JP3540765B2 - 密閉形の角形電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、角形外装缶の開口部に封口板をレーザー溶接する密閉形の角形電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ポータブルのOA機器、通信機器の需要が高まるにつれ、その電源となるニッケルカドミウム電池やリチウムイオン二次電池の中でも、特に実装効率の高い角形電池の要求が高まっている。角形電池は、角形外装缶の開口部を封口板で気密に閉塞して製造される。封口板は、レーザー溶接して角形外装缶の開口部に気密に溶接される。封口板をレーザー溶接して角形外装缶に固定する方法は、容積効率を低下させることなく、角形外装缶の開口部を閉塞できる。
【0003】
封口板を角形外装缶にレーザー溶接して角形電池を製造する方法は、封口板と角形外装缶との境界にできる、ピンホールやクラックが、製品の歩留を低下させる。とくに、角形外装缶と封口板に、熱伝導の良いアルミニウムを使用すると、封口板と角形外装缶の溶接部分にできるクラックが、製品の歩留を著しく低下させる。
【0004】
封口板と角形外装缶の境界にできるピンホールやクラックが、製品の歩留を低下するのを防止する技術が、特開平3−122964号公報に記載される。この公報に記載される製造方法は、角形外装缶と封口板とに低炭素鋼板を使用することによって、レーザー溶接するときに発生するピンホールやクラックを防止している。さらに、特開平3−133052号公報にも、封口板と角形外装缶の溶接部分にできるピンホールやクラックを防止する技術が記載される。この公報に記載される製造方法は、封口板と角形外装缶に、シリコンによって脱酸素処理をした冷間圧延鋼板を使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
低炭素鋼板を使用する方法は、カーボンに起因する熱膨張や融点の差を少なくして、封口板と角形外装缶の溶接部分にできるピンホールやクラックの発生を防止している。脱炭素処理した冷間圧延鋼板を使用する方法は、レーザー溶接するときに、酸化鉄が共晶化するのを防止して、ピンホールやクラックの発生を防止している。
【0006】
これ等の公報に記載される製造方法は、ピンホールやクラックに起因する製品歩留の低下を防止できるが、封口板と角形外装缶の材質が特定されてしまう欠点がある。封口板と角形外装缶にアルミニウムやアルミニウム合金を使用して、クラックの発生を阻止することができない欠点がある。アルミニウムとその合金を使用する封口板と角形外装缶は、角形電池を著しく軽量化できる優れた特長があるが、封口板と角形外装缶に発生するクラックを防止することはさらに難しくなる。
【0007】
たとえば、封口板と角形外装缶をアルミニウム製とする角形電池をレーザー溶接して製造すると、製品の歩留は約55%と極めて低く、到底商品化することのできない値になってしまう。
【0008】
封口板と角形外装缶の溶接部分にできるクラックを防止するために、レーザーパルス波形を図1に示すように変更する技術が開発されている。この方法は、図に示すように、レーザーパルスをゆっくりと減衰させて、レーザー照射を瞬時に停止せずに、次第に少なくしてクラックの発生を少なくしようとするものである。ただ、この方法では、有効にクラックの発生を阻止するのが難しい。それは、レーザーを照射する1パルスの時間が、数ミリ秒と極めて短いので、この間にレーザーを次第に減衰させても、減衰させる時間は極めて短いからである。
【0009】
角形外装缶の開口部に封口板をレーザー溶接する工程は、角形電池を製造する最終工程に近い。この工程における歩留の低下は、角形電池の製造コストを著しく高騰させて、角形電池の実用化を著しく阻害する。
【0010】
本発明者は、種々の試行錯誤を繰り返した結果、極めて簡単に、クラックの発生を極めて有効に阻止することに成功した。本発明は、角形外装缶の放熱状態を変更することにより、封口板と角形外装缶の溶接部分にできるクラックを極限して、歩留を向上させることを目的に開発されたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の密閉形の角形電池は、前述の目的を達成するために下記のようにして製造される。角形外装缶1の開口部の内側に封口板2をセットし、封口板2と角形外装缶1の境界部分を熱エネルギーで溶融して溶接する。
【0012】
さらに、本発明の密閉形の角形電池は、角形外装缶1と封口板2にアルミニウム又はアルミニウム合金を使用することを特徴とする。
【0013】
さらに、角形外装缶1のコーナ部は直線部分より厚く、冷却工程における熱伝導を制御するために、角形外装缶1の開口端面に放熱除去部3を設けている。
【0014】
本発明の密閉形の角形電池は、封口板2と角形外装缶1の境界に沿ってレーザーを照射して、レーザーの熱エネルギーでもって封口板2と角形外装缶1の境界を溶融して溶接することができる。
【0015】
本発明の密閉形の角形電池は、角形外装缶1の開口端面の幅が、直線部分の開口端面の幅と同じ又はほぼ同じとなるように、コーナ部に放熱除去部3を設けている。
【0016】
本発明の密閉形の角形電池は、角形外装缶1のコーナ部の開口端面を面取りして、角形外装缶の開口端面に放熱除去部3を設けることができる。
【0017】
本発明の密閉形の角形電池は、角形外装缶1のコーナ部の開口端面に沿って、段差4を設けて、角形外装缶の開口端面に放熱除去部3を設けることができる。
【0018】
密閉形の角形電池は、角形外装缶1に非真円形状の渦巻電極体を収納している。さらに、密閉形の角形電池は、外装缶の各コーナ部分の厚みを、外装缶の直線部分の厚みより大きくしている。内部に非真円形渦巻電極体を収納する角形外装缶1は、外装缶のコーナ部分の内側部分に空隙ができる。電極体が渦巻状で、外装缶が角形であるからである。本発明の密閉形の角形電池は、この空隙を有効に利用して、角形外装缶1を補強する。
【0019】
【作用】
本発明は、従来では想像もできないほど極めて高い歩留で角形電池を製造できる特徴がある。本発明が優れた作用効果を有することを説明するために、最初に、図2に基づいて、従来の方法でクラックの発生する原理を説明する。
【0020】
図2に示すように、角形外装缶1の内側に封口板2をセットして、その境界にレーザーを照射すると、鎖線で示す領域でアルミニウム等の金属が約1000℃に加熱されて溶融して溶着される。鎖線で示す溶融部分の深さは、角形外装缶1と封口板2とにアルミニウムを使用すると、約0.2〜0.3mmとなる。加熱溶融された金属は、熱が矢印で示す方向に伝導して冷却して硬化される。矢印の方向に伝導される熱は、角形外装缶1と封口板2の表面から放熱される。角形外装缶1のコーナではより効率よく放熱されて温度が低くなる。熱は温度の低い部分に効率よく伝導されるので、溶融部分の熱は、矢印Aで示す方向により効率よく伝達される。このため、溶融部分は外側から冷却されて、a、b、c領域の順番で硬化する。すなわち、溶融部分は矢印Bで示すように、外側から内側に硬化領域が広がる。金属は冷却して硬化すると体積が収縮する性質がある。溶融部分の外側部分が硬化するときに体積が収縮するので、溶融状態にある内側部分の金属が外側に移動する。その後、溶融部分の内側は、硬化するときに体積が収縮し、さらに、金属の一部が外側に移動しているので引っ張られる内部応力が作用し、引張強度の弱い境界にクラックが発生する。角形外装缶1と封口板2のクラックの発生は、角形外装缶1のコーナ部分でとくに甚だしい。図3に示すように、角形外装缶のコーナ部分は、角形外装缶の表面からより効率よく放熱されるからである。
【0021】
本発明の密閉形の角形電池は、図4に示すように、角形外装缶1の開口端面に放熱除去部3を設けているので、溶融部分の熱は矢印Cで示すように、放熱方向が下方に向けられる。角形外装缶1の熱伝導率が、空気の熱伝導率よりも相当に大きいからである。矢印Cで示すように下方に伝導する熱は、矢印D、Eで示す方向の熱伝導を減少させる。クロスハッチングで示す領域F部分の温度が高くなるからである。したがって、図4に示す角形外装缶1と封口板2とは、溶融部分の外周から冷却硬化される割合が少なくなり、溶融部分がゆっくりと冷却されて、角形外装缶1と封口板2の境界にできるクラックを極限する。
【0022】
本発明者が実際に行った実験では、本発明の効果は、想像の範囲を卓越する極めて優れたものである。とくに、角形外装缶と封口板とに、クラックの発生しやすいアルミニウムを使用してその弊害を極限できる。従来の方法は、角形外装缶と封口板にアルミニウムを使用して226個の角形電池を製造すると、101個の角形電池のコーナ部分にクラックができ、2個の角形電池の直線部分にクラックが発生した。これに対し、本発明は、250個の角形電池を製造して、コーナ部分と直線部分にできるクラックを極限できた。
【0023】
本発明が、熱伝導方法を、図2の矢印Aで示す方法から、図4の矢印Cで示す方法に変更することで、このように極めて優れた特長が実現されるのは、図2に示すように放熱する方向が限界に近い状態でクラックが発生していたからと推測される。
【0024】
さらに、図5は、レーザーの走査位置の中心(一点鎖線で示す)を、封口板2と角形外装缶1の境界から外側に偏在させている。この部分をレーザーで加熱すると、鎖線で示すように、角形外装缶1と封口板2の境界から角形外装缶側にずれた領域で金属が溶融される。この状態で溶融している金属は、周囲に放熱して周囲から硬化するが、最後に硬化する部分が、角形外装缶1と封口板2の境界とならない。最後に硬化する部分はクロスハッチングで示す領域Gの部分である。この領域が硬化するより前に、角形外装缶1と封口板2の境界が硬化しているので、境界に発生するクラックを防止できる。もし境界が最後に硬化すると、硬化部分の強度が弱く、しかも、この部分で金属収縮による引張力が発生してクラックが発生する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体例を例示するものであって、本発明は下記のものに特定しない。
【0026】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0027】
図6は、本発明の角形電池の斜視図である。この図の角形電池は、角形外装缶1の開口部を封口板2で閉塞している。角形外装缶1はアルミニウム製である。アルミニウム製の角形外装缶1は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を成形して製作したものである。アルミニウム製の角形外装缶1と封口板2とは、レーザー溶接して溶着するときに最もクラックの発生しやすい材質である。以下、レーザー溶接に起因するクラックの発生を効果的に阻止できることを明かにするために、アルミニウム製の角形外装缶と封口板の具体例を述べる。
【0028】
アルミニウム製の角形外装缶は、補強のために、図7の平面図に示すように、コーナ部を所定の曲率半径で湾曲させると共に、コーナ部を厚く成形している。コーナ部を湾曲する角形外装缶は、例えば以下の寸法に設計する。
▲1▼ 角形外装缶を横に切断した断面の縦×横を22mm×7.6mm
▲2▼ コーナ部を除く部分の肉厚を0.5mm
▲3▼ コーナ部外側の曲率半径を1.7mm
▲4▼ コーナ部の内側の曲率半径2.3〜3mm
▲5▼ コーナ部の最大肉厚を0.96〜1.25mm
【0029】
コーナ部を所定の曲率半径で湾曲する角形外装缶は、非真円形渦巻電極体を内蔵させる。非真円形渦巻電極体は、正極板と負極板とをセパレータを介して積層して非真円形の渦巻状に巻回したものである。非真円形渦巻電極体は、角形外装缶に収納されて、最外周の電極を角形外装缶の内面に電気的に接触させる。すなわち、非真円形渦巻電極体を最外周接触構造として角形外装缶に収納している。非真円形渦巻電極体の最外周は通常は正極である。したがって、角形外装缶は正極となる。非真円形渦巻電極体の負極板は、電極リードを介して、外装缶に絶縁して固定された負極に接続される。負極は封口板に固定される。封口板の負極には安全弁を設けることもできる。
【0030】
角形外装缶1は、開口部の内側に封口板2をセットし、封口板2と角形外装缶1との境界をレーザー溶接して、開口部を封口板2で閉塞する。レーザー溶接して、封口板2を角形外装缶1に溶着するとき、溶接面に発生するクラックを防止するために、角形外装缶1は、レーザー溶接前に、図7と図4に示すように、コーナ部の開口端面を面取りして、放熱除去部3を設けている。放熱除去部3は、角形外装缶1の開口端面の外周コーナ部の一部を除去した部分である。放熱除去部3の上面が、封口板2の上面となす傾斜角αは40度に設定した。傾斜角αを小さくすると、放熱除去部が小さくなって、クラックを有効に阻止できなくなる。したがって、傾斜角αは、好ましくは20度以上、さらに好ましくは30度以上に設定される。図7に示す角形外装缶1は、コーナ部の開口端面の幅を、他の部分とほぼ同じとするように、コーナ部の外周を面取りして放熱除去部3を設けている。
【0031】
角形外装缶のコーナ部は、レーザー溶接するときに最もクラックが発生しやすい。図に示す角形電池は、角形外装缶1のコーナ部に放熱除去部3を設けて、クラックの発生を阻止する。角形外装缶1の直線部分にもクラックの発生することがある。図示しないが、角形外装缶の直線部分に放熱除去部を設けるなら、この部分においても、クラックの発生を極限できる。
【0032】
図8と図9に示す角形外装缶1は、開口端面のコーナ部の内側に沿って、封口板の外周をセットする段差4を設け、段差4でもって角形外装缶1の開口端面に放熱除去部3を設けている。この図の角形外装缶1も、コーナ部の内側に放熱除去部3を設けて、コーナ部の開口端面の幅を他の部分と同じにしている。この構造の角形外装缶1は、段差4である放熱除去部3によって、封口板2を角形外装缶1の定位置に嵌着できる特長もある。
【0033】
封口板2をセットした角形外装缶1は、図4と図9に示すように、封口板2と角形外装缶1の境界にレーザービームを照射する。レーザービームは、封口板2と角形外装缶1の境界を溶融して溶着する。レーザービームの出力は、封口板2と角形外装缶1の境界を、約0.2mmの深さに溶融できるように設定される。レーザービームを封口板2の外周に沿って走査し、封口板2の全周を角形外装缶1に気密に溶着する。レーザービームの周囲には、不活性ガスとして窒素ガスを噴射して、アルミニウムの酸化を防止する。
【0034】
レーザー溶接の条件は下記のように設定する。
▲1▼ パルス幅………………………1〜4ms
▲2▼ 電圧……………………………400〜500V
▲3▼ 重なり(REP RATE)…………32PPS
▲4▼ スピード………………………5〜12mm/s
▲5▼ 不活性ガス(N)噴射圧……0.5kg/cm
▲6▼ レーザービーム集束径………0.5〜0.7mm
【0035】
【表1】
Figure 0003540765
【0036】
以上のようにして製造された角形電池は、封口板と角形外装缶との間にできるクラックの発生率が極限した。表1は本発明の角形電池と、従来の方法で製造した角形電池のクラック発生率を示している。ただし、この表において、従来品は、図2の断面図に示すように、角形外装缶1の開口端面に放熱除去部3を設けない以外、同じようにして製作された角形電池である。
【0037】
この表に示すように、従来の方法で製造された角形電池は、226個製作して、101個、割合にして44.7%のものがコーナ部にクラックが発生した。ストレート部には2個の角形電池にクラックが発生した。これに対し、図4に示すように、コーナ部を面取りして放熱除去部を設けた本発明の角形電池は、250個製作して、コーナ部のクラックは0となり、1個の角形電池にストレート部にクラックが発生した。この構造の角形電池は、極めてクラックの発生しやすいコーナ部において、クラックの発生が極限された。さらに、図9に示すように、角形外装缶のコーナ部内側に段差部を形成して放熱除去部を設けた角形電池は、250個製作して、コーナ部にクラックのできたものが1個、ストレート部にクラックの発生したものが2個となり、この構造の角形電池も、コーナ部のクラックを極限できる。
【0038】
本発明の角形電池は、図5に示すように、レーザービームの走査位置の中心を、封口板2と角形外装缶1の境界から外側に偏在させて、封口板2を角形外装缶1にレーザー溶接することもできる。レーザービームの中心と封口板2と角形外装缶1の境界との変位(d)を、0.2mmとし、角形外装缶1に、放熱除去部のないものを使用する以外、前述と同じようにして、角形電池を製作した。この方法で500個の角形電池を製作したところ、コーナ部にクラックの発生したものが7個、ストレート部にクラックの発生したものが0個となった。以上の実施例は、レーザービーム中心の変位を0.2mmに設定している。レーザービームの走査位置を、角形外装缶のより外側に変位させると、クラックの発生をより効果的に阻止できる効果がある。しかしながら、変位が大きくなると、レーザービームが金属を溶融する位置が、封口板と角形外装缶の境界から外側にずれるので、封口板と角形外装缶の溶融深さが浅くなって、連結強度が低下する。したがって、レーザービーム走査位置の境界からの変位(d)は、レーザービームの出力と、集束するスポット径とを考慮して、封口板を角形外装缶に十分な強度で連結でき、かつ、クラックの発生を有効に阻止できるように、たとえば、0.1〜0.3mmに設定される。
【0039】
さらに、図4と図5とに示すように、放熱除去部3のある角形外装缶1を使用し、レーザービームの走査位置の中心を、封口板2と角形外装缶1の境界から0.2mm外側に設定して、250個の角形電池を製作したところ、コーナ部にクラックのできたものは0個、ストレート部にクラックのできたものも0個となった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、封口板と角形外装缶との境界にできるピンホールやクラックを有効に阻止できる特長がある。それは、本発明が、角形外装缶の開口端面に放熱除去部を設けることによって溶融金属が冷却して硬化するときの放熱経路を調整するとにより、封口板と角形外装缶の境界における冷却時の引張応力を小さくできるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】封口板と角形外装缶の境界にできるクラックを少なくするレーザーパルス波形を示すグラフ
【図2】封口板を角形外装缶にレーザー溶接する従来方法を示す断面図
【図3】封口板と角形外装缶との境界にできるクラックを示す平面図
【図4】本発明の角形電池に使用する角形外装缶の要部拡大断面図
【図5】本発明の他の実施例で、封口板と角形外装缶とをレーザー溶接する状態を示す断面図
【図6】本発明の角形電池の斜視図
【図7】本発明の角形電池のコーナ部を示す平面図
【図8】本発明の他の実施例にかかる角形電池のコーナ部を示す平面図
【図9】図8に示す角形電池のコーナ部の断面図
【符号の説明】
1…角形外装缶
2…封口板
3…放熱除去部
4…段差

Claims (5)

  1. 角形外装缶(1)の開口部の内側に封口板(2)をセットしており、封口板(2)と角形外装缶(1)の境界部分を熱エネルギーでもって溶融して溶接してなる密閉形の角形電池において、
    前記角形外装缶(1)と前記封口板(2)は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、かつ、角形外装缶(1)のコーナ部は直線部分より厚いと共に、角形外装缶(1)のコーナ部の開口端面に放熱除去部(3)を備えたこと特徴とする密閉形の角形電池。
  2. 角形外装缶(1)の開口部の内側に封口板(2)をセットしており、封口板(2)と角形外装缶(1)の境界に沿ってレーザーを照射して、レーザーの熱エネルギーでもって封口板(2)と角形外装缶(1)の境界を溶融して溶接してなる密閉形の角形電池において、
    前記角形外装缶(1)と前記封口板(2)は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、かつ、角形外装缶(1)のコーナ部は直線部分より厚いと共に、角形外装缶(1)のコーナ部の開口端面に放熱除去部(3)を備えたこと特徴とする密閉形の角形電池。
  3. 角形外装缶(1)のコーナ部の開口端面の幅が、直線部分の開口端面の幅と同じ又はほぼ同じとなるように、コーナ部に放熱除去部(3)を設ける請求項1又は2に記載される密閉形の角形電池。
  4. 角形外装缶(1)のコーナ部の開口端面の面取りによって、角形外装缶(1)の開口端面に放熱除去部(3)を構成する請求項1又は2に記載の密閉形の角形電池。
  5. 角形外装缶(1)のコーナ部の開口端面に沿った段差(4)によって角形外装缶(1)の開口端面に放熱除去部(3)を構成する請求項1又は2に記載の密閉形の角形電池。
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