JP3542883B2 - レゾルシノール構造を含有する環状化合物から成るベシクルとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベシクルに関し、詳しくは、レゾルシノール構造を含有する環状化合物から構成され安定性に優れDDSなどへの応用が期待される新規なベシクルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
ベシクルとは、両親媒性化合物の二分子膜がシェル(殻)状に並んで閉じられた球体物質である。このベシクルは、細胞モデルとして細胞膜の構造や機能を調べる手段として用いられている他、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、生体内のイメージング、触媒、分離素子などとしての応用が期待され、広範な研究が進められている。このような目的のため、これまで各種のベシクル構造体が見出されているが、実用の点からは解決すべき課題も多い。例えば、代表的な両親媒性化合物であるフォスファチジルコリン(リン脂質)から成るベシクルは、常温における安定性に欠け窒素雰囲気下に実験を行わなければならず、また、冷蔵保存することを必要とする。これに対して、合成二分子膜から成るベシクルは比較的安定であるが、機能性において実用に供し得るものは少なく、また、調製の面倒なものが多い。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このたび、常温においても極めて安定な新しいタイプのベシクルを簡単に製造することができる手法を確立し本発明を導き出した。
【0004】
すなわち、本発明は、レゾルシノール構造を含有する分子が疎水鎖を介して環状4量体を成している化合物の二分子膜から構成されていることを特徴とするベシクルを提供するものである。
【0005】
さらに、本発明は、そのようなベシクルを製造する方法であって、レゾルシノール構造を含有する分子が疎水鎖を介して環状4量体を成している化合物を有機溶媒に溶かした溶液を緩衝水溶液に添加するに当り、緩衝水溶液を有機溶媒の沸点以上の温度に加熱して該有機溶媒を除去しながら、前記化合物を緩衝水溶液中に分散させることを特徴とする方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるレゾルシノール構造を含有する分子が疎水鎖を介して環状4量体を成している化合物とは、一般的に、次の式(A)で表すことができるものである。
【0007】
【化1】
【0008】
式(A)中、Xは、一般的には水素または水酸基(OH)である。すなわち、本発明のベシクルは、一般的には、レゾルシノール環状4量体(X:H)またはピロガロール環状4量体(X:OH)から構成される(図1参照)。このうち、ピロガロール環状4量体の方がベシクルを形成し易い傾向を有する。しかしながら、Xは、ベシクルの安定性を阻害しない限り、他の官能基または原子団であってもよく、例えば、メチル基のような炭素数1〜12のアルキル基、または塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲンであってもよい。また、ベシクルの形成を阻害しない限り、レゾルシノール構造の水酸基(OH)の一部が他の官能基(例えば、アルキル基、アシル基、ベンジル基など)によって置換されていてもよい。
【0009】
また、式(A)中、Rは、レゾルシノール構造の間に介在する疎水鎖を表し、両親媒性物質において疎水性を付与するものとして従来より知られている任意の官能基または原子団を含み得る。一般的には、Rは、炭素数11〜19の直鎖状または分子鎖状のアルキル基が好ましく、例えば、ウンデシル基、トリデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ナノデシル基等が例示される。
【0010】
本発明のベシクルを構成するのに用いられる上述の環状4量体化合物は、図2に示すように、既知の合成法に従い、レゾルシノール構造を含有する原料単量体(B)(例えば、レゾルシノールまたはピロガロール)を酸性条件下に、一般式R−CHOで表されるアルデヒド(C)と縮合反応させ環状4量化することによって得られる。反応は、一般に、窒素雰囲気下に60゜〜80℃において8〜12時間行われる。
【0011】
本発明者は、このようにして得られたレゾルシノール構造を含有する環状化合物から、安定性のきわめて優れたベシクルを簡単に調製することのできる方法を見出した。ベシクルを生成するにはこれまでに幾つかの方法が案出されているが、その多くは超音波処理や減圧処理など特別な手段や装置を必要としている。例えば、リン脂質からベシクルを生成するのに一般的に用いられている方法においては、容器の内壁に脂質の薄膜を形成させ、それに緩衝溶液を加えて超音波処理を行う。本発明のベシクルは、このような処理を必要とせず、また、このような手法では調製することはできなかった。
【0012】
すなわち、本発明に従いレゾルシノール構造を含有する環状4量体化合物から構成されるベシクルは、本質的に、該化合物を溶解させた有機溶媒を緩衝水溶液に加えるだけで生成され、また、このような操作によってはじめてベシクルによる懸濁液を得ることが可能となる。本発明の方法において重要なことは、有機溶媒溶液を緩衝水溶液に加える際、緩衝水溶液を有機溶媒の沸点以上(通常は、有機溶媒の沸点+10℃以内)の温度に緩やかに加熱して緩衝水溶液中に溶け込む有機溶媒を蒸発させることであり、これによって、レゾルシノール構造を含有する環状化合物が緩衝水溶液中で凝集することなく、均一な白色懸濁液を得ることができる。
【0013】
このような本発明の方法に従い、レゾルシノール構造を含有する環状化合物からベシクルを製造するのに好適な有機溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールなどであり、一般に、水に溶解する性質を有するような有機溶媒が好ましい。また、緩衝水溶液としては、一般に、HEPES−Tris緩衝溶液、リン酸緩衝液などが用いられる。
【0014】
以上のような本発明の方法によれば、レゾルシノール構造を含有する環状化合物の二分子膜から構成され、およそ50〜200nmの直径を有するベシクルが得られることが、透過型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などを用いる測定により確認されている(後の実施例参照)。図3は、本発明のベシクルを模式的に示したものであり、レゾルシノール構造に含まれるフェノール性水酸基を親水部とし、長鎖アルキル基などを疎水部とする両親媒性化合物がその疎水部を向かい合わせた二分子膜を成してシェル(殻)状に配置されて閉じた球体(6)を形成している様子を示す。そして、このような本発明のベシクルは、広範囲のpH領域(pH4〜pH8)において長期間にわたり安定に存在し(約1ヶ月以上)、しかも常温でも安定である。このような安定性は天然由来のリン脂質(フォスファチジルコリン)によるベシクルには見られない。
【0015】
本発明のベシクルが、中性領域を含む広範囲のpH領域の水溶液中で、しかも常温においてきわめて安定である理由は、未だ完全には分からないが、互いに近接した複数の水酸基(OH)を有するレゾルシノール固有の構造に起因するものと考えられる。一般にフェノール性水酸基が解離して水と相互作用するには強いアルカリ性条件下であることが知られているが、本発明において用いるレゾルシノール構造を含有する環状化合物は、低pH領域の水溶液中においてもベシクルを形成することができ、中性のpH域では特に安定なベシクルを形成する。これは、レゾルシノール構造にある水酸基同志が水素結合する結果、水酸基の一方が酸として解離して陰イオン(O- ) が生成され、これが極性基として水と相互作用するものと解される。この点において、本発明のベシクルはフェノレート陰イオンを極性基とするベシクルの最初の例と考えられる。
【0016】
以上のような性状を有する本発明のベシクルは、各種の用途に適用することが可能である。特に、後述の実施例に示すように、本発明のベシクルは、中性の水溶液中で薬剤を保持する能力を有することが確認されており、細胞モデルとして細胞の機能を調べる研究試薬として有用であるとともに、薬剤輸送システム(ドラッグデリバリーシステム:DDS)としての応用が期待される。このようなシステムにおいては、所望の部位に到達する前に薬剤が作用してしまうことなく、あるいは、一度の大量投与による作用等の問題を引き起こすことなく薬剤を緩やかに放出すること(徐放性)が必要であるが、安定性の優れた本発明のベシクルはこれらの要求を満たす素材として期待される。
【0017】
また、レゾルシノール環状4量体そのものが糖類に対する分子識別能があることや、イオンチャンネルとして機能することはこれまでも研究が進められていたが、本発明のベシクルは、そのような基礎的研究を発展させて、糖センサーやイオンセンサーとしての実用化の途を開いたものである。
【0018】
【実施例】
本発明の特徴をさらに明らかにするため、以下に実施例に沿って本発明を説明するが本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
[実施例1:レゾルシノール構造を含有する環状化合物の合成]
(1)レゾルシノール環状4量体の合成
図1においてRがCH3(CH2)16−であるレゾルシノール環状4量体を次のように合成した。
【0019】
冷却管、攪拌装置を装備した3つ口フラスコに、レゾルシノール(1)25.6g(0.23mol)とオクタデカナール(3)61.75g(0.23mol)、エタノール230mlを加え、溶液が均一になるまで攪拌装置で攪拌した。均一になったら12N塩酸37mlを加え、混合物を窒素気流下70℃で10時間攪拌を続けた。室温に冷却し放置することで生成する沈殿をろ過により回収した。さらにそのろ液に水を加えることで生成する沈殿も回収した。すべての沈殿を一緒にし、完全に中性になるまで水で沈殿を洗浄した。沈殿を乾燥するとほぼ定量的に目的の(4)を得た。
メタノールで2回、ヘキサン−アセトン混合溶媒で1回再結晶することにより精製した。この白色結晶を加熱下、真空乾燥することにより純粋な化合物を得た。精製収量31.9g(収率50%)。以下の分析により、目的とする環状4量体化合物の生成を確認した。
【0020】
同定データ:
融点270−271℃(分解)。
1H−NMR(ppm,CDDl3):0.90(12H,t,メチル基)、1.29−2.21(128H,CH2)、4.28(4H,t,Ar−CH2 −Ar)、6.10、7.20(各4H,s,芳香核)、9.28、9.60(各4H,s,OH)。
マススペクトル:m/e1442(理論値1442)。
(2)ピロガロール環状4量体の合成
試薬としてレゾルシノール(1)の代わりにピロガロール(2)を用いる以外は上記レゾルシノール環状4量体の合成と全く同様の方法により、ピロガロール環状4量体(図1の5)を合成した。
【0021】
同定データ:
融点55.9−56.0℃。
1H−NMR(ppm,CDCl3):0.88(12H,t,メチル基)、1.1−2.4(128H,CH2)、4.36(4H,t,Ar−CH2 −Ar)、7.46(4H,s,芳香核)、6.83、6.87、8.77(各4H,s,OH)。
マススペクトル:m/e1506(理論値1506)。
【0022】
[実施例2:ベシクルの調製]
HEPES−Tris緩衝溶液(5mM,4ml,pH7.01)を温風を供給することにより75℃に緩やかに加熱しながら該緩衝溶液に、実施例1で合成したピロガロール環状4量体(6.7mM)をテトラヒドロフランに溶解させたテトラヒドロフラン溶液(2.0ml)を注射器で添加した。添加後直ちに白色懸濁液が得られ、凝集は見られなかった。
実施例1で合成したレゾルシノール環状4量体からも同様の方法によりベシクルを調製することができた。
【0023】
[実施例3:透過型電子顕微鏡(TEM)によるベシクルの観察]
実施例2で得られた懸濁液をTEM測定用グリッド(カーボン膜被覆銅グリッド)上に一滴置いた。負染色するためにリン酸タングステン溶液(1.5%、pH7)数滴をこの液滴にたらした。負染色した液滴の水分を空気中で乾燥させた。乾燥後サンプルグリッドをTEM本体に挿入し、電子顕微鏡写真を撮影した。対照実験として、(1)染色液だけのサンプル、(2)ベシクルを形成することがよく知られているフォスファチジルコリンを脂質とするベシクルのサンプルを用意し同様に電子顕微鏡写真の撮影を行い比較検討を行った。後者については、本発明のベシクルとは径が異なるが同様の球体が観察された。
図3は、ピロガロール環状4量体から得られた懸濁液のTEM写真(4万倍、加速電圧80KV)である。この図に見られるように、ピロガロール環状4量体およびレゾルシノール環状4量体のいずれについても、直径約50から200nmのベシクル状の球体が観察された。
【0024】
[実施例4:原子間力顕微鏡(AFM)によるベシクルの測定]
実施例2で得られた懸濁液を人造マイカ板(1cm×1cm)上に数滴たらし、デシケータ中で真空ポンプを用い真空乾燥したサンプルを用意した。このマイカ板を平坦なガラス板(2cm×2cm)上にエポキシ樹脂で固定し、原子間力顕微鏡のカンチレバー走査によるサンプルのぐらつきを取り除いた。測定モードはすべてサイクリック・コンタクトモード(タッピングモード)、カンチレバーはバネ定数は20N/mのものを使用し、これらサンプルの原子間力顕微鏡写真を撮影した。この写真より乾燥状態のベシクルの厚さを評定した。対照実験として、(1)人造マイカ板だけのサンプル、(2)ピロガロール環状4量体またはレゾルシノール環状4量体の有機溶媒溶液を人造マイカ板上にたらしたサンプル、(3)ベシクルを形成することがよく知られているフォスファチジルコリンを脂質とするベシクルによるサンプルを用意し同様に原子間力顕微鏡の写真の撮影を行い比較検討を行った。
【0025】
図5は、AFMによる測定の1例としてピロガロール環状4量体による分子集合体のAFM写真を示す。上記のようにAFMで球体の厚みを測定すると、どの球体についてもおよそ10nmの厚みを有することが分かった。これらの結果から、この懸濁液は、ピロガロール環状4量体またはレゾルシノール環状4量体の2分子のみによるベシクル(球状脂質二分子膜)の生成によって生じたものと結論できる。真空乾燥後の10nmの球体の厚みは、二分子膜二枚の厚みに対応することからも球状体は単分子でなく二分子膜により形成されていることを示す。この事実は、ベシクル形成することがよく知られている両親媒性分子であるフォスファチジルコリンに関する測定からも確認することができた。
【0026】
[実施例5:模擬DDS実験]
本発明のベシクルのDDSとしての適用性を評価するため、以下のようなDDSモデル実験を行った。
実施例1で得られたピロガロール環状4量体(6.7mM)のテトラヒドロフラン溶液(0.4ml−2.0ml)をANTS(8−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホン酸ナトリウム)0.034g(20mM)を溶解させたHEPES−Tris緩衝溶液(5mM,4ml,pH7.01)に加え、白色懸濁液を得た。
【0027】
直径1cmのカラムクロマトグラフ用のガラス管に長さ20cmになるように、十分にHEPES−Tris緩衝溶液中で膨潤させたゲル(SephadexG50)を充填した。このゲル充填カラムに白色懸濁液を投入しゲルろ過を行った。ゲルろ過を行うことにより排除体積(分子の大きさ)の違いにより、物質を分離することができる。ここではベシクル(ANTSを内包したと考えられる)と緩衝溶液中に溶解しているANTSをその分子の大きさの違いにより分離した。1区画20滴とし、溶出溶液を20区画に分離した。緩衝溶液中に溶解しているANTSは20区画以降に溶出することを確認した。最初に溶出液の白濁が確認できた区画の蛍光スペクトルを測定した。370nmで励起し300〜700nmの蛍光を観察したところ、515nmにANTS特有の蛍光が観察された。このことは、形成するベシクルが薬剤としての蛍光剤ANTSを安定にベシクル内水層に保持していることを示している。
【0028】
[実施例6:粒径分布測定]
実施例2で得られた懸濁液を実施例5に記載の方法でゲルろ過を行った。最初に溶出液の白濁が確認できた区画のダイナミック・ライト・スキャッタリング(DLS)法による粒径分布の測定を行った。およそ280nmにピークを有する粒径分布が得られた。白濁が確認できた最初の区画を測定したため、比較的粒径の大きな成分が分画されていると考えられる。この結果はTEM、AFMの結果と対応している。
【0029】
[実施例7:ベシクルの安定性実験]
実施例2の方法で調整したベシクルを室温中で30日間放置した。放置後も溶液は均一に白濁しており、この白濁液の原子間力顕微鏡(AFM)、粒径分布を測定したところ放置以前と比べ大きな変化は見られなかった。
さらに上述の実施例2の方法によるベシクル調製をpH5あるいはpH8で行ったところ、白濁液生成に大きな変化は見られなかった。このサンプルのAFMを測定した場合、上述のpH7で調製したベシクルと比較して大きな違い(直径、球体の数)は観察されなかった。
【0030】
なお、上述の各実施例において、試薬、溶媒は特に記述のない限り精製せずに使用した。薄層クロマト用シリカゲルはメルク社製シリカゲル60、カラムクロマト用シリカゲルはメルク社製シリカゲル60(230−400mesh)を用いた。融点は柳本社製MP−S3形融点測定装置で測定した。 1H核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、日本電子社製JNM−270(1H共鳴周波数270MHz)で測定した。マススペクトルはPerSeptive社製 VoyagerRP飛行時間形質量分析装置を用い、マトリックスとしてシナピン酸、アルファ−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(αCHCA)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(2,5−DHB)、9−メチルアクリジンを用い測定した。原子間力顕微鏡はセイコー電子工業社製走査型プローブ顕微鏡SPI3700で測定した。測定モードはすべてサイクリック・コンタクトモード(タッピングモード)で行い、その際カンチレバーはバネ定数は20N/mのものを使用した。透過型電子顕微鏡(TEM)日本電子社製TEM−2000Fで測定した。その際の加速電圧は80KVである。粒径分布はダイナミック・ライト・スキャッタリング(DLS)、大塚電子社製SELS−800Yで測定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベシクルを構成するレゾルシノール環状4量体およびピロガロール環状4量体の構造式とその合成反応スキームを示す。
【図2】本発明のベシクルを構成するレゾルシノール構造を含有する環状化合物の一般的合成スキームを示す。
【図3】本発明のベシクルを模式的に示す図である。
【図4】本発明のベシクルの粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明のベシクルから成る薄膜の原子間力顕微鏡写真である。
Claims (4)
- レゾルシノール構造を含有する分子が疎水鎖を介して環状4量体を成している化合物の二分子膜から構成されていることを特徴とするベシクル。
- レゾルシノール構造を含有する分子がレゾルシノールまたはピロガロールであり、疎水鎖が炭素数11〜19の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基から選ばれることを特徴とする請求項1のベシクル。
- レゾルシノール構造を含有する分子が疎水鎖を介して環状4量体を成している化合物を有機溶媒に溶かした溶液を緩衝水溶液に添加するに当たり、緩衝水溶液を有機溶媒の沸点以上の温度に加熱して該有機溶媒を除去しながら、前記化合物を緩衝水溶液中に分散させることを特徴とするベシクルの製造方法。
- 有機溶媒が、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールなどの水溶性溶媒から選ばれることを特徴とする請求項3のベシクルの製造方法。
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