JP3540617B2 - 鍛造用金型の制御方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャビティに鍛造用素材が配設され、ポンチの加圧作用下に鍛造成形することが可能な鍛造用金型の制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、互いに接合された上部ダイスおよび下部ダイスに形成されるキャビティに鍛造用素材を挿入し、ポンチを介して前記鍛造用素材に加圧力を付与することにより該鍛造用素材を所定形状に鍛造成形する鍛造用金型が知られている。
【0003】
ところで、本出願人は、ポンチが下型に当接して下死点に到達するまでの剰余の変位量を吸収する緩衝機構が設けられた鍛造用金型装置を提案している(特願平9−335923号)。
【0004】
この緩衝機構は、圧油が充填された圧力室に沿って変位自在に設けられたピストンを有し、前記ピストンの変位作用下に、ポンチの剰余の変位量を前記圧力室内に充填された圧油によって好適に吸収する機能を営む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記提案に関連してなされたものであり、サージ圧を発生させることなく、高圧力が付与され且つ高い吐出速度を有する圧力流体によって成形荷重を吸収する緩衝機能を好適に営むことが可能な鍛造用金型の制御方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、第1型部材と第2型部材とを相対的に変位させ、キャビティに装填された鍛造用素材に対して加圧力を付与することにより、前記鍛造用素材を鍛造成形する鍛造用金型の制御方法であって、
前記第1型部材と前記第2型部材とが相対的に変位して下死点に到達する前に前記第1型部材と前記第2型部材とが当接する工程と、
前記第1型部材と前記第2型部材とが当接してから下死点に到達するに至るまでの剰余の変位量を吸収する工程と、
を有し、
前記剰余の変位量は、圧力室内に充填された圧油に成形荷重が付与され前記圧油の圧力がリリーフ設定圧力に到達した直後、前記圧力室内に充填された圧油が高圧用アキュムレータからなる第1アキュムレータの駆動作用下にリリーフ弁のリリーフ室に供給された圧油を吸収して該リリーフ弁を開弁状態とし、且つ、低圧用アキュムレータからなり前記第1アキュムレータと比較して容量の大なる第2アキュムレータ内に吸収され、前記圧油が前記圧力室から外部に強制的に排出されることにより、吸収されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、圧力室内に充填された圧油に成形荷重が付与され前記圧油の圧力がリリーフ設定圧力に到達した際、高圧用アキュムレータからなる第1アキュムレータの駆動作用下にリリーフ弁のリリーフ室に供給された圧油を吸収して該リリーフ弁を開弁状態とし、且つ、低圧用アキュムレータからなり前記第1アキュムレータと比較して容量の大なる第2アキュムレータ内に吸収されて、前記圧油が前記圧力室から外部に強制的に排出されるため、サージ圧を発生させることがなく、剰余の変位量が好適に吸収される。
【0010】
さらに、本発明は、第1型部材と第2型部材とを相対的に変位させ、キャビティに装填された鍛造用素材に対して加圧力を付与することにより、前記鍛造用素材を鍛造成形する鍛造用金型の制御装置であって、
前記第1型部材と前記第2型部材とが相対的に変位し、圧力室に充填された圧油の作用によって、前記第1型部材と前記第2型部材とが当接してから下死点に到達するに至るまでの剰余の変位量を吸収する緩衝機構と、
前記圧力室内に充填された圧油に成形荷重が付与され前記圧油の圧力がリリーフ設定圧力に到達した際、前記圧油を前記圧力室から外部に強制的に導出させる導出手段と、
を備え
前記導出手段は、
通路を介して圧力室に連通するリリーフ弁と、
前記リリーフ弁のリリーフ室に供給された圧油を吸入して該リリーフ弁を閉弁状態から開弁状態に切り換える高圧用アキュムレータからなる第1アキュムレータと、
閉弁状態となった前記リリーフ弁を介して圧力室内に充填された圧油を吸入し、低圧用アキュムレータからなり前記第1アキュムレータと比較して容量の大なる第2アキュムレータと、
を有することを特徴とする。
【0012】
記リリーフ弁のリリーフ室に供給される圧油の圧力は、圧力制御弁によって制御される。
【0013】
本発明によれば、圧力室内に充填された圧油に成形荷重が付与され前記圧油の圧力がリリーフ設定圧力に到達した際、リリーフ弁を閉弁状態から開弁状態に切り換える高圧用アキュムレータからなる第1アキュムレータと、閉弁状態となった前記リリーフ弁を介して圧力室内に充填された圧油を吸入し、低圧用アキュムレータからなり前記第1アキュムレータと比較して容量の大なる第2アキュムレータとをそれぞれ駆動させ、前記圧油を前記圧力室から外部に強制的に導出させることにより、圧油の流出抵抗を減少させてサージ圧の発生を防止し、緩衝機構によって剰余の変位量が好適に吸収される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る鍛造用金型の制御方法について、これを実施する制御装置との関連で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0015】
本実施の形態に係る油圧制御装置10が組み込まれた鍛造用金型11を図1に示す。
【0016】
この鍛造用金型11は、四隅角部に近接して複数のガイド手段12a〜12dが立設された第1ダイホルダ14と、前記第1ダイホルダ14の中心部に積層して設けられた第2ダイホルダ16および第3ダイホルダ18とを有する。
【0017】
前記第2ダイホルダ16上には、一体的に形成された厚肉の圧入リング20が締結手段22を介して固定され、前記圧入リング20の孔部内には、薄肉に形成されたスリーブ24を介して上部ダイス26および下部ダイス28が一体的に接合される。
【0018】
前記圧入リング20の上部側に形成された環状の凹部30には、孔部32が形成された第1リング体34と、前記第1リング体34に外嵌される第2リング体36と、前記第1リング体34および第2リング体36を保持する締結リング38とが設けられる。前記第1リング体34および第2リング体36は、圧入リング20の上部側に形成され、後述するキャビティ46と同心加工された孔部37内に同心度よく圧入される。この場合、第1リング体34および第2リング体36をそれぞれ別体で構成せずに、リング体として一体的に形成してもよい。
【0019】
前記上部ダイス26およびスリーブ24の上面部には、後述するポンチ40と一体的に変位する第2プレート42と当接することにより、該ポンチ40の変位量を規制する第1プレート44が設けられる。なお、前記第1プレート44を含む上部ダイス26および下部ダイス28等は、第1型部材として機能するものである。
【0020】
第1リング体34は、例えば、超硬材料によって形成され、焼ばめ処理が施された第2リング体36によって中心に向かって強く締め付けられた状態にある。また、前記第1リング体34および前記第2リング体36は、キャビティ46と同心加工された孔部37に圧入され、しかも、圧入リング20のねじ孔に螺入される締結リング38のテーパ部によって緊締されることにより、キャビティ46と同心度よく圧入リング20の凹部30に一体的に接合されている。
【0021】
この場合、上部ダイス26および下部ダイス28によってキャビティ46が形成され、前記キャビティ46の下部側には、鍛造品を押し出すためのノックアウトピン48が第2ダイホルダ16および第3ダイホルダ18に形成された孔部50に沿って進退自在に配設される。このキャビティ46には、鍛造用素材として図7に示されるような第2次成形品52が装填される。
【0022】
圧入リング20から所定距離離間する上方には、図示しない機械プレスのラムに連結され、前記機械プレスの駆動作用下にラムと一体的に上下方向に沿って変位する昇降部54が設けられる。
【0023】
この昇降部54は、ポンチ40が鍛造用素材に当接して鍛造成形が開始され、下死点に到達する前に上下型が当接することにより鍛造用素材に対する鍛造成形を終了し、その後、下死点に到達するに至るまでの剰余の変位量を吸収するための緩衝機構56を有する。
【0024】
この緩衝機構56は、内部に圧力室58が形成され、前記圧力室58に沿って上下方向に変位自在に設けられたピストン60を有する有底円筒状のブロック体62と、前記ブロック体62と液密に連結され、前記圧力室58に連通する通路64が形成された一組の連結ブロック66a、66bとを含む。前記ブロック体62の底面部には、前記ピストン60の下降を阻止するためのリング状のストッパ68が固定されている。
【0025】
前記ピストン60の外周部には、環状溝を介してリング状の高圧用パッキン72、低圧用パッキン74およびウエアプレート76がそれぞれ装着されている。また、前記ピストン60の底面部にはポンチプレート78が固定され、前記ポンチプレート78には、外周面の一部を囲繞するホルダ80を介してポンチ40が固定される。また、前記ホルダ80の外周部には円筒状の金属製材料で形成されたガイドスリーブ82が外嵌され、該ホルダ80の底面部には第2プレート42が固設される。
【0026】
なお、ガイドスリーブ82は、例えば、SKD11、FC25またはFC30等の金属製材料によって形成され、また、第1リング体34は、ガイドスリーブ82よりも硬質な材料によって形成されると好適である。
【0027】
前記ポンチ40を含むホルダ80、ガイドスリーブ82および第2プレート42等は、第2型部材として機能するものである。また、ポンチ40は、第1ダイホルダ14に立設された複数のガイド手段12a〜12dの案内作用下に昇降部54と一体的に上下方向に沿って変位自在に設けられる。
【0028】
一方の連結ブロック66aには、図1に示されるように、シール部材100を介して本実施の形態に係る油圧制御装置10が固定され、前記油圧制御装置10には、チューブ等の管路を介して油圧源102が接続されている。
【0029】
図3に示されるように、この油圧制御装置10はリリーフ弁104を含み、前記リリーフ弁104は、通路64を介してピストン60が収納された圧力室58に連通するインレットポート106と、排出用通路108を介して油圧源102のタンク110に連通するアウトレットポート112、リリーフ圧供給用通路114を介して図示しないリリーフ室にリリーフ圧を供給するリリーフポート116とを有する。なお、前記通路64の途中には、チェック弁117を介して油圧源102のタンク110に貯留された圧油を圧力室58に供給する供給用通路118が接続されている。
【0030】
リリーフ弁104は、圧力室58に充填された圧油の油圧がリリーフ室に充填された圧油の油圧を越えて図示しない弁体が変位することにより、インレットポート106とアウトレットポート112とが連通する開弁状態となり、一方、圧力室58に充填された圧油の油圧がリリーフ室に充填された圧油の油圧以下では、インレットポート106とアウトレットポート112の連通が遮断された閉弁状態となるように構成されている。
【0031】
前記リリーフ圧供給用通路114から分岐する通路120には、チェック弁122を介して高圧用アキュムレータ(第1アキュムレータ)124が接続され、また前記排出用通路108から分岐する通路126には、低圧用アキュムレータ(第2アキュムレータ)128が接続される。なお、前記低圧用アキュムレータ128は大容量のピストンタイプを、前記高圧用アキュムレータ124は風船タイプを用いると好適である。また、前記リリーフ弁104、高圧用アキュムレータ124および低圧用アキュムレータ128は、導出手段として機能する。
【0032】
油圧源102は、圧油が貯留されたタンク110と、電動機130の駆動作用下に供給用通路118を介して圧油を送給する第1油圧ポンプ132と、前記電動機130の駆動作用下にリリーフ圧供給用通路114を介してリリーフ弁104のリリーフ室に圧油を送給する第2油圧ポンプ134とを有する。
【0033】
なお、第2油圧ポンプ134とリリーフ弁104との間には、図示しないコントローラから導入されるリリーフ圧制御信号に基づいて前記リリーフ弁104のリリーフ圧を制御する圧力制御弁136が介装される。
【0034】
本発明の実施の形態に係る油圧制御装置10が組み込まれた鍛造用金型11は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、鍛造品として等速ジョイントを構成するアウタカップを鍛造成形する場合を例にして以下説明する。
【0035】
図4に示されるような円柱状のビレット84に対し図示しない金型装置によって第1次鍛造成形を施すことにより、図5に示されるように中間部の段部を介して直径がそれぞれ異なる第1次成形品86が得られる。続いて、前記第1次成形品86に対して予備成形を施した後(図6参照)、さらに、図示しない他の金型装置によって第2次鍛造成形を行うことにより、図7に示されるようなカップ部88と軸部90とからなる第2次成形品52が得られる。この鍛造用金型11は、この第2次成形品52を鍛造用素材としてさらに第3次鍛造成形を施すものである。
【0036】
まず、準備作業として、第1リング体34の孔部32内にガイドスリーブ82を挿入した状態において、上部ダイス26、下部ダイス28、スリーブ24および圧入リング20等を一体的に組み付けることにより、上部ダイス26および下部ダイス28に形成されるキャビティ46に対してポンチ40が位置決めされる。
【0037】
なお、圧力室58には、第1油圧ポンプ132の駆動作用下に供給用通路118および通路64を介して所定の油圧からなる圧油を充填しておく。また、リリーフ弁104の図示しないリリーフ室には、第2油圧ポンプ134の駆動作用下にリリーフ圧供給用通路114を介して圧油を供給し、所定のリリーフ圧力に設定しておく。前記リリーフ設定圧力は、図示しないコントローラから導入されるリリーフ圧制御信号に基づいて圧力制御弁136によって制御される。
【0038】
さらに、過荷重発生時に図示しない保護回路(オーバーロード機構)が作動すると、通常の運転状態に復帰するために長時間を要し、連続して鍛造成形ができないため、ピストン60の油圧支持荷重は、鍛造用素材に対する成形荷重以上でオーバーロード作動荷重以下となるように設定され、鍛造用素材に対する成形荷重は、圧力室58に充填された圧油によって支持される。
【0039】
次に、ポンチ40が図示しない上昇位置に配置された状態において、キャビティ46に鍛造用素材である第2次成形品52を装填する。そして、図示しない機械プレスの駆動作用下にラムに連結された昇降部54と一体的にポンチ40が下降し、図1に示す状態となることにより鍛造成形が開始される。
【0040】
なお、ポンチ40が昇降部54と一体的に下降する際、前記昇降部54と第1ダイホルダ14との間に設けられた複数のガイド手段12a〜12dによって横方向の偏荷重が好適に吸収され、ガイドスリーブ82を介してポンチ40をキャビティ46と同軸に配設された第1および第2リング体34、36の孔部32の中心に円滑に圧入することができる。
【0041】
鍛造成形を開始する際、ポンチ40の外周面の一部に外嵌されたガイドスリーブ82は、第1リング体34の孔部32の上端部に形成された図示しない環状の溝部の案内作用下に進入し、さらに、ポンチ40が下降することにより、ポンチ40、ホルダ80およびガイドスリーブ82は、第1リング体34の孔部32内に圧入された状態で一体的に変位する。
【0042】
ここで、ポンチ40の変位量と圧力室58に充填された圧油との関係を図8に示す。図8において、実線で示される曲線Aは、図示しない機械プレスの駆動作用下にラムと一体的に変位するポンチ40の変位量、二点鎖線で示される曲線Bは、圧力室58に充填された圧油の圧力値(油圧)、一点鎖線で示される曲線Cは、変位側に設けられた第2プレート42と固定側に設けられた第1プレート44との離間距離D(図1参照)をそれぞれ示している。
【0043】
図示しない機械プレスのラムが所定の上昇位置から下方側に向かって変位し、前記ラムと一体的にポンチ40および第2プレート42等が一体的に下降することにより、固定側の第1プレート44と変位側の第2プレート42との離間距離Dが徐々に小さくなる。なお、ピストン60は、ストッパ68に保持されて下方側に対する変位が阻止された状態にあり、また、圧力室58に充填された圧油の油圧は、成形開始後、ポンチ40に付与される成形荷重の増加に伴って徐々に上昇する。
【0044】
図1に示す状態からポンチ40がさらに下降して下死点に到達する直前、第2プレート42が第1プレート44と当接し、すなわち、第1プレート44と第2プレート42との離間距離Dが0となることにより、ポンチ40の下方側に対する変位が規制され、鍛造用素材に対する厚みが正確に規制されて鍛造成形が終了する。
【0045】
さらに、ポンチ40が微小距離だけ下降して圧力室58内の油圧がリリーフ設定圧力に到達することによりリリーフ弁104が開弁状態となり、圧力室58内の圧油が外部に吐出されてピストン60のストローク作用下に図2に示す状態に至る。
【0046】
ところで、圧力室58内の圧油がリリーフする際、圧油の流出抵抗が高くなるとリリーフ設定圧力以上に瞬間的に油圧が上昇する、いわゆるサージ圧(図8中、破線参照)が発生するおそれがあり、前記サージ圧の発生を防止するためには、圧力室58内の油圧がリリーフ設定圧力に到達した直後に素早くリリーフ弁104の弁体を開き、吐出する圧油を迅速に外部に排出する必要がある。
【0047】
そこで、本実施の形態では、圧力室58内の油圧がリリーフ設定圧力に到達した直後、高圧用アキュムレータ124の駆動作用下に、リリーフ弁104のリリーフ室に供給された圧油を前記高圧用アキュムレータ124内に吸入する。従って、リリーフ設定圧力が急激に減少するため、弁体が閉弁状態から開弁状態へと瞬時に切り換えられる。
【0048】
また、リリーフ弁104が開弁状態となりインレットポート106とアウトレットポート112とが連通することにより通路64と排出用通路108とが連通し、圧力室58内に充填された大容量の圧油が相互に連通する通路64および排出用通路108を介して油圧源102のタンク110側に高い吐出速度で排出される。その際、低圧用アキュムレータ128の駆動作用下に、圧力室58内に充填された大容量の圧油を前記低圧用アキュムレータ128内に吸入する。従って、圧力室58内に充填された大容量からなる圧油が排出用通路108に沿って流出する際の流路抵抗を減少させ、サージ圧の発生を防止することができる。
【0049】
なお、リリーフ弁104を通過した圧油は、高速で吐出されるが略常圧となっているため、高圧用のアキュムレータではなく大容量の低圧用のアキュムレータでよい。また、高圧用アキュムレータ124に一時的に貯留された圧油は、リリーフ圧供給用通路114を介してリリーフ室に供給されるとともに、低圧用アキュムレータ128に一時的に貯留された圧油は、供給用通路118に連通する図示しない通路を介して圧力室58内に供給される。
【0050】
このように、本実施の形態では、高圧用アキュムレータ124の駆動作用下にリリーフ弁104の閉弁状態と開弁状態とを瞬時に切り換えるとともに、低圧用アキュムレータ128の駆動作用下に圧力室58に充填された大容量の圧油を一時的に貯留することにより、高圧力が付与され且つ高い吐出速度を有する圧油が、サージ圧を発生させることなくタンク110内に排出される。この結果、鍛造用素材に対して鍛造成形する際の成形荷重を圧力室58内に充填された圧油によって好適に支持し、緩衝作用を円滑に営むことができる。
【0051】
また、本実施の形態では、通常、鍛造用素材の厚さ寸法の変動原因となる図示しない機械プレスのフレーム、連結棒等の延びによる変動分が、ピストン60のストローク量の変化として吸収され、しかも、素材厚さ寸法は上下型の当接で規定されるため、前記フレーム、連結棒等の延びによる影響を受けることがない。
【0052】
このように、鍛造製品92として得られるアウタカップのカップ部94の底厚T(図9参照)の寸法は、ポンチ40側に設けられた第2プレート42と圧入リング20側に設けられた第1プレート44とが当接することにより決定される。従って、鍛造製品92として得られるアウタカップのカップ部94の底厚Tの寸法にばらつきが発生することがなく、カップ部94の底厚Tの寸法精度が高精度に保持される。
【0053】
このようにしてポンチ40が下降し、図1に示される成形開始位置から図2に示される成形終了位置に到達することにより、このポンチ40と下部ダイス28および上部ダイス26を介して鍛造用素材に対して鍛造成形が施され、前記鍛造用素材がキャビティ46の形状に沿って塑性流動する。
【0054】
鍛造成形が終了した後、機械プレスの駆動作用下にラムに連結された昇降部54と一体的にポンチ40が所定位置まで上昇することにより、該ポンチ40、ホルダ80およびガイドスリーブ82が第1リング体34の孔部32から離間し、次なる工程の待機状態となる。そして、ノックアウトピン48の変位作用下に鍛造製品92(図9参照)が取り出される。
【0055】
なお、本実施の形態では、等速ジョイントを構成するアウタカップを鍛造用素材として用いているがこれに限定されるものではなく、例えば、図示しない段付き部品、段付き歯車等のように部品の厚さ方向の寸法精度が必要とされる種々の鍛造製品に適用することができることは、勿論である。
【0056】
加えて、本実施の形態では、緩衝機構56を変位側の昇降部54に設けているが、これに限定されるものではなく、上部ダイス26および下部ダイス28等の固定側に緩衝機構56を設けてもよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0058】
すなわち、圧油の圧力がリリーフ設定圧力に到達した際、前記圧油を前記圧力室から外部に強制的に導出させることにより、圧油の流出抵抗を減少させ、サージ圧の発生を防止することができる。

【0059】
この結果、緩衝機構によって剰余の変位量が好適に吸収される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧制御装置が組み込まれた鍛造用金型の縦断面図である。
【図2】図1に示す鍛造用金型の鍛造成形開始位置からポンチが下降して鍛造成形が終了した状態を示す動作説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る油圧制御装置の概略構成図である。
【図4】等速ジョイントを構成するアウタカップの製造工程を示す説明図である。
【図5】等速ジョイントを構成するアウタカップの製造工程を示す説明図である。
【図6】等速ジョイントを構成するアウタカップの製造工程を示す説明図である。
【図7】等速ジョイントを構成するアウタカップの製造工程を示す説明図である。
【図8】ポンチの変位量と圧油の圧力値の関係を示す説明図である。
【図9】鍛造製品として得られるアウタカップのカップの底厚の寸法を示す説明図である。
【符号の説明】
10…油圧制御装置 11…鍛造用金型
12a〜12d…ガイド手段 14、16、18…ダイホルダ
20…圧入リング 26、28…ダイス
34、36…リング体 40…ポンチ
42、44…プレート 46…キャビティ
48…ノックアウトピン 54…昇降部
56…緩衝機構 58…圧力室
60…ピストン 62…ブロック体
64、120、126…通路 102…油圧源
104…リリーフ弁 106…インレットポート
108…排出用通路 110…タンク
112…アウトレットポート 114…リリーフ圧供給用通路
116…リリーフポート 118…供給用通路
124…高圧用アキュムレータ 128…低圧用アキュムレータ
136…圧力制御弁

Claims (3)

  1. 第1型部材と第2型部材とを相対的に変位させ、キャビティに装填された鍛造用素材に対して加圧力を付与することにより、前記鍛造用素材を鍛造成形する鍛造用金型の制御方法であって、
    前記第1型部材と前記第2型部材とが相対的に変位して下死点に到達する前に前記第1型部材と前記第2型部材とが当接する工程と、
    前記第1型部材と前記第2型部材とが当接してから下死点に到達するに至るまでの剰余の変位量を吸収する工程と、
    を有し、
    前記剰余の変位量は、圧力室内に充填された圧油に成形荷重が付与され前記圧油の圧力がリリーフ設定圧力に到達した直後、前記圧力室内に充填された圧油が高圧用アキュムレータからなる第1アキュムレータの駆動作用下にリリーフ弁のリリーフ室に供給された圧油を吸収して該リリーフ弁を開弁状態とし、且つ、低圧用アキュムレータからなり前記第1アキュムレータと比較して容量の大なる第2アキュムレータ内に吸収され、前記圧油が前記圧力室から外部に強制的に排出されることにより、吸収されることを特徴とする鍛造用金型の制御方法。
  2. 第1型部材と第2型部材とを相対的に変位させ、キャビティに装填された鍛造用素材に対して加圧力を付与することにより、前記鍛造用素材を鍛造成形する鍛造用金型の制御装置であって、
    前記第1型部材と前記第2型部材とが相対的に変位し、圧力室に充填された圧油の作用によって、前記第1型部材と前記第2型部材とが当接してから下死点に到達するに至るまでの剰余の変位量を吸収する緩衝機構と、
    前記圧力室内に充填された圧油に成形荷重が付与され前記圧油の圧力がリリーフ設定圧力に到達した際、前記圧油を前記圧力室から外部に強制的に導出させる導出手段と、
    を備え
    前記導出手段は、
    通路を介して圧力室に連通するリリーフ弁と、
    前記リリーフ弁のリリーフ室に供給された圧油を吸入して該リリーフ弁を閉弁状態から開弁状態に切り換える高圧用アキュムレータからなる第1アキュムレータと、
    閉弁状態となった前記リリーフ弁を介して圧力室内に充填された圧油を吸入し、低圧用アキュムレータからなり前記第1アキュムレータと比較して容量の大なる第2アキュムレータと、
    を有することを特徴とする鍛造用金型の制御装置。
  3. 請求項記載の装置において、
    前記リリーフ弁のリリーフ室に供給される圧油の圧力を制御する圧力制御弁が設けられることを特徴とする鍛造用金型の制御装置。
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