報を出力する遊技制御手段とを含み、
前記通路切換手段は、電気的駆動源により駆動されて前記両通路を切換えるとともに、前記電気的駆動源が駆動状態で遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過可能な状態となり、前記電気的駆動源が非駆動状態で遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過可能な状態となり、
前記切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に遊技媒体の払出を禁止すべき払出禁止条件が成立したときには前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する機能を有し、
前記払出制御手段は、前記遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた 数の景品遊技媒体を前記遊技媒体払出手段から払出す制御を行ない、
前記遊技制御手段は、入賞が発生したときに当該入賞に基づいた景品遊技媒体の払出予定数を記憶するための払出予定数記憶手段を含み、
該払出予定数記憶手段は、複数の入賞が発生したときには前記払出予定数を前記複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶し、前記景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を払出予定数から減算更新することを特徴とする
【0008】
請求項に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体を検出する貸し遊技媒体検出手段をさらに含み、
前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記貸し遊技媒体検出手段の検出出力があったとき、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記景品遊技媒体検出手段の検出出力があったときに、異常判定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記遊技媒体払出手段は、遊技媒体の払出に際して前記通路切換手段を切換える必要があるときには、前記切換制御手段による切換制御が開始されてから所定期間経過後に払出動作を開始することを特徴とする。
【0012】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路と、入賞により払出される景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路とが設けられている。電気的駆動源により駆動されて前記両通路を切換える通路切換手段の働きにより、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態となる。切換制御手段の働きにより前記通路切換手段が制御される。切換異常判定手段の働きにより前記通路切換手段の切換わり状態の異常が判定される。そして、払出異常判定手段の働きにより、前記遊技媒体払出手段の払出異常が判定される。払出制御手段の働きにより、前記遊技媒体払出手段が制御される。景品遊技媒体検出手段の働きにより前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体が検出される。また、遊技制御用の制御手段である遊技制御手段の働きにより、入賞が発生したときに前記遊技媒体払出手段から払出す景品遊技媒体の数を指定するための払出数指定情報出力される。
前記通路切換手段の切換わり状態を検出する切換わり状態検出手段の働きにより、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体側切換わり状態と遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体側切換わり状態とのいずれの状態であるかが検出可能となる。そして、前記切換異常判定手段の働きにより、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記景品遊技媒体側切換わり状態にならないと検出したとき、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記貸し遊技媒体側切換わり状態にならないと検出したときに、異常判定がなされる。
前記払出制御手段の働きにより、前記遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた数の景品遊技媒体を前記遊技媒体払出手段から払出す制御が行なわれる。前記遊技制御手段には、入賞が発生したときに当該入賞に基づいた景品遊技媒体の払出予定数を記憶するための払出予定数記憶手段が含まれ、該払出予定数記憶手段の働きにより、複数の入賞が発生したときには前記払出予定数が前記複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶され、前記景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数が払出予定数から減算更新される。
請求項2に記載の本発明によれば、遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路と、入賞により払出される景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路とが設けられている。前記両通路を切換える通路切換手段の働きにより、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態となる。切換制御手段の働きにより前記通路切換手段が制御される。切換異常判定手段の働きにより前記通路切換手段の切換わり状態の異常が判定される。そして、払出異常判定手段の働きにより、前記遊技媒体払出手段の払出異常が判定される。払出制御手段の働きにより、前記遊技媒体払出手段が制御される。景品遊技媒体検出手段の働きにより前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体が検出される。また、遊技制御用の遊技制御手段の働きにより、入賞が発生したときに前記遊技媒体払出手段から払出す景品遊技媒体の数を指定するための払出数指定情報が出力される。
前記通路切換手段は、電気的駆動源により駆動されて前記両通路を切換えるとともに、前記電気的駆動源が駆動状態で遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過可能な状態となり、前記電気的駆動源が非駆動状態で遊技媒体が前記景品遊技媒体通路が通過可能な状態となる。前記切換制御手段には、前記電気的駆動源が駆動状態中に遊技媒体の払出を禁止すべき払出禁止条件が成立したときには前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する機能が備えられている。
前記払出制御手段の働きにより、前記遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた数の景品遊技媒体を前記遊技媒体払出手段から払出す制御が行なわれる。前記遊技制御手段には、入賞が発生したときに当該入賞に基づいた景品遊技媒体の払出予定数を記憶するための払出予定数記憶手段が含まれ、該払出予定数記憶手段の働きにより、複数の入賞が発生したときには前記払出予定数が前記複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶され、前記景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の 払出数が払出予定数から減算更新される。
【0013】
請求項に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、貸し遊技媒体検出手段の働きにより前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体が検出される。換異常判定手段の働きにより、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記貸し遊技媒体検出手段の検出出力があったとき、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記景品遊技媒体検出手段の検出出力があったときに、異常判定がなされる。
【0016】
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、遊技媒体払出手段の働きにより、遊技媒体の払出に際して通路切換手段を切換える必要があるときには、切換制御手段による切換制御が行なわれてから所定期間経過後に払出動作が開始される。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、遊技中に予め定められた入賞が発生した場合に遊技媒体が遊技媒体払出手段から払出可能となる遊技機であれば、すべてに適用することができる。
【0018】
第1実施の形態
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット(カード処理機ともいう)50の正面図である。
【0019】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ(処理機使用可表示器ともいう)151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。
【0020】
遊技者がカード残高の記録されたいわゆるプリペイドカードをカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出額分の残高が減額されるとともに、その貸出額分の打玉がパチンコ遊技機1の打球供給皿3に貸出される。
【0021】
カードユニット50には端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生した場合のエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。カードユニット50には、CPU,RAM,ROM等を備えたマイクロコンピュータが設けられており、後述する各種制御が行なわれる。
【0022】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。打球操作ハンドル5を遊技者が操作することにより、打球供給皿3内に貯留されているパチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、遊技盤6に形成された区画レール2の間を通って遊技領域7に導かれる。遊技領域7の中央には、始動口14への打玉の始動入賞を条件にして識別情報の一例となる特別図柄を可変表示開始させる可変表示装置8が設けられている。この可変表示装置8には、打玉の通過ゲート11aの通過に伴って普通図柄が可変表示される可変表示器10と、通過記憶表示器10aと、始動記憶表示器18とが設けられている。さらに、可変表示装置8の下方には、可動片15が左右に設けられた始動口14と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開放状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。また、一般入賞口として、可変表示装置8の上部には入賞口24aが、可変入賞球装置19の左右には入賞口24d,24eが、遊技領域7の下方左右には入賞口24b,24cが、それぞれ設けられている。また、26は、打込まれた打玉がいずれの入賞口や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にアウト玉として回収するアウト口であり、25は、装飾ランプである。
【0023】
遊技領域7の外周には遊技効果LED28aと、遊技効果ランプ28b,28cと、賞球の払出中に点灯する賞球ランプ51と、賞球と貸玉とを払出すための玉払出装置97(図3参照)に供給される玉の玉切れが生じた場合に点灯する玉切れランプ52とが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ27,27が設けられている。
【0024】
図2は、遊技盤6の正面図である。この正面図を参照して、以下に各種遊技装置および遊技の概要を説明する。
【0025】
可変表示装置8は、複数種類の特別図柄を可変表示可能なCRT表示機で構成されている。可変表示装置8の中央の可変表示部9では始動入賞が発生したことを条件として複数種類の特別図柄が上から下に向かってスクロール表示される。その後、所定時間が経過して可変表示が終了した結果、大当り図柄のゾロ目が停止表示されれば大当りとなる。なお、大当り図柄のうちの所定の確変図柄で大当りが発生した場合には、確率変動状態となり大当り確率が高い確率に変動する。大当りとなれば、可変入賞球装置19の開閉板20が傾動して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御され、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態)となる。
可変入賞球装置19の大入賞口は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されている。特定入賞領域に入賞した入賞球はVカウントスイッチ22により検出される。一方、通常入賞領域に入賞した通常入賞球はカウントスイッチ23により検出される。Vカウントスイッチ22とカウントスイッチ23は、ともに遊技盤6に設けられており、各入賞領域に入賞した入賞玉は各スイッチ22,23により速やかに検出され、入賞玉が検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0026】
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば9個)に達した場合、または所定期間(たとえば30秒間)経過した場合のうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、再度、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態がラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回の場合には、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0027】
可変表示装置8の左側方部分および右側方部分には、それぞれワープ入口11が設けられている。このワープ入口11に進入した打玉は、可変表示装置8の裏面側を通って下方に流下してワープ出口13から再度遊技領域7に放出される。このため、ワープ出口13から放出された打玉は、始動口14に比較的入賞しやすい状態となる。可変表示装置8の左側方部分に設けられたワープ入口11に進入した打玉の通過経路には通過ゲート(普通図柄始動ゲート)11aが設けられている。
【0028】
通過ゲート11aに進入した打玉は、ゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されることを条件として、可変表示器10が可変開始される。なお、可変表示器10が可変表示している最中にさらに打玉がゲートスイッチ12で検出された場合には、「4」を記憶数の上限として通過球が記憶されてその記憶数が通過記憶表示器10aに表示される。
【0029】
可変表示器10は7セグメント表示器で構成されており、普通図柄と呼ばれる識別情報が可変表示される。可変表示器10の表示結果が予め定められた特別の表示態様(たとえば7)となれば「当り」となる。可変表示器10に「当り」の表示結果が導出されると、始動口14に設けられた左右1対の可動片15が開成する。これにより始動口14が開放状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動口14が開放状態にある際に打玉が1つ始動入賞すれば、可動片15が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい状態に戻る。また、始動口14が開放状態となってから所定期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片15が元の位置まで閉成して開放状態は終了する。始動口14に入賞した始動入賞球は遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により速やかに検出される。始動入賞球が始動口スイッチ17で検出されると5個の賞球が払出されるとともに、その検出出力に基づいて可変表示装置8が可変開始される。なお、可変表示装置8が可変表示中に始動口スイッチ17により検出された始動入賞は、「4」を記憶数の上限として記憶されてその記憶数が始動記憶表示器18に表示される。また、一般入賞口24(24a,24b,24c,24d,24e)に入賞した入賞球は、遊技盤6に設けられた各入賞口スイッチ240(240a,240b,240c,240d,240e)により速やかに検出され、これに基づいて10個の賞球が払出される。
【0030】
図3はパチンコ遊技機1の機構板36を背面から見た背面図である。誘導樋39を通った玉は、図3に示されるように、玉切れ検出スイッチ187(187a,187b)を通過して玉供給樋186(186a,186b)を経て玉払出装置97に至る。なお、誘導樋39には玉切れを玉切れスイッチ187よりも上流側で検出する玉切れ検出スイッチ167が設けられている。
【0031】
玉払出装置97から払出された玉は、連絡口45を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球操供給皿3に供給される。連絡口45の側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰玉受皿4に連通する余剰玉通路46が形成されている。入賞に基づく玉が多数払出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには玉が連絡口45に到達した後さらに玉が払出されると玉は、余剰玉通路46を経て余剰玉受皿4に導かれる。さらに玉が払出されると、感知レバー47が満タンスイッチ48を押圧して満タンスイッチ48がオンする。その状態では、玉払出装置97内の払出モータ(ステッピングモータ)289の回転が停止して玉払出装置97の動作が停止するとともに、必要に応じて打球発射装置34の駆動も停止する。
【0032】
賞球の払出制御のために、始動口スイッチ17、各入賞口スイッチ240(240a,240b,240c,240d,240e)、Vカウントスイッチ22およびカウントスイッチ23からの信号が、遊技制御基板31に送られる。遊技制御基板31にそれらのスイッチのオン信号が送られると、遊技制御基板31から賞球玉貸基板37に賞球個数コマンドが送られる。たとえば、始動口スイッチ17のオンに対応して入賞球検出スイッチがオンすると、賞球個数「5」を示す賞球個数コマンドが遊技制御基板31から出力され、カウントスイッチ23またはVカウントスイッチ22のオンに対応して賞球個数「15」を示す賞球個数コマンドが出力される。そして、それらのスイッチ以外の入賞口スイッチ240がオンすると、賞球個数「10」を示す賞球個数コマンドが出力される。
【0033】
機構板36には電源ユニットボックス319と、図示しない電源中継基板とが重畳的に組付けられている。電源ユニットボックス319内には、複数の電圧の異なる電源を生成する電源ユニット基板(図示せず)が収容されている。電源ユニット基板には、AC24Vの電源に対して電源コードが接続される電源コネクタや電源スイッチ、電源中継基板と接続するための中継基板接続コネクタ(図示せず)が実装されている。電源ユニット基板では、電源スイッチをONすることにより複数の電源が生成されて電源中継基板(図示せず)を介して遊技制御基板31や賞球玉貸基板37その他の制御基板に供給されるようになっている。
【0034】
なお、電源ユニットボックス319および電源中継基板は、遊技盤6の種類に因らず利用できる部品であり、たとえば、遊技機の遊技盤6を他の遊技盤と取替えた場合であっても、再利用できる。
【0035】
次に、図4を参照して、パチンコ遊技機1の背面側の機構板36に設置されている中間ベースユニットの構成について説明する。中間ベースユニットには、玉供給樋186a,186bや玉払出装置97が設置される。図4に示すように、中間ベースユニットの上下には連結凹突部182が形成されている。連結凹突部182は、中間ベースユニットと機構板(図示省略)の上部ベースユニットおよび下部ベースユニットを連結固定するものである。
【0036】
中間ベースユニットの上部には通路体184が固定されている。そして、通路体184の下部に玉払出装置97が固定されている。通路体184は、カーブ樋174(図3参照)によって流下方向を左右方向に変換された2列の玉を流下させる玉通路186a,186bを有する。玉通路186a,186bの上流側には、玉切れスイッチ187a,187bが設置されている。玉切れスイッチ187a,187bは、玉通路186a,186b内の玉の有無を検出するものであって、玉切れスイッチ187a,187bが玉を検出しなくなると玉払出装置97における払出モータ(図4において図示せず)の回転を停止して玉払出が不能動化される。
【0037】
なお、玉切れスイッチ187a,187bは、玉通路186a,186bに27〜28個の玉が存在することを検出できるような位置に係止片188によって係止されている。
【0038】
通路体184の中央部は、内部を流下する玉の玉圧を弱めるように、左右に湾曲する形状に形成されている。そして、玉通路186a,186bの間に止め孔189が形成されている。止め孔189の裏面には中間ベースユニットに設けられている取付ボスが嵌め込まれる。その状態で止めねじがねじ止めされて、通路体184は中間ベースユニットに固定される。なお、ねじ止めされる前に、中間ベースユニットに設けられている係止突片185によって通路体184の位置合わせを行なえるようになっている。
【0039】
通路体184の下方には、玉払出装置97に玉を供給するとともに故障時などには玉払出装置97への玉の供給を停止する玉止め装置190が設けられている。玉止め装置190の下方に設置される玉払出装置97は、直方体状のケース198の内部に収納されている。ケース198の左右4ヵ所には突部が設けられている。各突部が中間ベースユニットに設けられている位置決め突片にかかった状態で、中間ベースユニットの下部に設けられている弾性係合片にケース198の下端が嵌め込まれる。
【0040】
図5は、玉払出装置97の分解斜視図である。玉払出装置97の構成および作用を図5を参照して説明する。この実施形態における玉払出装置97は、ステッピングモータ(払出モータ)289がスクリュー288を回転させることによりパチンコ玉を1個ずつ払出す。なお、玉払出装置97は、入賞に基づく賞球だけでなく、貸出すべき貸玉も払出す。
【0041】
図5に示すように、玉払出装置97は、2つのケース198a,198bを有する。それぞれのケース198a,198bの左右2ヵ所に、玉払出装置97の設置位置上部に設けられた位置決め突片に当接される係合突部280が設けられている。また、それぞれのケース198a,198bには、玉供給路281a,281bが形成されている。玉供給路281a,281bは湾曲面282a,282bを有し、湾曲面282a,282bの終端の下方には、玉送り水平路284a,284bが形成されている。さらに、玉送り水平路284a,284bの終端に玉排出路283a,283bが形成されている。
【0042】
玉供給路281a,281b、玉送り水平路284a,284b、玉排出路283a,283bは、ケース198a,198bをそれぞれ前後に区画する区画壁295a,295bの前方に形成されている。また、区画壁295a,295bの前方において、玉圧緩衝部材285がケース198a,198b間に挟み込まれる。玉圧緩衝部材285は、玉払出装置97に供給される玉を左右側方に振分けて玉供給路281a,281bに誘導する。
【0043】
また、玉圧緩衝部材285の下部には、発光素子LED286と受光素子(図示せず)とによる払出モータ位置センサが設けられている。発光素子286と受光素子とは、所定の間隔を空けて設けられている。そして、この間隔内に、スクリュー288の先端が挿入されるようになっている。なお、玉圧緩衝部材285は、ケース198a,198bが貼り合わされたときに、完全にその内部に収納固定される。
【0044】
玉送り水平路284a,284bには、払出モータ289によって回転させられるスクリュー288が配置されている。払出モータ289はモータ固定板290に固定され、モータ固定板290は、区画壁295a,295bの後方に固定される固定溝291a,291bに嵌め込まれる。その状態で払出モータ289のモータ軸が区画壁295a,295bの前方に突出するので、その突出の前方にスクリュー288が固定される。スクリュー288の外周には、払出モータ289の回転によって玉送り水平路284a,284bに載置された玉を前方に移動させるための螺旋突起288aが設けられている。
【0045】
そして、スクリュー288の先端には、発光素子286を収納するように凹部が形成され、その凹部の外周には、2つの切欠き部292が互いに180°離れて形成されている。したがって、スクリュー288が1回転する間に、発光素子286からの光は、切欠き部292を介して受光素子で2回検出される。
【0046】
つまり、発光素子286と受光素子とによる払出モータ位置センサは、スクリュー288を定位置で停止するためのものであり、かつ、払出動作が行なわれた旨を検出するものである。なお、発光素子286、受光素子および払出モータ289からの配線は、まとめられてケース198a,198bの後部下方に形成された引き出し孔から外部に引き出されコネクタに結線される。
【0047】
玉が玉送り水平路284a,284bに載置された状態において、払出モータ289が回転すると、スクリュー288の螺旋突起288aによって、玉は、玉送り水平路284a,284b上を前方に向かって移動する。そして、遂には、玉送り水平路284a,284bの終端から玉排出路283a,283bに落下する。このとき、左右の玉送り水平路284a,284bからの落下は交互に行なわれる。すなわち、スクリュー288が半回転する毎に一方から1個の玉が落下する。したがって、1個の玉が落下する毎に、発光素子286からの光が受光素子によって1回検出される。
【0048】
図4に示すように、玉払出装置97の下方には、玉振分部材311が設けられており、さらに玉振分部材311の下方には、近接スイッチによる賞球カウントスイッチ301Aおよび玉貸しカウントスイッチ301Bが設けられている。
【0049】
玉振分部材311は、振分用ソレノイド310によって駆動される。ソレノイド310が励磁されていない定常時には、玉振分部材311は図示実線に示すように左側に倒れており、流下玉が賞球通路312Aを通過して賞球カウントスイッチ301Aで検出される。一方、ソレノイド310が励磁されると、玉振分部材311は図示破線に示すように右側に倒れ、流下玉が玉貸し通路312Bを通過して玉貸しカウントスイッチ301Bで検出される。
【0050】
ソレノイド310は、玉貸時に励磁され、それ以外では励磁されない。このため、入賞に基づく賞球時には、玉振分部材311は右側に倒れており、玉排出路283a,283bからの玉はともに賞球カウントスイッチ301Aを通過する。一方、玉貸時には、ソレノイド310が励磁されることで玉排出路283a,283bからの玉はともに玉貸しカウントスイッチ301Bを通過する。
【0051】
このように、玉振分部材311を設けることによって、2条の玉流路を流下してきた玉は、賞球カウントスイッチ301Aと玉貸しカウントスイッチ301Bとのうちのいずれか一方しか通過しない。したがって、賞球であるのか玉貸であるのかの判断をすることなく、賞球カウントスイッチ301Aと玉貸しカウントスイッチ301Bの検出出力から、直ちに賞球数または玉貸数を把握することができる。
【0052】
このように、玉払出装置97を玉貸のためのみならず、賞球の払出しのためにも兼用して動作させることができるために、コストダウンを図ることができる。しかも、玉振分部材311の切換制御によって簡単に賞球と、貸玉とをそれぞれ個別に計数することができる。
【0053】
また、貸玉の払出しを必要としていない時には玉が賞球カウントスイッチ301A側に案内されるように玉振分部材311の状態が保持されているために、一般的には貸玉を払出す頻度よりも賞球を払出す頻度が高いことから、玉振分部材311を切換制御する回数を少なくすることができる。このため、切換が繰返し行なわれることに伴う玉振分部材311およびそれに関連する制御部品の故障を減らすことができ、それらの部品の寿命を長くすることができる。
【0054】
図6および図7は、パチンコ遊技機1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図6、図7には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球玉貸基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
【0055】
遊技制御基板31、賞球玉貸基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80には、マイクロコンピュータ等が搭載されている。これらの各制御基板では、パチンコ遊技機1の電源の投入時に、制御基板に設けられたRAM内のデータを初期化する等のイニシャル処理が各制御基板毎に行なわれ、賞球玉貸基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80は、イニシャライズ処理が終了した時点で、遊技制御基板31からのコマンドを有効に受付け可能となる。
【0056】
賞球玉貸基板37には、発射制御基板91、玉払出装置97、残高表示基板74、および、カードユニット50が接続される。ランプ制御基板35には、遊技効果LED28a、賞球ランプ51、玉切れランプ52、および遊技効果ランプ28b,28cが接続される。発射制御基板91には、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80には特別図柄用の可変表示装置8(図示省略)が接続される。音声制御基板70にはスピーカ27が接続される。
【0057】
遊技制御基板31には、遊技制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59と、ランプ・LED回路60と、情報出力回路64と、初期リセット回路65と、アドレスデコード回路67とが設けられている。
【0058】
基本回路53は、遊技制御用のマイクロコンピュータであり、遊技制御用の遊技制御プログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート57を含む。
【0059】
初期リセット回路65は、電源投入時にCPU56をリセットする回路である。CPU56は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1を初期化する。また、CPU56は、後述するように、定期的(例えば、2ms毎)に発生するタイマ割込によって、遊技制御用プログラムを所定位置から再度実行する。
【0060】
アドレスデコード回路67は、CPU56から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
【0061】
スイッチ回路58は、各種スイッチからの信号をCPU56に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、入賞口スイッチ240(240a〜240e)、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、賞球カウントスイッチ301A、満タンスイッチ48、玉切れ検出スイッチ167、玉切れスイッチ187(187a,187b)が接続される。なお、満タンスイッチ48は、余剰玉受皿4の満タンを検出するスイッチである。満タンスイッチ48からの検出信号は、中継基板71を介して遊技制御基板31に入力される。また、賞球カウントスイッチ301Aは、図4に示したように玉払出装置97に設けられており、賞球の払出しを検出するスイッチである。この賞球カウントスイッチ301Aの検出信号は、中継基板72を介して賞球玉貸制御基板37側のI/Oポート372bにも入力される。
【0062】
情報出力回路64は、CPU56から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の可変表示に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。ソレノイド回路59は、始動口14の可動片15を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21をCPU56からの指令に従って駆動する回路である。ランプ・LED回路60は、始動記憶表示器18の点灯および滅灯を行なうとともに7セグメントLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25を駆動する回路である。
【0063】
遊技制御基板31から賞球玉貸基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、および表示制御基板80には、指令情報の一例となるコマンドが送信される。各制御基板では、このコマンドに基づく制御が行なわれる。遊技制御基板31からコマンドが出力される場合には、それにともなって、コマンドの有効期間を示すINT信号が出力される。INT信号は、無効状態では信号がローレベル(オフ状態)となり、有効状態では信号がハイレベル(オン状態)となる。コマンドは、すべて7ビットのデータにより構成されている。
【0064】
たとえば、遊技制御基板31から賞球玉貸基板37に伝送される賞球コマンドには、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)が含まれる。賞球コマンドを構成する7ビットのデータのうち、下位4ビットが賞球個数の指定に用いられ、その上位側の3ビットが制御内容の指定に用いられる。
【0065】
賞球玉貸基板37には、払出制御用マイクロコンピュータが設けられている。この払出制御用マイクロコンピュータは、賞球制御(玉貸しに関する制御も含む)用のプログラム等を記憶するROM、ワークメモリとして使用されるRAM、賞球制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU2915およびI/Oポート372(372a〜372g)を含む。図7には、これらのうち、CPU2915とI/Oポート372(372a〜372g)とを図示し、その他は図示を省略している。
【0066】
I/Oポート372aには、遊技制御基板31のI/Oポート57(ポートG577)から賞球個数コマンド(D7〜D0)が入力される。I/Oポート372bには、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号と、玉貸しカウントスイッチ301Bの検出信号と、払出モータ位置センサ286の検出信号と、リセットスイッチ(リセットSW)379の検出信号とが入力される。I/Oポート372cからは、払出モータ289への駆動信号が出力される。I/Oポート372dからは、振分用ソレノイド310への励磁信号が出力される。I/Oポート372eからは、エラー表示用LED374へのエラー表示用信号が出力される。I/Oポート372fはカードユニット50と接続されており、このI/Oポート372fを通じてカードユニット50との間で各種制御信号がやりとりされる。I/Oポート372gからは、ターミナル基板160への玉貸し個数信号と、ブザー75へのブザー駆動信号とが出力される。
【0067】
賞球玉貸制御用のCPU2915は、賞球コマンドおよびカードユニットからの制御信号に従って玉払出装置97を制御する。
遊技制御基板31のCPU56は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定のランプ制御コマンドをランプ制御基板35へ出力する。ランプ制御基板35は、遊技制御基板31からのランプ制御コマンドに基づいて、上記電気的装飾部品の点灯制御を行なう。
【0068】
CPU56は、表示制御基板80に表示制御コマンドを出力する。表示制御基板80は、表示制御コマンドに基づいて可変表示装置8の表示制御を行なう。表示制御コマンドには、たとえば、パチンコ遊技機1の電源の投入に伴って、所定の初期画面を可変表示装置8に表示することを指定するコマンドや、始動入賞に伴って特別図柄の変動を開始させることを指定するコマンド等がある。
【0069】
CPU56は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定の音声制御コマンドを音声制御基板70へ出力する。音声制御基板70は、遊技制御基板31より入力される音声制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ27から出力させるための制御を行なう。なお、音声制御コマンドとは、遊技進行に応じて、遊技領域7の外側に設けられているスピーカ27の音声出力を指示するためのコマンドである。
【0070】
CPU56は、玉切れ検出スイッチ167または玉切れスイッチ187からの検出信号が玉切れ状態を示しているか、あるいは満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していれば、その状況に応じて、賞球禁止コマンド、玉貸し禁止コマンドを賞球玉貸基板37の払出制御用マイクロコンピュータ370へ送り、玉払出装置97による賞球の払出しおよび貸玉の払出しを停止させる。CPU56は、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号に基づいて賞球数をカウントする。
【0071】
基本回路53のRAM55には、各スイッチ17,22,23,240a〜240eからの入賞検出信号を記憶するためのカウンタ(カウンタA,B,C)が設けられている。カウンタAには、Vカウントスイッチ22およびカウントスイッチ23の検出信号、すなわち、払出数=15個に対応する検出信号がまとめて記憶される。カウンタBには、始動口スイッチ17の検出信号、すなわち、払出数=5個に対応する検出信号が記憶される。カウンタCには、入賞口スイッチ240a〜240eの検出信号、すなわち、払出数=10個に対応する検出信号が記憶される。
【0072】
CPU56は、始動口スイッチ17、入賞口スイッチ240(240a〜240e)、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23で打玉の入賞が検出されると、賞球制御用のINT信号を無効状態から有効状態にするとともに賞球個数を指定する賞球コマンドとして賞球個数コマンドを賞球玉貸基板37へ出力する。なお、INT信号は、ポートH 578からバッファ回路68を介して賞球玉貸基板37のCPU2915に入力される。
【0073】
CPU56は、先に出力した賞球個数コマンドに基づく賞球の払出しが完了していない場合であっても、遊技盤に設けられた入賞検出用のスイッチ(17、22、23、240a〜240e)で入賞が検出されると、賞球個数コマンドを即座に出力する。賞球玉貸基板37側のCPU2915は、賞球個数コマンドに基づいて玉払出装置97へ与える駆動信号を制御し、賞球個数コマンドにより特定される個数の賞球の払出し制御等の払出し制御を行なう。賞球玉貸基板37側では、先の賞球個数コマンドに基づく賞球の払出しが完了したか否かに関係なく、次々に賞球個数コマンドが送られてくるため、玉の払出しが済んでいない賞球個数コマンドの賞球個数データについては、RAM2916に累積的に加算記憶し、その加算記憶データに基づいて順次玉の払出しを行なう。これにより、遊技制御基板31側では、先に出力した賞球個数コマンドに基づく賞球の払出しが完了していない場合であっても、次の賞球個数コマンドを記憶する処理を行なう必要がなく、かつ、賞球玉貸基板37側の動作状況を確認しながら賞球個数コマンドを出力する処理を行なう必要もなくなるので、CPU56の制御負担が軽減されるとともに処理を迅速に進めることができる。
【0074】
図7に示すように、遊技制御基板31側の賞球コマンドを出力する部分は、遊技制御基板31の内部から外部への情報の出力が可能であるが遊技制御基板31の外部から内部への情報の入力が不可能である不可逆性出力手段としてのバッファ回路68により構成されている。また、賞球玉貸基板37側において賞球コマンドが入力されるバッファ回路373も同様に、遊技制御基板31から賞球玉貸基板37へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するが賞球玉貸基板37側から遊技制御基板31側へ向かう信号の伝送を行なわない不可逆性を有する入力インタフェースである。従って、賞球玉貸基板37側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。賞球コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。このため、遊技制御基板31と賞球玉貸基板37との間の信号の一方向通信が担保され、賞球コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板31に不正な信号(データ)を入力させて不正な制御動作を行なわせる不正行為を確実に防ぐことができる。
【0075】
バッファ回路373と同様の回路は、賞球玉貸基板37の他に、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80の各制御基板にも同様の態様で設けられている。このため、遊技制御基板31と、各制御基板35,70,80との間の信号の一方向通信が担保され、各制御基板35,70,80から遊技制御基板31に不正な信号を入力させて不正な制御を行なわせる不正行為を確実に防ぐことができる。
【0076】
遊技制御基板31のCPU56は、賞球カウントスイッチ301A,301Bからの検出信号に基づいて払出された賞球数を計数し、予定数の賞球の払出しが行なわれているか否かを判断する。そして、賞球の払出数が不足しているにもかかわらず、所定期間が経過しても賞球カウントスイッチ301A,301Bから検出信号が入力されなくなった場合には、エラーが発生したものと判断し、エラー報知用のコマンドを音声制御基板70や表示制御基板80に出力する。これにより、音声制御基板70によって制御されるスピーカ27からは所定の報知音が発生し、表示制御基板80によって制御される可変表示装置8では所定のエラー表示がなされる。これにより、パチンコ遊技機1はエラー状態となる。
【0077】
一方、賞球玉貸基板37側のCPU2915は、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号をカウントすることによって、払出した賞球数を計数するとともに、玉貸しカウントスイッチ301Bの検出信号をカウントすることによって、払出した貸玉数を計数する。
【0078】
さらに、CPU2915は、賞球カウントスイッチ301Aおよび玉貸しカウントスイッチ301Bの検出信号に基づいて玉を計数する動作と並行して、払出モータ位置センサ286からの検出信号を利用して、払出した賞球数および貸玉数を計数する。すなわち、玉払出装置97では、玉繰出し用のスクリュー288が180度だけ回転して払出モータ位置センサ286が1回ON/OFFするごとに玉が1つ払出されるように構成されているために、この払出モータ位置センサ286の出力信号の変化に基づいて払出した玉を間接的に検出し、玉数を計数するのである。
【0079】
なお、払出モータ位置センサ286に代えて、ステッピングモータである払出モータ289のステップパルス数を検出することで、スクリュー288の払出動作量(回転量)を検出し、これにより間接的に玉の払出しを検出するようにしてもよい。ただし、スクリュー288の回転を直接検出する払出モータ位置センサ286を用いる方が、精度の高い検出結果を得ることができるという利点がある。ステッピングモータのステップパルス数に基づいてスクリュー288の払出動作量(回転量)を検出する場合には1ステップ当りの制御量が何らかの要因で変化すると、検出される動作量に誤差が生じてしまうためである。
【0080】
ところで、払出モータ位置センサ286の出力信号に基づいて玉数を計数すると、スクリュー288からの玉の落下を待って検出信号が出力されるカウントスイッチ301A,301Bの出力信号に基づいて玉を計数するよりも迅速に計数動作を進めることができるが、スクリュー288内に整列された玉と玉との間に無用な隙間が空いていて、スクリュー288が半回転したときに玉が払出されなかった場合であっても玉が1つ払出されたものとみなされるという欠点がある。あるいは、球噛みその他の原因によって実際には玉が払出されなかった場合であっても玉が1つ払出されたものとみなされてしまう。
【0081】
このため、CPU2915は、この払出モータ位置センサ286の出力信号に基づいて計数された玉数が払出予定数に達した後、一旦、スクリュー288の回転を止め、カウントスイッチ301A,Bの検出信号に基づいた計数結果を参照して、間違いなく予定通りの玉の払出しがあったか否かを確認し、払出数が不足する場合には、再度、スクリュー288を回転させて不足分の玉を払出す制御を行なう。
【0082】
このような2段階の制御をすることによって、払出モータ位置センサ286の検出出力に基づいて計数される玉(賞球または貸玉)の数が払出予定数に至るまでは、スクリュー288を高速回転させて連続的に玉を払出すことで、玉の払出しを迅速にすることができ、また、それにより払出しが不足するような場合でも、後にその不足分の払出しを行なうことよって払出しを正確にすることができる。
【0083】
賞球玉貸基板37から発射制御基板91には、打玉の発射状態を制御するための発射制御信号が与えられる。発射制御基板91においては、発射制御信号がLOWレベルである場合に、打玉の発射が禁止され、打玉の発射が不可能な状態に制御される。一方、発射制御信号がHIGHレベルである場合には、打玉の発射が許容され、打玉の発射が可能な状態に制御される。
【0084】
また、CPU2915は、I/Oポート372を介して、貸し玉数を示す玉貸し個数信号をターミナル基板160に出力する。さらに、CPU2915は、玉貸しまたは賞球の払出しに異常が発生した場合には、後述する警告処理(図34参照)においてブザー駆動信号をブザー75に出力し、警告音を発生させる。この警告音は、遊技場の店員等によるリセットスイッチ(リセットSW)379の押圧操作によって停止される。
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータ(図示省略)が搭載されている。また、残高表示基板74は、打球供給皿3の上面部分に設けられた図示しない度数表示LEDと接続される。残高表示基板74からカードユニット50には、遊技者の玉貸しスイッチ(図示せず)または返却スイッチ(図示せず)の操作に応じて、玉貸しスイッチ信号および返却スイッチ信号が賞球玉貸基板37を介して与えられる。
【0085】
カードユニット50から残高表示基板74には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および玉貸し可表示信号が賞球玉貸基板37を介して与えられる。カードユニット50と賞球玉貸基板37の間では、ユニット玉貸し操作信号(BRDY信号)、玉貸し要求信号(BRQ信号)、玉貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)がやりとりされる。その他に、図示を省略しているが、カードユニット50から賞球玉貸基板37には、カードユニット50が賞球玉貸基板37に接続されていることを賞球玉貸基板37側で確認するために用いられるカードユニット接続確認用信号が与えられる。
【0086】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、賞球玉貸し基板37の賞球制御用CPU2915は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。カードユニット50においてカードが受付けられ、玉貸しスイッチが操作され玉貸しスイッチ信号が入力されると、前記PRDY信号から入力されていることを条件として、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、賞球玉貸し基板37にBRDY信号を出力するとともに、この時点から所定の遅延時間が経過してからカードユニット制御用マイクロコンピュータは、賞球玉貸し基板37にBRQ信号を出力する。具体的には、BRQ信号をハイレベル(ON)にする。そして、賞球玉貸し基板37のCPU2915は、EXS信号をハイレベル(ON)に切換えて、玉貸し準備信号をカードユニット制御用マイクロコンピュータへ返信する。カードユニット制御用マイクロコンピュータは、その玉貸し準備信号の入力があったことを条件として、BRQ信号をローレベル(OFF)に切換えることにより玉貸し指令信号を賞球玉貸し基板37のCPU2915へ送信する。賞球玉貸し基板37のCPU2915は、その玉貸し指令信号を受けて、払出モータ289を駆動し、所定個数(たとえば、25個)の貸玉を遊技者に払出す。そして、玉貸しが完了した段階で、CPU2915は、EXS信号をローレベル(OFF)に切換え、これにより玉貸し完了信号をカードユニット50に送信する。つまり、EXS信号は、玉貸し準備信号と玉貸し完了信号との2種類の情報の伝達に用いられる。
【0087】
以上のように、カードユニット50からの信号は全て賞球玉貸基板37に入力される構成になっている。従って、玉貸し制御に関して、カードユニット50から遊技制御基板31に信号が入力されることはなく、遊技制御基板31の基本回路53にカードユニット50の側から不正に信号が入力される余地はない。
次に、遊技制御基板31側から賞球玉貸基板37側へ出力される賞球コマンドについて詳細に説明する。図8は、基本回路53から出力される賞球コマンドのデータの内容を説明するための説明図である。CPU56は、図示するフォーマットからなるコマンドデータをランプ制御基板35、賞球玉貸基板37、および音声制御基板70へ出力する。ここでは、代表例として、賞球コマンドを説明する。
【0088】
コマンドデータは、たとえば、図示するように8ビットの送信可能データのうちの7ビットで構成されている。このうち、ビット7は、INT信号用として利用される。このように、コマンドデータのフォーマットは、ランプ制御基板35、賞球玉貸基板37、および音声制御基板70で共通であるために、各種制御基板の制御動作を指定するコマンドデータを作成する際の作業が容易となる。
【0089】
賞球制御用のコマンドデータでは、ビット0〜ビット3を使用して賞球個数が2進数により指定され、ビット4〜ビット6を使用して制御内容が2進数により指定される。なお、ビット7は、賞球個数の指定には使用されず、INT信号用として利用される。たとえば、ビット4〜ビット6が「001」の場合は、通常払出しが指定される。このように通常払出しが指定され賞球コマンドは、賞球個数コマンドと呼ばれる。ビット4〜ビット6が「010」の場合は、玉貸し禁止が指定される。ビット4〜ビット6が「011」の場合は、玉貸し禁止解除が指定される。ビット4〜ビット6が「100」の場合は、発射禁止(打玉の発射禁止)が指定される。ビット4〜ビット6が「101」の場合は、発射禁止解除が指定される。ビット4〜ビット6が「110」の場合は、賞球禁止が指定される。ビット4〜ビット6が「111」の場合は、賞球禁止解除が指定される。
【0090】
入賞に応じて通常払出しが行なわれる場合には、ビット4〜ビット6により通常払出が指定され、ビット0〜ビット3により入賞に応じた払出し個数が指定される。通常払出し以外の場合には、ビット4〜ビット6により制御内容が指定されるが、ビット0〜ビット3により「0001」が固定的に指定される。つまり、ビット0〜ビット3における「0001」は、非払出しを指定している。したがって、通常払出し以外の場合には、玉を払出す個数が指定されず、払出しが行なわれない。
【0091】
図9は、賞球玉貸基板37が賞球コマンドを受信する態様を説明するためのタイミングチャートである。前述したように、INT信号は信号状態がハイレベルにある場合が有効状態であり、ローレベルにある状態が無効状態である。遊技制御基板31は、新たなコマンドデータを伝送する際にINT信号を4msの間、ローレベルからハイレベルに切換え、賞球玉貸基板37へ必要な賞球コマンドのコマンドデータを4msの間継続して出力する。賞球コマンドを連続して出力する必要がある場合には、インタバル期間としてコマンド間に最低4msのコマンド非出力期間が設けられる。したがって、賞球コマンドを連続して出力する必要がある場合には、INT信号が4msの間ハイレベルになるとともに賞球コマンドが4msの間継続して出力された後、最低4ms間INT信号がローレベルになるとともに賞球コマンドの出力が停止され、その後、さらに、INT信号が4msの間ハイレベルになるとともに賞球コマンドが4msの間継続して出力されるコマンド送信態様となる。
【0092】
賞球玉貸基板37は、INT信号がハイレベルとなっている際に入力される賞球コマンドのデータに基づいて各種の制御を実行する。賞球玉貸基板37は、一旦、コマンドデータに基づく制御を開始した場合には、新たなコマンドデータが入力されるまでその制御を継続する。
【0093】
図中の「1」に示すように、賞球玉貸基板37は、INT信号が無効状態から有効状態となった時点で賞球コマンドデータを抽出し、これを所定の格納領域に格納する。その後、500μsが経過した時点で、図中の「2」に示すように、再度、賞球コマンドデータを抽出する。そして、新たに抽出した賞球コマンドデータが「1」のタイミングで抽出した賞球コマンドデータと一致することを確認する。その後、さらに500μsが経過した時点で、図中の「3」に示すように、再度コマンドデータを抽出し、コマンドデータが変化していないことを条件として、その賞球コマンドデータに応じた制御を実行する。すなわち、INT信号が有効状態となっている間に賞球コマンドデータを3回連続して抽出し、抽出結果がすべて一致する場合に、その賞球コマンドデータを正規のデータと見なす。
【0094】
また、前述したような3回のコマンドデータの抽出により、抽出結果がすべて一致しない場合には、INT信号が有効状態となっている期間中において、再度3回の抽出をやり直す。そして、再抽出により抽出結果がすべて一致した場合には、その賞球コマンドデータを正規のデータと見なす。このように、遊技制御基板31から入力された賞球コマンドデータを所定期間(INT信号が有効状態となっている期間中)にわたって監視し、賞球コマンドデータの内容が変化しない場合(3回抽出したデータが連続的に一致する場合)に、賞球コマンドデータが正規のデータであるとみなし、賞球コマンドデータに対応した制御を行なうために、ノイズ等の影響によって瞬間的に正規のコマンドデータが本来のものとは異なるデータに変化した場合であっても、そのデータに基づいて誤った制御が行なわれてしまう不都合を防ぐことができる。その結果、精度が高い払出制御を行なうことができる。
【0095】
なお、コマンドデータは、有効期間が一連の1回(実施形態では4mS)であればよく、INT信号だけが立下がりコマンドデータは出力し続けていてもよい。すなわち、賞球玉貸基板側が受け取り可能な態様の出力が1回であればよい。
【0096】
このようなコマンドデータの受信は、賞球玉貸基板37以外の各制御基板35,70,80においても同様に行なわれる。したがって、賞球玉貸基板37以外の各制御基板35,70,80においても同様の効果を得ることができる。
【0097】
また、賞球コマンドには、遊技制御基板31から出力する場合に、出力の優先度が予め定められている。最も優先度が高いのが玉貸し禁止コマンドであり、以下、賞球禁止コマンド、発射禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド、賞球禁止解除コマンド、発射禁止解除コマンド、賞球個数コマンド(図9では「払出」と示す)の順に優先度が低くなっている。さらに、賞球個数コマンドの場合には、同じ払出しでも、賞球数の多い方の払出しが優先度が高い。
【0098】
同時期に複数の賞球コマンドを出力する必要がある場合には、このように定められた優先度に従い、優先度の高い方から順に賞球コマンドが出力される。このように、優先順位にしたがって順に賞球コマンドが出力されることにより、CPU56の処理負担を軽減することができる。その理由は次のとおりである。つまり、同時期に複数の賞球コマンドを出力する必要がある場合において、複数の賞球コマンドを同時に出力するとすれば、送信コマンドのビット数を大幅に増やす必要があり、そのような多数のビット数のデータを同時に用意するために、大量のデータを同時期に処理する必要があるので、そのようなデータを扱うCPU56の処理負担が増加してしまう。これに対し、優先順位にしたがって順に賞球コマンドを出力する場合には、複数種類の指令情報を同時に出力しなくても済むため、出力のために同時に処理するデータ量を抑制することが可能になり、CPU56の処理負担を軽減することができる。また、賞球玉貸制御用のCPU2915の側においても、同様に、複数種類の指令情報を同時に出力しなくても済むため、出力のために同時に処理するデータ量を抑制することが可能になるので、CPU2915の処理負担を軽減することができる。
【0099】
また、賞球コマンドの出力に優先順位が定められているため、パチンコ遊技機1の制御にとって重要なコマンドをできる限り早く出力することが可能になる。
【0100】
次にパチンコ遊技機1を動作させるための処理をフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技制御基板31のCPU56により実行される処理を図10〜図23を参照して説明する。
【0101】
図10は、CPU56により実行されるメイン処理および割り込み処理を説明するためのフローチャートである。図10においては、(a)にメイン処理が示され、(b)に割り込み処理が示されている。
【0102】
図10(a)を参照して、メイン処理においては、まず、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理を行なう(S1)。次いで、初期化処理を行なう(S2)。初期化処理では、CPU56は、RAM55にエラーが含まれているか判定し、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化することおよび各種フラグの初期設定などの処理を行なう。さらに、初期化処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(たとえば0.002秒)をCPU56に設定する処理がなされる。これにより、電源投入等によるリセット後の最初の割り込み処理の実行タイミング規定のための計時が開始される。
【0103】
次に、停止図柄を決定する等のための表示用乱数更新処理を行なう(S3)。このパチンコ遊技機1においては、可変表示装置8の可変表示での特別図柄の停止図柄が乱数(ランダムカウンタのカウンタ値)に基づいて決定される。このS3では、そのように停止図柄を決定するための表示用乱数が更新される。表示用乱数更新処理は、無限ループにより繰返し実行され続けるが、後述する割り込み処理が起動された場合には、表示用乱数更新処理を構成するプログラムのうちの実行中の位置で一時停止され、その割り込み処理が終了すると一時停止したプログラムの位置から実行が再開される。
【0104】
次に、図10(b)を参照して、割り込み処理は、CPU56により管理されるタイマ割り込み用のタイマの計時値が設定値(S2またはS14で設定されるタイマ割り込み時間)になるごとに実行が開始される。
【0105】
割り込み処理においては、まず、表示制御基板80に送出されるコマンドコードをRAM55の所定の領域に設定する表示制御データ設定処理を行なった後に(S4)、コマンドコードを表示制御データとして出力する表示制御データ出力処理を行なう(S5)。
【0106】
次いで、ランプ制御基板35および音声制御基板70に音声発生やLED点灯制御用の所定のコマンドを送信するための処理を行なうとともに、ホール管理用コンピュータに大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを送信するためのデータ出力処理を行なう(S6)。また、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行なわれ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられるエラー処理を行なう(S7)。
【0107】
次に、遊技制御に用いられる各種の判定用乱数を示す各カウンタを更新する判定用乱数更新処理を行なう(S8)。S8においては、具体的に、大当り決定用乱数等の判定用乱数が更新される。つまり、このパチンコ遊技機1においては、大当り決定用乱数の抽出値に基づいて大当りを発生させるか否かが決定されるのである。
【0108】
次に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(S10)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0109】
さらに、CPU56は、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23等の状態を入力し、各入賞口や可変入賞球装置に対する入賞があったか否か判定するスイッチ処理を行なう(S11)。次に、CPU56は、S3と同一の表示用乱数更新処理を行なう(S12)。次に、払出制御用マイクロコンピュータ370との間の入賞球信号処理を行なう(S13)。入賞球信号処理の詳細については、図13を用いて後述する。次に、賞球コマンド出力処理を行なう(S14)。賞球コマンド出力処理の詳細については、図18を用いて後述する。
【0110】
次に、タイマ割り込み時間設定処理を行なう(S15)。S15においては、前述したようなタイマ割り込み時間(たとえば0.002秒)をS2の場合と同様に設定する処理が実行される。S15の後、この割り込み処理が終了する。これにより、この割り込み処理の終了時にS15によってタイマ割り込み時間が設定され、次の割り込み処理の実行タイミングを規定するための計時が開始されることとなる。したがって、割り込み処理が終了するごとにタイマ割り込みのための時間が計時され、その後タイマ割り込み時間が経過するごとに割り込み処理が実行されることとなる。この割り込み処理が終了すると、前述したメイン処理のプログラムの実行が、一時停止していた位置から再開される。
【0111】
図11は、始動入賞口チェック処理を説明するためのフローチャートである。この始動入賞口チェック処理は、図10に示した割り込み処理のS11により実行されるスイッチ処理に含まれる処理である。CPU56は、はじめに、第1種始動口スイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致しないか否か確認する(SS1)。第1種始動口スイッチカウンタは、始動口スイッチ17の検出信号の出力が継続することに伴って加算更新されるカウンタである。第1種始動口スイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致しない場合、すなわち、入力信号の継続時間がまだ規定値に達していない場合には入力された信号がノイズ等の可能性があるために処理を終了する。一方、第1種始動口スイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致する場合には始動口スイッチ17が始動入賞を検出したと判断してカウンタBを更新(+1)する(SS2)。
【0112】
なお、カウンタBは、前述したように始動口スイッチ17の検出信号、すなわち、払出数=5個に対応する検出信号を記憶するカウンタである。次に、始動記憶数をカウントする特別図柄入賞記憶カウンタが特別図柄入賞記憶カウンタの最大値(=4)以上となっているか否かを判断する(SS3)。最大値となっている場合には始動記憶することなく処理を終了する。最大値に達していない場合には特別図柄入賞記憶カウンタを更新(+1)する(SS4)。次に、新たに記憶した特別図柄入賞記憶カウンタのカウント値に対応する特別図柄判定用バンクアドレスを算出する(SS5)。次に、特別図柄の可変表示時間を短縮するための変動短縮設定時間を、一旦、変動短縮タイマバンクに設定する(SS6)。なお、ここで設定された変動短縮設定時間は、後述のSS11で評価される始動記憶数の多少に応じて通常の可変表示時間に変更され得る。つまり、始動記憶数が多い場合には設定がそのまま維持され、始動記憶数が少ない場合には通常の可変表示時間に変更される。
【0113】
次に、可変表示結果を大当りとするか否かを決定するための特別図柄判定用乱数を抽出する(SS7)。次に、可変表示途中にリーチを成立させるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数を抽出する(SS8)。次に、SS7で抽出した特別図柄判定用乱数を特別図柄判定用バンクに設定し、SS8で抽出したリーチ判定用乱数をリーチ判定用バンクに設定する(SS9)。次に、SS7で抽出した特別図柄判定用乱数を特定図柄判定用バンクに設定する(SS10)。なお、特別図柄判定用バンクとは、特別図柄判定用乱数に基づいて大当りを発生させるか否か、確率変動を生じさせる確変大当りを発生させるか否かを判定するバンクであり、特定図柄判定用バンクとは、特別図柄判定用バンクによる判定結果に応じて停止図柄の種類を定めるために使用されるバンクである。
【0114】
次に、特別図柄判定処理を実行した後(SS11)、処理を終了する。特別図柄判定処理では、特定図柄判定用バンクおよび特別図柄判定用バンクの格納値に基づいて可変表示装置8の可変表示結果が定められる。
【0115】
図12は、大入賞口チェック処理を説明するためのフローチャートである。この大入賞口チェック処理は、図10に示した割り込み処理のS11により実行されるスイッチ処理に含まれる処理である。
【0116】
この大入賞口チェック処理においては、まず、カウントスイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致しないか否か確認する(ST1)。カウントスイッチカウンタは、カウントスイッチ23の検出信号の出力が継続することに伴って加算更新されるカウンタである。カウントスイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致しない場合には後述のST5に移行するが、一致する場合にはカウントスイッチ23が入賞を検出したと判断してその旨を示すカウント通過フラグを設定する(ST2)。次に、遊技状態を示す特別図柄プロセスフラグ値が大入賞口開放中を表わす値以外であるか否かが判断される(ST3)。大入賞口開放中を表わす値以外の場合には後述のST5に移行するが、大入賞口開放中を表わす値の場合には、大入賞口入賞カウンタ更新処理を実行する(ST4)。
【0117】
ここでは、先に設定されたカウント通過フラグに基づいてカウンタAを加算更新する。なお、カウンタAは、前述したようにVカウントスイッチ22およびカウントスイッチ23の検出信号、すなわち、払出数=15個に対応する検出信号を記憶するカウンタである。次に、Vカウントスイッチカウンタ(特定領域カウントスイッチカウンタ)がスイッチオン判定値と一致しないか否か確認する(ST5)。Vカウントスイッチカウンタは、Vカウントスイッチ22の検出信号の出力が継続することに伴って加算更新されるカウンタである。Vカウントスイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致しない場合には後述のST10に移行するが、一致する場合にはVカウントスイッチ22が入賞を検出したと判断する。
【0118】
そして、特別図柄プロセスフラグ値が大入賞口開放中を表わす値以外であるか否かが判断される(ST6)。大入賞口開放中を表わす値以外の場合には後述のST8に移行するが、大入賞口開放中を表わす値の場合には、大入賞口入賞カウンタ更新処理を実行する(ST7)。ここでは、Vカウントスイッチ22の検出信号に基づいてカウンタAを加算更新する。次に、可変入賞球装置19の繰返し継続制御の実行回数を計数する継続回数カウンタが継続回数カウンタの最終値(=16)以上となっているか否か判断する(ST8)。最終値となっている場合には、後述のST10に移行するが、最終値となっていない場合には打玉が特定領域を通過したことを示す特定領域通過フラグを設定する(ST9)。
【0119】
次に、入賞口スイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致しないか否か確認する(ST10)。入賞口スイッチカウンタは、各入賞口スイッチ240(240a,240b,240c,240d,240e)の検出信号の出力が継続することに伴って加算更新されるカウンタである。入賞口スイッチカウンタがスイッチオン判定値と一致しない場合には処理が終了するが、一致する場合には入賞口スイッチ240が入賞を検出したと判断してカウンタCを加算更新する(ST11)。その後、処理を終了する。なお、カウンタCは、前述したように各入賞口スイッチ240の検出信号、すなわち、払出数=10個に対応する検出信号を記憶するカウンタである。
【0120】
図13〜図15は、入賞球信号処理を説明するためのフローチャートである。上述したように、入賞球信号処理は2msに1回実行される。最初に、使用される各タイマについて説明する。
【0121】
(1) タイマTA1:玉振分部材311が玉貸し側から賞球側に切換わるのに要する時間と払出された玉が落下して賞球カウントスイッチ301Aにより検出されるまでに要する時間との和を予測するために用いられる。
【0122】
(2) タイマTA5:エラー検出時にセットされ、タイムアウトするまでエラー表示が行なわれる。
【0123】
(3) タイマTA6:タイムアウトする度に繰り返し再起動され、タイムアウト時に累積エラー同数が所定回数を超えていたら復帰不能なエラーとなる。
【0124】
入賞球信号処理において、CPU56は、まず、玉貸し可能判定処理を実行する(SA1)。この玉貸し可能判定処理は、玉貸し可能であるか否かを判定するための処理であり、処理の内容については図15を用いて後述する。次に、発射可能判定処理を実行する(SA2)。この発射可能判定処理は、打玉の発射が可能であるか否かを判定するための処理であり、処理の内容については図16を用いて後述する。
【0125】
次に制御がSA2aへ進み、賞球カウントスイッチ301A(図4,図7参照)がONになっているか否かの判断がなされる。ONになっていなければSA3へ進むが、ONになっている場合にはSA2bへ進み、賞球払出中フラグがONになっているか否かの判断がなされる。
【0126】
この賞球払出中フラグとは、賞球玉貸し基板37のCPU2915が賞球払出状態であると遊技制御基板31のCPU56側で推測される場合にセットされるものである。具体的には、CPU56が賞球玉貸し基板37側へ賞球個数コマンドを出力するための賞球個数コマンド出力フラグがセットされることにより後述するSA18によりON状態となり、払出すべき所定個数の景品玉が払出されてそれが賞球カウントスイッチにより検出されることにより後述するSB9によりOFF状態となる。そして、正常に動作している限り、賞球払出中フラグがONになっている場合にのみ賞球カウントスイッチ301AがONとなるのであり、それらが正常な状態の場合にはSA3へ進むが、賞球払出中フラグがONでないにもかかわらず賞球カウントスイッチ301AがONになれば制御がSA2cへ進み、エラー処理がなされる。このエラー状態では、CPU56がホールト状態(HALT状態)となり、何ら動作を行なわない状態となる。
【0127】
次に、タイマTA6がタイムアウトしたか否か確認する(SA3)。タイムアウトしていた場合には、タイマTA6のタイマ値をクリアし、賞球エラーカウンタの値をチェックする(SA6)。そして、賞球エラーカウンタの値が所定値を超えていた場合には、エラー状態に入る(SA9)。エラー状態では、CPU56はホールト状態(HALT状態)になる。
【0128】
タイマTA6がタイムアウトしたときに、賞球エラーカウンタの値が所定回を超えていなければ、賞球エラーカウンタは初期化され(SA7)、再度タイマTA6がスタートされる(SA8)。
【0129】
後述するように、賞球エラーカウンタの値は、賞球個数の過多が検出されるとカウントアップされる。したがって、所定時間内に(タイマTA6のカウントアップ時間内に)所定個数を超える賞球過多エラーが生ずると、解除されない状態になる。このように、賞球過多エラーが生じたときに直ちにホールト状態とならず、頻繁に賞球過多エラーが生じた場合にホールト状態となるように構成すると、一時的に生じ自然復旧するようなエラーでは遊技機は動作不能状態にならない。また、頻繁に賞球過多エラーが生ずる場合には点検等を要することが多いので、そのような場合には遊技機が動作不能状態になるようにすることができる。
【0130】
なお、ここでは、エラー発生とは無関係にタイマTA6をスタートさせタイマTA6がタイムアウトする度に、時間TA6における発生エラー数をチェックするようにしたが、エラーが発生するとタイマをスタートさせる等の他の監視方法を用いてもよい。要するに、所定時間内に所定回を超えるエラーが発生したことを検出できれば、どのような監視方法を用いてもよい。
【0131】
SA3でNOと判断されると、賞球払出中フラグがオンしているか否か確認する(SA4)。オンしている場合には、SB1に移行する。賞球払出中フラグがオンしていない場合には、入賞が検出されているか否か確認する(SA5)。具体的には、前述したRAM55のカウンタ(カウンタA,B,C)が参照されて入賞が検出されているか否かが判断される。入賞が検出されていなければ処理を終了する。なお、本実施の形態において、フラグがONの状態とはフラグがセットされている状態を意味し、フラグがOFFの状態とはフラグがセットされていない状態すなわちクリア(リセット)された状態を意味する。一方、入賞が検出されている場合には、賞球可能判定処理を実行する(SA10)。この賞球可能判定処理は、賞球の払出しが可能であるか否かを判定するための処理であり、処理の内容については図17を用いて後述する。
【0132】
次に、賞球可能判定処理の終了後、以下の優先順序に従って入賞に応じた賞球個数コマンドが出力される。まず、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23で入賞が検出されたのか否かが判断される(SA11)。具体的には、カウンタAに記憶値があるか否かが判断される。
【0133】
この実施の形態では、大入賞口を経た入賞については15個の賞球を払出す。よって、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23で入賞が検出されていた(カウンタA>0)ときには賞球予定数に15個を設定し(SA13)、次いで総賞球カウンタを「15」加算更新する(SA14)。次いでカウンタAを「1」減算更新する(SA14a)。ここで、総賞球カウンタは、払出す予定の賞球の総数を計数するためのカウンタである。
【0134】
Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23で入賞が検出されていない場合には、一般入賞口24、すなわち、各入賞口スイッチ240(240a,240b,240c,240d,240e)で入賞が検出されたのか否かが判断される(SA12)。具体的には、カウンタCに記憶値があるか否かが判断される。この実施の形態では、一般入賞口24を経た入賞については10個の賞球を払出す。よって、各入賞口スイッチ240で入賞が検出されていた(カウンタC>0)ときには賞球予定数に10個を設定し(SA15)、次いで総賞球カウンタを「10」加算更新する(SA16)。次いでカウンタCを「1」減算更新する(SA16a)。
【0135】
Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、各入賞口スイッチ240のいずれによっても入賞が検出されていない場合には、始動口スイッチ17で入賞が検出されたと判断できる。具体的には、始動口スイッチ17の検出信号を記憶するためのカウンタBに記憶値があると判断できる。この実施の形態では、始動口14を経た入賞については5個の賞球を払出すために、SA12でNOと判断できる場合には賞球予定数に5個を設定し(SA19)、次いで総賞球カウンタを「5」加算更新する(SA20)。次いでカウンタBを「1」減算更新する(SA20a)。
【0136】
以上のように、遊技制御基板31は、複数の入賞検出用スイッチから同時に検出信号が入力された場合であっても、所定の優先順序に従って各検出信号に対応する前記払出制御を行なう。
【0137】
また、総賞球カウンタには複数の入賞に対応する払出予定数の総数が記憶されるために、各々の入賞別に払出予定数を記憶する場合と比較して総賞球カウンタのために遊技制御基板31のRAM55に必要とされる記憶領域を削減できる。
【0138】
その後、CPU56は、賞球予定数に応じた賞球コマンドを出力するために、賞球コマンド出力フラグをセットする(SA17)。
【0139】
以上のように、複数の入賞検出用スイッチから同時に検出信号が入力された場合の制御が容易となるように、所定の優先順序に従って各検出信号に対応する賞球コマンドが出力される。なお、賞球玉貸基板37における払出制御用マイクロコンピュータ370のCPU2915は、賞球コマンドで指定された個数の賞球払出制御を行なう。
【0140】
次に、CPU56は、賞球払出中フラグがONになっているか否か判定し(SA17a)、ONしていない場合には賞球払出中フラグをONして(SA18)、次にタイマTA1をスタートさせて(SA18a)、処理を終了する。なお、次に、入賞球信号処理が実行されると、SA4で賞球払出中フラグがONしているので、SA4からSB1へ移行する。
【0141】
一方、SA17aによりONしている旨の判定がなされた場合には、SA17bにより賞球禁止フラグがON→OFFに切変わった瞬間か否かの判定がなされ、NOの場合にはこの処理が終了する。ところが、賞球払出中に賞球禁止フラグがセットされた後解除されればSA17bによりYESと判断されてSA18aによるタイマTA1のセットがなされる。なお、賞球禁止フラグとは、賞球動作を禁止させるためのフラグである(SD6,SD11参照)。
【0142】
SB1において、CPU56は、エラー表示フラグがオンしているか否か確認する。オンしていれば、SB11に移行する。エラー表示フラグがオンしていなければ、賞球カウントスイッチ301Aがオンしたか否かを判断する(SB2)。賞球カウントスイッチのオンを検出すると、賞球カウントスイッチのオフを待ち(SB3)、オフしたら総賞球カウンタのカウンタ値を−1する(SB5)。
【0143】
そして、タイマTA1を起動する(SB6)。タイマTA1は、賞球カウントスイッチの出力がオンした後オフする度に起動または再スタートされる。
【0144】
SB2において賞球カウントスイッチがオンしていなければ、タイマTA1が動作中か否か確認する(SB4)。タイマTA1が動作中でない場合には処理を終了する。一方、タイマTA1が動作中であれば、CPU56は、タイマTA1がタイムアウトしたか否か確認する(SB7)。タイムアウトしていなければSA5へ進む。なお、次に、入賞球信号処理が実行されると、賞球払出中フラグがオンしているので、やはりSA4からSB1に移行する。
【0145】
タイマTA1の値(起動時からタイムアウトするまでの時間)は、正常に払出しが行なわれている場合には払出周期(賞球カウントスイッチ301Aがオンしてから次にオンするまでの期間)よりも長く設定されている。従って、正常に払出しが行なわれているときには、最後の払出しを除いて、タイマTA1がタイムアウトするよりも前に、次の賞球カウントスイッチのオン(SB2)が発生する。すなわち、正常に払出しが行なわれているときには、タイマTA1は、最後の払出しが行なわれた後に初めてタイムアウトする。
【0146】
SB7において、タイマTA1がタイムアウトすると、総賞球カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かが判断される(SB8)。タイマTA1がタイムアウトした場合には、SB7の判断後、タイマTA1のタイマ値をクリアする。正常に払出しが完了した場合には、総賞球カウンタのカウンタ値は「0」になる。従って、総賞球カウンタのカウンタ値が「0」になった場合には、賞球コマンドの出力を停止させるために賞球払出中フラグをオフ状態にし(SB9)、SA5に進む。
【0147】
一方、タイマTA1がタイムアウトしたときに総賞球カウンタのカウンタ値が「0」になっていなかった場合には、CPU56は、総賞球カウンタのカウンタ値が「0」よりも小さいか否かチェックする(SB10)。総賞球カウンタのカウンタ値が「0」よりも小さくない、すなわち払出不足と判断される場合には、エラー表示処理を実行し(SB11)、その後、SB9に進む。このエラー表示処理の内容については、図23を用いて後述する。一方、総賞球カウンタのカウンタ値が「0」よりも小さい、すなわち払出過多と判断される場合には、総賞球カウンタをリセットし(SB12)、その後、SB9に進む。
【0148】
このように、賞球玉貸基板37側のみならず、遊技制御基板31側においても賞球の未払出数が管理されるために、賞球の未払出数をより確実に管理することができる。
【0149】
次に、入賞球信号処理が実行されると、賞球払出中フラグがオンしているので、SA4からSB1に移行する。そして、SB2で賞球カウントスイッチのオンが検出された後に賞球カウントスイッチがオフすると、CPU56は、総賞球カウンタのカウンタ値を−1する(SB5)。そして、タイマT1を再スタート(SB6)して処理を終了する。
【0150】
図16は、前述した入賞球信号処理のSA1により実行される玉貸し可能判定処理を説明するためのフローチャートである。玉貸し可能判定処理において、CPU56は、まず、満タンフラグ1がセットされているか否かが判断される(SC1)。満タンフラグ1は、玉払出装置97により払出せる貸玉が存在する状態で余剰玉受皿4が満タンになった場合にセットされるフラグであり、玉貸し時用の満タンフラグである。
【0151】
満タンフラグ1がセットされていると判断された場合は、後述するSC17に進む。一方、満タンフラグ1がセットされていないと判断された場合は、玉切れスイッチ187により貸玉有りの検出(払出せる貸玉が存在していることの検出)があったか否かが判断される(SC2)。貸玉有りの検出がなかったと判断された場合は、後述するSC3に進む。一方、貸玉有りの検出があったと判断された場合は、玉貸し禁止フラグがオン状態(セット状態)になっているか否かが判断される(SC8)。ここで、玉貸し禁止フラグとは、玉貸しが禁止状態にあることを示すためのフラグである。玉貸し禁止フラグがオン状態になっていると判断された場合は、後述するSC9に進む。一方、玉貸し禁止フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、SC13に進み、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて、余剰玉受皿4の満タン状態が検出されたか否かが判断される。
【0152】
満タン状態が検出されていないと判断された場合には、そのままこの玉貸し可能判定処理が終了する。一方、満タン状態が検出されたと判断された場合には、タイマTA8のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SC14)。ここで、タイマTA8とは、満タンの検出状態の継続時間を計時するタイマであり、満タンフラグ1をセットさせるか否かの判断のために用いられる。
【0153】
次に、タイマTA8のタイマ値が、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて余剰玉受皿4が確実に満タン状態になっていると判断できる所定値になったか否かが判断される(SC15)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズにより満タン状態の誤検出がなされないように、ノイズが混入した場合に生じ得ないと考えられる検出継続時間および玉の流下状態により瞬間的に検出状態になる場合を除外するための検出継続時間(たとえば0.2s)に設定されている。タイマT8のタイマ値が、まだ所定値になっていないと判断された場合は、この玉貸し可能判定処理が終了する。一方、タイマTA8のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、余剰玉受皿4が満タン状態になったものとみなし、満タンフラグ1をセットする処理がなされる(SC16)。SC16の後、SC6に進み、玉貸し禁止フラグをオン状態(セット状態)にした後、SC7において玉貸し禁止コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にし、この玉貸し可能判定処理が終了する。
【0154】
ここで、玉貸し禁止フラグとは、玉貸しが禁止されている状態を示す場合にセットされるフラグである。また、玉貸し禁止コマンド出力フラグとは、賞球コマンドとして玉貸し禁止コマンドを出力させる場合にセットされるフラグである。
【0155】
また、前述したSC8により玉貸し禁止フラグがオン状態になっていると判断されてSC9に進んだ場合は、玉貸し可能判定タイマのタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SC9)。ここで、玉貸し可能判定タイマとは、玉切れスイッチ187による玉切れ検出に基づいて玉貸し禁止状態になった後、玉切れスイッチ187が玉切れの非検出状態になった場合に、玉貸し禁止状態を自動的に解除するタイミングを判断するために用いられるタイマである。つまり、玉切れスイッチ187が玉切れの検出状態から玉切れの非検出状態になった場合に、ある程度の時間にわたって非検出状態が続いたことを条件として玉切れ状態が復旧したと判断すれば、ノイズ等による復旧の誤判断を防ぎ、玉切れ状態の復旧を確実に判断することができる。
【0156】
次に、玉貸し可能判定タイマのタイマ値が、確実に玉切れ状態が復旧できたと判断できる所定値(たとえば、2000mS)になったか否かが判断される(SC10)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズを排除可能な時間に相当する値に設定されている。これにより、ノイズ等による復旧の誤判断を防ぎ、玉切れ状態の復旧を確実に判断することができる。
【0157】
玉貸し可能判定タイマのタイマ値がまだ所定値になっていないと判断された場合は、この玉貸し可能判定処理が終了する。一方、玉貸し可能判定タイマのタイマ値が所定値になったと判断された場合は、玉貸し禁止フラグをオフ状態にする処理がなされる(SC11)。これにより、玉貸し禁止状態である旨が示されないようになる。玉貸し可能判定タイマのタイマ値は、SC10において玉貸し可能判定タイマのタイマ値が所定値になったと判断された場合に、クリアされる。そして、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にする処理(SC12)がなされた後、この玉貸し可能判定処理が終了する。ここで、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグとは、玉貸し禁止解除コマンドを賞球コマンドとして出力させる場合にセットされるフラグである。このように、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグがセットされることにより、玉貸し禁止解除コマンドが賞球玉貸基板37に送られる。
【0158】
また、前述したSC2により貸玉有りの検出がなかったと判断されてSC3に進んだ場合は、タイマTA7のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる。ここで、タイマTA7とは、貸玉が玉払出装置97への供給通路を流れることにより生じる玉切れスイッチ187のオフ状態が誤って玉切れとみなされないようにするために玉切れスイッチ187の検出有効期間を規定するのに用いられるタイマである。
【0159】
次に、タイマTA7のタイマ値が、玉切れスイッチ187の検出有効期間に該当する所定値になっているか否かが判断される(SC4)。この場合の所定値は、玉払出装置97に供給されるパチンコ玉の移動に起因して生じる玉切れスイッチ187のオンオフ状態のオフ期間に相当する値よりも長い値に設定されている。つまり、パチンコ玉が玉払出装置97への供給通路を流れている場合には、パチンコ玉が停滞している場合と異なり、パチンコ玉の通過にともなって玉切れスイッチ187がオンオフを繰返す。ところが、極めて短いタイミングにおいて玉切れスイッチ187がオン状態になっている場合を玉切れ検出状態とみなしてしまえば、パチンコ玉の通過にともなうオンオフ状態中における短時間のオフ状態が玉切れ状態として誤検出されるおそれがある。このような誤検出を防ぐために、パチンコ玉の通過にともなって生じるオンオフ状態中のオン状態の期間よりも長い期間待って玉切れスイッチ187がオンしている場合にのみ、玉切れ状態であると判断するのである。
【0160】
タイマTA7のタイマ値が、所定値になっていないと判断された場合は、この玉貸し可能判定処理が終了する。一方、タイマTA7のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、玉貸し禁止フラグをオン状態(セット状態)であるか否かが判断される(SC5)。玉貸し禁止フラグがオン状態であると判断された場合は、すでに玉貸し禁止状態になっているため、この玉貸し可能判定処理が終了する。一方、玉貸し禁止フラグがオン状態ではないと判断された場合は、玉貸し禁止フラグをオン状態にする処理がなされる(SC6)。これにより、玉貸し禁止状態であることが示される。そして、玉貸し禁止コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にし(SC7)、この玉貸し可能判定処理が終了する。
【0161】
SC1において満タンフラグ1がセットされていると判断されてSC17に進んだ場合は、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて、余剰玉受皿4の満タン状態が検出されたか否かが判断される。満タン状態が検出されていると判断された場合には、そのままこの玉貸し可能判定処理が終了する。一方、満タン状態が検出されていないと判断された場合には、タイマTA15のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SC18)。ここで、タイマTA15とは、非満タンの検出状態の継続時間を計時するタイマであり、満タンフラグ1をリセットさせるか否かの判断のために用いられる。
【0162】
次に、タイマTA15のタイマ値が、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて余剰玉受皿4が確実に非満タン状態になっていると判断できる所定値になったか否かが判断される(SC19)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズにより非満タン状態の誤判断がなされないように、ノイズが混入した場合に生じ得ないと考えられる検出継続時間(たとえば0.2s)に設定されている。タイマTA15のタイマ値が、まだ所定値になっていないと判断された場合は、この玉貸し可能判定処理が終了する。一方、タイマTA15のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、余剰玉受皿4が満タン状態ではなくなったものとみなし、満タンフラグ1をリセットする処理がなされる(SC20)。タイマTA15のタイマ値が所定値になったと判断された場合は、SC20においてタイマTA15のタイマ値がクリアされる。
【0163】
満タンフラグ1をリセットする処理がなされた後は、玉貸し禁止フラグをオフ状態にする処理がなされ(SC11)、その後、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にする処理(SC12)がなされる。その後、この玉貸し可能判定処理が終了する。このように、満タン状態でなくなった場合には、玉貸し禁止フラグがオフ状態にされることにより、玉貸し可能な状態であることが示され、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグがセットされることにより、玉貸し禁止解除コマンドが賞球玉貸基板37に送られる。
【0164】
以上に説明したように、玉払出装置97における玉切れ状態が検出された場合および余剰玉受皿4が満タン状態になった場合のそれぞれの場合には、玉貸しが禁止される。そして、そのような玉切れ状態および満タン状態がそれぞれ復旧した場合には、それぞれに応じて玉貸し禁止が解除される。玉貸し禁止状態の解除が係員の操作によらず自動的に行なわれるため、玉貸し禁止状態の解除についての係員の手間を省くことができる。
【0165】
また、玉切れスイッチ187による払出し可能な貸玉の有無の検出に基づいて、玉払出装置97から貸玉を払出せない状態である旨の判定を行なうことが可能であり、貸玉を払出せない状態である旨の判定が行なわれた場合に貸玉の払出しを禁止(停止)させる旨を特定可能な玉貸し禁止コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370へ出力させて玉払出装置97による貸玉の払出しを停止させることが可能であるため、CPU56において玉切れの面から玉払出装置97の状況を管理することが可能になる。
【0166】
また、満タンスイッチ48による満タン検出に基づいて、玉払出装置97から貸玉を払出せない状態である旨の判定を行なうことが可能であり、貸玉を払出せない状態である旨の判定が行なわれた場合に貸玉の払出しを禁止(停止)させる旨を特定可能な玉貸し禁止コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370へ出力させて玉払出装置97による貸玉の払出しを停止させることが可能であるため、CPU56において余剰玉受皿4の満タンの面から玉払出装置97の状況を管理することが可能になる。
【0167】
図17は、発射可能判定処理を説明するためのフローチャートである。この発射可能判定処理は、図13に示された入賞球信号処理のSA2により実行される処理である。
【0168】
まず、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて、余剰玉受皿4の満タン状態が検出されたか否かが判断される(SP1)。満タン状態が検出されていないと判断された場合には、後述するSP7に進む。一方、満タン状態が検出されたと判断された場合には、発射禁止フラグがオン状態(セット状態)であるか否かが判断される(SP2)。ここで、発射禁止フラグとは、打玉の発射が禁止された状態であることを示すためのフラグであり、後述するSP5によりオン状態にされ、後述するSP10によりオフ状態(リセット状態)にされる。
【0169】
SP2により発射禁止フラグがオン状態であると判断された場合には、この発射可能判定処理が終了する。一方、SP2により発射禁止フラグがオン状態ではないと判断された場合には、タイマTA3のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SP3)。ここで、タイマTA3とは、満タンの検出状態の継続時間を計時するタイマであり、発射禁止フラグをオン状態にさせるか否かの判断のために用いられる。
【0170】
次に、タイマTA3のタイマ値が、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて余剰玉受皿4が確実に満タン状態になっていると判断できる所定値になったか否かが判断される(SP4)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズにより満タン状態の誤検出がなされないように、ノイズが混入した場合に生じ得ないと考えられる検出継続時間(たとえば0.2s)に設定されている。タイマTA3のタイマ値が、まだ所定値になっていないと判断された場合は、この発射可能判定処理が終了する。一方、タイマTA3のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、余剰玉受皿4が満タン状態になったものとみなし、発射禁止フラグをオン状態にする処理がなされる(SP5)。そして、発射禁止コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にし(SP6)、この発射可能判定処理が終了する。このように発射禁止コマンド出力フラグがオン状態にされた場合には、賞球コマンドとして発射禁止コマンドが出力される。
【0171】
また、前述したSP1により満タン状態が検出されていないと判断されてSP7に進んだ場合は、発射禁止フラグがオン状態(セット状態)であるか否かが判断される(SP7)。SP7により発射禁止フラグがオン状態ではないと判断された場合には、この発射可能判定処理が終了する。一方、SP7により発射禁止フラグがオン状態であると判断された場合には、タイマT2のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SP8)。ここで、タイマT2とは、非満タンの検出状態の継続時間を計時するタイマであり、発射禁止フラグをオフ状態にさせるか否かの判断のために用いられる。
【0172】
次に、タイマTA2のタイマ値が、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて余剰玉受皿4が確実に非満タン状態になっていると判断できる所定値になったか否かが判断される(SP9)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズにより非満タン状態の誤判断がなされないように、ノイズが混入した場合に生じ得ないと考えられる検出継続時間(たとえば0.2s)に設定されている。タイマTA2のタイマ値が、まだ所定値になっていないと判断された場合は、この発射可能判定処理が終了する。一方、タイマTA2のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、余剰玉受皿4が満タン状態ではなくなったものとみなし、発射禁止フラグをオフ状態(リセット状態)にする処理がなされる(SP10)。そして、発射禁止解除コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にし(SP11)、この発射可能判定処理が終了する。このように発射禁止解除コマンド出力フラグがオン状態にされた場合には、賞球コマンドとして発射禁止解除コマンドが出力される。
【0173】
以上に説明したように、余剰玉受皿4が満タン状態になった場合には、打玉の発射が禁止される。そして、そのような満タン状態が復旧した場合には、発射禁止が解除される。発射禁止状態の解除が係員の操作によらず自動的に行なわれるため、発射禁止状態の解除についての係員の手間を省くことができる。
【0174】
図18は、前述した入賞球信号処理のSA10により実行される賞球可能判定処理を説明するためのフローチャートである。賞球可能判定処理においては、まず、満タンフラグ2がセットされているか否かが判断される(SD1)。満タンフラグ2は、玉払出装置97により払出せる賞球が存在する状態で余剰玉受皿4が満タンになった場合にセットされるフラグであり、賞球時用の満タンフラグである。
【0175】
満タンフラグ2がセットされていると判断された場合は、後述するSD17に進む。一方、満タンフラグ2がセットされていないと判断された場合は、玉切れスイッチ187により賞球有りの検出(払出せる賞球が存在していることの検出)があったか否かが判断される(SD2)。賞球有りの検出がなかったと判断された場合は、後述するSD3に進む。一方、賞球有りの検出があったと判断された場合は、賞球禁止フラグがオン状態(セット状態)になっているか否かが判断される(SD8)。ここで、賞球禁止フラグとは、賞球の払出しが禁止状態にあることを示すためのフラグである。賞球禁止フラグがオン状態になっていると判断された場合は、後述するSD9に進む。一方、賞球禁止フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、SD13に進み、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて、余剰玉受皿4の満タン状態が検出されたか否かが判断される。
【0176】
満タン状態が検出されていないと判断された場合には、そのままこの賞球可能判定処理が終了する。一方、満タン状態が検出されたと判断された場合には、タイマT5のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SD14)。ここで、タイマT5とは、満タンの検出状態の継続時間を計時するタイマであり、満タンフラグ1をセットさせるか否かの判断のために用いられる。
【0177】
次に、タイマTA5のタイマ値が、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて余剰玉受皿4が確実に満タン状態になっていると判断できる所定値になったか否かが判断される(SD15)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズにより満タン状態の誤検出がなされないように、ノイズが混入した場合に生じ得ないと考えられる検出継続時間および玉の流下状態により瞬間的に検出状態になる場合を除外するための検出継続時間(たとえば0.2s)に設定されている。タイマTA5のタイマ値が、まだ所定値になっていないと判断された場合は、この玉貸し可能判定処理が終了する。一方、タイマTA5のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、余剰玉受皿4が満タン状態になったものとみなし、満タンフラグ2をセットする処理がなされる(SD16)。タイマTA5のタイマ値が所定値になったと判断された場合は、SD16においてタイマTA5のタイマ値がクリアされる。その後、後述するSD6に進み、賞球禁止フラグをオン状態(セット状態)にした後、SD12において賞球禁止コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にし、この賞球可能判定処理が終了する。
【0178】
ここで、賞球禁止フラグとは、賞球の払出しが禁止されている状態を示す場合にセットされるフラグである。また、賞球禁止コマンド出力フラグとは、賞球コマンドとして賞球禁止コマンドを出力させる場合にセットされるフラグである。
【0179】
また、前述したSD8により賞球禁止フラグがオン状態になっていると判断されてSD9に進んだ場合は、賞球可能判定タイマのタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SD9)。ここで、賞球可能判定タイマとは、玉切れスイッチ187による玉切れ検出に基づいて賞球禁止状態になった後、玉切れスイッチ187が玉切れの非検出状態になった場合に、賞球禁止状態を自動的に解除するタイミングを判断するために用いられるタイマである。つまり、玉切れスイッチ187が玉切れの検出状態から玉切れの非検出状態になった場合に、ある程度の時間にわたって非検出状態が続いたことを条件として玉切れ状態が復旧したと判断すれば、ノイズ等による復旧の誤判断を防ぎ、玉切れ状態の復旧を確実に判断することができる。
【0180】
次に、賞球可能判定タイマのタイマ値が、確実に玉切れ状態が復旧できたと判断できる所定値(たとえば、2200mS)になったか否かが判断される(SD10)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズを排除可能な時間に相当する値に設定されている。これにより、ノイズ等による復旧の誤判断を防ぎ、玉切れ状態の復旧を確実に判断することができる。
【0181】
賞球可能判定タイマのタイマ値がまだ所定値になっていないと判断された場合は、この賞球可能判定処理が終了する。一方、賞球可能判定タイマのタイマ値が所定値になったと判断された場合は、賞球禁止フラグをオフ状態にする処理がなされる(SD11)。これにより、賞球払出し禁止状態である旨が示されないようになる。賞球可能判定タイマのタイマ値は、SD10において賞球可能判定タイマのタイマ値が所定値になったと判断された場合に、クリアされる。そして、賞球禁止解除コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にする処理(SD12)がなされた後、この賞球可能判定処理が終了する。ここで、賞球禁止解除コマンド出力フラグとは、賞球禁止解除コマンドを賞球コマンドとして出力させる場合にセットされるフラグである。このように、賞球禁止解除コマンド出力フラグがセットされることにより、賞球禁止解除コマンドが賞球玉貸基板37に送られる。
【0182】
また、前述したSD2により賞球有りの検出がなかったと判断されてSD3に進んだ場合は、タイマTA4のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる。ここで、タイマTA4とは、パチンコ玉が玉払出装置97への供給通路を流れることにより生じる玉切れスイッチ187のオフ状態が誤って玉切れとみなされないようにするために玉切れスイッチ187の検出有効期間を規定するのに用いられるタイマである。
【0183】
次に、タイマTA4のタイマ値が、玉切れスイッチ187の検出有効期間に該当する所定値になっているか否かが判断される(SD4)。この場合の所定値は、玉払出装置97に供給されるパチンコ玉の移動に起因して生じる玉切れスイッチ187のオンオフ状態のオン期間に相当する値よりも長い値に設定されている。つまり、パチンコ玉が玉払出装置97への供給通路を流れている場合には、パチンコ玉が停滞している場合と異なり、パチンコ玉の通過にともなって玉切れスイッチ187がオンオフを繰返す。ところが、極めて短いタイミングにおいて玉切れスイッチ187がオン状態になっている場合を玉切れ検出状態とみなしてしまえば、パチンコ玉の通過にともなうオンオフ状態中における短時間のオフ状態が玉切れ状態として誤検出されるおそれがある。このような誤検出を防ぐために、パチンコ玉の通過にともなって生じるオンオフ状態中のオフ状態の期間よりも長い期間待って玉切れスイッチ187がオンしている場合にのみ、玉切れ状態であると判断するのである。
【0184】
タイマTA4のタイマ値が、所定値になっていないと判断された場合は、この賞球可能判定処理が終了する。一方、タイマTA4のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、賞球禁止フラグをオン状態(セット状態)であるか否かが判断される(SD5)。賞球禁止フラグがオン状態であると判断された場合は、すでに賞球禁止状態になっているため、この賞球可能判定処理が終了する。一方、賞球禁止フラグがオン状態ではないと判断された場合は、賞球禁止フラグをオン状態にする処理がなされる(SD6)。これにより、賞球禁止状態であることが示される。そして、賞球禁止コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にし(SD7)、この賞球可能判定処理が終了する。
【0185】
SD1において満タンフラグ2がセットされていると判断されてSD17に進んだ場合は、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて、余剰玉受皿4の満タン状態が検出されたか否かが判断される。満タン状態が検出されていると判断された場合には、そのままこの賞球可能判定処理が終了する。一方、満タン状態が検出されていないと判断された場合には、タイマTA16のタイマ値を「1」だけ加算更新させる処理がなされる(SD18)。ここで、タイマTA16とは、非満タンの検出状態の継続時間を計時するタイマであり、満タンフラグ2をリセットさせるか否かの判断のために用いられる。
【0186】
次に、タイマTA16のタイマ値が、満タンスイッチ48からの検出信号に基づいて余剰玉受皿4が確実に非満タン状態になっていると判断できる所定値になったか否かが判断される(SD19)。この場合の判断に用いられる所定値は、ノイズにより非満タン状態の誤判断がなされないように、ノイズが混入した場合に生じ得ないと考えられる検出継続時間(たとえば0.2s)に設定されている。タイマTA16のタイマ値が、まだ所定値になっていないと判断された場合は、この賞球可能判定処理が終了する。一方、タイマTA16のタイマ値が、所定値になったと判断された場合は、余剰玉受皿4が満タン状態ではなくなったものとみなし、満タンフラグ2をリセットする処理がなされる(SD20)。タイマTA16のタイマ値が所定値になったと判断された場合は、SD20においてタイマTA16のタイマ値がクリアされる。
【0187】
満タンフラグ2をリセットする処理がなされた後は、賞球禁止フラグをオフ状態にする処理がなされ(SD11)、その後、賞球禁止解除コマンド出力フラグをオン状態(セット状態)にする処理(SD12)がなされる。その後、この賞球可能判定処理が終了する。このように、満タン状態でなくなった場合には、賞球禁止フラグがオフ状態にされることにより、賞球の払出しが可能な状態であることが示され、賞球禁止解除コマンド出力フラグがセットされることにより、賞球禁止解除コマンドが賞球玉貸基板37に送られる。
【0188】
以上に説明したように、玉払出装置97における玉切れ状態が検出された場合および余剰玉受皿4が満タン状態になった場合のそれぞれの場合には、賞球が禁止される。そして、そのような玉切れ状態および満タン状態がそれぞれ復旧した場合には、それぞれに応じて賞球禁止が解除される。賞球禁止状態の解除が係員の操作によらず自動的に行なわれるため、賞球禁止状態の解除についての係員の手間を省くことができる。
【0189】
また、玉切れスイッチ187による払出し可能な賞球の有無の検出に基づいて、玉払出装置97から貸玉を払出せない状態である旨の判定を行なうことが可能であり、賞球を払出せない状態である旨の判定が行なわれた場合に賞球の払出しを禁止(停止)させる旨を特定可能な賞球禁止コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370へ出力させて玉払出装置97による賞球の払出しを停止させることが可能であるため、CPU56において玉切れの面から玉払出装置97の状況を管理することが可能になる。
【0190】
また、満タンスイッチ48による満タン検出に基づいて、玉払出装置97から貸玉を払出せない状態である旨の判定を行なうことが可能であり、賞球を払出せない状態である旨の判定が行なわれた場合に賞球の払出しを禁止(停止)させる旨を特定可能な賞球禁止コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370へ出力させて玉払出装置97による賞球の払出しを停止させることが可能であるため、CPU56において余剰玉受皿4の満タンの面から玉払出装置97の状況を管理することが可能になる。
【0191】
図19〜図22は、賞球コマンド出力処理を説明するためのフローチャートである。この賞球コマンド出力処理は、図10に示した割り込み処理のS15により実行される処理である。
【0192】
図19を参照して、賞球コマンド出力処理においては、まず、玉貸し禁止コマンド出力フラグがオン状態になっているか否かが判断される(SE1)。玉貸し禁止コマンド出力フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSE10による賞球禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。
【0193】
一方、玉貸し禁止コマンド出力フラグがオン状態になっていると判断された場合は、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっているか否かが判断される(SE2)。ここで、コマンドインタバルタイマとは、賞球コマンドのインタバルの最短期間を規定するために用いられるタイマである。
【0194】
コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっていないと判断された場合は、後述するSE10による賞球禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。一方、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になったと判断された場合は、コマンドタイマがタイムアップしたか否かが判断される(SE3)。ここで、コマンドタイマとは、賞球コマンドの出力期間を規定するために用いられるタイマである。このコマンドタイマは、所定値(4mS)に相当するタイマ値になった場合にタイムアップする。
【0195】
コマンドタイマがタイムアップしていないと判断された場合は、玉貸し禁止コマンドの出力データをセットする処理がなされる(SE7)。これにより、玉貸し禁止コマンドが賞球コマンドとして遊技制御基板31から出力される。次に、コマンドインタバルタイマをリセットする処理がなされる(SE8)。これにより、タイムアップしたコマンドインタバルタイマが初期化される。次に、コマンドタイマのタイマ値を「1」だけ加算更新する処理(SE9)がなされた後、SE10に進む。これにより、コマンドインタバルタイマのタイムアップ後には、コマンドタイマによって賞球コマンド出力期間の計時が行なわれることとなる。
【0196】
一方、コマンドタイマがタイムアップしたと判断された場合は、玉貸し禁止コマンド出力フラグをオフ状態にする処理がなされる(SE4)。これにより、既に出力されていた玉貸し禁止コマンドの出力が要求されない状態となる。そして、コマンドタイマをリセットする処理がなされる(SE5)。これにより、タイムアップしたコマンドタイマが初期化される。次に、コマンドインタバルタイマの計時をスタートさせる処理(SE6)がなされた後、SE10に進む。これにより、コマンドタイマのタイムアップ後には、コマンドインタバルタイマによってインタバル期間の計時が行なわれることとなる。
【0197】
次に、SE10では、賞球禁止コマンド出力フラグがオン状態になっているか否かが判断される。賞球禁止コマンド出力フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSF1による発射禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。
【0198】
一方、賞球禁止コマンド出力フラグがオン状態になっていると判断された場合は、前述したコマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっているか否かが判断される(SE11)。
【0199】
コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっていないと判断された場合は、後述するSF1による発射禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。一方、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になったと判断された場合は、前述したコマンドタイマがタイムアップしたか否かが判断される(SE12)。
【0200】
コマンドタイマがタイムアップしていないと判断された場合は、賞球禁止コマンドの出力データをセットする処理がなされる(SE16)。これにより、賞球禁止コマンドが賞球コマンドとして遊技制御基板31から出力される。次に、前述したコマンドインタバルタイマをリセットする処理がなされる(SE17)。これにより、タイムアップしたコマンドインタバルタイマが初期化される。次に、前述したコマンドタイマのタイマ値を「1」だけ加算更新する処理(SE18)がなされた後、SF1に進む。これにより、コマンドインタバルタイマのタイムアップ後には、コマンドタイマによって賞球コマンド出力期間の計時が行なわれることとなる。
【0201】
一方、コマンドタイマがタイムアップしたと判断された場合は、賞球禁止コマンド出力フラグをオフ状態にする処理がなされる(SE13)。これにより、既に出力されていた賞球禁止コマンドの出力が要求されない状態となる。そして、コマンドタイマをリセットする処理がなされる(SE14)。これにより、タイムアップしたコマンドタイマが初期化される。次に、コマンドインタバルタイマの計時をスタートさせる処理(SE15)がなされた後、SF1に進む。これにより、コマンドタイマのタイムアップ後には、コマンドインタバルタイマによってインタバル期間の計時が行なわれることとなる。
【0202】
次に、図20を参照して、SF1では、発射禁止コマンド出力フラグがオン状態になっているか否かが判断される。発射禁止コマンド出力フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSF10による玉貸し禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。
【0203】
一方、発射禁止コマンド出力フラグがオン状態になっていると判断された場合は、前述したコマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっているか否かが判断される(SF1)。
【0204】
コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっていないと判断された場合は、後述するSF10による玉貸し禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。一方、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になったと判断された場合は、前述したコマンドタイマがタイムアップしたか否かが判断される(SF3)。
【0205】
コマンドタイマがタイムアップしていないと判断された場合は、発射禁止コマンドの出力データをセットする処理がなされる(SF7)。これにより、発射禁止コマンドが賞球コマンドとして遊技制御基板31から出力される。次に、前述したコマンドインタバルタイマをリセットする処理がなされる(SF8)。これにより、タイムアップしたコマンドインタバルタイマが初期化される。次に、前述したコマンドタイマのタイマ値を「1」だけ加算更新する処理(SF9)がなされた後、SF1に進む。これにより、コマンドインタバルタイマのタイムアップ後には、コマンドタイマによって賞球コマンド出力期間の計時が行なわれることとなる。
【0206】
一方、コマンドタイマがタイムアップしたと判断された場合は、発射禁止コマンド出力フラグをオフ状態にする処理がなされる(SF4)。これにより、既に出力されていた発射禁止コマンドの出力が要求されない状態となる。そして、コマンドタイマをリセットする処理がなされる(SF5)。これにより、タイムアップしたコマンドタイマが初期化される。次に、コマンドインタバルタイマの計時をスタートさせる処理(SF6)がなされた後、SF10に進む。これにより、コマンドタイマのタイムアップ後には、コマンドインタバルタイマによってインタバル期間の計時が行なわれることとなる。
【0207】
次に、SF10では、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっているか否かが判断される。玉貸し禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSF1による発射禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。
【0208】
一方、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっていると判断された場合は、前述したコマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっているか否かが判断される(SF11)。
【0209】
コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっていないと判断された場合は、後述するSG1による賞球禁止解除コマンド出力フラグのチェックに進む。一方、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になったと判断された場合は、前述したコマンドタイマがタイムアップしたか否かが判断される(SF12)。
【0210】
コマンドタイマがタイムアップしていないと判断された場合は、玉貸し禁止解除コマンドの出力データをセットする処理がなされる(SF16)。これにより、玉貸し禁止解除コマンドが賞球コマンドとして遊技制御基板31から出力される。次に、前述したコマンドインタバルタイマをリセットする処理がなされる(SF17)。これにより、タイムアップしたコマンドインタバルタイマが初期化される。次に、前述したコマンドタイマのタイマ値を「1」だけ加算更新する処理(SF18)がなされた後、SG1に進む。これにより、コマンドインタバルタイマのタイムアップ後には、コマンドタイマによって賞球コマンド出力期間の計時が行なわれることとなる。
【0211】
一方、コマンドタイマがタイムアップしたと判断された場合は、玉貸し禁止解除コマンド出力フラグをオフ状態にする処理がなされる(SF13)。これにより、既に出力されていた玉貸し禁止解除コマンドの出力が要求されない状態となる。そして、コマンドタイマをリセットする処理がなされる(SF14)。これにより、タイムアップしたコマンドタイマが初期化される。次に、コマンドインタバルタイマの計時をスタートさせる処理(SF15)がなされた後、SG1に進む。これにより、コマンドタイマのタイムアップ後には、コマンドインタバルタイマによってインタバル期間の計時が行なわれることとなる。
【0212】
次に、図21を参照して、SG1では、賞球禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっているか否かが判断される。賞球禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSG10による発射禁止解除コマンド出力フラグのチェックに進む。
【0213】
一方、賞球禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっていると判断された場合は、前述したコマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっているか否かが判断される(SG2)。
【0214】
コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっていないと判断された場合は、後述するSG10による玉貸し禁止コマンド出力フラグのチェックに進む。一方、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になったと判断された場合は、前述したコマンドタイマがタイムアップしたか否かが判断される(SG3)。
【0215】
コマンドタイマがタイムアップしていないと判断された場合は、賞球禁止解除コマンドの出力データをセットする処理がなされる(SG7)。これにより、賞球禁止解除コマンドが賞球コマンドとして遊技制御基板31から出力される。次に、前述したコマンドインタバルタイマをリセットする処理がなされる(SG8)。これにより、タイムアップしたコマンドインタバルタイマが初期化される。次に、前述したコマンドタイマのタイマ値を「1」だけ加算更新する処理(SG9)がなされた後、SG10に進む。これにより、コマンドインタバルタイマのタイムアップ後には、コマンドタイマによって賞球コマンド出力期間の計時が行なわれることとなる。
【0216】
一方、コマンドタイマがタイムアップしたと判断された場合は、賞球禁止解除コマンド出力フラグをオフ状態にする処理がなされる(SG4)。これにより、既に出力されていた賞球禁止解除コマンドの出力が要求されない状態となる。そして、コマンドタイマをリセットする処理がなされる(SG5)。これにより、タイムアップしたコマンドタイマが初期化される。次に、コマンドインタバルタイマの計時をスタートさせる処理(SG6)がなされた後、SG10に進む。これにより、コマンドタイマのタイムアップ後には、コマンドインタバルタイマによってインタバル期間の計時が行なわれることとなる。
【0217】
次に、SG10では、発射禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっているか否かが判断される。発射禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、後述するSH1による賞球個数コマンド出力フラグのチェックに進む。
【0218】
一方、発射禁止解除コマンド出力フラグがオン状態になっていると判断された場合は、前述したコマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっているか否かが判断される(SG11)。
【0219】
コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっていないと判断された場合は、後述するSH1による賞球個数コマンド出力フラグのチェックに進む。一方、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になったと判断された場合は、前述したコマンドタイマがタイムアップしたか否かが判断される(SG12)。
【0220】
コマンドタイマがタイムアップしていないと判断された場合は、発射禁止解除コマンドの出力データをセットする処理がなされる(SG16)。これにより、発射禁止解除コマンドが賞球コマンドとして遊技制御基板31から出力される。次に、前述したコマンドインタバルタイマをリセットする処理がなされる(SG17)。これにより、タイムアップしたコマンドインタバルタイマが初期化される。次に、前述したコマンドタイマのタイマ値を「1」だけ加算更新する処理(SG18)がなされた後、SG1に進む。これにより、コマンドインタバルタイマのタイムアップ後には、コマンドタイマによって賞球コマンド出力期間の計時が行なわれることとなる。
【0221】
一方、コマンドタイマがタイムアップしたと判断された場合は、発射禁止解除コマンド出力フラグをオフ状態にする処理がなされる(SG13)。これにより、既に出力されていた発射禁止解除コマンドの出力が要求されない状態となる。そして、コマンドタイマをリセットする処理がなされる(SG14)。これにより、タイムアップしたコマンドタイマが初期化される。次に、コマンドインタバルタイマの計時をスタートさせる処理(SG15)がなされた後、SG1に進む。これにより、コマンドタイマのタイムアップ後には、コマンドインタバルタイマによってインタバル期間の計時が行なわれることとなる。
【0222】
次に、図22を参照して、SH1では、賞球個数コマンド出力フラグがオン状態になっているか否かが判断される。賞球個数コマンド出力フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、この賞球コマンド出力処理が終了する。
【0223】
一方、賞球個数コマンド出力フラグがオン状態になっていると判断された場合は、前述したコマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっているか否かが判断される(SH2)。
【0224】
コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になっていないと判断された場合は、この賞球コマンド出力処理が終了する。一方、コマンドインタバルタイマのタイマ値が4mS以上になったと判断された場合は、前述したコマンドタイマがタイムアップしたか否かが判断される(SH3)。
【0225】
コマンドタイマがタイムアップしていないと判断された場合は、賞球個数コマンドの出力データをセットする処理がなされる(SH7)。これにより、賞球個数コマンドが賞球コマンドとして遊技制御基板31から出力される。次に、前述したコマンドインタバルタイマをリセットする処理がなされる(SH8)。これにより、タイムアップしたコマンドインタバルタイマが初期化される。次に、前述したコマンドタイマのタイマ値を「1」だけ加算更新する処理(SH9)がなされた後、SH1に進む。これにより、コマンドインタバルタイマのタイムアップ後には、コマンドタイマによって賞球コマンド出力期間の計時が行なわれることとなる。
【0226】
一方、コマンドタイマがタイムアップしたと判断された場合は、賞球個数コマンド出力フラグをオフ状態にする処理がなされる(SH4)。これにより、既に出力されていた賞球個数コマンドの出力が要求されない状態となる。そして、コマンドタイマをリセットする処理がなされる(SH5)。これにより、タイムアップしたコマンドタイマが初期化される。次に、コマンドインタバルタイマの計時をスタートさせる処理(SH6)がなされた後、この賞球コマンド出力処理が終了する。これにより、コマンドタイマのタイムアップ後には、コマンドインタバルタイマによってインタバル期間の計時が行なわれることとなる。
【0227】
以上に示した賞球コマンド出力処理によれば、賞球コマンドの出力期間および非出力期間がタイマにより時間管理される。そして、賞球コマンドには、玉貸禁止コマンド、賞球禁止コマンド、発射禁止コマンド、玉貸禁止解除コマンド、賞球禁止解除、発射禁止コマンド、賞球個数コマンドの順に優先度(優先順位)が予め定められており、優先度が高い方から順に各賞球コマンドの出力のための処理が実行されるために、前述したようにCPU56の処理負担を軽減することができる。さらに、優先度が高い方から順に各賞球コマンドの出力のための処理が実行されるために、前述したように払出制御用マイクロコンピュータ370の処理負担をも軽減することができる。さらに、賞球コマンドの出力処理について優先順位が定められているため、払出中止等のパチンコ遊技機1の制御にとって重要なコマンドをできる限り早く出力することが可能になる。
【0228】
さらに、賞球の払出条件が成立した場合には、賞球禁止コマンドにしたがって賞球の払出しが停止されている状態であっても、賞球の払出個数を特定可能な賞球個数コマンドが出力される。後述するように、その賞球個数コマンドにより指定される賞球個数は、払出制御用マイクロコンピュータ370側において累積的に記憶され、その記憶情報が玉払出装置97による賞球を払出す制御に用いられるため、賞球払出制御の状態を監視することなく、賞球払出条件の成立に応じて賞球個数コマンドを即座に次々と出力することができる。このように、賞球払出制御状態の監視が不要になり、賞球個数コマンドの出力待ちのための記憶を基本回路53側で行なう必要がないので、賞球の払出しに関する基本回路53の処理負担を軽減することができる。
【0229】
また、1回のコマンド出力期間が終了するとコマンド出力用のフラグがリセット(オフ)されることにより、賞球コマンドは1回のコマンド出力期間のみ出力される。つまり、指令情報は、賞球コマンド(指令)の出力条件が発生するごとに予め定められた出力継続期間にわたって一度のみ出力させるだけで済む。後述するように、払出制御用マイクロコンピュータ370側では、1度賞球コマンドを受け取れば、その賞球コマンドの内容を記憶するので、賞球コマンドは1回受け取れば制御に支障が生じない。このように、賞球コマンドは1回のコマンド出力期間のみ出力するだけ済むので、CPU56が同じ内容の賞球コマンドを繰返し出力させる処理を行なう必要がなくなる。このため、賞球コマンドの出力に関する処理回数を低減することが可能になるため、CPU56の処理負担を軽減することができる。
【0230】
図23は、エラー表示処理を説明するためのフローチャートである。このエラー表示処理は、入賞球信号処理のSB11により実行される処理である。
【0231】
エラー表示処理において、CPU56は、まず、タイマTA9が動作中であるかどうか確認する(S41)。動作中でなければ、エラー表示フラグをオンし(S42)、エラー表示要求をセットする(S43)。そして、タイマTA9を起動する(S44)。また、賞球エラーカウンタの値を+1する(S45)。賞球エラーカウンタの値は、S12でチェックされ、所定時間内にその値が所定値を超えると自動復旧しない完全エラー状態とされる。なお、エラー表示要求がセットされると、例えば、図10に示された表示制御データ設定処理(S4)および表示制御データ出力処理(S5)において、可変表示装置8にエラー表示がなされるように制御されたり、データ出力処理(S6)においてスピーカ27からエラー報知音が発生されるように制御されたりする。
【0232】
そして、遊技状態が通常状態であるならば(S46)、ホールト状態になる。通常状態とは、大当り遊技状態および可変表示部9に可変表示がなされている状態以外の状態である。なお、ホールト状態は、定期リセット信号によっても解除されない遊技制御停止状態であり、遊技機の電源がオフされ、電源再投入によって解除される。
【0233】
S41においてタイマTA9が動作中である場合には、CPU56は、タイマT9がタイムアウトしているか否か確認する(S47)。タイムアウトした場合には、エラー表示要求をリセットするとともに(S48)、エラー表示中フラグをオフする(S49)。また、賞球払出中フラグをオフする(S50)。よって、遊技機は、再度入賞球検出と賞球払出制御を行なえる状態に復帰する。なお、エラー表示フラグがオンしているときには、遊技進行は中断されている。
【0234】
以上のように、遊技制御基板31におけるCPU56が、実際の払出数が賞球予定数を超えたと判断したら、遊技制御が中断され、エラー報知がなされる。そして、タイマTA9がタイムアウトしたら正常遊技状態に復帰する。また、そのようなエラー状態の発生が所定期間内に所定回を超えた場合には、電源断によらなければ復帰しない完全エラー状態とされる。さらに、例えば大当たり中や確率変動中等の遊技者にとって有利な状態となっていない通常状態では、直ちに完全エラー状態とされる。
【0235】
図24ないし図27は、カードユニット50のマイクロコンピュータの動作を説明するためのフローチャートである。
【0236】
SX1により、貸玉額の設定読込が行なわれる。この「貸玉額設定読込」とは、カードユニット50の裏面側に設けられた貸玉額設定スイッチ(図示せず)により設定された貸玉額をカード処理機制御用のマイクロコンピュータに読込む処理である。
【0237】
次にSX2に進み処理機使用可表示器(カード利用可表示ランプ)151(図1参照)を点灯させて使用可能である旨の表示を行なう。次にSX3に進み、カードリーダライタ制御部からカード受付信号があったか否かの判断が行なわれ、無い場合にはSX4に進み、カードリーダライタ制御部からカード異常信号があったか否かの判断がなされ、無い場合には再びSX3に戻る。このループの巡回途中で、カードリーダライタが適正なカードを受付ければ、カードリーダライタ制御部からカード受付信号があった旨の判定が行なわれて、SX7に進む。
【0238】
一方、カードリーダライタ制御部からカード異常信号の出力があれば、SX4によりYESの判断がなされSX5に進み、カード異常原因がパチンコ遊技機1に設けられたカード残高表示器(図示せず)にコードで表示する制御が行なわれる。具体的には、挿入されたカードの読取不能、セキュリティエラー等の異常原因の種類を示すコードがカード残高表示器により表示される。そして、SX6に進み、処理機使用可表示器(カード利用可表示ランプ151)(図1参照)を点滅させる。この異常時の制御については後述の自己診断処理のフローチャートで詳細に説明する。なお、カードの記録データに異常がある場合はその異常カードを回収する指令信号をカードリーダライタ制御部(図示せず)に出力する。一方、SX7ではパチンコ遊技機1に設けられたカード挿入表示器(図示せず),玉貸可表示器(図示せず)を点灯させ、カード残高表示器により現時点でのカードの残高の表示を行なう処理がなされる。
【0239】
次にSX8に進み、玉貸操作があったか否かの判断がなされ、無い場合にはSX9に進み、返却操作があったか否かの判断が行なわれ、無い場合にはSX8に戻る。そして、遊技者がパチンコ遊技機1に設けられた返却ボタン(図示せず)を押圧操作すればSX10に進み、玉貸可表示器を消灯してSX26に進み以降の挿入カードの返却のための制御が行なわれる。一方、遊技者が玉貸ボタンを押圧操作すれば、SX11に進み、挿入カードの現在残高すなわちカード残高表示器に表示されている残高が貸玉額設定スイッチで設定された設定額以上であるか否かの判断が行なわれる。そして、現在残高が設定額以上であった場合にはSX12により貸玉額にその設定額をセットする処理が行なわれてSX14に進む。一方、現在残高が設定額未満であった場合にはSX13により貸玉額に現在残高をセットした後にSX14に進む。つまり、挿入カードの現在残高が設定額に満たない場合には、その設定額を貸玉額にセットしてその設定額分のパチンコ玉を払出すわけにはいかないため、挿入カードによって払出が可能な最高金額すなわち挿入カードの現在残高を貸玉額にセットする処理がなされるのである。
【0240】
次にSX14では、玉貸可表示器を消灯する処理がなされる。一旦玉貸操作がなされてそれに基づく玉貸動作が完了するまでは次の玉貸操作を受付けないようにしているために、後述するSX33により玉貸可表示器が点灯されるまでは玉貸可表示器を消灯して玉貸操作ができない旨を表示するのである。次にSX15に進み、払出制御用マイクロコンピュータに玉貸要求信号の出力を開始する制御がなされる。次にSX16に進み、タイマT1がセットされ、SX17に進み、払出制御用マイクロコンピュータから玉貸準備信号が入力されたか否かの判断がなされる。
【0241】
払出制御用マイクロコンピュータでは、SX15による玉貸要求信号を受けて、玉貸が可能な状態であれば玉貸のための準備制御を行なった後にSZ16によりカードユニット制御用のマイクロコンピュータに玉貸準備信号を出力する処理がなされる。カードユニット制御用のマイクロコンピュータがSX16によりセットされたタイマT1が終了する以前にこの玉貸準備信号を受信すれば、SX17によりYESの判断がなされ、SX20により玉貸指令信号を払出制御用マイクロコンピュータに出力した後、払出制御用マイクロコンピュータの玉貸が終了した旨の信号の送信を待機する処理がなされる。一方、T1が終了するまで払出制御用マイクロコンピュータから玉貸準備信号が入力されなかった場合にはSX19に進み、玉貸要求信号の出力を停止し、貸玉額をクリアする処理がなされてSX8に進む。
【0242】
なお、このT1は、たとえば10msec以上で10sec以下程度の時間である。
【0243】
一方、SX20により玉貸指令信号が出力された後に、SX21により、現在残高から単位額を減算し貸玉額から単位額を減算する処理がなされる。SX20による玉貸指令信号が払出制御用マイクロコンピュータに与えられた場合には、後述するようにパチンコ遊技機側で単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉(たとえば25個)が貸玉制御されるのであり、その貸出されるパチンコ玉に相当する金額である単位額を、挿入カードの現在残高から減算するとともにSX12,SX13でセットされた貸玉額からその単位額を減算するのである。次にSX22に進み、ユニットボックスを介してカード処理機用ターミナルボックスに単位額売上信号を出力する処理がなされる。
【0244】
このカード処理機用ターミナルボックスに送信されてきた単位額売上信号が玉貸カード集中管理コンピュータに出力され、玉貸カード集中管理コンピュータにより玉貸カードの使用データが集計される。なお、カード処理機用ターミナルボックスから玉貸カード集中管理コンピュータへの売上信号出力はリアルタイムで行なってもよいし、一定時間毎あるいは1日毎にまとめて行なってもよい。また、SX23によりホール用管理コンピュータに単位額売上信号を出力する処理がなされる。その結果、ホール用管理コンピュータは売上情報をカード処理機とパチンコ遊技機のどちらからでも取ることができ、また双方から情報を取るようにして売上情報を比較し、一致しない場合に異常を判定することにより、故障等をいち早く発見することができる。
【0245】
次にSX27に進み、タイマT3がセットされる。このタイマT3は、パチンコ遊技機側での貸玉の払出に要する時間を考慮してたとえば10sec程度に設定されている。このタイマT3が終了する以前において払出制御用マイクロコンピュータから玉貸完了信号の入力があった場合にはSX31に進むが、このタイマT3が終了したとしても玉貸完了信号の入力がなかった場合にはSX30に進み、処理機使用可表示器(カード利用可表示ランプ)151(図1参照)が消灯されてSX24に進む。そして、SX24以降の挿入カードの返却制御が行なわれる。つまり、払出制御用マイクロコンピュータから玉貸準備信号の入力があり払出制御用マイクロコンピュータにより玉貸制御が行なわれているはずであるにもかかわらず、T3が終了しても玉貸完了信号が払出制御用マイクロコンピュータから送信されてこないということは、パチンコ遊技機側の玉払出装置等に何らかの異常が発生したことが考えられるのであり、その場合には(パチンコ遊技機側の異常と判定して)挿入カードを遊技者に返却するのである。なお、カード残高表示器50にエラーコード表示をするようにしてもよい。
【0246】
一方、T3が終了する以前に払出制御用マイクロコンピュータから玉貸完了信号が入力されればSX31に進み、貸玉額=0であるか否かの判断がなされる。SX12,SX13によってセットされた貸玉額に相当するパチンコ玉のうちまだ払出されていない未払出分が残っている場合には貸玉額は「0」となっていないためにSX31によりNOの判断がなされてSX15に進み、払出制御用マイクロコンピュータに再度玉貸要求信号の出力がなされる。つまり、貸し玉額がたとえば500円で単位額が100円であれば玉貸し要求信号を5回出力するのである。一方、貸玉額分のパチンコ玉がすべて払出されている場合には貸玉額=0となっているためにSX32に進み、現在残高=0であるか否かの判断が行なわれる。そして、挿入カードの現在残高がまだ残っている場合にはSX33に進み、玉貸可表示器を点灯し、SX8に進み、再度の玉貸操作,返却操作の受付動作が行なわれる。一方、SX32により現在残高=0と判断された場合にはSX34に進み、カードリーダライタ制御部に残高0,カード書込排出指令信号を出力する処理がなされる。これによりカードリーダライタ制御部は、挿入カードのカード残高を「0」に更新した後にその挿入カードを遊技者側に返却する。
【0247】
次にSX35によりカード挿入表示器を点滅させ、SX36によりタイマT4がセットされる。このタイマT4は、カードリーダライタが挿入カードの残高を「0」に更新した後にその挿入カードを返却するのに十分な時間を考慮して設定されているものであり、このタイマT4が終了する以前にカードリーダライタ制御部からカード処理完了信号を受信しなかった場合にはSX39に進み、カードユニット異常をカード残高表示器50によりコードで表示する処理が行なわれるとともに処理機使用可表示器(カード利用可表示ランプ)151が点滅制御される。具体的には、たとえば挿入カードへの残高「0」の書込不能や書込んだデータの読取確認をした場合のエラー等をコードにより表示する。
【0248】
一方、タイマT4の終了する以前においてカードリーダライタ制御部からカード処理完了信号の入力があった場合にはSX40に進み、カードが挿入されている旨の表示を行なうためのカード挿入表示器(カードユニット50に設けられており図示を省略する)を消灯し、SX41により玉貸異常があったか否かの判断が行なわれ、なかった場合にはSX3に進み、新たなカードのカードリーダライタへの挿入受付の制御が行なわれ、玉貸異常があった場合にはSX42に進み、払出制御用マイクロコンピュータから払出可能信号の受付制御が行なわれる。
以上説明したように、パチンコ遊技機側で単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉(たとえば25個)が貸出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータからカードユニット制御用のマイクロコンピュータに玉貸完了信号が出力されるのであり、カードユニット制御用のマイクロコンピュータではその出力信号を入力するたびに貸玉額(SX12,SX13を参照)分のパチンコ玉がすべて貸出されたか否かの判断を行ない、未だに貸出されていない未貸出分がある場合にはその未貸出分をすべて貸出すまで前記単位額(たとえば100円)のパチンコ玉の貸出を繰返し行なうのである。
【0249】
図26および図27は、たとえば4msec毎に1回実行される割込プログラムを示すフローチャートであり、図26は自己診断処理のためのフローチャートを示し、図27は端数表示処理のためのフローチャートを示す。
【0250】
SX43により、自己診断を行なってその結果が適正であるか否かの判断が行なわれる。適正と判断された場合は、SX44により、パチンコ遊技機1の払出制御用マイクロコンピュータからカードユニット制御用のマイクロコンピュータに払出可能信号が入力されたか否かの判断が行なわれ、入力がある場合にはSX43に戻る。自己診断の結果何らかの異常がある場合にはこのSX43によりNOの判断がなされる。異常の種類としては、大きく分けて、カードユニット側のエラーで復帰可能なエラーとカードユニット側のエラーで復帰不可能なエラーとの2種類がある。そして、カードユニット側のエラーで復帰不可能なエラーを特殊エラーと呼び、カードユニット側のエラーで復帰可能なエラーを通常エラーと呼ぶ。
【0251】
この通常エラーの具体例としては、たとえば、カードリーダライタ内で挿入カードが詰まった場合,偽造カード等の不正カードが挿入された場合,挿入カードに新しい残高データ等の所定のデータを書込みその書込データを読取確認した場合にその読取データが適正なデータでなかった場合,カード処理機用ターミナルボックスとの通信不良に起因したエラー等である。なお、カードユニット50からカード処理機用ターミナルボックス320に単位額売上信号が送信されるのであるが、カード処理機用ターミナルボックス320との通信不良が発生した場合にはその送信すべき単位売上額データがカードユニット50内で記憶されるのであり、その記憶データが記憶容量の限度にまで達して初めて通常エラーが生ずるように構成されている。
【0252】
特殊エラーのうち、カードユニット側のエラーで復帰不可能なエラーの具体例としては、電源を再立上げしなければ復帰しないようなエラーとかカード処理機が故障してしまってカードユニット50を交換しなければならないようなエラーである。特殊エラーのうちパチンコ遊技機側のエラーの具体例としては、前述した所定の条件が整って初めて信号が変化する玉貸準備信号と玉貸完了信号とが電源投入時の当初から変化している場合,電源投入時に前述した払出可能信号が送信されてこない場合,玉貸完了信号がT3(SX30参照)内に送信されてこない場合,前述した払出可能信号が動作中にOFFになった場合すなわちパチンコ遊技機側の電源遮断あるいは信号線の断線がある。
【0253】
自己診断の結果、何らかの異常があると判断された場合、または払出可能信号の入力がないと判断された場合にはSX45によりカード処理制御が中断され、SX46により特殊エラーが否かの判断が行なわれる。発生した異常が特殊エラーであった場合には、SX48により処理機使用可表示器(カード利用可表示ランプ)151(図1参照)が消灯される。一方、特殊エラーでなかった場合すなわち通常のエラーであった場合には、SX47により、異常箇所を表わすコードをカード残高表示器により表示する制御が行なわれる。また通常エラーの場合には、SX47の表示に加えて、処理機使用可表示器(カード利用可表示ランプ)151を点滅させる制御が行なわれる。
【0254】
次に、図27に基づいて端数表示処理について説明する。SX49により端数表示スイッチ152(図1参照)が操作されているか否かの判断が行なわれ、操作されている場合にはSX50により玉貸処理中であるか否かの判断が行なわれる。玉貸処理中でない場合にはそのままSX51に進むが、玉貸処理中である場合には表示操作は無効とされる。なお、玉貸処理中である場合に玉貸処理が終了した後にSX51に進むようにしてもよい。SX51では、エラー中であるか否かの判断が行なわれる。このエラーとは前述したように通常エラーと特殊エラーとがある。
【0255】
SX51によりエラー中でないと判断された場合にはSX52に進み、SX52ないしSX56に基づいて、カード残高表示器により、端数表示,貸玉額設定スイッチにより設定された貸玉設定額の表示,カードが挿入されたときの残高の表示,カードユニット50およびユニットボックスからなる1組のユニットを特定するためのユニット番号の表示,遊技に伴って変動する挿入カードの残高の現時点での残高の表示が行なわれる。この種々の表示は、所定時間(たとえば1秒間)間隔で前述した順序に従って順次切換表示される。そして最後にSX56により現在残高表示が行なわれるのであり、この現在残高表示は端数表示スイッチ152の操作に基づく次回の表示切換えが行なわれるまで継続して表示される。
【0256】
次に、SX51によりエラー中である判断されたエラーが特殊エラーであった場合には、SX58に進み、SX58ないしSX63に従ってカード残高表示器により、異常箇所や異常の内容等をコードによって表示するエラーコード表示,端数表示,貸玉設定額表示,挿入時残高表示,ユニット番号表示,現在残高表示の順で所定時間(たとえば1秒間)間隔で表示切換えが行なわれる。そして最後に現在残高表示が行なわれ、端数表示スイッチの操作に基づく次回の表示切換えまでこの現在残高表示が行なわれる。このように、エラーコード表示は、端数表示操作が行なわれて初めて行なわれる。
【0257】
次に、SX51によりエラー中であると判断されたエラーが通常エラーであった場合には、SX64に進み、SX64ないしSX69に従って、カード残高表示器により、現在残高表示,端数表示,貸玉設定額表示,挿入時残高表示,ユニット番号表示,エラーコード表示の順で所定時間(たとえば1秒間)間隔で表示切換えが行なわれる。そして最後にエラーコード表示が行なわれて端数表示スイッチの操作に基づく次回の表示の切換えが行なわれるまでこのエラーコードが継続して表示される。
【0258】
次に、図28〜図42を参照して、賞球玉貸し基板37に設けられた払出制御用マイクロコンピュータのCPU2915により実行される処理を説明する。
【0259】
図28は、賞球玉貸し制御処理および500μSタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図28において、(a)に賞球玉貸し制御処理が示され、(b)に500μSタイマ割込処理が示されている。
【0260】
図28(a)を参照して、賞球玉貸し制御処理においては、まず、RAM2916の初期化等のデータの初期化を行なうイニシャル処理が行なわれる(SI1)。次に、玉払出装置97の払出モータ289の駆動制御を行なうための払出モータ制御処理が実行される(SI2)。払出モータ制御処理の内容については、図30〜図32を用いて後述する。次に、賞球玉貸し基板37とカードユニット50との信号の交信を行なうカードユニット交信処理が行なわれる(SI2a)。払出モータ制御とカードユニット交信処理とは、無限ループにより繰返し実行され続けるが、後述する500μSタイマ割込処理が起動された場合には、払出モータ制御処理およびカードユニット交信処理を構成するプログラムのうちの実行中の位置で一時停止され、500μSタイマ割込処理が実行される(SI3)。この500μSタイマ割込処理が終了すると一時停止したプログラムの位置から再開される。
【0261】
次に、図28(b)を参照して、500μSタイマ割り込み処理を説明する。500μSタイマ割り込み処理は、遊技制御基板31からINT信号および賞球コマンドが送られてくると、CPU2915により管理されるタイマ割り込み用のタイマの計時値が500μSになるごとに実行が開始される。
【0262】
500μSタイマ割り込み処理においては、まず、予め定められたデータの初期化を行なうイニシャル処理が行なわれる(SI4)。次に、遊技制御基板31から送られてくる賞球コマンドを読込むための賞球データ読込処理が実行される(SI5)。その後、この500μSタイマ割り込み処理が終了し、払出モータ制御処理のループが再び実行される。
【0263】
図29は、賞球データ読込処理を説明するためのフローチャートである。この賞球データ読込処理は、前述した500μSタイマ割り込み処理のSI5により実行される処理である。この賞球データ読込処理は、500μS経過ごとに実行される。
【0264】
賞球データ読込処理においては、まず、遊技制御基板31から送られてきた賞球コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に読込む処理がなされる(SI6)。次に、INT信号がオンしているか否か、すなわち、INT信号が有効状態となっているか否かが判断される(SI7)。INT信号が有効状態となっている場合には、INT信号が立ち上がって初回のコマンドであるか、または、今回の処理で読込んだ賞球コマンドが前回の処理で読込んだ賞球コマンドと同じコマンドであるか否かが判断される(SI8)。
【0265】
今回の処理で読込んだ賞球コマンドがINT信号が立ち上がって初回のコマンドであるか、または、前回の処理で読込んだ賞球コマンドと同じコマンドであると判断された場合は、賞球通信カウンタのカウンタ値が予め定められた最大値(MAX)となっているか否かが判断される(SI9)。ここで、賞球通信カウンタは、INT信号が有効状態となっている期間中において抽出した賞球コマンドが前回に抽出した賞球コマンドと一致したことが続いた回数を計数するためのカウンタであり、その最大値は、「3」に設定されている。
【0266】
賞球通信カウンタのカウンタ値が最大値になっていないと判断された場合は、賞球通信カウンタのカウンタ値を「1」だけ加算更新し(SI10)、SI12に進む。一方、賞球通信カウンタのカウンタ値が最大値となっていると判断された場合は、賞球通信カウンタのカウンタ値を加算更新せずにそのままSI12に進む。
【0267】
また、SI7によりINT信号が有効状態になっていないと判断された場合、または、SI8により今回の処理で読込んだ賞球コマンドが前回の処理で読込んだ賞球コマンドと同じコマンドではないと判断された場合は、賞球通信カウンタのカウンタ値をクリアする処理がなされた(SI11)後、SI12に進む。このように、賞球通信カウンタは、INT信号が無効状態になった場合と、今回の処理で読込んだ賞球コマンドが前回の処理で読込んだ賞球コマンドと同じコマンドではない場合とにおいて、クリアされる。したがって、連続して賞球コマンドが一致しなければ、賞球通信カウンタのカウンタ値は「0」になる。
【0268】
SI12では、賞球通信カウンタのカウンタ値が「3」であるか否かが判断される。賞球通信カウンタのカウンタ値が「3」ではないと判断された場合は、今回受信した賞球コマンドをRAM2916のワークエリアにセット(記憶)し(SI16)、この賞球データ読込処理が終了する。一方、賞球通信カウンタのカウンタ値が「3」であると判断された場合は、3回連続して一致した賞球コマンドを受信コマンド格納エリアにセット(記憶)する処理がなされる(SI14)。この受信コマンド格納エリアは、正規のコマンドデータとみなされたコマンドデータがセットされるエリアである。この受信コマンド格納エリアに格納された賞球コマンドに基づいた制御が払出制御用マイクロコンピュータ370により実行される。
【0269】
次に、受信コマンド格納エリアに格納された賞球コマンドにより賞球の払出しが指定されているか否か(賞球個数コマンドが受信されているか否か)が判断される(SI15)。賞球の払出しが指定されていないと判断された場合には、今回受信した賞球コマンドをRAM2916のワークエリアにセット(記憶)し(SI16)、この賞球データ読込処理が終了する。賞球の払出しが指定されていると判断された場合には、受信コマンド格納エリアに格納された賞球コマンドにより指定されている賞球個数を総賞球個数カウンタ1と総賞球個数カウンタ2とにそれぞれ加算する処理がなされる(SI17)。その後、この賞球データ読込処理が終了する。
【0270】
ここで、総賞球個数カウンタ1,2は、ともに、払出すべき賞球数を記憶しておくためのカウンタであり、総賞球個数カウンタ1,2はともにRAM2916の記憶領域に構成されている。賞球コマンドとして賞球個数コマンドが入力された場合には、その賞球個数コマンドによって指定された賞球の払出数(5個、10個、15個のうちのいずれか)がその時点における総賞球個数カウンタ1,2のカウンタ値にそれぞれ累積的に加算される。したがって、賞球個数コマンドが入力されると、それぞれの総賞球個数カウンタには、同一の値が加算される。
【0271】
このように、総賞球個数カウンタ1,2には複数の賞球個数コマンドに対応する払出予定数の総数が記憶されるために、各々の賞球個数コマンド別に払出予定数を記憶する場合と比較してRAM2916の記憶領域を削減できる。予め賞球個数コマンド別に記憶領域を分割して設ける必要がないためである。
【0272】
一方、賞球の払出しがある毎に、払出された賞球数が総賞球個数カウンタ1,2のカウンタ値から減算されるが、総賞球個数カウンタ1は払出モータ位置センサ286の検出信号に基づいて減算され、総賞球個数カウンタ2は賞球カウントスイッチ301Aの検出信号に基づいて減算される。よって、玉払出装置97内の玉繰り出し用のスクリュー288が半回転する毎(払出モータ位置センサ286の検出信号が1つ入力される毎)に正確に玉が払出されている状態では、総賞球個数カウンタ1の残数と総賞球個数カウンタ2の残数とは一致する。しかしながら、スクリュー288で玉抜けや球噛み等が生じて玉が払出されないことがあった場合には、総賞球個数カウンタ1の残数よりも総賞球個数カウンタ2の残数の方が多くなり、これにより払出不足を検出できる。
【0273】
なお、RAM2916は、前述したようにバックアップ用の電源(コンデンサ517)によってバックアップされている。このため、停電等によって遊技機に供給される電力が断たれた場合であっても総賞球個数カウンタ1,2の記憶値が保持され、停電等が生じても遊技者に不利益が生じない。
【0274】
図30〜図32は、払出モータ制御処理を説明するためのフローチャートである。この払出モータ制御処理は、前述した図28の賞球玉貸制御処理のSI2により実行される処理である。
【0275】
払出モータ制御処理においては、まず、玉貸しのための玉貸し制御処理が実行される(SJ1)。玉貸し制御処理の内容については、図39を用いて後述する。
【0276】
次に、前述した総賞球個数カウンタ1,2のカウンタ値が「0」以外であるか否かの判断と、賞球中フラグがセットされているか否かの判断とがなされる(SJ2)。ここで、賞球中フラグは、現在が賞球中である旨を示すためのフラグであり、後述するSJ5によりセットされる。SJ2では、総賞球個数カウンタ1,2のカウンタ値が「0」以外であること、すなわち未払出しの賞球があることと、賞球中フラグがセットされていること、すなわち賞球中であることとを判断することにより、払出モータ289の駆動が必要か否かを判断しているのである。SJ2のうちの2つの判断条件のうちの少なくとも1つの条件が満たされていれば、払出モータ289の駆動条件が成立していることとなる。
【0277】
払出モータ289の駆動条件が成立していないと判断された場合(SJ2でNO)は、玉貸し制御処理に戻る。一方、払出モータ289の駆動条件が成立していると判断された場合(SJ2でYES)は、制御がSJ1aへ進み、賞球禁止フラグがONになっているか否かの判断がなされる。ONになっていると判断された場合にはこの払出モータ制御の処理が終了する。その結果、賞球禁止フラグがセットされている場合には賞球(景品玉)の払出が行なわれない状態となる。一方、賞球禁止フラグがONになっていないと判断された場合には制御がSJ3へ進み、1個玉貸し中フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この1個玉貸し中フラグは、貸玉1個分の払出動作が開始されてからそれが確実に終了したと判断されるまでの間ONにセットされるものであり、具体的には、後述するSU13aによりセットされ、後述するSQ23a,SQ28bのよりそれぞれリセットされる。
【0278】
なお、本実施の形態において「リセット」とは、「クリア」の意味である。貸玉を払出す動作すなわち玉貸し動作が行なわれていない状態でSJ2によりYESの判断がなされた場合には、玉貸し動作中でないためにSJ3によりNOの判断がなされて以降の賞球払出制御が実行されることとなる。ところが、玉貸し動作中にSJ2によりYESの判断がなされた場合には、貸玉1個分の払出が確実に完了したことをSJ3により確認した上でSA3a以降の賞球払出動作に移行する。すなわち、この第1実施の形態においては、玉貸し動作中に賞球を払出さなければならない状態になれば、貸玉1個分の払出が完了したことが確認された段階で即座に賞球払出動作の方に制御が移行するのであり、完全な賞球払出優先の制御がなされる。
【0279】
1個玉貸し中フラグがセットされていない場合にはSJ3aへ進み、振分用ソレノイドがOFFであるか否かの判断がなされる。振分用ソレノイド310(図4,図7参照)がOFFでない場合に、そのまま賞球払出動作を行なった場合には景品玉が玉貸し通路側を流下して玉貸しカウントスイッチ301bで検出されるという誤動作が行なわれる。そこで、振分用ソレノイドがOFFでない場合にはSJ3bへ進み、振分用ソレノイドをOFFにし、SJ3cによりタイマT22をスタートさせ、そのタイマT22がタイムアップするまで制御がSJ4以降の賞球払出動作に移行しないように構成されている(SJ3d)。このタイマT22は、振分用ソレノイド310をOFFにする制御を開始した後、実際に玉振分部材311が賞球側に切換わるまでに要する時間を計時するものである。そして、SJ3dによりタイマT22が終了したと判断された段階では、玉振分部材311が完全に賞球側に切換わった状態となっている。
【0280】
SJ3aにより振分用ソレノイドがOFFに既になっていると判断された場合には、SJ3b,SJ3cの処理を行なう必要がないために、制御が直接SJ3dへ進む。その結果、タイマT22がスタートされていないために、SJ3dではYESの判断がなされて制御がSJ4へ進むこととなる。このSJ4は、受信コマンド格納エリアに格納された賞球コマンドに応じて処理を分岐させるための分岐処理であり、具体的には、図34に基づいて後述する。
【0281】
次に、前述した賞球中フラグをセットする処理がなされる(SJ5)。これにより、賞球の払出し中である旨が示される。
【0282】
次に、払出モータ289が駆動状態(オン状態)に制御される(SJ7)。これにより、賞球の払出動作が行なわれる。そして、タイマT11を起動する処理がなされる(SJ8)。ここで、タイマT11は、払出モータ289を駆動開始したとき、または1個の賞球払出が終了したときにセットされ、タイムアウトすると払出モータ位置センサ300Aのエラーとされる。すなわち、払出モータ位置センサ300Aのオンチェックタイマである。
【0283】
その後、払出モータ位置センサ300Aがオンしたか否かの判定を行なう(SJ9)。オンしない場合はSJ11に進み、タイマT11がタイムアウトしたか否かを判定し、タイマT11がタイムアウトした場合には、球噛み等が起こっている可能性があるためにエラー処理に移行する(SJ11,SJ12)。エラー処理については、図32を用いて後述する。一方、タイマT11がタイムアウトしていない場合には、後述するSK12に移行する。
【0284】
また、SJ9で払出モータ位置センサ300Aがオンした場合には、タイマT11が停止される(SJ10)。この場合、払出モータ位置センサ300Aがオンしたために玉が1つ払出されたものと考えられ、総賞球個数カウンタ1のカウンタ値を「1」だけ減算更新する処理がなされる(SK1)。
【0285】
次に、総賞球個数カウンタ1のカウンタ値が0であるか否か、すなわち、払出予定数の玉が全て払出されたか否かが判断される(SK2)。総賞球個数カウンタ1のカウンタ値が0であると判断された場合は、後述するSK3に進む。一方、総賞球個数カウンタ1のカウンタ値が0ではないと判断された場合は、賞球カウントスイッチ301Aがオンしたか否かが判断され(SK12)、賞球カウントスイッチがオンしていない場合には玉貸カウントスイッチ301BがONしたか否か判断される(SK27)。玉振分部材311が正常に切換わっている限り賞球払出動作中に玉貸カウントスイッチ301Bで玉が検出されることはありえず、SK27によりNOの判断がなされる。その場合には処理が終了する。一方、SK27でYESと判断された場合には異常であるため警告処理がなされる(SK28)。この警告処理は図34で後述する。一方、賞球カウントスイッチがオンしていると判断された場合には、タイマT13の計時がスタートされる(SK13)。ここで、タイマT13は、賞球カウントスイッチ301Aのオフチェックタイマとして用いられる。
【0286】
次に、賞球カウントスイッチ301Aがオフしたか否かが判断され(SK14)、賞球カウントスイッチ301Aがまだオフしていないと判断された場合にはタイマT13がタイムアウトしたか否かが判断される(SK17)。タイマT13がタイムアウトしていないと判断された場合には、後述するSK19に移行する。一方、賞球カウントスイッチ301AがオフしないままタイマT13がタイムアウトした場合には、賞球カウントスイッチ301A付近で玉詰まり等が発生しているものと考えられ、この場合には警告処理が実行される(SK18)。警告処理の詳細については、図35を用いて後述する。
【0287】
タイマT13がタイムアウトする前にSK14で賞球カウントスイッチ301Aがオフしたと判断された場合には、タイマT13の計時がストップされ(SK15)、続いて総賞球個数カウンタ2が減算更新(−1)される(SK16)。つまり、賞球カウントスイッチ301Aによって玉の払出しが検出されたために、その検出分の玉数を、総賞球個数カウンタ2の残数から減算するのである。
【0288】
次に、総賞球個数カウンタ2が0であるか否かが判断される(SK19)。総賞球個数カウンタ2が0ではないと判断された場合には、タイマT14がタイムアウトしたかが判断される(SK23)。
【0289】
ここで、タイマT14は、総賞球個数カウンタ1(払出モータ位置センサ286の検出出力によって減算更新)の値が0となった時点でSK4においてセットされて計時が開始されるタイマである。このタイマT14は、総賞球個数カウンタ1の値が0となった後、一旦、払出モータ289を停止し、その後、所定期間内に総賞球個数カウンタ2の値も0になるか否かを確認する際のその所定期間を計時するタイマである。
【0290】
つまり、払出モータ位置センサ286の検出出力が確認されてから、その検出出力に対応する払出玉が玉繰出し用のスクリュー288から落下してやがて賞球カウントスイッチ301Aで検出されるまでには、ある程度の時間がかかるために、そのタイムラグを埋めるためにタイマT14が用いられている。
【0291】
総賞球個数カウンタ1がまだ0ではない状態でSK23に進んだ場合には、タイマT14はセットされていないために、SK23ではNOの判断がなされて払出モータ制御処理が終了する。
【0292】
その後、賞球カウントスイッチ301Aおよび払出モータ位置センサ286の検出出力による賞球のカウントが進んで、総賞球個数カウンタ1,2が減算更新されてゆき、やがて、総賞球個数カウンタ1の値が0になった場合には、SK2でYESが判断される。この場合、払出モータ位置センサ300Aの検出出力数による限り、払出予定数の玉が全て払出されたことになるので、払出モータ289の駆動が一旦、停止される(SK3)。なお、ここで、「一旦、停止」という表現を用いたのは、前述したように玉繰出し用のスクリュー288で玉抜けや球噛み等が生じて実際には予定数の玉の払出しが完了していない可能性もあるため、この場合には不足する玉の払出が再度必要になるためである。
【0293】
次に、タイマT14の計時が開始され(SK4)、前述したようにタイマT14がタイムアウトするまでの間で、賞球カウントスイッチ301Aによる検出が待たれる。続いて、確認中フラグがセットされる(SK5)。その後、一旦、払出モータ制御処理が終了する。なお、確認中フラグがセットされることにより、次回、払出モータ制御処理が実行された場合には、その分岐処理(SJ4)によって処理がSK12以降に移行する。
【0294】
以下、確認中フラグがセットされた場合の処理を説明する。SK12以降に移行すると、賞球カウントスイッチ301Aのオンオフが検出される毎に総賞球個数カウンタ2が1ずつ減算更新される(SK16)。すなわち、玉の流路上手側の払出モータ位置センサ300Aで検出された玉が時間差をもって次々と賞球カウントスイッチ301Aで検出され、それに伴って総賞球個数カウンタ2が減算更新されていくのである。
【0295】
その後、SK19で総賞球個数カウンタ2の値が0であるか否かが判断され、0ではないがタイマT14がまだタイムアウトしていない場合には、払出モータ289を停止した状態が維持される(SK23でNO)。そして、タイマT14がタイムアウトするまでの間に総賞球個数カウンタ2の値が0になれば、払出予定数の全ての玉は実際に賞球カウントスイッチ301Aでその払出しが確認されたことになり、払出予定数の全ての玉が確実に払出されていることになるために、タイマT14の計時がストップされ(SK20)、続いて賞球中フラグおよび確認中フラグがそれぞれリセットされる(SK21、SK22)。
【0296】
一方、タイマT14がタイムアウトしてもなお、総賞球個数カウンタ2の値が0にならない場合には、総賞球個数カウンタ1に対して総賞球個数カウンタ2の値が加算される(SK26)。これにより、すでに払出予定数の玉の払出しの完了を示している(=0)総賞球個数カウンタ1の値が、総賞球個数カウンタ2の値によって示される未払出分の玉数に補正される。その後、この払出モータ制御処理が終了する。この場合には、総賞球個数カウンタ1,2ともに未払出分の玉数が共通に記憶されることになり、再度、払出モータ制御処理が実行されることによって、SJ7で払出モータ289がオンされて未払出分の玉の払出しが行なわれる。
【0297】
以上、説明したように、この払出モータ制御処理によると、払出モータ位置センサ300Aによって検出されたスクリュー288の払出動作量(180度回転した回数)が払出予定数分の賞球を払出すために必要な動作量に達するまで連続的に賞球が払出され、その後、SK3に示したように払出モータ289の駆動が停止されて払出しが停止され、実際に払出予定数の賞球が検出されたかどうかが判定された(SK19)上で、賞球の払出しが不足する場合には不足分を払出す制御が行なわれる(SK23〜SK26)ために、賞球の払出しを正確かつ迅速に行なうことができる。
【0298】
図33は、エラー処理を説明するためのフローチャートである。エラー処理においては、まず、払出モータ289がオフされ(SL6)、続いて、払出モータ289が1ステップ分だけ逆正回転される(SL7)。これにより、払出モータ289によって駆動されるスクリュー288が通常の払出し方向と異なる方向に逆転した後正転し、玉噛み等の異常状態から回復される。次に、払出モータ位置センサ300Aがオンしたか否かが判断され(SL8)、払出モータ位置センサ300Aがオンしていないと判断された場合には、SJ7(図33参照)に移行する。一方、払出モータ位置センサがオンしたと判断された場合には、払出モータがオンされた後(SL9)、タイマT12の計時がスタートされ(SL10)、その後、SK7(図31参照)に移行する。
【0299】
このように、玉の払出動作に異常が発生した場合にはその異常を回復させるエラー処理が自動的に行なわれるために、異常が発生した場合であっても遊技場の店員の手を煩わせることがなく、遊技場の店員の遊技機の管理が容易になる。
【0300】
図34は、分岐処理を説明するためのフローチャートである。この分岐処理は、前述した払出モータ処理のSJ4により実行される処理である。
【0301】
分岐処理においては、まず、賞球コマンドのビット0〜3が10進数で「1」すなわち、2進数で「0001」であるか否かが判断される(SL1)。つまり、ここでは、通常払出しであるか否かが判断されるのである。通常払出しであると判断された場合には、賞球コマンドの制御内容を指定する払出制御指定処理が実行され(SL5)、その後、後述するSL4に進む。この払出制御指定処理の内容については、図36を用いて後述する。
【0302】
一方、通常払出しではないと判断された場合には、前述したタイマT11の作動中であるか否かが判断される(SL2)。タイマT11の作動中であると判断された場合には、前述したSJ9に進む。つまり、分岐処理が実行されている時に、タイマT11が既に作動中である場合は、前述したSJ5〜SJ8の処理の実行が不要であるため、それらの処理をバイパスして直接SJ9に進むのである。一方、タイマT11の作動中ではないと判断された場合には、確認中フラグがセットされているか否かが判断される(SL3b)。確認中フラグがセットされていると判断された場合には、前述したSK12に進む。一方、確認中フラグがセットされていないと判断された場合、前述したSL4に進む。
【0303】
払出制御指定処理(SL5)の実行後、または、SL3bでNOの判断がなされた場合には、賞球禁止フラグ(後述する払出制御指定処理でセットまたはリセットされるもの)がオン状態(セット状態)になっているか否かが判断される。賞球禁止フラグがオン状態になっていると判断された場合は、賞球の払出しが禁止されていることにより払出モータ制御を行なう必要がないため、払出モータ制御処理が終了する。一方、賞球禁止フラグがオン状態になっていないと判断された場合は、この分岐処理が終了し、前述した払出モータ制御処理のSJ5に進む。
【0304】
図35は、警告処理を説明するためのフローチャートである。警告処理においては、まず、各種タイマの計時が一旦ストップされ(SL11)、続いて払出モータ289がオフされる(SL12)。次に、警告音がブザー75より発生され(SL13)、リセットスイッチ379がオンされたか否かが判断され(SL14)。そしてリセットスイッチ379のオンが検出されるまで継続して警告音が発生される。たとえば、この警告音に気づいた遊技場の店員が遊技機に駆け寄り、玉詰まり等の異常を解消させた後、リセットスイッチ379を操作すると、そのリセットスイッチ379の操作が検出されて警告音の出力は止み、タイマの計時がリスタートされ(SL15)、処理が終了する。
図36は、払出制御指定処理を説明するためのフローチャートである。この払出制御指定処理は、前述した分岐処理のSL5により実行される処理である。
【0305】
払出制御指定処理においては、まず、受信した賞球コマンドが玉貸禁止コマンドであるか否かが判断される(SN1)。玉貸禁止コマンドであると判断された場合は、玉貸禁止フラグをセットする処理がなされる(SN3)。これにより、玉貸禁止が指令されている旨が示される。その後、この払出制御指定処理が終了する。一方、玉貸禁止コマンドではないと判断された場合は、受信した賞球コマンドが賞球禁止コマンドであるか否かが判断される(SN2)。
【0306】
賞球禁止コマンドであると判断された場合は、賞球禁止フラグをセットする処理がなされる(SN5)。これにより、賞球禁止が指令されている旨が示される。その後、この払出制御指定処理が終了する。一方、賞球禁止コマンドではないと判断された場合は、受信した賞球コマンドが発射禁止コマンドであるか否かが判断される(SN4)。
【0307】
発射禁止コマンドであると判断された場合は、発射禁止フラグがセットされ(SN7)、その後、払出制御指定処理が終了する。一方、発射禁止コマンドではないと判断された場合は、受信した賞球コマンドが玉貸禁止解除コマンドであるか否かが判断される(SN6)。
【0308】
玉貸禁止解除コマンドであると判断された場合は、玉貸禁止フラグをリセットする処理がなされる(SN10)。これにより、玉貸禁止が指令されている旨が示されなくなる。その後、この払出制御指定処理が終了する。一方、玉貸禁止解除コマンドではないと判断された場合は、受信した賞球コマンドが賞球禁止解除コマンドであるか否かが判断される(SN9)。
【0309】
賞球禁止解除コマンドであると判断された場合は、賞球禁止フラグをリセットする処理がなされる(SN12)。これにより、賞球禁止が指令されている旨が示されなくなる。その後、この払出制御指定処理が終了する。一方、賞球禁止解除コマンドではないと判断された場合は、受信した賞球コマンドが発射禁止解除コマンドであるか否かが判断される(SN11)。
【0310】
発射禁止解除コマンドであると判断された場合は、発射禁止フラグがリセットされ(SN13)、その後、この払出制御指定処理が終了する。一方、発射禁止解除コマンドではないと判断された場合は、この払出制御指定処理が終了する。
【0311】
このように、払出制御指定処理によれば、通常払出し以外の賞球コマンドを解読し、賞球コマンドにより指定された制御内容に応じて、各種フラグの制御および制御信号の制御が行なわれる。
【0312】
図37は、図28のSI2aに示されたカードユニット交信処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。カードユニット交信処理においては、まず、カードユニット50が賞球玉貸し基板37に接続されているか否かが判断される(SZ1)。具体的には、前述したカードユニット接続確認用信号が入力されている場合には、カードユニット50が接続されていると判断される。カードユニット50が接続されていないと判断された場合には、発射制御信号をLOWレベルにする処理がなされる(SZ2)。これにより、打玉の発射が不可能な状態にされる。一方、カードユニット50が接続されていると判断された場合には、前述した発射禁止フラグ(払出制御指定処理でセットまたはリセットされる発射禁止フラグ)がオン状態(セット状態)であるか否かが判断される(SZ3)。
【0313】
発射禁止フラグがオン状態にあると判断された場合は、発射制御信号をLOWレベルにする処理がなされ(SZ4)、後述するSZ6に進む。一方、発射禁止フラグがオン状態ではないと判断された場合には、発射制御信号をHIGHレベルにする処理がなされる(SZ5)。これにより、打玉の発射が可能な状態にされる。
【0314】
次に制御がSZ6へ進み、玉貸禁止フラグがオン状態であるか否かの判断がなされ、オン状態でない場合にはSZ7により、前述したPRDY信号をHIGHにする処理がなされてSZ13へ進む。このSZ7の処理により、カードユニット50側においてパチンコ遊技機が玉貸し可能状態であることを判別することができる。
【0315】
一方、玉貸し禁止フラグがオン状態の場合には、SZ8へ進み、玉貸し中フラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。この玉貸し中フラグは、玉貸し中である旨を示すフラグであり、後述するSU13によりセットされSQ24によりリセットされる。玉貸し中フラグがセットされてオン状態の場合にはSZ13へ進むが、オン状態でない場合にはSZ9へ進み、玉貸し待機フラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。この玉貸し待機フラグは、玉貸しの待機状態にあることを示すフラグであり、後述するSU4によりセットされSU13によりリセットされる。玉貸し待機フラグがオン状態の場合にはSZ13へ進むが、玉貸し待機フラグがオン状態でない場合にはSZ10へ進み、PRDY信号をLOWレベルに切換える処理がなされ、SZ10aにより、振分用ソレノイド310がON(励磁状態)になっているかの判断がなされる。たとえば、賞球動作中に玉貸し禁止フラグがONになった場合にはこのSZ10aによりNOの判断がなされて制御がSZ13へ進む。一方、振分用ソレノイド310がONであると判断された場合にはSZ11により振分ソレノイド310をOFFにする処理がなされる。すなわち、玉貸し禁止フラグがオン状態になった場合には、玉貸し中でなくかつ玉貸し待機状態でもないときに、PRDY信号をLOWにして玉貸しができない状態である旨をカードユニット50へ知らせ、かつ振分ソレノイド310をOFFにして非励磁状態にする処理がなされるのである。
【0316】
その結果、カードユニット50側では、前述したようにBRDY信号とBRQ信号(玉貸し要求信号)を出力しない状態となり、それ以降玉貸しが行なわれない状態となる。
【0317】
次に制御がSZ12へ進み、タイマT22がスタートされる。このタイマT22は、振分用ソレノイド310をOFFにして玉振分部材311が完全に賞球側に切換わるまでの時間を計時するためのものである。このタイマT22が終了するまでは賞球払出動作が開始されないように制御される(SJ3d参照)。このSZ12のステップは、たとえば、玉貸し禁止フラグがONになった後すぐに玉貸し禁止フラグがOFFになってかつ賞球優先制御(後述する)を行なう場合には、玉振分部材311が完全に賞球側に切換わるまでの時間を確保する必要が生ずるためにこのステップが必要となる。
【0318】
次にSZ13では、玉貸し要求フラグがオン状態になっているか否かの判断がなされる。この玉貸し要求フラグは、カードユニット50から玉貸し要求信号が送られてきた場合にセットされるものである。玉貸し要求フラグがオン状態の場合にはSZ18へ進むが、オン状態でない場合にはSZ14へ進み、玉貸し要求信号があるか否かの判断がなされる。カードユニット50から玉貸し要求信号がない場合にはSZ21へ進むが、玉貸し要求信号があった場合にはSZ15へ進み、玉貸し要求フラグをセットする処理がなされる。次にSZ16により、玉貸し準備信号をカードユニット50へ出力する処理がなされる。次にSZ17により、タイマT20をスタートさせる処理がなされる。
【0319】
このタイマT20は、パチンコ遊技機1がカードユニット50に対し玉貸し準備信号を出力した後カードユニット50から玉貸し指令信号が返信されてくるまでの許容上限時間を計時するものであり、正常に動作している限りこのタイマT20がタイムアップするまでの間にカードユニット50から玉貸し指令信号が返信されてくる。何らかの異常が発生して、玉貸し指令信号がカードユニット50から送られてくることなくタイマT20がタイムアップして終了した場合には、制御がSZ20へ進み、玉貸し要求フラグをリセットする処理がなされてSZ21へ進む。一方、タイマT20が終了する以前の段階で玉貸し指令信号がカードユニット50から送られてくれば制御がSZ18aへ進み、玉貸し指令フラグをセットする処理がなされる。この玉貸し指令フラグは、カードユニット50から玉貸し指令信号が送られてきた旨を表わすフラグである。
【0320】
次に制御がSZ28へ進み、玉貸し待機フラグをセットする処理がなされる。次にSZ29により、賞球中フラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。賞球動作中でない場合には賞球中フラグがオフ状態であるために制御がSZ20へ進むが、カードユニット50から玉貸し指令信号が送られてきた段階で既に賞球動作中である場合にはSZ29によりYESの判断がなされてSZ30によりタイマT21をスタートさせる処理がなされた後にSZ20へ進む。つまり、この第1実施の形態においては、賞球動作中に玉貸し操作が行なわれてカードユニット50から玉貸し指令信号がパチンコ遊技機1に送られてきた場合には、前述したように賞球動作優先制御が行なわれる関係上、玉貸し指令信号に基づいた玉貸し動作をすぐには開始せずに今現在行なわれている賞球動作が終了した後玉貸し動作を行なうように構成されている。ところが、カードユニット50側においては、玉貸し指令信号をパチンコ遊技機1に送信した後前記S29によるT3がタイムアップするまでの所定期間(たとえば10秒間)経過するまでの間に玉貸し完了信号が返信されてこない場合には、カードユニット側が異常判定して、前述したSX30,SX24,SX26の処理がなされる。
【0321】
ゆえに、カードユニット50から玉貸し指令信号が送信されてきた時点で既に賞球中フラグがオン状態である場合には、カードユニット50側のT3がタイムアップするまでの間にその賞球動作を完了させて玉貸し指令信号に基づいた玉貸し動作を完了させて玉貸し完了信号をカードユニット50へ返信できない場合が生ずることが考えられる。そこで、この第1実施の形態においては、正規の動作を行なった後玉貸し完了信号を返信したのでは、T3がタイムアップするまでの期間に返信するのに間に合わない場合には、仮の玉貸し完了信号をカードユニット50へ返信するように構成されている。そのカードユニット50側のT3がタイムアップするまでの直前の期間をタイマT21により計時するようにしている。
【0322】
そして、SZ20では、玉貸し要求フラグをリセットし、SZ21により、タイマT21が終了したか否かの判断がなされる。既に終了している場合またはタイマT21がスタートされていない場合にはSZ21によりYESの判断がなされて制御がSZ25へ進む。一方、タイマT21がスタートされて計時動作中においてはSZ21によりNOの判断がなされてSZ22により、タイマT21を「1」減算すればタイムアップして終了するか否かの判断がなされる。終了しない場合にはSZ25へ進み、1単位玉貸し終了フラグがONになっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはそのままこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0323】
タイマT21がタイムアップして終了するまでの間に賞球動作を完了させてかつ玉貸し指令信号に基づいた1単位玉貸し動作を完了させることができた場合には、後述するように1単位玉貸し終了フラグがセットされ、SZ25によりYESの判断がなされる。その場合には、SZ25aによりタイマT21をストップさせる処理がなされるために、以降のこのサブルーチンプログラムの実行に際してはSZ23〜SZ24の処理がなされることがない。次に制御がSZ25bへ進み、玉貸し指令フラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。玉貸し指令信号が送信されてきている場合には玉貸し指令フラグがオン状態であるために、制御がSZ26へ進み、玉貸し完了信号をカードユニット50へ返信する処理がなされ、SZ26aにより、玉貸し指令フラグをリセットする処理がなされ、SZ27により、1単位玉貸し終了フラグをリセットする処理がなされてこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0324】
一方、タイマT21がタイムアップするまでの間に賞球動作を終了させてかつ玉貸し指令信号に基づいた1単位玉貸し動作を完了させて正規の玉貸し完了信号を返信することができない場合には、SZ22によりYESの判断がなされてSZ23へ進み、仮の玉貸し完了信号をカードユニット50へ返信する処理がなされて、SZ23aにより玉貸し指令フラグをリセットする処理がなされ、SZ24により未玉貸し動作カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。この未玉貸し動作カウンタは、カードユニット50から玉貸し指令信号が送られてきたにもかかわらずタイマT21がタイムアップするまでの間に1単位玉貸し動作を完了することができなかった場合の積み残しの1単位玉貸し動作回数を計数するためのものである。そして、後述するように、玉貸し動作が実行できる状態になった段階でこの未玉貸し動作カウンタのカウント値だけの回数1単位玉貸し動作を実行して玉貸しの補填が行なわれる。
【0325】
次に、タイマT21がタイムアップするまでの間に賞球動作が完了したが1単位玉貸し動作の実行途中でタイマT21がタイムアップした場合の制御動作について説明する。その場合には、前述と同様に、仮の玉貸し完了信号が返信され(SZ23)、玉貸し指令フラグがリセットされ(SZ23a)かつ未玉貸し動作カウンタが「1」加算更新される(SZ24)。そしてSZ25によりNOの判断がなされるのであるが、この段階では既に1単位玉貸し動作が実行途中であるために、その実行中の1単位玉貸し動作が完了した段階で1単位玉貸し終了フラグがセットされる。その結果、SZ25によりYESの判断がなされ、制御が、SZ25a→SZ25b→SZ25c→SZ27へ進む。その結果、既に仮の玉貸し完了信号が返信されているにもかかわらず重複してSZ26による玉貸し完了信号を返信することが防止できるとともに、1単位玉貸し動作が積み残しになったわけではないにもかかわらず未玉貸し動作カウンタの値が「1」増加してしまう不都合も防止できる。
【0326】
図39は、図30のSJ1により示された玉貸し制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SU15により、賞球中フラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。賞球中フラグがオン状態の場合には賞球動作中であるために、SU1以降の玉貸し動作を行なうことなくこのサブルーチンプログラムが終了する。その結果、賞球動作優先の制御となる。賞球中フラグがオン状態でない場合にはSU1へ進み、玉貸し中フラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。玉貸し中フラグがオン状態の場合にはSU14へ進み、玉貸し分岐処理がなされた後SQ1へ進む。一方、玉貸し中フラグがオン状態でない場合にはSU2へ進み、玉貸し待機フラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。玉貸し待機フラグがオン状態の場合にはSU7へ進み、振分用ソレノイド310をONにして励磁状態にする処理がなされる。次にSU8に進み、タイマT23が計時中であるか否かの判断がなされ、計時中でない場合にはSU9へ進み、タイマT23をスタートさせる処理がなされる。その結果、この玉貸し制御のサブルーチンプログラムの次回の実行に際しては、SU8によりYESの判断がなされて直接制御がSU10へ進むこととなる。
【0327】
SU10では、タイマT23を「1」減算してタイムアウトするか否かの判断がなされ、タイムアウトしない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。そして、このサブルーチンプログラムを何回か実行することによりタイマT23を「1」減算することによりタイムアウトする状態になれば、SU11へ進み、払出モータ289をオン状態にして貸玉を払出すように制御する。つまり、タイマT23は、振分用ソレノイド310をONにする制御がSU7により開始されてから実際に振分部材311が玉貸し側に切換わるまでに要する十分な時間を計時するためのもおであり、このタイマT23がタイムアウトすることにより振分部材311が玉貸し側に切換わっている状態となる。次にSU12により、玉貸し中フラグがセットされ、かつ玉貸し待機フラグがリセットされる。次にSU12aに進み、払出モータがONになっているか否かの判断がなされ、なっている場合にはSU13へ進むが、なっていない場合にはSU12bへ進み、払出モータをONにした後にSU13へ進む。次にSU13により、タイマT15をスタートさせる処理がなされる。このタイマT15は、賞球の払出時にセットされるT11と同様の機能を有するタイマである。すなわち、払出モータ位置センサ300Aのオンチェックタイマである。次にSU13aへ進み、1個玉貸し中フラグがセットされてSQ1へ進む。この1個玉貸し中フラグは、貸玉1個分の払出動作中である旨を記憶しておくものであり、貸玉1個分の払出が終了した時点でリセットされ(SQ23a,SQ28b)、次回の玉貸し1個分の払出が開始された時点で再度セットされる(SU13a)。
【0328】
SU2により玉貸し待機フラグがONでないと判断された場合にはSU3へ進み、未玉貸し動作カウンタが「0」よりも大きな値になっているか否かの判断がなされる。SZ24に従って積み残しの1単位玉貸し動作回数が未玉貸し動作カウンタによりカウントされている場合には、SU3によりYESの判断がなされてSU4へ進み、玉貸し待機フラグをセットする処理がなされる。その結果、以降のこのサブルーチンプログラムの実行に際しては、SU2によりYESの判断がなされてSU7以降の玉貸し動作が開始されることとなる。次にSU5へ進み、未玉貸し動作カウンタを「1」減算する処理がなされる。そしてSU6へ進み、補填玉貸しフラグをセットする処理がなされる。
【0329】
この未玉貸し動作カウンタの積み残し1単位玉貸し動作回数の記憶に従って玉貸し動作を行なう制御は、通常の玉貸し動作制御とは異なるために、SU6により、その旨を記憶させるべく補填玉貸しフラグがセットされるのである。
【0330】
次に、払出モータ位置センサ300AがOFFからONに切換わったか否かが判断される(SQ1)。オンしていない場合にはSQ8に進み、タイマT15がタイムアウトしたか否かが判断され、タイマT15がタイムアウトした場合には、玉噛み等が起こっている可能性があるために、玉貸しエラー処理に移行する(SQ9)。玉貸しエラー処理の内容は、図32を用いて既に説明したエラー処理と同様であるためにここでは説明を繰返さない。玉貸しエラー処理が実行された後は、SQ11に移行する。このように、貸玉の払出動作に異常が発生した場合にも、その異常を回復させるエラー処理が自動的に行なわれるために、貸玉の払出動作に異常が発生した場合であっても遊技場の店員の手を煩わせることなく、遊技場の店員の遊技機の管理が容易になる。
【0331】
一方、タイマT15がタイムアウトしていない場合には、後述するSQ10に移行する。また、払出モータ位置センサ300AがOFFからONに切換わった瞬間SQ1によりYESと判断されて、タイマT15が停止される(SQ2)。この場合、払出モータ位置センサ300Aがオンしたために玉が1つ払出されたものと考えられ、玉貸しカウンタ1のカウンタ値を「1」だけ加算更新する処理がなされる(SQ3)。
【0332】
ここで、玉貸しカウンタ1は、後述する玉貸しカウンタ2と同様、払出された貸玉数を記憶しておくためのカウンタである。したがって、貸玉の払出しがある毎に、玉貸しカウンタ1,2のカウンタ値が加算されるが、玉貸しカウンタ1はSQ3に示すように払出モータ位置センサ286の検出信号に基づいて加算され、玉貸しカウンタ2はSQ19を用いて後述するように玉貸しカウントスイッチ301Bの検出信号に基づいて加算される。よって、玉払出装置97内の玉繰り出し用のスクリュー288が半回転する毎(払出モータ位置センサ286の検出信号が1つ入力される毎)に正確に玉が払出されている状態では、玉貸しカウンタ1の値と玉貸しカウンタ2の値とは一致する。しかしながら、スクリュー288で玉抜けや球噛み等が生じて玉が払出されないことがあった場合には、玉貸しカウンタ1の値よりも玉貸しカウンタ2の値の方が大きくなり、これにより貸玉の払出不足を検出できる。
【0333】
なお、玉貸しカウンタ1,2はともにRAM2916の記憶領域により構成されており、前述したようにバックアップ用の電源(コンデンサ517)によってバックアップされている。このため、停電等によって遊技機に供給される電力が断たれた場合であっても両カウンタの記憶値が保持され、停電等が生じても、停電が復旧した後に停電前の玉貸しカウンタ1,2の記憶値に基づいた玉貸しが再開されるために、遊技場に不利益が生じない。
【0334】
また、ここでは、玉貸しカウンタ1,2は払出し済の貸玉数を記憶するカウンタとして用いられており、貸玉が払出される毎にそのカウンタ値が加算更新されるように構成されているが、これに代えて、玉貸時に玉貸しカウンタ1,2のカウンタ値が払出予定数(ここでは、25個を1単位の払出予定数としている)にセットされ、貸玉が払出される毎にカウンタ値が減算更新されていくように構成してもよい。すなわち、玉貸しカウンタ1,2に払出予定の残数を記憶するようにしてもよい。このように構成した場合には、停電等が生じても、停電が復旧した後に停電前の玉貸しカウンタ1,2の記憶値に基づいた玉貸しが再開されるために、遊技者に不利益が生じない。
【0335】
SQ3の後、玉貸しカウンタ1のカウンタ値が25であるか否か、すなわち、払出予定数の玉(25個)が全て払出されたか否かが判断される(SQ4)。玉貸しカウンタ1のカウンタ値が25であると判断された場合は、後述するSQ5に進む。一方、玉貸しカウンタ1のカウンタ値がまだ25に達していないと判断された場合は、SQ4aへ進み、総賞球個数カウンタ1,2が0以外であるか否かの判断がなされる。0の場合には制御がSQ13へ進むが、0以外の場合にはSQ4bへ進み、払出モータをOFFに切換えた後SQ13へ進む。
【0336】
次に、玉貸しカウントスイッチ301Bがオンしたか否かが判断され(SQ13)、玉貸しカウントスイッチ301Bがオンしていない場合には、SQ13aへ進み、賞球カウントスイッチがオン状態であるか否かの判断がなされ、オン状態でない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。一方、オン状態の場合にはSQ13bへ進み、警告処理が行なわれる。この警告処理は、図34に基づいて既に説明しており、ここでは説明の繰返しを省略する。SQ13aによりYESの判断がなされるということは、玉貸し動作制御中であるにもかかわらず、玉貸しカウントスイッチ301Bではなく賞球カウントスイッチ301Aにより玉が検出されたということであり、玉振分部材311が玉貸し側に正常に切換わっておらず賞球側に切換わった異常状態であることが予想される。そのような異常の場合にSQ13bにより警告処理を行なう。
【0337】
一方、玉貸しカウントスイッチ301Bがオンしていると判断された場合には、タイマT17の計時がスタートされる(SQ14)。ここで、タイマT17は、玉貸しカウントスイッチ301Bのオフチェックタイマとして用いられる。
【0338】
次に、玉貸しカウントスイッチ301Bがオフしたか否かが判断され(SQ17)、玉貸しカウントスイッチ301Bがまだオフしていないと判断された場合にはタイマT17がタイムアウトしたか否かが判断される(SQ20)。タイマT17がタイムアウトしていないと判断された場合には、後述するSQ22に移行する。一方、玉貸しカウントスイッチ301BがオフしないままタイマT17がタイムアウトした場合には、玉貸しカウントスイッチ301B付近で玉詰まり等が発生しているものと考えられ、この場合には警告処理(図35参照)が実行される(SQ21)。これにより、ブザー駆動信号がブザー75に出力され、警告音が発生される。この警告音は、遊技場の店員等によるリセットスイッチ(リセットSW)379の押圧操作によって停止される。
【0339】
タイマT17がタイムアウトする前にSQ17で玉貸しカウントスイッチ301Bがオフしたと判断された場合には、タイマT17の計時がストップされ(SQ18)、続いて玉貸しカウンタ2が加算更新(+1)される(SQ19)。つまり、玉貸しカウントスイッチ301Bによって玉の払出しが検出されたために、その検出分の玉数を、玉貸しカウンタ2に加算するのである。
【0340】
次に制御がSQ22へ進む。SQ22では、玉貸しカウンタ2の値が「25」になっているか否かの判断がなされる。玉貸しカウンタ2の値がまだ25でないと判断された場合には、タイマT18がタイムアウトしたか否かが判断される(SQ28)。ここで、タイマT18は、玉貸しカウンタ1(払出モータ位置センサ286の検出出力によって加算更新)の値が払出予定数の25に達した時点でSQ6においてセットされて計時が開始されるタイマである。このタイマT18は、玉貸しカウンタ1の値が25となった後、一旦、払出モータ289を停止し、その後、所定期間内に玉貸しカウンタ2の値も25になるか否かを確認する際のその所定期間を計時するタイマである。
【0341】
つまり、払出モータ位置センサ286の検出出力が確認されてから、その検出出力に対応する払出玉が玉繰出し用のスクリュー288から落下してやがて玉貸しカウントスイッチ301Bで検出されるまでには、ある程度の時間がかかるために、そのタイムラグを埋めるためにタイマT18が用いられている。玉貸しカウンタ1の値がまだ25でない状態でSQ28に進んだ場合には、タイマT18はセットされていないために、SQ28ではNOの判断がなされてSQ28aへ進む。
【0342】
SQ28aでは、玉貸しカウンタ1の値が25になっているか否かの判断がなされ、なっている場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。一方、未だに玉貸しカウンタ1の値が25に達していない場合にはSQ28bへ進み、1個玉貸し中フラグをリセットする処理がなされる。つまり、SQ13により正常に貸玉が貸玉カウントスイッチにより検出されてその検出玉が正常に落下して玉貸しカウントスイッチがOFFになったとSQ17により判断されたために、貸玉1個分の払出が完了したこととなり、このSQ28bにより1個玉貸し中フラグをリセットする処理がなされるのである。そして前述のSJ3に基づいて説明したように、玉貸し動作中に賞球払出を行なわなければならなくなった場合には、1個玉貸し中フラグがセットされていない場合すなわち貸玉1個分の払出が完了した段階で賞球払出動作制御に移行するのである。
【0343】
後述する払出分岐処理では、玉貸し中フラグがセットされている場合にはSU13に進み、再度SU13以降の玉貸し動作が開始される。その結果、玉貸しカウントスイッチ301Bおよび払出モータ位置センサ286の検出出力による貸玉のカウントが進んで、玉貸しカウンタ1,2が加算更新されていき、やがて、玉貸しカウンタ1の値が25になった場合には、SQ4によりYESの判断がなされる。この場合、払出モータ位置センサ300Aの検出出力数による限り、払出予定数の玉がすべて払出されたことになるので、払出モータ289の駆動が一旦停止される(SQ5)。なお、ここで、「一旦停止」という表現を用いたのは、前述したように玉繰出し用のスクリュー288で玉抜けや玉噛み等が生じて実際には予定数の玉の払出が完了していない可能性もあるため、この場合には不足する玉の払出が再度必要になるためである。
【0344】
次に、タイマT18の計時が開始され(SQ6)、前述したようにタイマT18がタイムアウトするまでの間で、玉貸しカウントスイッチ301Bによる検出が待たれる。次いで、玉貸し確認中フラグがセットされる(SQ7)。その後、一旦、玉貸し制御処理が終了する。なお、玉貸し確認中フラグがセットされることにより、次回、玉貸し制御処理が実行された場合には、玉貸し分岐処理(SP14)によって処理がSQ13以降に移行する。
【0345】
以下、玉貸し確認中フラグがセットされた場合の処理を説明する。SQ13以降に移行すると、玉貸しカウントスイッチ301Bのオンオフが検出される毎に玉貸しカウンタ2が1ずつ加算更新される(SQ19)。すなわち、玉の流路上手側の払出モータ位置センサ300Aで検出された玉が時間差をもって次々と玉貸しカウントスイッチ301Bで検出され、それに基づいて玉貸しカウンタ2が加算更新されていくのである。
【0346】
その後、SQ22で玉貸しカウンタ2の値が25に達したか否かが判断され、25に達してはいないがタイマT18がまたタイムアウトしていない場合には、払出モータ289を停止した状態が維持される(SQ28でNO)。そして、タイマT18がタイムアウトするまでの間に玉貸しカウンタ2の値が25になれば、払出予定数のすべての玉が実際に玉貸しカウントスイッチ301Bでその払出が確認されたことになり、払出予定数のすべての玉が確実に払出されていることになるために、タイマT18の計時がストップされ(SQ23)、続いて玉貸し中フラグおよび玉貸し確認中フラグがそれぞれリセットされる(SQ24、SQ25)。次に振分用ソレノイド310がオフされる(QS26)。
【0347】
次にSQ26aへ進み、タイマT22をスタートさせる処理がなされる。このタイマT22は、前述したように振分用ソレノイドをOFFに制御する処理が開始されてから実際に玉振分部材311が賞球側に完全に切換わるまでに要する十分な時間を計時するためのものである。このタイマT22がタイムアウトするまでは前述したように賞球払出動作が開始されない(SJ3d)。
【0348】
次にSQ26bへ進み、補填玉貸しフラグがオン状態であるか否かの判断がなされる。通常の1単位玉貸し動作中であればこの補填玉貸しフラグはセットされていないためにSQ26dへ進み、1単位玉貸し終了フラグをセットする処理がなされる。その結果、前述したSZ25によりYESの判断がなされてSZ25a以降の処理が実行されることとなる。一方、未玉貸し動作カウンタの計数記憶に基づいた1単位玉貸し動作が行なわれていた場合には、補填玉貸しフラグがセットされているために(SU6参照)、制御がSQ26cへ進み、補填玉貸しフラグをリセットする処理がなされ、1単位玉貸し終了フラグがセットされることなくこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0349】
次に、タイマT18がタイムアウトしてもなお、玉貸しカウンタ2の値が25にならない場合には、現在の玉貸しカウンタ1の値が玉貸しカウンタ2の値で更新される(SQ31)。これにより、既に払出予定数の玉の払出の完了を示している(=25)玉貸しカウンタ1の値が、玉貸しカウンタ2の値によって示される玉数(25未満の値)に補正される。その後、この玉貸し制御処理のサブルーチンプログラムが終了する。この場合には、玉貸しカウンタ1,2ともに、実際に払出されている玉数が共通に記憶されることとなり、SQ4によりNOの判断がなされる状態となるために、再度不足分の数だけの玉貸し制御処理が実行されることとなる。
図42(a)は、玉貸分岐処理を説明するためのフローチャートである。この玉貸分岐処理は、図39のSU14で実行される処理である。玉貸分岐処理においては、まず、タイマT15が作動中であるか否かが判断され(SR1)、作動中でないと判断された場合にはタイマT16が作動中であるか否かが判断され(SR2)、作動中でないと判断された場合には玉貸し確認中フラグがオンしているか否かが判断され(SR2a)、玉貸し確認中フラグがオンしていないと判断された場合には、玉貸中フラグがオンしているか否かが判断され(SR3)、玉貸中フラグがオフしていない場合には処理が終了する。一方、SR1でタイマT15が作動中であると判断された場合には処理が図40のSQ1へ移行する。SR2においてタイマT16が作動中であると判断された場合には、処理が図40のSQ11へ移行する。SR2aにおいて玉貸し確認中フラグがオフしていると判断された場合には処理が図40のSQ13に移行する。SR3において玉貸中フラグがオフしていると判断された場合には処理が図40のSQ13に移行する。
【0350】
図42(b)は、前記SQ9により示された玉貸しエラー処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SM1により、払出モータをOFFにし、SM2により、タイマT29をスタートさせ、SM3により、警告音を発生させ、SM4により、リセットスイッチがONになったか否かの判断がなされる。ONになっていない場合にはSM5へ進み、タイマT29がタイムアウトしたか否かの判断がなされ、タイムアウトしていない場合にはSM4へ戻る。このSM4,SM5のループの巡回途中で、タイマT29がタイムアウトすればSM6により、振分用ソレノイド310をOFFにした後SM4へ戻る。
【0351】
そして、遊技場の係員が玉貸しエラーを修復して正常な状態に戻した後リセットスイッチを操作すれば、制御がSM7へ進み、振分用ソレノイド310がOFFになっているか否かの判断がなされる。OFFになっていない場合にはSM11へ進むが、OFFになっている場合にはSM8へ進み、振分用ソレノイド310をONにした後SM9へ進み、タイマT23をスタートさせ、SM10により、タイマT23がタイムアウトするまで待機する。そして待機した後SM11へ進み、払出モータをONにし、SM12により、タイマT15をスタートさせてこのサブルーチンプログラムグラムが終了する。
次に、賞球および玉貸しについての代表的な制御動作を説明する。図43、図44は、賞球および玉貸しについての代表的な制御動作を示すタイミングチャートである。
【0352】
図43には、賞球時の基本的な制御動作が示されている。図43においては、入賞球検出スイッチ(始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ240の総称)から遊技制御基板31への入力、遊技制御基板31からのINT信号の出力、遊技制御基板31からの賞球コマンドの出力、賞球カウントスイッチ301Aから遊技制御基板31への入力、賞球玉貸基板37から払出モータ289への駆動信号の出力、および、遊技制御基板31側のエラー動作の状態が示されている。
【0353】
図43を参照して、入賞球検出スイッチにより5個払出分の入賞、15個払出分の入賞、および、5個払出分の入賞が続けて検出された場合、それぞれの入賞に応じて、INT信号と、払出個数を指定した賞球コマンドとが遊技制御基板31から即座に出力される。そのような賞球コマンドによる払出し個数は、払出制御用マイクロコンピュータ370のRAM2916に記憶される。そして、そのような払出し個数の記憶情報に基づいて、5個払出回転分、15個払出回転分、5個払出回転分の駆動信号が賞球玉貸基板37から払出モータ289にそれぞれ出力される。これにより、5個の賞球、10個の賞球、5個の賞球が順次払出され、その賞球個数が賞球カウントスイッチにより検出される。この場合、遊技制御基板31側のエラー動作は生じていない。
【0354】
図44には、パチンコ遊技機1の電源投入時の制御動作が示されている。図44においては、入賞球検出スイッチ(始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ240の総称)から遊技制御基板31への入力、玉切れスイッチ187から遊技制御基板31への入力、玉切れ検出スイッチ167から遊技制御基板31への入力、遊技制御基板31からのINT信号の出力、遊技制御基板31からの賞球コマンドの出力、賞球カウントスイッチ301Aから遊技制御基板31への入力、賞球玉貸基板37から払出モータ289への駆動信号の出力が示されている。
【0355】
図44を参照して、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、前述したメイン処理における初期化処理(S2)において、発射禁止フラグ、玉貸禁止フラグ、および、賞球禁止フラグがそれぞれオン状態にされる。そして、まず、満タンスイッチ48が満タン状態を検出していないことを条件として、発射禁止フラグがオフ状態にされ、INT信号に伴って発射禁止解除コマンドが出力される。そして、玉切れスイッチ187がオフ状態(玉切れ非検出状態)であることが確認されてから2000mS経過後に玉貸し禁止フラグがオフ状態にされ、INT信号に伴って玉貸し禁止解除コマンドが出力される。そして、玉切れ検出スイッチ167がオフ状態(玉切れ非検出状態)であることが確認されてから2200mS経過後に賞球禁止フラグがオフ状態にされ、INT信号に伴って賞球禁止解除コマンドが出力される。
【0356】
また、この場合は、賞球禁止解除コマンドの出力後において入賞球検出スイッチにより5個払出分の入賞が検出されている。この5個分の賞球の払出しのための賞球コマンドは、賞球禁止解除コマンドの出力後において出力される。その賞球コマンドによる払出し個数は、払出制御用マイクロコンピュータ370のRAM2916の総賞球個数カウンタ1,2に記憶される。そのような賞球個数を指定した賞球コマンドに応じて5個払出回転分の駆動信号が賞球玉貸基板37から払出モータ289に出力される。これにより、5個の賞球が払出され、その賞球個数が賞球カウントスイッチにより検出される。なお、複数の賞球コマンドが連続して賞球玉貸基板37に入力された場合には、その複数の賞球コマンドに基づく賞球個数の総数分の玉をまとめて連続的に払出すために、その総数払出分の駆動信号が払出モータ289に出力される。
【0357】
次に、図45を用いて、払出モータ制御処理の別実施の形態を説明する。この図45に示したフローチャートは、図30〜図32に示した払出モータ制御処理のうちの図32に示したフローチャート部分の変形例である。
【0358】
図32に示した処理では、玉の払出し数が不足する旨が判定されること(SK19,SK23)に伴って、払出しが不足する玉を払出せるように総賞球個数カウンタ1の値が補正される(SK26)。この図45に示した変形例では、それらの処理が同様に行なわれるが、総賞球個数カウンタ1の値が補正される前に、異常の発生がブザー75による警告音で報知される。
【0359】
図45を参照して、SKK19においては、図32に示したSK19と同様に、総賞球個数カウンタ2の値が0であるか否かが判断される。そして、総賞球個数カウンタ2の値が0であると判断された場合には、図32に示したSK20〜SK22と同様の処理が実行される(SKK20〜SKK22)。
【0360】
一方、総賞球個数カウンタ2の値が0ではないと判断された場合には、タイマT14がタイムアウトしたか否かが判断され(SKK23)、タイムアウトしていないと判断された場合には処理が終了する。タイムアウトしていると判断された場合には、ステッピングモータにより構成される払出モータ289がオフされ(SKK24)、続いて、払出モータが1ステップ分だけ逆正回転駆動される(SKK25)。これにより、スクリュー288が一旦、逆回転された後、正転され、玉噛みが解消される。次に、警告音がブザー75から発生される(SKK26)。次に、リセットスイッチ(リセットSW)379がオンしたか否かが判断され(SKK27)、リセットスイッチ379がオンされるまで継続的に警告音が出力される。そして、リセットスイッチ379がオンされた時点で、警告音の出力が止み、総賞球個数カウンタ1に対して総賞球個数カウンタ2の値が加算される(SKK28)。これにより、総賞球個数カウンタ1に未払出分の賞球数が与えられ、総賞球個数カウンタ1の値が補正される。その後、処理が終了する。
【0361】
この変形例によれば、たとえば、スクリュー288を逆正回転させても自動回復しないような故障が生じている場合でも、遊技場の店員が迅速に対応できる。すなわち、図31に示した処理によると、自動回復しないような故障が生じている場合であってもスクリュー288を逆正回転させることによって正常になったものとみなされて総賞球個数カウンタ1の値が補正され、払出モータ制御処理(図33参照)のルーチンを抜けるため、再度、SK19,SK23で玉の払出し不足が検出され、同じ処理が繰返される。このため、たとえば、遊技者によって異常が指摘されるまで、その異常が放置されることになる。一方、図45に示す変形例によれば、払出モータ制御処理のルーチンを抜ける前(ここでは、総賞球個数カウンタ1の値が補正される前)に、異常の発生がブザー75による警告音で報知され、リセットスイッチ379がオンされるまで処理が待機状態となるために、その異常に対して店員が迅速に対応できる。また、異常が発生しても何らその旨が報知されることなく自動復帰するように構成された場合に比較して、たとえば、異常状態が頻発しているか否かを店員が確認できるようになる。さらに、総賞球個数カウンタ1の値が補正される前に、処理が待機状態となるために、店員が払出不足数がどの程度であるのかをチェックすることができ、店員自身の手によって不足する玉を遊技者に付与し、不足分を補償することもできる。
【0362】
第2実施の形態
次に、本発明の第2実施の形態を図46に基づいて説明する。
【0363】
前述した第1実施の形態では、所定個数の玉を払出して払出モータをOFFにした後所定個数の払出玉の最後のものが賞球カウントスイッチ301Aまたは玉貸しカウントスイッチ301Bにより検出されて確実に所定個数の払出が終了したことを確認した上で振分用ソレノイドを制御して玉振分部材311を切換えるように制御したが、この第2実施の形態では、所定個数の玉の払出が行なわれて払出モータをOFFにした後所定個数の払出玉のうちの最後のものが玉振分部材311を通過するのに要する時間を計時するタイマをスタートさせ、そのタイマがタイムアップしてから振分用ソレノイドを制御して玉振分部材311を切換えるように制御する。
【0364】
図46においては、第1実施の形態に示したフローチャートのうち、変更する部分のみを示している。第1実施の形態の図31のSK3により払出モータをOFFに制御した後SK29へ進み、タイマT25をスタートさせ、SK4へ進み、タイマT14をスタートさせた後図31のSK5へ進む。
【0365】
また、第1実施の形態における図40のSQ5により払出モータをOFFに制御した後SQ32へ進み、タイマT25をスタートさせた後SQ6のタイマT18をスタートさせる処理がなされた後図40のSQ7へ進む。このSK29,SK32のタイマT25は、払出モータをOFFに制御した後最後の払出玉が玉振分部材311を通過するのに要する十分な時間を計時するものである。
【0366】
次に、第1実施の形態の図30のSJ3aにより振分用ソレノイドがOFFになっているか否かの判断がなされ、振分用ソレノイドがOFFになっている場合にはSJ13ヘ進み、前述したタイマT25が終了したか否かの判断がなされ、未だに終了していない場合には図30のSJ3dに進み、タイマT22が終了したか否かの判断がなされる。一方、タイマT25が終了したと判断された場合には制御がSJ3bへ進み、振分用ソレノイド310をOFFに制御して玉振分部材311を賞球側に切換えるための動作が開始される。すなわち、タイマT25が終了するまで待って玉振分部材311を賞球側に切換える制御が開始されるのである。そのために、玉払出装置97から払出された払出玉の最後のものが玉振分部材311を通過するまで待って玉振分部材311が賞球側に切換えられる。
【0367】
さらに、第1実施の形態における図39のSU2により玉貸し待機フラグがON状態になっているか否かの判断がなされ、ON状態である場合にはSU16へ進み、タイマT25が終了したか否かの判断がなされ、終了するまで待ってSU7による振分用ソレノイドをONにする処理がなされて図39のSU8へ進む。その結果、タイマT25がタイムアップするまで待って玉振分部材311を玉貸し側に切換えるための制御が開始される。その結果、玉払出装置97から払出された払出玉の最後のものが玉振分部材311を通過するまで待って玉振分部材311を玉貸し側に切換える制御が開始される。
【0368】
また、第1実施例におけるSQ4の処理の後SQ4aへ進み、総賞球個数カウンタ1,2が0以外であるか否かの判断がなされ、0の場合には前記SQ10へ進むが、0でない場合にはSQ4bへ進み、払出モータをOFFにし、SQ4cによりタイマT25をスタートさせた後SQ10へ進む。
【0369】
第3実施の形態
図47は、本発明の第3実施の形態を示すフローチャートである。第1実施の形態においては、賞球を連続的に払出す連続払出制御を示したが、この第3実施の形態においては、総賞球個数カウンタの値が25個を超える場合には、25個を上限として賞球払出を一旦停止し、所定のインターバル期間を経過した後残りの賞球を払出す制御を行なうように構成されている。
【0370】
第1実施の形態における図30のSJ10の処理の後SK1により、総賞球個数カウンタ1を「1」減算する処理がなされ、SK29により、賞球払出カウンタを「1」加算する処理がなされる。この賞球払出カウンタとは、賞球払出が開始されてから現時点までに連続して払出された賞球個数を計数するカウンタである。次にSK2へ進み、総賞球個数カウンタ1が0であるか否かの判断がなされ、0でない場合にはSK32へ進むが、0の場合には図31のSK3へ進む。
【0371】
SK32では、賞球払出カウンタが「25」に達したか否かの判断がなされ、達した場合にはSK33へ進み、タイマT26をスタートさせる処理がなされる。このタイマT26は、賞球払出上限値である「25」まで連続賞球払出個数が達した後所定期間だけ賞球払出を一時的に停止するインターバル時間を計時するためのものであり、たとえば2秒程度の時間である。次にSK34へ進み、賞球払出カウンタをクリアして「0」にし、SK35により払出モータをOFFにして賞球払出を一時的に停止する処理がなされた後図31のSK12へ進む。
【0372】
また、図30のSJ3dによりタイマT22が終了したか否かの判断がなされ、終了したと判断された場合にはSJ13へ進み、タイマT26が終了したか否かの判断がなされ、終了したと判断された場合に図30のSJ4へ進む。このように、この第3実施の形態においては、賞球払出カウンタの値が「25」に達した場合には、総賞球個数カウンタ2が「0」になっていないにもかかわらずタイマT26がタイムアップするまでの賞球インターバル期間(たとえば2秒)だけ賞球払出動作が一時停止し、その賞球インターバル期間が経過した後再度残りの賞球を払出す動作が実行される。
【0373】
なお、前述した貸玉の払出に際しては、第2実施の形態でも説明したように、予め定められた単位金額(100円)相当の貸玉を払出す1単位貸出動作を繰返すことにより所定量の貸玉を払出す制御を行ない、その1単位貸出動作が終了した後次の1単位貸出動作が行なわれるまでの貸出インターバル期間が設けられている。この貸出インターバル期間は、パチンコ遊技機1の賞球玉貸し基板37がカードユニット50に対し玉貸し完了信号を出力し(ST26)、それに基づいてカードユニット50が次の玉貸し指令信号を返信し、その玉貸し指令信号に基づいて次の1単位玉貸し動作が開始されるまでの期間である。そして、前述した賞球インターバル期間はこの玉貸しインターバル期間よりも短い期間に構成されている。
【0374】
第4実施の形態
図48〜図52は、第4実施の形態を示す図である。図48は、第1実施の形態における図4に対応するものである。共通する部分については同じ参照番号を付している。図4との相違点は、玉振分け部材311が賞球側あるいは玉貸し側のいずれに切換わった状態であるかを検出する切換わり検出器300A,300Bが設けられている点である。具体的には、300Aが賞球側切換わり検出器であり、玉振分け部材311が賞球側(図48の実線で示された側)に切換わっている状態を検出するものである。300Bは玉貸し側切換わり検出器であり、玉振分け部材311が玉貸し側(図48の破線で示した側)に切換わった状態を検出するものである。この賞球側切換わり検出器300Aと玉貸し側切換わり検出器300Bとは、賞球玉貸し基板307のI/Oポート372bに接続されており、それぞれの検出信号がI/Oポート372bから入力されるように構成されている。
【0375】
図49の(a)と(b)は、それぞれ第1実施の形態における図30と図37の一部とに対応するサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。同じ処理をするステップについては同じステップ番号を付し、ここでは相違点について主に説明する。SJ3により1個玉貸し中フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはSJ13へ進み、賞球側切換わり検出器300AがON状態であるか否かの判断がなされる。賞球側切換わり検出器300AがすでにON状態になっている場合には、玉振分け部材311を賞球側へ切換える必要がないためにSJ4へ直接進む。一方、賞球側切換わり検出器300AがON状態でない場合にはSJ14へ進み、玉振分け部材賞球側切換処理を実行する。これについては、後述する。次にSJ15へ進み、賞球側切換中フラグがON状態であるか否かの判断がなされ、ON状態の場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、ON状態ない場合にはSJ4へ進む。この賞球側切換中フラグとは、玉振分け部材311が賞球側に切換わる動作を行なっている最中にON状態となっているフラグであり、後述するSV2によりセットされSV6によりリセットされる。
【0376】
次に、図33(b)を参照して、図37のSZ9の処理の後SZ10によりPRDY信号がLOWに切換えられ、その後SZ31に進み、玉振分部材賞球側切換処理が行なわれる。その後制御が図38のSZ13へ進む。
【0377】
図50は、第1実施の形態における図39に対応するフローチャートであり、ここでは相違点について主に説明する。SU2により玉貸し待機フラグがONになっていると判断された場合には、SU16へ進み、玉振分け部材玉貸し側切換処理が実行される。これについては後述する。次にSU17へ進み、玉貸し側切換中フラグがONになっているか否かの判断がなされ、ONになっている場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、ONになっていない場合にはSU11へ進む。この玉貸し側切換中フラグとは、玉振分け部材311が玉貸し側に切換わる動作を行なっている最中にON状態となるフラグであり、後述するSW2によりセットされSW6によりリセットされる。
【0378】
図51は、第1実施の形態における図41に対応するフローチャートである。図41との相違点は、SQ25の処理が実行された後SQ31へ進み、玉振分け部材賞球側切換処理が実行された後SQ26bへ進む。
【0379】
図52は、SA14,SU16,SQ31により示された玉振分け部材賞球側切換処理と玉振分け部材玉貸し側切換処理とのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0380】
玉振分け部材賞球側切換処理では、まずSV1により、賞球側切換中フラグがONになっているか否かの判断がなされる。ONになっていない場合にはSV2へ進み、賞球側切換中フラグがセットされる。その結果のこの玉振分け部材賞球側切換処理のサブルーチンの次回の実行に際しては、SV1によりYESの判断がなされることとなる。
【0381】
次にSV3へ進み、振分け用ソレノイド310をOFFに制御する処理がなされる。次にSV4へ進み、振分け用ソレノイド310をOFFに制御する処理がなされる。次にSV4へ進み、賞球側切換用タイマをスタートさせる処理がなされる。この賞球側切換用タイマとは、振分け用ソレノイド310をOFFにする処理を開始した後実際に玉振分け部材311が賞球側に切換わるまでに要する十分な時間を計時するためのタイマである。
【0382】
次にSV5へ進み、賞球側切換わり検出器300AがONになったか否かの判断がなされ、未だなっていない場合にはSV7へ進み、賞球側切換用タイマがタイムアップしたか否かの判断がなされ、未だタイムアップしていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。そして、玉振分け部材311の切換動作が正常に行なわれている場合には、賞球側切換用タイマがタイムアップする以前の段階で賞球側切換わり検出器300AがONとなる。その結果、制御がSV6へ進み、賞球側切換中フラグがリセットされる。一方、玉振分け部材311の個所で玉噛み等の異常や振分用ソレノイド310の故障等の何らの異常が発生した場合には、賞球側切換用タイマがタイムアップしたとしても賞球側切換わり検出器300AがONにならない。その場合には、制御がSV8へ進み、警告処理がなされる。この警告処理は図36と同様のものである。
【0383】
玉振分け部材玉貸し側切換処理では、まずSW1により、玉貸し側切換中フラグがONになっているか否かの判断がなされる。ONになっていない場合にはSW2へ進み、玉貸し側切換中フラグをセットする処理がなされる。その結果、このサブルーチンプログラムの次回の実行に際してはSW1によりYESの判断がなされる。次にSW3へ進み、振分け用ソレノイド310をONにする処理がなされる。次にSW4へ進み、玉貸し側切換用タイマをスタートさせる処理がなされる。この玉貸し側切換用タイマとは、振分け用ソレノイド310をONにする制御を開始した後玉振分け部材311が実際に玉貸し側に切換わるまでの十分な時間を計時するためのものである。
【0384】
次にSW5へ進み、玉貸し側切換わり検出器300BがONになったか否かの判断がなされ、未だONになっていない場合にはSW7へ進み、玉貸し側切換用タイマがタイムアップしたか否かの判断がなされ、未だタイムアップしていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0385】
玉振分け部材311が正常に切換動作をしている限り、玉貸し側切換用タイマがタイムアップする以前の段階で玉貸し側切換わり検出器300BがONになる。その場合には、制御がSW6へ進み、玉貸し側切換中フラグをリセットする処理がなされる。一方、玉振分け部材311の個所で玉噛み等の何らかの異常が発生して玉振分け部材311が正常に切換動作を行なえない状態となっている場合には、玉貸し側切換わり検出器300BがONになることなく玉貸し側切換用タイマがタイムアップする。その場合には、制御がSW8へ進み、警告処理が行なわれる。この警告処理は、図34に示したものと同様である。
【0386】
第5実施の形態
次に、図53,図54に基づいて第5実施の形態を説明する。前述した第1実施の形態では、玉貸し単位額(100円)に相当する貸玉(25個)を払出す1単位玉貸し動作中であっても入賞が発生すれば、その1単位玉貸し動作を途中で中断させて賞球払出動作に移行するという完全賞球優先制御であったが、この第5実施の形態では、前述した1単位玉貸し動作が終了した後入賞が発生していれば賞球払出動作に移行するように構成されたものである。
【0387】
図53は、第1実施の形態における図30に相当するフローチャートであり、相違点といえば、SJ2によりYESの判断がなされた場合には、SJ13により1単位玉貸し中フラグがONになっているかの判断が行なわれる点である。ONになっていると判断された場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、ONになっていないと判断された場合には制御がSJ3aへ進む。この玉貸し中フラグがONになっているということは、前述した1単位玉貸し動作の実行中であるということであり、この1単位玉貸し動作の実行中の場合にはSJ3a以降の賞球払出動作が実行されない。そして、1単位玉貸し動作が終了して玉貸し中フラグがOFFになった段階でSJ3a以降の賞球払出動作に移行する。
【0388】
図54は、第1実施の形態における図41に相当するフローチャートである。相違点といえば、図41のSQ23a,SQ28a,SQ28bが削除されている点である。これは、この第5実施の形態が、1単位玉貸し動作が終了した時点を区切りとして賞球払出動作に移行するために、1個玉貸し中フラグを設ける必要がないためである。
【0389】
第6実施の形態
次に、図55に基づいて第6実施の形態を説明する。第1実施の形態や第5実施の形態では、玉貸し動作中に入賞が発生した場合に玉貸し動作を中断させて賞球払出動作に移行するという賞球優先動作を行なう際に、カードユニット側に玉貸し完了信号を返信しなければならないタイムリミットが来る以前の段階で賞球払出を完了しかつ玉貸し動作も完了した場合には正規の玉貸し完了信号を返信する一方、前記タイムリミットまでに賞球払出動作を完了して玉貸し動作を完了させることができない場合にのみ仮の玉貸し完了信号をカードユニットに返信するという制御を行なっている。ところが、この第6実施の形態では、玉貸し動作中に入賞が発生すればその玉貸し動作を中断させて賞球払出動作に移行するという賞球優先制御を行なうものの、賞球優先制御中においては前記タイムリミットを待つことなく仮の玉貸し完了信号をカードユニット側に返信するものである。そして、返信されてきた玉貸し完了信号に基づいて、カードユニットが引続き残りの玉貸し動作を行なわせるための玉貸し指令信号を送信してきた場合には賞球優先制御が行なわれている以上、前記タイムリミットを待つことなく再度仮の玉貸し完了信号を返信するものである。この玉貸し指令信号の受信に基づいた仮の玉貸し完了信号の返信を前記タイムリミットを待つことなく繰返し実行し、カードユニット側から玉貸し指令信号が送られてこなくなるまでこの仮の玉貸し完了信号の返信を繰返し実行するものである。
【0390】
図55は、第1実施の形態における図38に相当するフローチャートである。ここでは相違点について主に説明する。なお、この第6実施の形態においては、払出モータ制御については図35,図34のものを用いる。SZ29により賞球中フラグがONであると判断された場合にはSZ31へ進み、玉貸し要求フラグをリセットし、SZ32により仮の玉貸し完了信号をカードユニット50へ出力する処理がなされる。すなわち、玉貸し指令信号がカードユニット50から送られてきた場合に(SZ18によりYESの判断がなされた場合に)賞球優先制御が行なわれているときには(SZ29によりYESの判断がなされたときには)、カードユニット50側のタイムリミットであるT3のタイムアップすなわち図38のタイマT21ののタイムアップまで待つことなく仮の玉貸し完了信号を出力するのである(SZ32)。
【0391】
次に、SZ33へ進み、玉貸し指令フラグをリセットし、SZ34により、未玉貸し動作カウンタを「1」加算更新した後に処理が終了する。
【0392】
一方、SZ20のステップが実行された後には制御がSZ25へ進み、1単位玉貸し終了フラグがONになっているか否かの判断がなされる。図38においてはSZ21によるタイマT21の終了か否かの判断がなされるが、この第6実施の形態では、前述したタイムリミットを計時する必要がないためにタイマT21自体が存在しない。この1単位玉貸し終了フラグがONでない場合には、このサブルーチンプログラムが終了するが、ONである場合にはSZ25bへ進み、玉貸し指令フラグがONになっているか否かの判断がなされる。玉貸し指令フラグがONになっているということは、カードユニット50から玉貸し指令信号が送信されてきてそれに基づいて1単位玉貸し動作を実行し、その1単位玉貸し動作が終了したということであるために、SZ26により正規の玉貸し完了信号をカードユニット60に出力する処理がなされる。
【0393】
次にSZ26aへ進み、玉貸し指令フラグをリセットする処理がなされてSZ27へ進む。一方、SZ25bにより玉貸し指令フラグがONでないと判断された場合には、カードユニット50側からの玉貸し指令信号に基づいた1単位玉貸し動作の実行ではなく未玉貸し動作カウンタのカウント記憶値に基づいた1単位玉貸し動作を実行してそれが終了した場合であるために、制御がSZ25cへ進み、未玉貸し動作カウンタを「1」減算更新した後にSZ27へ進む。
【0394】
次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を以下に列挙する。(1) 上記実施の形態では、発光素子LED286と受光素子(図示せず)とによる払出モータ位置センサによって、前記払出装置による遊技媒体の払出動作量を検出する払出動作量検出手段を構成したが、その他のセンサでもよいし、センサを使わない場合にあっては、ステッピングモータである払出モータ289のステップパルス数を検出する手段によって前記払出動作量検出手段を構成してもよい。
【0395】
(2) 賞球の払出数が不足する場合には、賞球カウントスイッチ301Aの検出出力に基づいた計数結果が記憶される総賞球個数カウンタ2の値によって、総賞球個数カウンタ1の値を補正し、その後に不足する賞球の払出しを行なうように構成した。しかしながら、これに代えて、払出しが不足する賞球の数を記憶するための払出不足賞球数カウンタを総賞球個数カウンタ1,2とは別に設けてもよい。たとえば、賞球の払出数が不足する場合には、総賞球個数カウンタ2の値に基づいて払出不足賞球数カウンタの値を更新し、その払出不足賞球数カウンタの値に基づいて不足する賞球の払出しを行なうようにすることが考えられる。
【0396】
貸玉の払出数が不足する場合についても同様である。すなわち、払出しが不足する貸玉の数を記憶するための払出不足貸玉数カウンタを玉貸しカウンタ1,2とは別に設けてもよい。たとえば、貸玉の払出数が不足する場合には、玉貸しカウンタ2の値に基づいて払出不足貸玉数カウンタの値を更新し、その払出不足貸玉数カウンタの値に基づいて不足する貸玉の払出しを行なうようにすることが考えられる。
【0397】
(3) 玉(遊技媒体)を払出す払出装置の一例として、装置内に設けられたスクリュー288が玉を外部へ繰出すように構成された玉払出装置97を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。すなわち、払出装置からの玉の自由落下を制止する制止部材(ストッパー)が設けられ、その制止部材(ストッパー)が賞球玉貸基板37によって制御されることで払出予定数の玉の払出しが行なわれるような払出装置であってもよい。
【0398】
たとえば、外周に複数形成された係止部の各々に玉を係止させつつ回転可能なスプロケットと、そのスプロケットの回転を制止可能な制止部材(ソレノイドの励磁/非励磁によって駆動されるストッパー)とを払出装置内に装置させ、制止部材によるスプロケットの制止を開放すると、玉の自重によりスプロケットが所定角度回転する毎に係止部から玉が1つまたは複数個開放されて玉が自由落下することで玉が払出されるような払出装置を例に挙げることができる。
【0399】
この場合、スプロケットの回転に伴って移動する係止部部分をセンサで検出することによって、玉の払出しを間接的に検出するように構成する。より具体的には、各係止部部分にフォトセンサ検出用の穴を形成してその穴をフォトセンサで検出する。このとき、払出予定数の玉数相当量だけセンサから検出信号が出力されるまでスプロットの回転を制止することなく連続的に回転させてもよいし、所定単位数(1個または2個以上)相当量だけセンサから検出信号が出力される毎に、一旦、制止部材によってスプロケットを制止し、たとえば、賞球カウントスイッチ301Aによって玉が検出された後、スプロケットを開放して玉の払出しを再開させてもよい。
【0400】
(4) 図41を参照して、タイマT18がタイムアウトしてもなお玉貸しカウンタ2の値が払出予定数25に達しない場合(SQ28でYES)には、貸玉の払出数が不足するために、これを払出すための補正制御(SQ29〜SQ31)がなされるが、その前に、図45に示したのと同様に、ブザー75を駆動してその旨を報知するように構成してもよい。この場合、図45に示したのと同様に、リセットスイッチ379がオンするまで継続的に報知してもよく、または、所定期間報知した後、復帰して、前記補正制御(SQ29〜SQ31)がなされるように構成してもよい。
【0401】
また、このような報知制御は、玉貸時のみならず、図32に示した賞球の払出時にも同様に行なわれるようにしてもよい。具体的には、タイマT14がタイムアウトしてもなお総賞球個数カウンタ2の値が0にならない場合(SK23でYES)には、補正制御(SK24〜SK26)する前に、ブザー75を駆動してその旨を報知する。
【0402】
さらに、報知の態様としては音報知のみならず、ランプの点滅等の視覚的報知であってもよい。あるいは、外部機器(たとえば、ホールコンピュータ等)に情報出力するように構成してもよい。
【0403】
(5) パチンコ遊技機1により、遊技中に予め定められた入賞が発生した場合に遊技に使用可能な遊技媒体が払出装置から払出される遊技機が構成されている。玉払出装置97により、遊技に使用可能な遊技媒体を払出す払出装置が構成されている。パチンコ玉により、前記遊技媒体が構成されている。なお、コイン(メダル)により遊技媒体を構成してもよい。
【0404】
遊技制御基板31の基本回路53により、前記入賞が発生した場合に、前記払出装置から払出す遊技媒体の数を指定するための払出数指定情報を出力する遊技制御手段が構成されている。賞球個数コマンドにより、前記払出数指定情報が構成されている。賞球玉貸し基板37により、前記払出数指定情報に基づいた数の遊技媒体を前記払出装置から払出す制御を行なう払出制御手段が構成されている。
【0405】
遊技制御基板31側の基本回路53のRAM55に構成される総賞球カウンタ(図13のSA14等参照)により、前記遊技制御手段に含まれ、前記入賞が発生した場合に当該入賞に基づいた遊技媒体の払出予定数を記憶するための第1の払出予定数記憶手段が構成されている。
【0406】
賞球玉貸基板37のRAM2916に構成される総賞球個数カウンタ1,2により、前記払出制御手段に含まれ、前記払出数指定情報が前記遊技制御手段から出力された場合に当該払出数指定情報に基づいた遊技媒体の払出予定数を記憶するための第2の払出予定数記憶手段が構成されている。
【0407】
図14のSA14,SA16,SA20に示されるように、前記第1の払出予定数記憶手段は複数の入賞が発生した場合には前記払出予定数を前記複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶する。また、図29のSI17に示されるように、前記第2の払出予定数記憶手段は複数の払出数指定情報が出力された場合には前記払出予定数を前記複数の払出数指定情報の各々に対応する払出予定数の総数で記憶する。
【0408】
(6) 賞球カウントスイッチ301Aにより、前記払出装置から払出された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段が構成されている。また、図7に示されるように、前記遊技媒体検出手段の検出出力は前記遊技制御手段と前記払出制御手段との双方に入力される。
【0409】
図15のSB2〜SB5、SB8〜SB12に示すように、前記遊技制御手段は前記遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を前記第1の払出予定数記憶手段から減算更新することで遊技媒体の未払出数を管理する。
【0410】
図31のSK13〜SK17に示すように、前記払出制御手段は前記遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を前記第2の払出予定数記憶手段から減算更新することで遊技媒体の未払出数を管理する。
【0411】
(7) 図30のSJ8〜SJ11、または、SK6〜SK8,SK10により、前記払出装置による遊技媒体の払出動作に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段が構成されている。図33のSL6,SL7により、該異常判定手段により前記払出動作に異常が発生したと判定された場合に、前記異常を回復させるための制御を行なう回復制御手段が構成されている。
【0412】
(8) 遊技制御基板31により、前記遊技制御手段(基本回路53)が設けられる遊技制御基板が構成されている。
【0413】
(9) 払出モータ位置センサ286により、前記払出装置による遊技媒体の払出動作量を検出する払出動作量検出手段が構成されている。より具体的には、玉払出装置97のスクリュー288が半回転したことが払出モータ位置センサ286によって検出されてこれによって間接的に玉が1つ払出されたことが検出される。
【0414】
図31のSK3により、前記払出動作量検出手段により検出された払出動作量が払出予定数分の遊技媒体を払出すために必要な動作量に達した場合に遊技媒体の払出を停止させる払出停止制御手段が構成されている。
【0415】
図32のSK19,SK23により、該払出停止制御手段により遊技媒体の払出が停止された後、前記遊技媒体検出手段で検出された遊技媒体数が払出予定数に達しているか否かを判定する判定手段が構成されている。
【0416】
(10) 前述したSA2c,SA9によるエラー処理において、エラー原因を可変表示装置9等によりコード表示するようにしてもよい。さらに、SL11〜SL15の警告処理において、エラー原因を表示器374によりコード表示するようにしてもよい。
【0417】
(11) 前記玉払出装置97により、遊技中に予め定められた入賞が発生した場合に景品遊技媒体を払出す遊技媒体払出手段が構成されている。前記玉貸し通路312Bにより、遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路が構成されている。前記賞球通路312Aにより、前記景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路が構成されている。前記玉振分部材311により、電気的駆動源(振分用ソレノイド310)により駆動されて前記両通路切換え、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態にする通路切換手段が構成されている。
【0418】
前記賞球玉貸し基板37により、前記通路切換手段を制御する切換制御手段が構成されている。そして、該切換制御手段は、前記遊技媒体払出手段による払出動作の終了から該払出遊技媒体のうちの最後のものが前記通路切換手段を通過し終えるまでの遅延処理(SK12〜SK22,SZ9,SU15,SQ13〜SQ21,図54のSQ22〜SQ24,またはSK29,SQ32,SJ13,SU16)を行なった後前記通路切換手段を切換える制御(SJ3b,SZ11,SU7,SQ26、または、SV3、SW3)を行ない、かつ、前記電気的駆動源が駆動状態中に遊技媒体の払出を禁止すべき払出禁止条件が成立した場合(SC2〜SC7,SE1〜SE9,SI6〜SI17,SN1,SN3,SZ6)には前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する(SZ11)。
【0419】
前記切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に払出すべき遊技媒体が欠乏した場合(SC2でNOと判定された場合)には、前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する。また、前記切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に払出すべき遊技媒体の流下状態の異常が発生した場合(SC2でNOと判定された場合)には前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する。
【0420】
前記切換制御手段は、前記払出すべき遊技媒体の欠乏が解除された場合(SC2,SC8〜SC12)に前記電気的駆動源を駆動状態に復帰させる(SZ14〜SZ20,SZ18a,SZ28,SU2と、SU7またはSW2)。
【0421】
前記切換制御手段は、前記払出すべき遊技媒体の流下状態の異常が解除された場合(SC2,SC8〜SC12)に前記電気的駆動源を駆動状態に復帰させる(SZ14〜SZ20,SZ18a,SZ28,SU2と、SU7またはSW2)。
【0422】
前記賞球カウントスイッチ309A,玉貸しカウントスイッチ301Bにより、前記通路切換手段の下手側において遊技媒体の通過を検出する遊技媒体検出手段が構成されている。そして、前記切換制御手段は、前記遊技媒体検出手段による所定個数の払出動作が終了して該所定個数の払出遊技媒体のうちの最後のものが前記遊技媒体検出手段により検出された後(SK12〜SK22,SZ9,SU15,SQ13〜SQ21,図54のSQ22〜SQ24)前記通路切換手段を切換える制御を行なう(SJ3b,SZ11,SU7,SQ26、またはSV3,SW3)。
【0423】
前記通路切換手段は、前記電気的駆動源が駆動状態で遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過可能な状態となり、前記電気的駆動源が非駆動状態で遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過可能な状態となる(図4参照)。前記遊技媒体払出手段は、遊技媒体の払出に際し前記通路切換手段を切換える必要がある場合には、前記切換制御手段による切換制御が行なわれてから所定期間経過後に払出動作を開始する(SJ3c,SJ3d,SJ7,SZ11a,SZ12,SU8〜SU11,SQ26a)
前記賞球玉貸し基板37により、前記遊技媒体払出手段を制御する手段であって、遊技媒体を前記貸し遊技媒体として払出す貸し遊技媒体払出状態と遊技媒体を前記景品遊技媒体として払出す景品遊技媒体払出状態とに選択的に制御する払出制御手段が兼用構成されている。この払出制御手段は、前記貸し遊技媒体払出状態中に前記入賞が発生した場合に当該貸し遊技媒体払出状態を中断させて前記景品遊技媒体払出状態に切換える景品遊技媒体優先払出制御を実行可能に構成されている(SJ3,SU15,SU13a,SQ23a,SQ28b、または、SJ13,SU15,SU12,SQ24)。
【0424】
前記払出制御手段は、予め定められた単位金額(100円)相当の貸し遊技媒体(25個の貸玉)を払出す1単位貸出動作(SU11〜SU14,SQ1〜SQ5)を繰返すことにより所定量の貸し遊技媒体を払出す制御を行ない、前記入賞が発生した場合に前記1単位貸出動作が終了した後(SQ24,SJ13)前記景品遊技媒体優先払出制御を実行する。
【0425】
前記払出制御手段は、予め定められた単位金額相当の貸し遊技媒体を払出す1単位貸出動作を繰返すことにより所定量の貸し遊技媒体を払出す制御を行ない、前記1単位貸出動作中に前記入賞が発生した場合に当該1単位貸出動作を中断して前記景品遊技媒体優先払出制御を実行する(SU13a,SQ23a,SQ28a、SJ3)。
【0426】
前記SA2a,SA2b,SK27,SQ13aにより、前記通路切換手段の切換わり状態の異常を判定する切換異常判定手段が構成されている。前記玉貸しカウントスイッチ31Bにより、前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体を検出する貸し遊技媒体検出手段が構成されている。前記賞球カウントスイッチ301Aにより、前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体を検出する景品遊技媒体検出手段が構成されている。そして、前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記貸し遊技媒体検出手段の検出出力があった場合(SK27でYESの判断がなされた場合)、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記景品遊技媒体検出手段の検出出力があった場合(SA2aでYESと判断されSA2bでNOの判断がなされた場合およびSQ13aでYESの判断がなされた場合)に、異常判定する。
【0427】
前記賞球側切換わり状態検出器300A,玉貸し側切換わり状態検出器300Bにより、前記通路切換手段の切換わり状態を検出する手段であって、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体側切換わり状態と遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体側切換わり状態とを検出可能な切換わり状態検出手段が構成されている。そして、前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記景品遊技媒体側切換わり状態を検出していない場合(SJ13,SV5,SV7)、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記貸し遊技媒体側切換わり状態を検出しない場合(SU16,SU18,SU19,SW5,SW7)に、異常判定する。
【0428】
前記払出制御手段は、入賞が複数回連続的に発生した場合に該複数回分に相当する景品遊技媒体を入賞毎に区切ることなく連続して払出す制御を行なう(SI17,SJ2,SJ9,SJ10,SK1〜SK3)。
【0429】
前記SI2aにより、記録媒体(プリペイドカード)を受付けて該記録媒体の記録情報により特定される有価価値を使用して前記貸し遊技媒体を払出すための貸出指令信号を出力する(SX20)記録媒体処理装置(カードユニット50)に対し信号の交信を行なう交信手段が構成されている。そして、この交信手段は、前記貸出指令信号を受信した後(SZ18でYESの判断がなされた後)該貸出指令信号に従った貸し遊技媒体の払出動作が終了したことに伴って貸出完了信号を前記記録媒体処理装置へ返信し(SZ26)、前記景品遊技媒体優先払出制御の実行に伴う貸し遊技媒体の払出の遅れに起因して前記記録媒体受付処理装置が受付を許容している貸出完了信号受付許容期間(SX29のT3)内に貸出完了信号を返信できない場合に限り(SZ22でYESの判断がなされた場合に限り)、前記貸出完了信号受付許容期間が経過する以前に仮の貸出完了信号を返信する(SZ23)。
【0430】
前記払出制御手段は、前記交信手段が前記仮の貸出仮信号を返信した場合には、前記貸し遊技媒体払出状態に制御可能となってから不足分の貸し遊技媒体を払出す貸し遊技媒体補填払出制御(SZ24)を行なう。
【0431】
前述した第6実施の形態において、第1実施の形態で示した完全な賞球優先制御を採用してもよい。すなわち、1単位貸出動作中に入賞が発生した場合にはその現在実行中の1単位貸出動作を中断して賞球払出制御に移行するようにしてもよい。
【0432】
なお、内部に玉がない状態で玉払出装置97が動作する空切り時にも振分ソレノイド310をOFFにしてもよい。
【0433】
前記玉払出装置97により、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段が構成されている。前記玉貸し通路312Bにより、遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路が構成されている。賞球通路312Aにより、入賞により払出される景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路が構成されている。前記玉振分部材311により、電気的駆動源(振分用ソレノイド310)により駆動されて前記両通路を切換え、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態にする通路切換手段が構成されている。
【0434】
前記賞球カウントスイッチ301Aにより、前記景品遊技媒体通路を流下する前記景品遊技媒体を検出するための景品遊技媒体検出手段が構成されている。前記賞球玉貸し基板37により、前記通路切換手段を制御する切換制御手段が構成されている。そして、その切換制御手段は、前記遊技媒体払出手段による所定個数の払出動作の終了(SK2でYESの判断によりSK3で払出モータをOFFにする)から該払出動作により払出された最後の遊技媒体が前記景品遊技媒体検出手段に検出され得るように切換制御を遅延する遅延処理(SK2〜SK5,SK19〜SK22,SU15(すなわち、SK3で払出モータをOFFにしてもSK19でYESの判断がなされて、SK21で賞球中フラグがリセットされるまではSU15の判定により通路を切換えないのである)、または、SK29とSJ13(つまり、タイマT25がタイムアップしないとSJ13でYESの判定がなされないので通路を切換えない))を行なった後前記通路切換手段を切換制御する(SU7,SW3)。また切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に遊技媒体の払出を禁止すべき払出禁止条件が成立した場合(SC2〜SC7、またはSC13〜SC16,SE1〜SE9,SI6〜SI17,SN1,SN3,SZ6またはSQ8,SM2,SM5)には前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する機能も有している(SZ11,SM6)。
【0435】
前記切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に払出すべき遊技媒体が欠乏した場合には(SC2でNOの判断がなされた場合には)、前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する。また、前記切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に払出すべき前記遊技媒体払出手段の払出異常が発生した場合には(SQ8でYESの判断がなされた場合には)前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する。
【0436】
前記上皿3,下皿4により、前記遊技媒体払出手段から払出された遊技媒体を貯留可能な遊技媒体貯留部が構成されている。前記切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に前記遊技媒体貯留部が満タンになった場合には(SC13によりYESの判断がなされた場合には)前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する(SC16,SC6,SC7,SN1,SN3,SZ6,SZ7,SQ26)。
【0437】
また、前記切換制御手段は、前記遊技媒体貯留部の満タン状態が解除された場合には(SC17によりNOの判断がなされた場合には)前記電気的駆動源を駆動状態に復帰させる(SC11,SC12,SN6,SN10,SZ6,SZ6,SZ18,SZ28,SU2,SU7)。
【0438】
前記切換制御手段は、前記払出すべき遊技媒体の欠乏が解除された場合に(SC2,SC8〜SC12)前記電気的駆動源を駆動状態に復帰させる(SZ14〜SZ20,SZ18a,SZ28,SU2と、SU7またはSW2)。
【0439】
前記賞球カウントスイッチ301A,玉貸しカウントスイッチ301Bにより、前記通路切換手段の下手側において遊技媒体の通過を検出する遊技媒体検出手段が構成されている。そして、前記切換制御手段は、前記遊技媒体払出手段による景品遊技媒体としての所定個数の払出動作が終了して該払出動作により払出された最後の遊技媒体が前記景品遊技媒体検出手段により検出された後(SK2〜SK5,SK19〜SK22,SU15)前記通路切換手段を切換える制御を行なう(SU7)。
【0440】
前記通路切換手段は、前記電気的駆動源が駆動状態で遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過可能な状態となり、前記電気的駆動源が非駆動状態で遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過可能な状態となる(図4参照)。
【0441】
前記遊技媒体払出手段は、遊技媒体の払出に際し前記通路切換手段を切換える必要がある場合には、前記切換制御手段による切換制御が行なわれてから所定期間経過後に払出動作を開始する(SJ3c,SJ3d,SJ7,SU8〜SU11,SJ13〜SJ15とSV1〜SV3,SU16,SU17,SW1〜SW4)。
【0442】
【課題を解決するための手段の具体例】
前記玉払出装置97により、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段が構成されている。玉貸し通路312Bにより、遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路が構成されている。賞球通路312Aにより、前記景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路が構成されている。玉振分部材311により、電気的駆動源(振分用ソレノイド310)により駆動されて前記両通路を切換え、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態にする通路切換手段が構成されている。賞球玉貸し基板37により、前記通路切換手段を制御する切換制御手段が構成されいる。前記SA2a,SA2b,SK27,SQ13aにより、前記通路切換手段の切換わり状態の異常を判定する切換異常判定手段が構成されている。前記SJ11,SK23,SQ8,SQ20により、前記遊技媒体払出手段の払出異常を判定する払出異常判定手段が構成されている。
【0443】
前記賞球カウントスイッチ301A,玉貸しカウントスイッチ301Bにより、前記通路切換手段の下手側において遊技媒体の通過を検出する遊技媒体検出手段が構成されている。前記玉貸しカウントスイッチ301Bにより、前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体を検出する貸し遊技媒体検出手段が構成されている。前記賞球カウントスイッチ301Aにより、前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体を検出する景品遊技媒体検出手段が構成されている。そして、前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記貸し遊技媒体検出手段の検出出力があった場合(SK27でYESの判断がなされた場合)、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記景品遊技媒体検出手段の検出出力があった場合に(SQ13aでYESの判断がなされた場合に)、異常判定する。
【0444】
前記賞球側切換わり検出器300A,玉貸し側切換わり検出器300Bにより、前記通路切換手段の切換わり状態を検出する手段であって、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体側切換わり状態と遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体側切換わり状態とを検出可能な切換わり状態検出手段が構成されている。そして、前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記景品遊技媒体側切換わり状態にならないと検出した場合(SJ13,SV5,SV7)、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記貸し遊技媒体側切換わり状態にならないと検出した場合に(SU16,SU18,SU19,SW5,SW7)、異常判定する。なお、切換わり状態検出手段は、賞球側切換わり検出器300Aと玉貸し側切換わり検出器300Bとのいずれか一方のもののみで構成してもよい。その場合には両検出器のうちの他方のものが不要となる。
【0445】
前記通路切換手段は、前記電気的駆動源が駆動状態で遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過可能な状態となり、前記電気的駆動源が非駆動状態で遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過可能な状態となる(図4参照)。
【0446】
前記遊技媒体払出手段は、遊技媒体の払出に際して前記通路切換手段を切換える必要がある場合には、前記切換制御手段による切換制御が行なわれてから所定期間経過後に払出動作を開始する(SJ3c,SJ3d,SJ7,SU8〜SU11,SJ13〜SJ15とSV1〜SV3,SU16,SU17,SW1〜SW4)。
【0447】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、通路切換手段の切換わり状態の異常が発生したときにはその旨が切換異常判定手段によって判定されるために、通路切換手段の切換わり状態の異常が発生したときに何らかの対処が行なうことが可能となるとともに、遊技媒体払出手段の払出異常が発生したときにはその旨が払出異常判定手段によって判定されるために、払出異常が発生したときに何らかの対処を行なうことが可能となる。
景品遊技媒体を払出すべき状態時に通路切換手段が貸し遊技媒体側切換わり状態となっているとき、または、貸し遊技媒体を払出すべき状態時に通路切換手段が景品遊技媒体側切換わり状態になっているときには、その旨が異常判定されるために、通路切換手段の切換わり状態の異常を直接検出して異常判定することが可能となる。
払出制御手段は、遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた数の景品遊技媒体を遊技媒体払出手段から払出す制御を行ない、遊技制御手段に含まれる払出予定数記憶手段は、複数の入賞が発生したときには払出予定数を複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶し、景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を払出予定数から減算更新する。このため、遊技制御手段が遊技媒体未払出数を管理でき、総数で記憶することで記憶領域を削減できる。
請求項2に関しては、通路切換手段の切換わり状態の異常が発生したときにはその旨が切換異常判定手段によって判定されるために、通路切換手段の切換わり状態の異常が発生したときに何らかの対処が行なうことが可能となるとともに、遊技媒体払出手段の払出異常が発生したときにはその旨が払出異常判定手段によって判定されるために、払出異常が発生したときに何らかの対処を行なうことが可能となる。
払出制御手段は、遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた数の景品遊技媒体を遊技媒体払出手段から払出す制御を行ない、遊技制御手段に含まれる払出予定数記憶手段は、複数の入賞が発生したときには払出予定数を複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶し、景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を払出予定数から減算更新する。このため、遊技制御手段が遊技媒体未払出数を管理でき、総数で記憶することで記憶領域を削減できる。
通路切換手段の電気的駆動源が駆動状態で遊技媒体が貸し遊技媒体通路を通過可能な状態となり、その電気的駆動源が非駆動状態で遊技媒体が景品遊技媒体通路を通過可能な状態となるために、貸し遊技媒体の払出に比べて頻繁に行なわれる景品遊技媒体の払出の際には電気的駆動源が非駆動状態となっており、頻繁に行なわれる景品遊技媒体の払出の度に電気的駆動源を駆動状態にする必要がなくなり、電気的駆動源の寿命を極力長引かせることが可能となる。
切換制御手段は、電気的駆動源が駆動状態中に遊技媒体の払出を禁止すべき払出禁止条件が成立したときには前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する。
【0448】
請求項に関しては、請求項1または請求項2に関する効果に加えて、景品遊技媒体を払出すべき状態時に貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体が検出されたとき、または、貸し遊技媒体を払出すべき状態時に景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体が検出されたときに、異常判定されるために、本来通過すべき遊技媒体通路とは異なる通路を遊技媒体が通過してしまうという防止しなければならない異常状態を検出して判定することができる。
【0451】
請求項4に関しては、請求項1〜請求項3のいずれかに関する効果に加えて、遊技媒体の払出に際して通路切換手段を切換える必要があるときには、通路切換手段を制御する切換制御手段による切換制御が開始されてから所定期間経過後に遊技媒体払出手段による払出動作が開始されるために、通路切換手段の切換わり状態がまだ不完全であるにもかかわらず遊技媒体払出手段から遊技媒体が払出されてしまい、本来通過すべき遊技媒体通路とは別の遊技媒体通路を通過してしまう不都合を極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機およびカードユニットを示す全体正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の機構板を示す全体背面図である。
【図4】パチンコ遊技機に用いられる玉払出機構を示す図である。
【図5】玉払出装置の分解斜視図である。
【図6】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図7】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図8】基本回路から出力される賞球コマンドのデータの内容を説明するための説明図である。
【図9】賞球玉貸し基板が賞球コマンドを受信する態様を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】メイン処理および割込処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】始動入賞口チェック処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】大入賞口チェック処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】入賞球信号処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】入賞球信号処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】入賞球信号処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】玉貸し可能判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】発射可能判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】賞球可能判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】賞球コマンド出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】賞球コマンド出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】賞球コマンド出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】賞球コマンド出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】エラー表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図24】カード処理制御を説明するためのフローチャートである。
【図25】カード処理制御を説明するためのフローチャートである。
【図26】自己診断処理を説明するためのフローチャートである。
【図27】端数表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図28】賞球玉貸し制御および500bSタイマ割込を説明するためのフローチャートである。
【図29】賞球データ読込処理を説明するためのフローチャートである。
【図30】払出モータ制御を説明するためのフローチャートである。
【図31】払出モータ制御を説明するためのフローチャートである。
【図32】払出モータ制御を説明するためのフローチャートである。
【図33】エラー処理を説明するためのフローチャートである。
【図34】分岐処理を説明するためのフローチャートである。
【図35】警告処理を説明するためのフローチャートである。
【図36】払出制御指定処理を説明するためのフローチャートである。
【図37】カードユニット交信処理を説明するためのフローチャートである。
【図38】カードユニット交信処理を説明するためのフローチャートである。
【図39】玉貸し制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図40】玉貸し制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図41】玉貸し制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図42】玉貸し分岐処理を説明するためのフローチャートである。
【図43】賞球お玉貸しについての代表的な制御動作を示すタイミングチャートである。
【図44】賞球および玉貸しについての代表的な制御動作を示すタイミングチャートである。
【図45】払出モータ制御処理の一部の処理を変形した例を説明するためのフローチャートである。
【図46】第2実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図47】第3実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図48】第4実施の形態における玉払出機構を示す図である。
【図49】第4実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図50】第4実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図51】第4実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図52】第4実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図53】第5実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図54】第5実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図55】第6実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1は遊技機の一例のパチンコ遊技機、31は遊技制御基板、37は賞球玉貸し基板、53は基本回路、97は遊技媒体払出手段の一例の玉払出装置、286は払出モータ位置センサ、289は払出モータ、301aは景品遊技媒体検出手段の一例の賞球カウントスイッチ、301bは貸し遊技媒体検出手段の一例の玉貸しカウントスイッチ、310は電気的駆動源の一例の振分用ソレノイド、311は通路切換手段の一例の玉振分け部材、3911Aは景品遊技媒体通路の一例の賞球通路、3911Bは、貸し遊技媒体通路の一例の玉貸し通路、50は記録媒体処理装置の一例のカードユニット(カード処理機)、300Aは切換わり状態検出手段の一例の賞球側切換わり検出器、300Bは切換わり状態検出手段の一例の玉貸し側切換わり検出器である。

Claims (4)

  1. 遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段を備えた遊技機であって、
    遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路と、
    入賞により払出される景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路と、
    電気的駆動源により駆動されて前記両通路を切換え、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態にする通路切換手段と、
    該通路切換手段を制御する切換制御手段と、
    前記通路切換手段の切換わり状態の異常を判定する切換異常判定手段と、
    前記遊技媒体払出手段の払出異常を判定する払出異常判定手段と、
    前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段と、
    前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体を検出する景品遊技媒体検出手段と、
    遊技制御用の制御手段であって、入賞が発生したときに前記遊技媒体払出手段から払出す景品遊技媒体の数を指定するための払出数指定情報を出力する遊技制御手段と
    前記通路切換手段の切換わり状態を検出する手段であって、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体側切換わり状態と遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体側切換わり状態とのいずれの状態であるかを検出可能な切換わり状態検出手段とを含み、
    前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記景品遊技媒体側切換わり状態にならないと検出したとき、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記切換わり状態検出手段が前記貸し遊技媒体側切換わり状態にならないと検出したときに、異常判定し、
    前記払出制御手段は、前記遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた数の景品遊技媒体を前記遊技媒体払出手段から払出す制御を行ない、
    前記遊技制御手段は、入賞が発生したときに当該入賞に基づいた景品遊技媒体の払出予定数を記憶するための払出予定数記憶手段を含み、
    該払出予定数記憶手段は、複数の入賞が発生したときには前記払出予定数を前記複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶し、前記景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を払出予定数から減算更新することを特徴とする、遊技機。
  2. 遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段を備えた遊技機であって、
    遊技者に貸出される貸し遊技媒体が通過する貸し遊技媒体通路と、
    入賞により払出される景品遊技媒体が通過する景品遊技媒体通路と、
    前記両通路を切換え、遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路または前記景品遊技媒体通路のいずれかを通過可能な状態にする通路切換手段と、
    該通路切換手段を制御する切換制御手段と、
    前記通路切換手段の切換わり状態の異常を判定する切換異常判定手段と、
    前記遊技媒体払出手段の払出異常を判定する払出異常判定手段と、
    前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段と、
    前記景品遊技媒体通路を通過する景品遊技媒体を検出する景品遊技媒体検出手段と、
    遊技制御用の制御手段であって、入賞が発生したときに前記遊技媒体払出手段から払出す景品遊技媒体の数を指定するための払出数指定情報を出力する遊技制御手段とを含み、
    前記通路切換手段は、電気的駆動源により駆動されて前記両通路を切換えるとともに、前記電気的駆動源が駆動状態で遊技媒体が前記貸し遊技媒体通路を通過可能な状態となり、前記電気的駆動源が非駆動状態で遊技媒体が前記景品遊技媒体通路を通過可能な状態となり、
    前記切換制御手段は、前記電気的駆動源が駆動状態中に遊技媒体の払出を禁止すべき払出禁止条件が成立したときには前記電気的駆動源を非駆動状態に制御する機能を有し、
    前記払出制御手段は、前記遊技制御手段から出力されてきた払出数指定情報に基づいた数の景品遊技媒体を前記遊技媒体払出手段から払出す制御を行ない、
    前記遊技制御手段は、入賞が発生したときに当該入賞に基づいた景品遊技媒体の払出予 定数を記憶するための払出予定数記憶手段を含み、
    該払出予定数記憶手段は、複数の入賞が発生したときには前記払出予定数を前記複数の入賞の各々に対応する払出予定数の総数で記憶し、前記景品遊技媒体検出手段の検出出力により特定される遊技媒体の払出数を払出予定数から減算更新することを特徴とする、遊技機。
  3. 前記貸し遊技媒体通路を通過する貸し遊技媒体を検出する貸し遊技媒体検出手段をさらに含み、
    前記切換異常判定手段は、前記景品遊技媒体を払出すべき状態時に前記貸し遊技媒体検出手段の検出出力があったとき、または、前記貸し遊技媒体を払出すべき状態時に前記景品遊技媒体検出手段の検出出力があったときに、異常判定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記遊技媒体払出手段は、遊技媒体の払出に際して前記通路切換手段を切換える必要があるときには、前記切換制御手段による切換制御が開始されてから所定期間経過後に払出動作を開始することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。
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