【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温域で遠赤外線を放射することにより、衣類などの着用者に対して局部的に遠赤外線効果を付与できる熱転写マークに関し、繊維製品に転写した際に所定の耐洗濯性を具備する熱転写マークに関する。
【0002】
【従来の技術】
遠赤外線は、選択性吸収性による効率的な加熱や人体に対する温熱治療について、古くから利用されており、その利用分野は近年になって急速に拡大している。繊維製品についても、遠赤外線を放射するセラミックスを利用し、これを付着させた製品が既に数多く提案されている。例えば、実開平63−43557号では、遠赤外線放射性のセラミックスを靴下に付着することにより、遠赤外線を放射する靴下を開示し、実開平1−171268号では、当該セラミックスを利用して保温効果の高い毛布を開示している。
【0003】
一方、汎用性を高めるために転写シートも提案されている。この転写シートでは、遠赤外線放射性のセラミックスを混入した樹脂を離型性ベースシートの上に散点状に塗布し、さらに熱可塑性樹脂層を設けている。この種の公知文献として、実開昭63−63467号、実開平1−141066号、実開平5−56461号、特開平6−227153号、特開平7−81228号公報などが存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の転写シートにおける転写樹脂片は、一般に伸縮性および柔軟性を欠いており、肌着やスポーツウェアなどの衣類、靴下や寝具類のような繊維製品に付着した際に、耐久性および感触性に関して性能的に十分でない。これらの繊維製品は伸縮性が高く曲げやすくて柔軟であるから、転写樹脂片もほぼ同様に伸縮性が高くて柔軟でないと数日の使用で剥がれ、触感に違和感が生じて繊維製品の感触性が著しく低下してしまう。
【0005】
特に、この転写樹脂片は、ほんの数回の洗濯で亀裂が生じたり剥離しやすく、耐洗濯性の点での問題が殆ど解消されていない。このため、前記の転写シートは、洗濯を殆ど行うことがない繊維製品用に限定され、汎用性の点で甚だしく不十分である。そして、汎用性を高めるために転写樹脂片の添加セラミックス量を減らすと、有効な遠赤外線を放射できないという問題が発生する。
【0006】
本発明は、遠赤外線放射性の転写シートに関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、所定の耐洗濯性と柔軟性を有することにより、繊維製品用として汎用性がある熱転写マークを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、耐久性が高いうえに有効な遠赤外線を放射できる繊維製品用の熱転写マークを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る熱転写マークは、少なくとも、離型層を形成したベースシートの上に、遠赤外線放射性のセラミックス粉末を添加する図形層と、熱可塑性樹脂からなる接着層とを設ける。この熱転写マークには、ベースシートの上に、最初に透明または半透明の保護層を設けると好ましい。また、保護層の次に、金属粉末を添加する反射層を積層しても、図形層の次に、有色顔料または金属粉末を添加するバックアップ層および/またはこれらの層の樹脂と親和力を有する中間層を積層してもよい。
【0008】
本発明で用いるセラミックス粉末は、図形層の機械的強度を保持させるために平均粒径が約5μm以下であると好ましい。このセラミックス粉末は、図形層において25〜35重量%添加しており、含量が25重量%未満であると遠赤外線の放射量が少なくなり、一方、含量が35重量%を超えると転写図形層の機械的強度が低下してしまう。
【0009】
本発明において、セラミックス粉末を添加する図形層は、ポリウレタン系樹脂またはこれと同等の軟質樹脂からなり、接着層は、熱可塑性ポリウレタン系樹脂を含有すると好ましい。図形層および接着層が、いずれも伸縮性および柔軟性に富むポリウレタン系樹脂を含んでいると、繊維製品に付着した際に感触性が良く、使用時に層剥離や亀裂の発生が少ない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る熱転写マーク1は、図1に示す層構成が最小構成であり、離型層3を形成したベースシート2の上に、多量のセラミックス粉末を添加した図形層7と、熱可塑性樹脂からなる接着層8とを設ける。図形層7、接着層8および他の有用層は、一般にスクリーン印刷で形成するけれども、薄層であれば型版を用いないデジタル印刷法で形成したり、接着層8としてホットメルト樹脂を散布付着させてもよい。
【0011】
図形層7に添加するセラミックス粉末は、波長4〜20μmの遠赤外線を常温域で高度に放射することが必要であり、例えば、アルミナ系、ジルコニウム系、ランタン系セラミックスなどが使用できる。セラミックスの放射特性は、同一の素材でも粒径、粒子形状、表面状態、充填量、充填樹脂、分配構造などによって大幅に変わるため、高度な材料評価技術が不可欠である。例えば、アルミナ−シリカ系セラミックス粉末(商品名:LAS−37、日本軽金属製)は、平均粒径1.1μm、真比重3.0g/cm3、比表面積26.0m2/gであり、プラスチック中に分散しても高い選択放射性を有する。また、酸化物系セラミックス(商品名:LAS−38)も高い選択放射性を有し、非酸化物系セラミックス粉末(商品名:SNP−03)は高い全域放射性を有する。
【0012】
この種のセラミックス粉末は、図形層7を構成する樹脂が所定の機械的強度を備え、耐磨耗性と耐洗濯性を保持させるために、平均粒径が約5μm以下であると好ましい。また、平均粒径が10μm程度であっても、ロールミル(図示しない)によって樹脂と練磨・分散する際に、必然的に平均粒径を5μm程度まで粉砕することになる。このセラミックス粉末は、図形層7において25〜35重量%添加しており、含量が25重量%未満であると量的に遠赤外線を高度に放射することができない。一方、セラミックス粉末の含量が35重量%を超えると、樹脂中の充填分が多くなりすぎ、転写図形層の機械的強度が低下して所定の耐磨耗性と耐洗濯性を保持させることが困難になる。
【0013】
セラミックス粉末を添加する図形層7は、ポリウレタン系樹脂またはこれと同等の軟質樹脂からなると好ましく、該樹脂は例えば熱架橋性または経時架橋性である。ポリウレタン系樹脂は、一般に密度が小さいため、他の樹脂に比べて波長4〜20μmの遠赤外線の透過性が良好である。ポリウレタン系樹脂は、伸び、耐磨耗性、反発弾性および圧縮疲労強さが優れており、繊維製品における使用時に層剥離や亀裂の発生が少ない。
【0014】
図形層7は、文字、記号、模様、絵表示またはこれらの組み合わせの平面図柄であり、一般に単純な円形や角形平面の図柄をベースシート2上に均等に分散させ、転写時にはベースシート2ごと切り取って被転写材に接着すればよい。図形層7の厚みが8〜40μm程度であると、所定の遠赤外線放射の効果を得ることができる。
【0015】
一方、接着層8は、基本的に被転写材の材質に適合したホットメルト樹脂から選択し、柔軟な繊維製品用には、通常、接着層8に熱可塑性ポリウレタン系樹脂を含有している。特に、サポータなどのような高伸縮性の繊維製品に対しては、接着層8は主として熱可塑性ポリウレタン系樹脂からなり、布地を把持するために熱可塑性ポリアミド樹脂を含むと好ましい。
【0016】
接着層8は、被転写材の表面形状に応じて厚みを定め、一般に厚みは20〜200μmである。接着層8は、図形層7を確実に接着するために、該図形層の全体の周縁より僅かに拡大した画像を形成すると好ましい。
【0017】
熱転写マーク1には、ベースシート2の上にあらかじめ保護層5を設けると好ましい。保護層5の次には反射層16(図2)を、図形層7の次にはバックアップ層27(図3)を、または中間層37(図4)を積層することが可能である。図5に示すように、反射層、バックアップ層、中間層は、複数層同時に積層することも可能である。
【0018】
ベースシート2は、プラスチックフィルム、紙、合成紙、ラミネート紙などのいずれでもよく、その形態はシート状またはロール状である。具体的には、ベースシート2は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、セロハンなどのフィルム、紙またはこれらの複合素材であり、その厚みは20〜180μmであり、より好ましくは50〜125μmである。
【0019】
離型層3は、熱転写時に図形層7をベースシート2から剥離可能とするために設け、スクリーン版によってベタ印刷してもロールコータで塗布してもよい。離型層3は、セルロース系、ポリアミド系、アクリル系やビニル系樹脂などであり、その厚みは0.5〜10.0μm程度である。
【0020】
保護層5は、比較的硬い透明または半透明の樹脂皮膜からなり、被転写材である繊維製品の使用時に転写図形層7の物性を補強し、該図形層に耐磨耗性、耐洗濯性を付与する。保護層5は、図形層7と同じか僅かに大きい平面形状が望ましく、透明な樹脂被膜によって摩擦、衝撃、薬品、溶剤などの物理的、化学的影響から転写図形層7を守る。保護層5は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系などの樹脂またはこれらを組み合わせ配合した樹脂からなり、無架橋または架橋や半架橋の態様で用いる。保護層5の厚みは通常2〜20μmである。
【0021】
反射層16(図2)は、比較的多量の金属粉末を含み、図形層7で発生する遠赤外線を効率よく反射させるために用いる。反射層16は、遠赤外線の放射エネルギーを反射することで着用者に対する遠赤外線効果を高める。反射インキには、アルミニウム、銀、ニッケルなどの金属粉末を含有している。反射層16の厚みは通常5〜30μmである。
【0022】
バックアップ層27(図3)は、有色顔料または金属粉末を含み、図形層7の着色の再現性を補ったり、遠赤外線を吸収して保温性を高めるために付加する。バックアップ層27は、図形色の再現性を高めるだけならば白色インキでよく、遠赤外線の吸収を良くするならば、黒色などの濃色インキを用いる。また、転写マークの使用態様に応じて、バックアップ層に反射インキを含んでいてもよく、該インキにはアルミニウム、銀、ニッケルなどの金属粉末を含有する。バックアップ層27の厚みは通常5〜30μmである。
【0023】
中間層37(図4)は、図形層7またはバックアップ層27の樹脂と親和力を有し、図形層7を補強し、その伸縮性および接着力を補う。中間層37は、図形層7と同じか僅かに大きい平面形状が望ましく、場合によっては僅かに小さい平面形状でもよい。中間層37は、図形層7やバックアップ層の樹脂と高い親和力を持たすため、ポリウレタン系樹脂またはポリアミド樹脂を含有することが多い。中間層37の厚みは通常5〜30μmである。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0025】
実施例1
図1に示す熱転写マーク1を製造するために、ベースシート2として厚さ100μmのポリエステルフィルム(東レ製)を用いる。ベースシート2の表面に、300メッシュのスクリーン版によってポリアミド樹脂をベタ印刷して、厚さ5μmの離型層3を形成する。
【0026】
次に、保護層5を離型層3の上に積層する。保護層5として、例えば、透明の架橋ポリウレタン系樹脂を用い、225メッシュのスクリーン版によって厚さ5μmの保護層5を印刷する。保護層5は、ベースシート2上に均等に分散させた円形平面であり、図形層7の全体の周縁より0.2mm拡大した画像である。
【0027】
図形層7に添加する遠赤外線放射性のセラミックス粉末は、平均粒径が1.1μmのアルミナ−シリカ系セラミックス粉末(商品名:LAS−37、日本軽金属製)である。このセラミックス粉末30.0重量%と、固形分20%のポリウレタン系樹脂(商品名:アイロレン)の溶液70.0重量%とを混合する。この混合溶液100gに、シリカゲル(商品名:SYLYSIA350)2gおよび炭化水素系有機溶剤5gを加えて攪拌し、さらにイソシアネートを5g添加して全量を112gとする。
【0028】
図形層7は、180メッシュのスクリーン版によって、保護層5の上に、厚さ約5μmで直径10mmの円形平面を印刷する。図形層7は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さは9.5〜11.0μmである。
【0029】
接着層8として、固形分20%の熱可塑性ポリウレタン系樹脂溶液87.0gと、熱可塑性ポリアミド樹脂8.0gと、柔軟剤4.9gと、蛍光剤0.1gとを加えて攪拌し、全量を100.0gとする。
【0030】
接着層8は、180メッシュのスクリーン版によって印刷し、円形平面の図形層7の全体の周縁より0.4mm拡大した画像を形成する。接着層8は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さを50〜80μmとする。
【0031】
得た転写マーク1について、個々の図形層7をベースシート2ごと裁断して繊維製品における所望の位置に配置する。転写マーク1を裏返し、図6のようにサポータ9の内側に図形層7を転写する。この転写条件は、熱転写機(商品名:T−80型トランステイター、ジャパンポリマーク社製)において、温度160℃、転写圧力98kPa、転写時間10秒に設定する。この加熱転写の結果、サポータ9の内側の所望の個所に円形平面の転写図形層7’を強固に接着する。
【0032】
図形層7’を転写したサポータ9は、家庭用電気洗濯機によってJIS L0217 103に準ずる方法で繰り返し10回洗濯する。この洗濯の結果、転写図形層7’に摩滅、亀裂または脱落などの損耗が生じず、感触が良く且つ遠赤外線を高度に放射するマークを保持している。
【0033】
比較例
熱転写マークを実施例1と同様に製造するが、図形層には遠赤外線放射性のセラミックス粉末を添加しない。この図形層は、180メッシュのスクリーン版によって、保護層の上に直径10mmの円形平面を印刷する。この図形層は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さは9.5〜11.0μmである。
【0034】
実施例2
熱転写マーク1を製造するために、図形層7として、実施例1で製造したセラミックス粉末添加のポリウレタン系樹脂を用い、180メッシュのスクリーン版によって、保護層5の上に直径10mmの円形平面を印刷する。図形層7は、同じスクリーン版で3回刷りし、厚さは14.5〜16.0μmである。
【0035】
実施例3
熱転写マーク1を製造するために、図形層7として、実施例1で製造したセラミックス粉末添加のポリウレタン系樹脂を用い、180メッシュのスクリーン版によって、保護層5の上に直径10mmの円形平面を印刷する。図形層7は、同じスクリーン版で5回刷りし、厚さは25.0〜27.0μmである。
【0036】
実施例4
図2に示す熱転写マーク10を製造するために、実施例1と同様のベースシート12を用いる。ベースシート12の表面に、実施例1と同様に離型層13を形成し、さらに実施例1と同様の保護層15を離型層13の上に積層する。保護層15は、円形平面の図形層17の全体の周縁より0.2mm拡大した画像を形成する。
【0037】
さらに、反射層16を保護層15の上に積層する。反射層16は、固形分25%のポリウレタン系樹脂溶液61重量%、アルミニウム粉末12重量%、炭化水素系有機溶剤22重量%、イソシアネート5重量%からなり、180メッシュのスクリーン版によって厚さ9.0μm積層する。反射層16は、図形層17と同じ平面形状の画像を形成する。
【0038】
実施例1と同様の図形層17は、180メッシュのスクリーン版によって、反射層16の上に直径10mmの円形平面を均等に分散させて印刷する。図形層17は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さは9.5〜11.0μmである。
【0039】
実施例1と同様の接着層18は、180メッシュのスクリーン版によって印刷し、円形平面の図形層17の全体の周縁より0.4mm拡大した画像を形成する。接着層18は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さを50〜80μmとする。
【0040】
得た転写マーク10について、個々の図形層17をベースシート12ごと裁断して繊維製品における所望の位置に配置する。転写マーク10を裏返し、図6のようにサポータ19の外側に図形層17を転写する。この加熱転写の結果、サポータ19の外側の所望の個所に円形平面の転写図形層17’を強固に接着する。
【0041】
図形層17’を転写したサポータ19は、電気洗濯機によって繰り返し10回洗濯した結果、摩滅、亀裂または脱落などの損耗が生じず、感触が良く且つ遠赤外線を高度に放射するマークを保持している。このマークは、サポータ19の外側に接着すると、転写図形層17’で発生する遠赤外線を効率よく反射し、サポータ着用者に対する遠赤外線効果を高める。
【0042】
実施例5
熱転写マーク10を製造するために、図形層17として、実施例1で製造したセラミックス粉末添加のポリウレタン系樹脂を用い、180メッシュのスクリーン版によって、反射層16の上に直径10mmの円形平面を印刷する。図形層17は、同じスクリーン版で5回刷りし、厚さは25.0〜27.0μmである。
【0043】
実施例6
図3に示す熱転写マーク20を製造するために、実施例1と同様のベースシート22を用いる。ベースシート22の表面に、実施例1と同様に離型層23を形成し、さらに実施例1と同様に保護層25および図形層26の上に積層する。
【0044】
さらに、黒色バックアップ層27を図形層26の上に積層する。黒色バックアップ層27は、カーボンブラック微粉末12重量%、固形分25%のポリウレタン系樹脂溶液60重量%、炭化水素系有機溶剤23重量%、イソシアネート5重量%からなり、スクリーン版によって厚さ10.0μm積層する。黒色バックアップ層27は、図形層26と同じ平面形状の画像を形成する。
【0045】
実施例1と同様の接着層28は、180メッシュのスクリーン版によって印刷し、円形平面の図形層26の全体の周縁より0.4mm拡大した画像を形成する。接着層28は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さを50〜80μmとする。
【0046】
得た転写マーク20について、個々の図形層26をベースシート22ごと裁断してから裏返し、繊維製品の内側に図形層26を転写する。この繊維製品は、電気洗濯機によって繰り返し10回洗濯した結果、摩滅、亀裂または脱落などの損耗が生じず、感触が良く且つ遠赤外線を高度に放射するマークを保持している。このマークの黒色バックアップ層27は、転写図形層の着色の再現性を補うとともに、転写図形層で発生する遠赤外線を吸収して保温性を高める。
【0047】
実施例7
熱転写マーク20を製造するために、反射バックアップ層27として、実施例4の反射層16と同一の素材を用いる。すなわち、反射バックアップ層27は、固形分25%のポリウレタン系樹脂溶液61重量%、アルミニウム粉末12重量%、炭化水素系有機溶剤22重量%、イソシアネート5重量%からなり、180メッシュのスクリーン版によって厚さ9.0μm積層する。
【0048】
得た転写マーク20について、個々の図形層26をベースシート22ごと裁断してから裏返し、繊維製品の内側に図形層26を転写する。この繊維製品は、電気洗濯機によって繰り返し10回洗濯した結果、摩滅、亀裂または脱落などの損耗が生じず、感触が良く且つ遠赤外線を高度に放射するマークを保持している。このマークは、転写図形層で発生する遠赤外線を効率よく反射し、繊維製品の着用者に対する遠赤外線効果を高める。
【0049】
実施例8
図4に示す熱転写マーク30を製造するために、実施例1と同様のベースシート32を用いる。ベースシート32の表面に、実施例1と同様に離型層33を形成し、さらに実施例1と同様に保護層35および図形層36の上に積層する。
【0050】
さらに、中間層37を図形層36の上に積層する。中間層37は、固形分18%の熱可塑性ポリウレタン系樹脂溶液85重量%、ポリアミド樹脂3重量%、ポリオール5重量%、イソシアネート7重量%からなり、スクリーン版によって厚さ20.0μm積層する。中間層37は、図形層36と同じ平面形状の画像を形成する。
【0051】
実施例1と同様の接着層28は、180メッシュのスクリーン版によって印刷し、円形平面の図形層26の全体の周縁より0.4mm拡大した画像を形成する。接着層28は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さを50〜80μmとする。
【0052】
実施例9
図5に示す熱転写マーク40を製造するために、実施例1と同様のベースシート42を用いる。ベースシート42の表面に、実施例1と同様に離型層43を形成し、さらに実施例1と同様に保護層45および図形層46の上に積層する。
【0053】
また、黒色バックアップ層47を図形層46の上に積層する。黒色バックアップ層47は、カーボンブラック微粉末12重量%、固形分25%のポリウレタン系樹脂溶液60重量%、炭化水素系有機溶剤23重量%、イソシアネート5重量%からなり、スクリーン版によって厚さ10.0μm積層する。黒色バックアップ層47は、図形層46と同じ平面形状の画像を形成する。
【0054】
さらに、中間層48を図形層46の上に積層する。中間層48は、固形分18%の熱可塑性ポリウレタン系樹脂溶液85重量%、ポリアミド樹脂3重量%、ポリオール5重量%、イソシアネート7重量%からなり、スクリーン版によって厚さ20.0μm積層する。中間層48は、図形層46と同じ平面形状の画像を形成する。
【0055】
実施例1と同様の接着層49は、180メッシュのスクリーン版によって印刷し、円形平面の図形層46の全体の周縁より0.4mm拡大した画像を形成する。接着層49は、同じスクリーン版で2回刷りし、厚さを50〜80μmとする。
【0056】
試験例1
実施例1、実施例3、実施例5および比較例で得た熱転写マーク(但し、接着層は印刷しない)について、波長4〜20μmを遠赤外線の放射性能を確認するため、それぞれ遠赤外線の分光放射率を測定する。この測定は、福井県工業技術センターにおいて平成12年8月2日に行った。
【0057】
試験方法として、フーリエ変換赤外分光高度計JIR−5300(日本電子製)を用い、測定温度は約40℃(接触式表面温度計による測定)、測定範囲は2200〜500cm−1である。この測定結果として、実施例1の熱転写マークは図7のグラフ、実施例3の熱転写マークは図8のグラフ、実施例5の熱転写マークは図9のグラフ、比較例の熱転写マークは図10のグラフを得る。
【0058】
測定結果から明らかなように、実施例1、実施例3、実施例5のマークは、比較例のマークに比べて、波長14〜20μmにおける遠赤外線の放射率が高い。また、波長4〜8μmについても、実施例1、実施例3のマークは、比較例のマークに比べて遠赤外線の放射率が高く、実施例5のマークは比較例と比較して遠赤外線の放射が安定している。
【0059】
試験例1では、波長4〜20μmの領域において、実施例1、実施例3、実施例5のマークは、比較例のマークに比べて全放射率が5%以上上回っている。また、実施例1、実施例3、実施例5のマークは、波長4〜20μmの領域の任意の区間でも全放射率が比較例のマークに比べ、10%以上上回っている。したがって、本発明の熱転写マークは、放射特性に関して社団法人遠赤外線協会の認定基準に合格している。
【0060】
試験例2
実施例1、実施例3、実施例5および比較例で得た熱転写マークについて、皮膚温度(サーモグラフィ)を測定する。この測定は熱転写マークを接着したサポータを用い、該サポータを各検体者に着用させて、着用前、着用時(サポータ上から測定)、脱衣直後、脱衣15分後、脱衣30分後にそれぞれ温度測定する。
【0061】
測定装置は、福井県工業技術センター所有の熱画像処理装置TH3102型(日本電気三栄製)である。測定方法は、熱転写マークと熱画像処理装置との距離が2mであり、皮膚表面温度の測定の際に、着用衣服やエアコン風などの影響を受けないように段ボールで専用の治具を製作し、測定部位を固定した後に測定する。
【0062】
実施例1、実施例3、実施例5のマークと比較例のマークとは、サーモグラフィに関して、対象部位の着用前後の平均皮膚温度差が+0.5℃以上ある。また、両マークは、温度画像面積比でも明確な優位差が認められている。したがって、本発明の熱転写マークは、温度特性に関して社団法人遠赤外線協会の認定基準に合格している。
【0063】
【発明の効果】
本発明に係る熱転写マークは、常温域で遠赤外線を放射し、この放射作用が有効であることは、社団法人遠赤外線協会の認定基準に合格したことから明らかである。本発明の熱転写マークは、図形層ごとベースシートを裁断し、サポータなどの繊維製品の所望の個所に転写すると、サポータなどの着用者に対して局部的に遠赤外線効果を付与でき、身体の壺に応じた個所に貼着できる。
【0064】
本発明の熱転写マークは、繊維製品に転写した際に高い耐洗濯性を有することにより、所定の耐久性と安全性を充分満足する実用レベルにある。本発明の熱転写マークは、適宜の繊維製品に付着した際に感触性が良くて違和感がなく、繊維製品の伸縮に容易に対応できるので使用時に層剥離や亀裂などの発生も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写マークを拡大して示す概略断面図である。
【図2】熱転写マークの変形例を示す拡大断面図である。
【図3】熱転写マークの第2変形例を示す拡大断面図である。
【図4】熱転写マークの第3変形例を示す拡大断面図である。
【図5】熱転写マークの第4変形例を示す拡大断面図である。
【図6】熱転写マークによって転写図形層を接着したサポータを例示する斜視図である。
【図7】実施例1の図形層に関する遠赤外線(波長4〜20μm)の分光放射率を示すグラフである。
【図8】実施例3の図形層に関する図7と同様のグラフである。
【図9】実施例5の図形層に関する図7と同様のグラフである。
【図10】比較例の図形層に関する図7と同様のグラフである。
【符号の説明】
1 熱転写マーク
2 ベースシート
3 離型層
5 保護層
7 図形層
8 接着層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a thermal transfer mark capable of locally imparting a far-infrared ray effect to a wearer such as clothing by radiating far-infrared rays in a normal temperature range, and having a predetermined washing resistance when transferred to a textile. Thermal transfer mark.
[0002]
[Prior art]
Far-infrared rays have been used for a long time for efficient heating by selective absorption and thermal treatment for the human body, and the field of use has been rapidly expanding in recent years. As for textile products, many products using ceramics that emit far-infrared rays and having ceramics attached thereto have already been proposed. For example, Japanese Utility Model Laid-Open No. 63-43557 discloses a sock that emits far-infrared rays by adhering ceramics that emit far-infrared rays to socks. A high blanket is disclosed.
[0003]
On the other hand, a transfer sheet has also been proposed to enhance versatility. In this transfer sheet, a resin mixed with far-infrared-emitting ceramics is applied in a scattered manner on a release base sheet, and a thermoplastic resin layer is further provided. Known publications of this type include Japanese Utility Model Laid-Open No. 63-63467, Japanese Utility Model Laid-Open No. 1-141066, Japanese Utility Model Laid-Open No. 5-56461, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-227153, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-81228.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The transfer resin piece in the transfer sheet generally lacks stretchability and flexibility, and when attached to clothing such as underwear and sportswear, textiles such as socks and bedding, regarding durability and feel. Performance is not enough. Since these textiles have high elasticity, are easy to bend and are flexible, the transfer resin pieces have almost the same high elasticity and if they are not flexible, they will peel off after a few days of use, causing a sense of incongruity in the feel of the textiles. Is significantly reduced.
[0005]
In particular, the transfer resin piece is easily cracked or peeled off by washing only a few times, and the problem in terms of washing resistance is hardly solved. For this reason, the above-mentioned transfer sheet is limited to a textile product which hardly performs washing, and is extremely insufficient in versatility. If the amount of ceramics added to the transfer resin piece is reduced in order to increase versatility, there arises a problem that effective far infrared rays cannot be emitted.
[0006]
The present invention has been proposed in order to improve the above-mentioned problems relating to the transfer sheet that emits far-infrared rays, and has a predetermined washing resistance and flexibility, so that a thermal transfer mark that is versatile for textile products. It is intended to provide. Another object of the present invention is to provide a thermal transfer mark for textiles which has high durability and can emit effective far infrared rays.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the thermal transfer mark according to the present invention includes at least a pattern layer to which a far-infrared radiating ceramic powder is added and a bonding layer made of a thermoplastic resin, on a base sheet having a release layer formed thereon. Are provided. It is preferable that a transparent or translucent protective layer is first provided on the base sheet for the thermal transfer mark. Further, even if a reflective layer to which a metal powder is added is laminated next to the protective layer, a backup layer to which a colored pigment or metal powder is added next to the graphic layer and / or an intermediate layer having an affinity for the resin of these layers. Layers may be stacked.
[0008]
The ceramic powder used in the present invention preferably has an average particle size of about 5 μm or less in order to maintain the mechanical strength of the graphic layer. This ceramic powder is added in an amount of 25 to 35% by weight in the figure layer. When the content is less than 25% by weight, the amount of far-infrared radiation is reduced. The mechanical strength decreases.
[0009]
In the present invention, the graphic layer to which the ceramic powder is added is preferably made of a polyurethane resin or a soft resin equivalent thereto, and the adhesive layer preferably contains a thermoplastic polyurethane resin. When the graphic layer and the adhesive layer both contain a polyurethane resin having high elasticity and flexibility, the feel is good when adhered to textiles, and the occurrence of delamination and cracks during use is small.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The thermal transfer mark 1 according to the present invention has the minimum layer configuration shown in FIG. 1. The thermal transfer mark 1 includes a figure layer 7 in which a large amount of ceramic powder is added on a base sheet 2 on which a release layer 3 is formed, and a thermoplastic resin. Is provided. The graphic layer 7, the adhesive layer 8, and other useful layers are generally formed by screen printing. However, if the thin layer is a thin layer, it is formed by a digital printing method without using a template, or a hot melt resin is sprayed and adhered as the adhesive layer 8. You may let it.
[0011]
The ceramic powder to be added to the graphic layer 7 needs to emit far infrared rays having a wavelength of 4 to 20 μm at a high temperature in a normal temperature range. For example, alumina-based, zirconium-based, and lanthanum-based ceramics can be used. Since the radiation characteristics of ceramics vary greatly depending on the particle size, particle shape, surface state, filling amount, filling resin, distribution structure, etc., even for the same material, advanced material evaluation technology is indispensable. For example, an alumina-silica ceramic powder (trade name: LAS-37, manufactured by Nippon Light Metal) has an average particle size of 1.1 μm and a true specific gravity of 3.0 g / cm. 3 , Specific surface area 26.0m 2 / G, and has high selective radioactivity even when dispersed in plastic. In addition, oxide ceramics (trade name: LAS-38) also have high selective radioactivity, and non-oxide ceramic powders (trade name: SNP-03) have high overall radioactivity.
[0012]
This type of ceramic powder preferably has an average particle size of about 5 μm or less so that the resin constituting the figure layer 7 has a predetermined mechanical strength and maintains abrasion resistance and washing resistance. Even when the average particle diameter is about 10 μm, when the resin and the resin are kneaded and dispersed by a roll mill (not shown), the average particle diameter is inevitably crushed to about 5 μm. This ceramic powder is added in the graphic layer 7 in an amount of 25 to 35% by weight, and if the content is less than 25% by weight, it is impossible to quantitatively emit far infrared rays to a high degree. On the other hand, when the content of the ceramic powder exceeds 35% by weight, the filling amount in the resin becomes too large, and the mechanical strength of the transfer graphic layer is reduced, so that the predetermined wear resistance and washing resistance can be maintained. It becomes difficult.
[0013]
The graphic layer 7 to which the ceramic powder is added is preferably made of a polyurethane resin or a soft resin equivalent thereto, and the resin is, for example, thermally crosslinkable or temporally crosslinkable. Polyurethane-based resins generally have a low density, and therefore have a better transmission of far-infrared rays having a wavelength of 4 to 20 μm than other resins. Polyurethane resins are excellent in elongation, abrasion resistance, rebound resilience and compressive fatigue strength, and are less likely to delaminate or crack when used in textile products.
[0014]
The graphic layer 7 is a plan pattern of characters, symbols, patterns, pictorial displays or a combination thereof. In general, a simple circular or square plane pattern is evenly distributed on the base sheet 2 and the base sheet 2 is cut out at the time of transfer. Then, it may be bonded to the material to be transferred. When the thickness of the graphic layer 7 is about 8 to 40 μm, a predetermined far-infrared radiation effect can be obtained.
[0015]
On the other hand, the adhesive layer 8 is basically selected from a hot melt resin suitable for the material of the material to be transferred. For a flexible fiber product, the adhesive layer 8 usually contains a thermoplastic polyurethane resin. In particular, for a highly stretchable fiber product such as a supporter, the adhesive layer 8 is mainly made of a thermoplastic polyurethane resin, and preferably contains a thermoplastic polyamide resin for gripping the fabric.
[0016]
The thickness of the adhesive layer 8 is determined according to the surface shape of the material to be transferred, and is generally 20 to 200 μm. The adhesive layer 8 preferably forms an image slightly larger than the entire periphery of the graphic layer 7 in order to securely adhere the graphic layer 7.
[0017]
It is preferable that the protective layer 5 be provided on the base sheet 2 in advance on the thermal transfer mark 1. It is possible to stack the reflective layer 16 (FIG. 2) next to the protective layer 5, the backup layer 27 (FIG. 3) next to the graphic layer 7, or the intermediate layer 37 (FIG. 4). As shown in FIG. 5, a plurality of reflective layers, backup layers, and intermediate layers can be simultaneously laminated.
[0018]
The base sheet 2 may be any of a plastic film, paper, synthetic paper, laminated paper, and the like, and the form is a sheet shape or a roll shape. Specifically, the base sheet 2 is a film such as polyester, polyethylene, polyethylene terephthalate, polypropylene, polyamide (nylon), cellophane, paper, or a composite material thereof, and has a thickness of 20 to 180 μm, more preferably It is 50 to 125 μm.
[0019]
The release layer 3 is provided so that the graphic layer 7 can be separated from the base sheet 2 at the time of thermal transfer, and may be solid printed by a screen plate or applied by a roll coater. The release layer 3 is made of a cellulose-based, polyamide-based, acrylic-based, or vinyl-based resin, and has a thickness of about 0.5 to 10.0 μm.
[0020]
The protective layer 5 is made of a relatively hard transparent or translucent resin film and reinforces the physical properties of the transfer graphic layer 7 when using a textile material as a material to be transferred. Is given. The protective layer 5 preferably has a plane shape that is the same as or slightly larger than that of the graphic layer 7. The transparent resin film protects the transfer graphic layer 7 from physical and chemical influences such as friction, impact, chemicals, and solvents. The protective layer 5 is made of a resin such as a polyamide-based, polyester-based, polyurethane-based, or acrylic-based resin or a resin in which these are combined, and is used in a non-crosslinked or crosslinked or semi-crosslinked manner. The thickness of the protective layer 5 is usually 2 to 20 μm.
[0021]
The reflection layer 16 (FIG. 2) contains a relatively large amount of metal powder and is used for efficiently reflecting far infrared rays generated in the graphic layer 7. The reflective layer 16 enhances the far-infrared effect on the wearer by reflecting far-infrared radiation energy. The reflective ink contains a metal powder such as aluminum, silver, and nickel. The thickness of the reflection layer 16 is usually 5 to 30 μm.
[0022]
The backup layer 27 (FIG. 3) contains a colored pigment or a metal powder, and is added to supplement the reproducibility of coloring of the graphic layer 7 or to absorb far-infrared rays to enhance heat retention. The backup layer 27 may be made of white ink only to enhance the reproducibility of the graphic color, and dark ink such as black to improve the absorption of far-infrared rays. The backup layer may contain a reflective ink depending on the usage of the transfer mark, and the ink contains a metal powder such as aluminum, silver, and nickel. The thickness of the backup layer 27 is usually 5 to 30 μm.
[0023]
The intermediate layer 37 (FIG. 4) has an affinity with the resin of the graphic layer 7 or the backup layer 27, reinforces the graphic layer 7, and supplements its elasticity and adhesive strength. The intermediate layer 37 desirably has a planar shape that is the same as or slightly larger than the graphic layer 7, and may have a slightly smaller planar shape in some cases. The intermediate layer 37 often contains a polyurethane resin or a polyamide resin in order to have a high affinity with the resin of the graphic layer 7 and the backup layer. The thickness of the intermediate layer 37 is usually 5 to 30 μm.
[0024]
【Example】
Next, the present invention will be described based on examples, but the present invention is not limited to the examples.
[0025]
Example 1
In order to manufacture the thermal transfer mark 1 shown in FIG. 1, a 100 μm thick polyester film (manufactured by Toray) is used as the base sheet 2. A polyamide resin is solid-printed on the surface of the base sheet 2 with a 300-mesh screen plate to form a release layer 3 having a thickness of 5 μm.
[0026]
Next, the protective layer 5 is laminated on the release layer 3. As the protective layer 5, for example, a transparent crosslinked polyurethane resin is used, and the protective layer 5 having a thickness of 5 μm is printed on a 225 mesh screen plate. The protective layer 5 is a circular plane uniformly distributed on the base sheet 2 and is an image enlarged by 0.2 mm from the entire periphery of the graphic layer 7.
[0027]
The far-infrared radiating ceramic powder added to the figure layer 7 is an alumina-silica-based ceramic powder having an average particle diameter of 1.1 μm (trade name: LAS-37, manufactured by Nippon Light Metal). 30.0% by weight of this ceramic powder and 70.0% by weight of a solution of a polyurethane resin (trade name: Ilorene) having a solid content of 20% are mixed. To 100 g of the mixed solution, 2 g of silica gel (trade name: SYLYSIA350) and 5 g of a hydrocarbon-based organic solvent are added and stirred, and 5 g of isocyanate is further added to make the total amount 112 g.
[0028]
The graphic layer 7 is formed by printing a circular flat plate having a thickness of about 5 μm and a diameter of 10 mm on the protective layer 5 using a 180-mesh screen plate. The graphic layer 7 is printed twice on the same screen plate, and has a thickness of 9.5 to 11.0 μm.
[0029]
As the adhesive layer 8, 87.0 g of a thermoplastic polyurethane resin solution having a solid content of 20%, 8.0 g of a thermoplastic polyamide resin, 4.9 g of a softener, and 0.1 g of a fluorescent agent were added, and the mixture was stirred. To 100.0 g.
[0030]
The adhesive layer 8 is printed with a 180-mesh screen plate, and forms an image 0.4 mm larger than the entire periphery of the circular flat graphic layer 7. The adhesive layer 8 is printed twice with the same screen plate, and has a thickness of 50 to 80 μm.
[0031]
With respect to the obtained transfer mark 1, the individual graphic layers 7 are cut together with the base sheet 2 and arranged at desired positions in the textile. The transfer mark 1 is turned over, and the graphic layer 7 is transferred inside the supporter 9 as shown in FIG. The transfer conditions are set at a temperature of 160 ° C., a transfer pressure of 98 kPa, and a transfer time of 10 seconds in a thermal transfer machine (trade name: T-80 Transtainer, manufactured by Japan Polymer Co., Ltd.). As a result of the heat transfer, the transfer graphic layer 7 ′ having a circular flat surface is firmly adhered to a desired portion inside the supporter 9.
[0032]
The supporter 9 to which the graphic layer 7 'has been transferred is repeatedly washed 10 times by a household electric washing machine in a method according to JIS L0217103. As a result of this washing, the transfer graphic layer 7 'does not suffer from abrasion such as abrasion, cracking or falling off, and has a good feel and a mark which emits far infrared rays to a high degree.
[0033]
Comparative example
A thermal transfer mark is produced in the same manner as in Example 1, but without adding far-infrared radiating ceramic powder to the figure layer. This graphic layer is printed with a 180-mesh screen stencil on a circular plane with a diameter of 10 mm on the protective layer. This graphic layer is printed twice on the same screen plate and has a thickness of 9.5 to 11.0 μm.
[0034]
Example 2
In order to manufacture the thermal transfer mark 1, a circular plane having a diameter of 10 mm was printed on the protective layer 5 with a 180-mesh screen plate using the polyurethane resin to which the ceramic powder added in Example 1 was used as the graphic layer 7. I do. The graphic layer 7 is printed three times with the same screen plate, and has a thickness of 14.5 to 16.0 µm.
[0035]
Example 3
In order to manufacture the thermal transfer mark 1, a circular plane having a diameter of 10 mm was printed on the protective layer 5 with a 180-mesh screen plate using the polyurethane resin to which the ceramic powder added in Example 1 was used as the graphic layer 7. I do. The graphic layer 7 is printed five times with the same screen plate, and has a thickness of 25.0 to 27.0 μm.
[0036]
Example 4
In order to manufacture the thermal transfer mark 10 shown in FIG. 2, the same base sheet 12 as in the first embodiment is used. A release layer 13 is formed on the surface of the base sheet 12 in the same manner as in the first embodiment, and a protective layer 15 similar to that in the first embodiment is further laminated on the release layer 13. The protective layer 15 forms an image enlarged by 0.2 mm from the entire periphery of the figure layer 17 having a circular plane.
[0037]
Further, the reflective layer 16 is laminated on the protective layer 15. The reflection layer 16 was composed of 61% by weight of a polyurethane resin solution having a solid content of 25%, 12% by weight of aluminum powder, 22% by weight of a hydrocarbon-based organic solvent, and 5% by weight of isocyanate. Laminate 0 μm. The reflection layer 16 forms an image having the same planar shape as the graphic layer 17.
[0038]
The graphic layer 17 similar to that of the first embodiment is printed on the reflective layer 16 by uniformly dispersing circular planes having a diameter of 10 mm using a 180-mesh screen plate. The graphic layer 17 is printed twice on the same screen plate, and has a thickness of 9.5 to 11.0 μm.
[0039]
The adhesive layer 18 similar to that of the first embodiment is printed by a 180-mesh screen plate, and forms an image 0.4 mm larger than the entire periphery of the circular flat graphic layer 17. The adhesive layer 18 is printed twice with the same screen plate, and has a thickness of 50 to 80 μm.
[0040]
With respect to the transfer mark 10 obtained, the individual graphic layers 17 are cut together with the base sheet 12 and arranged at desired positions in the textile. The transfer mark 10 is turned over, and the graphic layer 17 is transferred to the outside of the supporter 19 as shown in FIG. As a result of this heat transfer, the transfer graphic layer 17 ′ having a circular flat surface is firmly adhered to a desired portion outside the supporter 19.
[0041]
The supporter 19 to which the graphic layer 17 'has been transferred is washed 10 times repeatedly by an electric washing machine. As a result, wear such as abrasion, cracking or falling off does not occur, and the supporter 19 has a good feel and retains a mark which radiates far infrared rays to a high degree. I have. When this mark is adhered to the outside of the supporter 19, the mark efficiently reflects far infrared rays generated in the transfer graphic layer 17 ', and enhances the effect of far infrared rays on the wearer of the supporter.
[0042]
Example 5
In order to manufacture the thermal transfer mark 10, a circular plane having a diameter of 10 mm was printed on the reflective layer 16 with a 180-mesh screen plate using the polyurethane resin added with the ceramic powder manufactured in Example 1 as the graphic layer 17. I do. The graphic layer 17 is printed five times with the same screen plate, and has a thickness of 25.0 to 27.0 μm.
[0043]
Example 6
In order to manufacture the thermal transfer mark 20 shown in FIG. 3, the same base sheet 22 as in the first embodiment is used. A release layer 23 is formed on the surface of the base sheet 22 in the same manner as in the first embodiment, and is further laminated on the protective layer 25 and the graphic layer 26 in the same manner as in the first embodiment.
[0044]
Further, a black backup layer 27 is laminated on the graphic layer 26. The black backup layer 27 is composed of 12% by weight of carbon black fine powder, 60% by weight of a polyurethane-based resin solution having a solid content of 25%, 23% by weight of a hydrocarbon-based organic solvent, and 5% by weight of isocyanate. Laminate 0 μm. The black backup layer 27 forms an image having the same planar shape as the graphic layer 26.
[0045]
The adhesive layer 28 similar to that in the first embodiment is printed by a 180-mesh screen plate to form an image 0.4 mm larger than the entire periphery of the circular flat graphic layer 26. The adhesive layer 28 is printed twice with the same screen plate, and has a thickness of 50 to 80 μm.
[0046]
With respect to the obtained transfer mark 20, the individual graphic layers 26 are cut together with the base sheet 22 and then turned over, and the graphic layers 26 are transferred to the inside of the fiber product. As a result of repeatedly washing the textile with an electric washing machine 10 times, the textile does not suffer from abrasion such as abrasion, cracking or falling off, has a good feel, and has a mark that emits far infrared rays to a high degree. The black backup layer 27 of this mark complements the reproducibility of coloring of the transferred graphic layer, and also absorbs far-infrared rays generated in the transferred graphic layer to enhance the heat retention.
[0047]
Example 7
In order to manufacture the thermal transfer mark 20, the same material as the reflective layer 16 of the fourth embodiment is used as the reflective backup layer 27. That is, the reflective backup layer 27 is composed of a polyurethane resin solution having a solid content of 25% by weight, 61% by weight of aluminum powder, a hydrocarbon type organic solvent of 22% by weight, and an isocyanate of 5% by weight. The thickness is 9.0 μm.
[0048]
With respect to the obtained transfer mark 20, the individual graphic layers 26 are cut together with the base sheet 22 and then turned over, and the graphic layers 26 are transferred to the inside of the fiber product. As a result of repeatedly washing the textile with an electric washing machine 10 times, the textile does not suffer from abrasion such as abrasion, cracking or falling off, has a good feel, and has a mark that emits far infrared rays to a high degree. The mark efficiently reflects far-infrared rays generated in the transfer graphic layer, and enhances the far-infrared ray effect on the wearer of the textile product.
[0049]
Example 8
In order to manufacture the thermal transfer mark 30 shown in FIG. 4, the same base sheet 32 as in the first embodiment is used. A release layer 33 is formed on the surface of the base sheet 32 in the same manner as in the first embodiment, and is further laminated on the protective layer 35 and the graphic layer 36 in the same manner as in the first embodiment.
[0050]
Further, the intermediate layer 37 is laminated on the graphic layer 36. The intermediate layer 37 is composed of 85% by weight of a thermoplastic polyurethane resin solution having a solid content of 18%, 3% by weight of a polyamide resin, 5% by weight of a polyol, and 7% by weight of an isocyanate. The intermediate layer 37 forms an image having the same planar shape as the graphic layer 36.
[0051]
The adhesive layer 28 similar to that in the first embodiment is printed by a 180-mesh screen plate to form an image 0.4 mm larger than the entire periphery of the circular flat graphic layer 26. The adhesive layer 28 is printed twice with the same screen plate, and has a thickness of 50 to 80 μm.
[0052]
Example 9
In order to manufacture the thermal transfer mark 40 shown in FIG. 5, the same base sheet 42 as in the first embodiment is used. A release layer 43 is formed on the surface of the base sheet 42 in the same manner as in the first embodiment, and is further laminated on the protective layer 45 and the graphic layer 46 in the same manner as in the first embodiment.
[0053]
Further, a black backup layer 47 is laminated on the graphic layer 46. The black backup layer 47 is composed of 12% by weight of carbon black fine powder, 60% by weight of a polyurethane-based resin solution having a solid content of 25%, 23% by weight of a hydrocarbon-based organic solvent, and 5% by weight of isocyanate. Laminate 0 μm. The black backup layer 47 forms an image having the same planar shape as the graphic layer 46.
[0054]
Further, an intermediate layer 48 is laminated on the graphic layer 46. The intermediate layer 48 is composed of a thermoplastic polyurethane resin solution having a solid content of 18% by weight of 85% by weight, a polyamide resin of 3% by weight, a polyol of 5% by weight, and an isocyanate of 7% by weight. The intermediate layer 48 forms an image having the same planar shape as the graphic layer 46.
[0055]
The adhesive layer 49 similar to that of the first embodiment is printed on a 180-mesh screen plate to form an image 0.4 mm larger than the entire periphery of the circular flat graphic layer 46. The adhesive layer 49 is printed twice with the same screen plate, and has a thickness of 50 to 80 μm.
[0056]
Test example 1
In order to confirm the radiation performance of far infrared rays at a wavelength of 4 to 20 μm, each of the thermal transfer marks obtained in Examples 1, 3 and 5 and the comparative example (however, the adhesive layer is not printed) was used. Measure emissivity. This measurement was performed at the Fukui Industrial Technology Center on August 2, 2000.
[0057]
As a test method, a Fourier transform infrared spectroscopic altimeter JIR-5300 (manufactured by JEOL Ltd.) was used, the measurement temperature was about 40 ° C. (measured by a contact surface thermometer), and the measurement range was 2200 to 500 cm. -1 It is. As a result of this measurement, the thermal transfer mark of Example 1 is the graph of FIG. 7, the thermal transfer mark of Example 3 is the graph of FIG. 8, the thermal transfer mark of Example 5 is the graph of FIG. 9, and the thermal transfer mark of the comparative example is FIG. Get the graph.
[0058]
As is clear from the measurement results, the marks of Example 1, Example 3, and Example 5 have a higher emissivity of far infrared rays at a wavelength of 14 to 20 μm than the marks of Comparative Example. Also, for wavelengths of 4 to 8 μm, the marks of Example 1 and Example 3 have higher emissivity of far-infrared ray than the mark of Comparative Example, and the mark of Example 5 has far-infrared ray compared with the mark of Comparative Example. The radiation is stable.
[0059]
In Test Example 1, in the wavelength range of 4 to 20 μm, the total emissivity of the marks of Examples 1, 3 and 5 was 5% or more higher than the marks of the comparative examples. Further, the marks of Examples 1, 3 and 5 have a total emissivity that is 10% or more higher than that of the mark of the comparative example in any section of the wavelength range of 4 to 20 μm. Therefore, the thermal transfer mark of the present invention has passed the certification standard of the Far Infrared Radiation Society of Japan in terms of radiation characteristics.
[0060]
Test example 2
The skin temperature (thermography) is measured for the thermal transfer marks obtained in Example 1, Example 3, Example 5, and Comparative Example. This measurement was performed using a supporter to which a thermal transfer mark was adhered, and each supporter was allowed to wear the supporter, and the temperature was measured before wearing, during wearing (measured from above the supporter), immediately after undressing, 15 minutes after undressing, and 30 minutes after undressing. I do.
[0061]
The measuring device is a thermal image processor TH3102 type (manufactured by NEC Sanei) owned by Fukui Industrial Technology Center. The measurement method is that the distance between the thermal transfer mark and the thermal image processing device is 2m, and when measuring the skin surface temperature, a special jig is manufactured with cardboard so that it is not affected by clothes worn or air conditioner wind. The measurement is performed after fixing the measurement site.
[0062]
The marks of Example 1, Example 3, and Example 5 and the mark of the comparative example have an average skin temperature difference of + 0.5 ° C. or more before and after wearing of the target site in the thermography. In addition, a clear superior difference is recognized between the two marks in the temperature image area ratio. Therefore, the thermal transfer mark of the present invention has passed the certification standard of the Far Infrared Radiation Society of Japan with respect to temperature characteristics.
[0063]
【The invention's effect】
The thermal transfer mark according to the present invention emits far-infrared rays in a normal temperature range, and it is clear that the radiation effect is effective because it has passed the certification standard of the Far Infrared Radiation Society. The thermal transfer mark of the present invention can cut the base sheet together with the graphic layer and transfer it to a desired portion of a textile such as a supporter, and can locally impart a far-infrared ray effect to a wearer such as a supporter, thereby providing a body jar. Can be stuck to the location according to.
[0064]
The thermal transfer mark of the present invention has a high level of washing resistance when transferred to a fiber product, and is at a practical level that sufficiently satisfies predetermined durability and safety. The thermal transfer mark of the present invention has a good feel when attached to an appropriate fiber product, does not cause a sense of incongruity, and can easily cope with expansion and contraction of the fiber product.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing, on an enlarged scale, a thermal transfer mark according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged sectional view showing a modification of the thermal transfer mark.
FIG. 3 is an enlarged sectional view showing a second modification of the thermal transfer mark.
FIG. 4 is an enlarged sectional view showing a third modification of the thermal transfer mark.
FIG. 5 is an enlarged sectional view showing a fourth modification of the thermal transfer mark.
FIG. 6 is a perspective view illustrating a supporter in which a transfer graphic layer is bonded by a thermal transfer mark.
FIG. 7 is a graph showing the spectral emissivity of far-infrared rays (wavelength: 4 to 20 μm) for the graphic layer of Example 1;
FIG. 8 is a graph similar to FIG. 7 for the graphic layer of the third embodiment.
FIG. 9 is a graph similar to FIG. 7 for the graphic layer of Example 5.
FIG. 10 is a graph similar to FIG. 7 for a graphic layer of a comparative example.
[Explanation of symbols]
1 Thermal transfer mark
2 Base sheet
3 Release layer
5 Protective layer
7 Graphic layer
8 Adhesive layer