JP3544820B2 - 移動目標検出装置及び検出方法 - Google Patents

移動目標検出装置及び検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば誘導ミサイルや軍用の航空機等に搭載し、飛行する他の航空機等を追尾するのに好適な移動目標検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導ミサイルが移動する他の航空機を追尾する場合、誘導ミサイルにCCDカメラ等の撮像機器を搭載し、対象の航空機を含む領域を静止画像として捕らえ、その静止画像全体を画素単位で走査(スキャンニング)し、その航空機の影像パターンを把握することで移動目標の有無及びその位置を検出していた。
【0003】
従って、移動目標の有無及び位置の検出は、静止画像の画素単位の処理によって、静止画像の中から移動目標の影像パターンを見出そうとするものであったから、静止画像の中には、移動目標としての形状が把握できるだけの大きさが写しだされていることが必要とされた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の移動目標検出装置は、一枚の静止画像を画素単位で処理し、航空機等の対象物(移動目標)の影像パターンを抽出するものであった。従って、移動目標以外には何も存在しない背景空間の中に、移動目標のみが明瞭に存在する場合には、そこに写し出された形状等から移動目標として識別抽出することは可能とされた。つまり、撮像画面の中で、対象となる移動目標とその移動目標以外の背景との間の輝度の差、すなわちコントラストが大きい場合は、たとえ移動目標特有の形状パターンを明瞭には認識できないほど小さな画像であっても、移動目標として識別することができる。
【0005】
しかしながら、例えば地上や雲の画像のように、移動目標の背景に移動目標と同じような輝度を示す紛らわしい物体(画像)が静止画像内に入り込んだ場合は、移動目標のみを特定し、背景と区別して的確に識別することは困難となる。例えば、太陽光線の影響等で画面の中の輝度の差(コントラスト)が比較的小さかったり、あるいは逆にコントラストが大きくてもそれが画面全体にわたって分散していて、いずれが移動目標かを識別することができない場合があった。
【0006】
もっとも、コントラストが小さい場合でも、移動目標の画像が大きく写し出されている場合は、その形状から移動目標を識別できることもある。しかしながら、いずれにしても、従来の移動目標検出装置は、撮像された領域の一枚の静止画像全体を、画素単位で走査し、形状パターン認識のための画像処理を行うものであったから、その中から移動目標を識別して抽出するのには多くの時間を必要とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、まず本発明の移動目標検出装置は、少なくとも同一領域を含む対象領域の撮像画像を時系列的に2画面以上得る撮像手段と、この撮像手段で得られた各撮像画面をそれぞれ略同形の複数領域に分割し、各領域ごとに領域内の輝度、輝度平均、輝度分散またはエッジ密度のうちの少なくとも1つの画像特徴値を検出する第1の特徴値検出手段と、この第1の特徴値検出手段によって検出された時系列上異なる画面の各分割領域の画像特徴値対応させて比較し、略同一画像特徴値を示す分割領域間の相対位置の差異から移動目標を識別する第1の識別手段と、この第1の識別手段で識別された移動目標を含む前記2画面の分割領域内をさらに略同形の小さな複数領域に分割し、その小さな分割領域ごとに領域内の輝度、輝度平均、輝度分散またはエッジ密度のうちの少なくとも1つの画像特徴値を検出する第2の特徴値検出手段と、この第2の特徴値検出手段によって検出された時系列上異なる前記2画面の各小さな分割領域の画像特徴値を対応させて比較し、略同一画像特徴値を示す前記小さな分割領域間の相対位置の差異から移動目標を識別する第2の識別手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
従って本発明装置は、特徴値検出手段において、撮像画像を複数領域に分割し、その分割された各領域の画像特徴値を検出するとともに、識別手段において、その検出された画像特徴値をもとに、時系列上での画像変化において、移動目標と移動目標以外の背景との動きの差異を利用して移動目標のみを検出するものである。
【0009】
このように、識別手段は、各分割領域の画像特徴値をもとに、時系列上での画像変化から移動目標と移動目標以外の背景とを区別するので、識別手段での処理演算量は、分割された撮像画面の領域数に比例する。従って、分割数の選択によって処理演算量は制限可能となることから、移動目標を検出するための処理演算時間を大幅に短縮することができる。
【0010】
また、本発明装置は、時系列上の2画面間の相対比較により、相対位置の差異、すなわち背景領域全体の移動方向及び移動距離と、移動目標を含む領域の移動方向及び移動距離との間に差異が生ずることに着目して、移動目標を背景から分離して検出するものである。従って、移動目標の近傍では若干のコントラストが得られても、同じ程度のコントラストを持つ領域が分散し、撮像画面全般としては移動目標を特定するには十分なコントラストが得られない場合があっても、画面の分割化により移動目標の存在する特定分割領域とそれ以外の分割領域との間には、相対位置ずれに差異を生ずることから、より明確に移動目標を検出することができる。
【0014】
次に本発明の移動目標検出方法は、少なくとも同一領域を含む対象領域の撮像画像を時系列的に2画面以上得る撮像工程と、この撮像工程で得られた各撮像画面をそれぞれ略同形の複数領域に分割する第1の分割工程と、この第1の分割工程で分割された各分割領域内の輝度、輝度平均、輝度分散またはエッジ密度のうちの少なくとも1つの画像特徴値を算出する第1の画像特徴値算出工程と、この第1の画像特徴値算出工程で算出された前記各分割領域内の画像特徴値を時系列上の2画面間で相対比較し、略同一画像特徴値を示す分割領域間の撮像画面上での相対位置のずれをそれぞれベクトルとして抽出する第1の位置抽出工程と、この第1の位置抽出工程で抽出されたベクトルの差異に基づき移動目標を分離検出する第1の分離検出工程と、この第1の分離検出工程で検出された移動目標を含む前記2画面の分割領域内をそれぞれ略同形の小さな複数領域に分割する第2の分割工程と、この第2の分割工程で分割された各小さな分割領域内の画像特徴値を算出する第2の画像特徴値算出工程と、この第2の画像特徴値算出工程で算出された前記小さな分割領域内の画像特徴値を時系列上の2画面間で相対比較し、略同一画像特徴値を示す小さな分割領域間の撮像画面上での相対位置のずれをそれぞれベクトルとして抽出する第2の位置抽出工程と、この第2の位置抽出工程で抽出されたベクトルの差異に基づき移動目標を分離検出する第2の分離検出工程とを具備することを特徴とする。
【0015】
従って本発明方法によれば、第1の分離検出工程で、一旦検出された移動目標を含む前記2画面の各分割領域内を、更に第2の分割工程で複数領域に分割し、以下その各分割領域内の画像特徴値を算出した後、第2の位置抽出工程及び第2の分離検出工程を経て、移動目標を分離検出を行うものである。
【0016】
このように、本発明の移動目標検出方法は、撮像画像の分割処理を複数階層に分けて行い、かつ後の分割処理をその前の分割処理による移動目標の検出領域に特定して階層的に検出を行うものである。従って、階層を重ねることによって順次より細かい分割領域での移動目標の検出を行うことから、全体的にはより少ない演算処理量のもとで、短時間にしかもより高分解能で目標を検出することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明による移動目標検出装置の一実施の形態を図1ないし図7を参照し、詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の実施の形態による移動目標検出装置は、まず誘導ミサイル等に搭載されたCCDカメラ等の撮像機器1が、移動目標2を含む空間領域を任意の時間(t秒)の間隔をおいて撮影する。この撮像機器1の撮影により得られたデジタル映像信号は画像特徴値を検出するため輝度検出器3に供給される。なお、ここで画像特徴値とは、輝度、輝度平均、輝度分散あるいはエッジ密度等を示すものであるが、この以下説明する実施の形態では、輝度及び平均輝度を取り扱うものとして説明する。
【0019】
そこで、輝度検出器3は、t秒の時間間隔をおいて撮影された移動目標2を含む空間領域の画像、すなわち現在の画像とt秒前の画像をともにメモリに記憶し、各画像をそれぞれ同様に分割する。
【0020】
本発明の第1の実施の形態では、撮像機器1から現在の画像及びt秒前の画像が、それぞれ図2(a)、及び図2(b)に示すように得られたものとし、説明上、それぞれ縦横に等分に5分割(x1,x2……x5、y1,y2……y5)するものとした。なお、図2において、移動目標2以外の固定物体、すなわち地上及び雲等の映像は斜線で表示されている。
【0021】
そこで、輝度検出器3は、この分割形成された各領域内の輝度を画素単位で集計しその平均輝度を算出するもので、平均化された濃淡表示を図3(a)及び(b)の中に添え数字で階調数を示したように256階調で表し、高精度の処理演算ができるようにした。なお、図3(a)及び(b)において、同様に明るい背景部分についての階調表示は省略した。
【0022】
このような、現在(図3(a))及びt秒前(図3(b))での各撮像画像における各領域内の平均輝度情報は、図1に示す識別回路4に供給される。識別回路4は、この各分割領域における平均輝度情報を基に、t秒前の画像と現在の画像との時系列上異なった時刻の映像信号とを対応して比較し、背景とは異なる動きをする移動目標のみを識別し、検出するものである。
【0023】
識別回路4における対応比較の手順は、まず図3(a)の現在の撮像画像の左上隅の分割領域(x1,y1)の平均輝度(L160 )を基準として、図3(b)の対応する分割領域(x1,y1)を中心とした一定範囲内、例えば隣接する領域内を含む各分割領域の平均輝度と比較し、近い輝度値を持つ図3(b)の領域を対応候補とする。図3(b)の撮像画像では、分割領域(x1,y2)の平均輝度L160 が、図3(a)の領域(x1,y1)に対応することを示している。
【0024】
次に同様に、図3(a)の次の分割領域(x1,y2)の平均輝度と、これに対応した図3(b)の領域(x1,y2)を中心とする一定範囲の領域を比較すると、分割領域(x1,y1),(x1,y3),(x2,y2)の3領域に対応する可能性があることを示している。
【0025】
以下、順次現在の撮像画像の(x1,y3),(x1,y4)……(x5,y5)の各平均輝度を基準として、t秒前の画面上でそれぞれ対応する領域を中心とする一定範囲内を比較し、ほぼ同一の平均輝度を示す領域を対応候補とし、対応候補とされたt秒前の撮像画像の領域から現在の撮像画像の領域までの方向及び長さを移動データとして図1に示す識別回路4内のメモリに記憶する。
【0026】
もちろん、このようなt秒前の撮像画像と現在の撮像画像との間には、そもそも被撮像領域にずれがある場合が多い。従って、両画像の対比において、t秒前の画像には含まれた領域が、現在の画像から消え去るものもあれば、新たに撮像領域内に入り込む領域も存在する。従って、識別回路4内での対応比較では、対応比較する領域範囲を相当拡張しても何等該当しない(対応候補が存在しない)図3(a)の領域も当然考えられる。いずれにしても、t秒という比較的短い時間設定の中で、対応候補付けにより両画像間での全ての対応する各領域相互の方向及び長さ、すなわち移動ベクトルが求められる。
【0027】
そこで、形成された全ての各領域相互間の移動ベクトルを考察すると、移動目標の存在する分割領域を除いて、全ての背景の分割領域では、近似的に同じ方向及び同じ長さで移動していると考えることができる。ここで近似的にと言う意味は、もしも撮像機器1を搭載したミサイル等が旋回しているとすれば、背景全体もまたその旋回方向に回転すると考えることができるから、正確にはその回転中心軸からの長さによって少しずつ方向及び長さに差異が生じ、必ずしも背景領域の全てが等しい移動ベクトルを示さないことを言う。この場合は、画像の回転成分を取り除く処理をした後、移動ベクトルを算出する。また、撮像機器1と背景領域との距離が変化していく場合、画像が拡大あるいは縮小すると考えられる。この場合も、同様に画像の拡大あるいは縮小成分を取り除く処理をした後、移動ベクトルを算出する。
【0028】
いずれにしても、撮像画像上では、移動目標を含む領域以外の全ての領域、すなわち背景領域は、ほぼ同一方向及び同一長さの移動ベクトルを有するものと考えることができる。従って、個々には背景の動きを正確には表していない移動ベクトルが散発的に存在することがあっても、多数決の原理に従った統計処理によれば、移動ベクトルは図4に示すように、移動目標2の存在した分割領域を除き、他の背景の占める分割領域では総じて同じ方向の移動ベクトルが描かれる。このような特徴は、撮像画像を見たとき、比較的まだらな模様が画面全体に広がり、従来は移動目標と区別が困難であるとされた部分が分散するような場合でも、多数決の原理に従い少数の誤った移動ベクトルは除外され、背景及び真の移動目標のみが選択されて残存することになる。
【0029】
識別回路4は、このようにして得られた時系列上の2つの撮像画像の相関をとり、当初の各領域がt秒後の現在位置に移動したときの移動ベクトルを得るものであるが、一般には被撮像領域は時間tの長さに応じて変化する。時間tが短ければ被撮像領域の変化は小さく、時間tが長くなるに従って変化は大きくなる傾向を呈する。
【0030】
このように本発明装置は、識別回路4において、移動目標2が存在する分割領域は、他の分割領域とは異なった相対位置の差異を示すことに着目して検出するものである。従って、この実施の形態の場合のように、平均輝度の対応比較に基づく演算処理時間は、分割された領域数によって異なる。分割数は、この実施の形態では説明上、縦横5×5の25個とし、t秒前の撮像画像と現在の撮像画像との対比において、背景領域の移動距離と撮像画像上での分割領域の縦あるいは横の長さとが略一致するように説明した。当然ながら理論的には、必ずしも一致するとは限らないが、実際の分割数は縦横それぞれ100〜200程度で、領域数が1000〜4000個の細かさに設定されるので、正数倍でほぼ一致すると考えることができる。
【0031】
また、撮像画像にもノイズが含まれるから、分割領域ごとに平均輝度を計算し、t秒前と現在とで変化が少ない領域を探し出すとき、その変化の有無の判断に予め許容範囲を設定することができる。もちろん、何等移動ベクトルが求められていない分割領域が存在した場合、それが移動目標の存在する分割領域である可能性がある。また、いずれか一方の画像にのみ現われて画像間で対応が取れない分割領域については、ノイズとして扱い判断対象のデータから除外して演算し、処理時間を短縮することが可能である。
【0032】
なお、輝度検出器3における各分割領域内の平均輝度の算出は、デジタル影像信号の単純な加算演算等で短時間に行うことができることから、装置全体の処理時間の長さに与える影響は少ない。
【0033】
以上説明したこの第1の実施の形態における移動目標検出装置の動作手順を図5に示すフローチャートを参照し説明する。
【0034】
まず、(1)対象とする移動目標の種類や大きさ、また移動目標までの距離や移動目標の移動方向(例えば、移動目標が撮影方向に近付く方向あるいは遠のく方向に移動しているか、あるいは撮影方向に交差して移動しているか)等の予測条件から、撮像機器1の撮像視野の範囲を設定する(ステップ51)。
【0035】
(2)移動目標の検出分解能及び検出時間を考慮し、撮像画像を得る時間間隔tと画像の分割数を定め、分割領域を設定する(ステップ52)。
【0036】
(3)輝度検出器3は、撮像機器1から得られた時間間隔tからなる複数の静止画像をぞれぞれ分割し、各領域における輝度平均を256階調で算出し、メモリ(RAM)に記憶する(ステップ53)。
【0037】
(4)識別回路4は、時間間隔tをなす時系列上の2画像間で各領域間の輝度を特定領域に限定して対比し、かつ平均輝度が一定の許容範囲の差の値にある領域との間の相対位置関係(移動ベクトル)を抽出する(ステップ54)。
【0038】
(5)識別回路4は、ステップ54で得られた相対位置関係(移動ベクトル)から、多数決の原理に基づく統計処理により、背景の移動ベクトルと目標物の移動ベクトルを分離抽出する(ステップ55)。
【0039】
このようにして、時系列上の2枚の静止画像上での分割領域の移動ベクトルから、移動目標を的確に抽出することができる。なお以上の説明では、現在の撮像画像とt秒前の撮像画像との2静止画面上での比較を行ったが、このような比較を時間軸上で順次継続することによって、移動目標を継続的に追尾することができ、またこの継続によってデータ処理につながりができ、信頼性の高い移動目標の検出が可能となる。
【0040】
以上述べたようにこの実施の形態によれば、分割領域の輝度平均を例えば256階調という細かな階層に分類付けを行うことから、仮に撮像画像の中で移動目標とその背景との間に識別できるほどの十分なコントラストが得られない場合でも、あるいは部分的にはコントラストを有する部分が画面内で広く分散していていずれが真の移動目標かが紛らわしい場合であっても、多数決の原理による統計処理によって、移動目標を的確に検出することが可能である。なお、輝度検出器3及び識別回路4における、輝度平均の算出や移動ベクトルの抽出演算処理は、汎用のデジタル・シグナル・プロセッサ(DPS)により実行させることができる。
【0041】
なお、上記実施の形態で説明したように、輝度検出器3で各分割領域ごとに平均輝度を算出した後の演算処理時間、すなわち識別回路4での演算処理に要する時間は、撮像画面の分割数が多くなればそれだけ多くの時間を要する。すなわち、分割数が少ないほど、処理時間の短縮化が図れる。しかしながら、上述のように、分割数が少ないほど画面上での一つの領域の面積は大きくなるので、対象とする移動目標の位置には曖昧さが残り、高精度、高分解能で移動目標を捕らえることが困難となる。
【0042】
すなわち、図6(a)及び図6(b)に示すように、それぞれ現在の撮像画像とt秒前の撮像画像とをそれぞれ分割して、移動目標2を検出しようとする場合、縦及び横方向にそれぞれ16区分に分割したとすると、16×16=256の各領域について、両画像間で輝度平均による比較処理を行い、t秒前の画像(図6(b))の領域((x2,y10)及び(x2,y11))から現在の画像(図6(a))の領域(x11,y72)までの移動ベクトルを検出することができる。このときの移動目標の分解能は、256の分割数に相当する。
【0043】
ここで、より分解能を上げようとし、例えば200×200=4000の分割数を設定したとすると、相当の演算時間を要する。そこで、画像の分割処理及び識別処理の階層化を行い、演算処理を行う領域を次々と特定し、少ない分割数による演算処理を複数回実行することによって、比較的短時間にしかも高分解能で移動目標を捕らえることができる。
【0044】
すなわち、図6及び図7は本発明装置の第2の実施の形態を示す説明図で、この実施の形態では、輝度検出器3及び識別回路4での平均輝度の算出及び移動ベクトルの処理演算の階層化を図り、個々の階層での少ない分割数で、実質上移動目標検出の分解能を高め、実質的に演算処理時間の短縮化と、高精度での移動目標の抽出を実現することができた。
【0045】
以下、図1、図6及び図7を参照し、本発明装置の第2の実施の形態を説明する。図7(a)及び図7(b)は、それぞれ図6(a),(b)に対応し、撮像機器1からの現在の撮像画像及びt秒前の撮像画像を示したものである。図7(a),(b)を参照し、輝度検出器3及び識別回路4での処理手順を説明する。
【0046】
まず(1)、輝度検出器3において、図7の(イ)に示すように、撮像画像を縦横2×2の4分割化し、第1の実施の形態による手順で移動目標を検出し、その結果、移動目標2はt秒前の画像(図7(b))の領域(x1,y2)から、現在の画像(図7(a))の領域(x2,y1)に移動していることを知ることができる。
【0047】
次に(2)、前記t秒前の画像(図7(b))の領域(x1,y2)及び現在の画像(図7(a))の領域(x2,y1)に範囲を狭め、図7の(ロ)に示すように、この領域内で同じく2×2の4分割化を図り、同様に移動目標を検出する。その結果、それぞれ図7の(ロ)に示すように、移動目標はt秒前の画像(図7(b))の領域(x1,y1)から現在の画像(図7(a))の領域(x1,y2)に移動していることが分かる。
【0048】
更に(3)、前記図7(ロ)のt秒前の画像(図7(b))の領域(x1,y1)、及び現在の画像(図7(a))の領域(x1,y2)に範囲制限し、図7の(ハ)に示すように、この領域内で更に2×2の4分割化を図り、同様に移動目標を検出する。その結果、図7の(ハ)に示すように、移動目標はt秒前の画像(図7(b))の領域((x1,y1)及び(x1,y2))から現在の画像(図7(a))の領域(x2,y2)に移動していることを知ることができる。
【0049】
このt秒前の画像(図7(b))の領域((x1,y1)及び(x1,y2))から現在の画像(図7(a))の領域(x2,y2)へ移行する移動ベクトルは、とりも直さず、図6で求められたt秒前の画像(図6(b))の領域((x2,y10)及び(x2,y11))から現在の画像(図6(a))の領域(x11,y7)を求めたことと一致する。
【0050】
このように、この実施の形態によれば、図7(a)及び図7(b)に示した処理演算では、それぞれ計12分割すなわち、全体でも24分割による演算処理で済むので、演算処理時間を大幅に短縮でき、しかも図6に示したものと同一分解能で移動目標を検出することができる。
【0051】
このように、この実施の形態によれば、図7(イ)から(ロ)、(ロ)から(ハ)のように分割処理範囲を階層的に特定し、いわゆるピラミッド処理による階層化と分割構造化を行ったので、少ない演算処理データにより大幅な処理時間の短縮化を実現し、かつ高分解能で移動目標を検出できる。
【0052】
なお、上記各実施の形態における説明において、輝度検出器3及び識別回路4は、撮像機器1からのデジタル映像信号を基にして行う、輝度平均化処理や移動ベクトルの演算処理の大部分を、コンピュータのソフトウェア上で行うように構成することもできる。
【0053】
以上述べたように本発明装置及び方法によれば、撮像画面を複数分割し、各分割領域内の平均輝度や輝度分散あるいはエッジ密度等の画像特徴値を時系列上で対応比較することで、目標と背景のコントラストが小さく、あるいは背景の輝度等の分散が大きい場合でも、移動目標を確実に検出することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明のように、この発明による移動目標検出装置及び検出方法は、簡単な構成により、目標と背景のコントラストが小さく、あるいは背景の輝度の分散等が大きい場合でも、移動目標を短時間にしかも確実に検出し得るもので、実用上の効果大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる移動目標検出装置及び検出方法の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1に示した撮像機器で得られた画像を示すもので、図2(a)は現在の画像、図2(b)はt秒前の画像を示す。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、それぞれ図2(a)及び図2(b)に示した画像を分割し、領域内の平均輝度を表した説明図である。
【図4】図3(a)及び図3(b)の相対比較により、平均輝度の移動状態を説明する説明図である。
【図5】図2ないし図4に示した第1の実施の形態における処理演算の手順を示すフローチャートである。
【図6】図1に示した撮像機器で得られた画像の、縦横それぞれ16分割例を示す説明図である。
【図7】本発明装置及び方法における第2の実施の形態を説明する撮像画面の処理推移説明図である。
【符号の説明】
1 撮像機器
2 移動目標
3 輝度検出器
4 識別回路

Claims (5)

  1. 少なくとも同一領域を含む対象領域の撮像画像を時系列的に2画面以上得る撮像手段と、
    この撮像手段で得られた各撮像画面をそれぞれ略同形の複数領域に分割し、各領域ごとに領域内の輝度、輝度平均、輝度分散またはエッジ密度のうちの少なくとも1つの画像特徴値を検出する第1の特徴値検出手段と、
    この第1の特徴値検出手段によって検出された時系列上異なる画面の各分割領域の画像特徴値対応させて比較し、略同一画像特徴値を示す分割領域間の相対位置の差異から移動目標を識別する第1の識別手段と
    この第1の識別手段で識別された移動目標を含む前記2画面の分割領域内をさらに略同形の小さな複数領域にそれぞれ分割し、その小さな分割領域ごとに領域内の輝度、輝度平均、輝度分散またはエッジ密度のうちの少なくとも1つの画像特徴値を検出する第2の特徴値検出手段と、
    この第2の特徴値検出手段によって検出された時系列上異なる前記2画面の各小さな分割領域の画像特徴値を対応させて比較し、略同一画像特徴値を示す前記小さな分割領域間の相対位置の差異から移動目標を識別する第2の識別手段と
    を具備することを特徴とする移動目標検出装置。
  2. 前記第1及び第2の各特徴値検出手段は、前記画像特徴値を特徴の程度を示す階調数で表したことを特徴とする請求項1に記載の移動目標検出装置。
  3. 前記第1及び第2の各識別手段は、相対位置の差異から移動目標を識別するとき、多数決の原理により背景と区別して識別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動目標検出装置。
  4. 少なくとも同一領域を含む対象領域の撮像画像を時系列的に2画面以上得る撮像工程と、
    この撮像工程で得られた各撮像画面をそれぞれ略同形の複数領域に分割する第1の分割工程と、
    この第1の分割工程で分割された各分割領域内の輝度、輝度平均、輝度分散またはエッジ密度のうちの少なくとも1つの画像特徴値を算出する第1の画像特徴値算出工程と、
    この第1の画像特徴値算出工程で算出された前記各分割領域内の画像特徴値を時系列上の2画面間で相対比較し、略同一画像特徴値を示す分割領域間の撮像画面上での相対位置のずれをそれぞれベクトルとして抽出する第1の位置抽出工程と、
    この第1の位置抽出工程で抽出されたベクトルの差異に基づき移動目標を分離検出する第1の分離検出工程と、
    この第1の分離検出工程で検出された移動目標を含む前記2画面の分割領域内をそれぞれ略同形の小さな複数領域に分割する第2の分割工程と、
    この第2の分割工程で分割された各小さな分割領域内の画像特徴値を算出する第2の画像特徴値算出工程と、
    この第2の画像特徴値算出工程で算出された前記小さな分割領域内の画像特徴値を時系列上の2画面間で相対比較し、略同一画像特徴値を示す小さな分割領域間の撮像画面上での相対位置のずれをそれぞれベクトルとして抽出する第2の位置抽出工程と、
    この第2の位置抽出工程で抽出されたベクトルの差異に基づき移動目標を分離検出する第2の分離検出工程と
    を具備することを特徴とする移動目標検出方法
  5. 前記第1及び第2の分離検出工程は、ベクトルに基づく移動目標の分離検出を多数決の原理により背景と区別して行うことを特徴とする請求項4記載の移動目標検出方法
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